交通車両の構体同士の接合構造、及び交通車両
【課題】最小限のスペースで接合可能としつつ当該接合箇所における接合強度を向上させることが可能な交通車両の構体同士の接合構造を提供する。
【解決手段】交通車両の構体同士の接合構造1は、一方の構体に設けられた凸形状の第一突合せ部22、及び他方の構体に設けられた凸形状で、前記第一突合部22と突き合わせた第二突合せ部32と有し、前記第一突合せ部22と前記第二突合せ部32とにより基端から先端に向かうに従って幅が広くなるように形成された嵌合凸部11と、前記嵌合凸部11が嵌合した嵌合凹部を有するクリップ部材51とを備え、前記第一突合せ部22は、前記第二突合せ部32に向けて開口する第一嵌合穴25を有し前記第二突合せ部32は、前記第一突合せ部22に向かって突出し、前記第一嵌合穴25に嵌合する突出部35を有することを特徴とする。
【解決手段】交通車両の構体同士の接合構造1は、一方の構体に設けられた凸形状の第一突合せ部22、及び他方の構体に設けられた凸形状で、前記第一突合部22と突き合わせた第二突合せ部32と有し、前記第一突合せ部22と前記第二突合せ部32とにより基端から先端に向かうに従って幅が広くなるように形成された嵌合凸部11と、前記嵌合凸部11が嵌合した嵌合凹部を有するクリップ部材51とを備え、前記第一突合せ部22は、前記第二突合せ部32に向けて開口する第一嵌合穴25を有し前記第二突合せ部32は、前記第一突合せ部22に向かって突出し、前記第一嵌合穴25に嵌合する突出部35を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の構体同士を接合して構成された交通車両の構体同士の接合構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、交通車両の構造は、大別すると、水平方向に沿う床構体及び屋根構体と、鉛直方向に沿う側構体2枚及び妻構体2枚の構体6枚による六面体構造である(例えば、下記特許文献1、2参照)。
【0003】
従来、構体同士の接合構造として、溶接接合(例えば、下記特許文献2参照)がとられていた。又、他の接合構造としては、ボルトとナットによる接合(例えば、下記特許文献1、3参照)がとられていた。該ボルトとナットによる接合では、ボルトのネジ部分にナットを締め付けることにより、ボルトの軸方向に作用する力に対しては、ボルトの引張強度又は圧縮強度によって支持し、ボルトの軸方向と直交する二方向に作用する力に対しては、主にボルトのせん断強度によって支持することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−4579号公報
【特許文献2】実開昭48−64910号公報
【特許文献3】特開2004−189013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、溶接接合では、熱によって構体が収縮、変形するため、内装部材は構体を溶接接合した後に取り付けなければならなかった。しかし、構体を接合した後での作業では、作業スペースが構体内部に限定されて無理な姿勢で作業する必要も生じるために作業性が低下してしまう問題があった。又、溶接接合では、設備上の制限や気象上の制限から現地作業が困難なため、工場にて接合した後に現地に輸送することになるため、輸送費が増大してしまうという問題点があった。
一方、特許文献2、3のようなボルトとナットによる接合では、ボルトの軸方向に作用する力に対しては、ボルトの引張強度又は圧縮強度によって、結合強度を得ることになる。又、ボルトの軸方向と直交する二方向に作用する力に対しては、主にボルトのせん断強度によって結合強度を得ることとなる。このため、高い結合強度を得るためには、ボルトの軸部の断面積を拡大した上で、当該ボルトと接合するナットで締付ける必要があるが、ボルト及び対応するナットの大型化は、作業上、又規格上も問題があった。又、ボルトとナットによる接合では、強度上の有効断面積に対して、ボルトを挿通させる孔、ボルト頭部、及びナットをさらに大きくする必要があり、限られた接合スペースにおいて必要な強度を得る大きさにすることには限界があった。
【0006】
本発明は、前述の従来技術における問題を解決するために、最小限のスペースで接合可能としつつ当該接合箇所における接合強度を向上させることが可能な交通車両の構体同士の接合構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る交通車両の構体同士の接合構造は、複数の構体同士を接合して構成された交通車両の構体同士の接合構造であって、一方の構体に設けられた凸形状の第一突合せ部、及び他方の構体に設けられた凸形状で、前記第一突合部と突き合わせた第二突合せ部と有し、前記第一突合せ部と前記第二突合せ部とにより基端から先端に向かうに従って幅が広くなるように形成された嵌合凸部と、前記嵌合凸部が嵌合した嵌合凹部を有するクリップ部材とを備え、前記第一突合せ部は、前記第二突合せ部に向けて開口する第一嵌合穴を有し前記第二突合せ部は、前記第一突合せ部に向かって突出し、前記第一嵌合穴に嵌合する突出部を有することを特徴とする。
【0008】
この構成では、嵌合凸部とクリップ部材とが嵌合される方向の力に対しては、嵌合凸部とクリップ部材の間に生じる摩擦力に加えて、嵌合凸部とクリップ部材とが互いに係合することにより作用する拘束力、更には突出部のせん断強度によって結合強度を得ることができる。
又、嵌合される方向に直交する二方向のうち一方向であって、第一突合せ部と第二突合せ部とが突き合わされる方向の力に対しては、嵌合凸部とクリップ部材とが互いに係合することにより、嵌合凸部及びクリップ部材それぞれを構成する部材のせん断強度によって結合強度を得ることができる。
嵌合される方向に直交する二方向のうち他方向であって、嵌合凸部が延設される方向の力に対しては、嵌合凸部とクリップ部材の間に生じる摩擦力に加えて、突出部のせん断強度によって結合強度を得ることができる。
又、前記接合構造は、簡易な作業により成されるものなので、現地作業が可能である。
【0009】
又、前記の交通車両の構体同士の接合構造において、前記第二突合せ部は、前記突出部の基端が嵌合されて固定される第二嵌合穴を有することを特徴とする。
【0010】
この構成では、嵌合凸部とクリップ部材とが嵌合される方向の力及び嵌合される方向に直交する二方向のうち他方向であって嵌合凸部が延設される方向の力に対しては、前述のとおり、突出部のせん断強度によって結合強度を得るが、突出部が第二突合せ部にも嵌合されることにより、より強いせん断強度を得ることができる。
【0011】
又、前記の交通車両の構体同士の接合構造において、前記第一突合せ部及び前記第二突合せ部は、対応する前記構体と一体に成形されていることを特徴とする。
【0012】
この構成では、接合構造に係る接合部材である第一突合せ部及び第二突合せ部は、それぞれ対応する構体と一体で成形することができるので、接合部材の製造が容易となり、構体と接合部材との接触面における接合強度も十分に確保することができる。
【0013】
又、本発明の交通車両は、複数の構体を備え、これら複数の構体が前記の接合構造で接合されていることを特徴とする。
【0014】
この構成では、交通車両は、前記本発明の構体同士の接合構造を備えているので、強固な接合により各構体が形成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る交通車両の構体同士の接合構造によれば、最小限のスペースで接合可能としつつ当該接合箇所における接合強度を向上させることができる。
また、本発明に係る交通車両によれば、強固な構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一実施形態の交通車両を側方視した断面図である。
【図2】本発明の第一実施形態の交通車両を正面視した断面図である。
【図3】本発明の第一実施形態の交通車両において、接合構造の詳細を示す正面視した断面図である。
【図4】本発明の第一実施形態の交通車両において、接合構造の詳細を示す側面図である。
【図5】本発明の第一実施形態の交通車両において、接合前の状態の詳細を示す斜視図である。
【図6】本発明の第二実施形態の交通車両において、接合構造の詳細を示す正面視した断面図である。
【図7】本発明の第一実施形態の交通車両において、接合構造の詳細を示す水平視した断面図である。
【図8】本発明の第一実施形態の交通車両において、接合構造の詳細を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第一実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第一実施形態について説明する。
図1及び図2に示すように、交通車両101は、車両本体101Aと、車両本体101Aの下部に設けられて車両本体101Aを支持し、走行車輪を有する車台(不図示)とを備える。交通車両101の車両本体101Aは、複数の構体112が互いに組み付けられて構成されている。本実施形態の交通車両101は、構体112として、水平方向に延設され、それぞれ下部及び上部を構成する床構体102及び屋根構体103と、鉛直方向に延設された側部を構成する2枚の側構体104及び前部、後部を構成する2枚の妻構体105とを有する六面体構造である。そして、各構体112は、端部にて、隣接する他の構体112と、本実施形態の後述する嵌合凸部11と、クリップ部材51とを有する接合構造1によって接合されている。
【0018】
以下、側構体104と床構体102との接合箇所を例として本実施形態の接合構造1について説明する。また、以下においては、水平方向のうち、交通車両101の前後方向をY方向、幅方向をX方向、また、鉛直方向をZ方向として説明する。
図3に示すように、側構体104は、本体部104aと、本体部104aの下端部にY方向に沿って延設された接合構造1を構成する第一突合せ部22とを有する。本体部104aは、本実施形態では、内面及び外面を構成する2枚の板104b、104cと、板同士の間に配設されたリブ104dとからなるダブルスキン構造となっている。リブ104dは、Y方向に沿って延設されている。
また、第一突合せ部22は、本体部104aより下向きに凸形状である第一凸条部23と第一凸条部23の下端よりクリップ部材51に嵌合される方向となるX方向に突出した第二凸条部24から構成される。第二凸条部24は、基端から先端に向かうに従って幅が広くなるように形成されている。また、第一凸条部23の下端部には突き合わされる方向となるZ方向下方に向けて開口する第一嵌合穴25が設けられている。
本体部104aと第一突合せ部22とは、本体部104aのリブ104d及び第一突合せ部22が延設されるY方向に沿って押出し成形されることで、一体的に成形されている。
【0019】
又、床構体102は、本体部102aと、本体部102aのX方向端部にY方向に沿って延設された側梁121と、側梁121の上面にY方向に沿って延設された接合構造1を構成する第二突合せ部32とを有する。本体部102aは、本実施形態では、下面及び上面を構成する2枚の板102b、102cと、板同士の間に配設されたリブ102dとからなるダブルスキン構造となっている。リブ102dは、Y方向に沿って延設されている。
また、第二突合せ部32は、本体部102aより上方向に凸形状である第三凸条部33と第三凸条部33の上端よりクリップ部材51に嵌合される方向となるX方向に突出した第四凸条部34から構成される。第四凸条部34は、基端から先端に向かうに従って幅が広くなるように形成されている。また、第三凸条部33の上端部には突き合わされる方向となるZ方向上方に向かって突出する突出部35を設けられている。該突出部35は、第一嵌合穴25と対応した大きさとなっており、第一嵌合穴25に嵌合されている。
本体部102aと第二突合せ部32とは、本体部102aのリブ102d及び第二突合せ部32が延設されるY方向に沿って押出し成形されることで、一体的に成形されている。
【0020】
嵌合凸部11は、第一突合せ部22と第二突合せ部32を、第一凸条部23と第三凸条部33、また第二凸条部24と第四凸条部34をそれぞれ突合せることにより形成されている。上述のとおり、第二凸条部24及び第四凸条部34が基端から先端に向かうに従って幅が広くなるように形成されているので、嵌合凸部11も突合せ面に則して一端から他端である嵌合される方に向かうに従って次第に幅が広くなるように形成される。
【0021】
第一突合せ部22又は第二突合せ部32は、構体112がアルミ等の金属成形品の場合は、それぞれ対応する構体112と一体に成形されることができる。これにより、第一突合せ部22又は第二突合せ部32の製造が容易となり、第一突合せ部22又は第二突合せ部32の基端部分における接合強度も十分に確保することができる。尚、第一突合せ部22又は第二突合せ部32は金属製品に限らず、十分な強度を得ることができれば樹脂製品等でもよい。
【0022】
クリップ部材51は、先端の開口から基端に向かうに従って幅が大きくなるような凹形状であり、嵌合凸部11に対応する形状として、嵌合凸部11と嵌合されている。
【0023】
次に、本実施形態の接合構造1の組み立て手順について説明する。
図5に示すように、まず、側構体104を床構体102の上方から下方へと移動させる。この際、第一突合せ部22に設けられた第一嵌合穴25に第二突合せ部32に設けられた突出部35が嵌合されるようにして、第一突合せ部22と第二突合せ部32を突き合わせる。これにより、嵌合凸部11が形成される。
【0024】
そして、嵌合凸部11がクリップ部材51の凹形状の部分に納まるように、嵌合凸部11のY方向における一端より、クリップ部材51を嵌合する。これにより、第一突合せ部22、第二突合せ部32、及びクリップ部材51が密着するように嵌合され、接合構造1が構成され、側構体104と床構体102とか組み立てられる。
【0025】
ここで、溶接接合の場合は、工場での溶接作業を必要とするので、構体同士を接合した後に現地に輸送するため、輸送費が増大していた。しかし、接合構造1は、簡易な作業により成されるものなので、現地作業が可能であるため、溶接接合の場合と比較して輸送費を低廉な価格におさえられる。
又、ボルトとナットによる接合の場合と比較すると、ボルトの締め付けを必要としないので、作業時間を短縮することができる。
【0026】
本実施形態の接合構造1では、嵌合凸部11とクリップ部材51とが嵌合されるX方向の力に対しては、嵌合凸部11とクリップ部材51の接触面にX方向に働く摩擦力によって結合強度を得ることができる。加えて、嵌合凸部11とクリップ部材51とが互いに係合することにより作用する拘束力によっても結合強度を得ることができる。更には、突出部35のX方向に沿う断面積に応じて生じるせん断強度によっても結合強度を得ることができる。
【0027】
また、嵌合される方向に直交する二方向のうち一方向であって、第一突合せ部22と第二突合せ部32とが突き合わされる方向のZ方向の力に対しては、嵌合凸部11とクリップ部材51とが互いに係合することにより嵌合凸部11とクリップ部材51をそれぞれ構成する部材のZ方向に沿う断面積に応じて生じるせん断強度によって結合強度を得ることができる。
【0028】
また、嵌合される方向に直交する二方向のうち他方向であって、嵌合凸部11が延設される方向のY方向の力に対しては、嵌合凸部11とクリップ部材51の接触面にY方向に働く摩擦力によって結合強度を得ることができる。更に、突出部35のY方向に沿う断面積に応じて生じるせん断強度によって結合強度を得ることができる。
【0029】
更に、X方向の力及びY方向の力に対しては、第一嵌合穴25の断面積分だけ有効にせん断強度を発揮することができる。図4に示すように、第一嵌合穴25と突出部35とは、想定される外力に応じて、所定ピッチで所定の数だけ設けることにより、必要な接合強度を得ることができる。
以上のように、本実施形態の接合構造1では、最小限のスペースで接合可能としつつ、X方向、Y方向、Z方向のいずれにおいても接合強度を向上することができ、構体112同士を強固に接合することが可能となる。
【0030】
そして、接合構造1により構体112同士を接合すれば、交通車両101は、強固な接合により構体が形成されるので、強固な構造とすることが可能となる。
【0031】
尚、突出部35は第一突合せ部22の下端部より下向きに設けられていてもよく、その場合は第二突合せ部32の上端部に突き合わされる方向に向けて開口する第一嵌合穴25が設けられることとなる。
【0032】
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態である接合構造1Xについて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0033】
図6に示すように、本実施形態の接合構造1Xでは、第一突合せ部22Xの第二凸条部24Xの下端には突き合わされる方向に向けて開口する第一嵌合穴25Xが設けられている。また、第二突合せ部32Xの第四凸条部34Xの上端にも突き合わされる方向に向けて開口し、第一嵌合穴25Xと連通するように第二嵌合穴36Xが設けられている。
【0034】
連通する第一嵌合穴25Xと第二嵌合穴36Xに、突出部35Xが嵌合されている。そして、第一突合せ部22と第二突合せ部32Xが突き合わされることにより形成される嵌合凸部11Xに、クリップ部材51Xが嵌合されることにより、接合構造1Xが形成されている。
【0035】
このように本発明の接合構造1Xでは、嵌合凸部11Xとクリップ部材51Xとが嵌合される方向のX方向の力及び嵌合される方向に直交する二方向のうち他方向であって嵌合凸部11Xが延設される方向のY方向の力に対しては、前述のとおり、突出部35Xのせん断強度によって結合強度を得ることができる。ここで、突出部35Xが第一嵌合穴25Xと第二嵌合穴36Xに挿通されることにより、第一嵌合穴25Xに加えて第二嵌合穴36Xの断面積分に応じたせん断強度を得ることができるので、接合強度を向上させることができる。
【0036】
また、上記実施形態の各接合構造は、側構体104と床構体102について示したものだが、側構体104と屋根構体103等いずれの構体同士の間でも同様の接合構造をとることができる。
【0037】
尚、図7及び図8に示すように、側構体104を分割した場合にも同様の接合構造をとることができる。即ち、側構体104のY方向の端部には凸形状の第一突合せ部22Yを設ける。一方の側構体104の第一突合せ部22Yと、隣接する他方の側構体104の第二突合せ部32Yとを突合せることにより形成される嵌合凸部11Yに、クリップ部材51Yを嵌合することにより、隣接する側構体104の接合が可能となる。
又、側構体104のY方向の端部に、第一突合せ部22Y及び第二突合せ部32Yを設けることにより、第一突合せ部22Y及び第二突合せ部32Yが縦梁として機能し、側構体104の曲げ剛性を増大させることができる。
【0038】
尚、上述した実施の形態において示した組立手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
1、1X…接合構造
11、11X、11Y…嵌合凸部
22、22X、22Y…第一突合せ部
25、25X…第一嵌合穴
32、32X、32Y…第二突合せ部
35…突出部
36X…第二嵌合穴
51、51Y…クリップ部材
101…交通車両
112…構体
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の構体同士を接合して構成された交通車両の構体同士の接合構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、交通車両の構造は、大別すると、水平方向に沿う床構体及び屋根構体と、鉛直方向に沿う側構体2枚及び妻構体2枚の構体6枚による六面体構造である(例えば、下記特許文献1、2参照)。
【0003】
従来、構体同士の接合構造として、溶接接合(例えば、下記特許文献2参照)がとられていた。又、他の接合構造としては、ボルトとナットによる接合(例えば、下記特許文献1、3参照)がとられていた。該ボルトとナットによる接合では、ボルトのネジ部分にナットを締め付けることにより、ボルトの軸方向に作用する力に対しては、ボルトの引張強度又は圧縮強度によって支持し、ボルトの軸方向と直交する二方向に作用する力に対しては、主にボルトのせん断強度によって支持することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−4579号公報
【特許文献2】実開昭48−64910号公報
【特許文献3】特開2004−189013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、溶接接合では、熱によって構体が収縮、変形するため、内装部材は構体を溶接接合した後に取り付けなければならなかった。しかし、構体を接合した後での作業では、作業スペースが構体内部に限定されて無理な姿勢で作業する必要も生じるために作業性が低下してしまう問題があった。又、溶接接合では、設備上の制限や気象上の制限から現地作業が困難なため、工場にて接合した後に現地に輸送することになるため、輸送費が増大してしまうという問題点があった。
一方、特許文献2、3のようなボルトとナットによる接合では、ボルトの軸方向に作用する力に対しては、ボルトの引張強度又は圧縮強度によって、結合強度を得ることになる。又、ボルトの軸方向と直交する二方向に作用する力に対しては、主にボルトのせん断強度によって結合強度を得ることとなる。このため、高い結合強度を得るためには、ボルトの軸部の断面積を拡大した上で、当該ボルトと接合するナットで締付ける必要があるが、ボルト及び対応するナットの大型化は、作業上、又規格上も問題があった。又、ボルトとナットによる接合では、強度上の有効断面積に対して、ボルトを挿通させる孔、ボルト頭部、及びナットをさらに大きくする必要があり、限られた接合スペースにおいて必要な強度を得る大きさにすることには限界があった。
【0006】
本発明は、前述の従来技術における問題を解決するために、最小限のスペースで接合可能としつつ当該接合箇所における接合強度を向上させることが可能な交通車両の構体同士の接合構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る交通車両の構体同士の接合構造は、複数の構体同士を接合して構成された交通車両の構体同士の接合構造であって、一方の構体に設けられた凸形状の第一突合せ部、及び他方の構体に設けられた凸形状で、前記第一突合部と突き合わせた第二突合せ部と有し、前記第一突合せ部と前記第二突合せ部とにより基端から先端に向かうに従って幅が広くなるように形成された嵌合凸部と、前記嵌合凸部が嵌合した嵌合凹部を有するクリップ部材とを備え、前記第一突合せ部は、前記第二突合せ部に向けて開口する第一嵌合穴を有し前記第二突合せ部は、前記第一突合せ部に向かって突出し、前記第一嵌合穴に嵌合する突出部を有することを特徴とする。
【0008】
この構成では、嵌合凸部とクリップ部材とが嵌合される方向の力に対しては、嵌合凸部とクリップ部材の間に生じる摩擦力に加えて、嵌合凸部とクリップ部材とが互いに係合することにより作用する拘束力、更には突出部のせん断強度によって結合強度を得ることができる。
又、嵌合される方向に直交する二方向のうち一方向であって、第一突合せ部と第二突合せ部とが突き合わされる方向の力に対しては、嵌合凸部とクリップ部材とが互いに係合することにより、嵌合凸部及びクリップ部材それぞれを構成する部材のせん断強度によって結合強度を得ることができる。
嵌合される方向に直交する二方向のうち他方向であって、嵌合凸部が延設される方向の力に対しては、嵌合凸部とクリップ部材の間に生じる摩擦力に加えて、突出部のせん断強度によって結合強度を得ることができる。
又、前記接合構造は、簡易な作業により成されるものなので、現地作業が可能である。
【0009】
又、前記の交通車両の構体同士の接合構造において、前記第二突合せ部は、前記突出部の基端が嵌合されて固定される第二嵌合穴を有することを特徴とする。
【0010】
この構成では、嵌合凸部とクリップ部材とが嵌合される方向の力及び嵌合される方向に直交する二方向のうち他方向であって嵌合凸部が延設される方向の力に対しては、前述のとおり、突出部のせん断強度によって結合強度を得るが、突出部が第二突合せ部にも嵌合されることにより、より強いせん断強度を得ることができる。
【0011】
又、前記の交通車両の構体同士の接合構造において、前記第一突合せ部及び前記第二突合せ部は、対応する前記構体と一体に成形されていることを特徴とする。
【0012】
この構成では、接合構造に係る接合部材である第一突合せ部及び第二突合せ部は、それぞれ対応する構体と一体で成形することができるので、接合部材の製造が容易となり、構体と接合部材との接触面における接合強度も十分に確保することができる。
【0013】
又、本発明の交通車両は、複数の構体を備え、これら複数の構体が前記の接合構造で接合されていることを特徴とする。
【0014】
この構成では、交通車両は、前記本発明の構体同士の接合構造を備えているので、強固な接合により各構体が形成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る交通車両の構体同士の接合構造によれば、最小限のスペースで接合可能としつつ当該接合箇所における接合強度を向上させることができる。
また、本発明に係る交通車両によれば、強固な構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一実施形態の交通車両を側方視した断面図である。
【図2】本発明の第一実施形態の交通車両を正面視した断面図である。
【図3】本発明の第一実施形態の交通車両において、接合構造の詳細を示す正面視した断面図である。
【図4】本発明の第一実施形態の交通車両において、接合構造の詳細を示す側面図である。
【図5】本発明の第一実施形態の交通車両において、接合前の状態の詳細を示す斜視図である。
【図6】本発明の第二実施形態の交通車両において、接合構造の詳細を示す正面視した断面図である。
【図7】本発明の第一実施形態の交通車両において、接合構造の詳細を示す水平視した断面図である。
【図8】本発明の第一実施形態の交通車両において、接合構造の詳細を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第一実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第一実施形態について説明する。
図1及び図2に示すように、交通車両101は、車両本体101Aと、車両本体101Aの下部に設けられて車両本体101Aを支持し、走行車輪を有する車台(不図示)とを備える。交通車両101の車両本体101Aは、複数の構体112が互いに組み付けられて構成されている。本実施形態の交通車両101は、構体112として、水平方向に延設され、それぞれ下部及び上部を構成する床構体102及び屋根構体103と、鉛直方向に延設された側部を構成する2枚の側構体104及び前部、後部を構成する2枚の妻構体105とを有する六面体構造である。そして、各構体112は、端部にて、隣接する他の構体112と、本実施形態の後述する嵌合凸部11と、クリップ部材51とを有する接合構造1によって接合されている。
【0018】
以下、側構体104と床構体102との接合箇所を例として本実施形態の接合構造1について説明する。また、以下においては、水平方向のうち、交通車両101の前後方向をY方向、幅方向をX方向、また、鉛直方向をZ方向として説明する。
図3に示すように、側構体104は、本体部104aと、本体部104aの下端部にY方向に沿って延設された接合構造1を構成する第一突合せ部22とを有する。本体部104aは、本実施形態では、内面及び外面を構成する2枚の板104b、104cと、板同士の間に配設されたリブ104dとからなるダブルスキン構造となっている。リブ104dは、Y方向に沿って延設されている。
また、第一突合せ部22は、本体部104aより下向きに凸形状である第一凸条部23と第一凸条部23の下端よりクリップ部材51に嵌合される方向となるX方向に突出した第二凸条部24から構成される。第二凸条部24は、基端から先端に向かうに従って幅が広くなるように形成されている。また、第一凸条部23の下端部には突き合わされる方向となるZ方向下方に向けて開口する第一嵌合穴25が設けられている。
本体部104aと第一突合せ部22とは、本体部104aのリブ104d及び第一突合せ部22が延設されるY方向に沿って押出し成形されることで、一体的に成形されている。
【0019】
又、床構体102は、本体部102aと、本体部102aのX方向端部にY方向に沿って延設された側梁121と、側梁121の上面にY方向に沿って延設された接合構造1を構成する第二突合せ部32とを有する。本体部102aは、本実施形態では、下面及び上面を構成する2枚の板102b、102cと、板同士の間に配設されたリブ102dとからなるダブルスキン構造となっている。リブ102dは、Y方向に沿って延設されている。
また、第二突合せ部32は、本体部102aより上方向に凸形状である第三凸条部33と第三凸条部33の上端よりクリップ部材51に嵌合される方向となるX方向に突出した第四凸条部34から構成される。第四凸条部34は、基端から先端に向かうに従って幅が広くなるように形成されている。また、第三凸条部33の上端部には突き合わされる方向となるZ方向上方に向かって突出する突出部35を設けられている。該突出部35は、第一嵌合穴25と対応した大きさとなっており、第一嵌合穴25に嵌合されている。
本体部102aと第二突合せ部32とは、本体部102aのリブ102d及び第二突合せ部32が延設されるY方向に沿って押出し成形されることで、一体的に成形されている。
【0020】
嵌合凸部11は、第一突合せ部22と第二突合せ部32を、第一凸条部23と第三凸条部33、また第二凸条部24と第四凸条部34をそれぞれ突合せることにより形成されている。上述のとおり、第二凸条部24及び第四凸条部34が基端から先端に向かうに従って幅が広くなるように形成されているので、嵌合凸部11も突合せ面に則して一端から他端である嵌合される方に向かうに従って次第に幅が広くなるように形成される。
【0021】
第一突合せ部22又は第二突合せ部32は、構体112がアルミ等の金属成形品の場合は、それぞれ対応する構体112と一体に成形されることができる。これにより、第一突合せ部22又は第二突合せ部32の製造が容易となり、第一突合せ部22又は第二突合せ部32の基端部分における接合強度も十分に確保することができる。尚、第一突合せ部22又は第二突合せ部32は金属製品に限らず、十分な強度を得ることができれば樹脂製品等でもよい。
【0022】
クリップ部材51は、先端の開口から基端に向かうに従って幅が大きくなるような凹形状であり、嵌合凸部11に対応する形状として、嵌合凸部11と嵌合されている。
【0023】
次に、本実施形態の接合構造1の組み立て手順について説明する。
図5に示すように、まず、側構体104を床構体102の上方から下方へと移動させる。この際、第一突合せ部22に設けられた第一嵌合穴25に第二突合せ部32に設けられた突出部35が嵌合されるようにして、第一突合せ部22と第二突合せ部32を突き合わせる。これにより、嵌合凸部11が形成される。
【0024】
そして、嵌合凸部11がクリップ部材51の凹形状の部分に納まるように、嵌合凸部11のY方向における一端より、クリップ部材51を嵌合する。これにより、第一突合せ部22、第二突合せ部32、及びクリップ部材51が密着するように嵌合され、接合構造1が構成され、側構体104と床構体102とか組み立てられる。
【0025】
ここで、溶接接合の場合は、工場での溶接作業を必要とするので、構体同士を接合した後に現地に輸送するため、輸送費が増大していた。しかし、接合構造1は、簡易な作業により成されるものなので、現地作業が可能であるため、溶接接合の場合と比較して輸送費を低廉な価格におさえられる。
又、ボルトとナットによる接合の場合と比較すると、ボルトの締め付けを必要としないので、作業時間を短縮することができる。
【0026】
本実施形態の接合構造1では、嵌合凸部11とクリップ部材51とが嵌合されるX方向の力に対しては、嵌合凸部11とクリップ部材51の接触面にX方向に働く摩擦力によって結合強度を得ることができる。加えて、嵌合凸部11とクリップ部材51とが互いに係合することにより作用する拘束力によっても結合強度を得ることができる。更には、突出部35のX方向に沿う断面積に応じて生じるせん断強度によっても結合強度を得ることができる。
【0027】
また、嵌合される方向に直交する二方向のうち一方向であって、第一突合せ部22と第二突合せ部32とが突き合わされる方向のZ方向の力に対しては、嵌合凸部11とクリップ部材51とが互いに係合することにより嵌合凸部11とクリップ部材51をそれぞれ構成する部材のZ方向に沿う断面積に応じて生じるせん断強度によって結合強度を得ることができる。
【0028】
また、嵌合される方向に直交する二方向のうち他方向であって、嵌合凸部11が延設される方向のY方向の力に対しては、嵌合凸部11とクリップ部材51の接触面にY方向に働く摩擦力によって結合強度を得ることができる。更に、突出部35のY方向に沿う断面積に応じて生じるせん断強度によって結合強度を得ることができる。
【0029】
更に、X方向の力及びY方向の力に対しては、第一嵌合穴25の断面積分だけ有効にせん断強度を発揮することができる。図4に示すように、第一嵌合穴25と突出部35とは、想定される外力に応じて、所定ピッチで所定の数だけ設けることにより、必要な接合強度を得ることができる。
以上のように、本実施形態の接合構造1では、最小限のスペースで接合可能としつつ、X方向、Y方向、Z方向のいずれにおいても接合強度を向上することができ、構体112同士を強固に接合することが可能となる。
【0030】
そして、接合構造1により構体112同士を接合すれば、交通車両101は、強固な接合により構体が形成されるので、強固な構造とすることが可能となる。
【0031】
尚、突出部35は第一突合せ部22の下端部より下向きに設けられていてもよく、その場合は第二突合せ部32の上端部に突き合わされる方向に向けて開口する第一嵌合穴25が設けられることとなる。
【0032】
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態である接合構造1Xについて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0033】
図6に示すように、本実施形態の接合構造1Xでは、第一突合せ部22Xの第二凸条部24Xの下端には突き合わされる方向に向けて開口する第一嵌合穴25Xが設けられている。また、第二突合せ部32Xの第四凸条部34Xの上端にも突き合わされる方向に向けて開口し、第一嵌合穴25Xと連通するように第二嵌合穴36Xが設けられている。
【0034】
連通する第一嵌合穴25Xと第二嵌合穴36Xに、突出部35Xが嵌合されている。そして、第一突合せ部22と第二突合せ部32Xが突き合わされることにより形成される嵌合凸部11Xに、クリップ部材51Xが嵌合されることにより、接合構造1Xが形成されている。
【0035】
このように本発明の接合構造1Xでは、嵌合凸部11Xとクリップ部材51Xとが嵌合される方向のX方向の力及び嵌合される方向に直交する二方向のうち他方向であって嵌合凸部11Xが延設される方向のY方向の力に対しては、前述のとおり、突出部35Xのせん断強度によって結合強度を得ることができる。ここで、突出部35Xが第一嵌合穴25Xと第二嵌合穴36Xに挿通されることにより、第一嵌合穴25Xに加えて第二嵌合穴36Xの断面積分に応じたせん断強度を得ることができるので、接合強度を向上させることができる。
【0036】
また、上記実施形態の各接合構造は、側構体104と床構体102について示したものだが、側構体104と屋根構体103等いずれの構体同士の間でも同様の接合構造をとることができる。
【0037】
尚、図7及び図8に示すように、側構体104を分割した場合にも同様の接合構造をとることができる。即ち、側構体104のY方向の端部には凸形状の第一突合せ部22Yを設ける。一方の側構体104の第一突合せ部22Yと、隣接する他方の側構体104の第二突合せ部32Yとを突合せることにより形成される嵌合凸部11Yに、クリップ部材51Yを嵌合することにより、隣接する側構体104の接合が可能となる。
又、側構体104のY方向の端部に、第一突合せ部22Y及び第二突合せ部32Yを設けることにより、第一突合せ部22Y及び第二突合せ部32Yが縦梁として機能し、側構体104の曲げ剛性を増大させることができる。
【0038】
尚、上述した実施の形態において示した組立手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
1、1X…接合構造
11、11X、11Y…嵌合凸部
22、22X、22Y…第一突合せ部
25、25X…第一嵌合穴
32、32X、32Y…第二突合せ部
35…突出部
36X…第二嵌合穴
51、51Y…クリップ部材
101…交通車両
112…構体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の構体同士を接合して構成された交通車両の構体同士の接合構造であって、
一方の構体に設けられた凸形状の第一突合せ部、及び他方の構体に設けられた凸形状で、前記第一突合部と突き合わせた第二突合せ部と有し、前記第一突合せ部と前記第二突合せ部とにより基端から先端に向かうに従って幅が広くなるように形成された嵌合凸部と、
前記嵌合凸部が嵌合した嵌合凹部を有するクリップ部材とを備え、
前記第一突合せ部は、前記第二突合せ部に向けて開口する第一嵌合穴を有し
前記第二突合せ部は、前記第一突合せ部に向かって突出し、前記第一嵌合穴に嵌合する突出部を有すること
を特徴とする交通車両の構体同士の接合構造。
【請求項2】
前記第二突合せ部は、前記突出部の基端が嵌合されて固定される第二嵌合穴を有すること
を特徴とする請求項1記載の交通車両の構体同士の接合構造。
【請求項3】
前記第一突合せ部及び前記第二突合せ部は、対応する前記構体と一体に成形されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の交通車両の構体同士の接合構造。
【請求項4】
複数の構体を備え、これら複数の構体が請求項1乃至3のいずれか一項に記載の接合構造で接合されていること
を特徴とする交通車両。
【請求項1】
複数の構体同士を接合して構成された交通車両の構体同士の接合構造であって、
一方の構体に設けられた凸形状の第一突合せ部、及び他方の構体に設けられた凸形状で、前記第一突合部と突き合わせた第二突合せ部と有し、前記第一突合せ部と前記第二突合せ部とにより基端から先端に向かうに従って幅が広くなるように形成された嵌合凸部と、
前記嵌合凸部が嵌合した嵌合凹部を有するクリップ部材とを備え、
前記第一突合せ部は、前記第二突合せ部に向けて開口する第一嵌合穴を有し
前記第二突合せ部は、前記第一突合せ部に向かって突出し、前記第一嵌合穴に嵌合する突出部を有すること
を特徴とする交通車両の構体同士の接合構造。
【請求項2】
前記第二突合せ部は、前記突出部の基端が嵌合されて固定される第二嵌合穴を有すること
を特徴とする請求項1記載の交通車両の構体同士の接合構造。
【請求項3】
前記第一突合せ部及び前記第二突合せ部は、対応する前記構体と一体に成形されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の交通車両の構体同士の接合構造。
【請求項4】
複数の構体を備え、これら複数の構体が請求項1乃至3のいずれか一項に記載の接合構造で接合されていること
を特徴とする交通車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−171496(P2012−171496A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35612(P2011−35612)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
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