説明

二酸化窒素(NO2)から酸化窒素(NO)への変換

空気中の二酸化窒素を有するガスボンベを備え、二酸化窒素を酸化窒素に変換し、かつアスコルビン酸など酸化防止剤の水性溶液で被覆されたシリカゲルなどの表面活性材料を用いる、酸化窒素送達システム。酸化窒素送達システムは、酸化窒素を含むガスを発生させ、哺乳動物に治療用ガスを送達するのに使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、米国特許仮出願番号第60/896,627号(2007年3月23日出願)及び米国特許仮出願番号第60/955,767号(2007年8月14日出願)の優先権を主張し、どちらもそれら全体で引用して組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本明細書は、制御された酸化窒素の発生に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
ニトロシルラジカルとも知られる酸化窒素(NO)は、肺血管内の重要なシグナリング分子であるフリーラジカルである。酸化窒素(NO)は、肺動脈圧の上昇により生じる肺高血圧を緩和することができる。例えば、20〜100ppmの範囲の、低濃度の酸化窒素(NO)吸入は、肺血管の血管拡張によって哺乳動物の肺高血圧を迅速かつ安全に低減することができる。
【0004】
いくつかの疾患又は生理学的状態は、酸化窒素(NO)の吸入によって媒介することができる。吸入される低濃度の酸化窒素(NO)の使用は、これらに限定されないが、急性肺血管収縮、外傷、吸引又は吸入傷害、肺内の脂肪塞栓、アシドーシス、肺炎、成人呼吸促進症候群、急性肺水腫、急性高山病、心臓手術後の急性肺高血圧、新生児の持続性肺高血圧、周産期吸引症候群、硝子膜病、急性肺血栓塞栓症、ヘパリン−プロタミン反応、敗血症、喘息及び喘息発作重積状態、又は低酸素症を含むことができる疾患の進行を、予防し、後退させ、又は制限することができる。酸化窒素(NO)はまた、慢性肺高血圧、気管支肺異形成、慢性肺血栓塞栓病、及び突発性又は原発性肺高血圧、あるいは慢性低酸素症を治療するために使用することもできる。通常、NOガスは、窒素ガス(N2)内に希釈されたボンベ入り気体の形態で供給される。NOガスのタンク内に、微量であっても酸素(O2)が存在することを防ぐために、多大な注意が払われなくてはならない。というのもNOは、O2が存在すると酸化されて二酸化窒素(NO2)となるからである。NOと異なり、ppmレベルのNO2ガスは、吸入されると非常に有毒であり、肺の中に硝酸及び亜硝酸を形成する可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
(要旨)
一態様において、哺乳動物への治療用ガス送達に使用される、酸化窒素を含む治療用ガスを発生するためのキットは、二酸化窒素の供給源に接続して形成された拡散セル、拡散セルに接続された透過管、及び該透過管に取付けるように形成された容器を備えることができる。該容器は、入口、出口、及び酸化防止剤で被覆された表面活性材料を備え、該入口が、透過管からの二酸化窒素の流れを受け取り、かつ該流れを、表面活性材料を通して該出口へと流体連結させて、周囲温度にて気体状の二酸化窒素を酸化窒素に変換するように構成することができる。二酸化窒素の供給源はN2O4を含有する液体二酸化窒素とすることができる。該拡散セルは、毎分200,000ng(ナノグラム)の拡散速度で二酸化窒素を供給するように構成できる。該拡散セルは、ステンレス鋼又はプラスチックから作成することができる。該透過管の長さは、特定の温度にて所定用量の二酸化窒素を供給するように定めることができる。該透過管は、さらに、該管の長さ以上の、可動性で、非透過性の被覆を備えることができる。該被覆は、使用前に取除くように構成することができる。該透過管は、拡散針を通して、該拡散セルに接続することができる。該拡散針は、狭口径拡散針とすることができる。さらに、該拡散針は、針の側面の穴、及び該穴を包囲している外部被覆を備えることができ、該被覆は、所望の穴の覆いを回転してはずすように構成された該針の周囲と適合した溝を有する。針側面の該穴を、1/4、1/2、又は3/4の位置とすることができる。該拡散セルは、多数の狭口径拡散針を通して、多数の透過管に接続することができる。該容器はカートリッジを備えることができる。該表面活性材料は、酸化防止剤で満たすことができる。該表面活性材料は、水分を保持する担体を含むことができる。該表面活性材料には、シリカゲルを含めることができる。該酸化防止剤には、アスコルビン酸、αトコフェロール、又はγトコフェロールを含めることができる。
【0006】
該容器は、第1の容器である。該キットは、さらに第2の容器を備えることができる。該第2の容器は、自身の入口及び出口、並びに酸化防止剤の水性溶液によって被覆された表面活性材料を備えることができ、第1の容器からの流れを受け取り、かつ該流れを、第2の表面活性材料を通して第2の出口へと流体連通させて、周囲温度にて気体状の二酸化窒素を酸化窒素に変換するように構成することができる。
【0007】
別の態様において、治療用ガスを哺乳動物に送達するのに使用する、酸化窒素を含む治療用ガスの発生キットは、二酸化窒素の供給源に接続するように構成された圧力調整器、該圧力調整器に取付けるように構成された容器、該容器が備える入口、出口、及び酸化防止剤の水性溶液によって被覆された表面活性材料を備えることができ、該入口が、二酸化窒素ガスの供給源からの流れを受け取り、かつ該流れを、表面活性材料を通して該出口へと流体連通させて、周囲温度にて気体状の二酸化窒素を酸化窒素に変換するように構成でき、該容器が、空気、又は酸素、又はそれらのいくつかの組み合わせ中の二酸化窒素を有するガスボンベに取付けるように構成でき、気体状の二酸化窒素及び空気の流れを供給することが可能である。さらに、該キットは、二酸化窒素を有するガスボンベを備えることができ、気体状の二酸化窒素を空気流に拡散させて供給することが可能である。該容器は、該圧力調整器の低圧力側に設置することができる。該容器は、第1の容器である。該キットは、さらに第2の容器を備えることができる。該第2の容器は、自身の入口及び出口、並びに酸化防止剤の水性溶液によって被覆された表面活性材料を備えることができ、該第の入口は、第1の容器からの流れを受け取り、かつ該流れを、第2の表面活性材料を通して第2の出口へと流体連通させて、周囲温度にて気体状の二酸化窒素を酸化窒素に変換するように構成することができる。該圧力調整器は、該容器と空気中の二酸化窒素を有するガスボンベとを接続する、入口部及び出口部を備えることができる。該容器には、カートリッジを含むことができる。該表面活性材料は、酸化防止剤の水溶液で満たすことができる。該表面活性材料は、水分を保持する担体を含むことができる。該表面活性材料には、シリカゲルを含めることができる。該酸化防止剤には、アスコルビン酸、αトコフェロール、又はγトコフェロールを含めることができる。
【0008】
さらなる態様において、治療用量の酸化窒素を哺乳動物に供給する方法は、ガス流に二酸化窒素を拡散すること、酸化防止剤の水溶液によって被覆された表面活性材料に二酸化窒素を接触させて、周囲温度にて気体状の二酸化窒素を酸化窒素に変換すること、かつ該酸化窒素を治療用量で、哺乳動物に輸送することを含む。該二酸化窒素は、液体二酸化窒素から発生させることができる。ガス流に二酸化窒素を拡散する場合に、治療用量の酸化窒素を哺乳動物に供給する方法は、毎分200,000ngの拡散速度で二酸化窒素を供給することを含むことができる。ガス流に二酸化窒素を拡散する場合に、治療用の量の酸化窒素を哺乳動物に供給する方法は、特定の温度にて所定用量の二酸化窒素を供給することを含む。該表面活性材料は、酸化防止剤で満たすことができる。該表面活性材料は、水分を保持する担体を含むことができる。該表面活性材料には、シリカゲルを含めることができる。該酸化防止剤には、アスコルビン酸、αトコフェロール、又はγトコフェロールを含めることができる。治療用量の酸化窒素を哺乳動物に供給する方法は、哺乳動物の吸入の直前に、該酸化窒素を酸化防止剤によって被覆された第2の表面活性材料と接触させることをさらに含む。
【0009】
本発明の1つ以上の実施態様の詳細を、添付図面及び下記記述にて説明する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、該記述及び図面、並びに特許請求の範囲より明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
(図の説明)
【図1】NO2をNOに変換するカートリッジを示すブロック図である。
【図2】図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。
【図3】図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。
【図4】図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。
【図5】図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。
【図6】図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。
【図7】図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。
【図8】図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。
【図9】図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。
【図10】図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。
【図11】NO2をNOに変換する別のカートリッジを示す図である。
【図12】図11のカートリッジを使用するNO送達システムを示す図である。
【図13】図11のカートリッジを使用するNO送達システムを示す図である。
【図14】図11のカートリッジを使用するNO送達システムを示す図である。
【図15】図1のカートリッジを使用するNOx計器校正システムを示すブロック図である。
【図16】圧力調整器の低圧側へのGENOカートリッジの設置を示す図である。
【図17】ガスボンベと一体であるカートリッジを示す図である。
【図18】ガスボンベの出口とカートリッジの入口の両方に接続された調整器を示す図である。
【図19】3部構成のカートリッジ設計の態様を示す図である。
【図20】3部構成のカートリッジ設計の態様を示す図である。
【図21A】3部構成のカートリッジ設計の態様を示す図である。
【図21B】3部構成のカートリッジ設計の態様を示す図である。
【図22A】レキュペレータの実施形態を示す図である。
【図22B】レキュペレータの実施形態を示す図である。
【図23】特別に設計された継手とともにGeNOカートリッジを使用するNO送達システムを示す図である。
【図24】透過管に接続された拡散セルの図である。
【図25】可動性で、滑動し、非透過性の被覆をともなう透過管の図である。
【図26】拡散管に接続された一般的な拡散槽及び透過管の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(詳細な説明)
酸化窒素(NO)を、治療的使用のために哺乳動物へと送達する場合、哺乳動物への二酸化窒素(NO2)の送達を回避することが重要となる可能性がある。二酸化窒素(NO2)は、酸素(O2)による酸化窒素(NO)の酸化によって形成することができる。二酸化窒素(NO2)形成の比率は、酸素(O2)濃度に酸化窒素(NO)濃度の二乗を乗算したもの、すなわち(O2*(NO)*(NO)=NO2に比例する。
【0012】
二酸化窒素(NO2)を酸化窒素(NO)に変換する、NO送達システムが提供される。このシステムは、変換を行うための単純かつ有効な機構として、酸化防止剤の水溶液で被覆された表面活性材料を用いる。より具体的には、希釈された気体状態のNO2を、酸化防止剤の水溶液で被覆された表面活性材料上を通過させることによって、NO2をNOに変換することができる。該水溶性酸化防止剤がアスコルビン酸(すなわちビタミンC)である場合、反応は、周囲温度で定量的となる。該システムによって用いられる技術は、NO2をNOに変換するためのその他の技術と対比されるべきである。2つのそのような技術は、NO2を含有するガス流を、ステンレス鋼上で650℃より高く、又はモリブデン上で450℃3fより高く加熱することである。これら2つの技術はいずれも、空気中のNO2をNOに変換し、次いでNO濃度を化学発光によって測定する、大気汚染計器において使用される。説明された別の方法は、160℃から300℃を超える温度にて、銀を触媒として使用するものである。
【0013】
表面活性材料の一例は、シリカゲルである。使用することができる表面活性材料の別の例は、綿である。該表面活性材料は、水を保持することができる担体とすることができ、又はそれを含むことができる。水分を吸収することができる大きな表面積を有する、別のタイプの表面活性材料を使用することもできる。
【0014】
図1は、NO2をNOに変換することによってNOを発生させるカートリッジ100を示す。NO発生カートリッジ、GENOカートリッジ、又はGENOシリンダと呼ばれることがある、カートリッジ100は、入口105及び出口110を備える。入口105及び出口110の両方に、スクリーン及びグラスウール115が配置され、カートリッジ100の残りの部分は、表面活性材料を被覆するために、酸化防止剤の飽和水溶液に浸された表面活性材料120で充填される。該スクリーン及びグラスウール115もまた、カートリッジ100に挿入される前に酸化防止剤の飽和水溶液で浸される。図1の例では、該酸化防止剤はアスコルビン酸である。
【0015】
NO2をNOに変換するための一般的なプロセスでは、NO2を有する空気流が入口105を通して受け取られ、該空気流が、水溶性酸化防止剤によって被覆された表面活性材料120を通って出口110へと流体連通する。表面活性材料が湿潤したままであり、酸化防止剤が変換で使い果たされていない限り、一般的なプロセスは、周囲温度におけるNO2のNOへの変換に有効である。
【0016】
入口105は、図2のシステム200などの、液体NO2を収容する透過管を通じて空気流を流体連通させる空気ポンプから、NO2を有する空気流を受け取ることができる。また、該入口105は、例えばNO2のタンクとも呼ばれることがあるNO2の加圧ボンベから、NO2を有する空気流を受け取ることができる。入口105はまた、窒素(N2)、空気、又は酸素(O2)内にNO2を含む、空気流を受け取ることができる。変換は広い濃度範囲にわたって生じる。実験は、空気中の濃度が約2ppmのNO2から100ppmのNO2、及び1000ppmを超えるNO2でも行った。1つの例では、長さがおよそ6インチであり、1.5インチの直径を有するカートリッジを、アスコルビン酸の飽和水溶液中にまず浸されたシリカゲルで充填した。湿潤したシリカゲルを、A.C.S.(米国化学会)試薬グレードとして指定された純度99.1%の、Aldrich Chemical Companyによるアスコルビン酸(すなわちビタミンC)、及びFischer Scientific International, Inc.による、S8 32-1と指定された、グレード40のサイズ35から70のメッシュのシリカゲルを用いて調製した。例えば、8インチの直径を有するシリカゲルも機能する。
【0017】
35重量%のアスコルビン酸を水と混合し、攪拌し、シリカゲルを通して水/アスコルビン酸の混合物を濾過することによって調製された、アスコルビン酸の飽和溶液でシリカゲルを湿潤し、続いて乾燥した。従来のNO2からNOへの変換は、アスコルビン酸で被覆されたシリカゲルが湿潤しているときに上手く進行することが見出されている。NO2からNOへの変換は、アスコルビン酸の水性溶液のみの中では上手く進行しない。
【0018】
湿潤したシリカゲル/アスコルビン酸で充填されたカートリッジは、空気中の1000ppmのNO2を、毎分150mlの流量で、定量的に、12日間に渡り停止せずにNOに変換することができた。毎分わずか数mlから毎分5000mlの流量までの範囲の、幅広い流量及びNO2濃度の試験に成功してきた。反応はまた、ビタミンEの異性体(例えば、αトコフェロール及びγトコフェロール)など、その他の一般的な酸化防止剤を使用して進行する。
【0019】
酸化防止剤/表面活性材料のGENOカートリッジは、吸入治療のために使用することができる。そのような例の1つでは、該GENOカートリッジは、加圧ボンベ供給源からNOを送達する、NO吸入治療用のNO2スクラバーとして使用することができる。該GENOカートリッジは、吸入治療中に化学的に形成されるいかなるNO2も除去するために使用することができる。このGENOカートリッジは、有害なレベルのNO2が患者によって不注意に吸入されないよう保障することを助けるために使用することができる。
【0020】
まず、GENOカートリッジは、従来のNO吸入治療での吸入治療中に使用される、安全装置の一部又はすべてを補完又は置換するために使用することができる。例えば、1つのタイプの安全装置は、NO2の濃度が、一般に1ppm以上のNO2である予め設定された又は所定の限界を超えると、空気中のNO2の存在を警告する。GENOカートリッジが、NO送達システム内で患者がNOを多く含む空気を吸い込む直前のところに配置される場合、そのような安全装置は不必要となることがある。該GENOカートリッジは、患者がNOを多く含む空気を吸い込む直前に、いかなるNO2もNOに変換し、空気中のNO2の存在を警告する装置が不必要になる。
【0021】
さらに、吸入機器及び(管機構とも呼ばれることがある)ガス配管ラインの、出口付近に配置されるGENOカートリッジはまた、これらの換気機器内の通過時間により生じるNO2の形成に付随する問題を低減又は解消する。従って、該GENOカートリッジの使用によって、従来の応用例で必要とされる、ガス配管ラインを通してガスを迅速に移動させるよう保証する必要が低減又は解消される。また、GENOカートリッジは、患者への総ガス流を制御するガスバルーンと共に、NOガスを使用することができる。
【0022】
あるいは又はさらに、患者への送達システム取付けの直前にNO2除去カートリッジを挿入し、さらに安全性を高め、微量の有毒なNO2が全て除去されているように助けることができる。該NO2除去カートリッジは、いかなる微量なNO2をも除去するために使用されるGENOカートリッジとすることができる。あるいは、NO2除去カートリッジは、加熱活性化アルミナを含むことができる。Fisher Scientific International, Inc.によって供給される、A505-212と指定された8〜14のメッシュサイズなど、加熱活性化アルミナを有するカートリッジは、空気又は酸素の流れから低レベルのNO2を除去するのに有効であるが、依然、NOガスを失わずに通過させる。活性化されたアルミナ、及びそれと同様のその他の高表面積材料は、NO吸入管からNO2を洗浄するために使用することができる。
【0023】
別の例では、GENOカートリッジは、治療用のガス送達のためにNOを発生させるのに使用することができる。NO発生カートリッジは、有害なNO2を周囲温度にてNOへと変換するのに有効であるので、液体NO2をNOの供給源として使用することができる。NO発生の供給源として液体NO2が使用される場合、加圧ガスボンベによってNOガスを送達システムへと供給する必要がない。そのような送達システムの一例を、図2に関してより詳細に説明する。加圧ガスボンベによるNO提供の必要をなくすことにより、NOガスをNOガスの加圧ガスボンベから患者へと送達するために使用される従来の装置と比較して、送達システムが簡易化できる。加圧ガスボンベを使用しないNO送達システムは、加圧ガスボンベに依拠する従来のシステムよりも可搬性を高めることができる。
【0024】
図2〜図14は、GENOカートリッジ内で使用される表面活性材料として、シリカゲルを使用する技術を示す。先に議論したように、シリカゲルは、NO発生システム又はカートリッジにおいて使用することができる表面活性材料の一例に過ぎない。
【0025】
図2は、液体NO2を、NO吸入治療のために患者に送達することができるNOガスへと変換する、NO発生システム200を示す。一般に、空気ポンプ205によって生み出される空気の流れは、液体NO2及びその二量体N2O4(集合的に236)を有する、気体透過セル235を通して進行する。ガス透過セル235を出る空気流は、気体状態のNO2を含み、該気体状態のNO2は、NO発生カートリッジ240によってNOガスに変換される。NOガス混合物は、吸入治療のために、たとえばマスク、カニューレ、又はベンチレータを使用して、患者へと送達することができる。患者へと送達されるNOガス混合物中のNO濃度は、気体透過セル235の温度、又は流量計220を通る空気流量を制御することによって、制御することができる。
【0026】
より具体的には、システム200は、空気ポンプ205、調整器210、流れ転向装置215、及び流量計220を備える。該システムは、空気ポンプ205からの空気流207が、150ml/分の第1の流れ225と、3000ml/分の第2の流れ230とに分流されるように構成される。該空気流207は、乾燥していても湿潤していてもよい。
【0027】
流れ225は、液体NO2及びその二量体N2O4(集合的に236)と、ガス透過管237とを収容する、気体透過セル235を通過する。該透過セル235はまた、浸透発生器、透過装置、又は透過管ホルダと呼ぶこともできる。NO2は、気体透過セル235の気体多孔質膜を通って流れ225内へと拡散する。一例では、150ml/分の空気の流れ225は、テキサス州オースティンのKinTek Corporationによって供給される透過管など、透過管237を通って流される。該透過管237は、透過管237が40℃のときに、流れ225内の透過管を離れるガス流が約840ppmのNO2を含有するよう、NO2を定常的な速度で放出するように設計される。領域238は、約40℃の温度を維持するように温度制御される。以下でより完全に議論されるように、透過セル235の温度を維持することは、患者に送達されるNOの濃度制御を助ける。
【0028】
840ppmのNO2を含有する150mlの空気は次いで、NO発生カートリッジ240を通過する。この例では、NO発生カートリッジ240は、長さ6インチ、直径1.5インチであり、変換試薬として働く、シリカゲル上の湿潤したアスコルビン酸を含有する。該NO発生カートリッジ240は、図1のカートリッジ100の一実施形態とすることができる。NO発生カートリッジ240を出る空気流225は、840ppmのNOを含有し、全て又は基本的に全てのNO2がNOに変換されている。
【0029】
次いで、840ppmのNOを有する150ml/分の流れ225は、3000ml/分の空気又は酸素の流れ230と混合されて、40ppmのNOを含有する3150ml/分の流れ247を生成する。流れ225と230が混合された場合、NOの希釈中に形成された可能性があるいかなるNO2も除去するために、混合後、流れ247は第2のNO発生カートリッジ245を通過する。NO発生カートリッジ240及び245は、同じサイズとすることができるが、必ずしもそうである必要はない。例えば、NO発生カートリッジ245は、NO発生カートリッジ240よりも小さいNO2変換能力を有するようにサイズを決めすることができる。次いで、結果的に得られる、NOを有する空気流250は、患者への送達準備完了となる。該システム200は、数時間の短時間、あるいは14日以上の長時間、NOガスの定常的な流れを生成するように設計される。1つの試験において、該システム200は、40ppmのNOガスを空気中に含む定常的な流れを、NO2を含まずに、12日を超えて送達することが示された。ここでNO及びNO2の濃度は、化学発光ガス分析装置によって測定された。
【0030】
システム200の一代替形態として、NO発生システムは、透過管237よりも大きい流れ能力を有する透過管を備えることができる。そのような場合、より大きい透過管は、例えば、流れ230及び変換管245が不要となるように、患者への送達が必要とされる全ての吸気を処理することができる。
【0031】
例えば空気の供給に使用される空気ポンプ205が、オイルレス簡易ポンプなど携帯空気ポンプである場合、システム200は、携帯可能にすることができる。酸素富化空気が患者に必要とされる場合、空気ポンプ205によって供給される空気に加えて、又はその代わりに、酸素を供給することができる。酸素は、例えば、酸素タンク又は市販の酸素発生装置から供給することができる。酸素はまた、O2と混合されたNO2を有するタンクから供給することもできる。
【0032】
いくつかの実施形態では、透過セル238及び/又は2つの変換カートリッジ240及び245は、使い捨て可能な物品とすることができる。
システム200を出る流れ250内のNOの濃度は、流れ225が毎分数ミリリットルを上回る限り、透過セル235を通る流れ225に左右されない。流れ250内のNOの濃度は、該透過セル235の温度によって変わり、より低い程度で空気流量230によって変わる。例えば、空気流量230が一定の状態で、システム200は、40℃の温度で40ppmのNOを送達するように設計されるが、NOの濃度は、30℃で20ppmのNOに低減することができ、50℃で80ppmに増加することができる。従って、送達されるNOガスの濃度を調整するために、温度制御装置を使用することができる。所望のNO濃度が選択され、温度制御装置が、所望の濃度を送達するために特定の温度を維持するように設定されると、所望の濃度でのNOガスの送達速度は、一定に保たれる。該温度制御装置の一例は、KinTek Corporationから入手可能なオーブンなどのオーブンであり、その中に透過管を配置することができる。温度制御装置の別の例は、ホットプレート上に配置された脱イオン水のビーカであり、透過管を該ビーカ内に配置する。水温を監視するために、温度計もビーカ内に配置することができる。
【0033】
NO発生システムは、カニューレとともに使用するためのNOガス混合物の定常的な流れを送達するのに使用することができ、過剰なガスは環境へと通気される。NO発生システムは、ベンチレータとともに使用することができ、そのような場合、NO発生器からの送達は定常的に維持されなければならず、NOを受け取る患者を危険にさらさずに遮断することはできない。吸気中の患者への流れ増大の必要に対処するために、NOガス混合物を使用して、可撓性バッグを膨張させ、次いで収縮させることができる。患者への空気流が少しでも遅延される場合、そのような遅延中のNOとO2の反応によって形成され得るいかなるNO2も除去するために、NO発生カートリッジを、吸入直前の地点でNO発生システム内に挿入することができる。これは、非常に少量であっても、遅延中にバッグ内で形成され得るNO2が、患者によって吸入される治療用ガス流より前に除去されることを確実にするのに役立つ。
【0034】
治療用ガス流内のNO濃度を検出するために、検出器を治療用ガス送達システム200内に備えることができる。検出器はまた、必要に応じて、治療用ガス内のNO2濃度も検出することができ、NO濃度が所定の範囲外である場合、又はNO2濃度が閾値を超えている場合に、警告を与えることができる。監視技術の例は、化学発光及び電気化学的技術を含む。酸化窒素の存在は、例えば、化学発光検出器によって検出することができる。
【0035】
図3は、液体NO2を、NO吸入治療のために、NOガスへと変換し、次いで患者に送達することができるNO発生システム300を示す。図2のNO発生システム200とは対照的に、NO発生システム300は、活性アルミナカートリッジ345を備える。該活性アルミナカートリッジ345は、遅延中に形成されるいかなるNO2も除去する。NO2をNOに変換することによってNO2を除去しそれによってNO2を定量的に再生する、NO発生カートリッジ240とは対照的に、活性アルミナカートリッジ345は、NOを発生せずにプロセスガス流からNO2を除去する。
【0036】
図4は、図1のNO発生カートリッジ100の一実施形態とすることができるNO発生カートリッジ440を使用する、治療用ガス送達システム400を示す。システム400は、NO供給源410を使用して、管機構を通して流れ420中の気体NOを提供する。一例では、NO供給源410は、NOの加圧ボンベとすることができる。管機構を通る空気430の流れは、空気ポンプ435によって生み出され、流れ420と混合される。NO発生カートリッジ440へと入る空気流は、気体NOを含む。流れ420内で形成してきたNO2ガスはすべて、NO発生カートリッジ440によって除去される。NO発生カートリッジ440を出る空気流450は、治療用NOガスを含むが、有毒なレベルのNO2を含まない。次いで、空気流450は、NO吸入治療のために、患者へと送達することができる。
【0037】
図5は、図1のNO発生カートリッジ100の一実施形態とすることができるNO発生カートリッジ540を使用する、治療用ガス送達システム500を示す。図4の治療用ガス送達システム400とは対照的に、システム500は、NO2供給源510からNOを発生する。NO2供給源510は、NO2供給源510を出る流れ525が気体NO2を含むように、空気ポンプ520によって生み出される空気流515中の拡散液体NO2を使用することができる。いくつかの実施形態では、NO2供給源510は、NO2の加圧ボンベとすることができる。
【0038】
いずれにしても、NO発生カートリッジ440へと入る空気流525は、気体状のNO2を含む。NO発生カートリッジ440は、流れ525内のNO2ガスをNOへと変換する。NO発生カートリッジ540を出る空気流550は、治療用NOガスを含むが、NO2を含まず、又は実質的に含まない。次いで、空気流550は、NO吸入治療のために患者に送達することができる。
【0039】
図6は、治療用ガスを送達するための、GENO加圧タンクシステム600を示す。該システム600は、空気中40ppmのNO2を有する、市販のタンク620と、流れ制御装置622とを備える。タンク620の一例では、300立方フィートのタンクが、5L/分の空気流で1.2日間持続する。
【0040】
空気中にNO2を含む空気流625aは、流れ制御装置622を出て、GENOカートリッジ640に入る。該GENOカートリッジ640は、NO2を前駆物質として使用し、NO2をNOに変換する。GENOカートリッジ640を出る空気流625bは、治療用NOガスを含む。空気流625bは、空気流625b中のいかなるNO2をも除去するために、活性アルミナカートリッジ660に入る。活性アルミナカートリッジ660を出る空気流625cは、NO吸入治療のために患者に送達される。
【0041】
システム600は、NOxサンプル弁665、及びNO2を検出するように動作可能なNO-NO2センサ670を備える。NO-NO2センサはまた、NO-NO2検出器と呼ばれることがある。NOxサンプル弁665は、空気流667a及び667bからNO-NO2センサ670へと、空気サンプルを提供するように動作可能である。空気流667a内のいかなるNO2の存在も検出するために、NO-NO2検出器670を使用することによって、GENOカートリッジ640の不具合の表示を提供することができ、従って、患者に有毒なNO2が送達されていないことを保証するための慎重な安全装置を提供する。
【0042】
いくつかの実施形態では、活性アルミナカートリッジ660を、GENOカートリッジで置換することができる。
いくつかの実施形態では、ガスボンベからの出力だけが、GENOカートリッジに接続できるように、特別なネジ筋を有する加圧ガスボンベの出口に、GENOカートリッジを取付ける。例えば、該ガスボンベは、約10〜100ppmの濃度のNO2を含有する吸気可能な酸素ガスで充填されてよい。そのようなシステムは、ガスボンベの圧力を使用して治療用ガスを患者に送達することができ、かつ電子機器又はポンプなどの駆動部を有しない。あるいは、該ガスボンベは、NO2を含有する空気で充填されてもよい。加圧ガスボンベ中の空気又は酸素ガスの使用は、混合や濃縮したNOガスを治療用の用量に安全に希釈することを要する装置を伴う、不活性窒素ガス中のNOを供給する従来の方法に対して優位性を示す。
【0043】
図7は、治療用ガスを送達するための、GENO高濃度NO2加圧システム700を示す。図6のシステム600とは対照的に、システム700は、2つのGENOカートリッジ740及び750、並びに、GENOカートリッジ740又は750のどちらを使用するかを制御するための切換弁745を備える。NO-NO2検出器770が、使用されているGENOカートリッジを出る空気流725d内にNO2の存在を検出すると、切換弁745を操作して、空気流725cがもう一方のGENOカートリッジ740又は750を通って進むよう切り替えることができる。第1のGENOカートリッジが故障した場合に、第2のGENOカートリッジへと切り替える該能力によって、治療用ガスが送達されている患者のためのさらなる安全層を提供することができる。
【0044】
より具体的には、該システム700は、空気中に1000ppmのNO2を有するタンク720、及び流量制御装置722を備える。この例では、タンク720は、2250psiにて150立方フィートであるタンクであり、125cc/分の空気流を提供する。患者に送達される5L/分で流れる40 ppmの空気流で、タンク720は、約23日間持続する。該タンク720は、各GENOカートリッジ740及び750の予想される耐用期間よりも長い期間、空気流を供給することができ、この例で使用されるカートリッジでは2週間未満である。従って、1つのGENOカートリッジから別のGENOカートリッジへと切り替える能力は、タンクの内容物が使用され、又は実質的に使用されようにするのに役立つ。
【0045】
NO2を空気中に有する空気流725aは、流量制御装置722を出て、空気ポンプなど空気供給源730によって生み出される、5L/分の空気流725bと混合される。結果的に得られる空気流725cは、切換弁745へと入る。該切換弁745は、GENOカートリッジ740又は750のどちらが空気流725cを受け取るかを制御する。図示のように、切換弁745は、空気流725cがGENOカートリッジ750へと供給されるように設定される。GENOカートリッジ750は、空気流725c中のNO2をNOへと変換する。GENOカートリッジ725dを出る空気流725dは、治療用NOガスを含む。空気流725dは、空気流725d内のいかなるNO2も除去するために、活性アルミナカートリッジ760に入る。活性アルミナカートリッジ760を出る空気流725eは、NO吸入治療のために患者へと送達される。
【0046】
システム700は、NOxサンプル弁765、及びNO2を検出するように動作可能なNO-NO2センサ770を備える。該NOxサンプル弁765は、空気流767a及び767bからの空気サンプルを、NO-NO2センサ770へと提供するように動作可能である。空気流767a内のいかなるNO2の存在も検出するために、NO-NO2センサ770を使用することによって、使用されているGENOカートリッジの故障の表示を提供することができ、それにより、第2のGENOカートリッジを使用することができる。いくつかの実施形態では、活性アルミナカートリッジ760を、GENOカートリッジで置換することができる。
【0047】
図8は、治療用ガスを送達するための、GENO高濃度NO2カートリッジシステム800を示す。図6及び図7のそれぞれのシステム600又は700とは対照的に、該システム800は、NOを発生するために使用されるNO2の供給源として、高濃度NO2カートリッジを備える。より詳細には、該システム800は、小型のブタンタンク又はCO2を送達するために従来使用されていたカートリッジなど、NO2カートリッジ800を備える。該システム800の一例では、1インチ×6インチの寸法を有し、CO2中の5%のNO2で充填されたNO2カートリッジが、14日間NO2を送達することができた。
【0048】
NO2遮断弁821は、カートリッジ800からのNO2の送達を遮断するために、カートリッジ800に隣接する。システム800はまた、流量制御装置822を出る、ほぼ一定流量の流れ825aを確実にするために、流量制御装置822を備える。該流量制御装置822は、ガス流825aがそこを通過する小さい穴を有するガラス管である。システム800の様々な実施形態では、該流量制御装置822は、1〜10cc/分の一定流量を保証することができる。
【0049】
NO2を有するガス流825aは、流れ制御装置822を出て、空気供給源830によって生み出される約5L/分の空気流825bと混合される。ガスミキサ835は、空気流825a及び825bが完全に(又は基本的に完全に)混合されることを確実にする。結果的に得られるNO2を伴う空気流825cは、NOを発生するGENOカートリッジ840に入る。
【0050】
システム800はまた、NOを含む治療用ガスが約5L/分の速度で患者へと送達される前に、いかなるNO2も除去するために、活性アルミナカートリッジ860を備える。該システム800は、NOxサンプル弁865、及び、NO2を検出するように動作可能なNO-NO2センサ870を備える。いくつかの実施形態では、活性アルミナカートリッジ860を、GENOカートリッジで置換することができる。
【0051】
図9は、治療ガスを送達するための、GENO透過システム900を示す。システム900は、空気を加湿するように作用するGENOカートリッジ940内へと流れる、およそ5L/分の空気流925aを含む。該GENOカートリッジ940を出た後、空気流925aは、空気流925bが透過装置935を通過し空気流925cが通過しないように、分岐する。該透過装置935は、透過管機構937、及び、空気流925aが始まるときに約10ccの液体NO2936を備える。該透過装置935は、図2の透過セル235の一実施形態とすることができる。該透過装置935は、所望の濃度のNO2が空気流925b内へと拡散されることを確実にするために、一定又は基本的に一定の温度を維持するように、透過オーブン939内にある。空気流925b及び空気流925cは、GENOカートリッジ950に入る前に、流れ925dを形成するように混合される。GENOカートリッジ950はNO2をNOに変換する。
【0052】
システム900はまた、活性アルミナカートリッジ960を備え、このカートリッジは、空気流925eを受け取り、NOを含む治療用ガスが、およそ5L/分の速度で患者へと送達される前にいかなるNO2をも除去する。活性アルミナカートリッジを出る空気流925fは、NO吸入治療のために、患者へと送達される。該システム900は、NOxサンプル弁965、及びNO2を検出するように動作可能なNO-NO2センサ970を備える。
【0053】
図10は、治療用ガスを送達するためのGENO透過システム1000を示す。図9のシステムとは対照的に、該システム1000は、GENOカートリッジ1040及び1050のどちらが最初に空気流を受け取るかを制御するための、弁1010及び1015を備える。該システム1000は、透過装置1035内の液体NO2を、NOに変換するためのNO2源として使用する。該システム1000はまた、NOを含む治療用ガスが約5L/分の速度で患者へと送達される前に、いかなるNO2をも除去するための活性化アルミナカートリッジ1060を備える。また該システム1000は、NOxサンプル弁1065、及びNO2を検出するように動作可能なNO-NO2センサ1070を備える。
【0054】
システム1000は、弁1010内へのおよそ5 L/分の空気流1025aを受け取り、該弁1010は、弁1015とともに、空気流1025aがGENOカートリッジ1040及び1050のどちらを最初に通過するかを制御する。より具体的には、該弁1010及び1015の位置を制御することによって、空気流1025aを、患者へと送達する前に、GENOカートリッジ1040、透過装置1025a、GENOカートリッジ1050、次いで活性化アルミナカートリッジ1060を通過させることができる。該弁1010及び1015の位置を操作することによって、空気流1025aをまた、患者へと送達する前に、GENOカートリッジ1050、透過装置1025、GENOカートリッジ1040、次いで活性化アルミナカートリッジ1060を通過させることができる。
【0055】
例えば、NO-NO2センサ1070が空気流1025b内にNO2の存在を検出すると、センサは、GENOカートリッジ1040及び1050を使用して切り替える命令を生じさせるために、弁1010及び1015を操作する必要があるという信号を送る。すなわち、例えば、空気流1025aが、GENOカートリッジ1050を通って流れる前にGENOカートリッジ1040を通って流れている場合、空気流1025aを、GENOカートリッジ1040を通して流す前にGENOカートリッジ1050を通して流すように、弁1010及び1015が操作される。
いくつかの市販の適用において、酸素又は空気中およそ10〜100ppmの所定の濃度でNO2を販売できる。
【0056】
図11は、NO2をNOに変換する、GENOカートリッジ1100の概念設計を示す。該GENOカートリッジ1100は、図1のカートリッジ100の一実施形態とすることができる。GENOカートリッジ1100は、長さおよそ6インチ、直径1インチである。該GENOカートリッジ1100は、アスコルビン酸の水性溶液で飽和されたシリカゲルを備え、NO2を含有する空気又は酸素ガスボンベから空気流を受け取る。カートリッジ1100を通る空気流は、NO2をNOに変換され、カートリッジ1100を出る。該GENOカートリッジ1100は、5ppmから5000ppmのNO2濃度で有効に機能する。該GENOカートリッジ1100を用いるNO2からNOへの変換は、熱源を必要とせず、周囲空気温度にて使用することができる。該GENOカートリッジ1100を用いたNO2からNOへの変換は、GENOカートリッジ1100を通る空気流の流量とほぼ無関係に生じる。
【0057】
図12は、治療用ガス送達システム1200を示し、該送達システム1200は、NO2を含むガスボンベ1220及びGENOカートリッジ1210を備え、該GENOカートリッジ1210は、ガスボンベ1220からのNO2をNO吸入治療のために患者へと送達するNOへと変換するための、図11のGENOカートリッジ1100の一実施形態とすることができる。該システム1200は、携帯可能となるように設計される。いくつかの実施形態では、システム1200は、電子機器又はセンサを使用せずに動作するよう設計することができる。ガスボンベ1220の容量に応じて、システム1200は一般に、治療用NOガスを1から16時間送達する能力を有する。
【0058】
システム1200は、治療用NOガスを患者へと緊急体制で送達するために用いることができる。そのような状況の例に含まれるのは、救急医療士、衛生兵又は野戦病院、消防士、救急車、及び、病院の救急治療室又は外傷センターによる使用である。別の例として、携帯可能な治療用NOガス送達装置は、すでに酸素富化の空気を吸引されている高山病の登山者を援助するのに使用することができる。さらに別の例として、携帯可能な治療用NOガス送達装置を、原発的にNO供給源が欠乏している患者に使用することができる。いくつかの実施形態において、携帯可能な治療用NOガス送達装置は、一度きりの使用として設計できる。
【0059】
図13Aは、液体NO2供給源を備える治療用ガス送達システムの外観1300Aを示す。図13Bは、図13Aに示す治療用ガス送達システムの内部図1300Bを示す。該治療用ガス送達システムは、液体NO2供給源を有する透過管1310を備え、該透過管1310は、例えば、図9の透過装置935の一実施形態とすることができる。該治療用ガス送達システムはまた、GENOカートリッジ1340及び1350を備える。該GENOカートリッジ1340は、空気又は酸素供給源からの空気流1325aを受け取る。GENOカートリッジ1340を出た後、空気流は、およそ10%の空気流が透過管1310を通って流れるように分流され、透過管1310によって気体状態のNO2が空気流中に拡散される。透過管1310を出る空気流、及び透過管1310を通らなかったその他の空気流は、NO2をNOに変換するGENOカートリッジ1350を通って流れる。GENOカートリッジ1350を出る空気流1325b及び1325cは、NO吸入治療のために患者へと送達される。該透過管1310、並びに該GENOカートリッジ1340及び1350は、使い捨てとすることができる。
【0060】
透過管1310の容量に応じて、図13A及び図13Bに示す治療用ガス送達システムは、1〜30日間治療用NOガスを送達する能力を有することができる。
図13A及び図13Bに示す治療用ガス送達システムは、ベンチレータと接続することができる。図13A及び図13Bに示す該治療用ガス送達システムはまた、カニューレを使用して患者へと治療用NOガスを送達するために、用いることができる。例えば、毎分2リッターの流量でカニューレを通して、該治療用NOガスの送達が提供できる。治療用ガス送達システムをカニューレとともに使用することによって、病院環境以外でNO治療を行うことが可能になる。そのような例の1つは、患者の自宅で行われる長期のNO治療のために、治療用ガス送達システムを使用することである。
【0061】
図13Cは、図13A及び図13Bに示す治療用ガス送達システムの外観1300Aを、炭酸飲料の缶1350と比較して示す。図示のように、図13A〜図13Cに示す治療用ガス送達システムの実施形態は、従来のNO吸入治療システムに比べて小型の装置であり、炭酸飲料の缶よりもわずかに大きい。
【0062】
図14は、NO2をNO吸入治療で使用するためのNOに変換するためにGENOカートリッジを使用する、治療用ガス送達システム1400の外観を示す。該システム1400は、GENOカートリッジポート1410及び1415を備え、それを通してGENOカートリッジを挿入し又はアクセスさせることができる。該システム1400は、空気又は酸素がそれを通ってシステム1400へと流入する入口ポート1420と、付属の計器1425とを備える。該システム1400は、空気流を制御するための、フローバルブ1430及び表示器1435を備える。該システム1400は、GENOカートリッジフロー部1440を備える。
【0063】
システム1400はまた、温度制御装置1445、及びNOx検出器アクセス1455によりアクセス可能なNOx検出器1450を備える。システム1400はまた、GENOカートリッジ1460を備え、このカートリッジ1460は、NOを有する空気流が出口1465を通りシステム1400を出る基本的には直前で、NO2をNOに変換するために使用される。該GENOカートリッジ1460は、安全スクラバーと呼ばれることがある。該GENOカートリッジ1460は、システム1400内のどこかで使用されるGENOカートリッジよりも小さくすることができる。また、該システム1400は、バックアップ入口ポート1470及び排気ファン1475を備える。
【0064】
(さらなる例示的実施形態)
これらさらなる例示的実施形態に、酸素、又は空気、若しくはいくつかの組合せ中に、NO2として保存した必要用量のNOを含有するガスボンベを使用する。ガスは、該ガスボンベからの放出において次のように変換される。
正 2NO2→2NO+O2
【0065】
この反応は、GENOカートリッジ内で湿潤したシリカゲル母体のアルコルビン酸上にて1秒未満で起こる。システムの圧力は、ガスが該システムを通過するのに必要な力を維持しなければならない。通常、該力は約0.01〜50psiである。NOが形成されるとすぐに、次の逆反応が起こる。
逆 NO+NO+O2→2NO2
【0066】
圧力が高いほど、よりこの反応が生ずる;実際、その速度は圧力について3次である。逆反応が正反応とほとんど同じ速さで起こっている場合に、調整器の高圧側でのNO2からNOへの変換は起こらない。この問題に対処するために、圧力調整器の低圧側にGENOカートリッジを設置することによって、該逆反応を最小化する。これを下記図16に示す。ガスはガスボンベを出て、該調整器を通過し、次いで、第1のカートリッジに流れ、接続している管まで流れ、次いで、第2のカートリッジに流れ、次いで、使用者へと排出される。
【0067】
2つのカートリッジを、順々に、直列で使用する。その理由は、2重のリダンダンシーを与えることにある。1つのカートリッジは十分に機能するが、第2のカートリッジを有することで、リダンダンシーを与える。それぞれのカートリッジは、100ppmで40%の余剰の容量から20ppmに対して2OXの余剰容量までのガスボンベの全内容物を捕捉するように大きさが設定されている。従って、この例示的実施形態は、2つの同一のカートリッジを使用し、1つのカートリッジだけを使用する時の2倍のバックアップを与える。
【0068】
(操作と安全性)
システム使用時の安全性向上への別の方法は、ガスボンベのカバーの一体部分としてカートリッジが収まっていることである。これを調整器とともに下記図17に示す:
そのような実施形態において、使用者はガスボンベを受け取り、次いで、特殊な調整器をガスボンベに取付ける。特別に固定されたCGA継手を使用することで、GENOカートリッジのみが使用できる。しかし、該調整器の外部出力は、ガスボンベのカバーに取付けられた、GENOカートリッジへの導入部になるような形にすることができる。従って、使用者が該ボンベから排出されるガスを得る唯一の方法は、特別なCGA継手を有する調整器を使用することであり、かつ該調整器から出てくるガスを得る唯一の方法は、GENOカートリッジに接続することである。このように、ガスボンベから出ているガスだけが、GENOカートリッジを通過することができる。
【0069】
これを図18に図示する。カートリッジは、常にガスボンベとともにある。例えば、ボンベを補充するために返却するときでさえも、使用したカートリッジは、ガスボンベに残されたままである。ガス充填に次いで、使用済みカートリッジを取外し、該使用済みカートリッジと新しいカートリッジとを取り替える。
図18に、ガスボンベの出口及びカートリッジの入口に接続された調整器を示す。
【0070】
さらなる安全性のために、酸素ガス中のNOが、特別な補助器具とともに使用できるだけであるように、カートリッジからの出力を、同様に固定することができる。
NOガスの濃度を変更するためには、異なったガスボンベを使用する。ガスボンベ中のNOガス濃度の同一性に役立つ1つの方法は、各々の濃度のボンベに異なる色をもたせることである。例えば、20ppmの濃度を有するボンベが青であれば、100ppmの濃度を有するボンベは赤である。各濃度は、自身の特別に固定されたガスボンベを有することができ、使用する目的の濃度と異なったNOガス濃度を、不意に使用することを低減する、又は防ぐのにも役立つことができる。ガスボンベの取り違えを防止するために、例えば、100ppmの濃度を有するボンベはある場所でボンベに詰めるのに対し、20ppmの濃度のボンベは異なった場所でボンベに詰めるなど、異なる濃度は異なる場所でボンベに詰めることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、カートリッジの構造は3部分のみを含むことができる。第1の部分は、図19に図示したように、2つの管の間に第3の導管を有する対をなす管である。
図20もまた、2つの管の間に第3の導管を有する対をなす管を図示する。
この3部分のカートリッジの構造のエンドキャップを、図21A及び21Bに示す。
該キャップの内部には、中心管が形作られている。管とキャップと管との密閉は、超音波溶着によって実現できる。該管の密閉は、溶剤接着、O-リング、又は締め具による密閉など、別の技術を使用して実現できる。該キャップの特徴は、キャップ表面に、迅速な脱着用のオス部が成形されていることであり;それによって、カートリッジ全体を使い捨てにさせる。
【0072】
カートリッジは以下のように組み立てることができる。
1. 粉体を保持するような細孔の大きさを有するプラスチック製のフリットを、エンドキャップに挿入する。
2. 該フリットがフィルタとして動作して、カートリッジから出る粉体を防止する位置にあるように、管と1つのエンドキャップを互いに溶接する。
3. 該管に試薬粉を充填する。該粉末を圧縮し、振動させて、均一で隙間のない封入、及び全ての空所の除去を確実に行う。該管が充填されると、所定の位置にフィルタを有する第2のエンドキャップを管の上部に設置し、所定の位置に接合する。
4. 必要であれば、該システムを窒素ガスで洗浄して、該システムから酸素を除去する。
5. プラスチック製のエンドキャップを入口及び出口管上に設置し、水分の混入を阻止する。
【0073】
(レキュペレータカートリッジ)
レキュペレータカートリッジは、吸入直前のガス配管に挿入される。該レキュペレータの目的は、ベンチレータ内及びガスバッグ又は他の一時的なガス保管装置内に保管する間に形成されたNO2ガスをNOに変換し戻すことである。図22A及び22Bは、レキュペレータの他の実施形態を図示している。
別法として、該レキュペレータは、第1のカートリッジの1つと同じ大きさ及び形態であってよい。これは、操作におけるシステムの安全性をさらに増大させる。例えば、
ガスボンベの全内容物をNO2からNOへ変換することができるレキュペレータを用いることによって、レキュペレータは該システムに3重のリダンダンシーを与える。
【0074】
(他の用途)
NOを伴う他の用途にガスボンベを使用することができる。該ガスボンベは、電子機器の使用なしに充填されたガスを送達するのに使用することができる。該システムの利点には、簡便、混合不要、電子機器不要、及びソフトウェア不要が含まれる。操作するためには、調節器を接続してバルブを開く。
該GENOガスボンベシステムはまた、希釈剤とともに使用することができる。実施形態の例として、例えば、酸素中1000ppmのNO2のようにガスが輸送される。第1段階で、使用者の装置は、この濃度を、例えば20ppmのNO2に希釈する。第2段階は、GENOカートリッジを挿入し、ガスをNOに変換する。NO2はレキュペレータによってNOに変換されることになるから、該レキュペレータカートリッジは、ガスライン中で形成されるいかなるNO2についての使用者の関与を低減するのに役立つ。同様に、該レキュペレータカートリッジを現行のシステムとともに使用して、吸引時に、全ての残留NO2ガスを医療用形態、つまりNOに変換することができる。また、該レキュペレータは該システムからNOガスが失われることなく、かつ患者が十分な所定用量を受けていることを確実にする。
GENOは、NO2という毒性形態の存在なしに100〜200ppm以上のオーダーの高用量のNOを送達できるという事実が重要であろう。これは、有毒なNO2の存在が達成できる用量を制限するために、送達用量はおよそ20ppmの範囲に限られているという難点に対処する。該GENOシステムは、吸引ガスにおけるNO2毒性の問題を排除する。このことは、多数の疾病、特にARDS(急性呼吸促迫症候群)の治療に対するNOガスの有用性を増大させる、あるいはさらに大きく増大させることができる。
【0075】
(GENO カートリッジ)
(NO2/O2ガスボンベの安全性)
GeNO技術のいくつかの実施形態において、NO2を酸素又は空気のいずれかに約20ppmで分配し、かつGeNOカートリッジをガスボンベの高圧側に設置する。該カートリッジは、タンクの全NO2(毒性である)内容物を、無毒生であるNOガスに変換する能力を有する(図23参照)。この高圧カートリッジは、タンクによって送達でき、特別に設計された継手のために、タンク製造者によってのみ取外されるように設計されている。また、このカートリッジは、GeNOカートリッジ(低圧)の取付けができる、標準外の接続を有する調整器に対する継手を有することができ、次に通常の医療用の使用のための接続を有する。これは、低圧カートリッジの使用なしにタンクを使用することを防止するのに役立ち、該低圧カートリッジもまた、タンク中の全内容物のNO2を変換する能力を有する予備の安全カートリッジである。また、これは、何者かが、酸素又は空気中の毒性NO2ガスを含有するガスボンベにGeNOではない調整器を取付ける可能性を低減する、並びに調整器欠如時に、部屋内へのタンク内容物の偶発的な放出の可能性を低減するのに役立つ。
【0076】
(第1装置故障時の支援システム)
さらに、又は別法として、第2の、2重の装置(タンク、調整器及びカートリッジを備える)を利用して、患者の投与源を別のタンクへ迅速に切り替えることを可能にする。
【0077】
(透過管)
(拡散セルの使用)
拡散セルは、透過管の壊滅的な破裂に関連する危険を最小化、又は緩和さえするのに役立つことができる。毎分5リッターの空気中20ppmのNOという常用量は、1日あたり約0.33gのNO2となる。10日の供給は、3〜4gの液体NO1/N2O4を有することができる。透過管が突然破裂した場合、内容物が部屋内に漏れ出し、特許(patent)及びスタッフのいずれにとっても深刻な危険を生み出す。この安全性の問題を緩和するために、液体NO2をステンレス鋼又は強化プラスチック製の強固な拡散セルに貯蔵することができる。該拡散セルは狭口径の皮下針によって透過管に接続され、該透過管のためのリザーバとして作用する。透過管の壊滅的な破損時に、該液体は狭口径針を通って、数時間から数日にわたりゆっくりと流れ出し、それによって、毒性のNO2の最悪かつ突然の放出を回避する。さらに、該拡散セルは、例えば、押しつぶし、コンクリートへの落下、又は鋭利な物体からの損傷に十分耐えるほど強固に作成することができる。
【0078】
(2重のリダンダンシー)
いくつかの実施形態において、該拡散セルは、透過管によって、必要とされるよりわずかに多いNO2を送達するように設計されている。従って、長さ4インチ、内径0.002インチの中空管を有するステンレス鋼製のセルは、35℃にて毎分5リッターの空気中20ppmよりわずかに多くのNO2を供給するのに十分な素材を提供する。該セルからの拡散速度は、毎分約200,000ngとすべきである。この方法を使用する場合、該拡散セルは、安全装置としてだけでなく、透過管にとっての放出機構のバックアップ制御としても作用する。透過管の壊滅的かつ突然の故障が発生した時でさえ、該拡散セルは適切な用量を供給し続ける。従って、拡散管は透過管のための貯蔵装置として使用され、かつ該透過管及び該拡散セルが互いに動作し、安全性のための2重のリダンダンシーを与えている。(図24を参照)。
【0079】
(透過と拡散に対する温度の影響)
透過管及び/又は拡散セルからのNO2の透過速度及び/又は拡散速度は、温度に依存する。NO2の場合、温度が10℃増加するごとに、速度は約1.9倍増加する。透過管及び拡散セルの通常の使用において、この速度増加は温度を制御することによって制御される。GENOの用途においては、温度を制御せずに、およそ15〜35℃の温度範囲でガスを供給することが望ましい。これは、例えば、下記の概念及び技術を使用して達成できる。
【0080】
(透過管)
透過管において、透過できる物質の量は、管の長さに正比例する。従って、より長い管は、短い管よりもよりNO2を送達できる。これを考慮し、可動性で、活動する、非透過性の被覆を使用して、さらす透過管の量を調整することを可能とし、既知温度におけるNO2の送達を調節する(図25参照)。該管の長さは、最も低い設定温度にて、適切な用量を供給するように定められる。この例において、該管は、15℃にておよそ200,000ng/分で送達するように設計されている。筒は管上を滑動させ、該管の約3/4の長さを覆うように規定される。従って、15℃では、管全体がさらされる。温度が25℃のとき、該管からの拡散速度は2倍であり、活性ある管の長さを1/2を覆うことで、これを補正する。35℃では、およそ毎分200,000ngと同じ透過速度を維持するのに、該管の1/4だけが、必要となる。
温度が良好に制御された病院の環境において、該システムは、温度(℃)で度盛りされた手動のスライドで適正化されることが企図され、かつ透過管の被覆は部屋の温度で設定される。また、精度を与えるために、装置に温度計を取付けることもできる。NO2カートリッジは、患者の部屋の既知温度に対して、透過管上の被覆を適切な位置に滑動させ、調節するダイヤルを備え、NOに変換するための適切なNO2濃度を供給することが予想される。
【0081】
(拡散セル)
拡散セルからの発散速度は、通常、狭口径の拡散針の長さに比例する。1つの方法として、該針の側面の1/4、1/2、3/4の位置に穴が存在する。該3つの穴は、針の前方、側面、及び後方にあるようにずらされている。適切な溝を有する外部被覆は、該針の周囲と適合する。該外部被覆を回転させることで、15℃では1/4の位置にある穴の覆いが取られるのに対し、35℃では全ての側面の穴が覆われている。
2つ目の方法として、該拡散セルに、4つの同等の狭口径針が取付けられており、それぞれの針には短い透過管が取付けられている。この方法を使用して、温度に応じ、管の数を変化させる。
これらの例示的実施形態において、記載した管の数と穴の数は例示にすぎず、考慮される技術の用途を限定することを意図するものではない。
【0082】
(NO離脱(Weaning-Off)用量 (5ppm))
温度制御と同様に、用量もまた被覆を使用する又は管の数を変化させることによって制御することができる。1つの管上のダイヤルを弱めて、必要とされる1/4の量のNO2を発散させて(20ppmのNOの用量に対して十分な校正が行われている場合)、5ppmの離脱用量のNOを患者に供給できる。さらに、4本の管がNO2カートリッジに用いられ20ppmのNO用量を供給する場合、ダイヤルは3本の透過管を覆うことができ、温度調節を許しながら、4本目の管から放出し、5ppmの用量を供給する(図26参照)。上記説明に基づいて、これの様々な置換が存在する。
【0083】
(迅速な平衡)
透過管を医療用の用量に使用する上での問題の一つは、平衡に達するのに長い時間をかけることができるということである。該透過管は、常に、透過しており、スイッチを切ることができないので、該管が密封され、透過槽に入る空気流もない場合、該管は初期の過剰な用量を送達する。該管が平衡に達し正確な用量を送達するのに、4時間以上かかることが観察されている。該管の活性ある領域を、厚肉のテフロン又はステンレス鋼又はガラスなどの非透過性の被覆で覆うことによって(図25参照)、輸送及び保管中のNO2の透過を遮断でき、平衡に到達するのに必要な時間を実質的に短縮し、おそらく大きく短縮する。該被覆は使用直前に取除くことができ、校正された用量に平衡が達するのに、通常1時間以下を要する。該管の活性領域を、非透過性の被覆で覆うことによって、吸入療法に使用していない間、管が封をされ、透過槽に入る空気流もない場合、別法では起こり得る初期の過剰投与の防止を助ける一方、比較的、平衡により早く達することができる。
【0084】
(輸送/破裂の安全性)
拡散セルの使用と組合せた、液体NO2を含有する拡散槽の強化もまた、透過管の破裂の事態に毒性のNO2が漏れ出すのを防ぐのに役立つ。さらに、十分に下ろした被覆を有することで、輸送や保管中にNO2カートリッジ槽から透過管を密封し、かつ使用していないときには、該管を保護するのに役立つ。該被覆の使用はまた、拡散セルなしに透過管を使用する場合に、該透過管を保護する。
【0085】
(輸送/温度の安全性)
いくつかの実施形態において、特別な感熱性のインクをNO2カートリッジにのせて、過度に高温にさらされたことを示すことができる。熱は透過管に過度の加圧を生じさせ、破裂しやすくするので、該インクによってカートリッジを使用しないように知らせる。該カートリッジの気密の封は、透過管の内部と外部間の圧力差を防止するのに役立つだろう。
【実施例】
【0086】
(実施例1)
長さ6インチ、直径1.5インチのカートリッジを、NO発生カートリッジとして使用した。およそ90gのメッシュサイズ35〜70のシリカゲルを、25%のアスコルビン酸溶液に浸し、室温で2時間空気乾燥させた後、カートリッジ内に配置した。NO2透過管をNO2の供給源ガスとして使用した。空気ポンプから150cc/分の速度で、空気を透過管に流入させ、この空気がカートリッジを出た後に、(同様に空気ポンプからの)3L/分の周囲空気と混合させた。該透過管を、32℃に温度設定されたオーブン内に配置して、カートリッジのために20ppmのNO2の定常的な流れを提供した。該カートリッジは、100%のNO2をNOに変換することを止めるまで269時間持続し、破過点に到達した。
【0087】
(実施例2)
2つのカートリッジをそれぞれ、メッシュサイズ35〜70のシリカゲル、及びおよそ40gのシリカゲルを用いて充填した。該シリカゲルは、25%のアスコルビン酸溶液が完全に浸透するまで浸すことによって調製し、次いでオーブン内で1時間、240°Fで乾燥させた。該アスコルビン酸溶液は、25gのアスコルビン酸を100mlの脱イオン水中に混合することによって調整した。
1000ppmのNO2タンクを使用して、NO2を、2つのGENOカートリッジを通して150cc/分の速度で流した。2つのカートリッジは直列に配置した。NO2が第1のカートリッジを通過し、NOに変換された後に、空気タンクからの周囲空気を混入させた。次いで、NOを含有する空気を、直列の第2のカートリッジを通過させた。空気を3L/分の速度でカートリッジを通過させて、全体で空気内に40ppmのNOを有し、NO2の逆反応が起こらない混合物を作り出した。
2つのカートリッジは、100%のNO2を、104時間にわたり変換した。104時間が経過したとき、NO2タンクが空になったため実験を停止した。この2つのカートリッジは、104時間後も破過点に到達していなかった。
シリカゲルからの水/アスコルビン酸溶液の滴下をなくすために、該シリカゲルを窒素ガスなどのガスを用いて乾燥させることによって、実験結果を改善することができる。
【0088】
(実施例3)
長さ6インチ直径1.5インチのプラスチックPVCカートリッジを、NO発生カートリッジとして使用した。該カートリッジの内側に、アスコルビン酸−シリカ混合物を充填した。アスコルビン酸とシリカの混合物を作り出すために、メッシュサイズ35〜70をおよそ108g使用した。シリカゲルを25%のアスコルビン酸溶液に浸し、次いでオーブン内で1時間 240°Fで焼成した。25gのアスコルビン酸を100mlの脱イオン水に溶解させることによって、該アスコルビン酸溶液を調製した。
1000ppmのNO2タンクを、カートリッジの一端に取付けて、1000ppmのNO2が150cc/分の速度でカートリッジを通って流れるようにした。次いで、カートリッジのガス出力を、3L/分の速度で流される空気ポンプを用いて空気と混合させて、全体で空気中に40ppmのNOを含む混合物を作り出した。このカートリッジは、破過点に到達する前に、合計で122時間持続した。
NOx検出器は、0.15ppmから0.25ppmの間で変わる、わずかなNO2濃度を検出した。このNO2濃度は、破過点まで定常的であり続け、検出されたNO2濃度は、カートリッジの効率性が100%に満たないことによるものではなく、むしろカートリッジ以後に管機構内で再び生み出されたNO2であるという可能性が高まった。少量のNO2の逆反応をなくすために、第2のより小さいカートリッジを、検出器より前に配置することができる。
【0089】
(実施例4)
メッシュサイズ35〜70のシリカゲルを25%のアスコルビン酸に浸すことによってカートリッジを調製し、およそ1時間空気乾燥させた。透過管をNO2の供給源とし、KinTekオーブンを使用して、必要とされるNO2のレベルを40ppmへと上昇させた。この濃度を達成するために、オーブンを45℃に設定した。空気ポンプを使用して、空気を200cc/分の速度で透過管へと送達した。また空気ポンプを使用して、希釈空気を3L/分の速度で提供した。NO2の供給に湿度を加えるために、水で満たした2つのジャーを、空気が透過管に入るより前に200cc/分の空気に取付けた。これは、NO2供給源に入る空気が水分を多く含み、従ってカートリッジに入るNO2もまた水分を多く含むことを確実にするのに役立った。およそ5日間ごとに、第1のジャー内の水が管機構の端部より下に低下し、水位を管端部の底部より上とするように補充が必要であった。第2のジャーは、実験の間ずっと操作されることがなかった。該カートリッジは、100%のNO2をNOに変換することを止めるまで409時間持続し、破過点に到達した。
【0090】
(実施例5)
長さ6インチ及び直径1.5インチのカートリッジを、メッシュサイズ35〜70のシリカゲル108gを用いて調製した。該シリカゲルを、25%のアスコルビン酸溶液に浸し、室温(およそ70°F)で約2時間乾燥させた。空気乾燥されたシリカゲルを、カートリッジの内側に配置した。
40ppmのNO2の流れを、3.2L/分の速度でシリカ−アスコルビン酸カートリッジを通して送った。該カートリッジは、100%のNO2をNOに変換することを止めるまで299時間持続し、破過点に到達した。空気乾燥されたシリカゲルで充填されたカートリッジは、オーブン乾燥されたシリカゲルで充填された比較できるカートリッジと比べてより長く持続した。これは、空気が存在するところでアスコルビン酸を加熱することによる、酸化損失を示す。
【0091】
(実施例6)
およそ40gのメッシュサイズ35〜70のシリカゲルを、33%のアスコルビン酸溶液に浸し、オーブン内で240°Fにて乾燥させた後、カートリッジ内に配置した。空気ポンプを通る流量3L/分の周囲空気を、タンクから流量200cc/分の1000ppmのNO2と混合させ、それによって、3.2L/分の総流量、及び全体で60ppmのNO2を含むNO2/空気混合物を作り出した。カートリッジは、その100%の変換能力を失うまで、25時間持続した。これは、該カートリッジ内で使用するシリカゲル/アスコルビン酸を少なくすると、カートリッジが同じ時間は持続しないことを示す。
NO2がNOへと定量的に変換されるNO発生カートリッジの使用は、治療用ガス送達に限定されず、多くの分野に適用することができる。例えば、NO発生カートリッジは、空気汚染監視装置内に含めることができる。より具体的には、該NO発生カートリッジはまた、空気汚染計器での空気中のNO2ガス測定において今日広く使用される高温触媒変換装置から切り替えるために、使用することができる。従来の触媒変換装置は、かなりの電力を消費し、触媒変換装置を、NO発生カートリッジを使用する装置に交換することによって、空気汚染計器を単純化することができ、また、コストの低減、重量の低減、携帯式空気汚染監視機器を可能にすることができる。
【0092】
別の例示的な使用として、NO発生カートリッジをNOx校正システムに使用することができる。図15はNOx校正システム1500の例を図示し、該システムは、空気中1000ppmのNO2と流量調整器1522を有するタンク1520を備える。図15の例において、該タンク1520は、図7のタンク722の一実施形態である。
空気中のNO2の空気流1525aは、流量調整器1522を出て、空気ポンプなどの空気供給源1530によって発生された5L/分の空気流1525bと混合する。生じる空気流1525cは、切換弁1545に入る。該切換弁1545は、空気流1525c中のNO2をNOに変換するために、GENOカートリッジ1540が空気流1525cを受け取るかどうかを制御する。図のように、該切換弁1545は、空気流1525cをGENOカートリッジ1540に供給するより、配管1550に供給するように設定される。
【0093】
該システム1500は、NO及びNO2検出を校正するようにNOx計器1570を備える。該NOx計器1570は、空気流1525cが切換弁1545によってGENOカートリッジ1540に方向付けられた場合に、NOを含む空気流1525dを受け取る。対照的に、該空気流1525cが切換弁1545によって配管1550に方向付けられた場合は、空気流1525d はNO2を含む。
該NOx校正システム1500は、NO及びNO2のいずれに対してもNOx計器1570を校正するためにNO2を含む、1つの加圧タンクを必要とする。校正を行うために、例えば、まず、切換弁1545を使用して、空気流1525cがGENOカートリッジ1540を通過するように方向付ける(空気流1525c中のNO2をNOに変換する)ことによって、該NOx計器1570をNOについて校正できる。次いで、切換弁1545を使用して、空気流1525cが配管1550を通過するように方向付け、NO2を含む空気流1525dにすることによって、該NOx計器1570をNO2について校正できる。さらに、NOx校正システム1500は、例えば、校正の間、不意のNO2への曝露がないようにするために、NO2のNOへの変換に熱の使用を必要としない。
その他の実施形態は、添付の特許請求項の範囲内に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療用ガスを哺乳動物に送達するのに使用する、酸化窒素を含む治療用ガスの発生キットであって:
二酸化窒素の供給源に接続するように構成された拡散セル;
該拡散セルに接続された透過管;及び
該透過管に取付けるように構成された容器を備え、該容器は入口、出口、及び酸化防止剤で被覆された表面活性材料を備え、該入口が該透過管からの二酸化窒素の流れを受け取り、かつ該流れを表面活性材料を通して該出口へと流体連通させて、周囲温度にて気体状の二酸化窒素を酸化窒素に変換するように構成される、前記キット。
【請求項2】
前記二酸化窒素の供給源が、液体二酸化窒素である、請求項1記載のキット。
【請求項3】
拡散セルが、前記二酸化窒素を毎分200,000ngの拡散速度で供給するように構成される、請求項1記載のキット。
【請求項4】
前記拡散セルが、ステンレス鋼又はプラスチック製である、請求項1記載のキット。
【請求項5】
該透過管の長さが、特定の温度にて所定用量の二酸化窒素を供給するように定められる、請求項1記載のキット。
【請求項6】
前記透過管が、該管の長さ以上の、可動性で非透過性の被覆をさらに備える、請求項5記載のキット。
【請求項7】
前記被覆が、使用前に取除かれるように構成される、請求項6記載のキット。
【請求項8】
前記透過管が、拡散針を介して前記拡散セルに接続される、請求項1記載のキット。
【請求項9】
前記拡散針が、狭口径拡散針である、請求項8記載のキット。
【請求項10】
前記拡散針が、針の側面の穴、及び該穴を包囲している外部被覆をさらに備え、該被覆が、所望の穴の覆いを回転してはずすように構成された該針の周囲と適合した溝を有する、請求項8記載のキット。
【請求項11】
前記針の側面の穴が、1/4、1/2、又は3/4の位置にある、請求項10記載のキット。
【請求項12】
前記拡散セルが、多数の狭口径拡散針を介して多数の透過管に接続される、請求項8記載のキット。
【請求項13】
前記容器がカートリッジを含む、請求項1記載のキット。
【請求項14】
前記表面活性材料が、酸化防止剤で満たされている、請求項1記載のキット。
【請求項15】
前記表面活性材料が、水分を保持する担体を含む、請求項1記載のキット。
【請求項16】
前記表面活性材料が、シリカゲルを含む、請求項1記載のキット。
【請求項17】
前記酸化防止剤がアスコルビン酸を含む、請求項1記載のキット。
【請求項18】
前記酸化防止剤がαトコフェロール又はγトコフェロールを含む、請求項1記載のキット。
【請求項19】
前記容器が第1の容器である、請求項1記載のキットであって、該キットが、第2の入口、第2の出口、及び酸化防止剤の水性溶液によって被覆された第2の表面活性材料を有する第2の容器をさらに備え、該第2の入口が該第1の容器からの流れを受け取り、かつ該流れを第2の表面活性材料を通して第2の出口へと流体連結させて、周囲温度にて気体状の二酸化窒素を酸化窒素に変換するように構成される、前記キット。
【請求項20】
治療用ガスを哺乳動物に送達するのに使用する、酸化窒素を含む治療用ガスの発生キットであって:
二酸化窒素の供給源に接続するように構成された圧力調整器;
該圧力調整器に取付けるように構成された容器を備え、該容器は、入口、出口、及び酸化防止剤の水性溶液によって被覆された表面活性材料を備え、該入口は気体状の二酸化窒素の供給源からの流れを受け取り、かつ該流れを表面活性材料を通して該出口へと流体連結させて、周囲温度にて気体状の二酸化窒素を酸化窒素に変換するように構成され、該容器が、空気中に二酸化窒素を有するガスボンベに取付けられるように構成され、かつ気体状の二酸化窒素及び空気の流れを供給することが可能である、前記キット。
【請求項21】
二酸化窒素を有するガスボンベをさらに備え、かつ気体状の二酸化窒素を空気流に拡散させて供給することが可能である、請求項18記載のキット。
【請求項22】
前記容器が、前記圧力調整器の低圧力側に設置される、請求項18記載のキット。
【請求項23】
前記容器が第1の容器である、請求項18記載のキットであって、該キットが、第2の入口、第2の出口、及び酸化防止剤の水性溶液によって被覆された第2の表面活性材料を有する第2の容器をさらに備え、該第2の入口が該第1の容器からの流れを受け取り、かつ該流れを第2の表面活性材料を通して第2の出口へと流体連結させて、周囲温度にて気体状の二酸化窒素を酸化窒素に変換するように構成される、前記キット。
【請求項24】
前記圧力調整器が、前記容器と空気中の二酸化窒素を有するガスボンベとを接続する、入口部及び出口部を備える、請求項18記載のキット。
【請求項25】
前記容器が、カートリッジを含む、請求項18記載のキット。
【請求項26】
前記表面活性材料が、酸化防止剤の水性溶液で満たされている、請求項18記載のキット。
【請求項27】
前記表面活性材料が、水分を保持する担体を含む、請求項18記載のキット。
【請求項28】
前記表面活性材料が、シリカゲルを含む、請求項18記載のキット。
【請求項29】
前記酸化防止剤がアスコルビン酸を含む、請求項18記載のキット。
【請求項30】
前記酸化防止剤がαトコフェロール又はγトコフェロールを含む、請求項18記載のキット。
【請求項31】
哺乳動物に治療用量の酸化窒素を供給する方法であって:
ガス流に二酸化窒素を拡散させること;
該二酸化窒素に酸化防止剤によって被覆された表面活性材料をさらし、周囲温度にて気体状の二酸化窒素を酸化窒素に変換すること;及び
該酸化窒素を治療用量で、哺乳動物に輸送すること
を含む、前記方法。
【請求項32】
前記二酸化窒素が、液体二酸化窒素から発生する、請求項31記載の方法。
【請求項33】
二酸化窒素をガス流に拡散させることが、毎分200,000ngの拡散速度で二酸化窒素を供給することを含む、請求項31記載の方法。
【請求項34】
二酸化窒素をガス流に拡散させることが、特定の温度にて所定用量の二酸化窒素を供給することを含む、請求項31記載の方法。
【請求項35】
前記表面活性材料が、前記酸化防止剤で満たされている、請求項31記載の方法。
【請求項36】
前記表面活性材料が、水分を保持する担体を含む、請求項31記載の方法。
【請求項37】
前記表面活性材料が、シリカゲルを含む、請求項31記載の方法。
【請求項38】
前記酸化防止剤がアスコルビン酸を含む、請求項31記載の方法。
【請求項39】
前記酸化防止剤がαトコフェロール又はγトコフェロールを含む、請求項31記載の方法。
【請求項40】
哺乳動物の吸入の直前に、前記酸化窒素を酸化防止剤によって被覆された第2の表面活性材料と接触させることをさらに含む、請求項31記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2010−522130(P2010−522130A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554587(P2009−554587)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/003739
【国際公開番号】WO2008/118360
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(509262655)ゲノ エルエルシー (11)