説明

亜硝酸ナトリウムを含む医薬組成物

医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウム、及びその医薬組成物が本明細書に提供される。また、亜硝酸ナトリウムを含む試料における合計不揮発性有機炭素を決定するための方法が本明細書に提供される。更に、医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムを製造するための方法が本明細書に提供される。更に、医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムの投与を含む治療方法が本明細書に提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年2月11日に出願の米国仮出願番号第61/151,820号、及び2009年7月8日に出願の米国仮出願番号61/224,021の利益を主張し、これらのそれぞれは、その全体が本明細書において参照により組み込まれる。
【0002】
(分野)
医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウム、及びその医薬組成物が本明細書に提供される。また、亜硝酸ナトリウムを含む試料における合計不揮発性有機炭素を決定するための方法が本明細書に提供される。更に、医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムを製造するための方法が本明細書に提供される。更に、医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムの投与を含む治療の方法が本明細書に提供される。
【背景技術】
【0003】
(背景)
亜硝酸ナトリウムは、食品添加物、及び医薬品成分としての使用など、多数の適用を有する。数千メートルトンの亜硝酸ナトリウムが毎年製造されるにもかかわらず、現在シアン化物中毒のための治療として示されるように、ほんの数キログラムだけが亜硝酸ナトリウム注射の製造のために薬学的に利用されている。亜硝酸ナトリウムは、硫化水素中毒のための有効な治療であることが報告されている(Hall及びRumackの文献Vet Human Toxicol. 1997, 39, 152-154)。亜硝酸ナトリウムは、有効な血管拡張薬であり、心臓発作、脳卒中、鎌状赤血球性貧血、呼吸器疾患、及び細菌、ウイルス、又は真菌の感染症を含む多くの状態を治療するためにこれを使用し得ることが最近報告されている(WO 2005/004884、WO 2005/007173、米国特許出願公開番号2004/0105898、2005/0036949、及び2008/0260865、それぞれの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。また、亜硝酸ナトリウムは、脈管形成、及び動脈形成を増大し、これをアンギナ、及び跛行を含む虚血性状態を治療するために使用し得ることが最近報告されている(Kumarらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci USA 2008、105、7540-7545)。また、亜硝酸ナトリウムは、カテーテルなどの医療機器(米国特許出願公開番号2007/0239107、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)の挿入により生じる、院内感染などの病院でかかる感染症のリスクを減少させることに関して有用である。
【0004】
米国における医薬品の製造は、食品医薬品局(FDA)によって規制される。1938年の連邦政府食品医薬品、及び化粧品法の通過以来、FDAは、新規医薬品、及びこれらの対応する活性成分が米連邦法典の連邦政府規制 21CFR211において詳述されている「医薬品等級」の優れた製造業務(Good Manufacturing Practices)の厳しい要求に従って製造されることを要求してきた。医薬品を製剤化するために現在使用される亜硝酸ナトリウムは比較的小量のため、原材料供給元は、現在「医薬品等級」の優れた製造業務に従った亜硝酸ナトリウムを製造していない。
【0005】
製造業務を規制することに加えて、FDAは、それぞれの新規医薬品、及びその対応する活性成分に対して厳密な品質規格を規定する。1938年の食品医薬品、及び化粧品法の通過後に市場に導入される場合、医薬品は、「新規」と分類される。この法において権限を委譲されたので、FDAは、新規医薬品、及びその活性成分が該当する品質規格を満たすように「医薬品等級」の優れた製造業務に従って製造されることを要求してきた。1938年に食品医薬品、及び化粧品法が制定されたとき、すでに市場に出回った医薬品は、「祖父の薬物(grandfathered drugs)」と分類されて、製品、及びそのラベリングが不変のままである場合、正式なFDA承認を伴わずに市場に残すことができた。製品、又はそのラベリングに対するいかなる変更でも、「祖父の薬物」が「新規」薬物になり、FDAが課した規制、及び品質基準に準拠することになる。シアン化物中毒の治療として使用することがただ一つ表示されている現在利用できる亜硝酸ナトリウム注射は、「祖父の薬物適用」である。結果的に、製品製剤、及び対応する品質規格は、数十年間不変のままである。
【0006】
亜硝酸ナトリウム医薬品のための新規薬物適用の受領の予想において、FDAは、新規医薬品のための亜硝酸ナトリウム原材料が「医薬品等級」の優れた製造業務に従って製造されなければならないこと、及びそれは品質規格の新規規定に合致しなければならないことを最近発表した。品質規格のこの新規規定は、既存の品質規格よりも拡張的かつ厳密である。現在利用できる亜硝酸ナトリウム原材料は、FDA品質基準の新規規定を満たさず、新規医薬品の製剤における使用に不適合である。結果的に、最近の亜硝酸塩に関連した研究の発見からFDA認可の臨床療法に変換するために、「医薬品等級」の優れた製造業務に従って製造され、かつ品質規格の新規規定を満たす精製された亜硝酸ナトリウム原材料に対して明らかな、及び満たされない需要がある。
【0007】
開発中の医薬品等級の亜硝酸ナトリウムにおける別のハードルは、新たにFDAに課された品質基準の1つである、亜硝酸ナトリウムを含む試料における合計不揮発性有機炭素を決定するための有効な分析方法が無いことである。合計不揮発性有機炭素決定のための従来法は、試料における有機炭素含量を測定する前にあらゆる無機炭素を除去しなければならないことが必要になる。これは、典型的には酸を添加することによって達成される。低pHにて、無機炭素を二酸化炭素に変換させ、次いでこれを試料からパージさせる。次いで、試料を触媒とともに燃焼室に、及びおよそ680℃の温度に送って、有機炭素を二酸化炭素に変換する。次いで、こうして生成された二酸化炭素の量を、赤外線検出器を使用して決定する。しかし、この従来法は、亜硝酸ナトリウムを含む試料を分析するために使用することができない。亜硝酸ナトリウムは、538℃を超える温度にさらされたときに爆発する。また、亜硝酸ナトリウムは、酸にさらされたときに一酸化窒素に変換され、従って、形成される一酸化窒素が二酸化炭素と共に検出器に移って、検出を妨げ、及び誤ったシグナルを生じ得る。更に、亜硝酸ナトリウムは、分析の間に沈殿し得る。触媒に対する亜硝酸ナトリウム塩の沈着は、触媒を汚染して、完全燃焼を妨げ得る。また、光学部品に対する亜硝酸ナトリウム塩の沈着は、放射線源の光強度を減少させ得る。従って、また、亜硝酸ナトリウムを含む試料における合計不揮発性有機炭素を決定するための分析方法に対する需要がある。
【0008】
開発中の医薬品等級の亜硝酸ナトリウムにおける別のハードルは、非医薬品等級亜硝酸ナトリウム中に抗固化材料が存在することである。亜硝酸ナトリウムは、吸湿性である。時間とともによる水の吸収を防げて、産業上の利用を促進するために、非医薬品等級亜硝酸ナトリウムの製造業者は、一般にナトリウムアルキルナフタレンスルホナートなどの表面活性物質特性をもつ抗固化材料を添加する。抗固化剤を含む非医薬品等級亜硝酸ナトリウムの製造業者が抗固化剤の添加のない亜硝酸ナトリウムのバッチを製造する場合であっても、新たなFDAに課された品質規格を超える微量の抗固化剤が存在し得る。従って、医薬品等級の亜硝酸ナトリウムを製造するためには、亜硝酸ナトリウムにおいていかなる抗固化材料も検出されてはならず、定量化されなければならず、及び制限されなければならない。
【発明の概要】
【0009】
(開示の概要)
約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、及び/又は約10ppm以下(0.001重量%)の抗固化剤を含む亜硝酸ナトリウムが本明細書において提供される。
【0010】
また、亜硝酸ナトリウムが約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム又は約10ppm以下(0.001重量%)の抗固化剤を含む、亜硝酸ナトリウム及び医薬として許容し得る賦形剤を含む医薬組成物が本明細書において提供される。
【0011】
また、亜硝酸ナトリウムを含む試料における合計不揮発性有機炭素を決定する方法であって、a)亜硝酸ナトリウムを含む水性試料溶液に予め定められた量の無機酸を添加する工程;b)試料溶液に予め定められた量の酸化剤を添加する工程;及びc)超臨界水酸化条件下で試料溶液における有機炭素を二酸化炭素に変換する工程;を含み、無機酸の最終的な量は、試料溶液の最終的な容積の2%以上であるか、又は酸化剤の最終的な量は、試料溶液の最終的な容積の20%以上である、前記方法が本明細書において提供される。
【0012】
また、医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムを製造するための方法であって、a)非医薬品等級亜硝酸ナトリウム(非薬学的等級亜硝酸ナトリウムは、食品等級の亜硝酸ナトリウムを含むが、限定されない)を第1の温度にて第1の溶媒と接触させる工程;b)混合物を第2の温度まで加熱する工程;c)第3の温度に混合物を冷却する工程;d)活性炭と混合物を接触させる工程;e)第4の温度に混合物を冷却する工程;及びf)第2の溶媒と混合物を接触させる工程を含む、前記方法が本明細書において提供される。
【0013】
また、対象に本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、急性中毒(シアン化物中毒、及び硫化水素中毒を含むが、限定されない)を治療するための方法が本明細書において提供される。
【0014】
また、対象に本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、高血圧、肺高血圧、アンギナ、跛行、脳血管攣縮、及び組織虚血-再灌流傷害を含むが、限定されない心臓血管疾患、及び心臓血管系と関連した状態を治療するための方法が本明細書に提供される。
【0015】
また、対象に本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、嚢胞性線維形成、肺結核、真菌性肺炎、細菌性肺炎、ウイルス性肺炎、肺膿瘍、肺高血圧、肺動脈塞栓症、及び肺血管攣縮を含むが、限定されない呼吸器疾患、又は気管肺系に関連した状態を治療するための方法が本明細書において提供される。
【0016】
また、対象に本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、皮膚の細菌感染、皮膚の真菌感染、皮膚のウイルス感染、爪の真菌感染、爪の細菌感染、爪のウイルス感染、爪床の真菌感染、爪床の細菌感染、爪床のウイルス感染、乾癬、強皮症、皮膚の炎症、爪の炎症、及び爪床の炎症を含むが、限定されない、皮膚科疾患、又は皮膚に関連した状態を治療するための方法が本明細書において提供される。
【0017】
また、機器(例えば、医療機器)の挿入、及び/又は体内での機器の使用により生じ得る院内感染などの病院でかかる感染症を治療し、予防し、又はリスクを減少させるための方法が本明細書において提供される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(詳細な説明)
本明細書に記載した開示の理解を容易にするために、多数の用語を以下で定義してある。
【0019】
一般に本明細書において使用される命名法、及び本明細書において記述される無機化学、分析化学、有機化学、医薬品化学、及び薬理学における検査法は、周知のものであり、当該技術分野において一般に使用される。別途定義されない限り、本明細書において使用される全ての専門用語、及び科学用語は、一般に、この開示が属する当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において使用される用語に対して複数の定義がある場合、特に明記しない限りこの節のものを優先する。
【0020】
「対象」という用語は、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、又はマウスを含むが、限定されない、動物をいう。「対象」及び「患者」という用語は、例えば、ヒト被験者などの、哺乳動物対象をいう際に本明細書において同義的に使用される。一つの実施態様において、対象は、本明細書において提供される疾患、障害、若しくは状態を有するか、又はリスクがある。別の実施態様において、患者は、疾患、障害、若しくは状態を有するか、又はリスクがあり、疾患、障害、若しくは状態、又はその症候は、亜硝酸ナトリウムの投与によって治療し、予防し、又は寛解させることができる。
【0021】
「宿主」という用語は、細胞、株化細胞、及び動物(例えばヒト)を含むが、限定されない、ウイルスが複製することができる単細胞、又は多細胞生物をいう。
【0022】
「治療する」、「治療すること」、及び「治療」という用語は、障害、疾患、若しくは状態、又は障害、疾患、若しくは状態と関連した1つ以上の症候を緩和し、又は抑止すること;又は障害、疾患、又は状態それ自体の原因を軽減し、又は根絶することを含むことが意味される。
【0023】
「予防する」、「予防すること」、及び「予防」という用語は、障害、疾患、若しくは状態、及び/又はその付随する症候の発症を遅延させ、及び/又は妨げる方法;対象が疾患にかかるのを防止すること;又は対象が障害、疾患、若しくは状態にかかるリスクを減少させることを含むことが意味される。
【0024】
「治療上有効な量」という用語は、投与されたときに、治療される障害、疾患、又は状態の1つ以上の症候の進行を予防する、又はある程度軽減するために十分である化合物の量を含むことが意味される。また、「治療上有効な量」という用語は、研究者、獣医師、医師、又は臨床医によって探求される細胞、組織、系、動物、又はヒトの生物学的、又は医学的反応を誘発するために十分である化合物の量をいう。
【0025】
「医薬として許容し得る担体」、「医薬として許容し得る賦形剤」、「生理的に許容し得る担体」、又は「生理的に許容し得る賦形剤」という用語は、液体、若しくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、又は封入材料などの医薬として許容し得る材料、組成物、又は媒体をいう。一つの実施態様において、それぞれの成分は、医薬品製剤のその他の成分との適合性の意味において「薬学的に許容され」、及び相当な利益/リスク比で相応して、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、又はその他の問題、若しくは合併症を伴わずに、ヒト、及び動物の細胞、組織、又は器官との接触に使用するために適切である。Remington:薬学の科学、及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、第21版、Lippincott William、及びWilkins:Philadelphia、PA、2005;医薬品賦形剤のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients)、第5版、Roweら編、The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2005;及び医薬品添加物のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Additives)、第3版、Ash、及びAsh 編、Gower Publishing Company:2007;Pharmaceutical Preformulation and Formulation、Gibson編、CRC Press LLC:Boca Raton、FL、2004を参照されたい。
【0026】
「約」又は「およそ」という用語は、当業者によって定められる特定の値についての許容し得る誤差を意味し、これは、部分的には、値が測定され、又は決定される方法に依存する。特定の実施態様において、「約」又は「およそ」という用語は、1、2、3、又は4の標準偏差以内を意味する。特定の実施態様において、「約」又は「およそ」という用語は、与えられた値、又は範囲の15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%の範囲内を意味する。特定の実施態様において、「約」又は「およそ」という用語の後の値は、正確であると考えられる。
【0027】
「活性成分」及び「活性物質」という用語は、状態、障害、又は疾患の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させるために、単独、又は1つ以上の医薬として許容し得る賦形剤と併用して、対象に投与される化合物をいう。本明細書に使用される、「活性成分」及び「活性物質」は、本明細書において記述した化合物の光学活性異性体でもよい。
【0028】
「薬物」、「治療薬」、及び「化学療法剤」という用語は、状態、障害、又は疾患の1つ以上の症候を治療し、予防し、又は寛解させるために対象に投与される化合物、又はその医薬組成物をいう。
【0029】
「抗溶媒」という用語は、その溶媒中の化合物の溶解性を減少させて化合物の沈澱、又は結晶化を生じさせるために溶媒に添加される液体をいう。
【0030】
「リン酸ナトリウム」という用語は、リン酸二水素ナトリウム(NaH2PO4)、リン酸水素二ナトリウム(Na2HPO4)、又はリン酸三ナトリウム(Na3PO4)をいう。特定の実施態様において、リン酸ナトリウムは、リン酸二水素ナトリウムである。特定の実施態様において、リン酸ナトリウムは、リン酸水素二ナトリウムである。特定の実施態様において、リン酸ナトリウムは、リン酸三ナトリウムである。
【0031】
(亜硝酸ナトリウム)
亜硝酸ナトリウム(NaNO2)(亜硝酸の一ナトリウム塩としても知られる)の精製された形態が本明細書において提供される。一つの実施態様において、医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムが本明細書において提供される。別の実施態様において、医薬品用途のための亜硝酸ナトリウムのための1つ、1つ以上、又は全てのFDA標準を満たす亜硝酸ナトリウムの形態が本明細書において提供される。
【0032】
一つの実施態様において、医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムは、白からオフホワイトの固体である。
【0033】
一つの実施態様において、医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムは、USP XXXII(2009)の方法<191>に従って決定されるナトリウムについてポジティブな確認試験を有する。
【0034】
一つの実施態様において、医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムは、USP XXXII(2009)の方法<191>に従って決定される亜硝酸塩についてポジティブな確認試験を有する。
【0035】
一つの実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約97重量%以上、及び/又は約101重量%以下の亜硝酸ナトリウムを含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける亜硝酸ナトリウムの量は、USP 比色分析アッセイ(USP XXXII(2009))に従って決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける亜硝酸ナトリウムの量は、イオンクロマトグラフィーによって決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける亜硝酸ナトリウムの量は、本明細書において記述されてサプレッサー付伝導度検出と組み合わせたイオンクロマトグラフィーによって決定される。
【0036】
別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、25℃にて10%の溶液において測定したときに約8〜約9の間のpHを有する。特定の実施態様において、本明細書において提供されるナトリウムのpHは、pHメータを使用して測定される。特定の実施態様において、本明細書において提供されるナトリウムのpHは、USP XXXII(2009)における方法791に従って決定される。
【0037】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.25重量%以下の乾燥減量を有する。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの乾燥減量は、USP XXXII(2009)における方法731に従って定量化される。
【0038】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.5重量%以下の含水量を有する。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける含水量は、カール‐フィッシャー法によって決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける含水量は、USP XXXII(2009)における方法921に従って定量化される。
【0039】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける重金属含量は、約10ppm以下の重金属である。本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける重金属含量は、USP XXXII(2009)における方法231に従って決定される。
【0040】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.4重量%以下の硝酸ナトリウムを含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける硝酸ナトリウムの量は、本明細書において記述したように、サプレッサー付伝導度検出と組み合わせたイオンクロマトグラフィー法によって決定される。
【0041】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.02重量%以下の炭酸ナトリウムを含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける炭酸ナトリウムの量は、酸と試料を混合してカルボナートを二酸化炭素に変換すること、及び測定のために非分散赤外線検出器に二酸化炭素を排出することによって決定される。
【0042】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.005重量%以下の不溶性物質を含む。特定の実施態様において、本明細書に提供される亜硝酸ナトリウムにおける不溶性材料の量は、100mLの水に10グラムの本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムを溶解すること、溶液を1時間沸騰するまで加熱して、溶液を濾過して、温水で洗浄して、乾燥して、デシケーターにおいて冷却して、計量することによって決定される。
【0043】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.005重量%以下のクロライドを含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるクロライド含量は、USP XXXII(2009)における方法221に従って決定される。
【0044】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.01重量%以下のサルフェートを含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるサルフェート含量は、USP XXXII(2009)における方法221に従って決定される。
【0045】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.001重量%以下の鉄を含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける鉄の含量は、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)を使用して決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける鉄の含量は、誘導結合プラズマ-光学発光分光法(ICP-OES)を使用して決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける鉄の含量は、USP XXXII(2009)における方法241に従って決定される。
【0046】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.01重量%以下のカルシウムを含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるカルシウム含量は、ICP-MSを使用して決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるカルシウム含量は、炎発光分光測定(FES)を使用して決定される。
【0047】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.005重量%以下のカリウムを含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるカリウム含量は、ICP-MSを使用して決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるカリウム含量は、FESを使用して決定される。
【0048】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約10ppm以下、約100ppm以下、約500ppm以下、約1000ppm以下、又は5000ppm以下のエタノールを含む。特定の実施態様において、有機揮発性不純物の含量は、USP XXXII(2009)における方法467に従って決定される。
【0049】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約10ppm以下、約100ppm以下、約500ppm以下、約1000ppm以下、又は3000ppm以下のメタノールを含む。特定の実施態様において、有機揮発性不純物の含量は、USP XXXII(2009)における方法467に従って決定される。
【0050】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約2.5ppm以下、約6ppm以下、約8ppm以下、約10ppm以下、約20ppm以下、約25ppm以下、又は約50ppm以下の合計不揮発性有機炭素を含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約10ppm以下の合計不揮発性有機炭素(NVOC)、又は相当する非パージャブル(purgable)有機炭素(NPOC)を含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約7.9ppm以下の合計不揮発性有機炭素を含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約5.6ppm以下の合計不揮発性有機炭素を含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける合計不揮発性有機炭素は、本明細書において記述される方法を使用して決定される。
【0051】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.05ppm以下の水銀を含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける水銀含量は、ICP-MSを使用して決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける水銀含量は、ICP-OESを使用して決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける水銀含量は、USP XXXII(2009)における方法261に従って決定される。
【0052】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約2ppm以下のアルミニウムを含む。更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.2ppm以下のアルミニウムを含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるアルミニウム含量は、ICP-MSを使用して決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるアルミニウム含量は、ICP-OESを使用して決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるアルミニウム含量は、USP XXXII(2009)における方法206に従って決定される。
【0053】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約3ppm以下のヒ素を含む。更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約1ppm以下のヒ素を含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるヒ素含量は、ICP-MSを使用して決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるヒ素含量は、ICP-OESを使用して決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるヒ素含量は、USP XXXII(2009)における方法211に従って決定される。
【0054】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約10ppm(0.001重量%)以下の抗固化剤を含む。特定の実施態様において、抗固化剤は、ナトリウムアルキル-ナフタレンスルホナートである。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるナトリウムアルキル-ナフタレンスルホナートの量は、本明細書において記述したように、質量分析、及び液体クロマトグラフィー法を使用して定量される。
【0055】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.003重量%以下のセレンを含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるセレン量は、ICP-MSを使用して決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるセレン量は、ICP-OESを使用して決定される。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおけるセレン量は、USP XXXII(2009)における方法291に従って決定される。
【0056】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける合計好気性微生物負荷の数値は、約100CFU/g以下である。本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける合計好気性微生物負荷の数値は、USP XXXII(2009)における方法61に従って定量化される。
【0057】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける合計の酵母及びカビの数は、約20CFU/g以下である。本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける合計の酵母及びカビの数は、USP XXXII(2009)における方法61に従って定量化される。
【0058】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.25EU/mg以下の細菌エンドトキシンを含む。本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムにおける細菌エンドトキシンの量は、USP XXXII(2009)における方法85に従って定量化される。
【0059】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、約0.1ppm未満のリン酸ナトリウムを含む。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、リン酸ナトリウムの検出可能な量を含まない。特定の実施態様において、リン酸ナトリウムは、リン酸水素二ナトリウムである。特定の実施態様において、リン酸ナトリウムは、リン酸三ナトリウムである。
【0060】
更に別の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、以下の1つ以上によって特徴づけられる:
約97重量%以上、及び/又は約101重量%以下の亜硝酸ナトリウムを含むこと;
ナトリウムについてポジティブな確認試験を有すること;
チオサルフェートについてポジティブな確認試験を有すること;
25℃にて10%の溶液において測定したときに約8〜約9の間のpHを有すること;
約0.25重量%以下、又は約0.01重量%の乾燥減量を有すること;
約0.5重量%以下の含水量を有すること;
約10ppm以下の重金属含量を有すること;
約0.4重量%以下の硝酸ナトリウムを含むこと;
約0.02重量%、約0.01重量%、又は約0.001重量%以下の炭酸ナトリウムを含むこと;
約0.005重量%、又は約0.001重量%以下の不溶性物質を含むこと;
約0.005重量%以下のクロライドを含むこと;
約0.01重量%以下のサルフェートを含むこと;
約0.001重量%以下の鉄を含むこと;
約0.01重量%以下のカルシウムを含むこと;
約0.005重量%、又は約0.001重量%以下のカリウムを含むこと;
約0.1重量%以下のエタノール、又は約10ppm以下、約100ppm以下、約500ppm以下、約1000ppm以下、若しくは5000ppm以下のエタノールを含むこと;
約10ppm以下、約100ppm以下、約500ppm以下、約1000ppm以下、又は3000ppm以下のメタノールを含むこと;
約2.5ppm以下、約5.6ppm以下、約6ppm以下、約7.9ppm以下、約8ppm以下、約10ppm以下、約20ppm以下、約25ppm以下、又は約50ppm以下;及び、一つの実施態様において約10ppm以下の合計不揮発性有機炭素、又は相当物を有すること;
約0.05ppm以下の水銀を含むこと;
約2ppm又は0.2ppm以下のアルミニウムを含むこと;
約3ppm又は約1ppm以下のヒ素を含むこと;
約10ppm又は約0.001重量%以下の抗固化剤を含むこと;
約0.003%又は約0.001重量%以下のセレン(ICP-OES又は相当物)を含むこと;
約100CFU/g以下の合計好気性微生物負荷の数値を有すること;
約20CFU/g以下の合計の酵母及びカビの数を有すること;
約0.25EU/mg又は約0.018EU/mg以下の細菌エンドトキシンを含むこと;及び
約0.1ppm以下のリン酸ナトリウムを含むこと。
【0061】
一つの実施態様において、本明細書において提供される方法によって製造される本明細書において言及した特徴の1つ以上を有する亜硝酸ナトリウムが本明細書において提供される。一つの実施態様において、表1に記載された特徴の1つ以上を有する亜硝酸ナトリウムが本明細書において提供される。
【0062】
(亜硝酸ナトリウムの調製)
また、a)非医薬品等級亜硝酸ナトリウム(非薬学的等級亜硝酸ナトリウムは、食品等級の亜硝酸ナトリウムを含むが、限定されない)を第1の温度にて第1の溶媒と接触させる工程;b)混合物を第2の温度まで加熱する工程;c)第3の温度に混合物を冷却する工程;d)活性炭と混合物を接触させる工程;e)第4の温度に混合物を冷却する工程;及びf)第2の溶媒と混合物を接触させる工程を含む、医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムを製造するための方法が本明細書において提供される。特定の実施態様において、本方法は、本明細書において提供される工程の1つ以上の後に単離工程を更に含み、亜硝酸ナトリウムは、濾過又は遠心などの従来法によって、続いて乾燥(例えば、真空オーブン乾燥、風乾、又はデシケーター乾燥)によって、不活性雰囲気(例えば、N2又はAr)下で単離される。一つの実施態様において、第1の溶媒は、水(水、精製水、超純水、及び注射用蒸留水を含むが、限定されない)などの極性溶媒である。別の実施態様において、第2の溶媒は、エチルアルコールなどの有機溶媒である。
【0063】
特定の実施態様において、亜硝酸ナトリウムは、亜硝酸ナトリウムの融点以下の高温にて、不活性雰囲気下で乾燥される。特定の実施態様において、該高温は、約60-70℃、又は≦65℃である。詳細な実施態様において、該高温は、約60℃、又は約65℃である。
【0064】
本明細書において提供される方法における使用のための適切な溶媒は、水(水、精製水、超純水、及び注射用蒸留水を含むが、限定されない)、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、1-プロパノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコール、エチルアルコール、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチルピロリンドン(N-methyl pyrrolindone)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、及びその混合物を含むが、限定されない。一つの実施態様において、溶媒は、水性である。別の実施態様において、溶媒は、水である。更に別の実施態様において、溶媒は、水混和性の溶媒と水の混合物であり、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、1-プロパノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコール、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチルピロリンドン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、及びその混合物を含むが、限定されない。
【0065】
特定の実施態様において、亜硝酸ナトリウムは、冷却、チルリング、溶媒蒸発、又は抗溶媒の添加を含むが、限定されない従来法を使用して溶媒中の亜硝酸ナトリウムの溶液、又はスラリーから製造される。
【0066】
一つの実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムを製造するための方法は:(a)不活性雰囲気下で第1の温度にて溶媒中で亜硝酸ナトリウムの溶液を調製する工程;及び(b)不活性雰囲気下で第2の温度にて亜硝酸ナトリウムを生成する工程を含む。亜硝酸ナトリウムの形成を促進するために、本方法は、また、工程(b)の前、又はその間に、不活性雰囲気下で亜硝酸ナトリウムの結晶と共に溶液を播種することによる播種工程を含んでいてもよい。特定の実施態様において、本明細書において記述したように、本方法は、単離、及び乾燥のための工程を更に含む。
【0067】
特定の実施態様において、工程(a)の溶液は、第1の温度にて飽和、又はほとんど飽和した溶液として調製される。飽和、又はほとんど飽和した溶液は、溶液を第1の温度に冷却させたときに、飽和、又はほとんど飽和した溶液が得られるように、第1の温度より高い温度にて溶媒に亜硝酸ナトリウムの十分な量を溶解することによって調製される。亜硝酸ナトリウムの十分な量は、第1の温度において溶媒における亜硝酸ナトリウムの溶解性に基づいて見積もることができ、これは、当該技術分野において公知であるか、又は当業者に公知の方法を使用して決定することができる。
【0068】
特定の実施態様において、第1の温度は、室温〜使用される溶媒の沸点あたりの範囲であり、かつ亜硝酸ナトリウムの融点(約270℃)以下である。特定の実施態様において、第1の温度は、-100〜100℃、約-50〜約50℃、約-10〜約30℃、約0〜約30℃、約15〜約30℃、又は約20〜約30℃の範囲である。特定の実施態様において、第2の温度は、約10〜約110℃、約20〜約100℃、約20〜約80℃、約20〜約60℃、約20〜約40℃、約30〜約60℃、約45〜約55℃、約20〜約30℃、又は約45〜約55℃の範囲である。特定の実施態様において、第3の温度は、-100〜100℃、約-50〜約50℃、約-10〜約30℃、約0〜約30℃、約15〜約30℃、又は約20〜約30℃の範囲である。特定の実施態様において、第4の温度は、-100〜100℃、約-50〜約50℃、約-10〜約30℃、約0〜約20℃、又は約0〜約10℃の範囲である。本明細書において提供される方法の収率、及び効率を最大にするために、第3の温度は、通常、第2の温度よりも低くなるように設定される。特定の実施態様において、第1の温度は、約24〜約30℃であり、及び第2の温度は、約45〜約55℃である。特定の実施態様において、第1の温度は、約20〜約30℃であり、第2の温度は、約45〜約55℃であり、及び第3の温度は、約20〜約30℃である。特定の実施態様において、第1の温度は、約20〜約30℃であり、第2の温度は、約45〜約55℃であり、第3の温度は、約20〜約30℃であり、及び第4の温度は、約0〜約10℃である。特定の実施態様において、第1の温度は、約25℃であり、第2の温度は、約50℃であり、第3の温度は、約25℃であり、及び第4の温度は、約5℃である。
【0069】
一つの実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、第2の温度にて溶液から溶媒を蒸発させることによって得られる。溶媒蒸発は、溶液に熱源、及び/又は真空を適用することによって促進することができる。
【0070】
別の実施態様において、亜硝酸ナトリウムは、第4の温度に溶液を冷却することによって得られる。
【0071】
更に別の実施態様において、亜硝酸ナトリウムは、第4の温度にて溶液に抗溶媒を添加することによって形成される。適切な抗溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、1-プロパノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレングリコール、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチルピロリンドン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、及びその混合物を含むが、限定されない。
【0072】
2つの溶媒が溶媒/抗溶媒対として用いられるとき、亜硝酸ナトリウムは、抗溶媒のものよりも溶媒において高い溶解性を有する。任意に、溶媒/抗溶媒対における溶媒及び抗溶媒は、少なくとも部分的に混和性である。特定の実施態様において、溶媒は、水である。特定の実施態様において、抗溶媒は、水混和性溶媒である。特定の実施態様において、抗溶媒は、エタノールである。
【0073】
更に別の実施態様において、亜硝酸ナトリウムは、第4の温度にて抗溶媒に溶液を添加することによって形成される。一つの実施態様において、溶媒は、水であり、及び抗溶媒は、エタノールである。
【0074】
特定の実施態様において、溶液(a)は、15、30、45、若しくは60分間まで、又はより長く不活性雰囲気下で室温にて撹拌される。
【0075】
特定の実施態様において、本明細書において提供される工程の1つ以上は、不活性雰囲気(例えば、N2又はAr)下で実施される。
【0076】
特定の実施態様において、精製工程、又はフィルタリング工程は、本明細書において提供される1つ以上の工程の間に行われる。
【0077】
特定の実施態様において、フィルタリング工程は、ガラス-マイクロファイバーフィルタ(例えば、≦1.6μm)を使用することによって実施される。その他の実施態様において、フィルタリング工程は、Auroraフィルタ、Cogeimフィルタ、又はEstrellaフィルタを使用することによって実施される。
【0078】
また、噴霧乾燥、ローラー乾燥、凍結乾燥、及び融解物結晶化を含む当該技術分野において公知のその他の方法を、本明細書において提供される医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムを製造するために適用してもよい。
【0079】
(特徴付けの方法)
(1. 亜硝酸ナトリウムにおける合計不揮発性有機炭素の決定)
亜硝酸ナトリウムを含む試料における合計不揮発性有機炭素を決定する方法であって、(a)亜硝酸ナトリウムを含む水性試料溶液に予め定められた量の無機酸を添加する工程;(b)試料溶液に予め定められた量の酸化剤を添加する工程;及び(c)超臨界水酸化状態下で試料溶液における有機炭素を二酸化炭素に変換する工程を含み、無機酸の最終的な量は、試料溶液の最終的な容積の約2%以上であるか、又は酸化剤の最終的な量は、試料溶液の最終的な容積の約20%以上である、前記方法が本明細書において提供される。
【0080】
一つの実施態様において、無機酸は、リン酸である。別の実施態様において、無機酸は、6Nリン酸である。更に別の実施態様において、無機酸の最終的な量は、試料溶液の最終的な容積の約2%以上、及び約50%以下である。更に別の実施態様において、無機酸の最終的な量は、試料溶液の最終的な容積の約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、又は約50%である。更に別の実施態様において、無機酸の最終的な量は、試料溶液の最終的な容積の約6%である。更に別の実施態様において、無機酸は、6Nリン酸であり、及び無機酸の最終的な量は、試料溶液の最終的な容積の約6%である。
【0081】
一つの実施態様において、酸化剤は、過硫酸ナトリウムである。別の実施態様において、酸化剤は、30%の過硫酸ナトリウム溶液である。更に別の実施態様において、酸化剤の最終的な量は、約20%以上であるが、試料溶液の最終的な容積の約90%以下である。更に別の実施態様において、酸化剤の最終的な量は、試料溶液の最終的な容積の約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、又は約90%である。更に別の実施態様において、酸化剤の最終的な量は、試料溶液の最終的な容積の約45%である。更に別の実施態様において、酸化剤は、30%の過硫酸ナトリウム溶液であり、及び酸化剤の最終的な量は、試料溶液の最終的な容積の約45%である。
【0082】
特定の実施態様において、亜硝酸ナトリウムを含む試料における有機炭素は、それぞれの開示が参照としてその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第2,944,396号、第4,543,190号、第5,387,398号、第5,405,533号、第5,501,799号、第5,560,822号、第5,804,066号、第6,054,057号、第6,056,883号、第6,238,568号、第6,519,926号、第6,576,185号、第6,709,602号、及び第6,773,581号において開示されたものなどの、当該技術分野において公知の任意のSCWO法に従って酸化される。特定の実施態様において、SCWO法は、InnovOx laboratory TOC Analyzer (GE Analytical Instruments, Inc., Boulder, CO.)で実施される。超臨界水酸化(SCWO)法は、水の熱力学的限界点(375℃、及び218気圧)の近く、及びそれを超えた条件にて水の独特の特性を利用する。超臨界水酸化状態下での圧力の増大は、亜硝酸ナトリウムを含む試料における有機炭素を二酸化炭素に変換することによって、劇的に酸化過程の効率を上昇させる。
【0083】
特定の実施態様において、亜硝酸ナトリウムを含む試料溶液は、水に5.0gの亜硝酸ナトリウムを含む試料を添加して100mL溶液を作製することによって調製される。特定の実施態様において、本方法において使用される水は、0.10ppm以下の全有機炭素を有する。
【0084】
特定の実施態様において、本方法は、酸化後に形成される二酸化炭素の量を決定する工程を更に含む。特定の実施態様において、二酸化炭素は、赤外線検出器を使用して定量化される。特定の実施態様において、二酸化炭素は、非分散赤外線検出器を使用して定量化される。
【0085】
(2. 亜硝酸ナトリウムにおける亜硝酸塩、及び硝酸塩の定量化)
特定の実施態様において、(a)イオンクロマトグラフィーによって亜硝酸塩、及び硝酸塩を分離する工程;及び(b)サプレッサー付伝導度検出を使用して亜硝酸塩、及び硝酸塩の個々の量を定量化する工程を含む、亜硝酸ナトリウムを含む試料における亜硝酸塩、及び硝酸塩を定量化する方法が本明細書において提供される。特定の実施態様において、イオンクロマトグラフィーは、均一溶媒で行われる。特定の実施態様において、水性移動相は、炭酸ナトリウム、及び炭酸水素ナトリウムを含む。特定の実施態様において、水性移動相は、2.7mM炭酸ナトリウム、及び0.3mM炭酸水素ナトリウムを含む。
【0086】
(3. 亜硝酸ナトリウムにおけるアルキルナフタレンスルホナートの定量化)
特定の実施態様において、質量分析計、及び液体クロマトグラフィーでアルキルナフタレンスルホナートを定量化することを含む、亜硝酸ナトリウムを含む試料におけるアルキルナフタレンスルホナートを定量化する方法が本明細書において提供される。
【0087】
(4.亜硝酸ナトリウムにおける窒素酸化物不純物の定量化)
特定の実施態様において、窒素酸化物(NOx)電極を使用して窒素酸化物不純物を定量化することを含む、亜硝酸ナトリウムを含む試料における窒素酸化物不純物を定量化する方法が本明細書において提供される。
【0088】
(医薬組成物)
単独で、又は医薬として許容し得る媒体、担体、希釈剤、若しくは賦形剤、又はその混合物と併用して、活性成分として本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムを含む医薬組成物が本明細書において提供される。
【0089】
本明細書において提供される化合物は、単独で投与しても、又は1つ以上のその他の活性成分と併用してもよい。本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムを含む医薬組成物は、経口、非経口、及び局所的投与のために、種々の剤形に製剤化してもよい。医薬組成物は、また遅延性、長期性、持続性、パルス性、制御された、促進され、及び高速、ターゲットされた、プログラムされた放出、並びに胃保持剤形を含む、改変された放出剤形として製剤化してもよい。これらの剤形は、当業者に公知の従来法、及び技術に従って調製することができる(Remington:薬学の科学、及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、上記;改変された放出薬物送達技術(Modified-Release Drug Deliver Technology)、Rathboneら編、Drugs and the Pharmaceutical Science, Marcel Dekker, Inc.: New York, NY, 2003; Vol. 126)。
【0090】
一つの実施態様において、医薬組成物は、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウム、及び1つ以上の医薬として許容し得る賦形剤、又は担体を含む経口投与のための剤形で提供される。
【0091】
別の実施態様において、医薬組成物は、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウム、及び1つ以上の医薬として許容し得る賦形剤、又は担体を含む非経口投与のための剤形で提供される。
【0092】
更に別の実施態様において、医薬組成物は、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウム、及び1つ以上の医薬として許容し得る賦形剤、又は担体を含む肺投与を含む局所的投与のための剤形で提供される。
【0093】
一つの実施態様において、医薬組成物は、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウム、及び水を含む。別の実施態様において、医薬組成物は、約10mLの水中に本明細書において提供される約300mgの亜硝酸ナトリウムを含む。
【0094】
一つの実施態様において、本明細書において提供される医薬組成物は、酸を更に含む。特定の実施態様において、酸は、有機酸である。特定の実施態様において、酸は、無機酸である。特定の実施態様において、酸は、酢酸、又はアスコルビン酸である。特定の実施態様において、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウム、及び医薬組成物は、組成物が対象に投与されるときに、共に混合される。特定の実施態様において、本明細書において提供される医薬組成物は、医療器具、又は医療機器において、又はそれを介して投与される(その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開番号2007/0239107を参照されたい)。
【0095】
特定の実施態様において、本明細書において提供される医薬組成物における亜硝酸ナトリウムは、酸性化されない(例えば、非酸性型)。
【0096】
本明細書において提供される医薬組成物は、単位剤形、又は複数剤形で提供してもよい。本明細書に使用される単位剤形は、ヒト、及び動物対象に対する投与のために適した、及び当技術分野において公知のように個々にパッケージされた物理的に分離した単位をいう。各単位用量は、必要とされる医薬品担体、又は賦形剤と組み合わせて、所望の治療効果を生み出すために十分な活性成分の予め定められた量を含む。単位剤形の例は、アンプル、シリンジ、及び個々にパッケージされた錠剤、又はカプセルを含む。単位剤形は、その分数、又は倍数で投与してもよい。複数剤形は、別々の位剤形で投与される単一の容器にパッケージされた複数の同一の単位剤形である。複数剤形の例は、バイアル、錠剤若しくはカプセルの瓶、又はパイント、若しくはガロンの瓶を含む。
【0097】
本明細書において提供される医薬組成物は、時間間隔において、一回、又は複数回にて投与してもよい。治療の正確な投薬量、及び期間は、治療される患者の年齢、重量、及び状態により変化し得ること、及び公知の試験プロトコルを使用して、又はインビボ若しくはインビトロの試験、又は診断データからの推定によって、経験的に決定してもよいことが、理解される。任意の特定の個体については、具体的な投薬処方計画は、個々の必要、及び製剤投与を投与する、又は監督する人の専門的判断に従って、時間に応じて調整されるべきであることは、更に十分に理解される。
【0098】
(A.経口投与)
本明細書において提供される医薬組成物は、経口投与のために固体、半固体、又は液体の剤形で提供してもよい。本明細書に使用される、経口投与は、また頬側、舌、及び舌下投与を含む。適切な経口剤形は、錠剤、カプセル、丸剤、トローチ、ロゼンジ、パステル、カシェ剤、ペレット、医薬用チューインガム、顆粒、バルク粉末、起沸性、若しくは非起沸性粉末、又は顆粒、溶液、乳剤、懸濁液、溶液、ウエハ、散剤、エリキシル、及びシロップを含むが、限定されない。活性成分(類)に対する添加において、医薬組成物は、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、潤滑剤、流動促進剤(glidant)、着色剤、色素-移動阻害剤、甘味薬、香味薬を含むが、限定されない、1つ以上の医薬として許容し得る担体、又は賦形剤を含んでいてもよい。
【0099】
結合剤又は造粒剤は、圧縮後に錠剤が完全な状態のままであることを保証するために、錠剤に粘着性を与える。適切な結合剤又は造粒剤は、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、及びアルファ化デンプン(例えば、STARCH 1500)などのデンプン;ゼラチン;スクロース、グルコース、デキストロース、モラセス、及びラクトースなどの糖;アカシア、アルギン酸、アルギナート、アイルランドコケの抽出物、パンワーゴム(panwar gum)、ガティゴム(ghatti gum)、イサブゴールハスク(isabgol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヴィーゴム(Veegum)、カラマツアラボガラクタン、粉末状トラガカンタ、及びグアーガムなどの天然、及び合成ゴム;エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース;AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corp., Marcus Hook、PA)などの微晶質セルロース;及びその混合物を含むが、限定されない。適切な充填剤は、タルク、炭酸カルシウム、微晶質セルロース、粉末状セルロース、デキストラート(dextrates)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びその混合物を含むが、限定されない。結合剤又は充填剤は、本明細書において提供される医薬組成物において約50〜約99重量%存在してもよい。
【0100】
適切な希釈剤は、リン酸ジカルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、及び粉末状糖を含むが、限定されない。
マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース、及びイノシトールなどの特定の希釈剤は、十分な量で存在するときに、いくつかの圧縮錠剤に対して咀嚼によって口内で崩壊できる特性を与えることができる。このような圧縮錠剤は、咀嚼錠として使用することができる。
【0101】
適切な崩壊剤は、寒天;ベントナイト;メチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースなどのセルロース;木製品;天然スポンジ;カチオン交換樹脂;アルギン酸;グアーガム、及びヴィーゴム(Veegum)HVなどのゴム;柑橘類パルプ;クロスカルメロースなどの架橋されたセルロース;クロスポビドンなどの架橋された重合体;架橋されたデンプン;炭酸カルシウム;ナトリウムデンプングリコラートなどの微晶質セルロース;ポラクリリンカリウム;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、及びアルファ化デンプンなどのデンプン;粘土;アライン(align)、及びその混合物を含むが、限定されない。本明細書において提供される医薬組成物における崩壊剤の量は、製剤のタイプによって変化し、当業者に容易に識別可能である。本明細書において提供される医薬組成物は、約0.5〜約15%、又は約1〜約5重量%の崩壊剤を含んでいてもよい。
【0102】
適切な潤滑剤は、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽鉱油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ベヘン酸グリセロール、及びポリエチレングリコール(PEG)などのグリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油を含む水素化された植物性油脂;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリル酸エチル;寒天;デンプン;リコポジウム;AEROSIL(登録商標)200(W.R.Grace社, Baltimore, MD)、及びCAB-O-SIL(登録商標)(ボストン,MAのCabot社)などのシリカ、又はシリカゲル;及びその混合物を含むが、限定されない。本明細書において提供される医薬組成物は、約0.1〜約5重量%の潤滑剤を含んでいてもよい。
【0103】
適切な流動促進剤(glidant)は、コロイド性二酸化ケイ素、CAB-O-SIL(登録商標)(Boston,MAのCabot社)、及びアスベスト非含有滑石を含む。着色剤は、認可され、認証された水溶性FD&C色素のいずれか、及びアルミナ水和物に懸濁した水不溶性FD&C色素、及びレーキ顔料、並びにその混合物を含む。レーキ顔料は、重金属の水和酸化物に対する水溶性色素の吸着による組合せであり、不溶性形態の色素を生じる。香味薬は、果実などの植物から抽出された天然香味料、並びにペパーミント、及びサリチル酸メチルなどの喜ばしい味覚を生じる化合物の合成配合物を含む。甘味薬は、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリン、並びにサッカリン及びアスパルテームなどの人工甘味剤を含む。適切な乳化剤は、ゼラチン、アカシア、トラガカンタ、ベントナイト、並びにポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80(TWEEN(登録商標)80)、及びトリエタノールアミンオレアートなどの表面活性物質を含む。懸濁剤、及び分散剤は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカンタ、ヴィーゴム、アカシア、ナトリウム炭素メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む。保存剤は、グリセリン、メチル、及びプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、及びアルコールを含む。湿潤剤は、プロピレングリコールモノステアラート、ソルビタンモノオレアート、モノラウリン酸ジエチレングリコール、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルを含む。溶媒は、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、及びシロップを含む。乳剤において利用される非水性液体の例は、鉱油、及び綿実油を含む。有機酸は、クエン酸、及び酒石酸を含む。二酸化炭素の供与源は、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸ナトリウムを含む。
【0104】
多くの担体、及び賦形剤が、同一の製剤内でさえ、いくつかの機能を供するかもしれないことは理解されるべきである。
【0105】
本明細書において提供される医薬組成物は、圧縮錠剤、錠剤粉末、咀嚼可能なロゼンジ、迅速溶解錠剤、多重圧縮錠剤、又は腸溶コーティング錠、糖衣錠、又はフィルムコート錠として提供してもよい。腸溶コーティング錠は、胃酸の作用に耐えるが腸において溶解し、又は崩壊し、従って活性成分を胃の酸性環境から保護する物質でコーティングされた圧縮した錠剤である。腸溶コーティングは、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、蝋、セラック、アンモニア処理したセラック、及びセルロースアセタートフタラートを含むが、限定されない。糖衣錠は、不快な味覚、又は臭気を覆い、かつ錠剤を酸化から保護するうえで有益であろう糖衣によって取り囲まれた圧縮錠剤である。フィルムコーティング錠は、水溶性材料の薄層、又はフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルムコーティングは、ヒドロキシエチルセルロース、 カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及びセルロースアセタートフタラートを含むが、限定されない。フィルムコーティングは、糖衣と同一の一般的な特徴を与える。多重圧縮錠剤は、複数の圧縮サイクルによって製造された圧縮錠剤であり、層状錠剤、及び圧縮被覆した、又は乾燥被覆した錠剤を含む。
【0106】
錠剤剤形は、単独で、又は結合剤、崩壊剤、徐放性重合体、潤滑剤、希釈剤、及び/若しくは着色剤を含む本明細書において記述される1つ以上の担体、又は賦形剤と併用して、粉末状、結晶性、又は粒状形態の活性成分から調製してもよい。香味薬、及び甘味薬は、特に咀嚼錠、及びロゼンジの形成において有用である。
【0107】
本明細書において提供される医薬組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、若しくはアルギン酸カルシウムから作製することができる柔又は硬カプセルとして提供してもよい。乾燥充填したカプセル(DFC)としても知られる硬ゼラチンカプセルは、2つのセクションからなり、1つはもう他方の上に滑り込ませており、従って、活性成分を完全に封入する。軟弾性カプセル(SEC)は、ゼラチンシェルなど、グリセリン、ソルビトール、又は同様のポリオールの添加によって可塑化した軟質の球状シェルである。軟ゼラチンシェルは、微生物の増殖を防止するために保存剤を含んでもよい。適切な保存剤は、本明細書において記述したように、メチルパラベン、及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸を含む。本明細書において提供される液体、半固体、及び固体の剤形は、カプセル剤にカプセル化してもよい。適切な液体、及び半固体の剤形には、炭酸プロピレン、植物油、又はトリグリセリドにおける溶液、及び懸濁液を含む。このような溶液を含むカプセルは、 米国特許番号第4,328,245号;第4,409,239号;及び第4,410,545号に記載されるように調製することができる。また、カプセルは、活性成分の溶解を改変し、又は持続させるために、当業者によって公知のように被覆されていてもよい。
【0108】
本明細書において提供される医薬組成物は、乳剤、溶液、懸濁液、エリキシル、及びシロップを含む、液体及び半固体剤形で提供してもよい。乳剤は、2相の系であり、そのうち1つの液体は別の液体を通じて小球の形態で分散しており、水中油、又は油中水であることができる。乳剤は、医薬として許容し得る非水性の液体、又は溶媒、乳化剤、及び保存料を含んでもよい。懸濁液は、医薬として許容し得る懸濁剤、及び保存料を含んでもよい。水性アルコール性溶液には、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタールなどの医薬として許容し得るアセタール;並びにプロピレングリコール、及びエタノールなどの1つ以上のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒を含んでもよい。エリキシルは、透明な、甘味のある、ヒドロアルコール性(hydroalcoholic)溶液である。シロップは、糖、例えばショ糖の濃縮水溶液であり、また、保存剤を含んでもよい。液体剤形については、例えばポリエチレングリコールにおける溶液は、十分な量の医薬として許容し得る液体担体、例えば水で希釈して、投与のために簡便に測定され得る。
【0109】
その他の有用な液体、及び半固体剤形は、本明細書において提供される活性成分(類)、及び1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテルを含むジアルキル化したモノ-又はポリ-アルキレングリコールを含むが、限定されず、350、550、及び750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す。これらの製剤は、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸、及びそのエステル、並びにジチオカルバマートなどの1つ以上の抗酸化剤を更に含んでもよい。
【0110】
経口投与のために本明細書において提供される医薬組成物は、またリポソーム、ミセル、マイクロスフェア、又はナノシステムの形態で提供してもよい。ミセル剤形は、米国特許番号第6,350,458号に記載されているように調製することができる。
【0111】
本明細書において提供される医薬組成物は、液体剤形に再構成させるために、非起沸性、又は起沸性の、顆粒及び粉末として提供してもよい。非沸騰性の顆粒、又は散剤において使用される医薬として許容し得る担体、及び賦形剤は、希釈剤、甘味料、及び湿潤剤を含んでもよい。沸騰性の顆粒、又は散剤において使用される医薬として許容し得る担体、及び賦形剤には、有機酸、及び二酸化炭素源を含んでもよい。
【0112】
着色剤、及び香味剤は、上記の剤形の全てにおいて使用することができる。
【0113】
本明細書において提供される医薬組成物は、遅延性、持続性、パルス性、制御された、ターゲットされた、及びプログラムされた放出の形態を含む即時放出剤形、又は改変された放出剤形として製剤剤化してもよい。
【0114】
本明細書において提供される医薬組成物は、所望の治療作用を損なわないその他の活性成分と共に、又は所望の作用を補う物質と共に同時製剤化してもよい。
【0115】
(B.非経口投与)
本明細書において提供される医薬組成物は、局所的投与、又は全身投与のために、注射、注入、又は移植によって非経口的に投与してもよい。本明細書において使用される非経口投与には、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿管内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑膜内、膀胱内、及び皮下投与を含む。
【0116】
本明細書において提供される医薬組成物は、注射の前に液体において溶液、懸濁液、乳剤、ミセル、リポソーム、マイクロスフェア、ナノシステム、及び溶液、又は懸濁液に適した固体形態を含む非経口投与のために適している任意の剤形に製剤化してもよい。このような剤形は、医薬品科学の当業者に公知の従来法に従って調製することができる(Remingtonの文献「医薬品の科学及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)」、上述を参照されたい)。
【0117】
非経口投与のために意図される医薬組成物は、水性媒体、水混和性媒体、非水性媒体、抗菌薬、又は微生物の増殖に対する保存剤、安定剤、溶解度増強剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤、及び分散剤、湿潤剤、又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤、又はキレート剤、凍結保護剤 (cryoprotectant)、凍結保護剤(lyoprotectant)、増粘剤、pH調整剤、及び不活性ガスを含むが、限定されない1つ以上の医薬として許容し得る担体、及び賦形剤を含んでもよい。
【0118】
適切な水性媒体は、水、生理食塩水、生理食塩水、又はリン酸緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、等張性デキストロース注射、滅菌水注射、デキストロース、及び乳酸リンゲル注射を含むが、限定されない。非水性媒体は、植物起源の固定油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、サフラワー油、ゴマ油、ダイズ油、水素化した植物油、水素化したダイズ油、及びヤシ油の中鎖トリグリセリド、並びにパーム核油を含むが、限定されない。水混和性媒体は、エタノール、1,3-ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300、及びポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドを含むが、限定されない。
【0119】
適切な抗菌薬、又は保存剤は、石炭酸、クレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルp-ヒドロキシベンゾアート、チメロサール、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチル-及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸を含むが、限定されない。適切な等張剤は、塩化ナトリウム、グリセリン、及びデキストロースを含むが、限定されない。適切な緩衝剤は、ホスフェート、及びシトラートを含むが、限定されない。適切な抗酸化剤は、亜硫酸水素塩、及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書において記述したものである。適切な局所麻酔剤は、塩酸プロカインを含むが、限定されない。適切な懸濁剤、及び分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む、本明細書に記載されたものである。適切な乳化剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80、及びトリエタノールアミンオレアートを含む、本明細書に記載されたものを含む。適切な金属イオン封鎖剤、又はキレート剤は、EDTAを含むが、限定されない。適切なpH調整剤は、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、及び乳酸を含むが、限定されない。適切な錯化剤は、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、及びスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標),CyDex,Lenexa,KS)を含むシクロデキストリンを含むが、限定されない。
【0120】
本明細書において提供される医薬組成物は、単一、又は複数の投薬量投与のために製剤化してもよい。単一の投薬量製剤は、アンプル、バイアル、又はシリンジにパッケージされる。複数の投薬量非経口製剤は、静菌性、又は静真菌性の濃度にて抗菌薬を含まなければならない。全ての非経口製剤は、当技術分野において公知であり、かつ実施されるように、無菌でなければならない。
【0121】
一つの実施態様において、医薬組成物は、すぐに使える無菌液として提供される。別の実施態様において、医薬組成物は、使用前に媒体で再構成されるように、凍結乾燥粉末、及び皮下注射用錠剤を含む無菌の乾燥可溶性製剤として提供される。更に別の実施態様において、医薬組成物は、すぐに使える無菌の懸濁液として提供される。更に別の実施態様において、医薬組成物は、使用前に媒体で再構成されるように、無菌の乾燥不溶性製剤として提供される。更に別の実施態様において、医薬組成物は、すぐに使える無菌の乳剤として提供される。
【0122】
本明細書において提供される医薬組成物は、遅延性、長期性、持続性、パルス性、制御された、ターゲットされた、及びプログラムされた放出の形態を含む即時放出剤形、又は改変された放出剤形として製剤化してもよい。
【0123】
医薬組成物は、移植されるデポーとしての投与のために、懸濁液、固体、半固体、又は揺変性液体として製剤化してもよい。一つの実施態様において、本明細書に提供される医薬組成物は、体液において不溶性だが医薬組成物において活性成分を拡散することのできる外側重合体の膜によって囲まれている固体の内側マトリックスに分散される。
【0124】
適切な内側マトリックスは、ポリメチルメタクリラート、ポリブチル-メタクリラート、可塑化又は非可塑化ポリビニルクロリド、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタラート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネート共重合体、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲルなどの親水性重合体、コラーゲン、架橋されたポリビニルアルコール、並びに架橋された部分的に加水分解した酢酸ポリビニルを含む。
【0125】
適切な外側重合体の膜は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化したポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、及びプロピレンとの塩化ビニル共重合体、イオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三元重合体、並びにエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体を含む。
【0126】
(C.局所的投与)
本明細書において提供される医薬組成物は、皮膚、開口部、又は粘膜に局所的に投与してもよい。本明細書に使用される局所的投与は、真皮(内)、結膜、角膜内、眼内、眼、耳介、経皮、経鼻、経膣、尿道、呼吸器、及び直腸投与を含む。
【0127】
本明細書において提供される医薬組成物は、乳剤、溶液、懸濁液、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、軟膏、散布剤、ドレッシング、エリキシル、ローション、懸濁液、チンキ、ペースト、泡、フィルム、エアロゾル、潅漑、スプレー、坐薬、包帯、真皮パッチを含む局部的、又は全身効果のための局所的投与に適した任意の剤形に製剤化してもよい。本明細書において提供される医薬組成物の局所的製剤は、またリポソーム、ミセル、マイクロスフェア、ナノシステム、及びその混合物を含んでいてもよい。
【0128】
本明細書において提供される局所的製剤における使用に適した医薬として許容し得る担体、及び賦形剤は、水性媒体、水混和性媒体、非水性媒体、抗菌薬、又は微生物の増殖に対する保存剤、安定剤、溶解度増強剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤及び分散剤、湿潤剤又は乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又はキレート剤、透過増強剤、凍結保護剤 (cryoprotectant)、凍結保護剤(lyoprotectant)、増粘剤、及び不活性ガスを含むが、限定されない。
【0129】
医薬組成物は、またエレクトロポレーション、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシス、又はPOWDERJECT(商標)(Chiron Corp., Emeryville、CA)、及びBIOJECT(商標)(Bioject Medical Technologies Inc., Tualatin、OR))などの極微針、若しくは無針注射によって局所的に投与してもよい。
【0130】
本明細書において提供される医薬組成物は、軟膏、クリーム、及びゲルの形態で提供してもよい。適切な軟膏媒体は、ラード、ベンゾイン化されたラード、オリーブ油、綿実油、及びその他の油(白色ワセリン)を含む油性媒体、又は炭化水素媒体;親水ワセリン、ヒドロキシステアリンサルフェート、及び無水ラノリンなどの乳化できる媒体、又は吸収媒体;親水軟膏などの水除去可能な媒体;分子量を変化させるポリエチレングリコールを含む水溶性軟膏媒体;セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、ラノリン、及びステアリン酸を含む油中水型(W/O)乳剤、又は水中油型(O/W)乳剤のいずれかの乳剤媒体を含む(Remington:薬学の科学及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、上記を参照されたい)。これらの媒体は、緩和剤であるが、一般に抗酸化剤、及び保存剤の添加を必要とする。
【0131】
適切なクリーム基剤は、水中油、又は油中水であることができる。クリーム媒体は、水洗浄可能であってよく、かつ油相、乳化剤、及び水相を含み得る。油相は、「内部」相とも呼ばれ、これは、一般にペトロラタム、及びセチル又はステアリルアルコールなどの脂肪族アルコールで構成される。水相は、通常、必須ではないが、容積が油相を超え、及び一般に湿潤剤を含む。クリーム製剤における乳化剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、又は両性表面活性物質でもよい。
【0132】
ゲルは、半固体、懸濁液-タイプの系である。単相ゲルは、液体担体の全体にわたって実質的に一様に分配された有機巨大分子を含む。適切なゲル化剤は、カルボマー、カルボキシポリアルキレン、CARBOPOL(登録商標)などの架橋されたアクリル酸重合体;ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体、及びポリビニルアルコールなどの親水性重合体;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、及びメチルセルロースなどのセルロース重合体;トラガカンタ、及びキサンタンガムなどのゴム;アルギン酸ナトリウム;及びゼラチンを含む。均一なゲルを調製するために、アルコール、又はグリセリンなどの分散剤を添加することができ、又はゲル化剤は、粉砕、機械混合、及び/又は撹拌することによって分散することができる。
【0133】
本明細書において提供される医薬組成物は、坐薬、膣座薬、ブジー剤、湿布薬又はパップ剤、ペースト、粉末、ドレッシング、クリーム、絆創膏、避妊具、軟膏、溶液、乳剤、懸濁液、タンポン、ゲル、泡、スプレー、又は浣腸の形態で、直腸に、尿道に、膣に、又は膣周囲に投与してもよい。これらの剤形は、Remington:薬学の科学及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、上記に記載されているように従来の方法を使用して製造することができる。
【0134】
直腸、尿道、及び膣の坐薬は、体開口部への挿入のために固体の本体であり、常温にて固体であるが、体温にて溶解し、又は軟化して開口部内部にて活性成分を放出する。直腸、及び膣の坐薬において利用される医薬として許容し得る担体は、本明細書において提供される医薬組成物と共に製剤化されたときに、体温付近における融点を生じる硬化剤などの基剤、又は媒体;及び亜硫酸水素、及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む本明細書において記述される抗酸化剤を含む。適切な媒体はカカオ脂(カカオの油)、グリセリン-ゼラチン、カルボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨ろう、パラフィン、白及び黄色ろう、並びに、脂肪酸のモノ、ジ及びトリグリセリドの適切な混合物、ヒドロゲル、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリラート、ポリアクリル酸など;グリセリン処理したゼラチンを含むが、限定されない。種々の媒体の組合せを使用してもよい。直腸、及び膣の坐薬は、圧縮法、又は成形によって調製してもよい。直腸、及び膣の坐薬の典型的な重量は、約2〜約3gである。
【0135】
本明細書において提供される医薬組成物は、溶液、懸濁液、軟膏、乳剤、ゲル形成溶液、溶液のための粉末、ゲル、眼挿入、及びインプラントの形態で眼科学的に投与してもよい。
【0136】
本明細書において提供される医薬組成物は、鼻腔内に、又は呼吸器管への吸入によって投与してもよい。医薬組成物は、加圧容器、ポンプ、スプレー、微細霧を生じるために電気流体力学を使用するアトマイザなどのアトマイザ、又はネブライザーを使用して、単独で、又は1,1,1,2-テトラフルオロエタン若しくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴霧剤と併用して、送達のためのエアロゾル、又は溶液の形態で提供してもよい。また、医薬組成物は、ガス注入のための乾燥粉末として、単独で、又はラクトース、若しくはリン脂質などの不活性担体と併用して;及び点鼻液として提供してもよい。鼻腔内使用については、粉末は、キトサン、又はシクロデキストリンを含む生体粘着性の薬剤を含んでいてもよい。
【0137】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザ、又はネブライザーにおける使用のための溶液、又は懸濁液は、本明細書において提供される活性成分の放出を分散させ、可溶化し、又は広げるためのエタノール、水性エタノール、又は適切な代わりの薬剤、溶媒としての噴霧剤;及び/又はソルビタントリオレアート、オレイン酸、又はオリゴ乳酸などの表面活性物質を含むように製剤化してもよい。
【0138】
本明細書において提供される医薬組成物は、約50μm以下、又は約10μm以下などの、吸入による送達に適したサイズに微粒子化してもよい。このようなサイズの粒子は、スパイラルジェット製粉、流動層ジェット製粉、形態ナノ粒子を形成するための超臨界液体プロセシング、高圧力ホモジナイゼーション、又は噴霧乾燥などの当業者に公知の粉砕方法を使用して調製してもよい。
【0139】
吸入器、又は通気器における使用のためのカプセル、ブリスター、及びカートリッジは、本明細書において提供される医薬組成物の粉末混合物;ラクトース、又はデンプンなどの適切な粉末基材;及びl-ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウムなどの性能修飾因子を含むように製剤化してもよい。ラクトースは、無水物、又は一水和物の形態であってもよい。その他の適切な賦形剤、又は担体は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、及びトレハロースを含む。吸入/鼻腔内投与のための本明細書において提供される医薬組成物は、メントール、及びレボメントールなどの適切な香味料、又はサッカリン若しくはサッカリンナトリウムなどの甘味料を更に含んでいてもよい。
【0140】
局所的投与のための本明細書において提供される医薬組成物は、即時放出、又は遅延性、持続性、パルス性、制御された、ターゲットされた、及びプログラムされた放出を含む改変された放出であるように製剤化してもよい。
【0141】
(D.改変された放出)
本明細書において提供される医薬組成物は、改変された放出剤形として製剤化してもよい。本明細書に使用される、「改変された放出」という用語は、同じ経路によって投与されたときに、活性成分の放出の割合又は場所が、即時剤形のものと異なる剤形をいう。改変された放出剤形は、遅延性、長期性、延長性、持続性、パルス性、制御された、促進され、及び高速、ターゲットされた、プログラムされた放出、並びに胃保持剤形を含む。改変された放出剤形の医薬組成物は、マトリックス徐放デバイス、浸透圧制御された放出デバイス、複数粒子の制御された放出デバイス、イオン交換樹脂、腸溶コーティング、多層コーティング、マイクロスフェア、リポソーム、及びこれらの組み合わせを含むが、限定されない、多様な改変された放出デバイス、及び当業者に公知の方法を使用して調製することができる。活性成分の放出速度は、また活性成分の粒径、及びポリモルフィズム(polymorphorism)を変化させることによって改変することができる。
【0142】
改変された放出の例は、米国特許番号第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第4,008,719号;第5,674,533号;第5,059,595号;第5,591,767号;第5,120,548号;第5,073,543号;第5,639,476号;第5,354,556号;第5,639,480号;第5,733,566号;第5,739,108号;第5,891 ,474号;第5,922,356号;第5,972,891号;第5,980,945号;第5,993,855号;第6,045,830号;第6,087,324号;第6,113,943号;第6,197,350号;第6,248,363号;第6,264,970号;第6,267,981 号;第6,376,461 号;第6,419,961 号;第6,589,548号;第6,613,358号;及び第6,699,500号において記述したものを含むが、限定されない。
【0143】
(1. マトリックス徐放デバイス)
改変された放出剤形の本明細書において提供される医薬組成物は、当業者に公知のマトリックス徐放デバイスを使用して製造してもよい(「徐放性薬物送達の百科事典(Encyclopedia of Controlled Drug Delivery)」、Vol. 2、Mathiowitz Ed., Wiley、1999においてTakadaらの文献を参照されたい)。
【0144】
一つの実施態様において、改変された放出剤形の本明細書において提供される医薬組成物は、合成重合体、並びに多糖、及びタンパク質などの天然に存在する重合体、及び誘導体を含む水で膨張可能な、浸食性又は可溶性重合体である浸食性マトリックスデバイスを使用して製剤化される。
【0145】
浸食性マトリックスを形成する際に有用な材料は、以下を含むが、限定されない:キチン、キトサン、デキストラン、及びプルラン;寒天ゴム、アラビアゴム、ゴムカラヤゴム、ローカストビーンガム、トラガカントゴム、カラゲナン、ガッチゴム、グアーガム、キサンタンガム、及びスクレログルカン;デキストリン、及びマルトデキストリンなどのデンプン;ペクチンなどの親水コロイド;レシチンなどのホスファチド;アルギナート;アルギン酸プロピレングリコール;ゼラチン;コラーゲン;並びにエチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、セルロースプロピオナート(CP)、セルロースブチラート(CB)、酢酸セルロースブチラート(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリタート(HPMCAT)、及びエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)などのセルロース化合物;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸、又はメタアクリル酸の共重合体(EUDRAGIT(登録商標)、Rohm America、Inc., Piscataway、NJ);ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリル酸エステル);ポリ乳酸;L-グルタミン酸、及びエチル-L-グルタメートの共重合体;分解可能な乳酸-グリコール酸共重合体;ポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸;並びにメタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、アクリル酸エチル、(2-ジメチルアミノエチル)メタクリラート、及び(トリメチルアミノエチル)メタクリラートクロリドのその他のアクリル酸誘導体などのホモ重合体、及び共重合体。
【0146】
さらなる実施態様において、医薬組成物は、非浸食性マトリックスデバイスと共に製剤化される。活性成分を不活性マトリックスに溶解して、又は分散させて、一旦投与されたら、主に不活性マトリックスを介した拡散によって放出される。非浸食性マトリックスデバイスとしての使用のために適切な材料は、以下を含むが、限定されない:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、塩素化されたポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸メチル-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、酢酸ビニルとの塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン、エチレン、及びプロピレン、イオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール三元共重合体、及びエチレン/ビニルオキシエタノール共重合体、ポリ塩化ビニル、可塑化されたナイロン、可塑化されたポリエチレンテレフタラート、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカルボナート共重合体などの不溶性プラスチック、並びに;エチルセルロース、酢酸セルロース、クロスポビドン、及び架橋された部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルなどの不溶性プラスチック;並びにカルナバワックス、微晶質ろう、及びトリグリセリドなどの脂肪族化合物。
【0147】
マトリックス徐放系において、所望の放出動態は、例えば、使用される重合体タイプ、重合体粘性、重合体及び/又は活性成分の粒径、活性成分対重合体の比、及び組成物におけるその他の賦形剤又は担体を介して制御することができる。
【0148】
改変された放出剤形の本明細書において提供される医薬組成物は、直接圧縮、乾式、又は湿式造粒に続く圧縮、融解造粒に続く圧縮を含む当業者に公知の方法によって調製してもよい。
【0149】
(2. 浸透圧制御された放出デバイス)
改変された放出剤形の本明細書において提供される医薬組成物は、1-チャンバーシステム、2-チャンバーシステム、非対称膜技術(AMT)、及び押出加工コアシステム(ECS)を含む浸透圧制御された放出デバイスを使用して製造してもよい。一般に、このようなデバイスは、少なくとも2つの構成要素:(a)活性成分を含むコア;及び(b)コアをカプセル化する少なくとも1つの送出ポートをもつ半透膜を有する。半透膜は、送出ポートを介して押出によって薬物放出させるように、水性の使用環境からコアへの水の流入を制御する。
【0150】
活性成分に加えて、浸透圧デバイスのコアは、任意にデバイスのコアへの使用環境からの水の輸送のための推進力を生じる浸透圧薬剤を含む。1つの浸透圧薬剤の種類は、水で膨張される親水性重合体であり、これは、「浸透重合体」及び「ヒドロゲル」ともいわれ、親水性ビニル及びアクリル重合体、アルギン酸カルシウムなどの多糖、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋PVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVP共重合体、メタクリル酸メチル及び酢酸ビニルなどの疎水性単量体とのPVA/PVP共重合体、大きなPEOブロックを含む親水性ポリウレタン、ナトリウムクロスカルメロース、カラゲナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、及びカルボキシエチルセルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガム、及びナトリウムデンプングリコラートを含むが、限定されない。
【0151】
浸透圧薬剤のその他の種類は、水を吸収して、周囲のコーティングのバリアを越えて浸透圧勾配に影響を及ぼすことができるオスモジェン(osmogen)である。適切なオスモジェンは、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、及び硫酸ナトリウムなどの無機塩;デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、ラクトース、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、スクロース、トレハロース、及びキシリトールなどの糖;アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p-トルエンスルホン酸、琥珀酸、及び酒石酸などの有機酸;尿素;並びにその混合物を含むが、限定されない。
【0152】
溶解速度が異なる浸透圧薬剤を、活性成分が剤形からいかに迅速に最初に送達されるか影響を及ぼすために、使用してもよい。例えば、MANNOGEM(商標)EZ(SPI Pharma、Lewes、DE)などの非晶質の糖を使用して、長期間にわたって所望のレベルの治療的、又は予防的効果を維持するように所望の治療効果を迅速に生じるように最初の二時間の間に迅速な送達、及び段階的かつ間断なく残りの量の放出を提供することができる。この例において、活性成分(類)は、活性成分が代謝され、及び排出される量を元に戻すような速度で放出される。
【0153】
コアは、また、剤形の性能を増強するために、又は安定性若しくはプロセシングを促進するために本明細書において記述される広範なその他の賦形剤、又は担体含んでいてもよい。
【0154】
半透膜を形成するのに有用な材料は、生理的に関連したpHにて水透過性及び水不溶性であるか、又は架橋などの化学的変化によって水不溶性を与えることに感受性である、アクリル、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、及びセルロースの誘導体の種々の等級を含む。コーティングを形成する際に有用な適切な重合体の例は、可塑化された、可塑化されていない、及び補強された、酢酸セルロース(CA)、セルロースジアセタート、セルローストリアセタート、CAプロピオナート、セルロースニトラート、酢酸セルロースブチラート(CAB)、CAカルバミン酸エチル、CAP、CAカルバミド酸メチル、CAスクシナート、酢酸セルローストリメリタート(CAT)、CAジメチルアミノアセテート、CAエチルカルボナート、CAクロロアセテート、CAエチルオキサラート、CAメチルスルホナート、CAブチルスルホナート、CA p-トルエンスルホナート、寒天アセテート、アミローストリアセタート、βグルカンアセテート、βグルカントリアセタート、アセトアルデヒドジメチルアセテート、ローカストビーンガムのトリアセタート、ヒドロキシル化されたエチレン-ビニルアセタート、EC、PEG、PPG、PEG/PPG共重合体、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸及びエステル、並びにポリ(メタクリル酸)酸及びエステル、並びにその共重合体、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリビニルエステル、及びエーテル、天然ろう、及び合成ろうを含む。
【0155】
半透膜は、また疎水性微細孔膜でもよく、孔は、米国特許番号第5,798,119号にて開示したように、実質的に気体で満たされ、かつ水性媒体によって濡れることがないが、水蒸気を透過する。このような疎水性の、しかし水-蒸気透過性の膜は、典型的にはポリアルケン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルエステル及びエーテル、天然ろう、及び合成ろうなどの疎水性重合体で構成される。
【0156】
半透膜上の送出ポートは、機械、又はレーザー穿孔によりコーティング後に形成されてもよい。送出ポートは、また水溶性材料のプラグの浸食によって、又はコアのへこみ上により薄い膜の部分を破壊することによってインサイチューで形成してもよい。加えて、送出ポートは、米国特許番号第5,612,059号、及び第5,698,220号に開示されるタイプの非対称膜コーティングの場合の様に、コーティングプロセスの間に形成してもよい。
【0157】
放出される活性成分の合計量、及び放出速度は、半透膜の厚み、及び多孔度、コアの組成、並びに送出ポートの数、サイズ、及び位置によって実質的に調整することができる。
【0158】
浸透圧徐放性剤形の医薬組成物は、製剤の性能又はプロセシングを促進するために、本明細書において記述したようなさらなる従来の賦形剤、又は担体を更に含んでいてもよい。
【0159】
浸透圧徐放性剤形は、従来法、及び当業者に公知の技術に従って調製することができる(Remington:薬学の科学及び実務(The Science and Practice of Pharmacy)、上記;Santus及びBakerの文献、J. Controlled Release 1995、35、1-21;Vermaらの文献、 Drug Development and Industrial Pharmacy 2000、26、695-708;Vermaらの文献、J. Controlled Release 2002、79、7-27を参照されたい)。
【0160】
特定の実施態様において、本明細書において提供される医薬組成物は、AMT徐放性剤形として製剤化され、これは、活性成分、及びその他の医薬として許容し得る賦形剤、又は担体を含むコアをコーティングする非対称浸透圧膜を含む。米国特許番号第5,612,059号、及びWO 2002/17918を参照されたい。AMT徐放性剤形は、直接圧縮、乾式造粒、湿式造粒、及び浸漬コーティング法を含む、従来法及び当業者に公知の技術に従って調製することができる。
【0161】
特定の実施態様において、本明細書において提供される医薬組成物は、ESC徐放性剤形として製剤化され、これは、活性成分(類)、ヒドロキシルエチルセルロース、及びその他の医薬として許容し得る賦形剤、又は担体を含むコアをコーティングする浸透圧膜を含む。
【0162】
(3. 多粒子徐放デバイス)
改変された放出剤形で本明細書において提供される医薬組成物は、多粒子徐放デバイスとして製造してもよく、これは、直径が約10μm〜約3mm、約50μm〜約2.5mm、又は約100μm〜約1mmの範囲の粒子、顆粒、又はペレットの多重度を含む。このような多粒子は、乾式よび湿式造粒、押出/球状化、ローラー圧縮、融解固定、及びスプレーコーティング核コアを含む当業者に公知の方法によって作製してもよい。例えば、多粒子経口薬物送達(Multiparticulate Oral Drug Delivery);Marcel Dekker:1994;及び医薬品小球化技術(Pharmaceutical Pelletization Technology);Marcel Dekker:1989を参照されたい。
【0163】
本明細書において記述されるその他の賦形剤、又は担体は、多微粒子のプロセシング、及び形成の助けとなるように医薬組成物と混合してもよい。生じる粒子は、それ自体多粒子デバイスを構成してもよく、又は腸溶重合体、水膨潤性、及び水溶性重合体などの種々のフィルム形成材料によって被覆してもよい。多微粒子は、カプセル、又は錠剤として更に加工することができる。
【0164】
(4. ターゲットされた送出)
本明細書において提供される医薬組成物は、またリポソーム、再シール形成赤血球、及び抗体に基づいた送達系を含む、特定の組織、受容体、又は治療される対象の体のその他の領域にターゲットされるように製剤化してもよい。例は、米国特許番号第6,316,652号;第6,274,552号;第6,271,359号;第6,253,872号;第6,139,865号;第6,131,570号;第6,120,751号;第6,071,495号;第6,060,082号;第6,048,736号;第6,039,975号;第6,004,534号;第5,985,307号;第5,972,366号;第5,900,252号;第5,840,674号;第5,759,542号;及び第5,709,874号を含むが、限定されない。
【0165】
(使用の方法)
一つの実施態様において、対象に本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、シアン化物中毒を治療するための方法が本明細書において提供される。一つの実施態様において、対象は、哺乳動物である。別の実施態様において、対象は、ヒトである。特定の実施態様において、本方法は、対象にチオ硫酸ナトリウム(例えば、チオ硫酸ナトリウム五水和物)の治療上有効な量を投与することを更に含む。特定の実施態様において、本方法は、対象に医薬品等級のチオ硫酸ナトリウム(例えば、医薬品等級のチオ硫酸ナトリウム五水和物)の治療上有効な量を投与することを更に含む。亜硝酸ナトリウムとの同時投与のための薬品等級のチオ硫酸ナトリウムを作製するための適切な形態、及びそのための方法は、その全体が本明細書において参照により組み込まれるチオ硫酸ナトリウムを含む医薬組成物(SODIUM THIOSULFATE-CONTAINING PHARMACEUTICAL COMPOSITIONS)の表題の2009年7月8日に出願の米国仮出願番号61/223,993(代理人事件番号11709-007-888)において、並びに本明細書に記載された実施例6において提供される。特定の実施態様において、医薬品等級のチオ硫酸ナトリウムは、以下の1つ以上によって特徴づけられる:
無水物ベースで約99重量%以上、及び/又は約100.5重量%以下のチオ硫酸ナトリウムを含むこと;
25℃にて10%の溶液において測定したときに約6〜約8の間のpHを有すること;
約32%〜約37重量%の含水量を有すること;
無色の結晶の外見を有すること;
10%の溶液として透明、及び無色の外見を有すること;
匂いを有さないこと;
ナトリウムに対してポジティブな確認試験を有すること;
チオサルフェートに対してポジティブな確認試験を有すること;
シュウ酸アンモニウムTSと混合したときに濁りを有さないこと;
約10ppm以下の重金属含量を有すること;
約0.01重量%以下のカルボナートを含むこと;
約0.005重量%以下の不溶性物質を含むこと;
約200ppm以下のクロライドを含むこと;
約0.001重量%以下のスルフィドを含むこと;
約0.05%以下、又は約0.1重量%以下のスルフィットを含むこと;
約0.05%以下、約0.1%以下、約0.25%以下、又は約0.5重量%以下のサルフェートを含むこと;
約0.002重量%以下の鉄を含むこと;
約0.01重量%以下のカルシウムを含むこと;
約0.005重量%以下のカリウムを含むこと;
約10ppm以下、約100ppm以下、約500ppm以下、約1000ppm以下、又は5000ppm以下の有機揮発性不純物を含むこと;
60ppb以下、約2.5ppm以下、約8ppm以下、約10ppm以下、約20ppm以下、約25ppm以下、又は約50ppm以下の合計NVOC、又はNPOCを有すること;
約0.05ppm以下の水銀を含むこと;
約2ppm以下のアルミニウムを含むこと;
約3ppm以下のヒ素を含むこと;
0.001重量%以下の鉛を含むこと;
約0.002重量%以下の窒素化合物(Nとして)を含むこと;
約0.003重量%以下のセレンを含むこと;
約100CFU/g以下の合計好気性微生物負荷の数値を有すること;
約20CFU/g以下の合計の酵母及びカビの数を有すること;及び
約0.02EU/mg以下の、約0.1EU/mg以下の、又は約0.25EU/mg以下の細菌エンドトキシンを含むこと。
【0166】
特定の実施態様において、対象に投与される亜硝酸ナトリウムは、酸性化されない。
【0167】
別の実施態様において、対象に本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、硫化水素中毒を治療するための方法が本明細書において提供される。一つの実施態様において、対象は、哺乳動物である。別の実施態様において、対象は、ヒトである。特定の実施態様において、対象に投与される亜硝酸ナトリウムは、酸性化されない。
【0168】
更に別の実施態様において、対象に本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、高血圧、肺高血圧、脳血管攣縮、アンギナ、跛行、末梢動脈疾患、重篤な肢虚血、及び組織虚血-再灌流傷害を含むが、限定されない、心臓血管疾患、又は心臓血管系に関連した状態を治療するための方法が本明細書において提供される。一つの実施態様において、対象は、哺乳動物である。別の実施態様において、対象は、ヒトである。特定の実施態様において、対象に投与される亜硝酸ナトリウムは、酸性化されない。
【0169】
特定の実施態様において、心臓血管系と関連する状態は、肺高血圧(例えば、新生児肺高血圧、一次肺高血圧、及び二次肺高血圧)、全身性高血圧、皮膚潰瘍、急性腎臓不全、慢性腎不全、血管内血栓症、及び虚血性中枢神経系事象の1つ以上である。
【0170】
更に別の実施態様において、対象に本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、血圧上昇と関連する状態を治療するための方法が本明細書において提供される。一つの実施態様において、対象は、哺乳動物である。別の実施態様において、対象は、ヒトである。特定の実施態様において、対象に投与される亜硝酸ナトリウムは、酸性化されない。
【0171】
更に別の実施態様において、対象に本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、組織に対する、例えば低酸素圧の領域における組織に対する血流量を増加するための方法が本明細書において提供される。一つの実施態様において、対象は、哺乳動物である。別の実施態様において、対象は、ヒトである。特定の実施態様において、対象に投与される亜硝酸ナトリウムは、酸性化されない。
【0172】
更に別の実施態様において、対象に本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、例えば、不十分な循環及び低酸素圧領域の組織内において、新たな血管の成長を刺激するための方法が本明細書において提供される。一つの実施態様において、対象は、哺乳動物である。別の実施態様において、対象は、ヒトである。特定の実施態様において、対象に投与される亜硝酸ナトリウムは、酸性化されない。
【0173】
特定の実施態様において、組織に対する血流量の減少は、以下の状態の少なくとも1つによって、直接又は間接的に生じる:鎌状赤血球性貧血、地中海貧血症、ヘモグロビンC症、ヘモグロビンSC疾患、鎌地中海貧血症、遺伝性球状赤血球症、遺伝性楕円赤血球症、遺伝性卵細胞貧血症、グルコース-6-リン酸欠損及びその他の赤血球酵素欠損症、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、発作性寒冷ヘモグロビン尿症(PCH)、血栓性血小板減少性紫斑病/溶血性尿毒症症候群(TTP/HUS)、特発性自己免疫溶血性貧血、薬物で誘導される免疫性溶血性貧血、二次免疫性溶血性貧血、化学的又は物理的な薬剤によって生じる非免疫性溶血性貧血、マラリア、熱帯熱マラリア、バルトネラ症、バベシア症、クロストリジウム菌感染症、重篤なインフルエンザ菌タイプb感染、広範な火傷、輸液反応、横紋筋融解(ミオグロビン血症)、時間のたった血液の輸液、ヘモグロビンの輸液、赤血球の輸液、心肺バイパス、冠状動脈疾患、心虚血症候群、アンギナ、医原性溶血、血管形成術、心筋虚血、組織虚血、血管内デバイスによって生じる溶血、血液透析、肺高血圧、全身性の高血圧、皮膚潰瘍、急性腎臓不全、慢性腎不全、血管内血栓症、及び虚血中枢神経系事象。特定の実施態様において、組織は、虚血組織である。
【0174】
更に別の実施態様において、対象に本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、溶血性状態を治療するための方法が本明細書において提供される。一つの実施態様において、対象は、哺乳動物である。別の実施態様において、対象は、ヒトである。特定の実施態様において、対象に投与される亜硝酸ナトリウムは、酸性化されない。
【0175】
特定の実施態様において、溶血性状態は、鎌状赤血球性貧血、地中海貧血症、ヘモグロビンC症、ヘモグロビンSC疾患、鎌地中海貧血症、遺伝性球状赤血球症、遺伝性楕円赤血球症、遺伝性卵細胞貧血症、グルコース-6-リン酸欠損及びその他の赤血球酵素欠損症、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、発作性寒冷ヘモグロビン尿症(PCH)、血栓性の血小板減少性紫斑病/溶血性尿毒症症候群(TTP/HTJS)、特発性自己免疫溶血性貧血、薬物で誘導される免疫性溶血性貧血、二次免疫性溶血性貧血、化学的又は物理的な薬剤によって生じる非免疫性溶血性貧血、マラリア、熱帯熱マラリア、バルトネラ症、バベシア症、クロストリジウム菌感染症、重篤なインフルエンザ菌タイプb感染、広範な火傷、輸液反応、横紋筋融解(ミオグロビン血症)、時間のたった血液の輸液、心肺バイパス、及び血液透析の1つ以上を含む。
【0176】
更に別の実施態様において、対象に本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、嚢胞性線維形成、肺結核、真菌性肺炎、細菌性肺炎、ウイルス性肺炎、肺膿瘍、肺高血圧、肺動脈塞栓症、及び肺血管攣縮を含むが、限定されない、呼吸器疾患、又は気管肺系に関連した状態を治療するための方法が本明細書において提供される。
【0177】
更に別の実施態様において、対象に本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、皮膚、皮膚の真菌感染、皮膚のウイルス感染、爪の真菌感染、爪の細菌感染、爪のウイルス感染、爪床の真菌感染、爪床の細菌感染、爪床のウイルス感染、乾癬、強皮症、皮膚の炎症、爪の炎症、及び爪床の炎症の細菌感染を含むが、限定されない、皮膚病学的疾患又は皮膚に関連した状態を治療するための方法が本明細書において提供される。
【0178】
更に別の実施態様において、機器(例えば、医療機器)の挿入、及び/又は体内での機器の使用により生じ得る院内感染などの病院でかかる感染症を治療し、予防し、又はリスクを減少させるための方法が本明細書において提供される。一つの実施態様において、感染は、黄色ブドウ球菌(S. aureus)によって生じる、又は関連する。このような使用及び機器は、米国特許出願公開番号第2007/0239107号に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。このような機器の例は、尿カテーテル、気管内チューブ、血管カテーテル、血管カテーテルポート、傷排出チューブ、胃管を含むが、限定されない。特定の実施態様において、対象に投与される亜硝酸ナトリウムは、酸化剤(例えば、及び酸)と組合せて酸性化され、又は投与される。
【0179】
特定の実施態様において、本明細書において提供される疾患若しくは障害、又はその症候の治療、予防、又は管理のための医薬の調製、又は製造のための方法が本明細書において提供される。
【0180】
治療される状態、障害、又は疾患、及び対象の状態に応じて、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射若しくは注入、皮下注射、又はインプラント)、吸入剤、経鼻、膣、直腸、舌下、又は局所的(例えば、経皮、又は局部的)投与の経路によって投与してもよく、かつ単独で、又は投与のそれぞれの経路に適した医薬として許容し得る担体、アジュバント及び媒体と共に適切な投薬量単位で製剤化してもよい。
【0181】
用量は、1日あたり適切な間隔にて投与される1、2、3、4、5、6、又はそれ以上のサブ用量の形態であってもよい。用量、又はサブ用量は、投薬量単位あたり活性成分を約10ng〜約1000mg、約20ng〜約5mg、約50ng〜約1mg、約50ng〜約0.2mg、又は約50ng〜約0.5mgを含む投薬量単位の形態で投与することができ、患者の状態が必要とする場合、用量は、代わりの方法によって連続注入として投与することができる。
【0182】
特定の実施態様において、適切な投薬量レベルは、1日につきkg患者の体重量につき約0.01〜約100mg(1日につきmg/kg)、1日につき約0.01〜約50mg/kg、1日につき約0.01〜約25mg/kg、又は1日につき約0.05〜約10mg/kgであり、これは一回又は複数回の用量で投与してもよい。適切な投薬量レベルは、1日あたり約0.01〜約100mg/kg、1日あたり約0.05〜約50mg/kg、又は1日あたり約0.1〜約10mg/kgでもよい。この範囲内で、投薬量は、1日あたり約0.01〜約0.1、約0.1〜約1.0、約1.0〜約10、又は約10〜約50mg/kgでもよい。
【0183】
本明細書において提供される方法の特定の実施態様において、対象に投与される亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量は、毒性レベルのメトヘモグロビンを誘導せず、多くの実施態様において、対象における臨床的に有意な量のメトヘモグロビンの形成を誘導しない。特定の実施態様において、対象に投与される亜硝酸ナトリウムの有効量は、約25%以下、約20%以下、約10%以下、約8%以下、約5%以下、約3%以下、約2%以下、約1%以下のメトヘモグロビンの対象における製造を誘導する。
【0184】
本明細書において提供される方法の特定の実施態様において、亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量は、1日あたり、週あたり、月あたり、年又はより長期あたり、1回以上投与される。本明細書において提供される方法の特定の実施態様において、亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量は、断続的に、又は慢性的に投与される。本明細書において提供される方法の特定の実施態様において、亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量は、1時間以上、1週以上、1月以上、1年以上、又はより長期の間時間断続的に、又は連続的に投与される。
【0185】
本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、また本明細書において提供される疾患、及び状態の治療、並びに/又は予防において有用なその他の治療的薬剤と併用しても、又は併用に使用してもよい。
【0186】
本明細書に使用される、「併用して」という用語は、複数の療法(例えば、1つ以上の予防的及び/又は治療的薬剤)の使用を含む。しかし、「併用して」という用語の使用は、療法(例えば、予防的及び/又は治療的な薬剤)が疾患、又は障害をもつ対象に投与される順序を制限しない。最初の療法(例えば、本明細書に提供される化合物などの予防的、又は治療的な薬剤)は、対象に対する第2の療法(例えば、予防的又は治療的な薬剤)の投与より前に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週、2週、3週、4週、5週、6週、8週、又は12週前に)、それと同時に、又はその後に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週、2週、3週、4週、5週、6週、8週、又は12週後に)投与することができる。また、第3の療法も本明細書において想定される。
【0187】
本明細書に使用される、「相乗的」という用語は、療法の相加的効果よりも有効である、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウム、及び疾患又は障害を治療し、予防し、又は管理するために使用されてきた、又は現在使用されている別の療法(例えば、予防的、又は治療的な薬剤)の併用を含む。療法の併用(例えば、予防的又は治療的な薬剤の併用)の相乗効果により、より低い投薬量の1つ以上の療法の使用、及び/又は障害をもつ対象に対する前記療法のより少ない頻度の投与が可能になる。療法(例えば、予防的又は治療的な薬剤)のより低い投薬量を利用し、及び/又はより少ない頻度の前記療法を投与する能力により、障害の予防、又は治療における前記療法の有効性を減少させることなく、対象に対する前記療法の投与に関連する毒性を減少させる。加えて、相乗効果は、障害の予防、又は治療における薬剤の有効性の改善を生じ得る。最後に、療法の併用(例えば、予防的又は治療的な薬剤の併用)の相乗効果は、いずれかの療法単独での使用に関連する有害な、又は望まれない副作用を回避し、又は減少させ得る。
【0188】
本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムは、別の治療的な薬剤と併用し、又は交互に投与することができる。併用療法では、2つ以上の薬剤の有効な投薬量が共に投与されるが、交互又は逐次の工程の療法において、それぞれの薬剤の有効な投薬量が逐次的に、又は連続して投与される。与えられる投薬量は、薬物の吸収、不活性化、及び排出割合、並びに当業者に公知のその他の因子に依存するだろう。投薬量の値は、また軽減される状態の重症度により変化するであろう点に留意されたい。任意の特定の対象については、具体的な投薬量処方計画、及びスケジュールは、個々の必要性、及び組成物を投与する、又は投与を監督する者の専門的判断に従って時間とともに調整されるべきであることは、更によく理解される。
【0189】
本明細書において提供される化合物は、以下を含むが、限定されない化合物のその他のクラスと併用して投与することができる;ホスホラミドンなどのエンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤;イフェトロバンなどのトロンボキサン受容体アンタゴニスト;カリウムチャネルオープナー;ヒルジンなどのトロンビン阻害剤;PDGF活性のモジュレーターなどの成長因子阻害剤;血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト;GPIIb/IIIa遮断薬などの抗血小板剤(例えば、アブシキシマブ、エプチフィバチド、及びチロフィバン)、P2Y(AC)アンタゴニスト(例えば、クロピドグレル、チクロピジン、及びCS-747)、及びアスピリン;ワルファリンなどの抗凝血物質;エノキサパリンなどの低分子量ヘパリン;因子VII阻害剤、及び因子Xa阻害剤;レニン阻害剤;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;オマパトリラト及びゲモパトリラトなどのバソペプチダーゼ阻害剤(二重NEP-ACE阻害剤);プラバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、NK-104(別名、イタヴァスタチン、ニスヴァスタチン、又はニスバスタチン)、及びZD-4522(別名、ロスバスタチン、アタバスタチン、又はビサスタチン)などのHMG CoAレダクターゼ阻害剤;スクアレンシンセターゼ阻害剤;フィブラート;クエストランなどの胆汁酸捕捉剤;ナイアシン;ACAT阻害剤などの抗アテローム硬化性薬剤;MTP阻害剤;ベシル酸アムロジピンなどのカルシウムチャンネル遮断薬;カリウムチャネル活性化因子;α-アドレナリン作動性薬剤;カルベジロール、及びメトプロロールなどのβ‐アドレナリン作動性薬剤;抗不整脈薬;クロロサイアザイド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロサイアザイド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンゾチアジド、エタクリン酸、チクリナフェン、クロルタリドン、フロセニド(furosenide)、ムゾリミン、ブメタニド、トリアムテレン、アミロリド、及びスピロノラクトンなどの利尿剤;組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)、組換えtPA、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、及びアニソイル化プラスミノーゲンストレプトキナーゼアクチベータ複合体(APSAC)などの血栓溶解薬;ビグアニド(例えば、メトホルミン)、グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)、インスリン、メグリチニド(例えば、レパグリニド)、スルホニル尿素(例えば、グリメピリド、グリブリド、及びグリピジド)、チオゾリジンジオン(thiozolidinedione)(例えば、トログリタゾン、ロシグリタゾン、及びピオグリタゾン)、及びPPAR-γアゴニストなどの抗糖尿病薬;スピロノラクトン、及びエプレレノンなどの無機質コルチコイド受容器アンタゴニスト;成長ホルモン分泌促進物質;aP2阻害剤;PDE III阻害剤(例えば、シロスタゾール)、及びPDE V阻害剤(例えば、シルデナフィル、タダラフィル、及びバルデナフィル)などのホスホジエステラーゼ阻害剤;タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;抗炎症剤;メトトレキセート、FK506(タクロリムス)、ミコフェノール酸モフェチルなどの抗増殖剤;化学療法剤;免疫抑制薬;抗癌剤、及び細胞毒性薬剤(例えば、ナイトロジェンマスタード、アルキルスルホナート、ニトロソ尿素、エチレンイミン、及びトリアゼンなどのアルキル化剤);葉酸アンタゴニスト、プリン類似体、及びピリミジン類似体などの抗代謝剤;アントラサイクリン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ダクチノマイシン、及びプリカマイシンなどの抗生物質;L-アスパラギナーゼなどの酵素;ファルネシル-タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;糖質コルチコイド(例えば、コルチゾン)、エストロゲン/抗エストロゲン、アンドロゲン/抗アンドロゲン、プロゲスチン、及び黄体形成ホルモン放出ホルモンアンタゴニスト、並びにオクトレオチドアセテートなどのホルモン薬;エクチナサイシジンなどの微小管ディスラプター薬;パシタキセル(pacitaxel)、ドセタキセル、及びエポシロンA-Fなどの微小管安定化薬;ビンカアルカロイド、エピポドフィロトキシン、及びタキサンなどの植物由来産物;並びにトポイソメラーゼ阻害剤;プレニル-タンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;並びにシクロスポリン;プレドニゾン、及びデキサメタゾンなどのステロイド;アザチオプリン、及びシクロホスファミドなどの細胞毒性薬物;テニダップなどのTNF-α阻害剤;エタナーセプト、ラパマイシン、及びレフルニミド(leflunimide)などの抗TNF抗体、又は可溶性TNF受容体;セレコキシブ、及びロフェコキシブなどのシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害剤;並びにチオ硫酸ナトリウム、水酸化尿素、プロカルバジン、ミトタン、ヘキサメチルメラミン、金化合物、シスプラチン、サトラプラチン、及びカルボプラチンなどの白金配位化合物、などの種々の薬剤。
【0190】
本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムはまた、当業者に周知のパッケージング材料を使用する製品として、提供することができる。例えば、米国特許番号第5,323,907号;第5,052,558号;及び第5,033,252号を参照されたい。医薬品をパッケージする材料の例は、ブリスター包装、瓶、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、注射器、並びに選択された製剤並びに意図される投与及び治療の様式に適した任意のパッケージング材料を含むが、限定されない。
【0191】
また、医師によって使用されるときに、対象に対する活性成分の適切な量の投与を簡便にすることができるキットが、本明細書において提供される。特定の実施態様において、本明細書において提供されるキットは、容器、及び本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの剤形を含む。
【0192】
特定の実施態様において、キットは、本明細書において記述された1つ以上のその他の治療的薬剤(類)を含む容器に、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの剤形を含む容器を含む。
【0193】
本明細書において提供されるキットは、活性成分を投与するために使用される機器を更に含むことができる。このような機器の例は、注射器、無針注射器、点滴バッグ、パッチ、及び吸入器を含むが、限定されない。本明細書において提供されるキットは、活性成分の投与のためのコンドームをまた含むことができる。
【0194】
本明細書において提供されるキットは、1つ以上の活性成分を投与するために使用することができる医薬として許容し得る媒体を更に含むことができる。例えば、活性成分が非経口投与のために再構成されなければならない固体形態で提供される場合、キットは、活性成分を非経口投与のために適した微粒子のない無菌溶液を形成するために溶解することができる、封をした適切な媒体の容器を含むことができる。医薬として許容し得る媒体の例は、注射用水USP、塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、デキストロース注射、デキストロース及び塩化ナトリウム注射、並びに乳酸化リンゲル注射を含むが、限定されない水性媒体;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールを含むが、限定されない水混和性媒体;並びに、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、イソプロピルミリステート、及びベンジル安息香酸を含むが、限定されない非水性媒体を含むが、限定されない。
【0195】
亜硝酸ナトリウムは、また医療機器と組み合わせて使用することができる。例示的な医療機器は、米国特許出願公開番号第2007/0239107号に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。このような機器の例は、尿カテーテル、気管内チューブ、血管カテーテル、血管カテーテルポート、傷排出管、胃管を含むが、限定されない。これらの実施態様において、機器は、本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムを含むか、又はそれで被覆され得る。尿カテーテルに関して、亜硝酸ナトリウムは、対象に挿入される膨張可能、又は展開可能な部分に含めること、収集バッグに含めること、又は機器に付随する管に含めることができる。
【0196】
本開示は、以下の非限定的な実施例によって更に理解されるだろう。
【実施例】
【0197】
本明細書に使用される、これらのプロセス、スキーム、及び実施例において使用される記号、並びに慣例は、特定の略語が具体的に定義されるかどうかにかかわらず、現代の科学文献、例えばJournal of American Chemical Society又はJournal of Biological Chemistryにおいて使用されるもののと変わらない。具体的には、しかし、限定されないが、以下の略語を実施例において、及び明細書の全体にわたって使用し得る:g(グラム);mg(ミリグラム);mL(ミリリットル);μL(マイクロリットル);mM(ミリモル濃度);μM(マイクロモル濃度;mmol(ミリモル);eq. (当量);hr又はhrs(時間);min(分)。
【0198】
以下の実施例の全てについて、当業者に公知の標準的な後処理、及び精製の方法を利用することができる。特に明記しない限り、全ての温度は、℃(摂氏度)で表してある。全ての反応は、特に明記しない限り室温にて行った。以下の実施例において例証される方法論は、具体例を用いることにより適用できる化学を例証することを意図し、範囲を示さない。
【0199】
(実施例1)
(医薬品等級亜硝酸ナトリウムの製造)
窒素下で、脱イオン水(18.3L)を不活性化した50ガロンの反応器に添加した。15キログラムの非医薬品級の亜硝酸ナトリウムを反応器に添加した。反応器を窒素で再び不活化した。混合物をゆっくり50℃まで加熱して、次いで更に10分撹拌して、透明な溶液を形成した。
【0200】
溶液を25℃まで冷却して、55ガロンのプラスチックドラムへ移した。60グラムの活性炭をドラムに添加して、溶液を30分間混合した。
【0201】
ドラムの内容物を濾過して、50ガロンの反応器に移した。50ガロンの反応器を5℃まで冷却して、次いで、結晶化が観察されるまで、その温度にて撹拌した。50kgのエタノールを反応器に添加して、30分間5℃にて撹拌した。生じたスラリーを濾過した。更に19.7キログラムのエタノールを50ガロンの反応器に添加して、濾過前にリンスした。
【0202】
固体物質は、フィルタから乾燥用のトレイへ移した。固体物質を、乾燥器での窒素ブリードを使用して、12時間65℃未満にて完全な真空下で乾燥した。
【0203】
このバッチについての生成物収率は、59%であった。
【0204】
精製手順からの本明細書において提供される亜硝酸ナトリウムの分析は、表1に要約してある。
【表1】

【0205】
乾燥の間に、亜硝酸ナトリウムを、その乾燥減量、及び含水量について種々の間隔にて試験した。一旦材料が乾燥減量、及び含水量について適切な規格に達したら、乾燥を止めた。
【0206】
(実施例2)
(亜硝酸ナトリウムにおける合計不揮発性有機炭素を決定する方法)
合計不揮発性有機炭素は、InnovOx laboratory TOC Analyzer(GE Analytical Instruments, Inc., Boulder、CO)を使用して決定した。標準、試薬、及び試料調製のために使用した水は、0.10ppm以下の全有機炭素(TOC)を有した。リン酸は、ACS試薬であった。過硫酸ナトリウムは、General Electricから得た。スクロースUSPを参照標準として使用した。圧縮窒素は、1ppm以下のCO2、及び1ppm以下の全炭化水素(THC)を有する。
【0207】
酸性化溶液として使用したリン酸(6N)は、250mLメスフラスコにおよそ100mLの水を添加し、続いて100mLのリン酸をゆっくりと添加し、及び更なる水を添加して250mLの最終容積にすることによって調製した。
【0208】
酸化剤として使用した過硫酸ナトリウム溶液(30%)は、500mLメスフラスコに150 0.1gの過硫酸ナトリウムを添加して、過硫酸ナトリウムの溶解後、更なる水を添加して500mLの最終容積にすることによって調製した。溶液を使用の前に3日間静置させて、調製の14日以内に使用した。
【0209】
標準スクロース貯蔵液(0.50 mg炭素に基づいた250ppm炭素/1.2mgスクロース)は、15mLの水に9mgのスクロースを溶解することによって調製した。TOC標準(10ppm)は、100mLメスフラスコに4mLの標準スクロース貯蔵液を添加し、続いて更に水を添加して、室温にて100mLの容積にすることによって調製した。TOC標準(2ppm)は、50mLメスフラスコに10mLの10ppmのTOC標準を添加し、続いて水を添加して室温にて50mLの容積にすることによって調製した。TOC標準(0.5ppm)は、100mLメスフラスコに5mLの10ppmのTOC標準を添加して、続いて水を添加して室温にて100mLの容積にすることによって調製した。
【0210】
亜硝酸ナトリウム試料溶液は、100mLメスフラスコに5.0gの試料を添加し、続いて水を添加して室温にて100mLの容積にすることによって調製した。
【0211】
InnovOx計測器は、表2に示した以下の計測器パラメーターを使用して、水、並びに0.5ppm、2ppm、及び10ppmのTOC標準で較正した。
【表2】

【0212】
較正曲線要求は、i)複製の平均の相関係数(r)は、0.99以上でなければならない;ii)2及び10ppmのTOC標準についてのRSDは、10%以下でなければならない;iii)定量限界(LOQ)は、3ppm以下でなければならず、これは、以下の通りに算出される:
LOQ =(1O)(A)(B)/(C-D)
及びiv)検出限界(LOD)は、1ppm以下でなければならず、これは、以下の通りに算出される:
LOD =(3)(A)(B)/(C-D)
式中:
Aは、0.5ppmのTOC標準における炭素の濃度であり;
Bは、空の標品において決定されたTOC濃度の標準偏差であり;
Cは、0.5ppmのTOC標準において決定された平均TOC濃度であり;及び、
Dは、空の標品において決定された平均TOC濃度である。
【0213】
試料は、表3に示したように以下の計測器パラメーターを使用して分析した。
【表3】

【0214】
2ppmのTOC標準を各試料分析の前後で実行した。
【0215】
システム適合性要求は、i)2ppmのTOC標準についてのRSDは、10%以下でなければならない;ii)2ppmのTOC標準決定のための理論的反応の割合(%T)は、90%以上、及び110%以下でなければならなず;これは、以下の通りに算出される:
%T = 100 × A/B;
式中:
Aは、アナライザー(ppm)によって決定された結果であり;及び、
Bは、2ppmの標準TOC濃度(ppm)であった;
iii)LOQ以上にて試料反応を有した任意の試料については、RSDは、15%以下でなければならない;iv)合計有機炭素(TOC)は、A×20に匹敵し、式中Aは、アナライザーによって決定される結果(ppm)であり;AがLOD未満である場合、結果は、Aの代わりに、TOCについて上限を設定したLODを使用して算出し、AがLOQ未満であるが、LODを超える場合、LOQ値は、TOCについて上限を設定する。
【0216】
(実施例3)
(亜硝酸ナトリウムにおける亜硝酸塩、及び硝酸塩不純物の決定)
標準及び試料を精製水中に調製して、イオン交換カラム(Dionex Ionpac AS 12A)を使用するイオンクロマトグラフィー(IC)、及び抑制型伝導度検出により分析した。分離は、2.7mM炭酸ナトリウム、及び0.3mM炭酸水素ナトリウムを含む水性移動相での均一溶媒溶出によって達成した。システム適合性、特異性、直線性及び範囲、LOD/LOQ、正確さ、回収、精度、中間の精度、特異性、頑丈さ、及び分析溶液安定性の実行パラメーターを評価した。LODは、亜硝酸ナトリウムについて0.01μg/mL、及び硝酸ナトリウムについて0.04μg/mLであると見積もられた。LOQは、両方の化合物について0.08μg/mLであると見積もられた。
【0217】
亜硝酸ナトリウムについての直線性を60、90、120、150、及び180μg/mLにて一連の標準を使用して評価した。それぞれの溶液を、2組注入した。本方法は、亜硝酸ナトリウムの60〜180μg/mLで直線であり、0.9999の補正係数(R)であることを示した。
【0218】
亜硝酸ナトリウムについての直線性を0.04〜6.0μg/mLの範囲の一連の標準を使用して評価した。それぞれの溶液を、2組注入した。本方法は、硝酸ナトリウムの0.152〜6.067μg/mLで直線であり、0.9997の補正係数(R)であることを示した。
【0219】
(実施例4)
(亜硝酸ナトリウムにおける窒素酸化物不純物の検出)
亜硝酸ナトリウムを含む溶液における合計窒素酸化物(NOxS)の濃度を、窒素酸化物(NOx)電極(Orion Model 94-46)を使用して、電極反応(mV)を測定して定量化して、窒素のμg/mL、又はppmに関して表した。合計窒素酸化物不純物についての検出限界は、約1ppmであると決定された。合計窒素酸化物不純物の決定の前に、pHメータをpH 4.0及び7.0の緩衝液を使用して較正した。NOx電極の応答の直線性も、酸性化した0.1MのKCl溶液、及び最終的に100mLの水に、492±10mgの亜硝酸ナトリウムを溶解することによって調製した種々の量の1000ppmのNOx標準を使用して決定した。pH<1.8下で、4.92mg/mLの濃度の亜硝酸塩は、等量の窒素酸化物に変換され、対応する濃度は、1000mg/μLの窒素である。酸性化した0.1MのKCl溶液は、15mLの1N HClを0.1MのKClと混合し、500mLの最終容積にすることによって調製した。測定の間、溶液は、20〜25℃にて維持して、試料ナトリウム溶液のpHは、6.7以上であった。本方法は、硝酸塩及び亜硝酸塩の存在下においてNOxに対して特異的であることを示した。
【0220】
(実施例5)
(亜硝酸ナトリウム中のアルキルナフタレンスルホナートの定量化)
方法を、亜硝酸ナトリウムを含む溶液(例えば、50mg/mL)におけるアルキルナフタレンスルホナート(ANS)を定量化するために展開した。本方法は、0.3ppmの検出限界で、約1〜約200ppmの範囲でANSを決定するために使用した。質量分析計及び液体クロマトグラフィーを適用して、亜硝酸ナトリウムを含む試料におけるANSの定量化のために使用した。
【0221】
1ng/mL〜10mg/mLの範囲である水中のANSの種々の標準を調製して、最適検出様式を決定し、及び検出器パラメーターを最適化した。次いで、亜硝酸ナトリウムの溶液(50mg/mL)における1ppm〜500ppmの範囲のANSのスパイクした標準を、本方法の範囲、及び直線性を試験するために調製した。
【0222】
特異性、直線性及び範囲、LOD/LOQ、正確さ、精度、及び再現性の実行パラメーターを評価した。本方法は、二次回帰と組み合わせて、1〜200ppmの範囲内で、0.998の補正係数(R)で有効な定量的データを生じることを示した。
【0223】
(実施例6)
(医薬品等級のチオ硫酸ナトリウム五水和物の調製)
窒素下で、381.0グラムの硫黄、及び脱イオン水(3L)を、トリアン(torian)、サーモウェル、還流冷却器、オーバーヘッド攪拌機、及びpHメータと共にOrion pHプローブを備えた12Lの4首のフラスコに添加した。スラリーを撹拌して、1000.1グラムの亜硫酸ナトリウム、及び脱イオン水(2L)をフラスコに添加した。開始温度は、20.9℃、及びpH = 10.2であった。スラリーを4時間97℃まで加熱した(4時間におけるpH=7.5)。熱を取り除いて、反応を撹拌しながら一晩室温に冷却させた。スラリーを1.6ミクロンガラスマイクロファイバーフィルタで濾過し、透明な黄色溶液を得た。次いで、溶液を700〜730mm Hgの真空下において60℃ +/-5℃の鉢温度にてトロバック(rotovac)で濃縮した。3時間45分後に、溶液は、1.405の比重を有し、溶液は、2,821グラムの質量を有した。溶液を窒素下で、トリアン、サーモウェル、及びオーバーヘッド攪拌機を備えた5リットルの4首のフラスコに移した。溶液を25℃まで冷却して、チオ硫酸ナトリウム五水和物の試料結晶を溶液に導入した。次いで、溶液を0 +/- 5℃まで冷却して、45分間撹拌した。溶液が23.7℃に到達したときに、沈澱が生じ始めた。白い結晶質固体を、フリット漏斗を使用することによって濾過した。母液を使用して、反応フラスコから固体をリンスした。固体を乾燥用のディッシュへ移して、20℃の温度で真空オーブン中に一晩置いた。乾燥の間、チオ硫酸ナトリウム五水和物を、その含水量について種々の間隔にて試験した。一旦材料が含水量について適切な規格(すなわち、約32〜約37重量%)に達したら、乾燥を止めた。乾燥固体は、1016.2グラム(52%収率)の最終質量を有した。
【0224】
上記実施例は、特許請求の範囲の実施態様をどのように製作し、使用するかの完全な開示、及び記述を当業者に示すために提供され、本明細書に開示された範囲を限定することは意図されない。当業者に明らかである改変が、以下の特許請求の範囲内で意図される。本明細書において引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願はあたかもそれぞれの公開、特許、又は特許出願が参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個々に示されるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、又は約10ppm以下の抗固化剤を含む、亜硝酸ナトリウム。
【請求項2】
亜硝酸ナトリウム、及び1つ以上の医薬として許容し得る担体、又は賦形剤を含む医薬組成物であって;該亜硝酸ナトリウムが、約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、又は約10ppm以下の抗固化剤を含む、前記医薬組成物。
【請求項3】
前記亜硝酸ナトリウムが約97重量%以上、及び約101重量%以下の亜硝酸ナトリウムを含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記亜硝酸ナトリウムが約0.60重量%以下の乾燥減量を有する、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2若しくは3記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記亜硝酸ナトリウムにおける含水量が約0.5重量%以下である、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜4のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記亜硝酸ナトリウムにおける重金属含量が約10ppm以下である、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜5のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記亜硝酸ナトリウムが約0.4重量%以下の硝酸ナトリウムを含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜6のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記亜硝酸ナトリウムが約0.005重量%以下の不溶性物質を含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜7のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記亜硝酸ナトリウムが約0.005重量%以下のクロライドを含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜8のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記亜硝酸ナトリウムが約0.01重量%以下のサルフェートを含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜9のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記亜硝酸ナトリウムが約0.001重量%以下の鉄を含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜10のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記亜硝酸ナトリウムが約0.01重量%以下のカルシウムを含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜11のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記亜硝酸ナトリウムが約0.005重量%以下のカリウムを含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜12のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記亜硝酸ナトリウムが約0.05ppm以下の水銀を含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜13のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記亜硝酸ナトリウムが約0.2ppm以下のアルミニウムを含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜14のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記亜硝酸ナトリウムが約3ppm以下のヒ素を含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜15のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記亜硝酸ナトリウムが約0.003重量%以下のセレンを含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜16のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記亜硝酸ナトリウムが約10ppm以下、約100ppm以下、約500ppm以下、約1000ppm以下、又は5000ppm以下の有機揮発性不純物を含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜17のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記亜硝酸ナトリウムにおける合計不揮発性有機炭素含量が約2.5ppm以下、約10ppm以下、約20ppm以下、約25ppm以下、又は約50ppm以下である、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜18のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記亜硝酸ナトリウムが約100CFU/g以下の合計好気性微生物負荷の数値を有する、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜19のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記亜硝酸ナトリウムが約20CFU/g以下の合計の酵母、及びカビの数を有する、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜20のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記亜硝酸ナトリウムが約0.25EU/mg以下の細菌エンドトキシンを含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜21のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記亜硝酸ナトリウムが約0.1〜約500ppmのリン酸ナトリウムを含む、請求項1記載の亜硝酸ナトリウム、又は請求項2〜22のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記組成物が経口、非経口、吸入、経鼻、膀胱内、膣、直腸、舌下腺、眼、又は局所的投与のために製剤化される、請求項2〜23いずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記組成物が単一の剤形として製剤化される、請求項24記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記医薬として許容し得る賦形剤が水である、請求項24又は25記載の医薬組成物。
【請求項27】
亜硝酸ナトリウムを含む試料における合計不揮発性有機炭素を決定する方法であって:(a)予め定められた濃度にて亜硝酸ナトリウムを含む水性試料溶液に予め定められた量の無機酸を添加する工程;(b)試料溶液に予め定められた量の酸化剤を添加する工程;及び(c)超臨界水酸化条件下で試料溶液における有機炭素を二酸化炭素に変換する工程を含み;該無機酸の最終的な量が、試料溶液の最終的な容積の2%以上であるか、又は該酸化剤の最終的な量が、試料溶液の最終的な容積の20%以上である、前記方法。
【請求項28】
前記無機酸がリン酸である、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記無機酸が6Nのリン酸である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記無機酸の最終的な量が試料溶液の最終的な容積の約6%である、請求項27〜29のいずれか一項記載の方法。
【請求項31】
前記酸化剤が過硫酸ナトリウムである、請求項27〜30のいずれか一項記載の方法。
【請求項32】
前記酸化剤が30%の過硫酸ナトリウム溶液である、請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記酸化剤の最終的な量が試料溶液の最終的な容積の約45%である、請求項27〜32のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、及び約10ppm以下の抗固化剤を含む医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムを製造するための方法であって:(a)不活性雰囲気下で第1の温度にて非医薬品等級の亜硝酸ナトリウムを溶媒と接触する工程;及び(b)不活性雰囲気下で第2の温度にて亜硝酸ナトリウムを生成する工程を含む、前記製造方法。
【請求項35】
約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、及び約10ppm以下の抗固化剤を含む医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムを製造するための方法であって:(a)不活性雰囲気下で第1の温度にて非医薬品等級の亜硝酸ナトリウムを溶媒と接触させる工程;(b)亜硝酸ナトリウムを含む溶媒をリン酸ナトリウムと接触させる工程;及び(c)不活性雰囲気下で第2の温度にて亜硝酸ナトリウムを生成する工程を含む、前記製造方法。
【請求項36】
約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、及び約10ppm以下の抗固化剤を含む医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムを製造するための方法であって:(a)不活性雰囲気下で第1の温度にて非医薬品等級の亜硝酸ナトリウムを溶媒と接触させる工程;(b)亜硝酸ナトリウムを含む溶媒を液体クロマトグラフィーと接触させる工程;及び(c)不活性雰囲気下で第2の温度にて亜硝酸ナトリウムを生成する工程を含む、前記製造方法。
【請求項37】
約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、及び約10ppm以下の抗固化剤を含む医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムを製造するための方法であって:(a)不活性雰囲気下で第1の温度にて非医薬品等級の亜硝酸ナトリウムを溶媒と接触させる工程;(b)亜硝酸ナトリウムを含む溶媒をリン酸ナトリウムと接触させる工程;(c)亜硝酸ナトリウムを含む溶媒を液体クロマトグラフィーと接触させる工程;及び(d)不活性雰囲気下で第2の温度にて亜硝酸ナトリウムを生成する工程を含む、前記製造方法。
【請求項38】
前記方法が窒素下で行われる、請求項34〜37のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項39】
前記溶媒が水である、請求項34〜37のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項40】
前記溶媒がエタノールである、請求項34〜37のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項41】
前記溶媒がアセトンである、請求項34〜37のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項42】
溶媒が水及びエタノールの混合物である、請求項34〜37のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項43】
前記溶媒が水及びアセトンの混合物である、請求項34〜37のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項44】
前記第1の温度が約10〜110℃の範囲である、請求項34〜37のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項45】
前記第1の温度が約24〜約3O℃である、請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記第2の温度が約-10〜10℃の範囲である、請求項34〜45のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項47】
前記第2の温度が約0℃である、請求項46記載の製造方法。
【請求項48】
約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、及び約10ppm以下の抗固化剤を含む医薬として許容し得る亜硝酸ナトリウムを製造するための方法であって:(a)不活性雰囲気下で第1の温度にて非医薬品等級亜硝酸ナトリウムを第1の溶媒と接触させる工程;(b)第2の温度に溶液を冷却する工程;(c)亜硝酸ナトリウムを含む溶媒を活性化された炭素と接触させる工程;(d)第2の溶媒と混合物を接触させる工程;及び(e)不活性雰囲気下で第3の温度にて亜硝酸ナトリウムを生成する工程を含む、前記製造方法。
【請求項49】
前記第1の溶媒が水である、請求項48記載の製造方法。
【請求項50】
前記第1の温度が約45〜約55℃である、請求項48記載の製造方法。
【請求項51】
前記第2の温度が約20〜約3O℃である、請求項48記載の製造方法。
【請求項52】
前記第2の溶媒がエチルアルコールである、請求項48記載の製造方法。
【請求項53】
前記第3の温度が約0〜約10℃である、請求項48記載の製造方法。
【請求項54】
対象に約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、及び約10ppm以下の抗固化剤を含む亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、心臓血管疾患を治療するための方法。
【請求項55】
対象に約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、及び約10ppm以下の抗固化剤を含む亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、呼吸器疾患を治療するための方法。
【請求項56】
対象に約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、及び約10ppm以下の抗固化剤を含む亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、皮膚疾患を治療するための方法。
【請求項57】
対象に約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、及び約10ppm以下の抗固化剤を含む亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、シアン化物中毒を治療するための方法。
【請求項58】
チオ硫酸ナトリウムの投与を更に含む、請求項57記載の方法。
【請求項59】
対象に約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、及び約10ppm以下の抗固化剤を含む亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、硫化水素中毒を治療するための方法。
【請求項60】
対象に約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、及び約10ppm以下の抗固化剤を含む亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、院内感染を治療し、予防し、又はリスクを減少させるための方法。
【請求項61】
対象に約0.02重量%以下の炭酸ナトリウム、及び約10ppm以下の抗固化剤を含む亜硝酸ナトリウムの治療上有効な量を投与することを含む、新血管の成長を刺激するための方法。

【公表番号】特表2012−517474(P2012−517474A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550214(P2011−550214)
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/023824
【国際公開番号】WO2010/093746
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(511195448)ホープ メディカル エンタープライズ インコーポレイテッド ディー.ビー.エー. ホープ ファーマシューティカルズ (1)
【Fターム(参考)】