説明

人体の刺激点を決定する方法、システム、およびモジュール

【課題】人体の刺激点を決定する方法、システム、およびモジュールを提供する。
【解決手段】人体の複数の遠絡の分布と複数の生体の流れを決定することが含まれ、それによって複数の遠絡および生体の流れの分布10に基づいて遠絡および生体の流れに関する関連情報を構築12し、異常部分の遠絡に基づいて対応する生体の流れを同定14し、生体の流れおよび対応する異常部分に関する情報に基づいて1つまたは複数の刺激点を決定16し、刺激点に刺激を加えて異常部分を減弱させるか、あるいは回復させる18。システムにはプロセス・システムが含まれ、インプット/アウトプット・モジュールによりインプットされたデータおよび計算モジュールによりデータベースに格納されたデータが分析されると、複数の刺激点が取得され得る。さらに、モジュールには複数の生体の流れ分布と刺激点が含まれており、1つまたは複数の刺激点が決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連する出願についてのクロスリファレンス]
本願は、2007年8月28日に出願された日本特許出願2007‐221130に基づく優先権の利益を主張し、当該出願の内容は援用によりここに組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は、漢方医学と現代医学と季節性因子の理論を組み合わせて刺激点を決定する方法、システム、およびモジュール、より具体的には人体の遠絡の刺激点を決定する方法、システム、およびモジュールに関する。人体の遠絡の刺激点に従って刺激点を確認し、次に刺激を加えて異常部分を減弱させるか、あるいは回復させる。
【背景技術】
【0003】
近年、医学および技術が発展して、人々はめまぐるしく、多忙なライフスタイルを送っている。ほとんどの人は仕事に多くの時間を費やしているが、運動や旅行のための時間はほとんど残されていない。しかし、少数ながらもどうにかして健康を維持しようとしている人もいる。一般に加齢とともに不快感や痛みは避けられなくなる。人々は疼痛症候群を治療または減弱させるのに十分な時間がとれず、回復不可能な状況に陥ってしまう。
【0004】
以前は、様々な疾患から生じる危険に直面していた。この数千年の間に、人々は誕生、年齢、病気、死にまつわる問題を解決することに力を注ぎ、様々な疾患との戦いに挑んできた。例えば、頭痛、肩や首の痛み、歯痛、背部痛、および膝痛は、疼痛症候群に含まれる。科学技術の急速な変化にも関わらず、痛みは依然として避けられない。人間の人生は一般に母親による産痛から始まって様々な疾患で終わるため、一生を通じて生理的あるいは心理的な痛みに直面し、これを克服しなければならない。痛みに対し優れた抵抗力をもつ人もいるが、大半は抵抗力が弱い。
【0005】
一般に不快感や痛みを経験すると、現代医学の治療を求めることがある。これは、薬や注射を用いて痛みを直接治療することができるためである。しかし、治療が提供できるのは、永久的ではなく、一時的に痛みを減弱させる解決策である。漢方医学の治療を受ける人もいるが、この場合、症状が改善するまで時間がかかる可能性がある。治療方法および治療回数は、漢方医学と現代医学とで著しく異なり、この中から1つを選択することは、別のことである。さらに、疼痛症候群は人体の異常部分の一形態である。差し迫って、この痛みを迅速かつ効果的に減弱させる、改善させる、あるいは除去する必要がある。
【0006】
さらに現代医学では、治療に鎮痛薬または麻酔薬など、必ず特定の薬剤を用いる。これらの薬剤を使用することによって、予想外の副作用や、合併症や、後遺症が発生することがある。同様に、漢方医学では、指圧およびマッサージによって筋痛を減弱させる可能性はあるが、急性の疼痛症候群の治療には使用できない。しかし、炎症を伴う痛み部分に指圧やマッサージによる治療を施すことは、さらに不適切である。炎症が増加をしないようにするには、最適な治療法を慎重に選択する必要がある。疼痛症候群の様々な種類および部分に対する許容可能な治療法について再検討するよう勧められる可能性もある。
【0007】
上記に基づき、本発明は人体の刺激点を決定し、先行技術の上記欠点を克服するための新しい方法、システム、およびモジュールを提供する。本発明の方法、システム、およびモジュールは、漢方医学および現代医学の理論を修正し、組み合わせることによって作製され、異常部分を減弱させるか、あるいは回復させるものであり、様々な要件により変更可能である。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、以下のような好適な実施形態を示す。しかし、本発明は、これらの詳細な説明を除くその他の実施形態において広範に実行され得ると考えられる。本発明の適用範囲はこれらの実施形態に限定されず、以下の請求項と一致すべきである。
【0009】
本発明の1つの目的は、人体の刺激点を決定する方法、システム、およびモジュールを提供し、5次元法という新しい側面を提供して2次元法にとって換えることである。
【0010】
本発明の別の目的は、人体の刺激点を決定する方法、システム、およびモジュールを提供し、使用者の要件により刺激を加えることである。
【0011】
本発明の別の目的は、人体の刺激点を決定する方法、システム、およびモジュールを提供し、痛み部分に対し直接治療を施術するのではなく、適切な刺激を加えて異常部分を減弱させるか、あるいは回復させることである。
【0012】
本発明の別の目的は、人体の刺激点を決定する方法、システム、およびモジュールを提供し、修正された陰陽五行理論と、12の遠絡と、漢方医学の相生と相剋の関係と、現代医学の病態生理学とを組み合わせたものを基礎とすることである。
【0013】
本発明の別の目的は、人体の刺激点を決定する方法、システム、およびモジュールを提供し、その上に人体の刺激点が分布しているモジュールを提供し、そのモジュールを用いて人体の1つまたは複数の刺激点を決定することである。
【0014】
本発明の別の目的は、人体の刺激点を決定する方法、システム、およびモジュールを提供し、刺激点および対応する刺激の種類に関する情報を入手し、異常部分を効果的に減弱させるか、あるいは回復させることである。
【0015】
本発明は、人間における複数の遠絡および複数の生体の流れの分布を規定することと、複数の遠絡および生体の流れの分布に基づいて遠絡および生体の流れに関する関連情報を構築することと、異常部分の遠絡に基づいてこれに対応する生体の流れを同定することと、生体の流れおよび対応する異常部分の情報に基づいて1つまたは複数の刺激点を決定することと、刺激点に対し刺激を加えて異常部分を減弱させるか、あるいは回復させることを含む人体の刺激点を決定する方法を提供する。
【0016】
本発明は、データをインプット/アウトプットするインプット/アウトプット・モジュールと、インプット/アウトプット・モジュールに連結されるプロセス・システムと、プロセス・システムに連結されるデータベースと、前述のプロセス・システムとに連結される計算モジュールを備える人体の刺激点を決定するシステムも提供し、プロセス・システムによりインプット/アウトプット・モジュールとデータベースから得られたデータが分析され、インプット/アウトプット・モジュールが人体の1つまたは複数の刺激点のなかの対応するデータを出力し得ることを特徴とする。
【0017】
本発明は、モジュール上に設定される複数の生体の流れと、生体の流れにそれぞれ設定される複数の刺激点を含む人体の刺激点を決定するモジュールをさらに提供し、生体の複数の流れと複数の刺激点が修正された陰陽六行論と遠絡によって規定され、刺激を加えた後に異常部分が減弱され得るか、あるいは回復され得ることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下の説明において、多くの特有の詳細を提供し、本発明の実施形態を一通り理解できるようにする。本発明の好適な実施形態を限定するためではなく、好適な実施形態を示すことのみを目的とする説明を特徴とする、以下の説明をここで参照する。しかし、本関連技術の当業者は、特有の詳細が1つ以上ない場合、あるいはその他の方法、要素、材料等を用いた場合も、本発明が実行される可能性があると認識すると考えられる。
【0019】
本発明の好適な実勢形態を限定するためではなく、好適な実施形態を示すことのみを目的とする主張および説明を特徴とする図および以下の説明をここで参照する。そこで、異なる要素の図面は示さずに評価する。関連要素の中には誇張される次元もあり、意味のない部分は示さずに、本発明についてより明確に説明し、理解できるようにした。
【0020】
本発明は、人体の遠絡の刺激点を決定する方法を開示している。提示された方法は、陰陽五行理論と、12の遠絡と、漢方医学の相生と相剋の関係と、現代医学の病態生理学を基礎としている。本発明は、以下のように、対応する関連付けられた生体の流れを決定する5次元法を提供する。特に、本発明における生体の流れとは、漢方医学で言うところの経絡とは異なる。したがって、本発明の特徴の1つは、人体上の生体の流れと、その定義である。生体の流れは、様々なイオン、神経伝達物質、リンパ、および血液など、移動または循環する分子を含む。
【0021】
本発明の態様に基づけば、「遠絡」は人間の体の縦方向および横方向の区分を説明する。縦線と横線との間の断面は絡と呼ばれる。人体には多くの縦線が分布しているため、体全体に分布する複数の遠絡に体を分割することができる。さらに、様々な生体の流れは、循環器系、消化器系、呼吸器系、神経系、および尿路系を含む、人間の様々な内臓系に認められる。生体の流れは、人体を移動または循環する様々な物質または分子を含む。例えば、これらの物質または分子には、血液、リンパ、神経伝達物質、内分泌腺から産生されるオータコイド、イオン、空気、および水が含まれる。上記器官系と器官系との間には対応する関係が存在し、これらの間では複数の生体の流れとして連絡することが可能である。このように遠絡と生体の流れとの間の関係は、対応するか、あるいは関連性がある。たゆまぬ努力と研究に基づいて、本発明は特許出願によって開発され、規定されている。関連記事および情報については、Koらの「痛みを改善し、薬物治療できるか:遠絡療法」(『Acta Anaesthesiol Taiwanica』44:59‐60[2006])およびKoらの「遠絡療法は痛みを劇的に軽減させ、複雑局所疼痛症候群患者の機能的活性を改善する」(『Anesthesia & Analgesia』103[6])を参照できる。これらの記事を参照として本明細書に組み入れる。これらの参考文献は、本発明の重要性、利便性、および再現性に関する関連情報を提供するものである。
【0022】
しかし、図2Aおよび図2Bは、生体の流れの1つの断面20が障害物30によって遮断されるときに、人体に異常部分が発生することを示している。本発明によれば、異常部分の種類には、重み、疼痛、または痺れなどが含まれており、異常部分の発生は身体状態が異常であることを反映または示す警報信号の役割を果たしている。特に、異常部分の発生は病気ではないため、本発明は診断法や治療法ではない。上記の状態は異常であり、本発明によって軽減または改善が可能である。
【0023】
本発明によれば、図2Aは障害物30によって一部遮断された生体の流れの断面20を示している。上記断面20が一部遮断されているとき、移動または循環している分子は生体の流れの経路を容易に通過することができない。すると、人は遮断された部位24の先行部分22に対応する筋に重みまたは疼痛を感じる可能性がある。本発明によれば、図2Bは障害物30によって完全に遮断された生体の流れの断面20を示している。断面20が完全に遮断されたとき、移動または循環している分子は生体の流れの経路を通過することができない。すると、人は遮断された部位24の後続部分26に対応する筋に痺れを感じる可能性がある。これらの痛みが異常所見である。
【0024】
異常所見であれば、遮断された断面20が対応するその他の生体の流れと連絡が可能であり、適切な刺激を加えれば、異常所見は軽減または回復される可能性がある。したがって、異常部分を迅速かつ効果的に軽減または回復させるため、本発明によって人体上の遠絡の刺激点を決定することが可能である。
【0025】
図1は本発明による人体の刺激点を決定する方法のフローチャートである。ステップ10で示したように、本法は人間の複数の遠絡および複数の生体の流れの分布を規定することを含む。次に、ステップ12で示したように、複数の遠絡および生体の流れの分布に基づいて、遠絡および生体の流れに関する関連情報を構築することができる。ステップ14で示したように、異常部分の遠絡により、対応する生体の流れを同定することができる。続いてステップ16で示したように、生体の流れおよびこれに対応する異常な部位の情報に基づいて、1つまたは複数の刺激点を決定することができる。このように、ステップ18で示したように、特異点を刺激して、異常部分を軽減または回復させることができる。
【0026】
1つの実施形態では、人間の遠絡は縦方向および横方向に複数の遠絡へ分割される。1つまたは複数の生体の流れは、人間の複数の遠絡と連絡するネットワークである。
【0027】
本発明の態様によれば、人体の流れは陰と陽の生体の流れを含む。陰の生体の流れは、腹部など人体の内部や、肝臓、肺、腎臓、心臓、および脾臓など人間の内臓を含む。一方、陽の生体の流れは、人間の背部、左手および右手の外側部分、左足および右足の外側部分など人体の外部や、胃、胆、膀胱、大腸、および小腸など人間の外臓を含む。
【0028】
1つの実施形態では、異常部分の種類として、慢性および急性の異常部分と、局所性および中枢性の異常部分が含まれる。例えば、中枢性部位には人体の内臓が含まれ、局所性部位には四肢または体幹、および身体が含まれる。
【0029】
1つの実施形態では、異常部分には、痛みなど特定の感覚を感知する部位が含まれる。異常部位には、頭部、四肢、体幹、または身体と、人体の内臓または神経系が含まれる可能性がある。
【0030】
1つの好適な実施形態では、一連のステップを用いて本発明を限定するのではなく、説明する。本発明は、使用者の様々な要件により修正および変更が可能であることに留意する。
【0031】
本発明の態様によれば、人間の複数の遠絡と、複数の生体の流れと、1つまたは複数の刺激点の分布とは、図3で示すように陰陽五行理論のなかで対応する、あるいは(関連のある)反対の関係と、図4に示すように六角形の関係と、図5に示すように季節時間とに基づくものである。
【0032】
図3は本発明による漢方医学の陰陽五行に基づいて修正された陰陽六行理論を示している。修正された理論によれば、示された方法によって刺激点が決定される。図3における、a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7は、それぞれ火、金、木、土、水、支配の火(govern fire)、気を表している。さらに、TおよびAは、それぞれ手(日本語の「手」は「Te」と発音する)および足(日本語の「足」は「Ashi」と発音する)を表し、rおよびlはそれぞれ「右」および「左」を表す。また、xおよびyは、それぞれ陰および陽の生体の流れを意味し、各生体の流れにはI、II、およびIIIの3つの生体の流れがある。例えば、「TyIII」は、陽の生体の流れIIIが手の外側部分に位置し、「AxI」は陰の生体の流れIが足の内側部分に位置し、「rTxI」は陰の生体の流れが右手の内側部分に位置していること示している。
【0033】
1つの実施形態では、TxIは肺経を示し、TxIIは心包経を示し、TxIIIは心経を示し、TyIは大腸経を示し、TyIIは三焦経を示し、TyIIIは小腸経を示す。同様に、AxIは脾経を示し、AxIIは肝経を示し、AxIIIは腎経を示し、AyIは胃経を示し、AyIIは胆経を示し、AyIIIは膀胱経を示す。
【0034】
さらに、図3によれば、外円の時計回りの循環関係は、陰陽五行の相生関係を意味する。例えば、水は土を生じ、木は火を生じる。相生関係は、母子関係と呼ぶこともできる。内円の反時計回りの循環関係は、例えば水がないときには火を消すことができないというような、相侮関係を示す。中央の六角形の循環関係は、例えば火は金を溶かし、金は木を削り、木は土を覆い、土は水を吸収するなど、相剋関係を示す。
【0035】
図4は本発明による人体の刺激点を決定するための六角形の関係図を示している。図4の点線は、実験データに基づく相生関係とこれに対応する関係との間の連絡または関係を示す。図面では、外側の長方形と中央の六角形を結ぶ実線は、Tx、Ty、Ax、Ay、I、II、およびIIIの生体の流れと流れの間の相生関係を示す。一方、点線は、これに対応するTx、Ty、Ax、Ay、I、II、およびIIIの生体の流れと流れの間の関係を示す。例えば、異常部分が生体の流れTyIに生じた場合、TyIとAxIIとの間の点線に基づいて、これに対応する生体の流れとしてAxIIが示される。さらに、異常部分が生体の流れAyIIに生じた場合、AyIIとTxIIIとの間の点線に基づいて、これに対応する生体の流れとしてTxIIIが示される。
【0036】
1つの実施形態では、異常部分に対応する生体の流れを同定したのち、規定され、関連付けられた対応する生体の流れを用いて、人体上に1つまたは複数の刺激点を決定する。以下の説明について検討されたい。
【0037】
生体の流れの分布は季節の変化によって若干異なっており、その特性および定義も異なる。例えば、血管は夏に拡張し、冬に収縮する。したがって、本発明は季節および日という因子を導入して、人体上の刺激点を決定し、異常部分を効果的に軽減または回復させるための適切かつ正確な情報を提供する。図5は本発明による人体の刺激点を決定するための季節との関係図を示している。図面では、それぞれ木、火、金、水、土を、春、夏、秋、冬の四季と、春の開始18日前、夏の開始18日前、秋の開始18日前、および冬の開始18日前としている。図3で示した支配の火は梅雨とする。したがって、本発明は人体上の刺激点を決定し、異常部分を効果的に軽減または回復させるための5次元法を提供する。
【0038】
1つの実施形態では、遮断部分が生体の流れTxIおよびTyIに生じた場合、母指または示指の橈骨神経病変などの痛みは秋に出現すると考えられる(図5で示したように、金に相当)。その結果、適切かつ正確な刺激が秋に加えられれば、痛み部分を軽減または回復させるのに長時間かかる可能性があり、痛み部分が頻繁に出現すると考えられる。適切な刺激が秋以外に加えられれば、痛み部分を軽減または回復させるのは容易である。
【0039】
1つの実施形態では、遮断部分が生体の流れAxIIIおよびAyIIIに生じた場合、腰痛および椎骨(頚椎、腰椎、および尾椎等)などの痛みは冬に出現する(図5で示したように水に相当)。したがって、適切かつ正確な刺激が冬に加えられれば、痛み部分を軽減または回復させるのに長時間かかる可能性があり、痛み部分が頻繁に出現すると考えられる。適切な刺激が冬以外に加えられれば、痛み部分を軽減または回復させるのが容易になる可能性がある。
【0040】
本発明の態様によれば、遠絡の刺激点の分布および定義は、図6A、図6B、図7A、および図7Bにおける関連情報によって決定される。
【0041】
図6Aは本発明による人体の左手および右手の外側の流れを図示している。図6Bは本発明による左手および右手の内側の流れを図示している。図6Aおよび図6Bでは、左手の内側の流れTxI、TxII、TxIIIと、右手の外側の流れTyI、TyII、TyIIIとが、それぞれ複数の刺激点に分割される。図面では、生体の流れが手の肘の上部で6つの刺激点1、2、3、4、5、6に、肘の下部で3つの刺激点a、b、cに分割される。したがって、図6Aおよび図6Bで示したように、手の流れはそれぞれ9つの刺激点a、b、c、1、2、3、4、5、6に分割され得る。
【0042】
さらに、図7Aは本発明による人体の左足および右足の外側の流れを図示している。図7Bは本発明による人体の左足および右足の内側の流れを図示している。図7Aおよび図7Bでは、左足の内側の流れAxI、AxII、AxIIIと、右足の外側の流れAyI、AyII、AyIIIとが、それぞれ複数の刺激点に分割される。図面では、生体の流れが、足首の下で3つの刺激点a、b、cに、足首の上で6つの刺激点1、2、3、4、5、6に分割される。したがって、図7Aおよび図7Bで示したように、足の流れはそれぞれ9つの刺激点a、b、c、1、2、3、4、5、6に分割され得る。
【0043】
本発明によれば、1つの実施形態では、上記の態様に基づけば、左手、右手、左足、および右足には生体の流れが12ずつ分布していることから、刺激点は108箇所となる。特に、生体の流れおよび刺激点の数と位置は、本発明を限定するためではなく、説明するために記載されている。様々な実施要件により、生体の流れおよび刺激点の数と位置は修正可能である。
【0044】
1つの実施形態では、刺激点は痛み部分と一致するか、あるいは関連性がある。上記の定義および決定方法から、その関係が得られる。
【0045】
本発明の態様によれば、複数の刺激点には制御刺激点(C点)および機能刺激点(F点)が含まれる。1つの実施形態では、C点は複数の刺激点と刺激点との間の刺激点を示し、F点は異常部分を軽減または回復させるのに使用される刺激点を示す。
【0046】
1つの実施形態では、刺激には、指圧療法、マッサージ、鍼灸治療、電気刺激(ES)療法、レーザー、または改良された化学物質または天然物質が含まれる。改良された化学物質または天然物質は、外的あるいは内的に使用可能である。
【0047】
1つの実施形態では、刺激の持続期間および頻度は1日数回で、1回当たり数分間続けられる可能性がある。一方、刺激の持続期間および頻度を修正し変更して、使用者の要件に適合させることができる。
【0048】
以下に臨床実験の実施形態2例を詳細に説明した。本発明の前述の側面および付随する多くの長所と添付の図面図8A、図8B、図8Cとは、以下の詳細な説明に基づいて本発明がよりよく理解されるため、より容易に評価される。添付の図面および以下の実施形態は、本発明を限定するためではなく、説明するために用いる
【実施例1】
【0049】
実施例Iでは、31歳の妊婦が仕事および家族からの圧力によって、しばしば発作性の痛みに襲われていた。しかし、妊娠中の鎮痛薬は、経口的にも注射によっても投与に適していない。発作性の痛みを治療することはできないが、痛みの頻度は高く、持続期間は経時的に延びる。
【0050】
関連情報によれば、異常部分は右足の外側部分rAyII(陰経)の生体の流れIIを示す。この場合、生体の流れは右手の内側の部分(陽経)rTxIIIに対応する。遠絡および生体の流れの分布に関する情報に基づいて、右手の内側部分rTxIIIの刺激点1によってC点が示され、決定され得る。さらに、刺激点CによってF点も示され、決定され得る。このように生体の流れにおける障害物を解消するため、両刺激点に刺激を加えて異常部分を軽減または回復させる。さらに刺激には、指圧療法、マッサージ、鍼灸治療、電気刺激(ES)療法、レーザー、または改良された化学物質または天然物質が含まれる。
【0051】
実施例Iでは、刺激の頻度は1〜2回で、刺激期間は各回1〜2分と考えられる。さらに、刺激の頻度および持続期間を説明して、本発明を限定するのではなく、説明する。異常部分および状態の様々なレベルに基づいて、本発明の修正および変更が可能である。
【実施例2】
【0052】
実施例2において、複雑局所疼痛症候群(CRPS)の若年男性に対する「金基準」治療は、局所麻酔による交感神経遮断であり、視覚アナログ尺度(VAS)は第2の指標となり得る。しかし、従来の麻酔法のあとには、一般に予想外の副作用、合併症、または後遺症が発生する。
【0053】
本発明の態様および方法によれば、異常部分に対応する生体の流れを同定し、その後、刺激を加える。
【0054】
図8Aは本発明の実施例2による刺激前、刺激後、および既知の先行技術である薬剤投与に関する経時的な視覚アナログ尺度(VAS)のスコアを示している。X軸は時間(単位あたりの月)を、左のY軸は視覚アナログ尺度(VAS)のスコアを示し、右のY軸は鎮痛薬(錠/日)を示す。図面では、白四角は刺激前のVASスコアを、黒四角は刺激後のVASスコアを、黒丸は薬剤投与後のVASスコアを示す。図面によれば、刺激後のVASは経時的に減少し、刺激前および薬剤投与後のVASスコアよりも低くなる。したがって、本発明によって加えられた刺激は、数ヵ月をかけて急速かつ持続的に改善をもたらし、異常部分を軽減させる。
【0055】
さらに、三相骨スキャンを介して異常部分が治療される。これに関連する正確なステップは周知のため説明しない。本発明の実施例2によれば、図8Bは刺激前の三相骨スキャンを示している。図面には左足首の陰影部分が含まれていて、これは対応する生体内の流れが遮断され、結果的に異常部分が生じたことを示している。
【0056】
図8Cは本発明の実施例2による刺激後の三相骨スキャンを示している。刺激後の図面では、陰影部分はほとんど消失している。これは左足首の遮断部が消散し、異常部分が軽減されて正常部分へと回復したことを示している。
【0057】
これらの実施形態に基づけば、本発明は異常部分を軽減または回復させる刺激点を決定するための効果的かつ正確な方法を提供する。特に、本発明は人間に適用し得るが、これはその範囲を限定するものではない。本発明は、人間と同等のその他の様々な生物にも適用し得る。
【0058】
本発明の別の態様によれば、図9に示されるとおり、本発明はインプット/アウトプット・モジュール52と、プロセス・システム54と、計算モジュール56と、データベース60とを備える人体の刺激点を決定するシステムを提供する。
【0059】
本発明により開示されるシステムでは、インプット/アウトプット・モジュール52と、計算モジュール56と、データベース60は、それぞれプロセス・システム54に連結される。ユーザーが異常部分の関連データ等のデータをインプット/アウトプット・モジュール52に入力すると、プロセス・システム54によりデータが処理される。次に計算モジュール56がデータベース60より任意のデータを選択、分析、計算し、複数の刺激点および対応する刺激の種類に関するデータ等の結果をアウトプットする。
【0060】
1つの実施形態では、プロセス・システム54にはセントラル・プロセッサまたはセントラル・プロセッサ付きデバイス(ワイヤまたはワイヤレスネットワーク・デバイスまたはさまざまな通信デバイス等)が含まれる。例えば、ネットワーク・デバイスにはパーソナル・コンピューター(PC)が、通信デバイスには携帯電話または小型携帯情報端末(PDA)が含まれる。
【0061】
1つの実施形態では、インプット/アウトプット・モジュール52にはネットワーク・デバイスまたは通信デバイスのキーボードまたはスクリーンが含まれており、キーボードまたは書き込み可能あるいは感知可能なスクリーンによりユーザーのデータがインプットされ得る。インプット/アウトプット・モジュール52には赤外線(IR)センサーも含まれる。赤外線(IR)センサーによりユーザーの異常部分が感知され、異常部分のデータが読み取られて移送され得る。インプット/アウトプットするためのインプット/アウトプット・モジュール52には言葉、図、または三次元図が含まれる。
【0062】
データベース60には、さまざまなサブ・データベース、例えば異常部分サブ・データベース62と、遠絡分布サブ・データベース64と、生体の流れ分布サブ・データベース66と、刺激点サブ・データベース68とが含まれる。サブ・データベース間の関係は正反対か、あるいは一致している。異常部分サブ・データベース62には異常部分データが含まれており、異常部分には痛みなど、特定の感覚を感知する部位が含まれる。例えば、異常部位には、頭部、四肢または体幹あるいは身体、人体の内臓または神経系が含まれると考えられる。
【0063】
1つの実施形態では、データベース60にはオンライン・データベースも含まれ、ユーザーはインターネット・ネットワークを通じて最新のデータベースにアクセスできる。言い換えれば、オンライン・データベースには最新の異常部分、遠絡分布、生体の流れ分布、および刺激点サブ・データベースが含まれており、サブ・データベースを使用するさまざまなユーザーに関する最新データを入手することができる。
【0064】
計算モジュール56にはさまざまな計算モジュールが含まれる。選択した異常部分データを比較し、分析した後、図3で示すように陰陽五行理論のなかの対応する、あるいは(関連のある)反対の関係と、図4で示すように六角形の関係と、図5に示すように季節時間とに基づいて複数の刺激点に関するデータについて計算し、結果が得られる。
【0065】
図10を参照しながら、本発明による人体の刺激点を決定するシステムのフローチャートを示す。ステップ70でシステムを開始する。ユーザーはステップ72で異常部分に関するデータをインプットする。異常部分データを読み取って、初期分類を実施する。異常部分の種類は、ステップ74で重み、疼痛、または痺れとして同定することができる。ユーザーはステップ76で異常部分データを分析し、ステップ78でシステムにより異常部分を点検し、確認することができる。
【0066】
異常部分が疼痛と同定されると、システムは分析された異常部分に基づいてステップ80にアクセスし、疼痛を計算する。インプットされた異常部分データと、これに対応する遠絡と、生体の流れ分布に基づいて、ステップ82で疼痛を計算できる。次に、データのなかの対応する、あるいは(関連のある)反対の関係、つまり修正された陰陽六行論と遠絡のなかの対応する(関連のある)、あるいは反対の関係を考慮して、1つまたは複数の刺激点を取得し、確認することができる。
【0067】
異常部分が痺れと同定されると、システムは分析された異常部分に基づいてステップ90にアクセスし、痺れを計算する。インプットされた異常部分データと、これに対応する季節時間に基づいて、ステップ92で痺れを計算できる。次に、対応する季節時間を考慮して、1つまたは複数の刺激点を取得し、確認することができる。
【0068】
例えば、異常部分が生体の流れAyIIで見つかった場合、ユーザーは対応する異常所見の季節時間が春(木)であり、図3に示されるとおり、異常所見が通常秋に生じるというデータを取得することができる。データによりユーザーは刺激点および当該季節、次の季節、その次の季節、そして最後の季節に実行される対応する刺激を取得することができる。次にユーザーは適切な刺激を加えて異常部分を減弱させるか、あるいは回復させることができる。
【0069】
ユーザーは、ステップ100において、計算され、分析された結果を言葉または図を用いて順次アウトプットできる。次に、ステップ102においてシステムを継続すべきか否かを確認する。残りのデータが未処理の場合、システムはステップ104で上記のステップを再度実行する。未処理の場合、システムはその後のステップの終了を中止する。
【0070】
本発明の1つの態様によれば、ユーザーはインプット/アウトプット・モジュール52によって異常部分データをインプットし、プロセス・システム54プロセス・システムによってデータを処理し、計算モジュール56によって処理済みデータを計算し、刺激点データおよび対応する刺激を取得することができる。したがって、適切な刺激を加えて異常部分を減弱させるか、あるいは回復させることができる。
【0071】
本発明の別の態様によれば、図11に示される通り、本発明は人体の刺激点を決定するモジュールをさらに提供し、複数の生体の流れおよび刺激点の分布データを提供する。モジュールには配置される複数の生体の流れの分布データが含まれており、複数の刺激点はそれぞれ複数の生体の流れ上に設定されるものであり、修正された陰陽六行論と遠絡のなかの対応する関係または(関連のある)反対の関係に基づいて複数の生体の流れおよび刺激点の分布データを規定することを特徴とする。適切な刺激を加えることで、異常部分を減弱させるか、あるいは回復させることができる。
【0072】
例示された人体モジュールには、人体の内側に配置される複数の内側の生体の流れと人体モジュールの外側に配置される複数の外側の生体の流れが含まれている。複数の刺激点はそれぞれ内側および外側の生体の流れ上に設定される。
【0073】
1つの実施形態では、内側の生体の流れを陰の生体の流れとし、陽の生体の流れを外側の流れと呼ぶことができる。内側の生体の流れは人間の手、足、内臓の内側部分に設定され、外側の生体の流れは人間の手、足、内臓の外側部分に設定される。例えば、内臓の内側部分には肝臓、肺、腎臓、心臓、および膵臓が含まれる。内臓の外側部分には胃、胆、膀胱、大腸、および小腸が含まれる。
【0074】
図11で例示したモジュールを参照しながら、ユーザーは異常部分と対応する生体の流れの間の対応する関係および相対的な関係に基づいて1つまたは複数の刺激点を迅速かつ正確に取得し、確認することができる。次に、対応する刺激を加えて異常部分を減弱させるか、あるいは回復させることができる。関連のある説明を以下に記載する。以下の説明は本発明を例示するために使用するのであって、本発明を制限することを目的とするものではない。
【0075】
内側の生体の流れは手および足の内側部分に設定され、外側の生体の流れは手および足の外側部分に設定される。1つの実施形態では、手の内側の生体の流れにはそれぞれ3つの生体の流れTxI、TxII、およびTxIIIが含まれ、手の外側の生体の流れにはそれぞれ3つの生体の流れAxI、AxII、およびAxIIIが含まれる。同様に、足の内側の生体の流れにはそれぞれ3つの生体の流れTyI、TyII、およびTyIIIが含まれ、足の外側の生体の流れにはそれぞれ3つの生体の流れAyI、AyII、およびAyIIIが含まれる。このように、人体モジュールにはモジュール上に設定される12の生体の流れが含まれる。本発明では、複数の刺激点および生体の流れは本発明を例示するために使用するのであって、本発明を制限することを目的とするものではない。
【0076】
上記の態様によれば、左手の生体の内側の流れTxI、TxII、TxIIIと右手の生体の外側の流れTyI、TyII、TyIIIは、それぞれ複数の刺激点に分割される。生体の流れは手の肘の上部で6つの刺激点1、2、3、4、5、6に、肘の下部で3つの刺激点a、b、cに分割される。したがって、手の流れはそれぞれ9つの刺激点a、b、c、1、2、3、4、5、6に分割され得る。
【0077】
TxIに設定される刺激点は以下の通りである。TxI/6はTyI/6と同じ高さの上腕腹側面に位置する(上腕外側面から上腕二頭筋の下部まで)ため、ユーザーは上腕骨の前内側面上縁を押すとよい。TxI/5は肘上に位置する(上腕腹側面の上腕筋腱内側面を始点とする)ため、ユーザーは上腕骨の外側上顆稜上縁を押すとよい。TxI/4は肘下に位置する(前腕腹側面の腕橈骨筋内側面を始点とする)ため、ユーザーは橈骨頚部横のくぼみを押すとよい。TxI/3は前腕腹側中央部および腕橈骨筋の筋腱接合部に位置する(腕橈骨筋の外側縁または内側縁を始点とする)ため、ユーザーは浅指屈筋の外側縁と橈骨の内側面との間のくぼみを押すとよい。TxI/2はTxII/2(手の長母指屈筋筋腱接合部)と同じ高さの前腕腹側面に位置するため、ユーザーは手の長母指屈筋と橈骨の内側面との間のくぼみを押すとよい。TxI/1は前腕腹側面、つまり手首の後面に位置する(橈側手根屈筋腱外側面を始点とする)ため、ユーザーは橈骨の遠位端腹側のくぼみを押すとよい。TxI/aは手首の腹側面に位置する(橈側手根屈筋の外側縁を始点とする)ため、ユーザーは手首の屈曲伸展時に形成されるくぼみの最深部を押すとよい。TxI/bは第1中手骨腹側面に位置するため、ユーザーは中手骨の基部と骨幹の間の接合部横のくぼみを押すとよい。TxI/cは第1中手骨腹側面に位置するため、ユーザーは遠位中手骨の骨頭と骨幹の間の接合部横のくぼみを押すとよい。
【0078】
TxIIに設定される刺激点は以下の通りである。TxII/6はTxI/6と同じ高さの上腕腹側面に位置する(上腕外側から上腕二頭筋の下部まで、または上腕内側面から上腕二頭筋下部まで)ため、ユーザーは上腕骨の前内側後縁を押すとよい。TxII/5は肘上に位置する(上腕腹側面の上腕二頭筋腱の外側縁を始点とする)ため、ユーザーは上腕二頭筋腱下部の上腕骨腹側面の遠位端中央部のくぼみを押すとよい。TxII/4は肘下に位置する(前腕腹側面の円回内筋の上縁を始点とする)ため、ユーザーは近位橈骨と尺骨の間の接合部前のくぼみを押すとよい。TxII/3はTxI/3と同じ高さの前腕腹側面中央部に位置する(橈側手根屈筋と長掌筋の間を始点とする)ため、ユーザーは橈骨と尺骨の間のくぼみを押すとよい。TxII/2は前腕腹側面に位置するため、ユーザーは腕橈骨筋の外側縁に沿って曲部を伸ばし、次に曲部と橈側手根屈筋と長掌筋の接合部のくぼみを押すとよい(TxII経)。TxII/aは手首腹側面中央部に位置するため、ユーザーは手首の屈曲伸展時に形成されるくぼみの最深部を押すとよい(必ずしも橈側手根屈筋と長掌筋の間ではない)。TxII/bは掌腹側面上に位置する1点である。第3中手骨基部と第4中手骨基部の間の接合部前のくぼみを押す。TxII/cは掌腹側面に位置する。第2遠位中手骨および第3遠位中手骨の骨頭と骨幹の接合部前のくぼみを押す。TxII/cは掌腹側面に位置するため、ユーザーは第3遠位中手骨および第4遠位中手骨の骨頭と骨幹の接合部間のくぼみを押すとよい。
【0079】
TxIIIに設定される刺激点は以下の通りである。TxIII/6はTxI/6と同じ高さの上腕内側面に位置する(上腕二頭筋の下縁を始点とする)ため、ユーザーは上腕骨内側面を押すとよい。TxIII/5は肘上に位置する(上腕内側面を始点とする)ため、ユーザーは上腕骨の内側上顆稜上の遠位端腹内側のくぼみを押すとよい。TxIII/4は肘下に位置する(前腕内側面の尺側手根屈筋上部を始点とする)ため、ユーザーは尺骨の近位筋突起前のくぼみを押すとよい。TxIII/3はTxI/3(短小指屈筋の筋腱接合部)と同じ高さの前腕腹側中央部に位置する(尺側手根屈筋上縁を始点とする)ため、ユーザーは指屈筋と尺骨の間のくぼみを水平方向にやや下方を押すとよい。TxIII/1は前腕腹側面および手首後部に位置する(尺側手根屈筋外側面を始点とする)ため、ユーザーは尺骨前縁外側面の尺骨の骨頭と骨幹の接合部腹側のくぼみを押すとよい。TxIII/aは手首腹側面に位置する(尺側手根屈筋外側縁を始点とする)ため、ユーザーは手首の屈曲伸展時に形成されるくぼみの最深部を押すとよい。TxIII/bは掌腹側面に位置するため、ユーザーは手首の有鉤骨鉤内側のくぼみを押すとよい。TxIII/cは掌腹側面に位置するため、ユーザーは第4中手骨および第5中手骨の骨頭と骨幹の接合部間のくぼみを押すとよい。
【0080】
TyIに設定される刺激点は以下の通りである。TyI/6は上腕外側面に位置するため、ユーザーは三角筋外側縁に沿って曲部を下方に(上腕筋前縁を始点として)上腕骨接合部と同じ高さまで伸ばし、上腕骨の三角筋粗面(上腕骨の外側面)のくぼみ下を押すとよい。TyI/5は肘上に位置する(上腕外側面を始点とする)ため、ユーザーは上腕骨の外側顆上稜上の上腕骨遠位端腹外側のくぼみを押すとよい。TyI/4は肘下に位置する(前腕外側面および橈側手根伸筋前縁を始点とする)ため、ユーザーは近位橈骨頚部横のくぼみを押すとよい。TyI/3はTxI/3と同じ高さの前腕背側中央部および短橈側手根伸筋の筋腱接合部に位置する(短橈側手根伸筋の内側縁を始点とする)ため、ユーザーは指伸筋外側縁と橈骨内側面の間のくぼみを押すとよい。TyI/1は前腕背側面および手首後部に位置するため、ユーザーは橈骨の遠位端内側のくぼみを押すとよい。TyI/aは手首背側の外側面に位置する(長橈側手根伸筋および短橈側手根伸筋を始点とする)ため、手首の屈曲伸展時に形成されるくぼみの最深部を押すとよい。TyI/bは掌背側面に位置する(第2中手骨を始点とする)ため、ユーザーは近位中手骨の基部と骨幹の接合部腹側のくぼみを押すとよい(押される刺激点は「掌背側面」を「手の背側面」または「手の裏」に変更するように示唆される可能性がある)。TyI/cは掌背側面に位置する(第2中手骨外側面を始点とする)ため、ユーザーは遠位中手骨の骨頭と骨幹の間の接合部腹側のくぼみを押すとよい。
【0081】
TyIIに設定される刺激点は以下の通りである。TyII/6はTyI/6(上腕三頭筋の外側頭後縁と長頭の間)と同じ高さの上腕外側面に位置するため、ユーザーは上腕骨を押すとよい。TyII/5は肘上に位置する(上腕の上腕三頭筋長頭腱外側面を始点とする)ため、ユーザーは上腕骨の遠位端肘頭窩上の背側のくぼみを押すとよい。TyII/4は肘下に位置するため、ユーザーは肘筋と近位尺骨後縁の間の肘頭窩前のくぼみを押すとよい。TyII/3はTyI/3と同じ高さの前腕背側中央部に位置する(指伸筋を始点とする)ため、ユーザーは橈骨と尺骨の間のくぼみを押すとよい。TyII/2はTxII/2(長母指伸筋の筋腱接合部)と同じ高さの前腕背側面に位置する(指伸筋を始点とする)ため、橈骨と尺骨の間のくぼみを押すとよい。TyII/1は前腕背側面および手首後部に位置する(総指伸筋腱外側を始点とする)ため、ユーザーは遠位橈骨と遠位尺骨の間の接合部のくぼみ後部を押すとよい。TyII/aは手首背側中央部に位置する(総指伸筋腱外側縁を始点とする)ため、ユーザーは手首の屈曲伸展時に形成されるくぼみの最深部を押すとよい。TyII/bは掌背側面に位置するため、ユーザーは第3近位中手骨および第4近位中手骨の基部の間の接合部前のくぼみを押すとよい。TyII/bは掌背側面に位置するため、ユーザーは第4近位中手骨および第5近位中手骨の基部の間の接合部前のくぼみを押すとよい。TyII/cは掌背側面に位置するため、ユーザーは第3遠位中手骨および第4遠位中手骨の骨頭と骨幹の間の接合部のくぼみを押すとよい。TxII/cは掌背側面に位置するため、ユーザーは第4遠位中手骨および第5遠位中手骨の骨頭と骨幹の間の接合部のくぼみを押すとよい。
【0082】
TyIIIに設定される刺激点は以下の通りである。TyIII/6はTyI/6と同じ高さの上腕後面に位置する(上腕三頭筋の長頭および内側頭を始点とする)ため、ユーザーは上腕骨を押すとよい。TyIII/5は肘上に位置する(上腕後部の上腕三頭筋腱の長頭内側面を始点とする)ため、ユーザーは上腕骨の遠位端背側のくぼみを押すとよい。TyIII/4は肘下に位置する(前腕後面の尺骨後縁内側面を始点とする)ため、ユーザーは近位尺骨の肘頭前のくぼみを押すとよい。TyIII/3はTyI/3(小指伸筋の筋腱接合部)と同じ高さの前腕背側中央部に位置する(尺側手根伸筋前縁を始点とする)ため、ユーザーは指伸筋と尺骨の間のくぼみを押すとよい。TyIII/2はTyII/2と同じ高さの前腕背側に位置する(尺側手根伸筋前縁を始点とする)ため、ユーザーは指伸筋と尺骨の間のくぼみを押すとよい。TyIII/1は前腕背側面および手首後部に位置するため、ユーザーは尺骨の遠位端腹側の外側のくぼみを押すとよい。TyIII/aは手首の尺骨側面に位置する(尺側手根伸筋下縁を始点とする)ため、ユーザーは手首の屈曲伸展時に形成されるくぼみの最深部を押すとよい。TyIII/bは掌の尺骨側面に位置するため、ユーザーは第5近位中手骨の基部腹側面と骨幹の間の接合部横のくぼみを押すとよい。TyIII/cは第5中手骨腹側面に位置するため、ユーザーは遠位中手骨頭と骨幹の間の接合部横のくぼみを押すとよい。
【0083】
上記の態様によれば、左足の生体の内側の流れAxI、AxII、AxIIIと右足の生体の外側の流れAyI、AyII、AyIIIが、それぞれ複数の刺激点に分割される。図面では、生体の流れが、足首の下で3つの刺激点a、b、cに、足首の上で6つの刺激点1、2、3、4、5、6に分割される。したがって、足の流れはそれぞれ9つの刺激点a、b、c、1、2、3、4、5、6に分割され得る。
【0084】
AxIに設定される刺激点は以下の通りである。AxI/6は大腿内側面に位置する(大腿直筋と内側広筋と長内転筋の間のくぼみを始点とする)ため、ユーザーは大腿骨を押すとよい。AxI/5は膝関節上に位置する(遠位大腿前内側面および内側広筋中央部を始点とする)ため、ユーザーは大腿顆内側と大腿骨骨幹の接合部のくぼみを押すとよい。AxI/4は膝関節下、つまり近位下肢内側面に位置するため、ユーザーは近位脛骨内側縁の遷移点後ろのくぼみを押すとよい。AxI/3は足の内側面中央部に位置する(腓腹筋内側頭と筋腱接合部が接続する(長指屈筋の筋腱接合部)レベルを始点とする)ため、ユーザーは脛骨内側縁後部のくぼみを押すとよい。AxI/2は下肢内側面に位置するため、ユーザーは腓腹筋内側頭に沿って曲部を脛骨内側後面(AxI経)と同じ高さまで伸ばし、脛骨内側縁後部のくぼみを押すとよい。AxI/1はヒラメ筋の筋腱接合部と同じ高さの下肢内側面に位置する(脛骨内側後面を始点とする)ため、ユーザーは脛骨を押すとよい。AxI/aは足関節内側面に位置するため、ユーザーは内果前下縁と後脛骨筋の間のくぼみを押すとよい。AxI/bは足の内側面に位置するため、ユーザーは近位中足骨基部と第1中足骨骨幹の接合部腹側のくぼみを押すとよい。AxI/cは足の内側面に位置するため、ユーザーは遠位中足骨頭と第1中足骨骨幹の間の接合部腹側のくぼみを押すとよい。
【0085】
AxIIに設定される刺激点は以下の通りである。AxII/6はAxI/6と同じ高さの大腿内側面に位置する(内側広筋と長内転筋と大内転筋の間のくぼみを始点とする)ため、ユーザーは大腿骨内側面を押すとよい。AxII/5は膝関節上、つまり遠位大腿骨内側面に位置するため、ユーザーは大腿骨上顆内側後部のくぼみを押すとよい。AxII/4は膝関節下、つまり近位下肢内側面に位置する(薄筋後縁を始点とする)ため、ユーザーは近位脛骨後部のくぼみを押すとよい。AxII/3はAxI/3と同じ高さの下肢内側中央部に位置する(ヒラメ筋前部のくぼみを始点とする)ため、ユーザーは脛骨後面を押すとよい。AxII/2はAxI/2(後脛骨筋の筋腱接合部)と同じ高さの下肢内側面に位置する(ヒラメ筋前のくぼみを始点とする)ため、ユーザーは脛骨後面を押すとよい。AxII/aは足関節内側面に位置する(前脛骨筋後縁を始点とする)ため、ユーザーは足関節の屈曲伸展時に形成されるくぼみの最深部を押すとよい。AxII/bは足の背側面に位置するため、ユーザーは第1中足骨および第2中足骨の近位基部の接合部前のくぼみを押すとよい。AxII/cは足の背側面に位置するため、ユーザーは第1中足骨および第2中足骨の遠位骨頭と骨幹の接合部の間のくぼみを押すとよい。
【0086】
AxIIIに設定される刺激点は以下の通りである。AxIII/6はAxI/6と同じ高さの大腿内側面に位置する(長内転筋内側と薄筋の間のくぼみを始点とする)ため、ユーザーは大腿骨を押すとよい。AxIII/6はAxI/6と同じ高さの大腿内側面に位置する(薄筋と半膜様筋の間のくぼみを始点とする)ため、ユーザーは大腿骨を押すとよい。AxIII/5は膝関節後部、つまり遠位大腿内側面に位置する(薄筋上縁を始点とする)ため、ユーザーは大腿顆内側後面と大腿骨骨幹の接合部のくぼみを押すとよい。AxIII/5は膝関節後部、つまり遠位大腿後面に位置する(薄筋と半膜様筋の間を始点とする)ため、ユーザーは大腿顆内側後面と大腿骨骨幹の接合部のくぼみを押すとよい。AxIII/4は膝関節下、つまり近位下肢後面に位置する(腓腹筋内側頭前縁を始点とする)ため、ユーザーは近位脛骨後のくぼみを押すとよい。AxIII/3はAxI/3と同じ高さの下肢内側中央部に位置する(ヒラメ筋と腓腹筋腱膜の間のくぼみを始点とする)ため、ユーザーは脛骨後面を押すとよい。AxIII/2はAxI/2と同じ高さの下肢内側面に位置する(ヒラメ筋後縁と腓腹筋腱膜の間のくぼみを始点とする)ため、ユーザーは脛骨後面を押すとよい。AxIII/aは足関節内側面、つまり足首内側の頂点後に位置するため、ユーザーは足首内側後縁のくぼみの最深部を押すとよい。AxIII/bは足の内側面に位置するため、ユーザーは舟状骨粗面と踵骨の接合部下のくぼみを押すとよい。AxIII/cは足底に位置するため、ユーザーは第1中足骨および第2中足骨の遠位中足骨頭と骨幹の接合部の間のくぼみを押すとよい。
【0087】
AyIに設定される刺激点は以下の通りである。AyI/6はAxI/6と同じ高さの大腿前外側面に位置する(大腿直筋外側縁のくぼみを始点とする)ため、ユーザーは大腿骨を押すとよい。AyI/5は膝関節上、つまり遠位大腿前面に位置する(大腿直筋外側縁を始点とする)ため、ユーザーは大腿直筋外側と骨幹の間の接合部のくぼみを押すとよい。AyI/4は膝関節下、つまり近位下肢外側面に位置する(前脛骨筋後面を始点とする)ため、ユーザーは脛骨外側顆と骨幹の間の接合部のくぼみを押すとよい。AyI/3はAxI/3(長指伸筋の筋腱接合部)と同じ高さの下肢外側面中央部に位置するため、ユーザーは前脛骨筋後縁のくぼみを押すとよい。AyI/2はAxI/2(前脛骨筋の筋腱接合部)と同じ高さの下肢外側面に位置するため、ユーザーは前脛骨筋後縁のくぼみを押すとよい。AyI/1はAxI/1(第三腓骨筋の筋腱接合部)と同じ高さの下肢外側面に位置するため、ユーザーは前脛骨筋後縁のくぼみを押すとよい。AyI/aは足関節前面に位置する(長指伸筋および短指伸筋を始点とする)ため、ユーザーは足関節運動時に形成されるくぼみの最深部を押すとよい。AyI/bは足の背側面に位置するため、ユーザーは第2中足骨および第3中足骨の近位基部と骨幹の接合部前のくぼみを押すとよい。AyI/cは足の背側面に位置するため、ユーザーは第2中足骨および第3中足骨の遠位骨頭と骨幹の接合部間のくぼみを押すとよい。
【0088】
AyIIに設定される刺激点は以下の通りである。AyII/6はAyI/6と同じ高さの大腿外側面に位置する(腸脛靭帯上縁を始点とする)ため、ユーザーは大腿骨外側面を押すとよい。AyII/5は膝関節上、つまり遠位大腿外側面に位置するため、ユーザーは大腿骨上顆外側前のくぼみを押すとよい。AyII/4は膝関節下、つまり近位下肢外側面に位置する(長指伸筋後縁を始点とする)ため、ユーザーは近位腓骨側下のくぼみを押すとよい。AyII/3はAyI/3と同じ高さの下肢外側面中央部に位置するため、ユーザーは腓骨外側面のくぼみを押すとよい。AyII/2はAyI/2と同じ高さの下肢外側面に位置するため、ユーザーは腓骨外側面のくぼみを押すとよい。AyII/1はAyI/1と同じ高さの下肢外側面に位置するため、ユーザーは腓骨前面のくぼみを押すとよい。AyII/aは足関節外側面、つまり足首外側の前下縁に位置するため、ユーザーは前距腓靭帯後縁のくぼみの最深部を押すとよい。AyII/bは足の背側面に位置するため、ユーザーは第3中足骨および第4中足骨の近位基部の接合部前のくぼみを押すとよい。AyII/bは足の背側面に位置するため、ユーザーは第4中足骨および第5中足骨の近位基部の接合部前のくぼみを押すとよい。AyII/cは足の背側面に位置するため、ユーザーは第3中足骨および第4中足骨の遠位骨頭と骨幹の接合部間のくぼみを押すとよい。AyII/cは足の背側面に位置するため、ユーザーは第4中足骨および第5中足骨の遠位骨頭と骨幹の接合部間のくぼみを押すとよい。
【0089】
AyIIIに設定される刺激点は以下の通りである。AyIII/6はAyI/6と同じ高さの大腿外側面に位置する(腸脛靭帯と大腿二頭筋の間を始点とする)ため、ユーザーは大腿骨を押すとよい。AyIII/6はAyI/6と同じ高さの大腿後面に位置する(大腿二頭筋内側縁のくぼみを始点と)するため、ユーザーは大腿骨後面を押すとよい。AyIII/5は膝の後面に位置する(腸脛靭帯下縁を始点とする)ため、ユーザーは大腿顆外側後面と大腿骨骨幹の接合部のくぼみを押すとよい。AyIII/5は膝の後面に位置する(大腿二頭筋内側縁のくぼみを始点とする)ため、ユーザーは大腿顆外側後面と大腿骨骨幹の接合部のくぼみを押すとよい。AyIII/4は膝の後面に位置する(腓腹筋の骨頭内側と骨頭外側の間を始点とする)ため、近位脛骨後のくぼみを押すとよい。AyIII/4も膝の後面に位置する(腓腹筋頭外側の外側縁を始点とする)ため、ユーザーは近位脛骨前のくぼみを押すとよい。AyIII/3は、AyI/3と同じ高さの下肢後面中央部に位置する。まず腓腹筋頭内側と外側の間の接合部下縁を押して、腓腹筋頭外側をより明らかにする。筋腱膜接合部の高さを始点として、ユーザーはヒラメ筋と腓骨後縁の間のくぼみを押すとよい。AyIII/2はAyI/2と同じ高さの下肢外側面に位置するため、ユーザーは腓骨後面のくぼみを押すとよい。AyIII/1はAyI/1と同じ高さの下肢の外側面に位置するため、ユーザーは腓骨後面のくぼみを押すとよい。AyIII/aは足関節外側面、つまり外果の頂点後に位置するため、ユーザーは外果後縁のくぼみの最深部を押すとよい。AyIII/bは足の外側面に位置するため、ユーザーは第5中足骨の近位基部と骨幹の接合部腹側のくぼみを押すとよい。AyIII/cは足の外側面に位置するため、ユーザーは第5中足骨の遠位骨頭と骨幹の接合部腹側のくぼみを押すとよい。
【0090】
本発明により言及した実施形態では、ここに挙げた刺激点を用いて本発明を例示しようとするのであり、本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨および範囲内で変更することができる。刺激点は、異常部分に基づいて変更することができる。例えば、TyII/cは掌の背側面に位置するため、ユーザーは第3遠位中手骨および第4遠位中手骨の骨頭と骨幹の間の接合部のくぼみを押す、あるいは第4遠位中手骨および第5遠位中手骨の骨頭と骨幹の間の接合部のくぼみを押すとよい。
【0091】
先行技術と比較して、本発明には以下の長所がある。本発明は人体の刺激点を決定する方法を提供して先行技術の方法にとって換え、陰陽五行理論と、12の遠絡と、漢方医学の相生と相剋の関係と、現代医学の病態生理学とを組み合わせている。異常部分の様々なレベルに基づいて、本発明を修正して刺激の種類および刺激点を変更することも可能である。本発明は異常部分と直接連結させないため、さらに生体の流れの遮断部を回復させ、異常部分を減弱させることができる。
【0092】
本発明の1つの長所は、本発明が容易に実行することが可能であり、特殊な技術や道具を必要としないことである。
【0093】
本発明の態様によれば、様々な痛みの状態のレベルに応じて刺激の頻度と、持続期間と、刺激点とを修正し調節して、生体の流れの遮断物を減少させて異常部分を軽減または回復させることが可能である。
【0094】
本発明の別の態様によれば、例示したシステムには様々なデータベースが含まれているため、ユーザーは計算モジュールを用いて異常部分データを分析することにより、複数の刺激点を容易に取得することができる。適切な刺激を加えると、異常部分は減弱されるか、あるいは回復することができる。
【0095】
本技術の当業者によって理解されるように、本発明の前述の好適な実施形態は、本発明を限定するのではなく、説明するものである。本発明と好適な実施形態とを説明して、本技術の当業者に対し変更形態を提案する。このように、本発明は本実施形態によって限定されるものではない。むしろ、本発明は、添付された請求の範囲の精神および適用範囲内で様々な変更形態や同様の仕組みを包括する所存である。上記適用範囲は、このような変更形態および同様の構造をすべて包括するためにもっとも広い解釈と一致すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0096】
本発明の前述の側面およびこれに付随する多くの長所と、以下を特徴とする添付の図面を参照することによってより容易に評価され、また、よりよく評価されると考えられる。
【図1】本発明による、人体の刺激点を決定する方法のフローチャートを示す。
【図2A】本発明による、部分的に遮断された人体の流れを示す。
【図2B】本発明による、完全に遮断された人体の流れを示す。
【図3】本発明による、漢方医学の陰陽五行に基づいて修正された陰陽六行理論を示す。
【図4】本発明による、人体の刺激点を決定するための六角形の関係図を示す。
【図5】本発明による、人体の刺激点を決定するための季節関係図を示す。
【図6A】本発明による、人体の左手および右手の外側の流れを図示する。
【図6B】本発明による、人体の左手および右手の内側の流れを図示する。
【図7A】本発明による、人体の左足および右足の外側の流れを図示する。
【図7B】本発明による、人体の左足および右足の内側の流れを図示する。
【図8A】本発明の第2の実施形態による、刺激前、刺激後、および錠剤投与に関する経時的な視覚アナログ尺度(VAS)のスコアを示す。
【図8B】本発明の第2の実施形態による、刺激前の三相骨スキャンを示す。
【図8C】本発明の第2の実施形態による、刺激後の三相骨スキャンを示す。
【図9】本発明による、人体の刺激点を決定するシステムを図示する。
【図10】本発明による、人体の刺激点を決定するシステムのフローチャートを示す。
【図11】本発明による、人体の刺激点を決定するモジュールを図示する。
【符号の説明】
【0097】
10 複数の遠絡および複数の生体の流れの分布を規定する
12 複数の遠絡と生体の流れとの間の関係に基づいて、対応する関連情報を構築する
14 異常部分に基づいて対応する生体の流れを同定する
16 異常部分の生体の流れおよびこれに対応する関連情報により、1つまたは複数の刺激点を決定する
18 刺激を加えて異常部分を軽減または回復させる
20 生体の流れの断面
22 遮断された部位24の先行部分
24 遮断された部位
26 遮断された部位24の後続部分
30 障害物
52 インプット/アウトプット・モジュール
54 プロセス・システム
56 計算モジュール
60 データベース
62 異常部分サブ・データベース
64 遠絡分布サブ・データベース
66 生体の流れ分布サブ・データベース
68 刺激点サブ・データベース
70 開始
72 異常部分の入力
74 重みまたは痺れの入力
76 異常部分の分析
80 異常部分に基づく重み計算の実行
82 重み計算
90 異常部分に基づく痺れ計算の実行
92 痺れ計算
100 言葉または図による結果のアウトプット
102 継続するか?
104 終了

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の複数の遠絡の分布および複数の生体の流れを規定することと、
前記複数の遠絡の前記分布および前記生体の流れに基づいて前記遠絡および前記生体の流れに関する関連情報を構築することと、
異常部分の前記遠絡に基づいて対応する生体の流れを同定することと、
前記生体の流れおよび前記対応する異常部分の情報に基づいて1つまたは複数の刺激点を決定することと、
前記刺激点に刺激を加えて前記異常部分を減弱する、あるいは回復させることとを含む、人体の刺激点を決定する、方法。
【請求項2】
上下方向および横方向に複数の遠絡へ分割される人間の複数の遠絡の分布を規定するための前記ステップを特徴とし、1つまたは前記複数の生体の流れが前記人体の前記複数の遠絡の前記分布と連絡するネットワークであって、前記生体の流れが陰陽の生体の流れを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記異常部分の種類として、慢性および急性の異常部分と、局所性および中枢性の異常部分とが含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記異常部分に痛みを感知する部位が含まれていて、痛みを感知する前記部位に、頭部、四肢、体幹、内臓器官、または神経系が含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の刺激点が、前記異常部分の反対側の部分または対応する部分にあると考えられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の刺激点に制御刺激点および機能刺激点が含まれていて、前記制御刺激点が前記複数の生体の流れと流れの間の刺激点であって、前記機能刺激点が前記異常部分を軽減または回復させるために使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記刺激には、指圧療法、マッサージ、鍼灸治療、電気刺激(ES)療法、レーザー、または改良された化学物質または天然物質が含まれ、前記改良された化学物質または天然物質が外的にも内的にも使用可能であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
データをインプット/アウトプットするインプット/アウトプット・モジュールと、
前記インプット/アウトプット・モジュールに連結されるプロセス・システムと、
前記プロセス・システムに連結されるデータベースと、
前記プロセス・システムに連結される計算モジュールとを備え、
前記プロセス・システムにより前記インプット/アウトプット・モジュールと前記データベースから得られた前記データが分析され、前記インプット/アウトプット・モジュールが人体の1つまたは複数の刺激点のなかの対応するデータを出力し得ることを特徴とする、
人体の刺激点を決定するシステム。
【請求項9】
前記インプット/アウトプット・モジュールにはキーボード、スクリーン、または赤外線(IR)センサーが含まれていることと、前記インプット/アウトプット・モジュールのさまざまな前記インプット/アウトプットには前記言葉または図が含まれていることと、前記プロセス・システムにはセントラル・プロセッサ、ワイヤ、ワイヤレスネットワーク・デバイス、またはさまざまな通信デバイスが含まれていることとを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記データベースには、異常部分サブ・データベース、遠絡分布サブ・データベース、生体の流れの分布サブ・データベース、刺激点サブ・データベース、またはオンライン・データベースが含まれることを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記陰陽五行理論のなかの前記対応する、あるいは(関連のある)反対の関係と、前記六角形の関係と、前記季節時間とに基づいて前記計算モジュールが実行されることを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記人体の1つまたは複数の刺激点の対応するデータには、前記刺激点および対応する刺激の種類に関するデータが含まれていることと、前記対応する刺激の種類データには指圧療法、マッサージ、鍼灸治療、電気刺激(ES)療法、レーザー、または改良された化学物質または天然物質が含まれていることと、前記改良された化学物質または天然物質が外的にも内的にも使用可能であることとを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記モジュール上に設定される複数の生体の流れと、
前記生体の流れ上にそれぞれ設定される複数の刺激点とを含んでいて、
前記複数の生体の流れと前記複数の刺激点が前記修正された陰陽六行論と前記遠絡によって規定され、刺激を加えた後に前記異常部分が減弱され得るか、あるいは回復され得ることを特徴とする人体の刺激点を決定するモジュール。
【請求項14】
前記複数の生体の流れに内側および外側の生体の流れが含まれていることと、前記内側の生体の流れ分布に人体の手、足、および内臓の内側部分が含まれていることと、前記外側の生体の流れ分布に人体の手、足、および内臓の内側部分が含まれていることとを特徴とする、請求項13に記載のモジュール。
【請求項15】
前記異常部分が痛みを感知する部位を含み、前記複数の刺激点が前記異常部分の反対側の部分または対応する部分にあると考えられることを特徴とする、請求項13に記載のモジュール。
【請求項16】
前記複数の刺激点に制御刺激点および機能刺激点が含まれていて、前記制御刺激点が前記複数の生体の流れと流れの間の刺激点であって、前記機能刺激点が前記異常部分を軽減または回復させるために使用されることを特徴とする、請求項13に記載のモジュール。
【請求項17】
前記刺激に、指圧療法、マッサージ、鍼灸治療、電気刺激(ES)療法、レーザー、または改良された化学物質または天然物質が含まれていて、前記改良された化学物質または天然物質が外的あるいは内的に使用可能であることを特徴とする、請求項13に記載のモジュール。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−72579(P2009−72579A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−217058(P2008−217058)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(508258426)
【Fターム(参考)】