説明

人工消化管粘膜モデル、及びその製造方法

【課題】質感や伸縮性、色等を人の消化管粘膜に極めて近く近似させた人工消化管粘膜モデル及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】軟質性樹脂材で構成され、質感及び伸縮性を人の消化管粘膜の質感及び伸縮性に近似させた人工消化管粘膜モデル。外表面形状が人の消化管粘膜の外表面形状に近似したコア部25、27と、内表面形状が人の消化管粘膜の内表面に近似した型枠32、33とを備え、コア部と型枠の間の空隙34に主剤に硬化剤を混入してなる液状ウレタン樹脂101を注入充填し、該注入した液状樹脂材が軟質性樹脂に変化した後、型枠を外し、コア部外周に形成された軟性樹脂体をその内側が外側に、外側を内側に反転させてた人工消化管粘膜モデルとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人の消化管粘膜、即ち口腔粘膜、咽頭粘膜、食道粘膜、胃粘膜、小腸粘膜、大腸粘膜、直腸粘膜、及び肛門粘膜に質感、伸縮性、色を近似させた人工消化管粘膜モデル、及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人体のモデルとして人骨モデル等が知られている。また、特許文献1に開示すような人工皮膚モデルや特許文献2に開示するような穿刺トレーニングシュミレーションモデルがある。
【0003】
特許文献1に記載の人工皮膚モデルは、相対的に耐久性が高く伸びの大きな第1のウレタン樹脂で形成し、内部に肌の色を表す着色剤層を挟み込んだ表面層と、第1のウレタン樹脂より相対的に軟質な第2のウレタン樹脂材で形成された基層とよりなるものである。
【0004】
また、特許文献2に記載の穿刺トレーニングシュミレーションモデルは、模擬表皮、模擬真皮、模擬体液によって構成され、陰圧となった穿刺針が模擬体液に達した際にも、模擬体液が針より吸引される穿刺トレーニングシュミレーションモデルであり、模擬真皮をシリコーン、ポリウレタン又はポリスチレンの何れかの高分子ゲルで構成したものである。
【特許文献1】特開平11−9339号公報
【特許文献2】特開2005−181518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の人工皮膚モデルは、人間の皮膚とよく似た質感を有し、化粧品等の塗布見本等として利用される。また、上記特許文献2に記載の穿刺トレーニングシュミレーションモデルは、医療行為として行われる各種穿刺をトレーニングするために利用されている。
【0006】
人体の構造と機能の理解は、医学、歯学、看護学、保健衛生学(作業療法士、理学法士、言語聴覚士、歯科衛生士を含む)領域では必須である。健康な人の状態を十分に理解しておくことが、病気の理解や診断と治療、病人の看護と介護の前提であるからである。その教材には、献体していただいたご遺体が最良のものであるが、その数には限度がある。そのため、医学生、歯学生でも5〜10人のグループで解剖にあたるグループ解剖が行われている。それでも人の各臓器を直接みるのは、6年間の修学期間中1回のみであるのが現状であり、看護学部等では、解剖の機会そのものを与えることができないのがほとんどである。
【0007】
そのため、精密な人工模型の開発が望まれているが、現状としては、骨や歯などの硬組織や模型には、人の構造と質感に近似したものはあるが、軟組織も特に口腔から咽頭、食道、胃、小腸、大腸、腸の消化管粘膜を再現する模型はない。したがって、学生も医療従事者もともに、消化管の質感と構造を書籍とご遺体の解剖を通じて学ぶほかなく、その機会は限られているばかりか、消化管等の3次元構造や質感を理解することは容易でない。また、たとえば消化管粘膜のみを取り出して検討することは、人の身体を機械の部品のように処理することにもつながり、医学教育上も好ましくない。人の消化管粘膜を再現したような質感、伸縮性及び色の人工模型を開発することが、これらの問題を解決手段となる。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、質感や伸縮性、色等を人の消化管粘膜に極めて近く近似させた人工消化管粘膜モデル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、可撓性を有する軟質性樹脂材で構成され、質感及び伸縮性を人の消化管粘膜の質感及び伸縮性に近似させたことを特徴とする人工消化管粘膜モデルにある。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の人工消化管粘膜モデルにおいて、前記人工消化管粘膜モデルの内表面及び外表面に人の消化管粘膜の内表面及び外表面が備える凹凸やヒダを設けると共に、前記軟質性樹脂材を人の消化管粘膜の色に近い色に着色したことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の人工消化管粘膜モデルにおいて、前記軟質性樹脂材はポリウレタンエラストマーであることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、外表面形状が人の消化管粘膜の外表面形状に近似したコア部と、内表面形状が人の消化管粘膜の内表面に近似した型枠とを備え、該コア部の外側に人の消化管粘膜の厚さ寸法の間隙を設けて前記型枠を配置し、該コア部と型枠の間の間隙に主剤に硬化剤を混入してなる液状樹脂材を注入充填し、該注入した液状樹脂材が軟質性樹脂に変化した後、前記型枠を外し、前記コア部外周に形成された軟性樹脂体をその内側が外側に、外側を内側に反転させて人工消化管粘膜モデルとすることを特徴とする人工消化管粘膜モデルの製造方法にある。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の人工消化管粘膜モデルの製造方法において、前記液状樹脂材は主剤に硬化剤を混入させてなる液状ポリウレタンエラストマーであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、人工消化管粘膜モデルをその質感及び伸縮性を人の消化管粘膜に近似させて樹脂材で構成するので、質感及び伸縮性が実の人間の消化管粘膜に近い人工消化管粘膜モデルを提供できる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、人工消化管粘膜モデルの内表面及び外表面に人の消化管粘膜に近似させた凹凸やヒダを設けると共に、色も人の消化管粘膜に近似させるので、更に実際の人間の消化管粘膜に近い人工消化管粘膜モデルを提供できる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、可撓性樹脂材としてポリウレタンエラストマーを用いたので、質感、伸縮性、色彩が実際の人の消化管粘膜に極めてよく近似されることができ、実の人に極めて近い人工消化管粘膜モデルを安価に提供できる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、コア部と型枠の間の間隙に主剤に硬化剤を混入してなる液状樹脂材を注入充填し、該注入した液状樹脂材が軟質性樹脂に変化した後、型枠を外し、コア部外周に形成された軟性樹脂体をその内側が外側に、外側を内側に反転させてコア部から取り外すので、質感、伸縮性及び色彩等も実際の人の消化管粘膜に極めて近い人工消化管粘膜モデルを製造できる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、液状樹脂材は主剤に硬化剤を混入させてなる液状ポリウレタンエラストマーであるので、質感、伸縮性及び色彩を実際の人の消化管粘膜に近い人工消化管粘膜モデルを容易、且つ安価に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。ここでは消化管粘膜として人工口腔粘膜モデルの製造方法を図面を用いて説明する。先ず、図1(a)、(b)に示すように、歯を支持する歯肉部11a、12aを具備する上下の歯牙模型台11、12を作る。続いて、図2に示すように、上下の歯牙模型台11、12を間にフランジ部13を挟んで両者を接合し、外面形状が人の口腔内面形状に略近似させた口腔部形成部材14を作る。該口腔部形成部材14の前部に開口を形成するための開口形成部材15を、該口腔部形成部材14の後部に外面形状が咽頭部の内面形状に略近似させた咽頭部形成部材16を接続して、図3に示すように、外面形状が口腔粘膜の内面形状に略近似した口腔粘膜形成部材17を作る。図3(a)は口腔粘膜形成部材17の側断面図であり、図3(b)はA−A矢視図である。
【0020】
続いて、図4(a)に示すように、水性粘土台18に口腔粘膜形成部材17の半分を埋め込む。続いて図4(b)に示すように、水性粘土台18から露出している口腔粘膜形成部材17の表面に所定厚のシリコーン層19を形成する。続いて図4(c)に示すように、シリコーン層19の表面に所定厚さの石膏層20を形成する。
【0021】
続いて、図5(a)に示すように、シリコーン層19及び石膏層20を形成した口腔粘膜形成部材17を水性粘土台18から抜き出し、他の半分に表面に所定厚さのシリコーン層21及び石膏層22を形成する。その後、図5(c)に示すように、口腔粘膜形成部材17を除去し、上雌型23と下雌型24を作る。
【0022】
続いて、図6(a)に示すように、下雌型24の内部に繊維強化樹脂(FRP)100を注入して硬化させて下コア25を形成する。続いて図6(b)に示すように該下コア25の上面中央部には、ほぞ26a、26bを形成する。また、上雌型23の内部にも図6(c)繊維強化樹脂(FRP)100を注入して硬化させて上コア27を形成する。該上コア27には、下コア25のほぞ26a、26bが嵌合する溝27a、27bが形成されている。
【0023】
下コア25が形成された下雌型24と、上コア27が形成された上雌型23を、図7(a)に示すように、下コア25のほぞ26a、26bと上コア27の溝27a、27bが嵌合するように合体させた後に、図7(b)に示すように、下雌型24と上雌型23を外し、上コア27と下コア25からなる口腔粘膜形成コア28を形成する。続いて、図7(c)に示すように、口腔粘膜形成コア28の外周表面に油性粘土層30を形成する。油性粘土層30の外表面形状は口腔粘膜の内表面形状に詳細に近似させて形成すると共に、油性粘土層30の厚さを口腔粘膜の厚さとする。口腔粘膜の内表面形状としては、例えば口蓋垂30a、歯肉30b、頬内面等を形成する。
【0024】
続いて、上記外表面に油性粘土層30が形成された口腔粘膜形成コア28を、図8(a)に示すように水性粘土台31に下半分を埋め込み、図8(b)に示すように該水性粘土台31から露出した上半分の口腔粘膜形成コア28の油性粘土層30の外表面も、ガラスマットを被せ強化プラスチックで硬化させてなる上半分の口腔粘膜部分を形成する上半分口腔粘膜形成外枠32を製作し、続いて図8(c)に示すように、口腔粘膜形成コア28を水性粘土台31から抜き出し、下半分の口腔粘膜形成コア28の油性粘土層30の外表面に、ガラスマットを被せ強化プラスチックで硬化させてなる下半分の口腔粘膜部分を形成する下半分口腔粘膜形成外枠33を製作する。
【0025】
上記のようにして、上半分口腔粘膜形成外枠32及び下半分口腔粘膜形成外枠33を形成した後、口腔粘膜形成コア28を除去することにより、図9(a)に示すように、上半分口腔粘膜形成外枠32と下半分口腔粘膜形成外枠33からなる口腔粘膜形成外枠が得られる。この上半分口腔粘膜形成外枠32及び下半分口腔粘膜形成外枠33の内表面は口腔粘膜形成コア28の油性粘土層30の外表面、即ち口腔粘膜の内面形状と同じ形状である。上半分口腔粘膜形成外枠32に図7(b)の上コア25(図7(c)の口腔粘膜形成コア28の油性粘土層30を除去したものの上半分)を、下半分口腔粘膜形成外枠33に図7(b)の下コア27を組み込むことにより、上半分の口腔粘膜を形成する空隙34と下半分の口腔粘膜を形成する空隙が形成される。
【0026】
図10(a)の上半分口腔粘膜形成外枠32に上コア25を組み込んで形成された空隙34に硬化剤を混入した液状の軟質ウレタン樹脂(例えば、硬化剤を混入してなる液状ポリウレタンエラストマー)101を注入器36で注入すると空隙34が軟質ウレタン樹脂101で満たされ、上半分の人工口腔粘膜モデルが形成される。続いて、図10(b)上半分口腔粘膜形成外枠32に上コア25を組み込んだ組立体の上に下半分口腔粘膜形成外枠33に下コア27を組み込んだ組立体を載置し、空隙35に硬化剤を混入した液状の軟質ウレタン樹脂101を注入器36で注入すると空隙35が軟質ウレタン樹脂で満たされ、下半分の人工口腔粘膜モデルが形成される。続いて図10(c)に示すように、上半分口腔粘膜形成外枠32と下半分口腔粘膜形成外枠33を取り外すことにより、口腔粘膜形成コア28の外表面に裏返した状態の人工口腔粘膜モデル37、即ち人工口腔粘膜モデル37の内表面が外表面に現れた状態の人工口腔粘膜モデル37が形成される。
【0027】
上記人工口腔粘膜モデル37を口腔粘膜形成コア28から裏返した状態で取り外すことにより、図11(a)、(b)に側面及び表面を示すような人工口腔粘膜模型モデル37が得られる。注入器36から注入する軟質ウレタン樹脂に実際の人体の口腔粘膜に近い染色をしておくことにより、実際の人体の口腔粘膜に近い色彩の口腔粘膜模型が得られる。また、硬化した後の軟質ウレタン樹脂の柔軟性や質感及び伸縮性を人の消化管粘膜に近似させることにより、柔軟性や質感も実際の人体の口腔粘膜に極めて近い人工口腔粘膜モデルが得られる。
【0028】
上記例では口腔粘膜(歯肉、頬粘膜、口底粘膜、舌粘膜を含む)モデルの製造方法を説明したが、本発明は口腔粘膜モデルのみではなく、他の消化管粘膜、即ち咽頭粘膜(軟口蓋、咽頭側壁、咽頭後壁を含む)、食道粘膜、胃粘膜、小腸粘膜、大腸粘膜、直腸粘膜、及び肛門粘膜のモデルの製造に適用できる。例えば、図12に示すように、上記と同様な方法で、外表面形状が大腸粘膜の外表面形状(腸絨毛形状)に近似した大腸粘膜形成コア部41と、内表面形状が大腸粘膜の内表面形状(輪状ヒダ形状)に近似した大腸粘膜成形型枠42とを製作し、該大腸粘膜形成コア部41の外側に大腸粘膜成形型枠42を配置し、大腸粘膜成形コア部41の外側に大腸粘膜成形型枠42の間隙に硬化剤を混入した液状ウレタン樹脂102を注入器43で注入する。該液状ウレタン樹脂102が軟質のウレタン樹脂に変化した状態で、大腸粘膜形成コア部41から大腸粘膜成形型枠(上型枠と下型枠からなる)42を外す。その後、大腸粘膜形成コア部41の外周に形成されている軟質ウレタン樹脂を内面が外側、外面が内側になるように反転させて取り外すことにより、大腸粘膜モデル44ができる。
【0029】
図13は大腸粘膜モデル44の断面図である。大腸粘膜モデル44は質感及び伸縮性が人の大腸粘膜に近似したウレタン樹脂からなり、外表面には腸絨毛に近似した絨毛形状44aが形成され、内面には大腸内面の輪状ヒダに近似した輪状ヒダ44bが形成されている。なお、図示は省略するが、同様に咽頭粘膜、食道粘膜、胃粘膜、小腸粘膜、直腸粘膜、及び肛門粘膜の各モデルも製作することが可能である。
【0030】
上記のようにして製作した人工消化管粘膜モデルには、下記のことが期待できる。
・医学、歯学、看護学、保健衛生学(作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士を含む)の学生用の教材として提供できる。人工模型であるから、場所と時間を選ばずに必要なときに使用することができるため、学習効果の著しい改善に繋がる。
【0031】
・また、最初にご遺体の解剖を行っている現在の学部教育システムから、まず模型で機械としての人の構造を学び、その後、ご遺体の解剖をさせていただくことで機械を越えた人体構造について学ぶことができる。
【0032】
・また、既に臨床に従事している医療スタッフには、自身が人の構造を確認する機会や臨床の現場で患者への説明用の模型として使用することもできる。即ち、教材と患者や一般向けの説明に使用することができる。
【0033】
なお、本発明によれば、各消化管粘膜、即ち口腔粘膜、咽頭粘膜、食道粘膜、胃粘膜、小腸粘膜、大腸粘膜、直腸粘膜、及び肛門粘膜病変の人工モデル化も可能である。
【0034】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る人工口腔粘膜モデルの製造方法に用いる歯牙模型台を示す図である。
【図2】本発明に係る人工口腔粘膜モデルの製造方法に用いる口腔部形成部材を作る説明図である。
【図3】本発明に係る人工口腔粘膜モデルの製造方法に用いる口腔粘膜形成部材を示す図である。
【図4】本発明に係る人工口腔粘膜モデルの製造方法に用いる口腔粘膜形成コアを製作するための説明図である。
【図5】本発明に係る人工口腔粘膜モデルの製造方法に用いる口腔粘膜形成コアを製作するための説明図である。
【図6】本発明に係る人工口腔粘膜モデルの製造方法に用いる口腔粘膜形成コアを製作するための説明図である。
【図7】本発明に係る人工口腔粘膜モデルの製造方法に用いる口腔粘膜形成コアを製作するための説明図である。
【図8】本発明に係る人工口腔粘膜モデルの製造方法に用いる上下の口腔粘膜形成外枠を製作するための説明図である。
【図9】本発明に係る人工口腔粘膜モデルの製造方法に用いる上下の口腔粘膜形成外枠を示す図である。
【図10】本発明に係る人工口腔粘膜モデルの射出成形工程を示す図である。
【図11】本発明に係る人工口腔粘膜モデルを示す図で、図11(a)は側面図、図11(b)は正面図である。
【図12】本発明に係る人工大腸粘膜モデルの射出成形工程を示す図である。
【図13】本発明に係る人工大腸粘膜モデルを示す断面図である。
【符号の説明】
【0036】
11 歯牙模型台
12 歯牙模型台
13 フランジ部
14 口腔部形成部材
15 開口形成部材
16 咽頭部形成部材
17 口腔粘膜形成部材
18 水性粘土台
19 シリコーン層
20 石膏層
21 シリコーン層
22 石膏層
23 上雌型
24 下雌型
25 上コア
27 下コア
28 口腔粘膜形成コア
30 油性粘土層
31 水性粘土台
32 上半分口腔粘膜形成外枠
33 下半分口腔粘膜形成外枠
34 空隙
35 空隙
36 注入器
37 人工口腔粘膜モデル
41 大腸粘膜形成コア部
42 大腸粘膜形成型枠
43 注入器
44 大腸粘膜モデル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する軟質性樹脂材で構成され、質感及び伸縮性を人の消化管粘膜の質感及び伸縮性に近似させたことを特徴とする人工消化管粘膜モデル。
【請求項2】
請求項1に記載の人工消化管粘膜モデルにおいて、
前記人工消化管粘膜モデルの内表面及び外表面に人の消化管粘膜の内表面及び外表面が備える凹凸やヒダを設けると共に、前記軟質性樹脂材を人の消化管粘膜の色に近い色に着色したことを特徴とする人工消化管粘膜モデル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の人工消化管粘膜モデルにおいて、
前記軟質性樹脂材はポリウレタンエラストマーであることを特徴とする人工消化管粘膜モデル。
【請求項4】
外表面形状が人の消化管粘膜の外表面形状に近似したコア部と、内表面形状が人の消化管粘膜の内表面に近似した型枠とを備え、該コア部の外側に人の消化管粘膜の厚さ寸法の間隙を設けて前記型枠を配置し、該コア部と型枠の間の間隙に主剤に硬化剤を混入してなる液状樹脂材を注入充填し、該注入した液状樹脂材が軟質性樹脂に変化した後、前記型枠を外し、前記コア部外周に形成された軟性樹脂体をその内側が外側に、外側を内側に反転させて人工消化管粘膜モデルとすることを特徴とする人工消化管粘膜モデルの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の人工消化管粘膜モデルの製造方法において、
前記液状樹脂材は主剤に硬化剤を混入させてなる液状ポリウレタンエラストマーであることを特徴とする人工消化管粘膜モデルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−333816(P2007−333816A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−162854(P2006−162854)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(506200773)
【出願人】(506201781)
【Fターム(参考)】