説明

人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置および脂肪吸引装置

人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置は、吸引ポンプ(11)と通じる緩衝瓶(14)および吸引チューブ(17)を含み、さらに第1液体貯蔵瓶(15)および第2液体貯蔵瓶(16)を含む。第1液体貯蔵瓶(15)および第2液体貯蔵瓶(16)は、チューブを介してそれぞれ緩衝瓶(14)と通じ、第1液体貯蔵瓶(15)および第2液体貯蔵瓶(16)は、チューブを介してそれぞれ吸引弾性チューブ(17)と接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医学分野の美容整形外科、特に人体における対称部位の脂肪吸引量を正確に示す装置、および脂肪吸引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の脂肪細胞は、成長発育段階で身体の成長に伴って増加し、成長して成人になると、細胞の数は一定に保たれる。つまり、成人後の肥満では、脂肪数は増えず、細胞の体積が増えるだけである。成長発育段階での肥満は、脂肪細胞の体積が増えるのと同時に、脂肪細胞の数も増える。
【0003】
しかし、成人または成長発育段階にある人に関わらず、減量を行ったとしても脂肪細胞の体積が減少するだけである。したがって、手術をせずにダイエットをする場合、全身の体重を減らしても、身体のある部位は、成長発育段階で比較的多くの脂肪細胞が蓄積されており、必然的に全身の体形と比較して明らかに太っている。この場合は、手術による方法でしか、この部位に蓄積した脂肪を取り除くことができない。脂肪吸引による成形は、従来の脂肪吸引の手術方法によって、人体の異なる部位の皮下脂肪を除去調整する。これにより、均整がとれた身体にし、身体のラインを整える目的を果たす。
【0004】
周知のように、対称性は人類が最も早くに認識した美の法則である。人自身は唯一無二の対称美を有し、人体は身体の中心線を軸とした対称構造である。人にとって対称とは、外観が美しいだけでなく、健康および生存に必要なものである。対称は、美容整形手術においても、守らなければならない基本原則である。
【0005】
しかしながら、現在の美容整形外科の脂肪吸引手術は、1つの受器を使用し、異なる部位の吸引物を集める。さらに手術の過程で、異なる部位の吸引量を別々に観測または記録するが、この種の方法は、手術過程で観測または記録誤差を起こしやすい。したがって、各部位で吸引された脂肪の体積が一様でない事態が起こり、手術後の人体の対称および美観に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決する技術的問題は、前述の脂肪吸引手術における、対称部位の脂肪吸引量を容易に把握できない欠点に対して、人体における対称部位の脂肪吸引量を正確に示す装置、および脂肪吸引装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明でその技術的問題を解決するのに講じた技術提案として、人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置の構造は、吸引ポンプと通じる緩衝瓶および吸引弾性チューブを含み、さらに第1液体貯蔵瓶および第2液体貯蔵瓶を含む。第1液体貯蔵瓶および第2液体貯蔵瓶は、チューブを介してそれぞれ緩衝瓶と通じ、さらに第1液体貯蔵瓶および第2液体貯蔵瓶は、チューブを介してそれぞれ吸引弾性チューブと接続する。
【0008】
本発明で述べる、人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置は、第1T字管を含む。第1T字管の3つの開口部は、チューブを介してそれぞれ第1液体貯蔵瓶、第2液体貯蔵瓶および緩衝瓶と接続する。
【0009】
本発明で述べる、人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置は、第2T字管をさらに含む。第2T字管の3つの開口部は、チューブを介してそれぞれ第1液体貯蔵瓶、第2液体貯蔵瓶および吸引弾性チューブと接続する。
【0010】
本発明で述べる、人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置は、第1T字管および第1液体貯蔵瓶の間のチューブ上に位置する第1バルブ本体、第1T字管および第2液体貯蔵瓶の間のチューブ上に位置する第2バルブ本体、第2T字管および第1液体貯蔵瓶の間のチューブ上に位置する第3バルブ本体、第2T字管および第2液体貯蔵瓶の間のチューブ上に位置する第4バルブ本体をさらに含む。
【0011】
本発明で述べる、人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置は、2つの状態を有する第1スイッチ装置をさらに含む。第1スイッチ装置が第1状態にあるとき、第2バルブ本体および第4バルブ本体が開き、第1スイッチ装置が第2状態にあるとき、第2バルブ本体および第4バルブ本体が閉じる。
【0012】
本発明で述べる、人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置は、2つの状態を有する第2スイッチ装置をさらに含む。第2スイッチ装置が第1状態にあるとき、第1バルブ本体および第3バルブ本体が開き、第2スイッチ装置が第2状態にあるとき、第1バルブ本体および第3バルブ本体が閉じる。
【0013】
本発明で述べる、人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置は、少なくとも2つの状態を有する第3スイッチ装置をさらに含む。第3スイッチ装置が第1状態にあるとき、第1バルブ本体および第3バルブ本体が開き、第2バルブ本体および第4バルブ本体が閉じる。第3スイッチ装置が第2状態にあるとき、第1バルブ本体および第3バルブ本体が閉じ、第2バルブ本体および第4バルブ本体が開く。
【0014】
本発明は、さらに脂肪吸引装置を提供する。脂肪吸引装置は、吸引ポンプ、吸引ポンプと通じる緩衝瓶および吸引弾性チューブを含み、第1液体貯蔵瓶および第2液体貯蔵瓶をさらに含む。第1液体貯蔵瓶および第2液体貯蔵瓶は、チューブを介してそれぞれ緩衝瓶と通じ、第1液体貯蔵瓶および第2液体貯蔵瓶は、チューブを介してそれぞれ吸引弾性チューブと接続する。
【0015】
本発明で述べる脂肪吸引装置は、第1T字管および第2T字管をさらに含む。第1T字管の3つの開口部は、チューブを介してそれぞれ第1液体貯蔵瓶、第2液体貯蔵瓶および緩衝瓶と接続し、第2T字管の3つの開口部は、チューブを介してそれぞれ第1液体貯蔵瓶、第2液体貯蔵瓶および吸引弾性チューブと接続する。
【0016】
本発明で述べる脂肪吸引装置は、少なくとも2つの状態を有する第3スイッチ装置をさらに含む。第3スイッチ装置が第1状態にあるとき、第1バルブ本体および第3バルブ本体が開き、第2バルブ本体および第4バルブ本体は閉じる。第3スイッチ装置が第2状態にあるとき、第1バルブ本体および第3バルブ本体が閉じ、第2バルブ本体および第4バルブ本体が開く。
【0017】
本発明の人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置および脂肪吸引装置は、2つの液体貯蔵瓶を設置することによって、対称な2カ所の部位から吸収した脂肪を別々に貯蔵する。したがって、脂肪吸引手術において、対称部位の脂肪吸引量をさらに容易にコントロールし、手術の効果および効率を高める。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下に図および実施例を組み合わせて、本発明に対してさらに説明を行う。
【図1】図1は、本発明の人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置の、実施例についての概要図である。
【図2】図2は、第1液体貯蔵瓶を使用した脂肪吸引の概要図である。
【図3】図3は、第2液体貯蔵瓶を使用した脂肪吸引の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0019】
図1に示すのは、本発明の人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置の、実施例についての構造概要図である。本実施例において、本発明の装置は、吸引ポンプ11と通じる緩衝瓶14および吸引弾性チューブ17を含み、さらに第1液体貯蔵瓶15、第2液体貯蔵瓶16、第1T字管12および第2T字管13を含む。第1T字管12の3つの開口部は、チューブを介してそれぞれ第1液体貯蔵瓶15、第2液体貯蔵瓶16および緩衝瓶14と接続し、第2T字管13の3つの開口部は、チューブを介してそれぞれ第1液体貯蔵瓶15、第2液体貯蔵瓶16および吸引弾性チューブ17と接続する。上述の方法によって、第1液体貯蔵瓶15および第2液体貯蔵瓶16は、それぞれ緩衝瓶14と通じ、第1液体貯蔵瓶15および第2液体貯蔵瓶16は、それぞれ吸引弾性チューブ17と接続する。
【0020】
図2、3に示すように、上述の装置は、第1T字管12および第1液体貯蔵瓶15の間のチューブ上に位置する第1バルブ本体31、第1T字管12および第2液体貯蔵瓶16の間のチューブ上に位置する第2バルブ本体21、第2T字管13および第1液体貯蔵瓶15の間のチューブ上に位置する第3バルブ本体32、第2T字管13および第2液体貯蔵瓶16の間のチューブ上に位置する第4バルブ本体22をさらに含む。当然、上述のバルブ本体もT字管と結合することができる。つまりバルブ本体を有するT字管を直接使用することにより、チューブの連結を制御する。
【0021】
本発明の装置の使用過程で、手動方式によって、それぞれ上記4つのバルブ本体の開閉を調節する。図2に示すように、第2バルブ本体21および第4バルブ本体22を閉じ、第1バルブ本体31および第3バルブ本体32を開くとき、吸引弾性チューブ17は、第2T字管13を介して第1液体貯蔵瓶15と通じ、第1液体貯蔵瓶15は、第1T字管12を介して緩衝瓶14と通じる。したがって、吸引ポンプ11によって生成される陰圧下では、吸引弾性チューブ17が吸引した脂肪を第1液体貯蔵瓶15に排出する。図3に示すように、第2バルブ本体21および第4バルブ本体22が開き、第1バルブ本体31および第3バルブ本体が閉じているとき、吸引弾性チューブ17は、第2T字管13を介して第2液体貯蔵瓶16と通じ、第2液体貯蔵瓶16は、第1T字管12を介して緩衝瓶14と通じる。したがって、吸引ポンプ11によって生成される陰圧下では、吸引弾性チューブ17が吸引した脂肪を第2液体貯蔵瓶16に排出する。
【0022】
第1液体貯蔵瓶15および第2液体貯蔵瓶16は、それぞれ対称部位の脂肪を貯蔵する。したがって、吸引した脂肪量を容易に把握し、術後に非対称が起こるのを防止する。
【0023】
上述の装置では、1つの第1スイッチ装置(図示しないが、例えば電磁スイッチでよい)によって、第2バルブ本体21および第4バルブ本体22のスイッチ制御を行う。第1スイッチ装置は2つの状態を有する。第1状態では、第2バルブ本体21および第4バルブ本体22が開き、第2状態では、第2バルブ本体21および第4バルブ本体22が閉じる。
【0024】
同様に、上述の装置では、さらに1つの第2スイッチ装置(図示しないが、例えば電磁スイッチでよい)によって、第1バルブ本体31および第3バルブ本体32のスイッチ制御を行う。第2スイッチ装置は2つの状態を有する。第1状態では、第1バルブ本体31および第3バルブ本体32が開き、第2状態では、第1バルブ本体31および第3バルブ本体32が閉じる。
【0025】
このほか、別の実施例において、さらに1つの第3スイッチ装置(図示しないが、例えば電磁スイッチでよい)によって、第1バルブ本体31、第2バルブ本体21、第3バルブ本体32および第4バルブ本体22のスイッチ制御を行う。第3スイッチ装置は少なくとも2つの状態を含む。第1状態にあれば、第1バルブ本体31および第3バルブ本体32が開き、第2バルブ本体21および第4バルブ本体22が閉じる。第2状態では、第1バルブ本体31および第3バルブ本体32が閉じ、第2バルブ本体21および第4バルブ本体22が開く。当然、第3スイッチ装置は第3状態も含む。つまり上記4つのバルブ本体が同時に止まり、したがって、本発明の装置が作業を停止する。
【0026】
以上述べたのは、本発明の好適な実施例であるが、本発明の保護範囲はこれに限定されない。当該技術分野に周知の当業者が、本発明で開示した技術範囲内で容易に考えつく変化または置換は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲を基準とするべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引ポンプと通じる緩衝瓶および吸引弾性チューブを含む、人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置であって、さらに第1液体貯蔵瓶および第2液体貯蔵瓶を含み、前記第1液体貯蔵瓶および前記第2液体貯蔵瓶が、チューブを介してそれぞれ前記緩衝瓶と通じ、前記第1液体貯蔵瓶および前記第2液体貯蔵瓶が、チューブを介してそれぞれ前記吸引弾性チューブと接続することを特徴とする装置。
【請求項2】
第1T字管を含み、前記第1T字管の3つの開口部が、チューブを介してそれぞれ前記第1液体貯蔵瓶、前記第2液体貯蔵瓶および前記緩衝瓶と接続することを特徴とする、請求項1に記載の人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置。
【請求項3】
第2T字管をさらに含み、前記第2T字管の3つの開口部が、チューブを介してそれぞれ前記第1液体貯蔵瓶、前記第2液体貯蔵瓶および前記吸引弾性チューブと接続することを特徴とする、請求項2に記載の人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置。
【請求項4】
前記第1T字管および前記第1液体貯蔵瓶の間のチューブ上に位置する第1バルブ本体、前記第1T字管および前記第2液体貯蔵瓶の間のチューブ上に位置する第2バルブ本体、前記第2T字管および前記第1液体貯蔵瓶の間のチューブ上に位置する第3バルブ本体、前記第2T字管および前記第2液体貯蔵瓶の間のチューブ上に位置する第4バルブ本体をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置。
【請求項5】
2つの状態を有する第1スイッチ装置をさらに含み、前記第1スイッチ装置が第1状態にあるとき、前記第2バルブ本体および前記第4バルブ本体が開き、前記第1スイッチ装置が第2状態にあるとき、前記第2バルブ本体および前記第4バルブ本体が閉じることを特徴とする、請求項4に記載の人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置。
【請求項6】
2つの状態を有する第2スイッチ装置をさらに含み、前記第2スイッチ装置が第1状態にあるとき、前記第1バルブ本体および前記第3バルブ本体が開き、前記第2スイッチ装置が第2状態にあるとき、前記第1バルブ本体および前記第3バルブ本体が閉じることを特徴とする、請求項4に記載の人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置。
【請求項7】
少なくとも2つの状態を有する第3スイッチ装置をさらに含み、前記第3スイッチ装置が第1状態にあるとき、前記第1バルブ本体および前記第3バルブ本体が開き、前記第2バルブ本体および前記第4バルブ本体が閉じ、前記第3スイッチ装置が第2状態にあるとき、前記第1バルブ本体および前記第3バルブ本体が閉じ、前記第2バルブ本体および前記第4バルブ本体が開くことを特徴とする、請求項4に記載の人体における対称部位の脂肪吸引量を示す装置。
【請求項8】
吸引ポンプ、吸引ポンプと通じる緩衝瓶、および吸引弾性チューブを含む脂肪吸引装置であって、第1液体貯蔵瓶および第2液体貯蔵瓶をさらに含み、前記第1液体貯蔵瓶および第2液体貯蔵瓶が、チューブを介してそれぞれ緩衝瓶と通じ、前記第1液体貯蔵瓶および前記第2液体貯蔵瓶が、チューブを介してそれぞれ前記吸引弾性チューブと接続することを特徴とする、脂肪吸引装置。
【請求項9】
第1T字管および第2T字管をさらに含み、前記第1T字管の3つの開口部が、チューブを介してそれぞれ前記第1液体貯蔵瓶、前記第2液体貯蔵瓶および前記緩衝瓶と接続し、前記第2T字管の3つの開口部が、チューブを介してそれぞれ前記第1液体貯蔵瓶、前記第2液体貯蔵瓶および前記吸引弾性チューブと接続することを特徴とする、請求項8に記載の脂肪吸引装置。
【請求項10】
少なくとも2つの状態を有する第3スイッチ装置をさらに含み、前記第3スイッチ装置が第1状態にあるとき、前記第1バルブ本体および前記第3バルブ本体が開き、前記第2バルブ本体および前記第4バルブ本体が閉じ、前記第2スイッチ装置が第2状態にあるとき、前記第1バルブ本体および前記第3バルブ本体が閉じ、前記前記第2バルブ本体および前記第4バルブ本体が開くことを特徴とする、請求項9に記載の脂肪吸引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−506740(P2012−506740A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533510(P2011−533510)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際出願番号】PCT/CN2008/072878
【国際公開番号】WO2010/048755
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(511107669)
【出願人】(511107670)
【Fターム(参考)】