説明

交通情報クライアントデバイス

【課題】交通情報クライアントデバイスにおいて復号化する交通メッセージの多用性および融通性を改善すること。
【解決手段】交通情報クライアントデバイスとして動作するように構成されている電子デバイスは、交通イベントの位置を識別する位置コードを備え得る交通情報メッセージを受信するように適応されているインタフェース(11)と、メモリ(12)と、該メモリに格納される関係型データベース(20)であって、位置コードを位置情報と直接的または間接的に関連付ける少なくとも1つの関係(120、121)を含む少なくとも第1の組の関係(102)を備える関係型データベース(20)と、処理ユニット(13)であって、該関連付けられた位置情報を該関係型データベース(20)から検索するために、交通情報メッセージと共に受信される位置コードで該関係型データベース(20)を照会するように適応されている処理ユニット(13)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、TMCまたはTPEGクライアントデバイスなどの交通情報クライアントとして動作するように構成された電子デバイスに関し、さらには、本発明は、そのようなデバイスを動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
車両を運転する場合のナビゲーション、とりわけ、配向は、ナビゲーションデバイスの使用によって容易にされ、ナビゲーションデバイスは、一般的に、現在場所を決定するためにグローバルポジショニングシステム(GPS)を使用する。経路選択情報と一緒に、現在場所の指示が可視的出力または音声出力によって使用者に提供される。ナビゲーションデバイスは、通常、使用者または運転者によって入力される目的地への経路が計算され得る基準となる地図データを備える。従来のナビゲーションデバイス上に格納された地図情報は静的であるのみであり、これによって、事故または道路工事に起因してなど、特定の道路が通行不能になるか、または封鎖される場合、この地図情報は、経路決定において考慮されない。
【0003】
この欠点は、どの現在の交通および走行情報(TTI)がナビゲーションデバイスおよび運転者に送達され得るかということによる交通メッセージチャネル(TMC)を導入することによって克服された。TMC上の情報は、一般的に、従来のFMラジオ放送によってデジタル的に符号化され、伝送される。さらに、交通メッセージを伝送する、新たな/追加の標準的方法としてのTPEGプロトコルは、道路状態についての動的な情報をクライアントデバイスに搬送するために使用され得る。TMCまたはTPEGメッセージは、イベントコード(EC)および位置記述を備え、位置記述は、TMCの場合においては位置コード(LC)である(TPEGの場合においては位置コード(LC)であり得る)。TMCまたはTPEGメッセージは、時間制限(または効果持続期間)、メッセージが関係する国についての情報、および同様なものなど、さらなる情報を備え得る。イベントコードおよび位置コードは、クライアントデバイスにおいて、道路網上の特定の交通イベントおよび位置へなど、使用者に発せられ得る情報へ翻訳されなければならない。この目的のために、クライアントデバイスを動作させる(TMCおよび/またはTPEGプロトコルを使用する)交通情報ソフトウェアは、イベントコード表および位置コード表を備える(TMC位置が、TPEGの場合における選定された参照方法である場合)。
【0004】
イベントコード表および位置コード表は、従来のデバイスにおいて、ソフトウェアの一部であるか、またはTMC/TPEGクライアントのデータベース中に格納されるかのいずれかである。これら表は、TMC/TPEGクライアントデバイス上にバイナリラージオブジェクト(BLOb)として格納される。このような構成は、いくつかの不利点を有する。イベントコード表および位置コード表の更新は、困難であり、これら表がソフトウェア中に埋め込まれる場合には、TMC/TPEGクライアントソフトウェアの更新と一緒に発生しなければならず、つまり、クライアントデバイス上で動作しているソフトウェアが更新されるか、または再インストールされる必要がある。同様に、表の更新は、表がデータベース中にBLObとして格納される場合には困難である。プレインストールされたTMC表は、概して、個々のTMC/TPEGクライアントデバイスが販売される市場に対してのみ適切であり、そして、プレインストールされたTMC表は、その製造の時点までのみのTMCイベントコードおよび位置コードを備える。更新の他に、例えば新たな使用者言語でなど、イベントコード表および位置コード表を展開することは困難である。
【0005】
これらの制限に起因して、イベントコード表および位置コード表の機能性が制約される。さらに、これらの表に含まれる情報は、概して、交通メッセージ用の正しい話し言葉出力を再生成することに対して好適ではない。新たな類型の情報もまた、概して、既存の、そして標準化されたイベントコード表および位置コード表に追加され得ない。
【0006】
バイナリラージオブジェクトの形態において表を格納することは、比較的大量の空間をさらに必要とする。表中の情報にアクセスする場合、オブジェクト全体がクライアントデバイスのメインメモリへロードされる必要があり、このことは、大量のメインメモリを必要とし、デバイスの性能を低減する。同様に、データを表から検索する場合に、アクセスが遅い。したがって、現存のTMC/TPEGクライアントデバイスは、幾分非効率的に動作し、更新または新たな情報の追加に関して非常に融通性が利かない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(概要)
したがって、上述された欠点のうちの少なくともいくつかを取り除くことと、交通情報クライアントデバイスにおいて復号化する交通メッセージの多用性および融通性を改善することの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この必要性は、独立請求項の特徴によって満たされる。従属請求項において、本発明の好ましい実施形態が記載される。
【0009】
本発明の第1の局面に従って、交通情報クライアントとして動作するように構成された電子デバイスが提供される。このクライアントデバイスは、交通情報メッセージを受信するように適応されたインタフェースを備え、交通情報メッセージは、交通イベントの位置を識別する位置コードと、メモリと、該メモリ内に格納された関係型データベースとを備える。関係型データベースは、少なくとも1つの関係を含む、少なくとも第1の組の関係を備え、少なくとも1つの関係は、位置コードを位置情報と直接的または間接的に関連付ける。電子デバイスは、処理ユニットをさらに備え、処理ユニットは、関連付けられた位置情報を関係型データベースから検索するために、交通情報メッセージと共に受信された位置コードで関係型データベースを照会するように適応される。
【0010】
本発明の実施形態において、交通情報メッセージは、交通イベントを識別するイベントコードをさらに備え得、関係型データベースは、少なくとも1つの関係を含む第2の組の関係をさらに備え得、少なくとも1つの関係は、イベントコードをイベント情報と直接的または間接的に関連付ける。次いで、処理ユニットは、関連付けられたイベント情報を関係型データベースから検索するために、交通情報メッセージと共に受信されたイベントコードで関係型データベースを照会するように適応され得る。
【0011】
エベントコードおよび/または位置コードを関係型データベース中に格納することによって、対応する情報が容易に更新され得、データベースが容易に拡張され得る。さらに、イベント情報および位置情報は、例えば、情報の類型に従ってなど、関係型データベースのいくつかの関係にわたって分布され得る。必然的に、該少なくとも1つの関係はまた、イベント/位置コードをイベント/位置情報と直接的および間接的に関連付け得る。このようにして、コンパクトなデータベースが達成され得る。データベースを照会する場合、要求された情報を備える関係のみがアクセスされる必要がある。このようにして、記憶空間を節約し、必要とされる作業用メモリの量を低減することが可能であり、データベースからの情報の検索がさらに加速される。処理ユニットのサーチ照会は、イベントコード、位置コード、または両方を含み得、勿論、処理ユニットのサーチ照会は、国コード(cc)、拡張された国コード(ecc)、位置表番号(ltn)、または同様なものなど、さらなる情報を含み得る。
【0012】
実施形態において、位置コードはTMC位置コードであり、電子デバイスは、TMCクライアントまたはTPEGクライアントとして動作するように構成される。したがって、交通情報メッセージは、TMCメッセージまたはTPEGメッセージであり得る。
【0013】
好ましくは、TMCクライアントデバイスとして実装される場合には、関係型データベースは、第1の組の関係および第2の組の関係の両方を備え得る一方、TPEGクライアントデバイスとして実装される場合には、関係型データベースは、例えば、TMC位置参照を可能にするためになど、第1の組の関係のみを備え得る。必然的に、TPEGクライアントデバイスにもまた、両方の組の関係を備える関係型データベースが提供され得る。
【0014】
本発明のさらなる実施形態に従って、第1の組の関係は、複数のレコードを有する第1の関係を備え、複数のレコードは、異なる国々に対する位置コードを有し、異なる国々に対するレコードは、同一の位置コードを備え得、第1の関係は、該第1の関係の各レコードを一意の位置識別子と関連付ける属性を備える。例として、この第1の関係(以下、位置リスト関係とも呼ばれる)の特定のレコードにアクセスするために、サーチ照会は、位置コードと、cc、ltn、および(提供される場合は)eccのうちの1つまたは組合せとを備え得る。そうして、アクセスされたレコードと関連付けられた一意の位置識別子(locId)が、検索され得、3つまたは4つの前述された属性の代わりに、他の関係中のレコードにアクセスするために使用され得る。次いで、さらなる位置情報へのアクセスが容易にされ、加速される。第1の関係の各レコードは、例えば、位置コード、国コード、拡張された国コード(利用可能な場合)、および位置表番号を、一意の位置識別子と関連付け得る。
【0015】
上述された位置コードと位置情報との間の間接的な関連付けは、以下の方法で提供され得る。第1の組の関係は、位置コードを、識別子、好ましくは一意の位置識別子および/または位置名称識別子と関連付ける、第1の関係を備え得、さらに、1つ以上の第2の関係を備え得、1つ以上の第2の関係は、それぞれ、特定の類型の位置情報に対するものであり、識別子を対応する位置情報と関連付ける。識別子はまた、「外部キー」とも称され得、別の関係中のレコードへの参照であり得る。したがって、位置情報を複数の関係に分割することが可能であり、それでも依然として、すべての情報は、位置コードによって直接的または間接的にアクセス可能である。勿論、第1の関係はまた、位置コードをさらなる位置情報と直接的に関連付け得る。第2の関係において、識別子は、主キーとして、または主キーの一部として使用され得る。識別子を第1の関係から検索した後に、識別子は、位置情報を第2の関係から検索するために、サーチ照会において使用され得る。
【0016】
本発明の実施形態において、1つ以上の第2の関係は、エリア位置情報とのエリア位置関係、区画位置情報との区画位置関係、点位置情報との点位置関係、位置名称情報との位置名称関係、位置類型情報との位置類型関係、および座標情報との位置座標関係のうちの少なくとも1つを備える。この構成は、すべてのこれらの類型の情報が単一の関係中に提供される構成と比較して、例えば、区画位置およびエリア位置データフィールドが空であるような点位置に対応する位置コードに対してなど、関係中の空のデータフィールドが回避される利点を有する。情報を複数の関係にわたって分布させることによって、データにアクセスする際の性能がさらに改善され得、必要とされるデータベースの記憶空間が最小化される。
【0017】
例として、第1の関係は、位置コードを位置分類識別子と関連付け得、位置分類識別子は、対応する位置がエリア位置、線状位置、または点位置であるかどうかを示す。次いで、処理ユニットは、関係型データベースを照会することによって、受信された位置コードの位置分類を識別するように適応され得、また、識別された位置分類に依存して、サーチ照会として、識別子、好ましくは一意の位置識別子を使用して、エリア位置関係、区画位置関係、または点位置関係のいずれかから、さらなる位置情報を検索するように適応され得る。位置コードを一意の位置識別子および位置分類識別子と関連付ける第1の関係によって、処理ユニットは、どの第2の関係および第2の関係のどのレコードをアクセスするかを即座に決定し得る。
【0018】
第1の関係、区画位置関係、および/または位置類型関係は、各レコードを位置名称識別子と関連付ける属性を備え得、位置名称関係は、位置名称識別子を位置名称と関連付けるレコードを備える。位置名称識別子は、例えば、位置名称関係の主キー、または主キーの一部である。したがって、すべての位置名称を、例えば、人間が理解可能なテキスト文字列の形態においてなど、単一の関係中に格納することが可能である。すべての他の関係は、位置名称を検索するために、位置名称識別子に対する属性を備える必要があるのみである。このことは、1つのコンパクトな関係が更新される必要があるのみであるから、異なる位置に対して利用可能なテキスト表現の更新または拡張を容易にする。
【0019】
第1の組の関係は、位置コードを、下記の属性のうちの少なくとも1つ以上の組合せと直接的または間接的に関連付ける、エリア位置関係を備え得、ここで、上記属性は、位置コードに対応するエリアがサービス放送エリアであるかどうかを示す属性、および、位置コードに対応するエリアが位置する州の略号を備える属性である。このような略号は、例えば、カリフォルニアに対する「CA」であり得る。
【0020】
第1の組の関係は、さらに、位置コードを、下記の属性のうちの少なくとも1つまたは組合せと直接的または間接的に関連付ける、区画位置関係を備え得、ここで、上記属性は、位置名称識別子、道路名称、位置コードに対応する区画の道路番号のプレフィクス文字列部を備える道路番号プレフィクス、位置コードに対応する区画の道路番号の整数部を備える道路番号属性、位置コードに対応する区画の道路番号のサフィクス文字列部を備える道路番号サフィクスである。
【0021】
このようにして、道路番号(例えば、A9、B2R、または同様なものなど)は、プレフィクス、番号、およびサフィクスの3部に分割され得、このことは、道路番号属性に従った交通メッセージの番号によるソーティング、または、該プレフィクスに対応する道路標識の図形表現上の整数の道路番号の図形的表現を可能にする。
【0022】
第1の組の関係は、さらに、位置コードを、下記の属性のうちの少なくとも1つまたは組合せと直接的または間接的に関連付ける、点コード関係を備え得、ここで、上記属性は、位置コードに対応する点位置のジャンクション名称の番号部を備えるジャンクション番号、位置コードに対応する点位置のジャンクション名称の文字列部を備えるジャンクション番号サフィクス、第1の方向(正の方向)における次の点位置までの道路距離、第2の方向(負の方向)における次の点位置までの道路距離、位置が都市部であるかどうかを示す情報、第1の方向の自動車専用道路に沿った既定の迂回路に対する迂回番号、および第2の方向の自動車専用道路に沿った既定の迂回路に対する迂回番号である。この場合もまた、ジャンクション名称を番号およびサフィクスに分割することによって、ジャンクション番号に従ったソーティングが可能になる。さらには、隣接する点位置までの距離情報を伴うことで、2つの点位置を接続する道路区間に沿った現実の距離が属性中に入力され得るので、2つの点位置間の距離が写実的にモデル化され得る。このことは、交通メッセージによって開始されるナビゲーションデバイスにおける経路コストの計算を改善し得る。
【0023】
第1の組の関係は、さらに、位置コードを、座標、座標分類、およびシーケンス番号と直接的または間接的に関連付ける、位置座標関係を備え得る。座標は、例えば、xおよびy座標、または、WGS 84形式における経度および緯度座標であり得る。関係は、さらに、関係の各レコードを、主キーとして使用される一意の位置識別子およびインデックス番号と関連付ける属性を備え得る。位置の類型(エリア、線状、または点)に依存して、位置は、シーケンス番号によって指定され得る複数の点で記述され得る。位置の類型に依存して(点位置に対しては、記述されるべき具体的な座標に依存して)、いくつかの座標分類がある。すなわち、「AREA」類型は、エリアの外形をポリゴンのいくつかの点で記述する、複数の座標に対して使用され得、「LINE」類型は、(道路または道路の区画などの)線状位置の端点に対して使用され得、5つの類型「CENTRE_POINT」、「POSITIVE_START」、「NEGATIVE_START」、「POSITIVE_END」、「NEGATIVE_END」は、点位置の中心を記述するために使用され得る(例えば、これは、大きな幹線道路交差点に対しては、交差点の地理的中心であり得る)。道路の一端または他端における幹線道路交差点の始まりを記述するために、開始座標が使用され得(したがって、TMCリンケージの正方向および負方向の各々に対して座標類型が提供され得る)、幹線道路交差点の終わりを記述するために、終了座標が使用され得る(この場合も、別個の座標類型を有する両方の道路方向)。
【0024】
第1の組の関係は、さらに、道路番号プレフィクスを優先度と関連付ける道路プレフィクス関係を備え得る。このようにして、特定の類型の道路の優先度を識別することが可能になり、このことは、道路優先度に従ってメッセージリスト中のTMC/TPEGメッセージをソートするために使用され得る。
【0025】
第1の組の関係は、さらに、とりわけ点位置のために、位置コードを、少なくとも第1の一意の位置識別子および第2の一意の位置識別子と直接的または間接的に関連付ける、相互参照関係を備え得る。相互参照関係において、同一の物理的道路上に位置する、点位置の複数の対が格納され得る。したがって、同一の道路の一続きを指すTMC/TPEGメッセージは、たとえ、それらメッセージが異なる点位置に対する位置コードを使用しても、識別され得、メッセージのうちの一方は、冗長な情報の表示を回避するために抑制され得る。
【0026】
さらなる実施形態において、第2の組の関係は、イベントコードをイベントテキストと直接的または間接的に関連付ける、イベント名称関係を備え、該イベント名称関係は、2つ以上の異なる言語において、イベントテキストのためのレコードを備え、該関係は、さらに、各レコードにおいてイベントテキストが提供される言語を識別する属性を備える。好ましくは、イベント名称関係は、イベント名称をイベントテキストと直接的に関連付ける。イベント名称関係は、関係する交通イベントテキストがどの類型の数量詞と結合され得るかを示すための数量詞類型属性など、さらなる属性を備え得る。数えられる要素(例えば温度などの物理的値と対照的に)を記述する、TMCメッセージ中において伝送される数量詞は、単数(伝送される数量詞の値が1)または複数(値が1より大きい)であり得る。さらに、数量詞の値を含有せず送信されるTMCメッセージがあり得る。3つの場合(単数/複数/数量詞なし)の各々に対して、イベントテキストは、クライアントデバイスのテキスト生成モジュールが、挿入された数量詞の値を有するTMCメッセージの整形されたテキスト表現を生み出すことを可能にするために、異なる言い回しを必要とし得る。次いで、イベントコード、数量詞類型、および言語コードは、イベント名称関係のレコードにアクセスするための主キーとして使用され得る。
【0027】
同様に、第1の組の関係は、位置コードを位置名称と直接的または間接的に関連付ける、位置名称関係を備え得、該位置名称関係は、2つ以上の異なる言語において、位置名称のためのレコードを備え、該関係は、さらに、言語コードを有する属性を備え、言語コードは、各レコードにおいて位置名称が提供される言語を識別する。位置コードに対して、関連付けは、好ましくは、間接的なものである。位置名称関係は、例えば、主キーとして、上述された一意の位置識別子および言語コードを使用し得る。位置名称は、テキスト文字列の形態において、位置名称関係中に格納され得る。
【0028】
したがって、関係型データベースは、単に、言語コードを有する対応するレコードを、イベント名称関係および/または位置名称関係に追加することによって、さらなる言語で簡単に拡張され得る。さらには、残りの関係はすべて、言語独立であり得る。このようにして、新たな言語での更新は、これら2つの関係のみに制限され得、これは、時間効率的かつメモリ効率的である。
【0029】
特定の言語においてテキストを検索するために、処理ユニットは、電子デバイスの現在の言語設定、または使用者選好の言語を決定するように適応され得、現在の言語または使用者選好の言語において、イベントテキストまたは位置名称を、それぞれ、イベント名称関係または位置名称関係から検索するために、サーチ照会において対応する言語コードを使用し得る。
【0030】
さらなる実施形態において、イベント名称関係または位置名称関係は、それぞれ、対応するイベントテキストまたは位置名称の音素表現を検索するために、イベントテキストまたは位置名称を音素識別子と関連付け得る。これらの関係は、追加的または代替的に、対応するイベントテキストまたは位置名称の音響表現を検索するために、それぞれ、イベントテキストまたは位置名称を声音識別子と関連付け得る。このようにして、音素識別子および声音識別子は、関係型データベースにおいて提供されるさらなる関係から対応する音素表現または音響表現を検索するために、外部キーとして機能し得る。テキスト文字列に対して、音素表現、または、音声ファイルなどの音響表現までも提供することによって、対応するテキストの話し言葉出力は、有意に強化され得る。
【0031】
第1の組の関係は、なおもさらに、イベントコードを下記の属性のうちの少なくとも1つまたは組合せと関連付けるイベント関係を備え得、ここで、上記属性は、イベントコードと関連付けられたアイコン組を識別するアイコン組識別子、イベントの性質を識別するイベント性質、対応する交通情報メッセージの持続期間の決定のための情報を備える持続期間類型、イベントが交通の一方向または両方向に関係するかどうかを示すデフォルト方向性、イベントの緊急度を示すイベント緊急度、交通イベントの深刻度を示す渋滞分類、クライアントデバイスにおける更新機構によって使用される更新等級、および、イベントと共に使用されることが許される数量詞類型についての指示である。アイコン組識別子は、アイコンについての情報を含有する別の関係への外部キーであり得、アイコンは、TMCクライアントデバイスのディスプレイ上で、交通イベントに対する指示として表示され得る。渋滞分類属性は、適用可能ならば機械可読な形態において、イベントテキストのテキスト的ステートメントを備え得、これによって、渋滞分類属性が、経路選択アプリケーションにおける走行コストの決定のために使用され得る。
【0032】
関係型データベースは、さらに、受信されたTMCメッセージに含まれる国識別子を、下記の属性のうちの少なくとも1つまたは組合せと関連付ける、局リスト関係を備え得、ここで、上記属性は、TMCメッセージを放送する送信者を示す送信者識別子、ラジオ番組を識別する番組識別子、送信者が受信可能である地理的エリアを記述するタイル識別子である。この場合もまた、国識別子は、cc、ecc、およびltnのうちの1つまたは組合せであり得る。TMCメッセージを送信しているラジオ局が受信可能であるエリアは、異なるレベルのタイルによって識別され得る。したがって、局リスト関係によって、どのエリアがTMCメッセージを放送しているどのラジオ局によって提供されているかが識別され得る。
【0033】
本発明のさらなる局面に従って、交通情報クライアントとして動作するように構成された電子デバイスを動作させる方法が提供される。電子デバイスは、交通情報メッセージを受信するためのインタフェースと、位置コードを位置情報と直接的または間接的に関連付ける少なくとも第1の組の関係を備える関係型データベースとを備える。本方法は、交通イベントの位置を識別する位置コードを備える交通情報メッセージをインタフェース上で受信するステップと、サーチ照会として位置コードを使用して関係型データベースを照会するステップと、位置コードと関連付けられた位置情報を関係型データベースから検索するステップとを包含する。
【0034】
本発明の方法で、交通情報クライアントデバイスに関して上記で概説された利点と同様の利点が達成され得る。
【0035】
本発明の実施形態において、関係型データベースは、さらに、少なくとも1つの関係を含む第2の組の関係を備え、少なくとも1つの関係は、イベントコードをイベント情報と直接的または間接的に関連付け、受信された交通情報メッセージは、さらに、交通イベントを識別するイベントコードを備える。本方法は、さらに、サーチ照会としてイベントコードを使用して関係型データベースを照会するステップと、イベントコードと関連付けられたイベント情報を関係型データベースから検索するステップとを包含し得る。
【0036】
本方法は、2つの別個のサーチ照会の使用を包含し得、1つはイベントコードに対して、1つは位置コードに対してである。必然的に、各サーチ照会は、関係型データベース中のレコードを一意に識別するために、cc、ecc、またはltnなどのさらなる情報を備え得る。
【0037】
本発明の方法の実施形態において、電子デバイス、とりわけ、関係型データベースは、交通情報クライアントデバイスの複数の異なる実施形態に関して上述されたように構成される。
【0038】
本発明のさらなる局面に従って、電子的に可読なデータキャリアであって、その上に格納された関係型データベースを備えるデータキャリアが提供される。関係型データベースは、少なくとも1つの関係を含む第1の組の関係を備え、少なくとも1つの関係は、TMC位置コードを位置情報と直接的または間接的に関連付ける。
【0039】
実施形態において、関係型データベースは、さらに、少なくとも1つの関係を含む第2の組の関係を備え、少なくとも1つの関係は、イベントコードを、イベント情報、とりわけTMCイベントコードと直接的または間接的に関連付ける。さらなる実施形態において、データキャリア上に格納された関係型データベースは、交通情報クライアントデバイスの複数の実施形態のうちのいずれかに関して上述されたように構成される。
【0040】
上述された本発明の複数の局面および実施形態の特徴、ならびに、以下にさらに説明される同特徴は、示されるそれぞれの組合せにおいてのみならず、本発明の範囲を逸脱することなく、他の組合せにおいても、または単独でも使用され得る。
【0041】
以上により、本発明は、例えば以下の項目を提供する。
【0042】
(項目1)
交通情報クライアントデバイスとして動作するように構成されている電子デバイスであって、
交通情報メッセージを受信するように適応されているインタフェース(11)であって、交通情報メッセージは、交通イベントの位置を識別する位置コードを備え得る、インタフェース(11)と、
メモリ(12)と、
該メモリに格納される関係型データベース(20)であって、該関係型データベース(20)は、少なくとも1つの関係(120、121)を含む、少なくとも第1の組の関係(102)を備え、該少なくとも1つの関係(120、121)は、位置コードを位置情報と直接的または間接的に関連付ける、関係型データベース(20)と、
処理ユニット(13)であって、該関連付けられた位置情報を該関係型データベース(20)から検索するために、交通情報メッセージと共に受信される位置コードで該関係型データベース(20)を照会するように適応されている処理ユニット(13)と
を備えている、電子デバイス。
【0043】
(項目2)
交通情報メッセージは、交通イベントを識別するイベントコードをさらに備え得、上記関係型データベースは、少なくとも1つの関係(110、111)を含む第2の組の関係(101)をさらに備え、該少なくとも1つの関係(110、111)は、イベントコードをイベント情報と直接的または間接的に関連付け、
上記処理ユニットは、該関連付けられたイベント情報を該関係型データベース(20)から検索するために、交通情報メッセージと共に受信されるイベントコードで該関係型データベース(20)を照会するように適応されている、上記項目のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【0044】
(項目3)
上記第1の組の関係は、複数のレコードを有する第1の関係(120)を備え、該複数のレコードは、異なる国々に対する位置コードを有し、異なる国々に対する該レコードは、同一の位置コードを備え得、該第1の関係は、該第1の関係の各レコードを一意の位置識別子と関連付ける属性を備える、上記項目のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【0045】
(項目4)
上記第1の組の関係は、第1の関係(120)と、1つ以上の第2の関係(121、123、124、125)とを備え、該第1の関係(120)は、上記位置コードを、識別子、好ましくは、一意の位置識別子および/または位置名称識別子と関連付け、該1つ以上の第2の関係(121、123、124、125)は、それぞれ、特定の類型の位置情報に対して、該識別子を対応する該位置情報と関連付け、これによって、該第1の関係(120)は、該位置情報との間接的な関連付けを提供する、上記項目のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【0046】
(項目5)
上記1つ以上の第2の関係(121、122、123、124、125、126)は、
エリア位置情報を有するエリア位置関係(123)と、
区画位置情報を有する区画位置関係(124)と、
点位置情報を有する点位置関係(125)と、
位置名称情報を有する位置名称関係(121)と、
位置類型情報を有する位置類型関係(122)と、
座標情報を有する位置座標関係(126)と
のうちの少なくとも1つの関係を備える、上記項目のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【0047】
(項目6)
上記第1の関係(120)は、上記位置コードを位置分類識別子と関連付け、該位置分類識別子は、対応する位置がエリア位置、線状位置、または点位置であるかどうかを示し、
上記処理ユニット(13)は、上記関係型データベース(20)を照会することによって、受信された位置コードの位置分類を識別するように適応され、かつ、該識別された位置分類に依存して、サーチ照会として、該識別子、好ましくは上記一意の位置識別子を使用して、上記エリア位置関係(123)、上記区画位置関係(124)、または上記点位置関係(125)のいずれかから、さらなる位置情報を検索するように適応されている、上記項目のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【0048】
(項目7)
上記第1の関係(120)、上記区画位置関係(124)、および/または上記位置類型関係(122)は、各レコードを位置名称識別子と関連付ける属性を備え、上記位置名称関係(121)は、該位置名称識別子を位置名称と関連付けるレコードを備える、上記項目のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【0049】
(項目8)
上記第1の組の関係(102)は、エリア位置関係(123)を備え、該エリア位置関係(123)は、位置コードを、
該位置コードに対応するエリアがサービス放送エリアであるかどうかを示す属性と、
該位置コードに対応するエリアが位置する州の略号を備える属性と
のうちの少なくとも1つまたは組合せと直接的または間接的に関連付ける、上記項目のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【0050】
(項目9)
上記第2の組の関係(101)は、イベントコードをイベントテキストと直接的または間接的に関連付けるイベント名称関係(111)を備え、該イベント名称関係(111)は、2つ以上の異なる言語において、該イベントテキストのためのレコードを備え、該関係は、言語コードを有する属性をさらに備え、該言語コードは、各レコードにおいて該イベントテキストが提供される言語を識別する、上記項目のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【0051】
(項目10)
上記第1の組の関係(102)は、位置コードを位置名称と直接的または間接的に関連付ける位置名称関係(121)を備え、該位置名称関係は、2つ以上の異なる言語において、該位置名称のためのレコードを備え、該関係は、言語コードを有する属性をさらに備え、該言語コードは、各レコードにおいて該位置名称が提供される言語を識別する、上記項目のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【0052】
(項目11)
上記イベント名称関係(111)または上記位置名称関係(121)は、それぞれ、対応する上記イベントテキストまたは上記位置名称の音素表現を検索するために、該イベントテキストまたは該位置名称を音素識別子とさらに関連付け、かつ/あるいは、それぞれ、対応する該イベントテキストまたは該位置名称の音響表現を検索するために、該イベントテキストまたは該位置名称を声音識別子とさらに関連付ける、上記項目のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【0053】
(項目12)
上記第2の組の関係(101)は、イベント関係(110)を備え、該イベント関係(110)は、上記イベントコードを、
イベントコードと関連付けられたアイコン組を識別するアイコン組識別子と、
上記イベントの性質を識別するイベント性質と、
対応するTMCメッセージの持続期間の決定のための情報を備える持続期間類型と、
該イベントが交通の一方向または両方向に関係するかどうかを示すデフォルト方向性と、
該イベントの緊急度を示すイベント緊急度と、
該交通イベントの深刻度を示す渋滞分類と、
該イベントの更新等級を識別する更新等級と、
該イベントと結合されることが許される数量詞の類型を示す数量詞類型と
のうちの少なくとも1つの属性またはこれら属性の組合せと直接的または間接的に関連付ける、上記項目のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【0054】
(項目13)
上記関係型データベース(20)は、局リスト関係(103)をさらに備え、該局リスト関係(103)は、受信されたTMCメッセージ中に含まれる国識別子を、
TMCメッセージを放送する送信者を示す送信者識別子と、
ラジオ番組を識別する番組識別子と、
該送信者が受信可能である地理的エリアを記述するタイル識別子と
のうちの少なくとも1つの属性またはこれら属性の組合せと関連付ける、上記項目のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【0055】
(項目14)
上記位置コードはTMC位置コードであり、上記電子デバイスは、TMCクライアントまたはTPEGクライアントとして動作するように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【0056】
(項目15)
交通情報クライアントとして動作するように構成された電子デバイス(10)を動作させる方法であって、該電子デバイス(10)は、交通情報メッセージを受信するためのインタフェース(11)と、少なくとも第1の組の関係(102)を備える関係型データベース(20)とを備え、該第1の組の関係(102)は、位置コードを位置情報と直接的または間接的に関連付ける少なくとも1つの関係(120、121)を含み、該方法は、
交通イベントの位置を識別する位置コードを備える交通情報メッセージを該インタフェース(11)上で受信するステップと、
サーチ照会として該位置コードを使用して該関係型データベース(20)を照会するステップと、
該位置コードと関連付けられた位置情報を該関係型データベース(20)から検索するステップと
を包含する、方法。
【0057】
(項目16)
上記電子デバイスは、上記項目のうちのいずれかに従って構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0058】
(項目17)
電子的に可読なデータキャリアであって、該データキャリアは、該データキャリア上に格納された関係型データベースを備え、該関係型データベース(20)は、少なくとも1つの関係(120、121)を含む、少なくとも第1の組の関係(102)を備え、該少なくとも1つの関係(120、121)は、位置コードを位置情報と直接的または間接的に関連付ける、電子的に可読なデータキャリア。
【0059】
(項目18)
上記関係型データベース(20)は、上記項目のうちのいずれかに従って構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の電子的に可読なデータキャリア。
【0060】
(摘要)
本発明は、交通情報クライアントとして動作するように構成された電子デバイスを提供する。交通情報クライアントデバイスは、交通情報メッセージを受信するように適応されたインタフェースを備え、交通情報メッセージは、交通イベントの位置を識別する位置コードを備え得る。交通情報クライアントデバイスは、さらに、メモリと、該メモリに格納された関係型データベースとを備え、関係型データベースは、少なくとも1つの関係を含む、少なくとも第1の組の関係を備え、少なくとも1つの関係は、位置コードを位置情報と直接的または間接的に関連付ける。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明の前記および他の特徴ならびに利点は、添付の図面と共に読まれると、以下の例示的実施形態の詳細な説明からさらに明白になろう。
【図1】図1は、本発明の実施形態に従うTMCクライアントデバイスを図示する概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に従う関係型データベースの複数の関係を概略的に図示する。
【図3】図3は、図2の実施形態に従う関係型データベースのさらなる関係を概略的に図示する。
【図4】図4は、本発明の実施形態に従う方法を図示するフロー図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態に従う方法を図示するフロー図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態に従う関係型データベースの更新を図示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下において、本発明の実施形態は、添付の図面を参照して詳細に説明される。以下の実施形態の説明は、例示の目的のためにのみ供され、限定的な意味にとられるべきではないことを理解されたい。図面は、概略の表現であるようにのみ見なされるべきであり、図面中の複数の要素は、必ずしも互いにスケールを決める必要はない。図面中に示された物理的もしくは機能的なブロック、または、物理的もしくは機能的なユニットは、必ずしも物理的に別個のユニットとして実装される必要はないが、示されるか、または説明されるブロックもしくはユニットは、別個のユニット、回路、チップ、または回路要素として実装され得るか、あるいは、共通の回路、チップ、回路要素、またはユニットとしても同様に実装され得る。
【0063】
以下において、TMCメッセージを受信するTMCクライアントデバイスに対して参照がなされるが、この説明は、本発明に対して明らかに非制限的であり、TPEGメッセージを受信するTPEGクライアントデバイスなど、任意の類型の交通情報クライアントデバイスが本発明によって網羅されることを留意されたい。とりわけ、TMCメッセージと共に受信される位置コードの処理に関して以下に供される説明は、TMC位置参照を使用するTPEGクライアントデバイスにおいて、TPEGメッセージと共に受信される位置コードの処理に対して同等に適用可能である。
【0064】
図1は、本発明の実施形態に従う交通情報クライアントデバイス10の概略ブロック図を示す。交通情報クライアントデバイス10は、TMCまたはTPEGクライアントとして動作するように適応され得、とりわけ、交通情報クライアントデバイス10は、TMCメッセージおよび/またはTPEGメッセージを受信もしくは解釈するように適応される。受信されたTMCメッセージまたはTPEGメッセージに含まれる情報は、交通情報クライアントデバイス10によって処理され、デバイスの使用者に提示される。以下において、TMCクライアントデバイスとしてのデバイス10の実装が説明されるが、この説明は、TPEGクライアントデバイスおよびTPEGメッセージに対して等しく適用可能であることが明らかであろう。
【0065】
TMCクライアントデバイス10は、受信ユニット11を備え、受信ユニット11は、TMCメッセージを受信するためのインタフェースを提供するように適応される。TMCメッセージは、概して、FM放送を使用して伝送され、該メッセージは、FMラジオデータシステム(RDS)を使用してデジタル的に符号化される。したがって、受信ユニット11は、RDSが有効にされたFM受信器を備え得る。従来のFMラジオ放送以外に、TMCメッセージはまた、デジタル音声放送(DAB)上で、または衛星ラジオ上で伝送され得る。したがって、受信ユニット11はまた、これらのチャネル上でTMCメッセージを受信するように適応され得る。他の実施形態において、受信ユニット11は、TMCメッセージを、そのようなメッセージを提供する任意のソースから受信するように適応される。TPEGデバイスとして実装される場合、受信ユニット11は、TPEGメッセージを受信するように適応され得、TPEGメッセージは、デジタル放送(例えばDAB)またはセルラー/インターネット接続などの二地点間接続を使用して伝送される。しかしながら、一般的に、TPEGはベアラ独立であるように設計されるので、任意のデジタルベアラが使用され得、したがって、任意の類型のTPEGメッセージが受信ユニット11によって受信され得る。
【0066】
TMCクライアントデバイス10は、さらに、受信されたTMCメッセージを処理するように適応される処理ユニット13を備える。処理ユニット13は、メモリ12に格納された制御プログラムに従って、TMCクライアントデバイス10の動作を制御する。処理ユニット13は、汎用または専用のマイクロプロセッサもしくは1つ以上のデジタル信号プロセッサ、あるいは特定用途向け集積回路の形態において、単一または複数のマイクロプロセッサとして実装され得る。メモリ12は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、またはハードドライブなど、あらゆる形態のメモリを備え得る。これらの類型のメモリのうちのいくつかは、フラッシュメモリカードまたは同等物など、デバイス10から取り外し可能であり得る。
【0067】
処理ユニット13は、機能ユニット25および26を備え、機能ユニット25および26は、例えば、処理ユニット13上で走行するソフトウェアコード部分として実装され得る。検索ユニット25は、着信するTMCメッセージを、その中に含まれる情報について解析するように適応され、このような情報は、TMCイベントコード(TPEGメッセージの場合はTPEGコード、本特許の部分ではない)、TMC位置コード、国コード(cc)、拡張された国コード(ecc)(供給される場合)、位置表番号(ltn)、イベント識別子、位置オフセット、方向、および同様なものなどである。TPEGクライアントデバイスとして実装される場合、検索ユニット25は、受信されたTPEGメッセージ中に含まれるTMC位置コンテナから、cc、ecc(供給される場合)、およびltnのみならず、TMC位置コードを抽出し得、さらに、TPEGメッセージからTPEGイベントコードおよび同様なものを抽出し得る。
【0068】
検索ユニット25は、受信されたTMCメッセージから抽出された情報からサーチ照会を構成し、対応するイベント情報または位置情報を検索するために、このサーチ照会を使用して、メモリ12に格納された関係型データベース20を照会する。データベース20から検索された情報から、処理ユニット30は、図形的メッセージまたはテキストメッセージを組立て、これらメッセージは、ディスプレイ15によってTMCクライアントデバイス10の使用者に発せられ得る。他の実施形態において、拡声器(示されていない)によってTMCクライアントデバイス10の使用者に発せられる声音メッセージがコンパイルされる。
【0069】
受信されるTMCメッセージは、TMC規格(例えば、ALERT C規格、またはISO 14819)において規定されるように、任意の情報を備え得る。受信されたTMCメッセージを復号化する場合、処理ユニット13は、対応する交通イベントの類型および場所を識別する必要がある。交通イベントの類型は、イベントコードによって識別される。このような類型は、例えば、「静止した交通」、「列をなしている交通」、「ゆっくりとした交通」、または同様なものであり得る。TMCメッセージ中に含まれる位置コードは、交通イベントの位置を識別し、そして、対応する位置表を使用することによって復号化され得る。異なる国々に対する位置表は、同一の位置コードを備え得るので、国および使用されるべき位置表を一意に識別するために、追加の値cc、ecc、およびltnが使用される。次いで、交通渋滞の開始場所および終了場所は、交通渋滞の開始している場所を識別する位置コードと、交通渋滞の延びを識別する方向およびオフセットとから識別され得る。処理ユニット13は、対応する情報を関係型データベース20から検索し、「ミュンヘンとミュンヘン空港との間で4kmの列をなしている交通」などの対応するメッセージを発するように適応される。
【0070】
受信されるTPEGメッセージは、TPEG規格(ISO 18234シリーズまたはISO 21219シリーズ)において規定されるように、任意の情報を備え得る。TPEGメッセージの位置内容は、それがTMC位置参照を使用する場合、TMCメッセージの位置部に類似する手法において処理される。
【0071】
従来のシステムにおいて、イベント表および位置表は、TMCまたはTPEGクライアントソフトウェア内に含まれ、バイナリラージオブジェクトの形態において格納されるが、本発明は、イベント情報および位置情報を備える関係型データベース20を提供する。関係型データベース20の可能な実装は、図2および図3に関連して、以下に説明される。
【0072】
関係型データベース20は、少なくとも、位置情報を備える第1の組の関係102(図3)と、イベント情報を備える第2の組の関係101(図2)とを備える。一般的に、両方の組の関係がTMCクライアントデバイスにおいて提供されるが、TPEGクライアントデバイスは、TMC位置参照のために、第1の組の関係のみを備え得る。さらに、TPEGクライアントデバイスはまた、TPEGイベントコードをイベント情報と関連付ける第2の組の関係を有するデータベースを備え得、以下に供される説明が、必要な変更を伴って適用可能である。
【0073】
図2および図3において、関係は、矩形によって図示され、参照符号によって表記される。各関係は、第1行に関係の名称を備える。次の組の行において、主キー(PK)として使用され得る関係の属性が識別される。第3の組の行は、関係のさらなる属性を備える。本実施形態において必須である各関係のさらなる属性は、太字フォントで表される一方、随意的な属性は、通常フォントで複写されている。他の実施形態において、他の属性が必須または随意であり得ることは明確であろう。関係は、外部キーを有する属性を備え得、外部キーは、別の関係中のレコードを識別するために使用され得る。これは、関係間の線によって図示され、線が向かって接続する関係の中のレコードにアクセスするための外部キーを示す。これは、後で詳細に説明される。
【0074】
第2の組の関係101は、イベントコードをイベント情報と直接的に関連付ける2つの関係110および111を備える。他の実施形態において、唯一のこのような関係が提供され得るか、または、イベントコードをイベント情報と間接的に関連付ける関係が提供され得る。
【0075】
イベント関係110は、主キー(PK)として使用されるイベントコードを、以下に詳述されるイベント情報を備えるいくつかの属性と直接的に関連付ける。各関係は、表として想定され得、このような表は、表の列を形成する属性と、行を形成する関係の(タプルまたはリレーションシップとも呼ばれる)レコードとを有する。各レコードまたは各表の行は、主キーによって一意に識別され得る。したがって、主キーが供されると、関係または表の残りの属性の値は、主キーによって識別されたレコードから検索され得る。
【0076】
TMCイベント関係110は、各イベントコードに対して、テキストおよび追加の情報を備え、テキストおよび追加の情報は、例えば、メッセージ管理のために使用され得る。主キーeventCodeは、TMCメッセージ中において受信される場合のイベントコードである。属性iconSetIdは、アイコン組識別子を備え、アイコン組識別子は、ナビゲーションデバイスのディスプレイ上に表示され得るアイコンについての情報を含有する別個の表(示されていない)へのリンクである。各交通イベントに対して、アイコンの一類型が別個の表において提供され得る(例えば、交通イベント「交通渋滞」に対する、赤い枠を有する三角形の中に表示されたいくつかの自動車)。TMCクライアントデバイスのディスプレイ上において、サイズ、色(例えば、昼間アイコンまたは夜間アイコン)などが異なり得る「交通渋滞」アイコンのいくつかの出現があり得るので、組全体のアイコンが各交通イベントに割当てられる。現在時刻またはディスプレイサイズなどのさらなる情報を使用して、適切なアイコンが検索され得る。
【0077】
関係110は、属性jamCategoryをさらに備え、属性jamCategoryは、機械可読な形態において、「重度の交通」または「ゆっくりとした交通」など、イベントコードに対応するイベントテキストのテキスト的ステートメントを記述する。これらステートメントは、TMCクライアントデバイス10の経路選択ユニット(示されていない)に提供され得るか、または、この経路選択ユニットによって検索され得る。このようなユニットが開始点から目的地までの経路を決定する場合、ユニットは、それぞれの道路区画に対する経路選択コストを決定するために、渋滞分類を考慮し得る。イベントコードと関連付けられたイベントテキストは、交通渋滞に関係した情報をテキスト文字列としてのみ供するが、渋滞分類属性は、この情報を直接的に数字形式において提供し得、時間を費やすイベントテキストの言語依存解析を回避する。
【0078】
関係110は、イベントコードをイベント情報と関連付ける、いくつかのさらなる属性を備える。これらは、交通イベントの性質を記述するイベント性質属性、数量詞の類型を決定する許容された数量詞類型属性を含み、許容された数量詞類型属性は、ゆっくりと動く交通の平均速度など、イベントコードと共に使用され得る。durationType属性は、メッセージの持続期間を決定し、TMCクライアントデバイスによって、(例えば、特定の交通イベントの持続性など)メッセージ管理のために使用され得る。例として、「D」は、短い持続期間の動的イベントを指示し得、「L」は、より長く継続するイベントを指示し得る。コードが括弧内に置かれる場合、持続期間情報は、本実施形態におけるクライアントデバイスの使用者に提示されない。
【0079】
さらなる属性が、交通イベントが一方向もしくは両方向に関連しているかどうかを示すdefaultDirectionality、イベントの緊急度、またはupdateClassを備え、updateClassは、TMCクライアントデバイスによるメッセージ管理のための更新機構によって使用される。
【0080】
イベント名称関係111は、イベントコードをイベントテキストと直接的に関連付ける。同一のイベントコードに対して、対応するイベントテキストが、関係111中に異なる言語において提供される。したがって、属性languageCodeは、属性eventCodeと一緒に、主キーとして使用される必要がある。さらに、イベントテキストは、数量詞を有さずに、単数の数量詞に対して、または1より大きい数量詞に対して、提供され得る。したがって、「quantifier」属性は、交通イベントテキストがどの類型の数量詞に対して検索されるべきかを示すために、主キーにおいて使用される。複数形の形態に対して、イベントテキストは、例えば、プレースホルダを備え得る。単数形/複数形の形態に対して格納されるイベントテキストは、例えば、「(1台/Q台)の重量のあるトラックを巻き込む事故」などであり得る。3の数量詞に対しては、イベントテキストは「3台の重量のあるトラックを巻き込む事故」と読み得る。単数形の形態に対しては、イベントテキストは「1台の重量のあるトラックを巻き込む事故」と読み得る。
【0081】
イベントテキスト中の固定コード化された値は、例えば、番号を「$」文字の間に置くことによってなど、特別な手法においてマークされ得る。
【0082】
イベントテキストが数量詞プレースホルダを含有する場合、数量詞プレースホルダもまた、特別な文字によってマークされ、特別な文字は、実際の値および数量詞の単位によって置換され得る。例として、イベントコード「108」は、イベントテキスト「($Q$の平均速度で)列をなしている交通」と関連付けられ得、$Q$は、数量詞が提供される場合は、数量詞で置換される。提供されない場合は、括弧内のテキストは、対応するテキストメッセージを表示する際に除去される。
【0083】
さらなる属性phonemeIdは、音素識別子を備え、音素識別子は、関連付けられたイベントテキスト文字列の音素表現を含有する表のレコードを参照する。これは、話し言葉出力の品質を強化するために使用され得る。同様に、属性voiceIdは、声音識別子を備え、声音識別子は、事前録音された声音出力を備える表の中のエントリを参照する。事前録音された声音出力は、例えば、mp3ファイルであり得、mp3ファイルは、対応する交通メッセージを使用者に提供するために、mp3復号器によって再生され得る。これらの属性は、随意であり、いくつかのレコードに対しては空(void)であり得ることが明確であろう。
【0084】
関係112は、TMC補足情報リストを備える。関係112は、TMCメッセージと共に受信される場合の補足情報コードを、対応する情報を有するテキスト文字列を備えるテキスト属性と関連付ける。この場合もまた、テキストは、異なる複数の言語に対して提供され得、これによって、言語コードは、補足情報コードと一緒に主キーとして使用される。関係111に関して上述されたように、関係112は、さらに、音素識別子(phonemeId)および声音識別子(voiceId)のための属性を備え得る。
【0085】
関係113は、TMCイベントのバージョン番号を保持する。本実施形態において、すべてのイベントコードが同一のバージョンである。一般的に、TMCイベントコードの複数のバージョンを保持することは必要とされない。
【0086】
図3は、位置コードを位置情報と直接的または間接的に関連付ける関係を備える、第1の組の関係102を示す。組102は、位置コードを位置情報と直接的および間接的に関連付ける関係120を備える。位置リスト関係120の各レコードは、属性cc(国コード)、ecc(拡張された国コード)、ltn(位置表番号)、およびlocCode(位置コード)によって一意に識別され得る。したがって、これらの属性は、特定のレコードを関係120から検索するために、サーチ照会として使用され得る。関連付けられた関係において、レコードの識別を容易にするために、かつ、レコードへのアクセスをさらに加速するために、各レコードに対する一意の位置識別子を備えるlocId属性が提供される。この一意の識別子は、サロゲート(surrogate)キーに相当し、代用キーは、関係120において主キーとして使用される。
【0087】
次いで、関係120は、たとえ、異なる国々が同一の位置コードを使用する場合でも、これら異なる国々に対する位置コードを備える。各国は、2つ以上の位置表を確保し得るので(対応するltn値の範囲は、TMC基準において規定される)、属性ltnは、位置を全世界ベースで一意に識別するために、locCode、ccおよびeccと一緒に使用され得る。各位置に対して、情報は、各レコードにおいて、位置分類(locCategory)、位置類型(locType)、および位置副類型(locSubtype)について提供される。locCategory属性は、位置が、エリア、線状(区画とも呼ばれる)、または点位置であるかどうかを示す。locationTypeは、例えば、ジャンクションまたは同様なものなどであり得る。副類型は、例えば自動車専用道路の出口の形態におけるジャンクションなど、位置類型をさらに指定する。これらの属性の値は、主キーlocId、または、4つの属性cc、ecc、ltn、およびlocCodeのどちらかで関係120を照会する場合に検索され得る。データベース20によって返される結果の一例は「P1.4]であり得、ここで、「P」は点位置を示し、「1」は類型「ジャンクション」を示し、「4」は自動車専用道路の出口を示す。
【0088】
さらなる属性posOffsetLocIdおよびnegOffsetLocIdは、位置リスト関係120に従って、それぞれ、正方向または負方向における次の位置に対する一意の位置識別子を備える。これらの属性はまた、無(null)または空(void)であり得る。このようにして、先行または後続する位置が容易に識別され得る。
【0089】
属性parentAreaIdおよびparentSegmentIdは、階層内のより高位の位置のために、それぞれ、エリア位置および区画位置に対する一意の位置識別子を備える。このことは、自動車専用道路の出口などの点位置が位置する道路区画を識別するために有利であり得る。このことは、特に、位置の名称が位置を曖昧さ無く記述するのに十分ではない状況に対して有利であり、これによって、階層内のより高位のエリアまたは区画が必要とされる。一例は、「Bahnhofstrasse」、「in Neumarkt」、および「in der Oberpfalz」であり、異なる階層の3つの名称のみで位置を曖昧さ無く記述する。
【0090】
firstNameId属性は、位置名称識別子を備え、位置名称識別子は、TMC名称関係121中のレコードを参照し、しかるに、外部キーに相当する。このことは、関係120と関係121との間の矢印によって示される。したがって、これらの関係は、位置コードと位置名称との間の間接的な関連付けを提供する。関係121は、すべての位置名称をテキスト文字列の形態において保持する。この場合もまた、同一の位置名称識別子(属性「id」)に対して複数のレコードが存在するように、名称が異なる複数の言語で提供される。したがって、属性「id」および「languageCode」は、主キーとして使用される。属性「name」は、それぞれの言語における位置名称のテキスト文字列を備える。関係111を参照して上述されたように、関係121は、音素識別子属性および声音識別子属性を備え、音素識別子属性および声音識別子属性は、それぞれ、位置名称の音素表現、または、位置名称に対する事前録音された声音データを備える、対応するレコードを参照する。いくつかの名称は、追加情報なしでは、テキストから話し言葉へのエンジンによって正しく発音されることができないので(例えば英国レスター(Leicester))、そのような音素情報は、位置名称に対して特に有用である。
【0091】
すべてのテキスト文字列を別個の関係111または121中に提供することによって、テキスト文字列が容易に更新され得、新たな言語が追加され得る。対応する関係は、単に、対応する言語におけるイベントテキストまたは位置名称を備える追加のレコードで展開される必要がある。次いで、処理ユニットによって識別された言語コードが、対応する言語におけるテキストを検索するために使用され得る。さらには、残りの関係は、完全に言語独立に維持され得、残りの関係の構造を単純化し、残りの構造に含まれるレコードへのアクセスを加速する。
【0092】
エリア、区画、または点位置に特有の情報に対して、それぞれ、3つの別個の関係123、124、および125が提供される。この場合もまた、これらの関係に含まれる位置情報は、一意の位置識別子(locId)によって位置コードと関連付けられる。locId属性は、これら3つの関係に対する主キーとして使用される。このことは、例えば、点位置のレコードにおける区画位置に特有の属性に対してなど、空のデータフィールドが回避されるので、データベースをよりコンパクトに表し、記憶空間を節約する。
【0093】
エリア位置関係123は、locIdを、エリアが放送サービスエリアであるかどうかを示す属性と関連付ける。この情報は、例えば、米国に対して利用可能であり、また、この情報は、TMCクライアントデバイス10のチューナの局選択方略のために有用であり得る。属性略号は、例えば、カリフォルニアに対する「CA」など、エリアに対応する州の略号を識別する。これは、TMCクライアントデバイスのディスプレイ上の交通メッセージのテキスト的表現の一部であり得る。
【0094】
区画位置関係124は、区画位置のlocIdを位置名称識別子(secondNameId)と関連付け、位置名称識別子(secondNameId)は、(言語コードと一緒に)位置名称関係121中のレコードを参照する。firstNameId(関係120)およびsecondNameIdは、例えば、「シュトゥットガルト」と「ミュンヘン」との間のA8など、道路区画の開始点および終了点を指す。属性roadNameIdは、道路名称を検索するための識別子を備える。道路名称は、一般的に、「Bahnhofsstrasse」などのテキスト文字列として規定される。
【0095】
本実施形態において、「A8」などの道路番号は、3つの部、すなわち、プレフィクス文字列(roadNumberPrefixId属性)、整数道路番号(roadNumber属性)、およびサフィクス文字列(roadNumberSuffix属性)に分割される。例として、番号「B62N」を有する道路は、「B」+「62」+「N」に分割される。このことは、特に、ナビゲーションアプリケーションと組合せて使用される場合に有利である。交通情報メッセージを表示する交通情報リストは、整数道路番号によって容易に数値的に格納され得る。さらには、道路番号の図形的表現において、ドイツの「Bundesstrasse」に対して黒い縁(boarder)を有する黄色い標識など、プレフィクスは、整数道路番号が表されるビットマップによって置き換えられ得る。このようにして、プレフィクス情報は、ビットマップの形態において提示される。属性roadNumberStringは、道路番号が、プレフィクス+整数道路番号+サフィクスのパターンに当てはまらない場合に対して、フォールバックとして使用される。
【0096】
関係124において、プレフィクスは、関係127中のレコードを参照する属性roadNumberPrefixIdによって間接的に提供される。この関係は、各プレフィクス識別子を優先度および実際のプレフィクスと関連付ける。これは、各国に対して行われ得る。ドイツに対する例としては、道路番号プレフィクス「A」(Autobahn)は、最も高い優先度と関連付けられ得、プレフィクス「B」(Bundesstrasse)は、次のより低い優先度と関連付けられ得るなどである。したがって、第1の評価基準としてのプレフィクス優先度、および第2の評価基準としての道路番号によって、クライアントデバイスのディスプレイ15上の交通情報メッセージリストをソートすることが可能である。このようなソートされたリストの例は、A1,A10,B2,B11であり得、それぞれの交通情報が道路番号の後に表示される。
【0097】
同様な手法において、点位置関係125は、一意の位置識別子をjunctionNumber属性およびjunctionNumberSuffix属性と関連付け、これら属性によって、ジャンクション名称は、整数番号と文字列とに分割される。これによって、番号によるジャンクションのソートと、より直観的な図形的表現におけるジャンクションの表示とが可能になる。点位置間の距離は、一般的に、それらの座標を使用して計算される。関係125は、さらに、distanceToPosOffsetLoc属性およびdistanceToNegOffsetLoc属性を備え、これら属性は、正方向または負方向における隣接する点位置までの道路距離を供する。この道路距離は、2点間の飛行距離よりも写実的であり、しかるに、交通メッセージによって起動され得るナビゲーションアプリケーションにおける経路コストの計算を改善する。属性「isUrban」は、位置が都市部エリアの内外のいずれであるかを規定する。この情報は、位置が都市部エリアである場合、街路名称に加えてそれぞれの都市名を表示するために使用され得る。nbrPosDir属性およびnbrNegDir属性は、それぞれ、正方向および負方向において、自動車専用道路または同様に建設された道路に沿った、事前割当てされた迂回番号を備える。一般的に、位置および方向毎に1つの迂回番号が提供され、対応する方向における自動車専用道路の次の入口まで道を案内する。
【0098】
関係128は、点位置に関係している経路選択リンクを備える。関係は、点位置の一意の位置識別子およびシーケンス番号(seqNumber)によって照会され得、シーケンス番号(seqNumber)によって、正方向におけるリンクは、1で始まる正の番号で番号付けされ、負方向におけるリンクは、負の番号で番号付けされる。シーケンス番号−1を有する入口は、位置コードに最も近い。属性tileIdは、対応するリンクを含有する経路選択タイルのタイル番号を備える。linkId属性は、タイル内のリンクのシーケンス番号を供する。
【0099】
関係129は、点位置に対する、一意の位置識別子(locIds)の対を備える。関係は、locIdRoadOneおよびlocIdRoadTwoによって識別される2つの点位置が同一の物理的道路上に位置していることを示す。これは、2つの異なる組の点位置によって表される2つの別個の自動車専用道路が、同一の物理的道路上で、ある距離の間続いている場合に生じ得る。ナビゲーションアプリケーションにおいて、この情報は、異なる位置を備える2つのTMCメッセージが実際に同一の道路の一続きを指しているかどうかを見出すことを助け得る。2つのこのようなメッセージが識別される場合、ナビゲーションシステムは、冗長な情報を表示することを回避するために、それらのうちの1つを抑制し得る。この種の冗長な交通情報のフィルタリングは、特に、2つ以上の交通情報ソース(例えば2つ以上のラジオ局)が一度に受信される場合に有用である。
【0100】
地図中の交通情報の表示を容易にするために、または、(例えば、ディスプレイ上に提供される交通情報リストにおいて、交通メッセージを距離でソートするためになど)放送位置と現在の自動車の場所との間の距離の計算を容易にするために、関係型データベースは、位置座標関係126を備える。すべての類型の位置に対して、関係126は、locIdを2つの座標(属性xおよびy)と関連付ける。従来のシステムにおいては、点位置のみに座標が提供される。関係126は、例えば、WGS84形式においてなど、他の類型の位置に対してもまた、これらの座標を提供する。属性「category」は、area、line、point_center、point_positives_start、…など、座標類型を識別する。エリアに対しては、外形は、エリア位置の副次的に順序付けされた(subordered)点の場所から形成される。1つのエリア位置のすべての点は、同一のlocIdと、1つの連続するシーケンス番号(seqNumber)とを有する。このようにして、属性seqNumberは、外形が定められた点のインデックスを識別する。これは、区画位置に対して同様である。点位置に対しては、位置の中心を近似する中心座標、または、「category」属性によって識別されるさらなる座標が供され得る。
【0101】
テキスト的表現を完成するために、属性として位置名称識別子(nameId)を備える位置類型関係122が提供され、位置名称識別子(nameId)は、ある類型の位置のテキスト表現を供する位置名称関係121中のレコードを参照する。この場合もまた、nameIdおよび言語コードの両方が関係121を照会するために主キーとして使用されるので、位置類型関係122は言語特化である。関係122において、主キーは、位置リスト関係120から検索されるlocCategory属性、locType属性、およびlocSubtype属性のみならず、国および位置表を識別する属性cc、ecc、およびltnを含む。このようなデータベースの構造化は、位置コード毎に位置類型に対するテキスト文字列が提供される必要はないので、記憶空間を節約する。同一の類型の位置を識別する点コードに対しては、言語毎に、かつ、適用可能な場合は国毎に(特定の類型のTMC位置は、同一の言語を有する異なる国々において、異なるように呼ばれ得る)、唯一のレコードが関係121中に提供される必要がある。この結果として、関係120および122は、コンパクトに維持され得る。
【0102】
例として、NameIdによって参照される、自動車専用道路の出口に対するテキスト表現は、ドイツ語で「Anschlussstelle」であり得、または、より短いテキストが所望される場合は「AS」であり得る。いくつかの位置類型のテキスト表現は、例えば、道路分類を割当てることに対するある種の自由度のレベルに起因してなど、
国毎に異なり得るので、テキスト表現は、国毎に提供される。したがって、cc、ecc、およびltnが関係122の主キーにおいて使用される。ccおよびeccが国を全世界の中で識別するために十分であっても、一部の放送者は、依然として、欧州内の国を識別するために前記の組合せcc+ltnを使用し得る。
【0103】
さらなる関係130は、異なるTMC位置のバージョン番号を保持する。1つの位置表のすべての位置は、好ましくは、同一のバージョンを有する。位置表は、3つの属性cc、ecc、およびltnによって識別される。すべての位置表のすべてのエントリが、位置リスト関係120中に格納される。このようにして、関係130は、特定の位置表のバージョンを検索するために照会され得る。
【0104】
第1の組の関係101および第2の組の関係102の他に、関係型データベース20は、さらなる関係を備え得る。例として、局リスト関係103が提供され、局リスト関係103は、送信者識別子(sid)および番組識別子(pi)を、送信者が受信され得るタイルのタイル番号(tileId)と関連付ける。この場合もまた、この情報は国特化であり、関係103は、さらなる属性cc、ecc、およびltnを備える。したがって、TMCクライアントデバイス10のチューナは、特定の地理的エリアにおける走行時にチューニングすべき局に関して、関係103から有用な勧告を検索し得る。tileIdによって識別される地理的エリアは、座標を使用して記述され、データベースの別の部分に格納され得る。
【0105】
図2および図3は、データベース20の1つの可能な構成を図示するのみであり、他の実施形態においては、より多くの関係もしくはより少ない関係が提供され得るか、関係が結合されて1つの関係を形成し得るか、または、ある1つの関係の属性が他の関係にスワップアウトされ得ることが明確であろう。例として、関係120および122は、関係120内にNameId属性を提供するように結合され得る。
【0106】
ここで図1に戻ると、検索ユニット25は、イベントコードを備えるサーチ照会と、TMCメッセージと共に受信される位置コードとcc、ecc、およびltn属性とを備えるサーチ照会とで、関係型データベース20を照会するように構成され、それによって、それぞれ、関係110および120から情報を検索する。TPEGクライアントデバイスとして実装される場合、サーチ照会は、TPEGメッセージ中のTMC位置コンテナから読まれたTMC位置コードを備え得る。locIdなどの検索された情報に基づいて、他の関係から情報を検索するために、さらなる照会が関係型データベース20に送信され得る。このようにして、指示された主キーを使用して、図2および図3に示された関係中に含まれるすべての情報が検索され得る。
【0107】
次いで、検索された情報は、検索ユニット25によってテキストメッセージまたは声音メッセージへコンパイルされ、これらメッセージは、例えば、ディスプレイ15または拡声器によってなど、使用者に発せられる。
【0108】
関係型データベース20が処理ユニット13上で走行するTMCクライアントソフトウェアから分離される場合、データベース20は、容易に更新および展開され得る。この目的のために、更新ユニット26が提供され、更新ユニット26は、処理ユニット13によって実装される機能ユニットである。更新ユニット26は、関係型データベース20を更新するためにどのデータが検索され得るかということによって、更新インタフェース14とインタフェース接続する。更新インタフェース14は、例えば、USBインタフェース、fire−wireインタフェース、イーサネット(登録商標)インタフェース、または同様なものなど、有線インタフェースとして実装され得るか、あるいは、更新インタフェース14は、例えば、無線ローカルエリアネットワークインタフェース、Bluetooth(登録商標)インタフェース、モバイル通信インタフェース、または同様なものなど、無線インタフェースとして実装され得る。
【0109】
インタフェース14上で受信された更新情報で、更新ユニット26は、関係型データベース20のレコード、関係、または組全体の関係を追加もしくは更新し得る。勿論、更新はまた、データベース20からのレコードまたは関係の除去を含み得る。例として、更新ユニット26は、新たな言語に対するイベントテキストおよび位置名称を、それぞれ、関係111および121に追加するように構成され得る。
【0110】
交通情報クライアントデバイス10は、例えば、車両ナビゲーションデバイスとして、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)として、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)として、携帯電話、スマートフォン、および同等物などのモバイル通信デバイスとして、または、TMCおよび/もしくはTPEGメッセージを受信および処理することから便益を受ける任意の他のデバイスとして実装され得る。これらのデバイスは、一般的に、使用者に対して地図情報を表示することが可能であるので、車両ナビゲーションデバイスまたはPNDとしての実装が特に有利であり、このような実装において、受信されたTMC/TPEGメッセージから取得される交通イベントの位置がマークされ得、対応するテキストメッセージが使用者に発せられ得る。このように、交通情報クライアントデバイス10は、デバイス10の具体的な実装に対して一般的である、さらなるコンポーネントを備え得る。例として、ナビゲーション的機能性を有するデバイスとして実装される場合、デバイス10は、GPS受信器と、使用者に対して表示されるべき地図を組み立てるための地図ユニットと、開始点から目的地までの経路を決定するための経路選択ユニットとを備え得る。
【0111】
これに対応して、メモリ12は、地図データベースおよび経路選択データベースをさらに備え得、これらデータベースは、別個に提供され得るか、またはデータベース20の部分として提供され得る。地図ユニットは、例えば、道路区間をマークすることによってなど、受信されたTMC/TPEGメッセージによって示される交通イベントを表示し得、交通イベントは、受信された位置コードによって識別され得る。マーク付けの類型は、さらに、交通イベントの深刻度を示し得、このために、地図ユニットは、関係110の「jamCategory」属性を利用し得る。同様に、経路選択ユニットは、関係110の「jamCategory」属性、または関係125の「正のオフセット位置までの距離」に従って決定される経路区画に対するコストを考慮し得る。このようにして、関係型データベース20によって、経路選択の精度および性能が改善され得る。
【0112】
例えば、モバイル通信デバイスとしてなど、他の実施形態において、交通情報クライアントデバイス10は、モバイル電話ネットワークの通信のために適応されたモバイル送受信機と、そのようなデバイスに共通したさらなるコンポーネントとを備え得る。モバイル通信デバイスもまた、ナビゲーション的機能性を備え得、そして、それゆえ、上述された特徴はまた、このようなデバイスにも含まれ得ることが明確であろう。
【0113】
図4は、TMCクライアントデバイスとして実装された場合の、交通情報クライアントデバイス10上で実行され得る方法のフロー図を示す。最初のステップ401において、TMCメッセージが受信ユニット11によって受信される。ステップ402において、eventCodeと、利用可能であるならば数量詞とが、受信されたTMCメッセージから読まれる。数量詞は、例えば、交通渋滞における平均速度を示す。次のステップ403において、言語コードがTMCクライアントデバイス10の現在の言語設定から決定される。
【0114】
ステップ404において、関係110(図2)の属性に対する値を検索するためのサーチ照会として、関係型データベース20がeventCodeで照会される。この場合もまた、データベース20は、TMCイベント名称関係111からイベントテキストとphonemeIdもしくはvoiceIdとを検索するために、サーチ照会としてイベントコード、数量詞、およびlanguageCodeを使用して照会される(ステップ405)。
【0115】
ここで、クライアントデバイスは、「4キロメートルにわたる重度の交通」など、交通イベントのテキスト的表現を提供するために利用可能な情報を有する。交通イベントの位置を決定するために、位置コード、オフセット、および方向が、受信されたTMCメッセージから読まれる(ステップ406)。由来する国を識別するために、さらに、国コード(cc)、拡張された国コード(ecc)、および位置表番号(ltn)がメッセージから読まれる。
【0116】
サーチ照会として位置コード、cc、ecc、および/またはltnを使用して、関係120において提供される情報、とりわけ、一意の位置識別子(locId)およびfirstNameIdを検索するために、関係型データベース20が照会される(ステップ407)。例として、位置コードは、点位置を参照する。サーチ照会としてfirstNameIdおよびlanguageCodeを使用して、位置名称、phonemeIdおよび/またはvoiceIdが関係121から検索され得る(ステップ408)。点位置の名称は、例えば、「Sulzemoos」であり得る。ここで、TMCメッセージから検索される方向におけるオフセット値は、位置120の「posOffsetLocId」属性によって、近隣の位置のlocationIdを検索することによって、交通イベントの終了を識別するために使用され得る(ステップ409)。終了位置のlocationIdと、この場合もまた、languageCodeとを使用して、例えば「Odelzhausen」など、対応する位置名称が関係121から検索され得る。両方の点位置に対して関係120から検索されるさらなる属性によって、対応するNameIdは、関係122から取得され得、そして、例えば、言語DEに対する「Autobahnanbindung」など、関係121から位置類型名称を検索するために使用され得る。ここで、TMCクライアントデバイスは、フリーウェイアクセス「Sulzemoos」とフリーウェイアクセス「Odelzhausen」との間で4キロメートルの重度の交通があるとの、利用可能な情報を有する。
【0117】
関係120のparentSegmentIdによって、点位置のparentSegmentのlocIdがさらに知られる。これは、関係120からparentSegmentのfirstNameIdを検索するために、次のステップ410において使用される。関係121は、secondNameIdと、さらなる属性、とりわけ、roadNameまたはroadNumberとを検索するために、親区画のlocIdでさらに照会される(ステップ411)。この場合もまた、firstName識別子およびsecondName識別子ならびにlanguageCodeは、テキスト文字列としての対応する位置名称および/またはphonemeIdもしくはvoiceIdを関係121から検索するために使用される(ステップ412)。例として、第1の位置名称が「ミュンヘン」で、第2の位置名称が「シュトゥットガルト」であり得、これらは、roadName「A8」を有する区画を終端させる。ここで、クライアントデバイスは、交通イベントがミュンヘンとシュトゥットガルトとの間のA8上に位置しているとの、利用可能な情報を有する。
【0118】
これは、処理ユニット13がイベントおよび位置情報を関係型データベース20からどのように検索し得るかということのただの一例であることが明確であろう。処理ユニット13は、示された主キー、または、関係中のレコードを一意に識別する他の属性によって、図2および図3に示された関係において提供される任意の情報を関係型データベースから検索し得る。
【0119】
次のステップ413において、テキストメッセージまたは声音メッセージが、検索されたイベントおよび位置情報から組立てられる。本例において、このようなテキストメッセージは、言語設定ドイツ語(DE)に対して、「A8 Muenchen − Stuttgart: von AS Sulzemoos bis AS Odelzhausen: dichter Verkehr auf 4 km」であり得る。上述されたように、声音メッセージは、対応する音素表現または事前録音された声音出力を利用することによって、追加的または代替的に組立てられ得る。
【0120】
最後のステップ414において、テキストメッセージまたは声音メッセージは、TMCクライアントデバイスの使用者に発せられる。
【0121】
図4および図5に関して説明された方法は、TPEGメッセージを受信し、かつTMC位置参照を使用するTPEGクライアントデバイスとして実装される場合、必要な変更を伴って、交通情報クライアントデバイス10上で同様に実行され得る。この場合において、ステップ402、404、405は実行される必要がない。代わりに、ステップ401で受信されたTPEGメッセージから読まれたTPEGイベントコードが、その後、TPEGクライアントソフトウェアを使用してイベントテキストへ変換され得る。ステップ406において、cc、ecc(適用可能な場合)、およびltnのみならず、TMC位置コードが、受信されたTPEGメッセージのTMC位置コンテナから読まれ得る。
【0122】
図6は、交通情報クライアントデバイス10上の関係型データベース20の更新を図示する。最初のステップ601において、関係型データベースの新たなレコードもしくは更新されたレコードまたは関係、あるいは、関係型データベース中に含まれるべき新たな関係を備える、更新情報は、例えば、更新インタフェース14上で受信される。交通情報クライアントデバイス上の関係型データベースは、既存のレコード/関係を更新することによって、または、受信された更新情報に含まれる新たなレコード/関係で関係型データベースを展開することによって、ステップ602において更新される。関係型データベース20は、交通情報クライアントデバイスとは別個に提供されるので、このような更新は、クライアントソフトウェアを改変することなく可能である。このことは、新たな類型の情報または新たな言語が容易に追加され得、かつ既存のレコードが容易に修正され得るので、TMCもしくはTPEGメッセージ符号化の融通性を多大に増大する。さらに、道路網建設に起因した、新たな/変更された位置は、クライアントデータベースを更新することによって交通情報クライアントデバイスに提供され得る。
【0123】
最後のステップ603において、交通情報クライアントデバイスは、更新された関係型データベースを有して動作する。
【0124】
上記から理解され得るように、クライアントソフトウェアとは別個に、交通情報クライアントデバイスの関係型データベース中に位置情報と、場合によってはイベント情報とを格納することによって、クライアントソフトウェアから独立して、とりわけ、クライアントソフトウェアを再インストールする必要なく、データベースの内容を修正することが可能になる。位置情報およびイベント情報を関係のある形態において格納することは、データベース内容の更新、とりわけ、さらなるレコードによる関係の展開、単体のレコードの修正、さらなる関係の追加、および同様なものを容易にする。このようにして、TMC位置情報およびTMCイベント情報は、データベース更新によって現在の状態まで引き上げられ得る。さらには、情報をいくつかの関係間に分布させることによって、必要とされる記憶空間が低減され、レコードにアクセスする際の性能が改善される。このことはまた、クライアントデバイスのメインメモリへのデータベースの部分の選択的ローディングを可能にし、それによって、必要とされるメインメモリの量(メモリフットプリント)を低減する。関係型データベースは、さらに、クライアントデバイス上の地図上での交通情報の表示と、クライアントデバイス上で表示されるべき交通イベントに対するテキストメッセージの生成と、使用者に対して再生されるべき交通イベントに対する声音出力の生成と、動的経路計算のための、交通イベントと関連付けられるコストの決定とを容易にする。
【符号の説明】
【0125】
10 交通情報クライアントデバイス
11 受信ユニット
12 メモリ
13 処理ユニット
14 更新インタフェース
15 ディスプレイ
20 関係型データベース
25 検索ユニット
26 更新ユニット
101 第2の組の関係
102 第1の組の関係
103 局リスト関係
110 イベント関係
111 イベント名称関係
120 位置リスト関係
121 位置名称関係
122 位置類型関係
123 エリア位置関係
124 区画位置関係
125 点位置関係
126 位置座標関係

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通情報クライアントデバイスとして動作するように構成されている電子デバイスであって、
交通情報メッセージを受信するように適応されているインタフェース(11)であって、交通情報メッセージは、交通イベントの位置を識別する位置コードを備え得る、インタフェース(11)と、
メモリ(12)と、
該メモリに格納される関係型データベース(20)であって、該関係型データベース(20)は、少なくとも1つの関係(120、121)を含む、少なくとも第1の組の関係(102)を備え、該少なくとも1つの関係(120、121)は、位置コードを位置情報と直接的または間接的に関連付ける、関係型データベース(20)と、
処理ユニット(13)であって、該関連付けられた位置情報を該関係型データベース(20)から検索するために、交通情報メッセージと共に受信される位置コードで該関係型データベース(20)を照会するように適応されている処理ユニット(13)と
を備えている、電子デバイス。
【請求項2】
交通情報メッセージは、交通イベントを識別するイベントコードをさらに備え得、前記関係型データベースは、少なくとも1つの関係(110、111)を含む第2の組の関係(101)をさらに備え、該少なくとも1つの関係(110、111)は、イベントコードをイベント情報と直接的または間接的に関連付け、
前記処理ユニットは、該関連付けられたイベント情報を該関係型データベース(20)から検索するために、交通情報メッセージと共に受信されるイベントコードで該関係型データベース(20)を照会するように適応されている、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記第1の組の関係は、複数のレコードを有する第1の関係(120)を備え、該複数のレコードは、異なる国々に対する位置コードを有し、異なる国々に対する該レコードは、同一の位置コードを備え得、該第1の関係は、該第1の関係の各レコードを一意の位置識別子と関連付ける属性を備える、請求項1または請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記第1の組の関係は、第1の関係(120)と、1つ以上の第2の関係(121、123、124、125)とを備え、該第1の関係(120)は、前記位置コードを、識別子、好ましくは、一意の位置識別子および/または位置名称識別子と関連付け、該1つ以上の第2の関係(121、123、124、125)は、それぞれ、特定の類型の位置情報に対して、該識別子を対応する該位置情報と関連付け、これによって、該第1の関係(120)は、該位置情報との間接的な関連付けを提供する、請求項1〜請求項3のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記1つ以上の第2の関係(121、122、123、124、125、126)は、
エリア位置情報を有するエリア位置関係(123)と、
区画位置情報を有する区画位置関係(124)と、
点位置情報を有する点位置関係(125)と、
位置名称情報を有する位置名称関係(121)と、
位置類型情報を有する位置類型関係(122)と、
座標情報を有する位置座標関係(126)と
のうちの少なくとも1つの関係を備える、請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記第1の関係(120)は、前記位置コードを位置分類識別子と関連付け、該位置分類識別子は、対応する位置がエリア位置、線状位置、または点位置であるかどうかを示し、
前記処理ユニット(13)は、前記関係型データベース(20)を照会することによって、受信された位置コードの位置分類を識別するように適応され、かつ、該識別された位置分類に依存して、サーチ照会として、該識別子、好ましくは前記一意の位置識別子を使用して、前記エリア位置関係(123)、前記区画位置関係(124)、または前記点位置関係(125)のいずれかから、さらなる位置情報を検索するように適応されている、請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記第1の関係(120)、前記区画位置関係(124)、および/または前記位置類型関係(122)は、各レコードを位置名称識別子と関連付ける属性を備え、前記位置名称関係(121)は、該位置名称識別子を位置名称と関連付けるレコードを備える、請求項5または請求項6に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記第1の組の関係(102)は、エリア位置関係(123)を備え、該エリア位置関係(123)は、位置コードを、
該位置コードに対応するエリアがサービス放送エリアであるかどうかを示す属性と、
該位置コードに対応するエリアが位置する州の略号を備える属性と
のうちの少なくとも1つまたは組合せと直接的または間接的に関連付ける、請求項1〜請求項7のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記第2の組の関係(101)は、イベントコードをイベントテキストと直接的または間接的に関連付けるイベント名称関係(111)を備え、該イベント名称関係(111)は、2つ以上の異なる言語において、該イベントテキストのためのレコードを備え、該関係は、言語コードを有する属性をさらに備え、該言語コードは、各レコードにおいて該イベントテキストが提供される言語を識別する、請求項1および請求項3〜請求項8のうちのいずれかと、請求項2とに記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記第1の組の関係(102)は、位置コードを位置名称と直接的または間接的に関連付ける位置名称関係(121)を備え、該位置名称関係は、2つ以上の異なる言語において、該位置名称のためのレコードを備え、該関係は、言語コードを有する属性をさらに備え、該言語コードは、各レコードにおいて該位置名称が提供される言語を識別する、請求項1〜請求項9のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記イベント名称関係(111)または前記位置名称関係(121)は、それぞれ、対応する前記イベントテキストまたは前記位置名称の音素表現を検索するために、該イベントテキストまたは該位置名称を音素識別子とさらに関連付け、かつ/あるいは、それぞれ、対応する該イベントテキストまたは該位置名称の音響表現を検索するために、該イベントテキストまたは該位置名称を声音識別子とさらに関連付ける、請求項9または請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記第2の組の関係(101)は、イベント関係(110)を備え、該イベント関係(110)は、前記イベントコードを、
イベントコードと関連付けられたアイコン組を識別するアイコン組識別子と、
前記イベントの性質を識別するイベント性質と、
対応するTMCメッセージの持続期間の決定のための情報を備える持続期間類型と、
該イベントが交通の一方向または両方向に関係するかどうかを示すデフォルト方向性と、
該イベントの緊急度を示すイベント緊急度と、
該交通イベントの深刻度を示す渋滞分類と、
該イベントの更新等級を識別する更新等級と、
該イベントと結合されることが許される数量詞の類型を示す数量詞類型と
のうちの少なくとも1つの属性またはこれら属性の組合せと直接的または間接的に関連付ける、請求項1および請求項3〜請求項11のうちのいずれかと、請求項2とに記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記関係型データベース(20)は、局リスト関係(103)をさらに備え、該局リスト関係(103)は、受信されたTMCメッセージ中に含まれる国識別子を、
TMCメッセージを放送する送信者を示す送信者識別子と、
ラジオ番組を識別する番組識別子と、
該送信者が受信可能である地理的エリアを記述するタイル識別子と
のうちの少なくとも1つの属性またはこれら属性の組合せと関連付ける、請求項1〜請求項12のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記位置コードはTMC位置コードであり、前記電子デバイスは、TMCクライアントまたはTPEGクライアントとして動作するように構成されている、請求項1〜請求項13のうちのいずれかに記載の電子デバイス。
【請求項15】
交通情報クライアントとして動作するように構成された電子デバイス(10)を動作させる方法であって、該電子デバイス(10)は、交通情報メッセージを受信するためのインタフェース(11)と、少なくとも第1の組の関係(102)を備える関係型データベース(20)とを備え、該第1の組の関係(102)は、位置コードを位置情報と直接的または間接的に関連付ける少なくとも1つの関係(120、121)を含み、該方法は、
交通イベントの位置を識別する位置コードを備える交通情報メッセージを該インタフェース(11)上で受信するステップと、
サーチ照会として該位置コードを使用して該関係型データベース(20)を照会するステップと、
該位置コードと関連付けられた位置情報を該関係型データベース(20)から検索するステップと
を包含する、方法。
【請求項16】
前記電子デバイスは、請求項2〜請求項14のうちのいずれかに従って構成されている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
電子的に可読なデータキャリアであって、該データキャリアは、該データキャリア上に格納された関係型データベースを備え、該関係型データベース(20)は、少なくとも1つの関係(120、121)を含む、少なくとも第1の組の関係(102)を備え、該少なくとも1つの関係(120、121)は、位置コードを位置情報と直接的または間接的に関連付ける、電子的に可読なデータキャリア。
【請求項18】
前記関係型データベース(20)は、請求項2〜請求項14のうちのいずれかに従って構成されている、請求項17に記載の電子的に可読なデータキャリア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−248864(P2011−248864A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84089(P2011−84089)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】