人工島
【課題】資源の節約になり、森林保護にもなる、腐らなくて強度の大きい木製の人工島を提供する。
【解決手段】間伐材の比較的細い角材で、断面正6角形の筒体4を作成し、更に、前記筒体の角部内側は異なる寸法の角材の組合せからなる組合せ補強体で補強されていることが好ましい。前記筒体を多数接合させてハニカム状の浮体1を形成し、この浮体1を海中に浸漬してその上に建造物を設置して人間が生活できる空間を形成した人工島であり、腐らなくて浮力が大きく組合せが簡単にできる。
【解決手段】間伐材の比較的細い角材で、断面正6角形の筒体4を作成し、更に、前記筒体の角部内側は異なる寸法の角材の組合せからなる組合せ補強体で補強されていることが好ましい。前記筒体を多数接合させてハニカム状の浮体1を形成し、この浮体1を海中に浸漬してその上に建造物を設置して人間が生活できる空間を形成した人工島であり、腐らなくて浮力が大きく組合せが簡単にできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材の浮体で作られ、海又は湖等の水中に浮かぶ人工島に関する。
【背景技術】
【0002】
海上に浮かぶ人工島として関西国際空港等の飛行場が挙げられ、これは邪魔な建築物が周囲になく平らであり航空機の離着陸には便利である。一般に人工島は、鉄の浮体を作り、その上に建造物を設置している。また、植物栽培用人工島も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO96/09754
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の人工島は鉄製であるため海水に対して腐食し易く弱いばかりでなく、多量の鉄を使用しなければならず、資源の節約という点でも問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明の人工島は断面正六角形の筒体を横方向に多数接合させたハニカム状の浮体を木材で形成し、前記浮体を水平に沈め、その上に建造物を設置し、前記筒体を多数の角材を組合せてなる。
【0006】
更に、前記筒体の角部内側は異なる寸法の角材の組合せからなる組合せ補強体で補強されていることが好ましく、前記筒体の軸方向を水平方向に横臥せしめるようにして接合して浮体とし、その上に同一形状の筒体を載せて建造物とすることも可能であり、前記筒体の上下には蓋体で閉塞され、この蓋体は外側角材と内側角材とで二重に形成され、前記外側角材と内側角材の角材のに配置方向が直交させることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
浮体はハニカム状であり、強度的にも大であり、組立ても容易である。しかも、木材で形成され、木材は水中(海中)に沈めておけば腐ることもなく、しかも現在世界中で問題となっている間伐材の利用も可能である。
【0008】
本発明においては、間伐材でも多数の角材の組合せで筒体が形成できるので森林の保護にもなる。
【0009】
しかも、正6角形の角部内側を補強すれば、強度的にも保証される。また、正6角形の筒体は建造物にも利用でき全体として木材の人工島となり軽い建造物となる。また、筒体の上下の蓋体を二重として、その角材の配置方向を外側と内側とで直交させれば強度が大となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の人工島が海上に浮いている状態を示す状態図である。
【図2】浮体の正面図である。
【図3】筒体の本体の平面図である。
【図4】筒体の補強材の配置を示す筒体の平面図である。
【図5】図4のa−a断面図である。
【図6】図4のb−b断面図である。
【図7】蓋体の外側平面図である。
【図8】蓋体の内側平面図である。
【図9】筒体を内側から見た筒体の側面図である。
【図10】筒体の角部の補強体を示す上面図である。
【図11】図10の補強体の第1角材の平面図である。
【図12】図10の補強体の第2角材の平面図である。
【図13】図10の補強体の第3角材の平面図である。
【図14】図10の補強体の第4角材の平面図である。
【図15】筒体を構造物に利用した場合の人工島の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1において、本発明の人工島Iは間伐材等の比較的細い角材を張り付けて形成した正6角形の筒体をハニカム状に形成した大容量の浮体1からなり、この浮体1は海又は湖等の水中に沈漬されている。この浮体1の上面周囲には、防水壁2が載置されて海水の浸入を防止し、防水壁2の中において前記浮体1上には、構造物3、3…3が載置されている。前記浮体1は図2に示すように正6角形の筒体4をハニカム状にその軸方向を上下に取り、横方向に多数接合したものであり、人工島とするためには、何万、何十万という筒体4を接合する必要がある。
【0013】
前記筒体4は、全て細長い角材からなり、筒体4の各辺をなす側壁は、水平方向に伸びる辺材5、5…5を上下に積層せしめて形成されその内側は、縦方向に配設された縦材6、6…6で形成され、特に正6角形の角部の内側は寸法の異なる4種類の角材からなる補強体7、7…7で補強される。また、筒体4内には図4〜6に示すように、筒体4の上下の蓋体8、9を支持するための第1の水平支持梁10、10…10と、第2の水平支持梁11、11…11と、第3の水平梁12、12…12と、第3の水平支持梁12の横方向中心部を上下に支える垂直支持梁12a、12aと、斜めに伸びる斜梁12b、12bが配設されている。
【0014】
前記蓋体8、9は同一形状であり、蓋体の外側は図7に示すように、正6角形の6辺をなす辺材8a、8a…8aとその辺材8a間に一方向伸びる角材8b、8b…8bとからなり、その内側には図8に示すように前記外側の角材と直交方向に角材8c、8c…8cが外側の角材8bに張り付けられ、蓋体8、9の外側と内側とでは、段差S、S…Sが形成され、この段差Sが筒体4の上下端周囲を受入れるようになっている。
【0015】
なお、筒体4の周囲壁は互いに貫抜材13、13…13で接合される(図9)。前記筒体4の角部内側の補強体7は、図10〜14に示すように寸法の異なる4種類の角材からなり、これらは角部Cに接着される楔形の第1角材14と、第1角材に隣接する矩形の第2角材15と、第2角材15に隣接する第2角材15より正方形に近い第3角材16と、これに隣接する正方形の第4角材17とからなり、角材Cがこれら角材の配設により補強される。
【0016】
図1に示す浮体1は、筒体4を垂直方向に立てたものを多数横方向に接合したものであるが、図15に示すように、浮体20を筒体4の軸方向を水平方向にして横方向に接合したものを海中に侵漬せしめた上に筒体4を水平方向に載置せしめ筒体4を建造物として利用することも可能である。なお、上下に配置された筒体4の前後左右には通路21、21…21が設けられている。
【産業上の利用可能性】
【0017】
比較的細い角材を利用できるので、間伐材が使用でき、林業にも寄与でき温暖化による海中に沈む南太平洋の島々の人々に住む場所を与えることができる。
【符号の説明】
【0018】
I…人工島
1…浮体
4…筒体
5…辺材
6…縦材
7…補強体
8、9…蓋体
20…浮体
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材の浮体で作られ、海又は湖等の水中に浮かぶ人工島に関する。
【背景技術】
【0002】
海上に浮かぶ人工島として関西国際空港等の飛行場が挙げられ、これは邪魔な建築物が周囲になく平らであり航空機の離着陸には便利である。一般に人工島は、鉄の浮体を作り、その上に建造物を設置している。また、植物栽培用人工島も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO96/09754
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の人工島は鉄製であるため海水に対して腐食し易く弱いばかりでなく、多量の鉄を使用しなければならず、資源の節約という点でも問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明の人工島は断面正六角形の筒体を横方向に多数接合させたハニカム状の浮体を木材で形成し、前記浮体を水平に沈め、その上に建造物を設置し、前記筒体を多数の角材を組合せてなる。
【0006】
更に、前記筒体の角部内側は異なる寸法の角材の組合せからなる組合せ補強体で補強されていることが好ましく、前記筒体の軸方向を水平方向に横臥せしめるようにして接合して浮体とし、その上に同一形状の筒体を載せて建造物とすることも可能であり、前記筒体の上下には蓋体で閉塞され、この蓋体は外側角材と内側角材とで二重に形成され、前記外側角材と内側角材の角材のに配置方向が直交させることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
浮体はハニカム状であり、強度的にも大であり、組立ても容易である。しかも、木材で形成され、木材は水中(海中)に沈めておけば腐ることもなく、しかも現在世界中で問題となっている間伐材の利用も可能である。
【0008】
本発明においては、間伐材でも多数の角材の組合せで筒体が形成できるので森林の保護にもなる。
【0009】
しかも、正6角形の角部内側を補強すれば、強度的にも保証される。また、正6角形の筒体は建造物にも利用でき全体として木材の人工島となり軽い建造物となる。また、筒体の上下の蓋体を二重として、その角材の配置方向を外側と内側とで直交させれば強度が大となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の人工島が海上に浮いている状態を示す状態図である。
【図2】浮体の正面図である。
【図3】筒体の本体の平面図である。
【図4】筒体の補強材の配置を示す筒体の平面図である。
【図5】図4のa−a断面図である。
【図6】図4のb−b断面図である。
【図7】蓋体の外側平面図である。
【図8】蓋体の内側平面図である。
【図9】筒体を内側から見た筒体の側面図である。
【図10】筒体の角部の補強体を示す上面図である。
【図11】図10の補強体の第1角材の平面図である。
【図12】図10の補強体の第2角材の平面図である。
【図13】図10の補強体の第3角材の平面図である。
【図14】図10の補強体の第4角材の平面図である。
【図15】筒体を構造物に利用した場合の人工島の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1において、本発明の人工島Iは間伐材等の比較的細い角材を張り付けて形成した正6角形の筒体をハニカム状に形成した大容量の浮体1からなり、この浮体1は海又は湖等の水中に沈漬されている。この浮体1の上面周囲には、防水壁2が載置されて海水の浸入を防止し、防水壁2の中において前記浮体1上には、構造物3、3…3が載置されている。前記浮体1は図2に示すように正6角形の筒体4をハニカム状にその軸方向を上下に取り、横方向に多数接合したものであり、人工島とするためには、何万、何十万という筒体4を接合する必要がある。
【0013】
前記筒体4は、全て細長い角材からなり、筒体4の各辺をなす側壁は、水平方向に伸びる辺材5、5…5を上下に積層せしめて形成されその内側は、縦方向に配設された縦材6、6…6で形成され、特に正6角形の角部の内側は寸法の異なる4種類の角材からなる補強体7、7…7で補強される。また、筒体4内には図4〜6に示すように、筒体4の上下の蓋体8、9を支持するための第1の水平支持梁10、10…10と、第2の水平支持梁11、11…11と、第3の水平梁12、12…12と、第3の水平支持梁12の横方向中心部を上下に支える垂直支持梁12a、12aと、斜めに伸びる斜梁12b、12bが配設されている。
【0014】
前記蓋体8、9は同一形状であり、蓋体の外側は図7に示すように、正6角形の6辺をなす辺材8a、8a…8aとその辺材8a間に一方向伸びる角材8b、8b…8bとからなり、その内側には図8に示すように前記外側の角材と直交方向に角材8c、8c…8cが外側の角材8bに張り付けられ、蓋体8、9の外側と内側とでは、段差S、S…Sが形成され、この段差Sが筒体4の上下端周囲を受入れるようになっている。
【0015】
なお、筒体4の周囲壁は互いに貫抜材13、13…13で接合される(図9)。前記筒体4の角部内側の補強体7は、図10〜14に示すように寸法の異なる4種類の角材からなり、これらは角部Cに接着される楔形の第1角材14と、第1角材に隣接する矩形の第2角材15と、第2角材15に隣接する第2角材15より正方形に近い第3角材16と、これに隣接する正方形の第4角材17とからなり、角材Cがこれら角材の配設により補強される。
【0016】
図1に示す浮体1は、筒体4を垂直方向に立てたものを多数横方向に接合したものであるが、図15に示すように、浮体20を筒体4の軸方向を水平方向にして横方向に接合したものを海中に侵漬せしめた上に筒体4を水平方向に載置せしめ筒体4を建造物として利用することも可能である。なお、上下に配置された筒体4の前後左右には通路21、21…21が設けられている。
【産業上の利用可能性】
【0017】
比較的細い角材を利用できるので、間伐材が使用でき、林業にも寄与でき温暖化による海中に沈む南太平洋の島々の人々に住む場所を与えることができる。
【符号の説明】
【0018】
I…人工島
1…浮体
4…筒体
5…辺材
6…縦材
7…補強体
8、9…蓋体
20…浮体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面正六角形の筒体を横方向に多数接合させたハニカム状の浮体を木材で形成し、前記浮体を水中に沈め、その上に建造物を設置し、前記筒体を多数の角材を組合せてなる人工島。
【請求項2】
前記筒体の角部内側は異なる寸法の角材の組合せからなる組合せ補強体で補強されている請求項1記載の人工島。
【請求項3】
前記筒体の軸方向を水平方向に横臥せしめるようにして接合して浮体とし、その上に同一形状の筒体を載せて建造物とした請求項1記載の人工島。
【請求項4】
前記筒体の上下には蓋体で閉塞され、この蓋体は外側角材と内側角材とで二重に形成され、前記外側角材と内側角材の角材の配置方向が直交している請求項1記載の人工島。
【請求項1】
断面正六角形の筒体を横方向に多数接合させたハニカム状の浮体を木材で形成し、前記浮体を水中に沈め、その上に建造物を設置し、前記筒体を多数の角材を組合せてなる人工島。
【請求項2】
前記筒体の角部内側は異なる寸法の角材の組合せからなる組合せ補強体で補強されている請求項1記載の人工島。
【請求項3】
前記筒体の軸方向を水平方向に横臥せしめるようにして接合して浮体とし、その上に同一形状の筒体を載せて建造物とした請求項1記載の人工島。
【請求項4】
前記筒体の上下には蓋体で閉塞され、この蓋体は外側角材と内側角材とで二重に形成され、前記外側角材と内側角材の角材の配置方向が直交している請求項1記載の人工島。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−162017(P2011−162017A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25691(P2010−25691)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(508090594)特定非営利活動法人 地球倶楽部ネットワーク2000 (2)
【出願人】(504323205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(508090594)特定非営利活動法人 地球倶楽部ネットワーク2000 (2)
【出願人】(504323205)
【Fターム(参考)】
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