説明

交通信号灯の信号表示方法とその信号灯ユニット

【課題】 一灯式信号灯の鮮明度を高くする信号表示方法とその信号灯ユニットの提供。
【解決手段】信号灯ユニット30がデータベース6に記憶したデジタル化所定信号11、12をコアメモリ7aに記憶する画像処理ソフト操作で、データ検索と画像構成を行って次回掲示内容を表示データとして出力バッファ6aに転送、待機保存し、それをコントローラ5の画像表示制御を受け、信号灯1に組み込んだフラットディスプレイに読み出し、信号表示する構成にした。

【発明の詳細な説明】
【発明が属する技術分野】
【0001】
本発明は交通制御システムに係わる信号表示技術に係り、結果的に信号の三色を一灯の表示面内に表示する信号灯を、円滑な表示方法と結ぶ信号表示技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一灯式の信号灯装置には、光源色を凸レンズで集光して発色操作し、かつ三色光源を各27個以内に格納した同一枠内の表示面に赤色の発光ダイオード(以下、LEDという)、黄色LED、緑色LEDを順次三枠配置して、交替で一枠ごとに発色操作させるもの(特許文献1)、同左技術に加えて、各色LEDを配置して補助信号とともに信号灯一灯内に表示させるもの(特許文献2)、青色LEDと、青色LEDの光をプレートに照射すると波長変換が生じる。そこで各色表示用蛍光色素を含有させた樹脂プレートを前記LEDに併用して、信号灯一灯で赤色、黄色、青色の信号操作を可能にする技術(特許文献3)や、三色のLEDを多数配置して一灯式に形成したものを4面、合成信号灯として、背中合わせに角筒状に組み立て、1基の四面体信号灯装置を形成して、十字路交差点の信号操作を1個所で行う技術(特許文献4)などの提案がある。
【0003】
これら従来装置は、他種の色を含まず専用LEDを灯面全面に埋め尽くして各色毎に照明する三色個別灯装置と比較すると、三色の各LEDを混在し、混色状態で一灯の表示面に納めるので、一色のLEDは、同一枠内では1/3の個数、従って照度密度は1/3に低下する。集光レンズを併用しても、表示鮮明度の低下は避けられず、前記した四面体信号灯装置においても、LED配置型一灯を組み立てる限り、生じる前記欠点は変わらない。
【0004】
また波長変換プレートを併用して、青色LEDを照射して三色表示が行えても、変換して得た単色が狭帯域に収めた場合に、高輝度と高い鮮明さを得るには問題がある。
【0005】
さらに、一灯式も通常実施状態にある多灯式信号灯装置は、信号の設置位置における信号操作条件の設定が単一信号灯毎に行われ、その点滅タイマー設定は画一的に決められる。そして次の信号操作設定機会まで、交通量や横断歩行者数の変化に、信号灯が自動的に対応しないばかりか、近隣の信号灯と連係した設定が行われているとは限らない。異種信号の表示時間、信号切替のタイミングは、交通量に柔軟に対応したものとはなっていない。
【0006】
【特許文献1】実開平7−43895号公報
【特許文献2】特開2006−221491号公報
【特許文献3】特開2000−194992号公報
【特許文献4】特開平11−39593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような三色個別信号灯も、これに代替させる一灯色信号灯も、三色LEDから成る単色灯への電力供給スイッチをON−OFF制御する信号表示であり、この信号表示システムを踏襲したままでの一灯式信号灯の同一表示画面内に三色信号表示を行うには、信号灯大きさに比べて輝度密度を高める程に小粒のLED構造の大きさになっていない、という問題点があった。
【0008】
解決しようとする問題は、同一表示面に三色の信号灯を個別に表示するに当たって、一色分の信号照明を行うときに、他の二色分の信号照明を消灯するので、一灯式信号灯画枠内の二色分の信号灯配置面積に暗黒部分が生じてしまう点、その結果、点灯させた一色分の照明の照度や輝度が低下してしまう点などである。
【0009】
さらに解決しようとする問題は、信号灯の点滅操作が単一信号毎に独立して行われ、他の近隣場所に設置されている信号灯の操作条件と整合することがない点であり、信号管理の作業者がその信号操作条件を手動で変更しない限り、車や人の交通量変化に合わせた信号操作や、前後の信号灯の点滅操作と整合していない点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の交通信号灯の信号表示方法は、信号灯への表示信号指令をデジタル情報化して、信号制御操作をソフトウエア処理によって行い、三色表示の主信号画像と補助信号画像を信号灯画面に表示することを最も主要な特徴とする。
【0011】
そして本発明方法は、情報データファイルに纏めた複数の信号指令情報を管理する情報処理システム操作によって、信号表示の直前に次回信号表示分のデータを出力バッファに収納し、掲示順に一括して表示灯への転送が行えるようにしたことを主要な特徴とする。
【0012】
さらに本発明方法は、単一信号灯や複数信号灯毎に、信号処理を行う一なる情報処理システムを付設して一つの信号灯ユニットを設けて、、少なくとも直近の隣接信号灯ユニットと、相互にリアルタイムに生じる信号情報データの交信相手側の情報処理システムに連係して行なわせ、近隣の交信情報を自己に活用できるようにしたことを次なる特徴とする。
【0013】
そして本発明方法に用いる信号灯ユニットは、フラットディスプレイを一灯枠に形成する信号灯画像表示枠と、デジタル化信号情報を記憶するデータベースと、画像表示処理をするコントローラとバッファを含み、情報処理システムを構成するその他のデジタル化装置要素とで一ユニットを構成することを最も主要な特徴とする。
【0014】
そして本発明の信号灯ユニットは、走行車両車線に向けた複数の信号灯を組合せて一基の信号合成灯装置に形成し、それらの各信号灯が一つの情報処理システムによって表示可能に構成することを主要な特徴とする。
【0015】
さらに本発明の信号灯ユニットは、操作電源に給電する電源回路に対して、商用電源に代わる電源に、夜間商用電力を蓄電するバッテリ、風力や路面設置型圧電素子を利用する発電装置を自家発電源(8b)として選択可能に設置し構成することを次の主要な特徴とする。
【0016】
そして本発明の信号灯ユニットは、信号灯の設置直近の横断歩道ごとに歩行者のための歩道監視センサを設置し、そのセンサ情報を歩行者監視手段を介して監視区域のリアルタイム情報として有線または無線により信号灯ユニットの情報処理システムに送信して、情報操作を可能とすることを特徴とする。
【0017】
ここでは、フラットディスプレイ(以下、FDという)とは、小型化に適合する液晶ディスプレイ(以下、LCDという)、有機エレクトロルミネセンスディスプレイ(以下、有機ELDという)およびフィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDという)、および同類機能を有するディスプレイをいう。
【0018】
ここに示すコントローラは、ここに図示しない画像入力手段または画像入出力手段、文字情報の入出力手段及びそれらの操作処理手段をを含んで構成し、それらにより信号表示灯に情報データを掲出し、画面の画像処理制御を行うものをいう。また表示灯情報処理システムにおける自己完結型とは、信号灯のハードウエア部分とここに示す情報処理システムを動作させるソフトウエア部分とを一体的に動作させたときに、外部からの特別な命令操作なしに、交通信号管理通りに信号灯を継続して適正操作可能になっていることをいう。
【発明の効果】
【0019】
本発明の、交通信号灯の信号表示方法には、従来の一灯式信号灯に見られる配色照明の信号差し替え式点灯でも、三つ独立枠の異種信号灯に異色照明を順次点滅させる方式でもなく、ソフトウエアを使うことのできるデジタル化情報によって信号の画像形成を画像全面を使ってほぼ定位置に表示できる一灯式信号灯であって、その信号灯にデジタル化活用の信号表示方法を採用することにより、表示画面には不必要な暗黒部分は生ぜず、点灯照度や輝度の低下原因を生じる恐れもない。その上に信号点滅のタイミングや信号形態の変更などが、遠隔操作によるソフトウエア処理によって容易に行えるという利点がある。
【0020】
そして本発明方法は、画像出力回路へ送り出すデジタル化した信号内容を事前に収める表示データバッファを設けたので、信号灯表示画面に異種の所定単色主信号画像を即時表示でき、加えて、矢印等の所定補助信号画像を併用する複合表示や、二色以上を用いる複雑な所定混彩信号でも、整合画像を信号灯表示面に瞬時に掲出できるという利点がある。
【0021】
さらに本発明方法は、信号灯ユニットが隣接する直近の信号灯ユニットとリアルタイム情報を信号交換ないし交信可能状態であるので、自身の信号ユニットの信号操作を柔軟に行って、信号点滅のタイミングを延長又は短縮したり、補助信号画像を用いて直近の隣接地の現状を広報表示することができるという利点がある。
【0022】
本発明の信号灯ユニットは、デジタル化情報を扱う表示方法によって、厚さ数cmから数mmに形成できるFDを用いられるようになった。FDは信号灯の薄型化、軽量化を実現し、専用の所定信号情報を複数、データ化して収蔵し、信号灯画面表示できる処理操作用ソフトウエアを記憶保持させて用いることができるので、該ソフトウエアを用い、コントローラが処理制御を管理する構成としたので、信号灯信号表示に充分な情報蓄積、的確な表示処理、迅速な信号読み出しを円滑に実施できる効果がある。
【0023】
そして本発明の信号灯ユニットは、、FD二面を背中合わせに一体化して1基の信号灯ユニットに形成する場合に、1交通路の離れた直近の場所に背中合わせに二基配置されている従来の信号灯を信号灯ユニット一基にて、交通制御できる効果がある。
【0024】
さらに本発明の信号灯ユニットは、その電源回路が、バッテリや自家発電源から自己給電可能にできるので、中央配電システムによる商用電力が災害で使用不能になっても、自律的に信号灯ユニットが自己完結的に表示操作を継続できる能力を保持して、交通混乱を起こす要因発生を抑制できるという効果がある。
【0025】
また本発明の信号灯ユニットは、直近の横断歩道を含む監視区域を設けて、区域内歩行者の多寡の程度を検知し、信号灯の操作処理や歩行者への警告表示を定型情報として記憶しておいて、画像や音声を用いた広報表示に、役立て得るなどの効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
従来の信号灯が、一灯式では、信号点灯時に生じる信号の照度や輝度を低下させるという点、三色別枠型では信号灯単独ごとの点滅タイミングをマニュアル操作で行うなど、それら不都合、不便が生じないようにするという目的を、信号指令をデジタル化して個々の操作をソフトウエア操作で動作可能にしたことによって、信号灯に電力低消費型のFDが使え、多様な信号表示や信号灯ユニット間に連係操作が行え、災害時に強い信号灯ユニットが得られるなど、軽量で多機能型のFD使用の一灯式信号灯ユニットが実現した。
【実施例】
【0027】
図1は、本発明の、信号灯ユニットの基本構成を模式的に説明するもので、(A)は角形一灯式信号灯を示す前面図、(B)は同じく丸形灯を示す前面図、(C)は(A)のA−A´矢視図、(D)は装置の基本構成の実施例を模式的に示すブロック図である。
図1(A)ないし(C)に示すように、画像枠3に保持し、コネクタ2に着脱自在に接続するFD信号灯1(以下、FD信号灯という)を形成している。ここに1aは角形信号灯、1bは丸形信号灯、21は角形の、21aは丸形のFD信号灯を示す。なお本発明の信号表示方法は、既存技術のディスプレイを信号灯に転用する点にあるので、FDに係る電極やドライバーICを含む構造、機構や電気についての説明は省略する。
【0028】
同図(D)に示す本発明装置の基本構成は、交通制御システムが定めた、通常用いる所定信号内容を全て、検索可能に記憶させた表示情報データベース6と、信号灯画面表示に特化して、交通制御システムが定めたタイムスケジュールに合致して、信号情報の検索、掲示時限などを管理、操作する必須の操作ソフトウエアを記憶するコアメモリ7aと、該操作ソフトウエアによって次回信号情報が検索され、検索した次回掲出信号データを掲出直前までに転送を受けて保持し、FDへの掲出動作時にその保持データを送出する特定データ出力用のバッファ6aを設け、これらをメモリパス17を介して接続する画像処理制御システムを操作するコントローラ5と、電源回路8からの操作電力を受けて、メモリパス17から受ける信号データを信号表示するFD組込の信号灯1とによって、自己完結型表示灯情報処理システム20を配設して、システムを動作させる信号灯ユニットが構成され、交通信号灯の信号表示が実施される。
【0029】
ここに図示する自己完結型表示灯情報処理システム20の実施例は、該システムに一個の信号灯ユニットを組み合わせた基本単位装置を模式的に示すものである。
また電源回路8は、通常は商用電源8aから操作電力を受電するが、該商用電源を補完す電源として、ここに図示しない電源電力制御用コントローラを付設可能にして、夜間受電力の蓄電力を保持するバッテリー8cや、公開された風力発電、路面設置型圧電素子発電、太陽光発電などを受けて設ける自家発電源などからの給電選択機能を操作電源に付与可能にして、バッテリー8cに蓄電可能になっている。
【0030】
このように構成する本発明の信号灯ユニットは、全面表示仕様のFDを用いて、デジタル化した信号表示と操作電源に対して即時対応のバックアップが可能となり、交通制御システムの主管者が補助信号を含めた新規信号の創出を試みることによって、容易にソフトウエア処理を行うことによって新形式の信号を提供する改革が可能となる効果がある。
【0031】
図2は、本発明の、信号灯ユニットの別の実施例を説明するもので、(A)は二信号合成灯装置の実施例を示す平面図、(B)は同じく別の実施例を示す平面図である。
図中の1Fは、正面対向形、1Bは1Fの背中合わせに一体化させた裏面対向形、1Rは1Lの扇状に開角して背中合わせに一体化させた裏面対向形の各FD信号灯を、22は二面対向型FD信号灯の基本型を、22aはその応用型を示す。その他の符号は図1記載の同符号と同じである。なお図1、2に点線括弧内の「上」「下」とは、図示枠を90度回転させて信号灯にする場合の上下位置を示し、実線矢印は、信号表示方向を示す。
【0032】
22、22aは、従来三灯式や一灯式の信号灯を二基、設けるところ、信号灯を一基で代替して、軽量、薄型構造にできるという効果がある。
同図(B)に示す、傾斜配置させた1Rと1Lから成る信号灯は、FDに直射光が当たっても、信号灯に対向して走行する車両への反射光直撃を避ける効果がある。
【0033】
図3は、本発明に係る交通信号灯の信号表示方法を説明するもので、(A)はその信号灯画像表示の実施例を示す前面図、(B)は同じく他の実施例を示す前面図である。
図3(A)に示すのは、信号灯のディスペレイ表示面9に、フレーム画像13を表示し、その画像枠内に従来から単色(赤、青、黄)で描いてきた主信号画像11を表示するように実施例である。同図(B)に示すのは、前記表示面に、主信号画像11と補助画像12の矢印信号をフレーム画像13によって区別し、並記表示した実施例である。なおフレーム画像13は、省略、消去してもよい。なお表示灯表示面9の表示信号の背景色は、任意の強調色、黒色、画像色無しなど、交通制御システム側が任意に定めることができる。
【0034】
このように画像表示を行うことによって、主信号画像11や補助画像12の大きさを、FD信号灯は任意に画像形成できると共に、フレーム画像13を加えることにより、表示信号を車両運転手に強調する効果も得られる。
【0035】
図4は、本発明に係る信号灯ユニットのさらに別の実施例を模式的に説明するもので、4信号合成灯装置の実施例を示す平面図である。
図4に示すように、前記した二面対向形信号灯22を、二組のFD信号灯21で挟んで全体をH形に形成、合計3組の信号装置を一体的に組み合わせて構成した四面対向形信号灯23である。ここに実線矢印は、信号表示方向を示す。なおここに図示しないが、合計二組の二面対向形信号灯23をほぼ直角にL字型に配置して、直交する交差点に敷設する信号灯や、三組以上の二面対向形信号灯装置23をL字二段型に組み合わせた構成装置を設けて、五辻交差点用として信号灯装置一基に纏めることもできる。
【0036】
このような多面対向型信号灯装置は、複雑な一体型信号灯装置の構造体ではないので、信号灯装置の設置場所を一個所確保するのみで信号設置場所は足り、信号表示操作はデジタル情報処理を行うだけ一括して信号表示制御を行えるので、交通制御システムが円滑に運営できる。
【0037】
図5は、本発明に係る信号灯ユニットの他の実施例を説明するもので、(A)は短冊形フラットディスプレイを丸形画面枠に形成した一実施例を示す前面図、(B)は同じく角形画面枠に形成した別の実施例を示す前面図である。
図5(A)には、広幅帯または短冊形FD(以下、短冊形FDという)9nを複数、密着状に配置し、小面積のディスプレイで全体が広い画像を表示できる丸形信号表示面を形成する分割区画単位ディスプレイから成る区画合成型FD一灯式信号灯装置(以下、FD区分形信号灯装置という)24を示す。
同図(B)には、短冊形FD9nを複数、区画スペース4を設けて定間隔で上下に配置して信号表示面を形成するFD区分形信号灯24aを示す。ここに11aから11eまでは主信号画像の単位分画用ディスプレイ画像、12aから12cまでは補助信号画像の単位分画用ディスプレイ画像、13は画枠部の画像を、それぞれ映し出す短冊形FDを示す。
【0038】
以上のように複数の短冊形FDを用いて画像構成をするので、メンテナンス時に映像表示頻度が高い短冊形FDの故障部分を取替易くし、細分化構造にによって単位部品を軽量化させたFD、即座に交換できるので、信号灯維持作業によって生じる交通の渋滞原因を速やかに除去でき、また高度技術のFD量産効果も取り入れ可能になるという効果がある。
【0039】
図6は、本発明に係るディスプレイを分割または多面型に合成して信号灯ユニットに組合せた装置の基本構成を説明し、その実施例を模式的に示すブロック図である。
図5(B)を参照しながら図6を説明する。図6に示すように、FD区分形信号灯装置24、24aに対する信号灯の基本構成は、図1(D)に図示した装置構成の信号灯1に代え、画像表示を短冊形に分割したFD9a、9b、‥、9n、‥毎の画面に行い、それら画面上に主信号画像には11a、11b、‥の画面を、補助画像には12a、12b、‥の画面を配分して、分割表示FDの信号灯全体の表示画像としてデジタル表示情報を読み出して、結果的に明確な画像を結ぶように、画像出力回路18からFDに出力する。ここに図示する実線矢印は、各区分FDに分割した画像出力が画面に送出されることを示す。
【0040】
図6に示す短冊形FD9a、9b、‥の、例えば短冊形FD9aを二面対向型FD信号灯装置の正面対向形信号灯1Fに、同じく短冊形FD9bを同装置の裏面対向形信号灯1Bに置き換えて、信号灯1F、1Bに、連係する全面表示の信号表示データを読み出すようにすれば、図6に示す前記した基本ブロック図は、「分割表示フラットディスプレイ」を「二面表示フラットディスプレイ」と書き換えるだけで、その信号装置の基本構成ブロック図は転用でき、多面対向型信号灯装置22、22a、23に対しても、同じくブロック図転用は有効である。
【0041】
このように、LCD、有機ELD、FEDや類似機能のディスプレイを選択的に適用して形成するFD信号灯装置の基本構成を、図1(D)に倣う図6のブロック構成にすることによって、信号画像表示の、一面型、二面型、多面型などの信号灯装置21ないし23でも、分割表示を行う短冊形FD9a、9bなどにより構成するFD区分形信号灯装置24、24aにおいても、デジタル化した信号情報を扱えるようにしたFD信号灯の構造選定決定は、所定信号の表示操作を容易に、かつ即時に対応できるという効果が得られる。
【0042】
図7は、本発明の、信号灯ユニットを説明するもので、(A)は主信号画像と補助信号画像の組合せ表示の実施例を示す前面図、(B)は補助信号画像の計時変化状況を説明する実施例を示す前面図である。
図7は、図3に説明した信号灯画像表示の実施例を、補助信号画像表示について常時実施できる第二実施例を示すものである。図7(A)には、信号灯1の画面上に主信号画像11と補助信号画像12とを特定した表示枠内に設けることを模式的に示す。この実施例では、同図(B)に示すように、特に、該補助信号画像用の表示枠12内に、ある主信号画像11が表示されてから、次の主信号に切り替わるまでの経過時間tの概要を報知し、残り時間を示す残時表示シンボル16を変化させる。ここに、数個の小丸は点灯/消灯を繰り返す照明を示し、主信号の表示開始時には小丸全てが同時点灯し、経過時間につれて小丸一個づつ消灯して主信号を切り替えるまでの残り時間を報知する。この表示を小丸から棒状照明に代え、変化する棒長や、減数する数字に代えてもよい、
【0043】
この補助信号画像に対する第二実施例による表示は、歩行者には横断可能時間を、信号待ち停止車両には停車終了のタイミングを知らせて、交通安全に資するという効果がある。
【0044】
図8は、本発明に係る、信号灯ユニットに連係させた歩行者監視手段を模式的に説明するブロック図である。
図8は、信号灯を設置する直近の横断歩道やその周辺直前区域にいる歩行者の安全状態を信号操作に反映させる情報を得るために監視区域を仮設し、その区域内に、歩道監視センサ27と、それが検知するセンサ情報とをリアルタイムに有線または無線または信号灯上で得られるカメラのイメージ画像を介して、表示灯の情報処理システム20内のコントローラ5にその情報を取り込むものである。路上には赤外線センサ27を配置する。
【0045】
歩行者監視手段28は、信号指令に反した、または反しそうな状態の道路利用を、未然に警告表示し、信号操作の危険側表示切替前に、切り替えタイミングを遅延させるなどの安全対策実施を信号灯ユニット自体に自動的に行わせる手段を提供するという効果がある。
【0046】
図9は、本発明の、信号灯ユニット間通信に係る実施例を説明するもので、(A)は外部送受信手段との関係を模式的に示すブロック図、(B)は信号灯ユニット間の信号交信範囲の全体像を示す模式図である。
図9(A)に示すのは、一つの信号灯ユニット30が中央の公的施設、総合管理データーベース29を備えた交通信号管理センター31と通信接続された上で、前記信号灯ユニットは、ユニット内のリアルタイム情報受発信手段25とそれと併設する情報処理システム20のコントローラ5を介して、外部にある、同図(B)に示す直近で隣接する信号灯ユニット30aと交信可能状態に通信接続し、ユニット間を連係させる実施例を示す。
同図(B)は、上記した連係関係にある両信号灯ユニット30,30aが、直近同志でしか直接的には連係していない状態をI群として実線リングで囲み、図示している。この連係状態は、信号灯ユニット30aを主体にした場合、該信号灯ユニットは図示右方側に図示する、信号灯ユニット30bとは連係上にあり、両ユニット30a、30bは直接の通信連係状態を保持してII群を形成する。このように直接的な通信連係関係がリンクしながら、III群、IV群、V群を形成して、それら関係付けは、一つのシステムを構成することになる。この家庭にあって、各信号灯ユニット30、‥、30d、‥が、直接的に通信を交信し合うのは、限定された地域範囲に配置する外部信号灯ユニットのみである。
【0047】
図9は、信号灯ユニット30等が、直近の他の交通路の定常的でない交通情報をリアルタイムに検知し得るので、この通信交信手段を、予めコアメモリにインストールしたプログラムを駆使するソフトウエア処理によって、適切な信号灯の操作管理を自動的に行える手段を提供し、かつ前記したリンクして出来上がった通信システムを活用して、広域的な信号管理情報を、交通信号管理センターに遅滞なく集め、分析作業や政策立案などの公的サービスに活用できるという効果がある。。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上説明したように本発明の交通信号灯の信号表示方法は信号情報をデジタル情報化することによって、信号灯ユニットにデジタル情報化可能なフラットディスプレイを適用できるようになったものなので、一般道路の車両交通路ばかりでなく、鉄道交通の踏切信号、広い特殊地域内の専用路交差点、狭隘な港湾内船舶ガイド手段などの交通路制御の自動操作とそのシステムソフトウエアに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る信号灯ユニットの基本構成を模式的に説明するもので、(A)は角形一灯式信号灯を示す前面図、(B)は同じく丸形灯を示す前面図、(C)は(A)のA−A´矢視図、(D)は装置の基本構成の実施例を模式的に示すブロック図である。
【図2】同じく信号灯ユニットの別の実施例を説明するもので、(A)は二信号合成灯装置の実施例を示す平面図、(B)は同じく別の実施例を示す平面図である。
【図3】本発明に係る交通信号灯の信号表示方法を説明するもので、(A)はその信号灯画像表示の実施例を示す前面図、(B)は同じく他の実施例を示す前面図である。
【図4】本発明に係る信号灯ユニットのさらに別の実施例を模式的に説明するもので、4信号合成灯装置の実施例を示す平面図である。
【図5】同じく信号灯ユニットの他の実施例を説明するもので、(A)は短冊形フラットディスプレイを丸形画面枠に形成した一実施例を示す前面図、(B)は同じく角形画面枠に形成した別の実施例を示す前面図である。
【図6】本発明に係るディスプレイを分割または多面型に合成して信号灯ユニットに合成する装置の基本構成を説明し、その実施例を模式的に示すブロック図である。
【図7】本発明に係る信号灯ユニットを説明するもので、(A)は主信号画像と補助信号画像の組合せ表示の実施例を示す前面図、(B)は補助信号画像の計時変化状況を説明する実施例を示す前面図である。
【図8】本発明に係る、信号灯ユニットに連係させた歩行者監視手段を模式的に説明するブロック図である。
【図9】本発明の、信号灯ユニット間通信に係わる実施例を説明するもので、(A)は外部送受信手段との関係を模式的に示すブロック図、(B)は信号灯ユニット間の信号交信範囲の全体像を示す模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通信号管理センター(31)が統合する交通制御信号システム下で、タイミング良く適正で明確な整合した信号指令を行う交通信号灯の信号表示方法において、
信号指令をデジタル情報化した上で、ソフトウエア処理によって信号灯(20、30)の同一画面枠内に、赤、青、黄など色種が示す異種信号指令情報を交替または差し替え表示可能にすると共に、特定単一色の主信号画像(11)を表示する同一画像枠(3)内に、文字、数字や記号を含む補助信号画像(12)を表示できる信号灯(1)大きさに画像面を形成し、所定の交通指令掲出順に、指令情報を表示可能にすることを特徴とする交通信号灯の信号表示方法。
【請求項2】
信号指令の情報データは、付随する補助情報と一種類の特定主信号データとを合わせて一つの情報データファイルに纏め、そうして得た複数のファイルを情報処理システム(20)内にデータベース化して、単独の信号灯または連係する複数の各信号灯(1)に出力表示可能に記憶する情報データをシステム管理させた上で、各信号灯に現に表示中の信号情報に対応して引き続いて表示する特定の信号指令の情報データに対して、信号灯直前に出力バッファ(6a)を付設して、そこに、検索した情報データを予めデータベース格納手段(6)からの転送を可能にするとともに、特定付加補助信号画像(12a)の情報データを受け入れて併行表示可能の出力バッファ(6b)や信号灯(1)が追加的に外部信号情報データを受信してその交通指令情報データを読み出して併行表示可能にするための待機用出力バッファ(6c)とを選択的に付設して、情報処理システム(20)操作によって行う前記出力バッファに対するデータ入出力制御が、瞬時にかつ一括して信号灯(1)への交通指令表示を可能にするようにした請求項1記載の交通信号灯の信号表示方法。
【請求項3】
情報処理システム(20)が、一なる信号灯(1)装置や複数の信号灯装置と連係して、信号表示管理を行える自己完結型信号灯ユニット(30)として構成するとともに、該信号灯ユニットが設置される道路区域と近隣の道路区域に設置される信号灯ユニット(30a、30b、‥)とを含む地域を、一群の信号灯地域ブロックに形成して連係させ、同一郡内で相互にリアルタイムで信号交信可能にする情報処理のシステム構成を形成し、少なくとも一なる信号灯ユニット(30)が、直近の隣接連係灯ユニット(30a)と信号情報データの交信操作を行って、当該信号灯(1)が非常時の信号情報を相互に表示可能にする情報処理システム(20)を構成する請求項2記載の交通信号灯の信号表示方法。
【請求項4】
請求項1記載の信号灯が、デジタルデータ情報表示を単一画面または分割した区画画面に形成するフラットディスプレイ(1)画面上に構成し、そして該画面上の形成画像をソフトウェア処理によってその画面全面に統一的な交通信号指令を画像として表示できる一灯式(1a、1b)であって、情報処理システム(20)が、前記フラットディスプレイと、信号表示情報をメモリから検索し、読み出した情報を画像処理制御して信号表示可能に制御処理して送り出すコントローラ(5)と、複数の所定信号表示情報を格納するデータベース(6)と、信号情報の操作ソフトウエアを記憶するコアメモリ(7a)と、該コアメモリ(7a)とデータベース(6)と外部より受信した情報データをコントローラ(5)に連係するメモリパス(17)と、複数のバッファ(6a、6b、‥)とを含む装置構成の組み合わせで信号灯ユニット(30)を構成することを特徴とする信号灯ユニット。
【請求項5】
信号灯(1)が、そのフラットディスプレイ(1)を表示画面を外側にして走行車両車線に向けて複数の信号灯を組合せる信号合成灯装置(21、22、‥)に形成して、各信号灯が当面する方向への信号指令を、一つの情報処理システム(20)によって表示可能に構成することを特徴とする請求項4記載の信号灯ユニット。
【請求項6】
信号灯ユニットには、信号灯装置の操作電源に給電する汎用の電源回路(8)に、商用電源(8a)以外からの給電を選択できる電源選択制御機能を付与して、夜間商用電力を蓄電するバッテリ(8c)、風力や路面設置型圧電素子を利用する発電装置を自家発電源(8b)として選択可能に設置、構成する請求項4および5記載の信号灯ユニット。
【請求項7】
信号灯(1)を設置する直近の横断歩道ごとに、監視カメラまたは赤外線センサからなる歩道監視センサ(27)を設置して、そのセンサ情報を歩行者監視手段(28)に受け取らせて、監視区域のリアルタイム情報を有線または無線手段により信号灯ユニットの情報処理システム(20)に送信するようにした請求項4および5記載の信号灯ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−163749(P2009−163749A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23076(P2009−23076)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(390002967)有限会社ナツ・コープ (9)
【出願人】(500382679)株式会社サンベスト (4)
【Fターム(参考)】