説明

二重緩衝体被験者界面装置

被験者界面装置(10,87,120,200)は、二重緩衝体構造と被験者界面体を使用する被験者に気体流を供給する装置とを有する緩衝体組立部を備える。被験者界面体は、被験者側と被験者側の反対側に形成されかつ気体の供給を受ける外側とを有するマスク殻(22,122,222)を備える。密封緩衝体(18,136,218)は、被験者の顔面の第1の領域に密封接触する。支持緩衝体(20,138,220)は、密封緩衝体の少なくとも一部を包囲し、被験者の顔面の第2の領域に接触する第1の端部を有する。

【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)の規定に基づき、2005年4月13日に出願された米国仮出願第60/670,806号の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、要約すると、被験者の気道に気体流を供給する圧力支援装置に使用する被験者界面装置、特に、緩衝体内緩衝体、即ち二重緩衝体を有する被験者界面装置及び被験者界面装置を有する圧力支援装置に関する。
【背景技術】
【0003】
被験者(又は患者)に挿管せず又は外科的に気管チューブを被験者の食道内に挿入せずに、被験者の気道に呼吸用気体を非侵襲的に供給することが必要かつ望ましい状況は多く存在する。例えば、非侵襲的換気法(NIV)として知られる技術を使用して被験者に気体を供給する方法は公知である。また、持続気道陽圧(CPAP)又は被験者の呼吸周期と共に変化する2段階(バイレベル)圧力若しくは監視する被験者の状態により変化する自動滴定(タイトレーション)圧力等の可変気道圧力を発生することは、公知である。睡眠無呼吸症候群、特に閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又は鬱血性心不全(CHF)等の医療疾患の治療に通常の圧力支援治療法が適用される。
【0004】
鼻マスク又は鼻/口マスクである被験者界面装置を被験者の顔面上に通常装着し、人工呼吸器又は圧力支援装置を被験者の気道に連結して、圧力/流れ発生装置から被験者の気道に呼吸気体流を供給する非侵襲的換気法及び圧力支援治療法が実施される。上方帯紐(ストラップ)と下方帯紐(ストラップ)を有するヘッドギアにより、被験者の顔面にマスクを保持し、マスクの両側及び頂部に設けられる連結部に上方帯紐と下方帯紐の各両端部を挿通して緊締する構造は、公知である。
【0005】
通常、被験者界面装置は、マスク殻と、マスク殻に取り付けられかつ被験者の表面に接触する緩衝体とを備える。マスク殻及び緩衝体は、被験者の頭部に巻き付けられたヘッドギアにより適宜の位置に保持される。マスクとヘッドギアとは、被験者界面装置組立体を形成する。通常のヘッドギアは、可撓性を有しかつ調節可能な帯紐を備え、マスクから延伸する帯紐により被験者にマスクを取り付けことができる。
【0006】
通常、長時間着用されるマスクには、様々な問題を考慮しなければならない。例えば、閉塞性睡眠無呼吸を治療する持続気道陽圧を供給する際に、被験者は、通常、睡眠中に一晩中被験者界面装置を着用する。この場合の懸念は、可能な限り快適に被験者界面装置を着用できなければならず、快適でなければ、被験者が被験者界面装置の着用を拒否し、処方される圧力支援治療の目的を達成できない問題が生ずる。不快感なく被験者の顔面に対して十分に気密の密封構造を形成する界面材装置を提供することも重要である。マスクの縁の周囲に沿って過度量の気体が漏洩しない密封構造を維持するため、被験者の顔面にマスクを押圧しなければならない問題が生ずる。
【0007】
被験者の快適性と気体の漏洩量を最小化する背反作用を調和する目的で、多くの被験者界面装置が開発された。この問題を解決するため、多くの被験者界面装置は、緩衝体の設計を中心に開発された。初期の緩衝体構造は、通常使用者の顔面に接触する当接部(フラップ)又は風船状部、即ち、空気充填緩衝体であった。緩衝体の被験者接触部に使用者の顔面に合う外形を形成しかつ/又は使用者の表面若しくは基礎組織に適合する特注生産により密封体を製造する別の設計開発も行われた。また、最外部の当接部が密封機能を有する多数の当接部が緩衝体に設けられた。トフォロン名義の下記特許文献1を参照されたい。
【特許文献1】米国特許第4,791,051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記従来の被験者界面装置は、技術を進歩させたが、例えば、使用者の気道に気道陽圧又は気体流を供給する間の気体漏洩量を最小化しながら、既存装置の被験者快適性を最大化する改善等の余地が未だ被験者界面装置に存在する。例えば、鼻、口又はそれらの両方の周りで被験者の顔面の比較的小さい領域に被験者への帯紐力が集中する傾向が多くの従来の被験者界面装置にある。また、既存の被験者界面体は、被験者の顔面上に緩衝体を支持する安定する基礎にならなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明の目的は、従来の被験者界面装置の課題を解決する被験者界面装置を形成することである。マスク殻、密封緩衝体及び支持緩衝体を備える本発明の一実施の形態による被験者界面装置を提供することにより、この目的を達成できる。密封緩衝体は、被験者の顔面の第1の領域に接触して使用者の皮膚に対して密封構造を形成する第1の端部と、第1の端部の反対側に設けられる第2の端部とを備える。密封緩衝体は、被験者の顔面の一部を収容する空洞部を更に備える。マスク内に流入して使用者に供給される気体は、空洞部内に搬送される。密封緩衝体の周辺部を包囲する支持緩衝体は、被験者の顔面の第2の領域に接触する第1の端部と、第1の端部の反対側に設けられる第2の端部とを備える。密封緩衝体の第2の端部と支持緩衝体の第2の端部は、被験者側のマスク殻に連結される。
【0010】
本発明の更に別の目的は、前記被験者界面装置を備えて被験者に気体流を供給する装置を提供することである。
【0011】
本発明の特徴及び特性、構造を構成する関連要素の操作法及び機能並びに製造の経済性は、全て本明細書の一部であり、種々の図面で対応する部品を同一の符号で示す添付図面に関する下記の記載及び特許請求の範囲の記載から明らかとなろう。しかしながら、図面は、図示及び説明の目的に過ぎず、発明の範囲を制限するものではないことを明確に理解できよう。明細書及び特許請求の範囲に使用するように、別途明記しない限り、「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」の単数形は、複数の表示を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の開示する例示的な実施の形態の記載では、用語「上方」及び「下方」は、添付図面に示すマスクの方向を表す。図1〜図4は、本発明の原理による被験者界面装置10の例示的な第1の実施の形態を示す。被験者界面装置10は、被験者の気道と圧力/流れ発生装置12との間で呼吸用気体流を連絡し、圧力/流量発生装置12は、例えば、人工呼吸器、持続気道陽圧(CPAP)装置又は可変圧力装置、例えば、ペンシルベニア州ピッツバーグに所在のレスピロニクス社が製造販売する2レベル気道陽圧(BiPAP)装置又は自動滴定圧力支援装置である。
【0013】
2レベル気道陽圧装置は、被験者の呼吸周期に応じて被験者に与える圧力を変更し、吸気間に呼気間より高い圧力の呼吸気体を供給する2段階圧力支援装置である。自動滴定圧力支援装置は、被験者が鼾をかいているか又は無呼吸若しくは呼吸低下を体験しているか否か等の被験者の状態に応じて圧力を変更する装置である。この目的に対し、圧力傾斜の発生時に気体流動が生じるため、圧力/流れ発生装置12を気体流発生装置としても示す。本発明は、前記圧力支援装置及び無侵襲換気装置を含み、被験者の気道に気体流を供給し又は被験者の気道で気体圧力を上昇する何らかの従来装置により構成される圧力/流れ発生装置12を企図する。
【0014】
被験者の気道と圧力/流れ発生装置12との間で呼吸用気体流を連絡する過程は、圧力/流れ発生装置12から被験者に呼吸用気体流を供給する過程と、被験者から周囲大気に気体流を排気する過程とを含む。被験者に呼吸用気体を供給する本発明による二重緩衝体被験者界面装置は、気体流を発生する圧力/流れ発生装置12と、気体流発生装置に作動連結される第1の端部と第2の端部とを有する被験者回路とも称する導管14とを備える。二重緩衝体被験者界面装置の動作時に、導管14は、圧力/流れ発生装置12から導管14の第2の端部に連結される被験者界面装置10に気体流を供給する。導管14は、圧力/流れ発生装置12から被験者界面装置10に気体流を連絡するのに適する全ての導管である。通常の導管14は、可撓導管である。図示しないヘッドギア組立体により、被験者の頭部に被験者界面装置10が取り付けられる。
【0015】
被験者界面装置10は、内部密封部又は密封緩衝体18と、外部支持部又は支持緩衝体20とを有する全体を符号16で示す緩衝体組立部を備える。また、被験者界面装置10は、マスク殻22と、導管14にマスク殻22を連結する導管連結部(図示せず)とを備え、被験者に供給する気体流は、被験者界面装置10の内部に連絡される。反対に、被験者から排出される気体は、被験者界面装置10から排気口を有する導管に送られる。
【0016】
図示の例示的な実施の形態での密封緩衝体18は、全体的に米国特許第6,651,663号及び第6,729,333号公報に記載される緩衝体に相当し、参照することにより、前記米国特許の内容を本明細書の一部とする。図2に示すように、密封緩衝体18は、ほぼ三角形状を有し、柔軟性、柔らかさを有するシリコーン等のエラストマ材料、適度な柔らかさを有する熱可塑性エラストマ、閉鎖気泡型発泡体、複数の薄膜材料又は前記材料の何れかの組み合わせ等の一体品により形成される。密封緩衝体18(図4)は、第1の端部24と、第1の端部のほぼ反対側に形成される第2の端部26とを有する。鼻収容空洞部28は、側壁29による内部密封部材の内側に形成される。
【0017】
被験者の顔面の内側周辺領域に接触する密封緩衝体18の第1の端部24は、鼻収容空洞部28内に被験者の鼻の少なくとも一部を挿入できる第1の開口部30を有する。図示の例示的な実施の形態では、第1の端部24は、人間の顔の造作にほぼ適合する外形(輪郭)を有する。密封緩衝体18は、第2の端部26に形成される基礎部32と、基礎部32に形成される第2の開口部34とを有する。密封緩衝体18の第1の端部24は、鼻収容空洞部28内に向かって全体的に湾曲する遠位縁部を有する第1の内側湾曲片(第1の内側湾曲縁又は第1の内側湾曲フラップ)35と、鼻収容空洞部28内に向かって全体的に湾曲する遠位縁部を有する第2の内側湾曲片(第2の内側湾曲当接部又は第2の内側湾曲フラップ)37とを備える。図示の例示的な実施の形態では、第1の内側湾曲片35は、被験者の表面に接触して、鼻収容空洞部28側に撓む。
【0018】
第1の内側湾曲片35は、第1の端部24の周辺部の周りに延伸して、密封緩衝体18が被験者に接触する領域上に気体の漏洩阻止密封部を形成する比較的柔軟な可撓性を有する。第2の内側湾曲片37は、第1の端部24の周辺部の広い部分の周りに延伸するが、使用者の鼻梁を覆う密封緩衝体18の領域には、第2の内側湾曲片37は、形成されず又は小さく形成される。第2の内側湾曲片37は、密封緩衝体18が圧縮されるときに密封緩衝体18を支持するように、第1の内側湾曲片35より比較的高い剛性で形成される。第2の内側湾曲片37の剛性と、第2の内側湾曲片37と第1の内側湾曲片35との離間距離は、第2の内側湾曲片37により付与される支持力を決定する。鼻梁に接触する部分等の比較的小さい支持力を要する部位(及び気体密封の困難な部位)では、例えば、第2の内側湾曲片37を移動し又は除去することにより、第1の内側湾曲片35と第2の内側湾曲片37との間の間隔が増加される。本発明の緩衝体18,20では、様々な異なる構造の当接部35,37を使用できることは、理解できよう。
【0019】
マスク殻22は、全体的に剛性のある殻であり、本発明の例示的な実施の形態では、例えば、ポリカーボネート樹脂等の硬質樹脂により形成される。マスク殻22(図2)は、被験者側36と、被験者側36の反対側に形成される外側38とを有する。供給導管14に被験者界面装置10を連結する導管連結部(図示しない)が、マスク殻22の外側38に取り付けられる。
【0020】
この実施の形態では、マスク殻22は、ヘッドギア取付部を形成する額支持部40を備えるほぼ三角形状を有し、上部の額支持部40の両側に設けられるヘッドギア取付部は、例えば、ヘッドギア帯紐(図示せず)を通す開口部又は通孔42である。図示の実施の形態では、例えば、ヘッドギア取付部としてソケット取付部44がマスク殻22の下角部にも設けられ、ヘッドギア帯紐上に設けられる対応ボール部(図示しない)がソケット取付部44内に装着される。本発明の用途に適する球関節接続構造及び他のヘッドギア取付構造は、同時に係属する米国特許出願第10/629,366号(米国公開第US−2004−0025883−A1)に開示され、参照することにより、米国特許出願の内容を本明細書の一部とする。何らかの従来の接続組立体を使用して、この実施の形態又は他の何れかの実施の形態に示すマスク殻22にヘッドギア又若しくはヘッドギア帯紐を取り付けることを本発明が企図することは、理解されよう。
【0021】
本発明では、被験者界面装置10への使用に適する限り、被験者界面体の技術分野に使用される従来の如何なるヘッドギアでよい。例えば、通常のヘッドギア組立体は、被験者の頭部の一部を覆うキャップ(ヘッドピース)と、キャップから延伸してマスクにヘッドギアを位置調節可能に接続するヘッドギア帯紐とを備える。
【0022】
図示の実施の形態では、密封緩衝体18は、使用者の鼻の周囲を空気密封することを意味する鼻緩衝体である。しかしながら、本発明では、被験者のどの部位の周りを密封する密封緩衝体18でもよいことは理解されよう。例えば、密封緩衝体18は、鼻を密封する鼻枕若しくは鼻カニューレ、口及び鼻の周囲を密封する口/鼻密封体又は口の周囲を密封する口密封体である。
【0023】
支持緩衝体20は、細長い上角部を有するほぼ三角形状を有する。支持緩衝体20は、密封緩衝体18の側壁29を被覆又は包囲し、上延伸部に一体の額支持部46を有する。支持緩衝体20は、被験者の顔面領域周辺に接触する鼻マスク又は口/鼻マスク等従来のマスク緩衝体と同様の形状が好ましい。シリコーン、適度な柔軟性を有する熱可塑性エラストマ又はゲル材料等の柔軟性、クッション性を有する弾性(エラストメリック)材料の一体品により支持緩衝体20を形成するとよい。支持緩衝体20の幾何学的形状のみならず、使用する材料の可撓性により、大幅な調節を要せずに、被験者の顔面の外形に支持緩衝体20を自動的に適合させることができる。
【0024】
図4に示すように、密封緩衝体18は、支持緩衝体20より僅かに高い突出する外形(輪郭)を有する。使用時に、僅かに圧縮される密封緩衝体18は、被験者の顔面との密封構造を形成し、支持緩衝体20は、被験者の比較的広い周辺領域上で被験者界面装置10の支持体となる。支持緩衝体20の比較的広い被験者接触領域により、被験者界面装置10上に作用する圧縮力が広く分散して、使用者の表面に対し被験者界面装置10を固定することができる。
【0025】
支持緩衝体20の一体型の額支持部46は、多くの市販マスクのように額緩衝体を分離する必要がない。額支持部46は、積極的な調節を要せずかつ額に対する位置を無制限に受働調節できる快適な被験者額支持体となる。しかしながら、本発明は、鼻又は口鼻周辺領域のみを支持する単独型支持体のように額支持部のない支持緩衝体20を形成することも企図する。
【0026】
支持緩衝体20は、第1の端部48と、第1の端部のほぼ反対側に形成される第2の端部50とを有する。密封緩衝体20の収容空洞52は、支持緩衝体20の側壁54により形成される。被験者の顔面の外部周辺領域に全体的に接触する第1の端部48は、被験者の顔面の外部周辺領域全体に必ずしも接触する必要はない。即ち、支持緩衝体20は、密封部材として作用する必要がなく、被験者の気道への気体流の漏洩防止密封体にはならない。しかしながら、本発明は、同様の形態を付与して同様の材料又は組合せ材料により支持緩衝体20と密封緩衝体18とを形成できることも企図する。例えば、複数の当接部、リップ(唇部)又は周縁(縁部、枠体)を設けた支持緩衝体20の第1の端部48を人間の顔面造作に適合する外形に形成することもできる。
【0027】
第1の端部48は、密封緩衝体収容空洞52内にほぼ向かって曲がる内側湾曲片56も有する。本発明は、固体形成物又は例えば、ゲル材料又は複数の組合せ材料から支持緩衝体20を形成することも企図する。第1の端部48は、支持緩衝体20の額支持部46と下方部60との間に形成される凹部58を有する。額支持部46と下方部60とを互いに分離する凹部58(図2)により、額支持部46と下方部60の顔面に対する各位置を受働的に調節することができる。凹部58は、被験者の顔面領域に対して密封接触構造を形成する必要はない。被験者の顔面領域に対する密封接触構造を形成する必要のない外形領域を有する底部59が支持緩衝体20に設けられる。下方部60の2つの側部領域は、支持緩衝体20の大部分を形成する。
【0028】
支持緩衝体20の額支持部46の側壁54に一体に形成される溝領域62又は折返し部(ひだ)が額支持部46に設けられる。溝領域62は、額支持部46に安定性を与える伸縮(変動)作用を生ずる。溝領域62より上方の領域の厚さより十分に厚い肉厚領域64が側壁54の溝領域62の下方に設けられる。この種の溝領域を有する緩衝体は、同時係属中の米国仮出願第11/312,026号に開示され、参照することにより、米国仮出願の内容を本明細書の一部とする。
【0029】
図1〜図4に示す実施の形態では、密封緩衝体18と支持緩衝体20とは、取付部66によりマスク殻22に互いに連結される。取付部66は、支持緩衝体20及びマスク殻22の形状にほぼ対応する形状を備え、被験者側68と、その反対の外側70と、被験者側68と外側70との間に設けられる側壁72とを有する。マスク殻22の被験者側36に対応して形成されるスナップ作用嵌合式取付構造74bに取り付けられる多数のスナップ作用嵌合式取付構造74aが外側70に設けられる。本実施の形態では、取付部66は、比較的剛性のある材料により形成される。
【0030】
取付部66は、額部76と、下方部78とを有する。下方部78の側壁72は、外側に延伸するリップ80を有する。額部76の側壁72も外側に延伸するリップ82を有する。支持緩衝体20の内側周辺部は、取付部66の外側周辺部に連結され、額部46及び支持緩衝体20の下方部60に形成される対応する溝にリップ80,82を挿入することができる。前記溝は、図5の溝84,85に相当する。本発明は、複数のスナップ作用嵌合式取付構造及び他の機械的取付手段又は非機械的取付手段を使用して、マスク殻22に取付部66を結合することも企図する。本発明は、取付部66に支持緩衝体20を取り付ける他の機械的結合手段又は接着剤等の非機械的接着手段を更に企図する。
【0031】
取付部66は、三角形状に形成されて取付部66の被験者側から延伸する傾斜壁86を更に備える。密封緩衝体18の基礎部32内に傾斜壁86を挿入して、取付部66に密封緩衝体18を固定することができる。本発明は、取付部66に密封緩衝体18を取り付ける他の機械的結合手段又は接着剤等の非機械的接着手段も企図する。
【0032】
取付部66とマスク殻22との間の間隙には、貯蔵部69が形成される。貯蔵部69は、導管14からマスク内に流入する水又は他の流体を捕集する水捕捉部として有効に作用する。これを図8に明示する。特に圧力/流れ発生装置12に加湿機を使用するとき、水又は他の流体が導管14の壁面上に凝縮し付着する。矢印Aで示すように、この流体は、マスクに向かって流れ、貯蔵部69内に捕集される。従って、貯蔵部69は、水捕捉部として有効に作用し、使用者に接触すれる流体の変化を防止し又は最小化することができる。これらの特徴を有するマスクは、同時係属中の米国仮出願第11/300,052号に開示され、参照することにより、米国仮出願の内容を本明細書の一部とする。
【0033】
本発明の原理による被験者界面装置87の他の例示的な実施の形態を図5〜図8に示す。本実施の形態は、図1〜図4に示す特徴と同様の多くの特徴を有する。従って、この実施の形態では、各実施の形態にない本被験者界面装置87特有の特徴に重点を置いて主に説明する。この別の実施の形態は、マスク殻22に緩衝体18,20を連結する可能性のある他の構造を主に示す。しかしながら、被験者界面体装置の構成部の他の構造及び実施の形態に示す被験者界面装置87の全特徴を組み込みかつ適合させることを本発明が企図することは、理解されよう。
【0034】
図1〜図4の実施の形態と同様に、密封緩衝体18、支持緩衝体20及びマスク殻22が被験者界面装置87に設けられる。この例示的な実施の形態では、剛性保持部88、保持リング90及び可撓接続部又は湾曲状隔壁100により、密封緩衝体18及び支持緩衝体20は、互いにかつマスク殻22に連結される。湾曲状隔壁100は、同時係属中の米国仮出願第11/374,580号に開示される湾曲状隔壁に相当し、参照することにより、米国仮出願の内容を本明細書の一部とする。
【0035】
本発明では、湾曲隔壁100は、密封緩衝体18とマスク殻22との間を作動接続する。図示の実施の形態では、湾曲隔壁100は、ほぼ三角形状であり、実質的に同軸上に形成される環状の外側周縁102と環状の内側周縁104とを備える。可撓壁又は可撓膜106を有する湾曲部は、外側周縁102と内側周縁104との間に延伸する。熱可塑性樹脂弾性体又はゴム等の高弾性材料により湾曲隔壁100を成形して所望の可撓性を得ることが好ましい。前記材料は、密封緩衝体18又は支持緩衝体20に使用するのと同一の又は異なる材料である。図示の実施の形態では、例えば、被験者界面装置87に気体流が供給されていない非加圧時に、可撓壁又は可撓膜106は、ほぼ均一の厚さ及びほぼU字状断面を有する。密封緩衝体18又はマスク殻22を通じて加わる力によって、湾曲隔壁100の形状が変化して、マスク殻22に対する密封緩衝体18の位置を変更することができる。U字状の可撓膜106は、マスク殻22から離間する方向に突出する。
【0036】
湾曲隔壁100は、密封緩衝体18とマスク殻22との間に伝達される力を分断する応力緩衝体として作用する。湾曲隔壁100は、密封緩衝体18とマスク殻22との間で相対的に角度と位置とを変更できる可撓性継手としても作用する。これにより、使用者が被験者界面装置87を装着するとき、被験者の表面に対して密封緩衝体18が自己整合を行うことができる。また、被験者の頭部又は支持緩衝体20が移動しかつ導管類又はヘッドギアが移動しても、湾曲隔壁100は、これらの移動から密封緩衝体18を隔離する。
【0037】
湾曲隔壁100の外側周縁102は、湾曲隔壁100の可撓膜106からほぼ直角に延伸する環状フランジ108(図5)を備える。図示の実施の形態では、互いに間隔を置いて複数の長方形の孔又は挿入口112(図5)が湾曲隔壁100の環状フランジ108に形成される。湾曲隔壁100の内側周縁104を収容する外部環状溝114が設けられる保持リング90により、密封緩衝体18は、湾曲隔壁100に取り付けられる。保持部88は、複数のスナップ作用嵌合式取付構造116を備え、マスク殻22の被験者側36に対応してスナップ作用嵌合式取付構造74cが形成され、長方形の孔112内に挿入するいくつかの取付機構116をスナップ作用嵌合式取付構造74cに取り付けることができる。マスク殻22の額支持部40に対応するスナップ作用嵌合式取付構造74dが形成され、保持部88の額部118に形成される他のスナップ作用嵌合式取付構造116を対応するスナップ作用嵌合式取付構造74dに直接取り付けることができる。
【0038】
本発明は、米国仮出願第11/374,580号に記載されるマスク殻22に湾曲隔壁100を連結する他の多くの技術も企図する。本発明は、他の形状を有する湾曲隔壁100及び異なる材料若しくは組合せ材料により形成されかつ/又は全体の寸法を変更できる湾曲隔壁100を更に企図する。多くの前記変形例は、米国仮出願第11/374,580号に開示される。
【0039】
図9及び図10は、本発明の原理による被験者界面装置120の例示的な第3の実施の形態を示す。本実施の形態の特徴の多くは、図1〜図8に示す特徴と同様である。従って、第3の実施の形態では、各実施の形態にない被験者界面装置120特有の特徴に重点を置いて主に説明する。第3の実施の形態は、マスク殻22の異なる可能性のある構造を主に示す。第3の実施の形態は、支持緩衝体138に額部を設けない緩衝体内緩衝体装置、即ち二重緩衝体構造を示す。即ち、緩衝体内緩衝体技術、即ち二重緩衝体技術は、使用者の気道に供給する気体を密封する密封構造に限定され、前記実施の形態に示すように、二重緩衝体を額に延伸する必要がない。また、被験者界面体構成部の他の形態及びこれらの実施の形態に示す被験者界面装置120の複数の特徴を組合せかつ適合させる形態を本発明が企図する点に留意すべきである。
【0040】
被験者界面装置120は、額支持体組立部124を有するマスク殻122を備える。図示の実施の形態では、額支持体組立部124は、支持アーム126と、支持アームに連結される額支持ブランケット128と、支持ブランケットに連結される額パッド130とを備える。図示の例示的な実施の形態では、矢印Bに示すように、円弧状経路に沿いマスク殻122に対して支持アーム126を移動して長さ調節可能に、支持アーム126は、マスク殻122に連結される。これにより、使用者の最も快適な位置に額支持ブランケット128の位置を調節することできる。矢印Cに示すように、額支持ブランケット128も支持アーム126に対して移動することができる。これにより、使用者が被験者界面装置120を装着するとき、最適な被験者接触位置に額パッド130を自動的に移動することができる。ヘッドギア取付部132は、額支持ブランケット128の各側面に設けられる。
【0041】
同一の構造でない(本発明の二重緩衝体の構想ではない)が、多くの類似構造を有する被験者界面装置は、米国特許出願第10/654,379号(米国公開第US−2004−0045551−A1号公報)に記載され、参照することにより、米国特許出願の内容を本明細書の一部とする。額支持体組立部124として機能する限り、額支持体組立部124とその構成部は、様々な異なる形状、大きさ及び構造の何れか1つでよいことは、理解できよう。例えば、額パッド130は、他の形状、材料、材料の組み合わせ、大きさ及び構造を有してもよい。同様に、マスク殻122は、様々な異なる形状、大きさ及び構造の何らか1つを有し、ヘッドギア取付部、単一又は複数の排気装置組立体、被験者回路接続装置又はこれらの何らかの組み合わせ等の追加機能を備えてもよい。更に、本発明は、支持体アーム126とマスク殻122との間、支持体アーム126と支持ブランケット128との間又は両方の間に設けられる剛性連結部も企図する。
【0042】
本発明は、額支持体組立部124を完全に省略し、マスク殻122に取り付けられる緩衝体組立部134により、被験者上に被験者界面装置120を支持することも企図する。額支持体組立部124を省略するとき、マスク殻122の頂端にヘッドギア取付部132を形成してもよい。本発明は、マスク殻122の上部、即ち、鼻梁を覆う部分に柱体又は他の突出部を形成して、ヘッドギアを取り付けることも企図する。
【0043】
本発明は、マスク殻122から延伸して使用者の顎又は下顎に接触する顎支持体組立部(図示せず)を備えることも企図する。額支持体組立部124と同一又は同様であるが、マスク殻122の下方部から延伸して、唇の下、即ち、顎又は下顎で使用者と接触する構造を顎支持体組立部に設けてもよい。本発明に適する前記顎支持体組立部の例を記載する米国特許出願第10/953,642号(米国公開第US−2005−0072428−A1号公報)の内容を参照することにより、本明細書の一部とする。単独で又は額支持体組立部124と組み合わせて顎支持体組立部を使用することができる。
【0044】
緩衝体組立部134は、マスク殻122に連結される。緩衝体組立部134は、前記緩衝体組立部の何れかに相当し、内部密封部材又は密封緩衝体136と、外部支持部又は支持緩衝体138とを備える。比較的剛性を有する取付部(図1〜図4)又は可撓取付部(図5〜図8)を含む本明細書に記載される何れかの技術を使用して、密封緩衝体136と支持緩衝体138とを互いに連結することができる。
【0045】
図11は、可撓接続部152に密封部材150を取り付ける他の方法を示す詳細な断面図である。この実施の形態では、密封リング154をモールド成型して又は別の方法で密封リング154を接着して、密封部材150を形成し、接続部リング156をモールド成型して又は接続部リング156を接着して、可撓接続部152を成形する。例示的な実施の形態では、本発明は、密封リング154上に密封部材150を外側被覆モールド成型し、接続部リング156上に可撓接続部152を外側被覆モールド成型することを企図する。参照符号158で示す接合部で密封リング154の壁が接続部リング156の壁に当接し又は隣接する大きさ、形態及び配置で密封リング154と接続部リング156とが形成される。例えば、音波溶接等の何らかの従来技術を使用して、密封リング154と接続部リング156の壁が互いに接合される。勿論、摩擦力のみを使用して、密封リング154と接続部リング156を組立て状態に保持してもよい。本発明では、複数のリングの他の形態、リング/密封体の他の連結形態又はリング/可撓部の他の連結形態を企図できよう。
【0046】
本発明の原理による被験者界面装置200の第4の実施の形態を図12に示す。支持緩衝体220に対して密封緩衝体218を自由状態に配置する点を除き、被験者界面装置200は、図8に示す被験者界面装置87とほぼ同様である。この例示的な実施の形態では、マスク殻222又は支持緩衝体220等の被験者界面装置200の他の部位に形成される平面219に対し、角度θで傾斜する平面216が密封緩衝体218に設けられる。これにより、使用者の顔面に対する装着角度を最適化して密封緩衝体218を事前に配置することができる。本発明の例示的な実施の形態では、角度θは、0〜15°の範囲にある。この実施の形態では、傾斜を与えて湾曲隔壁230を構成すると、角度が形成される。本発明は、支持緩衝体220、マスク殻222又は被験者界面装置200の他の部位に対して密封緩衝体218の位置を制御しかつ/又は事前に配置する他の方法も勿論企図する。
【0047】
図示の実施の形態では、密封緩衝体218の外側(遠位)縁部を支持緩衝体220の外側(遠位)縁部より延伸させて、密封緩衝体218と支持緩衝体220を構成し/配置することができる。支持緩衝体20,220の外縁から外部に突出する密封緩衝体18,218の突出部までの間隔を図8の距離Xで示す。しかしながら、本発明は、自由(非押圧)状態にある支持緩衝体20,220の外縁を越えて密封緩衝体18,218が延伸しないように、密封緩衝体18,218と支持緩衝体20,220を構成し/配置することも企図する。
【0048】
被験者界面装置10,87,120,200又は何れか若しくは全ての本発明の実施の形態では、被験者の気道と圧力発生装置12との間で呼吸用気体流を連絡し、圧力発生装置12は、人工呼吸器、持続気道陽圧(CPAP)装置又は可変圧力装置、例えば、ペンシルベニア州ピッツバーグに所在のレスピロニクス社が製造及び販売する自動滴定圧力支援装置又は2レベル気道陽圧装置であり、2レベル気道陽圧装置は、呼気間より高い圧力を吸気間に供給して、被験者の呼吸周期により被験者に与える圧力が変更され、自動滴定圧力支援装置は、被験者が鼾をかいているか又は無呼吸若しくは呼吸低下を体験しているか否か等の被験者の状態によって圧力が変更される。
【0049】
被験者の気道と圧力/流れ発生装置12との間で呼吸用気体流を連絡する過程は、圧力/流れ発生装置12から被験者に呼吸用気体流を供給する過程と、単一のアーム回路の場合に被験者から周囲大気に気体流を排気する動作とを含む。本発明による被験者に加圧呼吸用気体流を供給する装置は、気体流を発生する圧力発生装置又は気体流発生装置(圧力/流れ発生装置)12と、気体流発生装置12に作動連結される第1の端部と第2の端部とを有しかつ装置の動作時に気体流発生装置12からの気体流を搬送する導管14と、導管14の第2の端部に連結される被験者界面装置10と、ヘッドギアとを備える。密封緩衝体18の内部は、呼吸可能な加圧気体に曝される。加湿機、圧力センサ、流量センサ、温度センサ、湿度センサ及び細菌濾過器等の圧力支援装置に使用する他の付属品を本発明の被験者界面装置と共に使用できることは、理解されよう。
【0050】
また、本発明の明細書に密封体及びマスクの複数の異なる実施の形態を記載するが、これらの実施の形態は、本発明の被験者界面装置に使用に適する密封体及びマスクの限定列記であることを意図しないことは、理解できよう。逆に、本発明の被験者界面装置に使用するマスク殻22,122,222、密封緩衝体18,136,218、支持緩衝体20,138,220及びこれらの要素を互いに接続する要素がどのような形態又は大きさでもよいことを当業者は理解できよう。
【0051】
本発明は、従来の緩衝体構造を含む様々な構造を密封緩衝体18,136,218及び支持緩衝体20,138,220に設けることも企図する。例えば、米国特許第5,647,357及び第5,884,624号に開示されるゲル材料又は米国特許第6,397,847号に開示される特注生産可能なゲル材料により密封緩衝体18,136,218及び支持緩衝体20,138,220の何れかを形成することを、本発明は、企図し、参照することにより、前記米国特許の内容を本明細書の一部とする。本発明は、空気充填緩衝体でありかつ任意に密封当接部を密封緩衝体18,136,218、支持緩衝体20,138,220又はそれらの両方に設けられることも企図する。米国特許第4,791,051号を参照されたい。補強装置、補強材料及び/又は補強形状等の従来の緩衝体に通常見られる特徴を前記緩衝体に設けてもよく、シリコーン又は組合せ材料等様々の材料の何れか1つにより前記緩衝体を形成してもよい。
【0052】
現在最も実用的で及び好適と思われる実施の形態を図示して詳記したが、前記記載は単に説明の便宜に過ぎず、本発明を開示した実施の形態に限定されず、本発明は、特許請求の範囲内に該当すると共に、特許請求の範囲と同趣旨の変更態様並びに同等の装置を包含すること企図する。例えば、何れかの実施の形態の単一又は複数の特徴を何れかの他の実施の形態の単一又は複数の特徴に可能な範囲内で組み合わせられることを本発明が企図することは、理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】気体流/圧力発生装置に概略的に接続する本発明の原理による被験者界面装置の斜視図
【図2】図1の被験者界面装置の分解図
【図3】図1の被験者界面装置の正面図
【図4】図3の4−4線に沿う図1の被験者界面装置の断面図
【図5】本発明の第2の実施の形態による被験者界面装置の分解図
【図6】図5の被験者界面装置の正面図
【図7】図6の7−7線に沿う図5の被験者界面装置の断面図
【図8】図5の被験者界面装置の側面断面図
【図9】本発明の第3の実施の形態による被験者界面装置の正面斜視図
【図10】本発明の第3の実施の形態による被験者界面装置の背面斜視図
【図11】可撓接続部に密封部材を取り付ける例示的な構造を示す詳細な断面図
【図12】本発明の第4の実施の形態による被験者界面装置の側面断面図
【符号の説明】
【0054】
(10,87,120,200)・・被験者界面装置、 (12)・・気体流発生装置、 (14)・・導管、 (18,136,218)・・密封緩衝体、 (20,138,220)・・支持緩衝体(支持手段)、 (22,122,222)・・マスク殻、 (46)・・額支持部、 (62)・・溝領域、 (66,100,230)・・接続部(連結手段)、 (90)・・保持リング、 (100,230)・・可撓接続部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者側及び被験者側の反対側に形成されかつ気体流を受ける外側を有するマスク殻(22,122,222)と、
被験者の顔面の第1の領域に接触して密封構造を形成する第1の端部、第1の端部の反対側に形成される第2の端部及び被験者の顔面の一部を収容しかつ気体流に連絡する空洞を有する密封緩衝体(18,136,218)と、
被験者の顔面の第2の領域に接触する第1の端部及び第1の端部の反対側に形成される第2の端部を有し、密封緩衝体の周辺部の少なくとも一部を包囲する支持緩衝体(20,138,220)とを備え、
密封緩衝体の第2の端部と支持緩衝体の第2の端部とをマスク殻の被験者側に連結したことを特徴とする被験者の気道に気体流を供給するのに使用される被験者界面装置(10,87,120,200)。
【請求項2】
額支持部(46)を支持緩衝体に設けた請求項1に記載の被験者界面装置(10,87,120,200)。
【請求項3】
密封部材とマスク殻との間の角度を変更できる可撓接続部をマスク殻の被験者側と密封部材の第2の端部との間に設けた請求項1に記載の被験者界面装置(10,87,120,200)。
【請求項4】
マスク殻又は密封緩衝体から外力が加えられないとき、ほぼU字状断面を有する可撓膜を可撓接続部に設けた請求項3に記載の被験者界面装置(10,87,120,200)。
【請求項5】
保持リング(90)により可撓接続部と密封部材とを接続した請求項3に記載の被験者界面装置(10,87,120,200)。
【請求項6】
密封緩衝体、支持緩衝体又はそれらの両方の一部に溝領域(62)を形成した請求項1に記載の被験者界面装置(10,87,120,200)。
【請求項7】
密封緩衝体の第1の端部、支持緩衝体の第1の端部又はそれらの両方は、少なくとも単一の片と、部分的に互いに重なり合う少なくとも2つの片と、気体充填緩衝体、ゲル材料又はこれらの何らかの組み合わせとを備える請求項1に記載の被験者界面装置(10,87,120,200)。
【請求項8】
密封緩衝体の第1の端部、支持緩衝体の第1の端部又はそれらの両方は、被験者の顔面造作に適合する外形を有する請求項1に記載の被験者界面装置(10,87,120,200)。
【請求項9】
密封緩衝体にマスク殻を連結する接続部(66,100,230)を設け、
接続部とマスク殻との間に貯蔵部を形成した請求項1に記載の被験者界面装置(10,87,120,200)。
【請求項10】
マスク殻(22,122,222)と、
被験者の気道を全体的に包囲する領域にわたり被験者の表面に接触する第1の被験者接触領域を有して被験者の表面上にマスク殻を支持する支持手段(20,138,220)と、
第1の被験者接触領域より狭い第2の被験者接触領域にわたり被験者の表面を密封する密封手段(18,136,218)と、
マスク殻、支持手段又はそれらの両方に支持手段を連結する連結手段(66,100,230)とを備えることを特徴とする被験者界面装置。
【請求項11】
連結手段により支持手段に対して密封手段を移動できる請求項10に記載の被験者界面装置。
【請求項12】
支持手段、連結手段又はそれらの両方は、被験者接触部に配置される少なくとも1つの外縁を有する緩衝体と、少なくとも一部をゲル材料で形成したゲル緩衝体と、少なくとも一部を気体充填気泡により形成した気体充填緩衝体と又はこれらの何れかの組み合わせを備える請求項10に記載の被験者界面装置。
【請求項13】
(a)気体流を発生する気体流発生装置(12)と、
(b)気体流発生装置に作動連結される第1の端部及び第2の端部を有し、装置の動作時に気体流発生装置からの気体流を搬送する導管(14)と、
(c)被験者界面装置(10,87,120,200)とを備え、
被験者界面装置(10,87,120,200)は、
(1)被験者側と被験者側の反対側に形成される外側とを有し、導管の第2の端部に連結されるマスク殻(22,122,222)と、
(2)被験者の顔面の第1の領域に密封接触する第1の端部、第1の端部の反対側に形成される第2の端部及び被験者の顔面の一部を収容しかつ気体流に連絡する空洞を有する密封緩衝体(18,136,218)と、
(3)被験者の顔面の第2の領域に接触する第1の端部及び第1の端部の反対側に形成される第2の端部を有して密封緩衝体の周辺部の少なくとも一部を包囲する支持緩衝体(20,138,220)とを備え、
密封緩衝体の第2の端部と支持緩衝体の第2の端部とをマスク殻の被験者側に接続したことを特徴とする被験者気体流供給装置。
【請求項14】
額支持部(46)を支持緩衝体に設けた請求項13に記載の被験者気体流供給装置。
【請求項15】
密封部材とマスク殻との間の角度を変更できる可撓接続部(100,230)をマスク殻の被験者側と密封部材の第2の端部との間に設けた請求項13に記載の被験者気体流供給装置。
【請求項16】
マスク殻又は密封緩衝体から外力が加えられないとき、ほぼU字状断面を有する可撓膜を可撓接続部に設けた請求項15に記載の被験者気体流供給装置。
【請求項17】
保持リング(90)により可撓接続部と密封部材とを接続した請求項15に記載の被験者気体流供給装置。
【請求項18】
密封緩衝体、支持緩衝体又はそれらの両方の一部に溝領域(62)を形成した請求項13に記載の被験者気体流供給装置。
【請求項19】
単一の周縁又は多数の周縁と、気体充填緩衝体、ゲル材料又はそれらの何らかの組み合わせとを密封緩衝体の第1の端部、支持緩衝体の第1の端部又はそれらの両方に設けた請求項13に記載の被験者気体流供給装置。
【請求項20】
密封緩衝体の第1の端部、支持緩衝体の第1の端部又はそれらの両方は、被験者の顔面造作に適合する外形を有する請求項13に記載の被験者気体流供給装置。
【請求項21】
密封緩衝体にマスク殻を連結する接続部(66,100,230)を設け、
接続部とマスク殻との間に貯蔵部を形成した請求項13に記載の被験者気体流供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2008−536565(P2008−536565A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506679(P2008−506679)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/013808
【国際公開番号】WO2006/113321
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)