説明

二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置

【課題】 本発明は、二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用複合物理治療器に関する。
【解決手段】 特に、治療器本体、前記治療器本体の両側面に連結され、長さ調節が可能な支持バンドおよび前記支持バンドの両端部にそれぞれ備えられ、前記支持バンドの両端部を締結する雌固定部材と雄固定部材を含み、前記治療器本体の他側表面には、A相およびB相を発生し、中心孔がある環状の二相超音波振動発生器および前記超音波振動発生器のそれぞれの中心孔に備えられたLED素子を備え、前記治療器本体の一側表面には前記二相超音波振動発生器およびLED素子と連結された第1入力部および第1表示部を備えることを特徴とする二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用複合物理治療器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置に関する。特に、二相超音波振動発生器およびLED素子を用いて成長板を刺激することで、成長板の軟骨細胞の培養および分化を促進させることができるものに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波は、最初に軍事用として開発されたが、今は産業用、医療用などに広く用いられており、超音波を好適に調節して人体に使用すると副作用や害がないという利点があるため、治療および美容などの目的として脚光を浴びている。
【0003】
超音波は、安全な音の物理的な超高速振動で設定強度と照射時間により極めて繊細な振動を皮膚表面から始めて皮膚組織の深い所まで細胞単位に伝達しながら、基本的にマイクロマッサージの効果を与える。
【0004】
なお、分子間の微細な摩擦と異化作用(生体内の物質交代において、生物が外界から摂取した物質を簡単な物質に化学的に分解する反応であって、生活に必要なエネルギーを得ることができる。)により蛋白質、多糖類、脂肪などが分解されることにより熱が発生する。
【0005】
これにより、細胞および組織の温度が瞬間的に上昇し、これは、温まった所を冷ますために周囲から血流などが流入する自然な対流現象を起こして血液循環と新陳代謝機能を促進させる。
【0006】
一方、光治療は、ミルウォーキー(Milwaukee)に位置するウィスコンシン医科大学の医療スタッフが、米航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル運営技術に役に立つほどの治癒力を有した光源を見出したが、本来宇宙で商品性のある作物の栽培のために開発された強力な発光ダイオード(Light-emitting diodes;LED)を医療用として用いると、地球上では勿論、宇宙でも患者の治癒に役に立つという事実が明らかになったのである。
【0007】
しかしながら、従来、超音波およびLEDを用いた医療機器および医療補助機器は製品として市販され使用されてはいるが、二つの技術を組み合わせて成長板を刺激するという技術は提示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述のような従来技術の諸般欠点および問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、超音波およびLED光を複合的に成長板に照射して刺激することにより、成長板の軟骨細胞の培養および分化を促進させ、究極的には人体の成長発育を助ける携帯用成長板刺激型発育促進装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、従来の超音波発生器とは異なり、二相進行波型超音波発生器を使用することにより、各相間の位相を±90°と0°に設定でき、二つのモード方式の超音波を照射することにより、成長板刺激効果を高めることができる携帯用成長板刺激型発育促進装置を提供することにある。
【0010】
本発明のまた他の目的は、二相超音波振動発生器自体で発生した熱を成長板に接触させることにより、温熱効果を利用できる携帯用成長板刺激型発育促進装置を提供することにある。
【0011】
本発明のまた他の目的は、LED素子を備えており、治療に効果がある赤外線波長帯を照射することにより、効果的な光化学的治療が可能な携帯用成長板刺激型発育促進装置を提供することにある。
【0012】
本発明のまた他の目的は、促進器本体および制御器本体といった簡単な構成からなっているため、携帯が簡易であり、場所に拘らず容易に使用できる携帯用成長板刺激型発育促進装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述のような目的を達成するために、本発明は、中心孔を備えた環状の二相超音波振動発生器と、前記二相超音波振動発生器の中心孔に備えられたLED素子とを含み、前記二相超音波振動発生器は、中心孔を備えた環状の振動固定子と、前記振動固定子の下部に備えられる第1電極層と、前記第1電極層の下部に備えられる第2電極層と、前記第1電極層および第2電極層の間に備えられ、前記振動固定子の環状に対応し、A相を発生する第1圧電セラミック群とB相を発生する第2圧電セラミック群を含む圧電セラミック群層とを含み、前記二相超音波振動発生器から照射された二相超音波および前記LED素子から照射された光で成長板を刺激することを特徴とする二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置を提供する。
【0014】
なお、本発明は、底面とカバーからなるヘッドと前記ヘッドから延びた取っ手とを含む促進器本体を含み、前記ヘッドの底面には、A相およびB相を発生し、中心孔がある環状の二相超音波振動発生器と、前記二相超音波振動発生器のそれぞれの中心孔に備えられたLED素子とを備え、前記ヘッドのカバーには、前記二相超音波振動発生器およびLED素子と連結される第1表示部および第1入力部を備えることを特徴とする二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置を提供する。
【0015】
望ましい実施例において、前記二相超音波振動発生器は、前記A相を発生する第1圧電セラミック群および前記第1圧電セラミック群の上部および下部にそれぞれ備えられ、前記第1圧電セラミック群に電源を供給する電極を含むA相振動素子と、前記B相を発生する第2圧電セラミック群および前記第2圧電セラミック群の上部および下部にそれぞれ備えられ、前記第2圧電セラミック群に電源を供給する電極を含むB相振動素子と、前記A相振動素子およびB相振動素子の上に備えられ、前記A相振動素子およびB相振動素子で発生したA相およびB相を外部に伝達する振動固定子とを含む。
【0016】
望ましい実施例において、前記促進器本体の一側面には、前記第1入力部、第1表示部、超音波振動発生器およびLED素子を外部と接続するための第1接続端子を備える。
【0017】
望ましい実施例において、前記成長板刺激型発育促進装置は、前記第1接続端子とコネクタケーブルにより接続される第2接続端子を備えた制御器本体を含み、前記制御器本体は、その内部に備えられた電源供給装置と、前記電源供給装置と連結され、前記第2接続端子と接続されて前記促進器本体の第1入力部、第1表示部、二相超音波振動発生器およびLED素子と連結された制御部と、前記制御部に連結された第2入力部および第2表示部とを含む。
【0018】
望ましい実施例において、前記第1入力部は、前記二相超音波振動発生器およびLED素子の強度を制御する信号を入力する入力部であり、前記第1表示部は、前記成長板刺激型発育促進装置の作動時間を表示する表示部であり、前記第2入力部は、前記成長板刺激型発育促進装置の作動モードを制御する信号を入力する入力部であり、前記第2表示部は、前記制御部から提供される信号を表示する表示部である。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置は次のような優れた効果を有する。
【0020】
先ず、本発明に係る携帯用成長板刺激型発育促進装置によると、超音波およびLED光を複合的に成長板に照射して刺激することにより、成長板の軟骨細胞の培養および分化を促進させ、究極的には人体の成長発育を助ける。
【0021】
なお、本発明に係る携帯用成長板刺激型発育促進装置によると、従来の超音波発生器とは異なり、二相進行波型超音波発生器を使用することから、各相間の位相を±90°と0°に設定でき、二つのモード方式の超音波を照射することにより、成長板刺激効果を高めることができる。
【0022】
なお、本発明に係る携帯用成長板刺激型発育促進装置によると、二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置は、二相超音波振動発生器自体で発生した熱を成長板に接触させることにより、温熱効果を利用することができる。
【0023】
なお、本発明に係る携帯用成長板刺激型発育促進装置によると、LED素子を備えており、治療に効果がある赤外線波長帯を照射することにより、効果的な光化学的治療が可能である。
【0024】
なお、本発明に係る携帯用成長板刺激型発育促進装置によると、促進器本体および制御器本体といった簡単な構成からなっているため、携帯が簡易であり、場所に拘らず容易に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置の二相超音波振動発生器およびLED素子を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器を説明するための概念図である。
【図3】本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器を説明するための概念図である。
【図4】本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置の促進器本体の上面を示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置の促進器本体の下面を示す図である。
【図6】本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置の促進器本体の側面を示す図である。
【図7】本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置の制御器本体を示す図である。
【図8】本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置全体の回路を簡略に示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照して、本発明の望ましい一実施例を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。また、同一の構成要素に対しては同一の符号を付す。
【0027】
図1は、本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置の二相超音波振動発生器およびLED素子を示す分解斜視図である。
【0028】
図1を参照して説明すると、本発明の携帯用成長板刺激型発育促進装置は、二相超音波振動発生器100およびLED素子200を備えている。
【0029】
前記二相超音波振動発生器100は、A相およびB相を発生し、中心孔112がある環状の二相超音波振動発生器である。
【0030】
この際、前記中心孔112には前記LED素子200が備えられる。前記LED素子200は赤外線波長帯の光を照射する素子である。ここで、前記赤外線波長帯は少なくとも680nm以上の赤外線波長帯を意味する。
【0031】
前記二相超音波振動発生器100は、大きく振動固定子110、第1電極層120、圧電セラミック層130、第2電極層140および底板150を含むことができる。
【0032】
前記振動固定子110は下部で発生した超音波を伝達する役割をする。
【0033】
前記第1電極層120および第2電極層140は前記圧電セラミック層130に電源を供給する役割をする。
【0034】
この際、前記圧電セラミック層130は、図1に示すように、A相を発生させる複数個の圧電セラミックからなる第1圧電セラミック群130a、およびB相を発生させる複数個の圧電セラミックからなる第2圧電セラミック群130bからなっている。
【0035】
前記第1圧電セラミック群130aおよび第2圧電セラミック群130bは環状の領域を半分ずつ占めるように備えられる。
【0036】
これにより、本発明の二相超音波振動発生器100は、A相を発生する第1圧電セラミック群130aおよび前記第1圧電セラミック群130aの上部および下部にそれぞれ備えられ、前記第1圧電セラミック群130aに電源を供給する電極を含むA相振動素子と、前記B相を発生する第2圧電セラミック群130bおよび前記第2圧電セラミック群130bの上部および下部にそれぞれ備えられ、前記第2圧電セラミック群130bに電源を供給する電極を含むB相振動素子とからなっているため、2相の超音波を発生させることができる。前記A相振動素子およびB相振動素子の動作については、図2および図3を参照して詳しく説明する。
【0037】
前記底板150は、前記振動固定子110、第1電極層120、圧電セラミック層130および第2電極層140を締結して固定する役割をする。
【0038】
即ち、ねじのような締結部材160により、前記振動固定子110が前記の底板150のねじ締結部154に固定されることにより、前記二相超音波振動発生器100の各素子が固定される。
【0039】
また、前記底板150は、前記LED素子200の電極210を締結するLED電極締結部152を備え、前記LED素子200を前記二相超音波振動発生器100に締結させる。
【0040】
また、前記底板150には、第1電極層120、第2電極層140およびLED素子200の電極210に電源を供給するための電源供給ライン170が備えられている。
【0041】
これにより、本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用複合物理治療器は、二相超音波振動発生器100およびLED素子を備えており、前記二相超音波振動発生器100から照射される超音波と前記LED素子200から照射される赤外線波長を同時に成長板に照射することにより、成長板の軟骨細胞の培養および分化を促進させる。
【0042】
この際、前記二相超音波振動発生器100は、振動固定子110の表面のある質点の運動が楕円の進行波振動刺激と表面の運動が直線の定在波振動刺激といった二つのモード方式を使用でき、様々な振動刺激を成長板に照射することができるので、優れた効果を有する。
【0043】
また、前記二相超音波振動発生器100自体で発生する熱を用いて温熱効果を期待することもできる。
【0044】
図2および図3は、本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器を説明するための概念図である。
【0045】
図2および図3を参照して説明すると、二相超音波振動発生器は、図2に示すように、セラミック圧電体層130の厚さ方向に正弦波の電界を印加すると、圧電体の分極方向によって機械的な伸長182と収縮184が発生する。
【0046】
このようなセラミック圧電体層130の伸長182および収縮184は、振動固定子110の表面に定在波(standing wave)に現れる。
【0047】
この際、位相差が±90°の場合、各相で発生した定在波が振動固定子110内部で合成されながら、振動固定子110の表面には進行波(travellingwave)186の形態に現れる。
【0048】
この際、前記振動固定子110の表面のある質点は楕円運動188をするが、前記楕円188の大きさおよび形状、そして回転方向を調節することにより、超音波振動発生器の速度およびトークを制御することができる。
【0049】
先ず、本発明の二相超音波振動発生器の位相差調節方式を説明する。
【0050】
図2に示すように、A相を発生するA相振動素子192およびB相を発生するB相振動素子194にそれぞれ正弦波電圧を印加すると、各相で定在波が発生する。
【0051】
前記A相振動素子192で発生した定在波の空間的位相とB相振動素子194で発生した空間的位相は、二相超音波振動発生器の構造上90°の位相差を有する。
【0052】
そして、前記A相振動素子192とB相振動素子194に時間的にφの正弦波電源を供給すると、前記A相振動素子192とB相振動素子194で発生する機械的振動波の定在波は下記数式1および2で表される。
【0053】
【数1】

【0054】
【数2】

【0055】
ここで、前記ζA、ζBは整数、xは円周上の位置、nは円周上の定在波の個数である。
【0056】
前記A相振動素子192とB相振動素子194の定在波が同一振動固定子110の内部で合成されるため、前記数式1および2は下記数式3にまとめることができる。
【0057】
【数3】

【0058】
ここで、前記ζB=ζA×γ、即ち、振幅がγ=ζB/ζBとすると、前記数式3は下記数式4のように表される。
【0059】
【数4】

【0060】
前記進行波による機械的振動は振動固定子130の厚さTの中央の中性面のものであり、これからT/2だけ離れた振動固定子130の表面の円周方向の変位Xと軸方向の変位Yは、それぞれ下記数式5および6で表される。
【0061】
【数5】

【0062】
【数6】

【0063】
ここで、前記数式5のtanθは下記数式7のように表される。
【0064】
【数7】

【0065】
この際、前記数式4と数式7を数式6と数式5に代入すると、下記数式8と数式9のようになる。
【0066】
【数8】

【0067】
【数9】

【0068】
前記数式8および数式9を用いて振動固定子110の表面に発生する楕円方程式を求めると、下記数式10の通りである。
【0069】
【数10】

この際、前記数式10のA、BおよびCは、

であり、
前記P、Qは

であり、
前記a、bおよびθ

である。
【0070】
そのために、前記数式10は、中心は(x、T/2)であり、長軸はaであり、短軸はbであり、回転はθのある楕円を示す。
【0071】
この際、図3に示すように、前記φを−90°から0°に変化させると、振動固定子110で発生する振動は、逆方向(CCW)の進行波から段々定在波の形態に変わり、0°になると、全て定在波になり、二相超音波振動発生器は停止する。
【0072】
また、前記φを0°から+90°に変化させると、純方向(CW)の進行波の形態に変化する。
【0073】
ここで、定在波と進行波の分布はφの大きさにより徐々に変化し、前記φが−90°から0°および0°から+90°の間の進行波を屈曲進行波という。
【0074】
したがって、位相差調節の原理は、A相振動素子192およびB相振動素子194の入力電圧の位相差を調節して前記数式10の楕円方程式の位相差パラメーターφを可変させ、楕円の長軸、短軸、そして回転方向と楕円の勾配を変更して二相超音波振動発生器の振動の強さ、振動の種類および振動方向を制御することができる。
【0075】
これにより、本発明に係る二相超音波振動発生器は、前記位相差調節原理を用いて振動固定子110の表面のある質点の運動が、楕円の進行波および直線の定在波の二つのモード方式で使用できる。
【0076】
次に、二相超音波振動発生器の周波数を調節する方法について説明する。
【0077】
一般に、超音波振動発生器は、機械的共振周波数と入力電源の周波数の電力変換装置の電気的共振周波数とが一致した時最大トークが発生する。機械的共振周波数は温度と負荷により変化し、温度が高くなると速度は段々遅くなる。
【0078】
これは、前記機械的共振周波数、即ち、最適の共振点が段々低い方の周波数帯に移動することを示す。
【0079】
一般に、電気的共振周波数、即ち、入力電源の周波数を減少させながら調節する。
【0080】
しかしながら、最適の共振点を過ぎてもっと周波数を減少させると、超音波振動発生器の速度は急激に減少して停止することになる。
【0081】
電力変換装置の電気的共振周波数は、変化した超音波振動発生器の機械的共振周波数を探し出してそれに従えば、効率的な駆動と安定な運転点を探すことができる。
【0082】
前記超音波振動発生器の機械的共振周波数を表わすための、本発明に係る二相超音波振動発生器の機械的定数は次の数式11の通りである。この際、Lusmは振動固定子の質量効果による等価インダクタであり、Cusmは振動固定子のスプリング効果によるキャパシタである。
【0083】
【数11】

【0084】
ここで、前記mは振動固定子セラミック-金属の質量、Fはforce factor、Kは振動固定子セラミック-金属間のバネ定数である。
【0085】
前記機械的定数を使用して二相超音波振動発生器の機械的共振周波数fusmを表わすと下記数式12の通りである。
【0086】
【数12】

【0087】
従って、本発明に係る二相超音波振動発生器に直接印加される電源電圧の周波数fは下記数式13の通りである。
【0088】
【数13】

【0089】
ここで、前記Cは二相超音波振動発生器の圧電セラミック層130の圧電セラミックのブロッキングキャパシタンスであり、前記Lは外部インダクタであり、前記Δfは二相超音波振動発生器の制御に必要な可変周波数である。
【0090】
これにより、前記数式13を用いて本発明の二相超音波振動発生器の最大トークを発生させることができる電源電圧の周波数を探すことができる。
【0091】
(実施の形態)
図4〜図6は、本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置の促進器本体の上面、下面および側面を示す図である。
【0092】
図4〜図6を参照して説明すると、本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置の促進器本体は、ヘッド300と取っ手400とを含む。
【0093】
前記取っ手400は、携帯用成長板刺激型発育促進装置を使用する使用者が手で掴んで使いやすいように備えられ、図では詳しく図示してはいないが、その表面に凹凸などを設けることができる。
【0094】
前記促進器本体におけるヘッド300のカバー302の一定位置には、携帯用成長板刺激型発育促進装置の作動時間を表示する第1表示部310および携帯用成長板刺激型発育促進装置の作動強弱および時間を使用者が入力できる第1入力部320が備えられている。
【0095】
前記促進器本体のヘッド300の底面305には、前記図1を参照して説明したLED素子200を備えた二相超音波振動発生器100が取り付けられている。
【0096】
図5および図6では前記底面305の形状を扁平なもので図示しているが、下方向に膨らんで突出した半球型の形状に備えられても構わない。即ち、前記底面305は、成長板への二相超音波およびLED光の照射が行われ易い形態で備えられている。
【0097】
前記取っ手400の一側端部には、前記第1表示部310、第1入力部320、二相超音波振動発生器100およびLED素子200を制御器本体(後で説明する。)などのような外部と接続するための第1接続端子330が備えられている。
【0098】
したがって、本発明の二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置は、二相超音波振動発生器およびLED素子を備え、前記二相超音波振動発生器およびLED素子から照射される超音波および光を用いて成長板を刺激することにより、究極的に人体の成長発育を助ける装置である。
【0099】
図7は、本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置の制御器本体を示す図である。
【0100】
図7を参照して説明すると、二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置の制御器本体500は、前記促進器本体300の第1接続端子330とコネクタケーブル600により接続される第2接続端子610を備えている。
【0101】
また、図面に詳しく図示してはいないが、前記制御器本体500の内部には、電力変換装置を含む電源供給装置および前記治療器本体300の第1表示部310、第1入力部320、二相超音波振動発生器100およびLED素子200と前記コネクタケーブル600により連結される制御部が備えられている。
【0102】
この際、前記電源供給装置は、外部から供給される電源をDC24Vおよび12Vに変換して本発明の携帯用成長板刺激型発育促進装置に供給する役割をする。
【0103】
また、前記制御器本体500の表面には、前記制御部と連結され、前記制御部に連結されて前記制御部から提供される信号、例えば、前記二相超音波振動発生器の設定モードなどを表示する第2表示部510が備えられている。
【0104】
また、前記制御器本体500の表面には、超音波の周波数、デューティ比および位相差などの二相超音波振動発生器の作動モードを制御する信号および前記LED素子の強さなどを制御する信号を入力する第2入力部520が備えられている。
【0105】
一方、前記制御器本体500には、外部電源を供給するための電源ケーブル700を備えて前記制御器本体500に電源を供給する。
【0106】
従って、本発明に係る二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置は、上述したように促進器本体および制御器本体を備え、携帯が簡易であり、容易に使用できるように設計されている。
【0107】
図8は、本発明の一実施例に係る二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置全体の回路を簡略に示す回路図である。
【0108】
図8を参照して説明すると、二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置は、大きく促進器本体300および制御器本体500を含んでいる。
【0109】
前記促進器本体300は、第1表示部310、第1入力部320、二相超音波振動発生器100およびLED素子200を含んでいる。
【0110】
また、前記制御器本体500は、第2表示部510、第2入力部520、電力変換装置を含む電源供給装置530および制御部540を含んでいる。
【0111】
この際、前記制御部540は、前記促進器本体300の第1表示部310、第1入力部320、二相超音波振動発生器100およびLED素子200とコネクタケーブル600により連結されており、前記制御器本体500の表面の第2表示部510、第2入力部520および電源供給装置530と連結されている。
【0112】
これにより、前記制御部540は、使用者が前記第1入力部320および第2入力部520により入力する様々な制御信号を処理するが、前記制御部540はマイクロプロセッサ(図示せず)を備えているので、前記制御信号を処理して前記促進器本体300の二相超音波振動発生器100およびLED素子200を制御し、前記制御信号および処理結果を前記第1表示部310および第2表示部510に表示する。
【0113】
以上のような構成の二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置は、超音波およびLED光を複合的に成長板に照射して刺激することにより、成長板の軟骨細胞の培養および分化を促進させ、究極的には人体の成長発育を助けることができるのみでなく、従来の超音波発生器とは異なり二相進行波型超音波発生器を用いることから、各相間の位相を±90°と0°に設定でき、二つのモード方式の超音波を照射することにより、成長板刺激効果を高めることができる。
【0114】
また、二相超音波振動発生器自体で発生した熱を患者の成長板に接触することにより、温熱治療に使用できるのみでなく、LED素子を備えており、治療に効果のある赤外線波長帯を照射することができるので、効果的な光化学的治療も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、望ましい実施例に基づいて説明したが、これらの実施例に限定されなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により様々な変更と修正が可能であるだろう。
【符号の説明】
【0116】
100・・・二相超音波振動発生器 110・・・振動固定子
112・・・中心孔 120・・・第1電極層
130・・・圧電セラミック層、セラミック圧電体層、振動固定子
130a・・・第1圧電セラミック群
130b・・・第2圧電セラミック群 140・・・第2電極層
150・・・底板 152・・・LED電極締結部
154・・・ねじ締結部 160・・・締結部材
170・・・電源供給ライン 182・・・伸長
184・・・収縮
186・・・進行波(travellingwave)
188・・・楕円 192・・・A相振動素子
194・・・B相振動素子 200・・・LED素子
210・・・電極 300・・・促進器本体のヘッド、治療器本体
302・・・カバー 305・・・底面 310・・・第1表示部
320・・・第1入力部 330・・・第1接続端子
400・・・促進器本体の取っ手 500・・・制御器本体
510・・・第2表示部 520・・・第2入力部
530・・・電源供給装置 540・・・制御部
600・・・コネクタケーブル 610・・・第2接続端子
700・・・電源ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心孔を備えた環状の二相超音波振動発生器と、
前記二相超音波振動発生器の中心孔に備えられたLED素子とを含み、
前記二相超音波振動発生器は、
中心孔を備えた環状の振動固定子と、
前記振動固定子の下部に備えられる第1電極層と、
前記第1電極層の下部に備えられる第2電極層と、
前記第1電極層および第2電極層の間に備えられ、前記振動固定子の環状に対応し、A相を発生する第1圧電セラミック群とB相を発生する第2圧電セラミック群を含む圧電セラミック群層とを含み、
前記二相超音波振動発生器から照射された二相超音波および前記LED素子から照射された光で成長板を刺激することを特徴とする二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置。
【請求項2】
底面とカバーからなるヘッドと前記ヘッドから延びた取っ手とを含む促進器本体と、
前記ヘッドの底面に備えられるA相およびB相を発生し、中心孔がある環状の二相超音波振動発生器と、
前記二相超音波振動発生器のそれぞれの中心孔に備えられたLED素子と、
前記ヘッドのカバーに備えられる前記二相超音波振動発生器およびLED素子と連結される第1表示部および第1入力部とを含むことを特徴とする二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置。
【請求項3】
前記二相超音波振動発生器は、
前記A相を発生する第1圧電セラミック群および前記第1圧電セラミック群の上部および下部にそれぞれ備えられ、前記第1圧電セラミック群に電源を供給する電極を含むA相振動素子と、
前記B相を発生する第2圧電セラミック群および前記第2圧電セラミック群の上部および下部にそれぞれ備えられ、前記第2圧電セラミック群に電源を供給する電極を含むB相振動素子と、
前記A相振動素子およびB相振動素子の上に備えられ、前記A相振動素子およびB相振動素子で発生したA相およびB相を外部に伝達する振動固定子とを含むことを特徴とする請求項2に記載の二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置。
【請求項4】
前記促進器本体の一側面に、前記第1入力部、第1表示部、超音波振動発生器およびLED素子を外部と接続するための第1接続端子を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置。
【請求項5】
前記成長板刺激型発育促進装置は、
前記第1接続端子とコネクタケーブルにより接続される第2接続端子を備えた制御器本体をさらに含み、
前記制御器本体は、
その内部に備えられた電源供給装置と、
前記電源供給装置と連結され、前記第2接続端子と接続されて前記促進器本体の第1入力部、第1表示部、二相超音波振動発生器およびLED素子と連結された制御部と、
前記制御部に連結された第2入力部および第2表示部とを含むことを特徴とする請求項4に記載の二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置。
【請求項6】
前記第1入力部は、前記二相超音波振動発生器およびLED素子の強度を制御する信号を入力する入力部であり、
前記第1表示部は、前記成長板刺激型発育促進装置の作動時間を表示する表示部であり、
前記第2入力部は、前記成長板刺激型発育促進装置の作動モードを制御する信号を入力する入力部であり、
前記第2表示部は、前記制御部から提供される信号を表示する表示部であることを特徴とする請求項5に記載の二相超音波振動発生器およびLED素子を備えた携帯用成長板刺激型発育促進装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−509737(P2011−509737A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543052(P2010−543052)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000198
【国際公開番号】WO2009/091181
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(510194839)インダストリー ファウンデェイション オブ チョンナム ナショナル ユニバーシティー (2)
【Fターム(参考)】