説明

人体乾燥装置

【課題】低振動、低騒音でコンパクトな人体乾燥装置を提供する。
【解決手段】被洗浄面に加圧空気を噴出する乾燥ノズルに加圧空気を供給する蓄圧手段23を備え、前記蓄圧手段23は、空気を加圧する加圧手段22と、この加圧手段による加圧空気を蓄えるとともに前記乾燥ノズルと接続した蓄圧タンク23aと、前記加圧手段22を収納する収納ケース48とを有する人体乾燥装置としたことにより、加圧手段22から発生した振動や動作音等の騒音が収納ケース48を介して外に伝わるのを無くして蓄圧手段23の静音性を確保した。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャワーや衛生洗浄便座等に適用される衛生洗浄装置において、洗浄後の被洗浄面に加圧空気を供給し乾燥促進を行なわせる人体乾燥装置にするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、衛生洗浄装置においては、洗浄後、被洗浄面に加圧空気と温風を供給して乾燥させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これは、加圧空気を噴射させ、残留付着した水滴を吹き飛ばし拡散させると、細かな水滴または薄い水膜状になるので、その後に温風乾燥すると、濡れた被洗浄面の全体を短時間で万遍なく乾燥することができるからである。
【0004】
【特許文献1】
特開昭58−218531号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水滴を吹き飛ばし拡散させるほどの加圧空気の供給には、加圧手段が大型になり、これを装備する衛生洗浄装置はその本体が大型化し、脱臭装置等の構成要素を含めると、さらに顕著になるという課題があった。そこで、加圧手段を衛生洗浄装置の本体外へ出すと、加圧手段の振動、動作音等の騒音が課題となる。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、衛生洗浄装置の本体外に加圧手段を設置しても振動や動作音が小さい人体乾燥装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の人体乾燥装置は、蓄圧手段を、空気を加圧する加圧手段と、この加圧手段による加圧空気を蓄えるとともに乾燥ノズルと接続した蓄圧タンクと、前記加圧手段を収納する収納ケースとで構成したものである。
【0008】
これによって、高速乾燥機能を付加することができるとともに、加圧手段を収納ケースの中空に収めることにより、加圧手段から発生した振動や動作音等の騒音が外に伝わるのを無くし、静音性を確保したため、衛生洗浄装置の本体外への設置等の取扱いが容易になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、衛生洗浄装置の本体に設けられ、被洗浄面に加圧空気を噴出する乾燥ノズルと、この乾燥ノズルに加圧空気を供給する蓄圧手段とを備え、前記蓄圧手段は、空気を加圧する加圧手段と、この加圧手段による加圧空気を蓄えるとともに前記乾燥ノズルと接続した蓄圧タンクと、前記加圧手段を収納する収納ケースとを有する人体乾燥装置とすることにより、高速乾燥機能を付加することができるとともに、加圧手段が収納ケースに収納され、加圧手段から発生した振動や動作音等の騒音が外に伝わるのを無くし、静音性を確保したため、衛生洗浄装置の本体外への設置等の取扱いが容易になる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、蓄圧タンクに設けた空気接続管を、収納ケースに設けた空気接続管挿入部を通して加圧手段の空気管に接続した請求項1に記載の人体乾燥装置とすることにより、加圧手段と蓄圧タンクを密に構成することができ、蓄圧手段の小型化が図れるものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、空気管をフレキシブルチューブで構成した請求項2に記載の人体乾燥装置とすることにより、加圧手段から発生した振動をフレキシブルチューブで吸収し、蓄圧タンクに伝わるのを少なくして、蓄圧手段の振動、騒音を低減することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、空気管を湾曲させて蓄圧タンクと加圧手段を接続した請求項2または3に記載の人体乾燥装置とすることにより、加圧手段から発生する振動を湾曲部で吸収することができ、更に蓄圧手段の振動、騒音を低減することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、空気管の一部に吸振手段を設けた請求項2〜4のいずれか1項に記載の人体乾燥装置とすることにより、加圧手段から発生した振動が蓄圧手段に伝わるのを無くし、蓄圧手段の振動、騒音を大幅に低減することができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、収納ケースの空気接続管挿入部に封止部を設けた請求項2に記載の人体乾燥装置とすることにより、空気接続管挿入部から加圧手段の動作音が漏れるのを防止することになり、蓄圧手段の騒音を低減することができる。
【0015】
請求項7に記載の発明は、封止部を弾性部材で構成した請求項6に記載の人体乾燥装置とすることにより、加圧手段の振動が収納ケースに伝わるのを防止することになり、蓄圧手段の振動、騒音を低減することができる。
【0016】
請求項8に記載の発明は、収納ケースに収納する加圧手段を、引張ばねにより吊り下げて弾性支持するとともに、この引張ばねの取り付け部には吸振部材を設けた請求項1〜7のいずれか1項に記載の人体乾燥装置とすることにより、加圧手段の振動による引張ばねの取り付け部における接触音を無くすことになり、蓄圧手段の騒音を低減することができる。
【0017】
請求項9に記載の発明は、収納ケースの壁面に設けた空気の吸引口に、加圧手段の電源リード線を通した請求項1〜8のいずれか1項に記載の人体乾燥装置とすることにより、収納ケースの開口部面積が小さくなり、加圧手段から発生する騒音の漏れが少なくなり、蓄圧手段の騒音を低減することができる。
【0018】
請求項10に記載の発明は、加圧手段の電源リード線を、フィルターを兼ねた保持部材で空気の吸引口に取り付けた請求項9に記載の人体乾燥装置とすることにより、加圧手段の振動で電源リード線が吸引口端部に擦れ被覆が損傷するのを防止すると同時に、異物の侵入を防ぐことになり、安全性を向上することができる。
【0019】
請求項11に記載の発明は、空気の吸気口に、外に行くにしたがって内径が大きくなる消音器を設けた請求項9または10に記載の人体乾燥装置とすることにより、、加圧手段の吸気による吸引口の気流音が小さくなり、蓄圧手段の騒音を低減することができる。
【0020】
請求項12に記載の発明は、空気の吸引口を覆ってカバーを設け、吸引口の外側に空間を構成するとともに、前記カバーに吸引口より開口面積が大きい貫通孔を設けた請求項9または10に記載の人体乾燥装置とすることにより、吸引口の外側に設けた空間のバッファ作用と、開口面積を大きくしたことによる気流の速度低下によって気流音が無くなり、蓄圧手段の騒音を更に低減することができる。
【0021】
請求項13に記載の発明は、乾燥ノズルと蓄圧タンク間に設ける開閉弁を、防振部材を介して蓄圧タンクに取り付けた請求項1に記載の人体乾燥装置とすることにより、開閉弁の開閉時に発生する動作振動が吸収され、音の増幅作用の有る蓄圧タンクに伝わらなくなり、蓄圧手段の振動、騒音を低減することができる。
【0022】
請求項14に記載の発明は、収納ケースと蓄圧タンクの隙間に防振部材を設けた請求項1に記載の人体乾燥装置とすることにより、収納ケースから伝わる加圧手段の振動が防振部材で遮断され蓄圧タンクが共振しなくなり、蓄圧手段の振動、騒音を大幅に低減することができる。
【0023】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
(実施例1)
図1、図2は本発明の実施例1における衛生洗浄装置の人体乾燥装置を示したものである。
【0025】
図において、1は便器、1aは便器ボウル、2は便座、3は便座蓋、9は水洗タンク(ロータンク)である。4は衛生洗浄装置の本体である。この内部には、洗浄水を加熱する加熱手段およびその温水を圧送する送水ポンプ(いずれも図示せず)を設け、送水ポンプに人体を洗浄する洗浄ノズル10を接続し、洗浄ノズル10を便器ボウル1aに配設している。洗浄ノズル10は洗浄時に便器ボウル1aの後部より中央方向に向けて突出するようにしている。水道管に給水元弁を介して加熱手段に水を給水して加熱し、送水ポンプで洗浄ノズル10に圧送し、洗浄ノズル10から被洗浄面に噴射しこれにより洗浄が行われる。
【0026】
また、衛生洗浄装置は、洗浄後の被洗浄面を乾燥するため、被洗浄面に残留付着した水滴を吹き飛ばして飛散または拡散させる人体乾燥装置と、温風乾燥手段を設けているものである。
【0027】
人体乾燥装置は、衛生洗浄装置の本体4に設けられ、被洗浄面に加圧空気を噴出する乾燥ノズル24と、この乾燥ノズル24に加圧空気を供給する蓄圧手段23とを備え、前記蓄圧手段23は、空気を加圧する加圧手段22と、この加圧手段22による加圧空気を蓄えるとともに前記乾燥ノズル24と接続した蓄圧タンク23aと、前記加圧手段22を収納する収納ケース48とを有する。前記蓄圧手段23は、本体4外で便器1の側方の適所に配置され、本体4の乾燥ノズル24と配管45により接続され、また本体4の制御部(図示せず)と電源リード線46により接続されている。また、乾燥ノズル24は、加圧空気を噴出することにより、洗浄後の被洗浄面の乾燥促進をさせるものであり、使用時に便器ボウル1a内の中央寄りに突出して被洗浄面に略垂直に加圧空気を噴出する。この場合、乾燥ノズル24は公知の手段、例えばモータ駆動や水圧駆動により、伸縮または折り畳み可能に構成しており、乾燥使用時に便器ボウル1a内の中央寄りに移動する。また、乾燥ノズル24からの加圧空気の噴出は開閉弁25、例えば電磁弁により制御される。
【0028】
温風乾燥手段31は、温風を発生する温風吐出手段と、発生した温風を被洗浄面に向けて吹き出すノズルからなるものであるが、ここでは省略する。
【0029】
40はコンセント、41はコンセント40に接続される受電部、42は操作パネル、43はリモコン操作器である。リモコン操作器43は送信信号を操作パネル42等に設けた受信部で受信させることにより、制御部により操作パネル42を直接操作したのと同様に遠隔操作可能にしている。
【0030】
この衛生洗浄装置は、便座蓋3を開き便座2に着座し、用便等の後に操作パネル42またはリモコン操作器43を操作して、まず洗浄が行われる。これは上記したように給水元弁が開き、水道水が加熱手段に供給されて加熱され、送水ポンプにより洗浄ノズル10から洗浄水が噴出し被洗浄面を洗浄する。次に人体乾燥装置を操作し、加圧空気を被洗浄面に噴出して水滴を吹き飛ばして拡散する。これは後述の加圧手段22の動作により蓄圧タンク23aに加圧空気を溜め、開閉弁25を開いて蓄圧手段23から乾燥ノズル24に加圧空気を送り被洗浄面に噴出させる。その後または人体乾燥装置と同時に温風乾燥手段を操作し温風を被洗浄面に吹き出して温風乾燥する。
【0031】
加圧手段22の関連構成の詳細は図2に示している。蓄圧手段23は、空気を加圧する加圧手段22と、加圧された高圧空気を蓄える蓄圧タンク23aと、加圧手段22を収納する収納ケース48とを有し、蓄圧タンク23aは開閉弁25を介して乾燥ノズル24に接続している。収納ケース48の内壁は、吸音材48aで覆われており、加圧手段22の動作音等の騒音を吸収し収納ケース48の外部に漏れないようにしている。開閉弁25は蓄圧タンク23aに取り付けられている。
【0032】
さらに図2について説明すると、蓄圧タンク23aは空気入り口50と高圧空気出口51を有する。加圧手段22は空気ポンプ55とモータ52を有し、モータ52は保持具53を介して収納ケース48内に設けた取付台54に取り付けられている。保持具53は、取付台54に設置される保持具53a、加圧手段22を収納ケース48の中空に弾性支持する引張ばね53b、加圧手段22に引張ばね53bを取り付ける支持具53cで構成されている。46はモータ52の電源用の電源リード線で、収納ケース48を貫通して外部に引き出されている。空気ポンプ55は□字形板状のベース57の一片がモータ52の前端部に取付けられ、モータ軸に取付けた小歯車66がベース57内に位置している。ベース57の他片にシリンダ58の後端部が取付けられ、その前端部に逆止作用を有する吸入弁部60と吐出弁部61とが設けられ、吐出弁部61は蓄圧タンク23aの空気入り口50と空気管72により接続されている。
【0033】
シリンダ58内を往復可能なピストン63は、モータ軸と平行な軸65を介してピストンロッド64の一端に接続され、ピストンロッド64はベース57の貫通穴59を通してシリンダ58の外部に突出している。ベース57には小歯車66に噛合する大歯車67が取り付けられ、大歯車67に設けた、軸65にピストンロッド64が軸支されている。したがって、モータ52が回動すると小歯車66、大歯車67が回転しこれに伴ってピストンロッド64がクランク運動してピストン63がシリンダ58内を往復する。ピストン63の吸入弁部60および吐出弁部61から離れる動作により吸入弁部60を通して収納ケース48の内部から空気をシリンダ58内に吸入し、ピストン63が吸入弁部60および吐出弁部61に近づく動作でシリンダ58内の空気を圧縮して吐出弁部61より蓄圧タンク23a内に押し出す。これにより蓄圧タンク23a内には次第に加圧空気がたまるようになる。
【0034】
開閉弁25は本体4に設けてもよいが、図2では蓄圧タンク23aの外側に取り付けられて入り口側が高圧空気出口51に接続され、弁の出口側は乾燥ノズル24に配管45により接続されている。この開閉弁25を開くと、上記したように蓄圧タンク23a内の高圧空気が開閉弁25および配管45を通って乾燥ノズル24より噴出することができる。
【0035】
本実施例によれば、加圧手段22、蓄圧タンク23aおよび収納ケース48からなる蓄圧手段23を単独で構成し、それを本体4の外に設置し、蓄圧手段23の出口と本体4内の乾燥ノズル24とを開閉弁25を介して配管45で接続することで、洗浄便座に高速乾燥機能を付加することができる。また加圧手段22を収納ケース48内の中空に保持具53で吊り下げ支持して収めることにより、加圧手段22から発せられる振動や動作音が外に伝わるのを無くし、蓄圧手段23の振動・騒音を小さくしたため、本体4の外への設置等の取扱が容易になる。また、また、蓄圧タンク23aと加圧手段22を密に構成でき蓄圧手段23のコンパクト化が図れるため、本体4内に設置することも可能である。
【0036】
(実施例2)
図3は本発明の実施例2における人体乾燥装置を示すものである。実施例1と基本構成は同じであるので、同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0037】
本実施例においては、蓄圧タンク23aは空気接続管71を設け、これを収納ケース48の壁面に設けた空気接続管挿入部48bに挿入し、加圧手段22と空気管72で接続している。
【0038】
本実施例によれば、加圧手段22と蓄圧タンク23aを密に構成することができ、蓄圧手段23の小型化を図ることができるものである。
【0039】
(実施例3)
本発明の実施例3における人体乾燥装置は、実施例2における空気管72をフレキシブルチューブで構成したものであり、他は実施例2と同じである。
【0040】
本実施例によれば、加圧手段22から発生した振動がフレキシブルチューブで吸収され、蓄圧タンク23aに伝わるのが少なくなり、蓄圧手段23の振動、騒音を低減することができる。
【0041】
(実施例4)
本発明の実施例4における人体乾燥装置は、蓄圧タンク23aと加圧手段を上下に略垂直に位置させ、空気管72に湾曲部72aを設けて接続している。その他は各実施例と同様である。
【0042】
本実施例によれば、加圧手段22から発生する特に横振動を湾曲部72aで吸収することができ、更に蓄圧手段23の振動、騒音を低減することができる。
【0043】
(実施例5)
図4、図5は本発明の実施例5における人体乾燥装置を示すものである。図6は、空気管72の一部に吸振手段73を設けたものであり、この吸振手段73は、錘73aと、フレキシブルチューブで形成された空気管72のばね性とで構成されており、加圧手段22の振動による空気管72の振動を抑えている。
【0044】
また、図7に示す吸振手段73は、収納ケース48の壁面に設けた圧縮ばねまたは引張ばね73bと、空気管72に設けたばね取付部72aとで構成されており、ばねの力で空気管72の振動を抑えている。その他は各実施例と同様である。
【0045】
本実施例によれば、空気管72の一部に吸振手段73を設けたことにより、加圧手段22から発生した振動が蓄圧タンク23aに伝わることが無くなり、蓄圧手段23の振動、騒音を大幅に低減することができる。
【0046】
(実施例6)
図6は本発明の実施例6における人体乾燥装置を示すものである。
【0047】
本実施例は、収納ケース48の空気接続管挿入部48bに封止部74を設けている。その他は各実施例と同様である。
【0048】
本実施例によれば、接続管挿入部48bと接続管71の隙間が無くなり、加圧手段22の動作音が漏れるのが防止されることになり、蓄圧手段23の騒音を低減することができる。
【0049】
(実施例7)
本発明の実施例7における人体乾燥装置は、封止部74を弾性部材で構成しているものであり、その他は各実施例と同様である。
【0050】
本実施例によれば、接続管71に伝わった加圧手段22の振動が弾性部材で構成された封止部74で防振され、収納ケース48に伝わらなくなり、蓄圧手段23の振動、騒音を低減することができる。
【0051】
(実施例8)
図7は本発明の実施例8における人体乾燥装置を示すものである。
【0052】
本実施例においては、保持具53を、収納ケース48内に取り付ける保持具53aと、加圧手段22を吊り下げ支持する引張ばね53bと、加圧手段22に前記引張ばね53bを取り付けるための支持具53cとで構成し、保持具53の引張ばね取り付け部53dと支持具53cの引張ばね取り付け部53eに吸振部材53fを設けている。その他は各実施例と同様である。
【0053】
本実施例によれば、加圧手段22の振動による引張ばね53bと保持具53a及び支持具53cの接触音が無くなり、蓄圧手段22の騒音を低減することができる。
【0054】
(実施例9)
図8は本発明の実施例9における人体乾燥装置を示すものである。
【0055】
本実施例においては、収納ケース48の壁面に設けた空気の吸引口75に加圧手段22の動力用モータの電源リード線46を通している。その他は各実施例と同様である。
【0056】
本実施例によれば、収納ケース48に設ける開口部の面積が必要最小限になり、加圧手段22から発生する騒音の漏れが少なくなって、蓄圧手段23の騒音を低減することができる。
【0057】
(実施例10)
図9は本発明の実施例10における人体乾燥装置を示すものである。
【0058】
本実施例においては、収納ケース48の壁面に設けた空気の吸引口75に加圧手段22の動力用モータの電源リード線46を通し、フィルターを兼ねた保持部材75aで取り付けている。その他は各実施例と同様である。
【0059】
本実施例によれば、加圧手段22の振動で電源リード線46が吸引口75の端部に擦れ被覆が損傷するのが防止されると同時に異物の侵入を防ぐことになり、安全性を向上することができる。
【0060】
(実施例11)
図10は本発明の実施例11における人体乾燥装置を示すものである。
【0061】
本実施例においては、吸気口75に外に行くにしたがって内径が大きくなる消音器76を設けている。その他は各実施例と同様である。
【0062】
本実施例によれば、加圧手段22の吸気による吸引口75の気流音が小さくなり、蓄圧手段23の騒音を低減することができる。
【0063】
(実施例12)
図11は本発明の実施例12における人体乾燥装置を示すものである。
【0064】
本実施例においては、収納ケース48の吸引口75を覆うカバー77を設け、吸引口75の外側に空間77aを構成し、カバー77に吸引口75より開口面積が大きい貫通孔77bを設けている。その他は各実施例と同様である。
【0065】
本実施例によれば、吸引口75の外側に設けた空間77aのバッファ作用と、貫通孔77bの開口面積を大きくしたことによる気流の速度低下によって気流音が無くなり、蓄圧手段23の騒音を更に低減することができる。
【0066】
(実施例13)
図12〜図14は本発明の実施例13における人体乾燥装置を示すものである。
【0067】
図12においては、開閉弁25を、防振部材78を介して蓄圧タンク23aに取り付けているものである。
【0068】
本実施例によれば、開閉弁25の開閉時に発生する動作振動が吸収され、音の増幅作用の有る蓄圧タンク23aに伝わらなくなり、蓄圧手段23の振動、騒音を低減することができる。
【0069】
図13においては、蓄圧タンク蓋23bで蓄圧タンクケース23cの開口部23dを覆うことで、蓄圧タンク23aを構成している。そして、パッキン79で蓄圧タンク蓋23bと蓄圧タンクケース23cとの気密性を確保している。開閉弁25を蓄圧タンク蓋23bに防振部材78を介して取り付けているものである。
【0070】
図14においては、開閉弁25は蓄圧タンクケース23c内に収納される側の蓄圧タンク蓋23bに防振部材78を介して固定されている。そして、開閉弁25のリード線25aが蓄圧タンク蓋23bを貫通する位置に気密部材23eを設けて蓄圧タンク23aの気密性を確保している。 図12、図13の本実施例によれば、開閉弁25の開閉時に発生する動作振動が吸収され、音の増幅作用の有る蓄圧タンク23aに伝わらなくなり、蓄圧手段23の振動、騒音を低減することができると同時に、開閉弁25を蓄圧タンクケース23c内に収納した場合は、開閉弁25の動作音が遮音され、蓄圧手段23の騒音を更に低減することができる。図12〜図14において、その他は各実施例と同様である。
【0071】
(実施例14)
図15は本発明の実施例14における人体乾燥装置を示すものである。
【0072】
本実施例においては、収納ケース48と蓄圧タンク23aの隙間80に防振部材80aを挿入しているものである。その他は各実施例と同様である。
【0073】
本実施例によれば、収納ケース48から伝わる加圧手段22の振動が防振部材80aで遮断され蓄圧タンク23aが共振しなくなり、蓄圧手段23の振動、騒音を大幅に低減することができる。
【0074】
【発明の効果】
以上のように、本発明の人体乾燥装置によれば、加圧手段を収納ケースに収納することで、加圧手段の動作振動、動作音を収納ケースの外部に漏らさないようにできるため、本体外へ蓄圧手段を設置しても人体乾燥装置の静音性を確保することができる。また、加圧手段を収納ケースに収めることにより本体外への設置等の取扱が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における人体乾燥装置の斜視図
【図2】同人体乾燥装置の蓄圧手段の断面図
【図3】本発明の実施例2〜4における人体乾燥装置の要部断面図
【図4】本発明の実施例5における人体乾燥装置の要部断面図
【図5】同人体乾燥装置の他の例を示す要部断面図
【図6】本発明の実施例5における人体乾燥装置の要部断面図
【図7】本発明の実施例8における人体乾燥装置の要部断面図
【図8】本発明の実施例9における人体乾燥装置の要部断面図
【図9】本発明の実施例10における人体乾燥装置の要部断面図
【図10】本発明の実施例11における人体乾燥装置の要部断面図
【図11】本発明の実施例12における人体乾燥装置の要部断面図
【図12】本発明の実施例13における人体乾燥装置の要部断面図
【図13】同人体乾燥装置の他の例を示す要部断面図
【図14】同人体乾燥装置の更に他の例を示す要部断面図
【図15】本発明の実施例14における人体乾燥装置の要部断面図
【符号の説明】
4 本体
22 加圧手段
23 蓄圧手段
23a 蓄圧タンク
24 乾燥ノズル
25 開閉弁
46 電源リード線
48 収納ケース
48b 空気接続管挿入部
52 モータ
53 保持具
53b 引張ばね
53d 保持具の引張ばね取り付け部
53e 支持具の引張ばね取り付け部
53f 吸振部材
54 取り付け台
55 空気ポンプ
71 空気接続管
72 空気管
74 封止部
75 吸引口
75a 保持部材
76 消音器
77 カバー
77a 空間
77b 貫通孔
78 防振部材
80 隙間
80a 防振部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生洗浄装置の本体に設けられ、被洗浄面に加圧空気を噴出する乾燥ノズルと、この乾燥ノズルに加圧空気を供給する蓄圧手段とを備え、前記蓄圧手段は、空気を加圧する加圧手段と、この加圧手段による加圧空気を蓄えるとともに前記乾燥ノズルと接続した蓄圧タンクと、前記加圧手段を収納する収納ケースとを有する人体乾燥装置。
【請求項2】
蓄圧タンクに設けた空気接続管を、収納ケースに設けた空気接続管挿入部を通して加圧手段の空気管に接続した請求項1に記載の人体乾燥装置。
【請求項3】
空気管をフレキシブルチューブで構成した請求項2に記載の人体乾燥装置。
【請求項4】
空気管を湾曲させて蓄圧タンクと加圧手段を接続した請求項2または3に記載の人体乾燥装置。
【請求項5】
空気管の一部に吸振手段を設けた請求項2〜4のいずれか1項に記載の人体乾燥装置。
【請求項6】
収納ケースの空気接続管挿入部に封止部を設けた請求項2に記載の人体乾燥装置。
【請求項7】
封止部を弾性部材で構成した請求項6に記載の人体乾燥装置。
【請求項8】
収納ケースに収納する加圧手段を、引張ばねにより吊り下げて弾性支持するとともに、この引張ばねの取り付け部には吸振部材を設けた請求項1〜7のいずれか1項に記載の人体乾燥装置。
【請求項9】
収納ケースの壁面に設けた空気の吸引口に、加圧手段の電源リード線を通した請求項1〜8のいずれか1項に記載の人体乾燥装置。
【請求項10】
加圧手段の電源リード線を、フィルターを兼ねた保持部材で空気の吸引口に取り付けた請求項9に記載の人体乾燥装置。
【請求項11】
空気の吸気口に、外に行くにしたがって内径が大きくなる消音器を設けた請求項9または10に記載の人体乾燥装置。
【請求項12】
空気の吸引口を覆ってカバーを設け、吸引口の外側に空間を構成するとともに、前記カバーに吸引口より開口面積が大きい貫通孔を設けた請求項9または10に記載の人体乾燥装置。
【請求項13】
乾燥ノズルと蓄圧タンク間に設ける開閉弁を、防振部材を介して蓄圧タンクに取り付けた請求項1に記載の人体乾燥装置。
【請求項14】
収納ケースと蓄圧タンクの隙間に防振部材を設けた請求項1に記載の人体乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2004−190280(P2004−190280A)
【公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−357581(P2002−357581)
【出願日】平成14年12月10日(2002.12.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】