説明

二重動作感知装置及びその方法

【課題】動作速度に応じて二重動作を感知する検出区間を調節する。
【解決手段】動作を感知するセンサ1と、このセンサ1から出力された信号の変化率を演算する変化率演算部と、この変化率演算部で演算された値に反比例するように検出区間を制御する検出区間制御部とを有する制御部100と、センサ1から出力された信号が予め決められた基準値を超過すると、動作が発生したと判断する第1及び第2の動作検出部10、20と、第1の動作検出部10で動作が発生したと判断された時点t1と、第2の動作検出部20で動作が発生したと判断された時点t2との間の時間間隙が検出区間より小さい場合に二重動作の結果を出力し、該時間間隙が前記検出区間より大きい場合に単一動作の結果を出力する出力部30とを備え、動作速度に応じた検出区間により二重動作を感知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重動作感知装置及びその方法に関し、特に、感知対象動作の速度に応じて二重動作を感知する時間を制御する二重動作感知装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人や事物の動きを電気的または磁気的に感知して、アナログ信号及び/またはディジタル信号として出力する多様なセンサが開発されている。
【0003】
このようなセンサには、加速度センサ、角速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、光センサなどが挙げられ、多様な方式及び原理が適用されている。
【0004】
加速度センサ、角速度センサ、ジャイロセンサなどは、慣性物理力を測定するセンサであって慣性センサとも言われている。最近、加速度センサと角速度センサとを同時に使用して多様なアプリケーションに活用するような技術が開発され続けている。
【0005】
これらのセンサから得られた出力値は、アナログまたはディジタル値に変換出力され、これらの出力値は多様なアプリケーションに反映されて使われる。
【0006】
特許文献1には、入力装置に手振れ入力がある場合、その出力信号の補正を行って、ユーザに位相遅延を感じらせない入力装置に関する技術が示されている。
【0007】
特許文献2には、慣性センサを用いてダブルタップ及びシンググルタップの両方を認識する技術が示されている。
【0008】
また、ユーザによってダブルタップを行う速度やタップとタップとの間の間隔はいろいろである。しかし、特許文献1及び特許文献2をはじめた従来のダブルタップ認識技術は、ダブルタップを認識する区間が一定の値に固定されていた。
【0009】
そこで、従来には、ユーザの習慣や状況によってダブルタップを早く行うか遅く行う場合、固定されたダブルタップ認識区間との差が生じることになる。そのため、ダブルタップ動作を認識することができないか、不要にダブルタップ認識信号の出力が遅延されるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】大韓民国公開特許第2010-069335号
【特許文献2】米国公開特許第2010/0256947号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、動作速度に応じて二重動作を感知する検出区間を調節する二重動作感知装置及びその方法を提供することに、その目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を解決するために、本発明の好適な実施形態による二重動作感知装置は、動作を感知するセンサと、このセンサから出力された信号の変化率を演算する変化率演算部と、この変化率演算部で演算された値に反比例するように検出区間を制御する検出区間制御部と、前記センサから出力された信号が予め決められた基準値を超過すると、動作が発生したと判断する第1及び第2の動作検出部と、前記第1の動作検出部で動作が発生したと判断された時点t1と、前記第2の動作検出部で動作が発生したと判断された時点t2との間の時間間隙が前記検出区間より小さい場合に二重動作の結果を出力し、前記時間間隙が前記検出区間より大きい場合に単一動作の結果を出力する出力部と、を含む。
【0013】
前記変化率演算部は、前記センサから出力された信号の差値Diffを演算する差値演算部と、この差値演算部で演算された差値の累積平均値を演算する累積平均演算部と、を含む。
【0014】
また、前記差値演算部は、n+1(nは、負でない整数)番目の差値であるDiffn+1を、下記式によって演算することができる。
【数1】

【0015】
また、前記累積平均演算部は、前記差値演算部で演算された差値を、下記式によって演算することができる。
【数2】

ここで、Nは予め決められた負でない整数である。
【0016】
一方、前記変化率演算部は、前記センサから出力された信号の差値Diffを演算する差値演算部と、この差値演算部で演算された差値の最大値を選択する最大値選択部と、を含む。
【0017】
前記差値演算部は、n+1(nは負でない整数)番目の差値であるDiffn+1を、下記式によって演算することができる。
【数3】

【0018】
一方、前記変化率演算部は、前記センサから出力された信号の勾配を演算する勾配演算部と、この勾配演算部で演算された勾配の最大値を算出する最大勾配算出部と、を含む。
【0019】
前記勾配演算部は、特定時点tでの勾配であるL(t)を、下記式によって演算することができる。
【数4】

【0020】
一方、前記変化率演算部は、前記センサから出力された信号の大きさを時間に対して積分する積分演算部と、を含む。
【0021】
また、上記目的を解決するために、本発明の他の好適な実施形態による二重動作感知方法は、動作を感知し該動作に対応する信号を出力するステップ(A)と、このステップ(A)にて出力された信号が予め決められた基準値を超過するか否かを判断して第1の動作を検出する第1の動作検出ステップ(B)と、前記ステップ(A)にて出力された信号の変化率を演算するステップ(C)と、前記ステップ(B)にて演算された値に反比例するように検出区間を制御するステップ(D)と、第1の動作が検出された時点から前記検出区間にあたる時点まで前記ステップ(A)にて出力された信号が予め決められた基準値を超過するか否かを判断して第2の動作を検出する第2の動作検出ステップ(E)と、を含む。
【0022】
前記ステップ(B)は、前記ステップ(A)にて出力された信号の差値Diffを演算するステップと、該演算された差値の累積平均値を演算するステップと、を含む。
【0023】
また、前記差値Diffを演算するステップは、n+1(nは負でない整数)番目の差値であるDiffn+1を、下記式によって演算することができる。
【数5】

【0024】
また、前記累積平均値を演算するステップは、前記差値を演算するステップで演算された差値を、下記式によって演算することができる。
【数6】

ここで、Nは予め決められた負でない整数である。
【0025】
一方、前記ステップ(B)は、前記ステップ(A)にて出力された信号の差値Diffを演算するステップと、該演算された差値の最大値を選択するステップと、を含む。
【0026】
前記差値Diffを演算するステップは、n+1(nは負でない整数)番目の差値であるDiffn+1を、下記式によって演算することができる。
【数7】

【0027】
一方、前記ステップ(B)は、前記ステップ(A)にて出力された信号の勾配を演算するステップと、該演算された勾配の最大値を算出するステップと、を含む。
【0028】
前記勾配を演算するステップは、特定時点tでの勾配であるL(t)を、下記式3によって演算することができる。
【数8】

【0029】
一方、前記ステップ(B)は、前記ステップ(A)にて出力された信号の大きさを時間に対して積分する。
【0030】
また、上記目的を解決するために、本発明のさらに他の好適な実施形態による二重動作感知方法は、動作を感知し該動作に対応する信号を出力するセンサを用いて二重動作を感知する方法であって、前記動作を感知したセンサから信号が出力されるステップと、該センサから出力される信号が予め決められた基準値を超過するか否かを判断して第1の動作を検出し、該センサから出力される信号から動作の速度を演算するステップと、該動作の速度に反比例するように検出区間を調節するステップと、該検出区間が経過される前まで前記センサから出力される信号が前記予め決められた基準値を再度超過する場合、二重動作の結果を出力するステップと、を含む。
【0031】
本発明の二重動作感知方法は、前記検出区間が経過されるまで、前記センサから出力される信号が予め決められた基準値を再度超過しない場合は、単一動作の結果を出力する。
【発明の効果】
【0032】
前述のような本発明の二重動作感知装置及びその方法によれば、二重動作を検出する時間を感知対象動作の速度を反映して調節することによって、誤作動の発生可能性を減少させることができるという効果が奏する。また、二重動作が検出されていても該検出結果を出力することによって、固定された検出時間間の待機によって引き起こされる遅延時間を縮めることができるという効果が奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1a】センサから出力される信号と検出区間との関係を例示するグラフである。
【図1b】センサから出力される信号と検出区間との関係を例示するグラフである。
【図2】本発明の一実施形態による二重動作感知装置を概略的に例示するブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による制御部ルを概略的に例示するブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による変化率演算過程を説明するためのグラフである。
【図5】本発明の一実施形態による変化率演算過程を説明するためのグラフである。
【図6】本発明の一実施形態による二重動作感知方法を概略的に例示する順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の好適な実施の形態は図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されることができるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化されることができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることができる。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0035】
本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは、言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0036】
以下、添付図面を参照して、本発明の構成及び作用効果について詳しく説明する。
【0037】
図1a及び図1bは各々、センサから出力される信号と検出区間との関係を例示する図面である。
【0038】
図1aにおいて、検出区間Tw内で第1及び第2の動作が行われる。図1bにおいては、検出区間Tw内で第1の動作だけが行われ、第2の動作は検出区間Twを経過した後に行われる。
【0039】
センサ1が動作を感知して出力する電気信号が予め決められた基準値(Threshold)を超過する場合、動作があると判断する。
【0040】
このような判断は、ユーザや感知対象の動作速度によって異なることもある。詳しくは、図1a及び図1bで例示することが全て二重動作を行ったと仮定すると、図1bの場合が、図1aの場合に比べて動作の速度が遅いとみなされる。
【0041】
この場合、図1aでは、二重動作が検出されたと判断して該結果を出力するが、図1bでは、二重動作を行ったことに関わらず、該二重動作の結果を出力しなくて誤作動が引き起こすことになる。
【0042】
ここでは示されていないが、反対の場合もあり得る。
【0043】
すなわち、二重動作が早く行われても、検出区間Twが全て経過される前までは、二重動作が検出されたとの結果が出力されない。そのため、不要に結果の出力が遅延されることになる。
【0044】
そこで、本発明者は、動作速度を考慮して検出区間を最適化し得る装置及びその方法を提案することになった。
【0045】
本明細書において用いられた動作は、タップ(Tap)、スイング(Swing)、タッチ(Touch)など多様な動作を意味する。
【0046】
図2は、本発明の一実施形態による二重動作感知装置を概略的に例示するブロック図である。
【0047】
図2に示すように、本発明の一実施形態による二重動作感知装置は、センサ1と、第1の動作検出部10と、第2の動作検出部20と、制御部100と、出力部30とを含む。
【0048】
センサ1は、動作を感知して電気信号を出力するもので、加速度センサ、角速度センサ、ジャイロセンサなど多様な種類の慣性センサによって具現されてもよい。
【0049】
第1及び第2の動作検出部10、20は各々、センサ1から出力された信号が予め決められた基準値を超過するか否かを判断し、これに基づいて動作が発生しているか否かを決めることによって、第1の動作及び第2の動作を検出する。
【0050】
第2の動作検出部20は、第1の動作検出部10が第1の動作を検出した時点から所定の時間内に第2の動作が発生するか否かを検出する。該所定の時間を検出区間Twとして定義する。
【0051】
出力部30は、第1の動作検出部10及び第2の動作検出部20から出力される信号に応じて二重動作または単一動作の結果を出力する。場合によっては、単一動作の結果は別に出力されなくてもよい。
【0052】
制御部100は、第1の動作の速度を反映して検出区間Twの長さを調節する。第1の動作の速度が早ければ、検出区間Twの長さを短く設け、第1の動作の速度が遅ければ、検出区間Twの長さを長く設けることによって、誤作動を防止すると共に処理時間を最大で縮めることができる。すなわち、第1の動作の速度及び検出区間Twの長さは反比例の関係にある。
【0053】
図3は、本発明の一実施形態による制御部100を概略的に例示するブロック図である。
【0054】
図3に示すように、制御部100は、変化率演算部110と検出区間制御部120とから成る。
【0055】
変化率演算部110は、センサ1から出力された信号の変化率を演算する。該変化率は、動作の速度を表す。変化率演算部110の具体的な実施形態及び作動原理は、図4及び図5を参照して後述することにする。
【0056】
検出区間制御部120は、変化率演算部110で演算された値によって検出区間Twを制御する。詳しくは、変化率が大きいほど検出区間Twを減少させるような方式で検出区間Twを制御する。
【0057】
また、検出区間制御部120は、第2の動作検出部20が第2の動作が行われたかを検出する時間の限界を設定してもよい。検出区間は第1の動作が検出された時点、即ち、センサ1が第1の動作を感知して出力した信号が予め決められた基準値より大きくなる時点から始まる。
【0058】
これによって、本発明の一実施形態による二重動作感知装置は、二重動作を検出する時間を感知対象動作の速度を反映して調節することによって、誤作動の発生可能性を減少させることができる。
【0059】
また、二重動作が検出されていても該検出動作の結果を出力することによって、固定された検出時間間の待機によって引き起こされる遅延時間を縮めることができる。
【0060】
図4及び図5は各々、本発明の一実施形態による変化率演算方式を説明するためのグラフである。
【0061】
変化率演算部110は、差値を演算し、その累加平均または最大値を代表値として算出することによって、信号の変化率、すなわち動作の速度を演算する。
【0062】
また、変化率演算部110は、センサ1から出力された信号波形の瞬間勾配を演算して動作の速度を演算してもよい。
【0063】
また、変化率演算部110は、センサ1から出力された信号値を時間に対して積分することによって動作の速度を演算してもよい。
【0064】
図示は省略するが、変化率演算部110は、センサ1から出力された信号の勾配を演算する勾配演算部と、この勾配演算部で演算された勾配の最大値を算出する最大勾配算出部とを含む。
【0065】
下記式を用いて、特定時点tでの瞬間的な変化率、すなわち、センサ1から出力された信号が成す曲線で該特定時点tでの接線の勾配L(t)を演算することができる。ここで、S(t)はセンサ1から出力される信号の時点tでの大きさを意味し、一種の関数として表現されることができる。下記式を用いる演算は、信号の大きさが閾値を超えているときに行われていればよい。すなわち図4に示される閾値を超えるtsからteの間に行われていればよい。
【数9】

【0066】
最大勾配算出部は、勾配演算部で演算された勾配の最大値を算出する。
【0067】
ここでは示されていないが、変化率演算部110は、センサ1から出力された信号の大きさを時間に対して積分する積分演算部を備えて、該センサ1から出力された信号の変化率、すなわち、動作速度を判断してもよい。この場合、下記式を用いて積分を行うことができる。
【数10】

【0068】
図5は、本発明の一実施形態による変化率演算過程を説明するためのグラフである。
【0069】
図示を省略するが、変化率演算部110は、差値演算部及び累積平均演算部を備える。
【0070】
差値演算部は、所定の時間間隔の始点と終点におけるセンサ1から出力された信号の大きさの差値Diffを演算する。累積平均演算部は、該差値演算部で演算された差値の累積平均値を演算する。
【0071】
n+1番目の所定の時間間隔の始点における信号の大きさをdとし、終点における信号の大きさをdn+1とした場合、差値演算部は、n+1番目の差値であるDiffn+1を下記式によって演算する方式で、センサ1から出力された信号の差値を演算することができる。
【数11】

ここで、nは負でない整数で、ゼロ以上の範囲を有する。
【0072】
また、累積平均演算部は、差値演算部で演算された差値Diffを、下記式によって演算することができる。
【数12】

ここで、Nは予め決められた負でない整数で、ゼロ以上の範囲を有する。
【0073】
例えば、0.1秒単位で、nを1ずつ増加させると仮定すると、1秒間センサ1から出力される信号値を10等分し、差値演算部は各区間で差値Diffを演算し、累積平均演算部は10個の差値の平均値を演算する。
【0074】
ここで、Nは変化率演算部110の正確度によって異なってもよい。すなわち、変化率演算部110の正確度を高めたいと、一定の時間を基準でNを大きく設定すると良く、同じ時間を基準でNを小さく設定すると、変化率演算部110の正確度が低くなることになる。
【0075】
例えば、前述の例のように、1秒を10等分することによって設定する場合、Nが10になる。この場合、0.1秒単位で差値Diffを演算し、Nを100に設定する場合は、0.01秒単位で差値Diffを演算する。
【0076】
したがって、検出区間Twの精徽な制御が必要な場合、N値を大きく設定し、反対に検出区間Twの精微な制御が不要な場合は、N値を小さく設定することによって、最適化された検出区間Twの制御が可能になる。
【0077】
図6は、本発明の一実施形態による二重動作感知方法を概略的に例示する順序図である。
【0078】
図6に示すように、まず、センサ1が動作を感知し該動作に対応する信号を出力する(S110)。
【0079】
次に、センサ1が出力した信号、すなわち、センサ1から入力される信号が予め決められた基準値を超過するか否かを判断して第1の動作を検出する(S120)。
【0080】
一方、変化率演算部110は、第1の動作検出とは別に、センサ1から入力される信号の変化率を演算する(図6には図示せず)。この変化率の演算方法は、前述のようなので重複する説明は略することにする。
【0081】
次に、演算された値に反比例するように検出区間Twを制御する(S130)。
【0082】
次に、センサ1から出力された信号で第2の動作を検出する(S140)。
【0083】
第2の動作の検出は、第1の動作が検出された時点から前記検出区間Twにあたる時点までセンサ1から出力された信号が予め決められた基準値を超過するか否かを判断する方式によって行われる。
【0084】
次に、検出区間Tw内で第2の動作が検出される場合、二重動作の結果を出力する(S160)。検出区間Twが経過されるまで、センサ1から出力される信号が予め決められた基準値を再度超過しない場合には、単一動作の結果を出力する(S160-1)。
【0085】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0086】
1 センサ
10 第1の動作検出部
20 第2の動作検出部
30 出力部
100 制御部
110 変化率演算部
120 検出区間制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作を感知するセンサと、
前記センサから出力された信号の変化率を演算する変化率演算部と、
前記変化率演算部で演算された値に反比例するように検出区間を制御する検出区間制御部と、
前記センサから出力された信号が予め決められた基準値を超過すると、動作が発生したと判断する第1の動作検出部及び第2の動作検出部と、
前記第1の動作検出部で動作が発生したと判断された時点t1と、前記第2の動作検出部で動作が発生したと判断された時点t2との間の時間間隙が前記検出区間より小さい場合、二重動作の結果を出力し、前記時間間隙が前記検出区間より大きい場合、単一動作の結果を出力する出力部と
を含む二重動作感知装置。
【請求項2】
前記変化率演算部は、
所定の時間間隔の始点と終点における前記センサから出力された信号の大きさの差値Diffを演算する差値演算部と、
前記差値演算部で演算された差値の累積平均値を演算する累積平均演算部と
を含み、
前記検出区間制御部は、前記累積平均演算部において累積された前記累積平均値に反比例するように検出区間を制御する請求項1に記載の二重動作感知装置。
【請求項3】
n+1番目の所定の時間間隔の始点における信号の大きさをdとし、終点における信号の大きさをdn+1とした場合、前記差値演算部は、n+1(nは負でない整数)番目の差値であるDiffn+1を下記式

によって演算する請求項2に記載の二重動作感知装置。
【請求項4】
前記累積平均演算部は、
前記差値演算部で演算された差値を、下記式

(Nは、予め決められた負でない整数)
によって演算する請求項3に記載の二重動作感知装置。
【請求項5】
前記変化率演算部は、
所定の時間間隔の始点と終点における前記センサから出力された信号の大きさの差値Diffを演算する差値演算部と、
前記差値演算部で演算された差値の最大値を選択する最大値選択部と
を含み、
前記検出区間制御部は、前記最大値選択部において選択された前記最大値に反比例するように検出区間を制御する請求項1に記載の二重動作感知装置。
【請求項6】
n+1番目の所定の時間間隔の始点における信号の大きさをdとし、終点における信号の大きさをdn+1とした場合、前記差値演算部は、n+1(nは負でない整数)番目の差値であるDiffn+1を下記式

によって演算する請求項5に記載の二重動作感知装置。
【請求項7】
前記変化率演算部は、
所定の時間間隔の始点と終点における前記センサから出力された信号の大きさの勾配を演算する勾配演算部と、
前記勾配演算部で演算された勾配の最大値を算出する最大勾配算出部と
を含み、
前記検出区間制御部は、前記最大勾配算出部において算出された前記最大値に反比例するように検出区間を制御する請求項1に記載の二重動作感知装置。
【請求項8】
前記勾配演算部は、特定時点tでの勾配であるL(t)を下記式

によって演算する請求項7に記載の二重動作感知装置。
【請求項9】
前記変化率演算部は、
前記センサから出力された信号の大きさを時間に対して積分する積分演算部を含み、
前記検出区間制御部は、前記積分演算部において積分された信号の大きさに反比例するように検出区間を制御する請求項1に記載の二重動作感知装置。
【請求項10】
動作を感知し該動作に対応する信号を出力するステップ(A)と、
前記ステップ(A)にて出力された信号が予め決められた基準値を超過するか否かを判断して第1の動作を検出する第1の動作検出ステップ(B)と、
前記ステップ(A)にて出力された信号の変化率を演算するステップ(C)と、
前記ステップ(B)にて演算された値に反比例するように検出区間を制御するステップ(D)と、
前記ステップ(A)にて出力された信号で第1の動作が検出された時点から前記検出区間にあたる時点まで、前記ステップ(A)にて出力された信号が予め決められた基準値を超過するか否かを判断して第2の動作を検出する第2の動作検出ステップ(E)と
を含む二重動作感知方法。
【請求項11】
前記ステップ(B)は、
所定の時間間隔の始点と終点における前記ステップ(A)にて出力された信号の大きさの差値Diffを演算するステップと、
前記演算するステップにおいて演算された差値の累積平均値を演算するステップと
を含み、
前記ステップ(D)においては、前記累積平均値を演算するステップにおいて演算された前記累積平均値に反比例するように検出区間を制御する請求項10に記載の二重動作感知方法。
【請求項12】
n+1番目の所定の時間間隔の始点における信号の大きさをdとし、終点における信号の大きさをdn+1とした場合、前記差値Diffを演算するステップは、n+1(nは負でない整数)番目の差値であるDiffn+1を下記式

によって演算する請求項11に記載の二重動作感知方法。
【請求項13】
前記累積平均値を演算するステップは、
前記差値を演算するステップで演算された差値を、下記式

(Nは、予め決められた負でない整数)
によって演算する請求項12に記載の二重動作感知方法。
【請求項14】
前記ステップ(B)は、
所定の時間間隔の始点と終点における前記ステップ(A)にて出力された信号の大きさの差値Diffを演算するステップと、
前記演算するステップにおいて演算された差値の最大値を選択するステップと
を含み、
前記ステップ(D)においては、前記最大値を選択するステップにおいて選択された前記最大値に反比例するように検出区間を制御する請求項10に記載の二重動作感知方法。
【請求項15】
n+1番目の所定の時間間隔の始点における信号の大きさをdとし、終点における信号の大きさをdn+1とした場合、前記差値Diffを演算するステップは、n+1(nは負でない整数)番目の差値であるDiffn+1を下記式

によって演算する請求項14に記載の二重動作感知方法。
【請求項16】
前記ステップ(B)は、
前記ステップ(A)にて出力された前記演算するステップにおいての勾配を演算するステップと、
前記演算するステップにおいて勾配の最大値を算出するステップと
を含み、
前記ステップ(D)においては、前記最大値を算出するステップにおいて算出された前記最大値に反比例するように検出区間を制御する請求項10に記載の二重動作感知方法。
【請求項17】
前記勾配を演算するステップは、
特定時点tでの勾配であるL(t)を下記式

によって演算する請求項16に記載の二重動作感知方法。
【請求項18】
前記ステップ(B)においては、
前記ステップ(A)にて出力された信号の大きさを時間に対して積分し、
前記ステップ(D)においては、前記ステップ(B)において積分された信号の大きさに反比例するように検出区間を制御するする請求項10に記載の二重動作感知方法。
【請求項19】
動作を感知し該動作に対応する信号を出力するセンサを用いて二重動作を感知する方法であって、
動作を感知したセンサから信号が出力されるステップと、
前記センサから出力される信号が予め決められた基準値を超過するか否かを判断して第1の動作を検出し、前記センサから出力される信号で動作の速度を演算するステップと、
前記動作の速度に反比例するように検出区間を調節するステップと、
前記検出区間が経過するまでに、前記センサから出力される信号が予め決められた基準値を再度超過する場合に、二重動作の結果を出力するステップと
を含む二重動作感知方法。
【請求項20】
前記検出区間が経過するまでに、前記センサから出力される信号が前記予め決められた基準値を再度超過しない場合には、単一動作の結果を出力する請求項19に記載の二重動作感知方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−58194(P2013−58194A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−187379(P2012−187379)
【出願日】平成24年8月28日(2012.8.28)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】