人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ
【課題】一本の歯ブラシで口腔内及び義歯を清掃する利便性及び実用性を有するとともに、コストを抑制する人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシを提供する。
【解決手段】人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシであって、互いに相対する第一表面及び第二表面をブラシ面として有する歯ブラシ頭部と、歯ブラシ尾部と、を互いに双極をなして有する歯ブラシ柄部と、前記歯ブラシ頭部の前記第一表面上に設けられた第一ブラシ部と、前記歯ブラシ頭部の前記第二表面上に設けられた第二ブラシ部と、前記歯ブラシ尾部に設けられた第三ブラシ部と、を備える。
【解決手段】人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシであって、互いに相対する第一表面及び第二表面をブラシ面として有する歯ブラシ頭部と、歯ブラシ尾部と、を互いに双極をなして有する歯ブラシ柄部と、前記歯ブラシ頭部の前記第一表面上に設けられた第一ブラシ部と、前記歯ブラシ頭部の前記第二表面上に設けられた第二ブラシ部と、前記歯ブラシ尾部に設けられた第三ブラシ部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ブラシに関し、特に人工歯根支持型義歯（オーバーデンチャー；ｏｖｅｒｄｅｎｔｕｒｅ）の使用者のケアのための多機能歯ブラシに関する。
【背景技術】
【０００２】
歯科技術の顕著な進歩にともない、多様な義歯が開発されて、口腔内の欠損自然歯の代替機能を果たしている。一般に、義歯は、固定式義歯及び着脱式義歯の二種類に分類される。固定式義歯は、口腔内の歯根（ｔｏｏｔｈ ｒｏｏｔｓ）に接着剤で永久固定された義歯又は人工歯根（ｄｅｎｔａｌ ｉｍｐｌａｎｔｓ）にネジ等で固定された義歯である。着脱式義歯は、口腔内の歯根に対し着脱可能であるがために使用者がそのニーズに応じて自己の口腔に対し出し入れ可能な義歯であり、更に二種類に分類される。使用者がその上顎骨弓（ｍａｘｉｌｌａｒｙ ａｒｃｈ）及び下顎骨弓（ｍａｎｄｉｂｕｌａｒ ａｒｃｈ）の少なくとも何れか一方における全ての歯を欠損している場合に当該使用者が装着する着脱式義歯は、着脱式部分義歯（ｒｅｍｏｖａｂｌｅ ｓｉｎｇｌｅ ｄｅｎｔｕｒｅ）及び・又は着脱式総義歯（ｒｅｍｏｖａｂｌｅ ｃｏｍｐｌｅｔｅ ｄｅｎｔｕｒｅ）と称されるが、使用者の口腔内に一部歯根が残っているか又は人工歯根を口腔の特定位置に植え込んでいる場合の着脱式義歯は、着脱式人工歯根支持型義歯（ｒｅｍｏｖａｂｌｅ ｏｖｅｒｄｅｎｔｕｒｅ）と称される。
【０００３】
着脱式人工歯根支持型義歯の構造及びメンテナンスは、着脱式総義歯よりも複雑である。先ず、使用者に残存している自然歯根が未だ使用に耐えられるかを確認する。もし使用に耐えられない場合には、診断及び設計によって定められた口腔内の位置に人工歯根を植え込んで自然歯根と取り替えることで、人工歯根支持型義歯の支持・維持・安定化を図る。次に、使用者の口腔の解剖学的構造を有する基台 （ｏｒａｌ ａｎａｔｏｍｉｃａｌ ｆｏｕｎｄａｔｉｏｎ）の輪郭と適合するようにアクリル樹脂から人工歯根支持型義歯を製作する。この人工歯根支持型義歯における口腔内の歯根及び残存歯茎と直接接触する一方の表面は組織面（ｔｉｓｓｕｅ ｓｕｒｆａｃｅ）と称され、他方の表面は義歯面（ｄｅｎｔｕｒｅ ｓｕｒｆａｃｅ）と称される。義歯面は、白色義歯の輪郭を有する咬合面（ｏｃｃｌｕｓａｌ ｓｕｒｆａｃｅ）と、欠損歯茎骨及び結合組織（ｃｏｎｎｅｃｔｉｖｅ ｔｉｓｓｕｅ）の輪郭を有する樹脂面とに更に分類される。
【０００４】
人工歯根支持型義歯を口腔歯茎の残存自然歯根又は人工歯根に確実に固定するために、当該残存自然歯根又は人工歯根にメス連結体を設け、また人工歯根支持型義歯の組織面にはオス連結体を設ける。オス連結体とメス連結体との間の係合によって、人工歯根支持型義歯が当該連結体を通じて口腔内に確実に維持・支持されるとともに安定化される。ここで、オス連結体とメス連結体とは、鋳造製のメス連結体とナイロン製のオス連結体との間の係合を通じて又は事前形成された二つの磁性体間の引力を通じて接続可能となっている。また、同一骨弓（ａｒｃｈ）における分離した人工歯根の固定具（ｆｉｘｔｕｒｅｓ）の副子（ｓｐｌｉｎｔｉｎｇ）には、鋳造製の金属組織バー（ｍｅｔａｌ ｔｉｓｓｕｅ ｂａｒ）が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
前述した人工歯根支持型義歯の清掃は、義歯面及び組織面を清掃する工程と、オス連結体及びメス連結体を清掃する工程と、残存歯茎内の残存自然歯根又は人工歯根を清掃する工程と、を備えていることが明らかである。
【０００６】
人工歯根支持型義歯、連結体、及び歯根には異なる清掃のし方が必要である。特に、人工歯根支持型義歯において双方とも樹脂で形成された組織面及び義歯面とは異なり、自然歯根又は人工歯根に隣接する結合組織は依然として生体組織であるため、アクリル樹脂を清掃するための剛性のあるブラシで清掃することはできない。このため、自然歯根又は人工歯根に隣接する生体結合組織を清掃するためには、比較的柔らかい別のブラシ毛を使用する必要がある。
【０００７】
また、使用者は自分の口腔内で自然歯根の位置又は人工歯根の位置が見分け難い上に、口腔内の奥にある臼歯の近傍に位置する（より見分け難い）歯根さえある。このため、口腔内の結合組織及び歯根を清掃するためのブラシは注意深く設計しなければならないことになる。
【０００８】
結局、使用者はしばしば二本の異なる歯ブラシを購入する必要がある。一本の歯ブラシは口腔外部で人工歯根支持型義歯を清掃するために使用され、もう一本の歯ブラシは口腔内部で結合組織及び自然歯根又は人工歯根を清掃するために使用されるため、結果的に、これは不便なものとなり、費用も嵩む。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
前記課題を解決するための発明は、人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシであって、互いに相対する第一表面及び第二表面をブラシ面として有する歯ブラシ頭部と、歯ブラシ尾部と、を互いに双極をなして有する歯ブラシ柄部と、前記歯ブラシ頭部の前記第一表面上に設けられた第一ブラシ部と、前記歯ブラシ頭部の前記第二表面上に設けられた第二ブラシ部と、前記歯ブラシ尾部に設けられた第三ブラシ部と、を備えている。
この人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシによれば、一本の歯ブラシにおける三つのブラシ部が、用途の異なる三箇所の場所に設けられている。よって、使用者は、例えば、人工歯根支持型義歯の義歯面、人工歯根支持型義歯の組織面、組織面に設けられたオス連結体、及び歯茎に設けられたメス連結体を一本の歯ブラシで清掃できる。つまり、本発明の歯ブラシは利便性及び実用性を有している。また、使用者は、例えば、連結体と、自然歯根又は人工歯根に隣接する結合組織とをそれぞれ清掃するための二本の異なる歯ブラシを必要としない。つまり、本発明の歯ブラシはコストを抑制できる。
【００１０】
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記人工歯根支持型義歯の組織面が有する凹状の槽溝と、口腔内の残存歯茎とは、当該凹状の槽溝内に設けられた複数のオス連結体及び当該口腔内の残存歯茎に設けられたメス連結体の係合を通じて、相互に嵌合するようになっており、前記第一ブラシ部は前記人工歯根支持型義歯の義歯面の清掃に使用され、前記第二ブラシ部は前記人工歯根支持型義歯の前記組織面及び前記オス連結体の清掃に使用され、前記第三ブラシ部は前記口腔内の残存歯茎に隣接する結合組織及び前記メス連結体の清掃に使用されてもよい。
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記第二ブラシ部は、前記歯ブラシ頭部の前記第二表面に対し一定の角度をなし且つ前記歯ブラシ柄部から遠ざかるように延在していてもよい。
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記第三ブラシ部は、前記歯ブラシ柄部に対し前記第一ブラシ部と同じ側となるように前記歯ブラシ尾部に設けられていてもよい。
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記第三ブラシ部は、前記メス連結体に対する挿入容易性から、ブラシ毛が一点に収束する円錐状に形成されていてもよい。
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記第一ブラシ部は三列のブラシ毛を有し、当該ブラシ毛は中央列が最も高く且つ隣接する両側の列が当該中央列に対し斜め下側を向き且つ人工歯根支持型義歯の表面構造に適合するべく三列が湾曲するように配置されていてもよい。
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記歯ブラシ柄部は、プラスチック材料が金型成形されてなり、前記歯ブラシ頭部に対応する面積が前記歯ブラシ尾部に対応する面積より大きくなっていてもよい。
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記歯ブラシ柄部の中央部分は把持部分として形成され、当該把持部分の表面には複数の第一滑り止めパッド及び第二滑り止めパッドが選択的に設けられていてもよい。
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記第一滑り止めパッドは前記歯ブラシ柄部の上下面に設けられ、前記第二滑り止めパッドは前記歯ブラシ柄部の両側面に設けられ、前記第一滑り止めパッドは前記第二滑り止めパッドよりも面積が大きくてもよい。
【発明の効果】
【００１１】
背景技術と比較して、本発明は、以下の効果を奏する。
本発明の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシによれば、使用者は、人工歯根支持型義歯の義歯面、組織面、及びオス連結体を口腔外で清掃し、歯根に隣接するメス連結体を口腔内で清掃することができる。
よって、一本の歯ブラシで口腔内及び口腔外を清掃できることから、利便性及び実用性を有するとともに、コストを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本実施の形態の多機能歯ブラシの分解斜視図である。
【図２】本実施の形態の多機能歯ブラシの組立斜視図である。
【図３】本実施の形態の多機能歯ブラシの側面図である。
【図４】本実施の形態の多機能歯ブラシの第一ブラシ部が人工歯根支持型義歯の義歯面の清掃に使用されている状態を示す概念図である。
【図５】本実施の形態の多機能歯ブラシの第二ブラシ部が人工歯根支持型義歯の組織面及び当該組織面に設けられたオス連結体の清掃に使用されている状態を示す概念図である。
【図６】本実施の形態の多機能歯ブラシの第三ブラシ部が歯茎に設けられたメス連結体の清掃に使用されている状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
本実施の形態の詳細及び技術内容に関し、該当する図面に基づいて以下のように説明する。但し、これらの図面は、本実施の形態の詳細な説明だけのものであり、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【００１４】
図１乃至図３に示されるように、本実施の形態の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ１は、歯ブラシ柄部１０、第一ブラシ部２０、第二ブラシ部３０、及び第三ブラシ部４０を備えている。
【００１５】
歯ブラシ柄部１０は、プラスチック材料で成形され、歯ブラシ頭部１１と、当該歯ブラシ頭部１１と相対する歯ブラシ尾部１２とを備える。歯ブラシ頭部１１は、第一表面１１１と、当該第一表面１１１と相対する第二表面１１２とを有し、歯ブラシ頭部１１の面積は歯ブラシ尾部１２の面積より大きい。歯ブラシ柄部１０の中央部分は把持部分１３であり、使用者が歯ブラシ柄部１０を把持した時の摩擦力を高めるため、把持部分１３の外周面には複数の第一滑り止めパッド１３１及び複数の第二滑り止めパッド１３２が選択的に設けられている。図１に示されるように、第一滑り止めパッド１３１は、歯ブラシ柄部１０の上下面に設けられ、相対的に大きな面積の細長楕円形をなしている。第二滑り止めパッド１３２は、歯ブラシ柄部１０の側面に設けられ、相対的に小さな面積の円形又は楕円形をなしている。
【００１６】
第一ブラシ部２０は、歯ブラシ頭部１１の第一表面１１１上に設けられている。図１の例示では、第一ブラシ部２０は三列のブラシ毛を備え、中央一列のブラシ毛が図１の上側に最も突出して配置され、両側二列のブラシ毛は当該中央一列のブラシ毛を中心にして分かれ図１の左右下側に傾斜して配置されている。また、三列のブラシ毛を図１の上側から下側にかけて見た場合の配置形状は円弧曲線をなして湾曲し、当該円弧曲線は人工歯根支持型義歯の表面構造の湾曲度に適合している。第一ブラシ部２０は合計２８束のブラシ毛を有し、各束のブラシ毛の材質はポリプロピレン（Ｐｏｌｙｐｒｏｐｙｌｅｎｅ；略称ＰＰ）であるが、これに限定されるものではない。ブラシ毛の色は例えば透明である。
【００１７】
第二ブラシ部３０は、歯ブラシ頭部１１の第二表面１１２上に設けられている。図２に示されるように、第二ブラシ部３０は、歯ブラシ頭部１１の第二表面１１２に対し一定の傾斜角度をなし且つ当該第二表面１１２から前導方向（ｌｅａｄｉｎｇ ｄｉｒｅｃｔｉｏｎ）に沿って外側に延在し（即ち、歯ブラシ柄部１０から遠ざかる方向に延在し）ている。第二ブラシ部３０は合計７束のブラシ毛を有し、各束のブラシ毛の材質はポリプロピレンであるが、これに限定されるものではない。ブラシ毛の色は例えば白色である。
【００１８】
第三ブラシ部４０は、歯ブラシ尾部１２に設けられている。つまり、第三ブラシ部４０と第一ブラシ部２０とは同一水平線上に設けられている。図３に示されるように、第三ブラシ部４０は、歯ブラシ尾部１２上であって且つ歯ブラシ柄部１０に対し第一ブラシ部２０と同じ側になるように設けられている。もちろん、第三ブラシ部４０は、歯ブラシ尾部１２上であって且つ歯ブラシ柄部１０に対し第一ブラシ部２０と反対側（即ち、歯ブラシ柄部１０に対し第二ブラシ部３０と同じ側）に設置してもよい。第三ブラシ部４０の形状は、錐型（例えば円錐又は角錐形状）をなし、ブラシ毛を集めて先端を尖らせることで口腔内の歯茎の自然歯根又は人工歯根上に設けられたメス連結体の内部まで届いて清掃することができる。第三ブラシ部４０は合計７束のブラシ毛を有し、各束のブラシ毛の材質は、例えばナイロンＰＡ６１０等の白色ナイロン材であり、柔軟度が良好であり、吸水率が低く、寸法が安定している。また良好な耐低温性、耐化学腐食性、及び電気性能を有し、自然歯根又は人工歯根に隣接する結合組織の清掃に好適である。但し、第三ブラシ部４０の材質はこれに限定されるものではなく、ブラシ毛の色は例えば白色である。
【００１９】
図４乃至図６を参照しつつ、以下、本実施の形態の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ１の各種ブラシ部の動作を説明する。
【００２０】
図４に示されるように、第一ブラシ部２０は歯ブラシ頭部１１上に配置され、最大面積のブラシ部を占めている。その用途は、人工歯根支持型義歯１００の義歯面（咬合面及び樹脂面を含む）の清掃である。使用者は、人工歯根支持型義歯１００を口腔から取り出し、手で歯ブラシ柄部１０の把持部分１３を把持して、第一ブラシ部２０で人工歯根支持型義歯１００の義歯面を清掃する。第一ブラシ部２０は図４の下側に突出した中央列のブラシ毛及びその両側が図４の上側に傾斜する二列のブラシ毛を備えるため、人工歯根支持型義歯１００の義歯面を効率良く容易に清掃することができる。
【００２１】
図５に示されるように、人工歯根支持型義歯１００を口腔内から取り出した状態では、当該人工歯根支持型義歯１００の組織面には、口腔内の残存歯茎２００と適合する形状をなす槽溝１１０がある。この槽溝１１０内には複数のオス連結体１２０が設けられている。槽溝１１０の幅は狭いが故に第一ブラシ部２０はその清掃に不適当であるため、使用者は、歯ブラシ柄部１０を回転し、第二ブラシ部３０を人工歯根支持型義歯１００の組織面における槽溝１１０及びオス連結体１２０に深く入れて清掃する。第二ブラシ部３０の傾斜は、人間工学上、使用者が当該第二ブラシ部３０で清掃するのに容易な角度になっている。利便性のために、第一ブラシ部２０と第二ブラシ部３０とはそれぞれ歯ブラシ頭部１１の互いに相対する表面上に設けることで、使用者は歯ブラシ頭部１１を回転させるだけよいようになっている。
【００２２】
図６に示されるように、人工歯根支持型義歯１００を口腔から取り出した状態では、口腔内の残存歯茎２００には、オス連結体１２０と互いに係合するメス連結体２１０が露出する。メス連結体２１０は、自然歯根ＮＲ又は人工歯根ＡＲ上が配置された位置に設けられている。この時、使用者は、歯ブラシ尾部１２の第三ブラシ部４０を使用し、その錐形状先端のブラシ毛をメス連結体２１０内の凹み（不図示）に入れて清掃する。第三ブラシ部４０のブラシ毛の材質は第一ブラシ部２０及び第二ブラシ部３０と比べて柔らかいため、メス連結体２１０の位置における残存歯茎２００及び隣接する結合組織を傷つけない。また、第三ブラシ部４０のブラシ毛は錐形状であるため、使用者は、第三ブラシ部４０を奥の臼歯にあるメス連結体２１０に挿入して容易に清掃できる。
【００２３】
前述した説明において、第一ブラシ部２０は三列のブラシ毛を備えるが、本実施の形態ではこれに限定されない。本実施の形態の主な特徴は、第一ブラシ部２０、第二ブラシ部３０、及び第三ブラシ部４０が歯ブラシ柄部１０上の異なる位置に設けられることであり、ブラシ毛の本数、ブラシ毛の色、ブラシ毛の材質、ブラシ毛の形状は全て実際の必要性に適合するべく変更できる。
【００２４】
本発明は、前述した実施の形態を参照しつつ理解されるものであって、その詳細が当該実施の形態の記載に限定されるものではない。本発明の教示内容に基づき当業者が想到し得る各種の等価物及び変更物が存在するが、これら全ては本願の請求項に係る発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【００２５】
１ 人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ
１０ 歯ブラシ柄部
１１ 歯ブラシ頭部
１１１ 第一表面
１１２ 第二表面
１２ 歯ブラシ尾部
１３ 把持部分
１３１ 第一滑り止めパッド
１３２ 第二滑り止めパッド
２０ 第一ブラシ部
３０ 第二ブラシ部
４０ 第三ブラシ部
１００ 人工歯根支持型義歯
１１０ 槽溝
１２０ オス連結体
２００ 残存歯茎
２１０ メス連結体
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ブラシに関し、特に人工歯根支持型義歯（オーバーデンチャー；ｏｖｅｒｄｅｎｔｕｒｅ）の使用者のケアのための多機能歯ブラシに関する。
【背景技術】
【０００２】
歯科技術の顕著な進歩にともない、多様な義歯が開発されて、口腔内の欠損自然歯の代替機能を果たしている。一般に、義歯は、固定式義歯及び着脱式義歯の二種類に分類される。固定式義歯は、口腔内の歯根（ｔｏｏｔｈ ｒｏｏｔｓ）に接着剤で永久固定された義歯又は人工歯根（ｄｅｎｔａｌ ｉｍｐｌａｎｔｓ）にネジ等で固定された義歯である。着脱式義歯は、口腔内の歯根に対し着脱可能であるがために使用者がそのニーズに応じて自己の口腔に対し出し入れ可能な義歯であり、更に二種類に分類される。使用者がその上顎骨弓（ｍａｘｉｌｌａｒｙ ａｒｃｈ）及び下顎骨弓（ｍａｎｄｉｂｕｌａｒ ａｒｃｈ）の少なくとも何れか一方における全ての歯を欠損している場合に当該使用者が装着する着脱式義歯は、着脱式部分義歯（ｒｅｍｏｖａｂｌｅ ｓｉｎｇｌｅ ｄｅｎｔｕｒｅ）及び・又は着脱式総義歯（ｒｅｍｏｖａｂｌｅ ｃｏｍｐｌｅｔｅ ｄｅｎｔｕｒｅ）と称されるが、使用者の口腔内に一部歯根が残っているか又は人工歯根を口腔の特定位置に植え込んでいる場合の着脱式義歯は、着脱式人工歯根支持型義歯（ｒｅｍｏｖａｂｌｅ ｏｖｅｒｄｅｎｔｕｒｅ）と称される。
【０００３】
着脱式人工歯根支持型義歯の構造及びメンテナンスは、着脱式総義歯よりも複雑である。先ず、使用者に残存している自然歯根が未だ使用に耐えられるかを確認する。もし使用に耐えられない場合には、診断及び設計によって定められた口腔内の位置に人工歯根を植え込んで自然歯根と取り替えることで、人工歯根支持型義歯の支持・維持・安定化を図る。次に、使用者の口腔の解剖学的構造を有する基台 （ｏｒａｌ ａｎａｔｏｍｉｃａｌ ｆｏｕｎｄａｔｉｏｎ）の輪郭と適合するようにアクリル樹脂から人工歯根支持型義歯を製作する。この人工歯根支持型義歯における口腔内の歯根及び残存歯茎と直接接触する一方の表面は組織面（ｔｉｓｓｕｅ ｓｕｒｆａｃｅ）と称され、他方の表面は義歯面（ｄｅｎｔｕｒｅ ｓｕｒｆａｃｅ）と称される。義歯面は、白色義歯の輪郭を有する咬合面（ｏｃｃｌｕｓａｌ ｓｕｒｆａｃｅ）と、欠損歯茎骨及び結合組織（ｃｏｎｎｅｃｔｉｖｅ ｔｉｓｓｕｅ）の輪郭を有する樹脂面とに更に分類される。
【０００４】
人工歯根支持型義歯を口腔歯茎の残存自然歯根又は人工歯根に確実に固定するために、当該残存自然歯根又は人工歯根にメス連結体を設け、また人工歯根支持型義歯の組織面にはオス連結体を設ける。オス連結体とメス連結体との間の係合によって、人工歯根支持型義歯が当該連結体を通じて口腔内に確実に維持・支持されるとともに安定化される。ここで、オス連結体とメス連結体とは、鋳造製のメス連結体とナイロン製のオス連結体との間の係合を通じて又は事前形成された二つの磁性体間の引力を通じて接続可能となっている。また、同一骨弓（ａｒｃｈ）における分離した人工歯根の固定具（ｆｉｘｔｕｒｅｓ）の副子（ｓｐｌｉｎｔｉｎｇ）には、鋳造製の金属組織バー（ｍｅｔａｌ ｔｉｓｓｕｅ ｂａｒ）が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
前述した人工歯根支持型義歯の清掃は、義歯面及び組織面を清掃する工程と、オス連結体及びメス連結体を清掃する工程と、残存歯茎内の残存自然歯根又は人工歯根を清掃する工程と、を備えていることが明らかである。
【０００６】
人工歯根支持型義歯、連結体、及び歯根には異なる清掃のし方が必要である。特に、人工歯根支持型義歯において双方とも樹脂で形成された組織面及び義歯面とは異なり、自然歯根又は人工歯根に隣接する結合組織は依然として生体組織であるため、アクリル樹脂を清掃するための剛性のあるブラシで清掃することはできない。このため、自然歯根又は人工歯根に隣接する生体結合組織を清掃するためには、比較的柔らかい別のブラシ毛を使用する必要がある。
【０００７】
また、使用者は自分の口腔内で自然歯根の位置又は人工歯根の位置が見分け難い上に、口腔内の奥にある臼歯の近傍に位置する（より見分け難い）歯根さえある。このため、口腔内の結合組織及び歯根を清掃するためのブラシは注意深く設計しなければならないことになる。
【０００８】
結局、使用者はしばしば二本の異なる歯ブラシを購入する必要がある。一本の歯ブラシは口腔外部で人工歯根支持型義歯を清掃するために使用され、もう一本の歯ブラシは口腔内部で結合組織及び自然歯根又は人工歯根を清掃するために使用されるため、結果的に、これは不便なものとなり、費用も嵩む。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
前記課題を解決するための発明は、人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシであって、互いに相対する第一表面及び第二表面をブラシ面として有する歯ブラシ頭部と、歯ブラシ尾部と、を互いに双極をなして有する歯ブラシ柄部と、前記歯ブラシ頭部の前記第一表面上に設けられた第一ブラシ部と、前記歯ブラシ頭部の前記第二表面上に設けられた第二ブラシ部と、前記歯ブラシ尾部に設けられた第三ブラシ部と、を備えている。
この人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシによれば、一本の歯ブラシにおける三つのブラシ部が、用途の異なる三箇所の場所に設けられている。よって、使用者は、例えば、人工歯根支持型義歯の義歯面、人工歯根支持型義歯の組織面、組織面に設けられたオス連結体、及び歯茎に設けられたメス連結体を一本の歯ブラシで清掃できる。つまり、本発明の歯ブラシは利便性及び実用性を有している。また、使用者は、例えば、連結体と、自然歯根又は人工歯根に隣接する結合組織とをそれぞれ清掃するための二本の異なる歯ブラシを必要としない。つまり、本発明の歯ブラシはコストを抑制できる。
【００１０】
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記人工歯根支持型義歯の組織面が有する凹状の槽溝と、口腔内の残存歯茎とは、当該凹状の槽溝内に設けられた複数のオス連結体及び当該口腔内の残存歯茎に設けられたメス連結体の係合を通じて、相互に嵌合するようになっており、前記第一ブラシ部は前記人工歯根支持型義歯の義歯面の清掃に使用され、前記第二ブラシ部は前記人工歯根支持型義歯の前記組織面及び前記オス連結体の清掃に使用され、前記第三ブラシ部は前記口腔内の残存歯茎に隣接する結合組織及び前記メス連結体の清掃に使用されてもよい。
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記第二ブラシ部は、前記歯ブラシ頭部の前記第二表面に対し一定の角度をなし且つ前記歯ブラシ柄部から遠ざかるように延在していてもよい。
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記第三ブラシ部は、前記歯ブラシ柄部に対し前記第一ブラシ部と同じ側となるように前記歯ブラシ尾部に設けられていてもよい。
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記第三ブラシ部は、前記メス連結体に対する挿入容易性から、ブラシ毛が一点に収束する円錐状に形成されていてもよい。
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記第一ブラシ部は三列のブラシ毛を有し、当該ブラシ毛は中央列が最も高く且つ隣接する両側の列が当該中央列に対し斜め下側を向き且つ人工歯根支持型義歯の表面構造に適合するべく三列が湾曲するように配置されていてもよい。
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記歯ブラシ柄部は、プラスチック材料が金型成形されてなり、前記歯ブラシ頭部に対応する面積が前記歯ブラシ尾部に対応する面積より大きくなっていてもよい。
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記歯ブラシ柄部の中央部分は把持部分として形成され、当該把持部分の表面には複数の第一滑り止めパッド及び第二滑り止めパッドが選択的に設けられていてもよい。
また、前述した人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシにおいて、前記第一滑り止めパッドは前記歯ブラシ柄部の上下面に設けられ、前記第二滑り止めパッドは前記歯ブラシ柄部の両側面に設けられ、前記第一滑り止めパッドは前記第二滑り止めパッドよりも面積が大きくてもよい。
【発明の効果】
【００１１】
背景技術と比較して、本発明は、以下の効果を奏する。
本発明の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシによれば、使用者は、人工歯根支持型義歯の義歯面、組織面、及びオス連結体を口腔外で清掃し、歯根に隣接するメス連結体を口腔内で清掃することができる。
よって、一本の歯ブラシで口腔内及び口腔外を清掃できることから、利便性及び実用性を有するとともに、コストを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本実施の形態の多機能歯ブラシの分解斜視図である。
【図２】本実施の形態の多機能歯ブラシの組立斜視図である。
【図３】本実施の形態の多機能歯ブラシの側面図である。
【図４】本実施の形態の多機能歯ブラシの第一ブラシ部が人工歯根支持型義歯の義歯面の清掃に使用されている状態を示す概念図である。
【図５】本実施の形態の多機能歯ブラシの第二ブラシ部が人工歯根支持型義歯の組織面及び当該組織面に設けられたオス連結体の清掃に使用されている状態を示す概念図である。
【図６】本実施の形態の多機能歯ブラシの第三ブラシ部が歯茎に設けられたメス連結体の清掃に使用されている状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
本実施の形態の詳細及び技術内容に関し、該当する図面に基づいて以下のように説明する。但し、これらの図面は、本実施の形態の詳細な説明だけのものであり、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【００１４】
図１乃至図３に示されるように、本実施の形態の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ１は、歯ブラシ柄部１０、第一ブラシ部２０、第二ブラシ部３０、及び第三ブラシ部４０を備えている。
【００１５】
歯ブラシ柄部１０は、プラスチック材料で成形され、歯ブラシ頭部１１と、当該歯ブラシ頭部１１と相対する歯ブラシ尾部１２とを備える。歯ブラシ頭部１１は、第一表面１１１と、当該第一表面１１１と相対する第二表面１１２とを有し、歯ブラシ頭部１１の面積は歯ブラシ尾部１２の面積より大きい。歯ブラシ柄部１０の中央部分は把持部分１３であり、使用者が歯ブラシ柄部１０を把持した時の摩擦力を高めるため、把持部分１３の外周面には複数の第一滑り止めパッド１３１及び複数の第二滑り止めパッド１３２が選択的に設けられている。図１に示されるように、第一滑り止めパッド１３１は、歯ブラシ柄部１０の上下面に設けられ、相対的に大きな面積の細長楕円形をなしている。第二滑り止めパッド１３２は、歯ブラシ柄部１０の側面に設けられ、相対的に小さな面積の円形又は楕円形をなしている。
【００１６】
第一ブラシ部２０は、歯ブラシ頭部１１の第一表面１１１上に設けられている。図１の例示では、第一ブラシ部２０は三列のブラシ毛を備え、中央一列のブラシ毛が図１の上側に最も突出して配置され、両側二列のブラシ毛は当該中央一列のブラシ毛を中心にして分かれ図１の左右下側に傾斜して配置されている。また、三列のブラシ毛を図１の上側から下側にかけて見た場合の配置形状は円弧曲線をなして湾曲し、当該円弧曲線は人工歯根支持型義歯の表面構造の湾曲度に適合している。第一ブラシ部２０は合計２８束のブラシ毛を有し、各束のブラシ毛の材質はポリプロピレン（Ｐｏｌｙｐｒｏｐｙｌｅｎｅ；略称ＰＰ）であるが、これに限定されるものではない。ブラシ毛の色は例えば透明である。
【００１７】
第二ブラシ部３０は、歯ブラシ頭部１１の第二表面１１２上に設けられている。図２に示されるように、第二ブラシ部３０は、歯ブラシ頭部１１の第二表面１１２に対し一定の傾斜角度をなし且つ当該第二表面１１２から前導方向（ｌｅａｄｉｎｇ ｄｉｒｅｃｔｉｏｎ）に沿って外側に延在し（即ち、歯ブラシ柄部１０から遠ざかる方向に延在し）ている。第二ブラシ部３０は合計７束のブラシ毛を有し、各束のブラシ毛の材質はポリプロピレンであるが、これに限定されるものではない。ブラシ毛の色は例えば白色である。
【００１８】
第三ブラシ部４０は、歯ブラシ尾部１２に設けられている。つまり、第三ブラシ部４０と第一ブラシ部２０とは同一水平線上に設けられている。図３に示されるように、第三ブラシ部４０は、歯ブラシ尾部１２上であって且つ歯ブラシ柄部１０に対し第一ブラシ部２０と同じ側になるように設けられている。もちろん、第三ブラシ部４０は、歯ブラシ尾部１２上であって且つ歯ブラシ柄部１０に対し第一ブラシ部２０と反対側（即ち、歯ブラシ柄部１０に対し第二ブラシ部３０と同じ側）に設置してもよい。第三ブラシ部４０の形状は、錐型（例えば円錐又は角錐形状）をなし、ブラシ毛を集めて先端を尖らせることで口腔内の歯茎の自然歯根又は人工歯根上に設けられたメス連結体の内部まで届いて清掃することができる。第三ブラシ部４０は合計７束のブラシ毛を有し、各束のブラシ毛の材質は、例えばナイロンＰＡ６１０等の白色ナイロン材であり、柔軟度が良好であり、吸水率が低く、寸法が安定している。また良好な耐低温性、耐化学腐食性、及び電気性能を有し、自然歯根又は人工歯根に隣接する結合組織の清掃に好適である。但し、第三ブラシ部４０の材質はこれに限定されるものではなく、ブラシ毛の色は例えば白色である。
【００１９】
図４乃至図６を参照しつつ、以下、本実施の形態の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ１の各種ブラシ部の動作を説明する。
【００２０】
図４に示されるように、第一ブラシ部２０は歯ブラシ頭部１１上に配置され、最大面積のブラシ部を占めている。その用途は、人工歯根支持型義歯１００の義歯面（咬合面及び樹脂面を含む）の清掃である。使用者は、人工歯根支持型義歯１００を口腔から取り出し、手で歯ブラシ柄部１０の把持部分１３を把持して、第一ブラシ部２０で人工歯根支持型義歯１００の義歯面を清掃する。第一ブラシ部２０は図４の下側に突出した中央列のブラシ毛及びその両側が図４の上側に傾斜する二列のブラシ毛を備えるため、人工歯根支持型義歯１００の義歯面を効率良く容易に清掃することができる。
【００２１】
図５に示されるように、人工歯根支持型義歯１００を口腔内から取り出した状態では、当該人工歯根支持型義歯１００の組織面には、口腔内の残存歯茎２００と適合する形状をなす槽溝１１０がある。この槽溝１１０内には複数のオス連結体１２０が設けられている。槽溝１１０の幅は狭いが故に第一ブラシ部２０はその清掃に不適当であるため、使用者は、歯ブラシ柄部１０を回転し、第二ブラシ部３０を人工歯根支持型義歯１００の組織面における槽溝１１０及びオス連結体１２０に深く入れて清掃する。第二ブラシ部３０の傾斜は、人間工学上、使用者が当該第二ブラシ部３０で清掃するのに容易な角度になっている。利便性のために、第一ブラシ部２０と第二ブラシ部３０とはそれぞれ歯ブラシ頭部１１の互いに相対する表面上に設けることで、使用者は歯ブラシ頭部１１を回転させるだけよいようになっている。
【００２２】
図６に示されるように、人工歯根支持型義歯１００を口腔から取り出した状態では、口腔内の残存歯茎２００には、オス連結体１２０と互いに係合するメス連結体２１０が露出する。メス連結体２１０は、自然歯根ＮＲ又は人工歯根ＡＲ上が配置された位置に設けられている。この時、使用者は、歯ブラシ尾部１２の第三ブラシ部４０を使用し、その錐形状先端のブラシ毛をメス連結体２１０内の凹み（不図示）に入れて清掃する。第三ブラシ部４０のブラシ毛の材質は第一ブラシ部２０及び第二ブラシ部３０と比べて柔らかいため、メス連結体２１０の位置における残存歯茎２００及び隣接する結合組織を傷つけない。また、第三ブラシ部４０のブラシ毛は錐形状であるため、使用者は、第三ブラシ部４０を奥の臼歯にあるメス連結体２１０に挿入して容易に清掃できる。
【００２３】
前述した説明において、第一ブラシ部２０は三列のブラシ毛を備えるが、本実施の形態ではこれに限定されない。本実施の形態の主な特徴は、第一ブラシ部２０、第二ブラシ部３０、及び第三ブラシ部４０が歯ブラシ柄部１０上の異なる位置に設けられることであり、ブラシ毛の本数、ブラシ毛の色、ブラシ毛の材質、ブラシ毛の形状は全て実際の必要性に適合するべく変更できる。
【００２４】
本発明は、前述した実施の形態を参照しつつ理解されるものであって、その詳細が当該実施の形態の記載に限定されるものではない。本発明の教示内容に基づき当業者が想到し得る各種の等価物及び変更物が存在するが、これら全ては本願の請求項に係る発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【００２５】
１ 人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ
１０ 歯ブラシ柄部
１１ 歯ブラシ頭部
１１１ 第一表面
１１２ 第二表面
１２ 歯ブラシ尾部
１３ 把持部分
１３１ 第一滑り止めパッド
１３２ 第二滑り止めパッド
２０ 第一ブラシ部
３０ 第二ブラシ部
４０ 第三ブラシ部
１００ 人工歯根支持型義歯
１１０ 槽溝
１２０ オス連結体
２００ 残存歯茎
２１０ メス連結体
【特許請求の範囲】
【請求項１】
人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシであって、
互いに相対する第一表面及び第二表面をブラシ面として有する歯ブラシ頭部と、歯ブラシ尾部と、を互いに双極をなして有する歯ブラシ柄部と、
前記歯ブラシ頭部の前記第一表面上に設けられた第一ブラシ部と、
前記歯ブラシ頭部の前記第二表面上に設けられた第二ブラシ部と、
前記歯ブラシ尾部に設けられた第三ブラシ部と、
を備えたことを特徴とする人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項２】
前記人工歯根支持型義歯の組織面が有する凹状の槽溝と、口腔内の残存歯茎とは、当該凹状の槽溝内に設けられた複数のオス連結体及び当該口腔内の残存歯茎に設けられたメス連結体の係合を通じて、相互に嵌合するようになっており、
前記第一ブラシ部は前記人工歯根支持型義歯の義歯面の清掃に使用され、
前記第二ブラシ部は前記人工歯根支持型義歯の前記組織面及び前記オス連結体の清掃に使用され、
前記第三ブラシ部は前記口腔内の残存歯茎に隣接する結合組織及び前記メス連結体の清掃に使用される、
ことを特徴とする請求項１に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項３】
前記第二ブラシ部は、前記歯ブラシ頭部の前記第二表面に対し一定の角度をなし且つ前記歯ブラシ柄部から遠ざかるように延在している、
ことを特徴とする請求項２に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項４】
前記第三ブラシ部は、前記歯ブラシ柄部に対し前記第一ブラシ部と同じ側となるように前記歯ブラシ尾部に設けられている、
ことを特徴とする請求項３に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項５】
前記第三ブラシ部は、前記メス連結体に対する挿入容易性から、ブラシ毛が一点に収束する円錐状に形成されている、
ことを特徴とする請求項４に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項６】
前記第一ブラシ部は三列のブラシ毛を有し、当該ブラシ毛は中央列が最も高く且つ隣接する両側の列が当該中央列に対し斜め下側を向き且つ人工歯根支持型義歯の表面構造に適合するべく三列が湾曲するように配置されている、
ことを特徴とする請求項２に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項７】
前記歯ブラシ柄部は、プラスチック材料が金型成形されてなり、前記歯ブラシ頭部に対応する面積が前記歯ブラシ尾部に対応する面積より大きくなっている、
ことを特徴とする請求項２に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項８】
前記歯ブラシ柄部の中央部分は把持部分として形成され、当該把持部分の表面には複数の第一滑り止めパッド及び第二滑り止めパッドが選択的に設けられている、
ことを特徴とする請求項７に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項９】
前記第一滑り止めパッドは前記歯ブラシ柄部の上下面に設けられ、
前記第二滑り止めパッドは前記歯ブラシ柄部の両側面に設けられ、
前記第一滑り止めパッドは前記第二滑り止めパッドよりも面積が大きい、
ことを特徴とする請求項８に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項１】
人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシであって、
互いに相対する第一表面及び第二表面をブラシ面として有する歯ブラシ頭部と、歯ブラシ尾部と、を互いに双極をなして有する歯ブラシ柄部と、
前記歯ブラシ頭部の前記第一表面上に設けられた第一ブラシ部と、
前記歯ブラシ頭部の前記第二表面上に設けられた第二ブラシ部と、
前記歯ブラシ尾部に設けられた第三ブラシ部と、
を備えたことを特徴とする人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項２】
前記人工歯根支持型義歯の組織面が有する凹状の槽溝と、口腔内の残存歯茎とは、当該凹状の槽溝内に設けられた複数のオス連結体及び当該口腔内の残存歯茎に設けられたメス連結体の係合を通じて、相互に嵌合するようになっており、
前記第一ブラシ部は前記人工歯根支持型義歯の義歯面の清掃に使用され、
前記第二ブラシ部は前記人工歯根支持型義歯の前記組織面及び前記オス連結体の清掃に使用され、
前記第三ブラシ部は前記口腔内の残存歯茎に隣接する結合組織及び前記メス連結体の清掃に使用される、
ことを特徴とする請求項１に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項３】
前記第二ブラシ部は、前記歯ブラシ頭部の前記第二表面に対し一定の角度をなし且つ前記歯ブラシ柄部から遠ざかるように延在している、
ことを特徴とする請求項２に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項４】
前記第三ブラシ部は、前記歯ブラシ柄部に対し前記第一ブラシ部と同じ側となるように前記歯ブラシ尾部に設けられている、
ことを特徴とする請求項３に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項５】
前記第三ブラシ部は、前記メス連結体に対する挿入容易性から、ブラシ毛が一点に収束する円錐状に形成されている、
ことを特徴とする請求項４に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項６】
前記第一ブラシ部は三列のブラシ毛を有し、当該ブラシ毛は中央列が最も高く且つ隣接する両側の列が当該中央列に対し斜め下側を向き且つ人工歯根支持型義歯の表面構造に適合するべく三列が湾曲するように配置されている、
ことを特徴とする請求項２に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項７】
前記歯ブラシ柄部は、プラスチック材料が金型成形されてなり、前記歯ブラシ頭部に対応する面積が前記歯ブラシ尾部に対応する面積より大きくなっている、
ことを特徴とする請求項２に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項８】
前記歯ブラシ柄部の中央部分は把持部分として形成され、当該把持部分の表面には複数の第一滑り止めパッド及び第二滑り止めパッドが選択的に設けられている、
ことを特徴とする請求項７に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【請求項９】
前記第一滑り止めパッドは前記歯ブラシ柄部の上下面に設けられ、
前記第二滑り止めパッドは前記歯ブラシ柄部の両側面に設けられ、
前記第一滑り止めパッドは前記第二滑り止めパッドよりも面積が大きい、
ことを特徴とする請求項８に記載の人工歯根支持型義歯用の多機能歯ブラシ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１２−１２５５５２（Ｐ２０１２−１２５５５２Ａ）
【公開日】平成２４年７月５日（２０１２．７．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２３０６８９（Ｐ２０１１−２３０６８９）
【出願日】平成２３年１０月２０日（２０１１．１０．２０）
【出願人】（５１１１２４９１０）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年７月５日（２０１２．７．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１０月２０日（２０１１．１０．２０）
【出願人】（５１１１２４９１０）
【Ｆターム（参考）】
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