説明

人形体及び人形体組立てキット

【課題】 人形本体及び人形本体に着脱可能に取り付ける別部品が本物らしく、見栄えの良好な人形体を提供する。
【解決手段】 人形本体20に後から別部品30を追加する際に、粘着性を有するシート部材40を介して別部品30を人形本体20に取り付けるので、予め人形本体20や別部品30に、開口部や突起等を設ける必要がない。このため、人形本体20及び別部品30を本来の形状とすることができ、本物らしく見栄えがする人形本体20や別部品30を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人形体及び人形体組立てキットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
人形本体に別部品を追加で取り付けることができる人形体がある(特許文献1参照)。特許文献1に記載の人形体は、人形本体と、この人形本体に後から着脱可能な別部品を有しており、取付け手段により別部品を人形本体の所定位置に取り付ける。
【0003】
この場合、取付け手段として、人形本体に凸部または凹部を設け、別部品には、人形本体の凸部または凹部に嵌合する凹部または凸部を設けてある。従って、別部品の凹部または凸部を人形本体の凸部または凹部に嵌合させることにより、容易に別部品を人形本体に着脱することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−74030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述したような人形体においては、取付け手段として人形本体における取り付け部位及び別部品に、互いに嵌合可能な凸部および凹部を設けている。このため、別部品を取り付けない状態の人形本体及び別部品に、本来ないはずの凸部や凹部が、取付けだけのために設けられる。例えば、人形本体に別部品としての衣装を追加で着脱可能に取り付ける際に、人形本体に凹部が設けられ、衣装に凸部が設けられていたのでは、外観上、人形本体及び衣装が本物らしくなく、見栄えがよくないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、人形本体及び人形本体に着脱可能に取り付ける別部品が本物らしく、見栄えの良好な人形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の人形体は、人形本体と、人形本体に着脱可能な別部品と、別部品を人形体に取り付ける粘着性を有するシート部材と、を有する構成を有している。
【0008】
また、本発明の人形体において、シート部材が、ゲルシートである構成を有していることが好ましい。また、本発明の人形体において、ゲルシートは一方の面が両面テープ加工されており、該一方の面を人形本体の取付け位置と接触する別部品の所定位置に取り付け、ゲルシートの他方の面の粘着力により該別部品を該人形体の取付け位置に取り付ける構成を有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る人形体によれば、人形本体に後から別部品を追加する際に、粘着性を有するシート部材を介して別部品を人形本体に取り付けるので、予め人形本体や別部品に、開口部や突起等を設ける必要がない。このため、人形本体及び別部品を本来の形状とすることができ、本物らしく見栄えがする人形本体や別部品を有する人形体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明にかかる実施形態の戦闘ロボット人形の斜視図である。
【図2】本発明にかかる実施形態の戦闘ロボット人形において装甲装備を装着する前の分解斜視図である。
【図3】装甲装備の斜視図である。
【図4】ゲルシートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2に示すように、本発明にかかる実施形態の人形体としての戦闘ロボット人形10は、人形本体であるロボット人形本体20と、後から追加でロボット人形本体20の所定の取付け位置21に着脱可能な別部品としての装甲装備30を有する。なお、この戦闘ロボット人形10は、戦闘ゲーム等において移動や変身させながら用いるものではなく、主に、所望の形状で飾り置いて使用に供するものである。
【0012】
戦闘ロボット人形10は、装甲装備30を装着しない非戦闘状態のロボット人形本体20としても成立し、装甲装備30を装着することにより、戦闘時のロボット人形10に変身する。ロボット人形本体20は、腕22及び脚23を有し、各腕22及び脚23の途中位置には回動可動かつ任意の位置で固定可能な関節24を有する。従って、各関節24を所望の角度に回動させて所望の形状とすることにより、人形本体20は種々の姿勢を採り得る。なお、戦闘ロボット人形10は、複数のパーツに分解されているロボット人形本体20や装甲装備30等を使用者が適宜組立てることにより完成する組立てキットからなる人形体組立てキットであってもよい。
【0013】
図2及び図3に示すように、装甲装備30は、ロボット人形本体20の肩から胸にかけて装着する装備であり、胸当て部31と、肩にかける一対のアーム部32,32により、全体コ字状に形成されている。胸当て部31の内面における各アーム部32の付け根近傍の所定位置であるシート取付け位置33には、粘着性を有するシート部材としてのゲルシート40が各々取り付けられている。このゲルシート40取付け位置33は、装甲装備30をロボット人形本体20に装着した際に、ロボット人形本体20の取付け位置21に対向して当接する。
【0014】
なお、ロボット人形本体20における取付け位置21は、ロボット人形本体20を床面に置いたときに取付け位置21が多少上向きの面であるのが好ましく、これに対応して装甲装備30におけるシート取付け位置33は、下向きの面であるのが好ましい。これにより、ロボット人形本体20と装甲部材30とを確実に固定させることができる。ただし、ロボット人形本体20における取付け位置21と装甲装備30におけるシート取付け位置33の位置関係は、これに限定されるものではない。
【0015】
図4に示すように、ゲルシート40は、例えば矩形状をしており、一方の面41が両面テープ加工されて(すなわち、両面テープ42が貼設されて)おり、他方の面44は他の物に押し付けることにより、容易に変形可能且つ粘着する。ゲルシート40は、非使用状態では、両面テープ42に保護フィルム43が取り付けられており、他の物が付着しない。一方、ゲルシート40を装甲装備30のシート取付け位置33に取り付ける際には、保護フィルム43を取り去った後に、両面テープ42をシート取付け位置33に貼り付ける。
【0016】
装甲装備30をロボット人形本体20に装着する際には、装甲装備30のゲルシート40の他方の面44をロボット人形本体20の取付け位置21に押し付け、取付け位置21の形状に合わせて変形させるとともに、ゲルシート40の粘着力により装甲装備30をロボット人形本体20に取り付ける。一方、装甲装備30をロボット人形本体20から取り外す際には、単に、装甲装備30を引き剥がすだけでよい。
【0017】
以上、説明した実施形態にかかるロボット人形10によれば、ロボット人形本体20に後から装甲装備30を追加する際に、粘着性を有するゲルシート40を介して装甲装備30をロボット人形本体20に取り付けるので、予めロボット人形本体20や装甲装備30に、開口部や突起等を設ける必要がない。このため、ロボット人形本体20及び装甲装備30を本来の形状とすることができ、本物らしく見栄えがするロボット人形本体20や装甲装備30を形成することができる。
【0018】
また、粘着性のあるゲルシート40の粘着力及び変形により装甲装備30をロボット人形本体20に取り付けるので、装甲装備30をロボット人形本体20に容易に取り付けられるとともに容易に取り外すことができる。さらに、装甲装備30を取り外した後のロボット人形本体20には、装甲装備30を取り付けるために用いる粘着剤等が残らない。
【0019】
なお、シート部材としては、粘着性を有し、装甲装備30を取り除いた際にロボット人形本体側に粘着剤等が残らないものであれば特に限定されるものではないが、ロボット人形本体にプラスチック材料を用いる場合や、ロボット人形本体に塗装を施している場合は、シリコーン系のゲル状組成物を用いたゲルシートを用いることが好ましい。それにより、装甲装備30を取り外した後のロボット人形本体20に、粘着剤等がより残りにくいため好ましい。なお、ゲルシート表面の粘着力が弱くなった場合は、水分を含んだ布等でゲルシート表面をふき取ることにより粘着力を復帰させることができる。
【0020】
さらに、ゲルシート40は、両面テープ加工(両面テープ42)で装甲装備30のシート取付け位置33に取り付けられているので、装甲装備30をロボット人形本体20の取付け位置に載置して押し付けるだけで、ゲルシート40の粘着力及び変形により容易に取り付けることができる。なお、ゲルシートの厚さは、ロボット人形本体20に装甲装備30を取り付けた際に違和感がない1mm程度であることが好ましい。
【0021】
また、装甲装備30をロボット人形本体20から容易に取り外すことができるとともに、装甲装備30を取り外した後は、ゲルシート40は両面テープ42により装甲装備30に貼り付けられて残るが、ロボット人形本体20には粘着剤等何も残らないので、ロボット人形本体20単体として違和感なく使用できる。
【0022】
なお、ゲルシート40は、一方の面が両面テープ加工されていることにより、ロボット本体から装甲装備30を取り外した際に必ずゲルシート40が装甲装備30側に残るため好ましいが、必ずしも一方の面が両面テープ加工(両面テープ42)されている必要はなく、一方の面に両面シートを設けず、装甲装備30にゲルシートをそのまま取付けてもよい。その場合、ゲルシートの粘着性が弱くなったりしてゲルシートを取り替えたい場合にも装甲装備30側にも粘着剤等が残ることがなく好ましい。
【0023】
本実施の形態の人形体において、人形本体に後から別部品を追加する際に、粘着性を有するシート部材を介して別部品を人形本体に取り付けるので、予め人形本体や別部品に、開口部や突起等を設ける必要がない。また、粘着性を有するシート部材として、ゲルシートを用いることにより、別部品を人形本体から容易に取り外すことができるとともに、別部品を取り外した後の人形本体には、別部品を取り付けるのに用いる粘着剤等が残らない。よって、人形本体及び別部品を本来の形状とすることができ、本物らしく見栄えがする人形本体や別部品を有する人形体を形成することができる。
【0024】
また、本実施の形態の人形体において、ゲルシートは両面テープ加工で別部品の取付け位置に取り付けられているので、別部品を人形本体の取付け位置に載置するだけで、ゲルシートの粘着力により容易に取り付けることができる。また、別部品を人形本体から容易に取り外すことができるとともに、別部品を取り外した後には、ゲルシートは両面テープ加工により別部品に残るので、人形本体には粘着剤等何も残らないので、人形本体として違和感がない。
【0025】
なお、本発明に係る人形体は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形、変化が可能である。すなわち、前述した実施形態では、人形体として戦闘ロボット人形10を例示し、別部品として装甲装備30を例示したが、これに限られるものではなく、例えば人形本体として女の子が遊ぶような人形を用い、別部品として人形本体に着せ替える衣装を用いるなど様々な形態をとることができる。
【符号の説明】
【0026】
10 人形体
20 ロボット人形本体(人形本体)
21 取付け位置
25 シート取付け位置(所定位置)
30 装甲装備(別部品)
40 ゲルシート(シート部材)
41 一方の面
42 両面テープ
44 他方の面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人形本体と、
前記人形本体に着脱可能な別部品と、
前記別部品を前記人形体に取り付ける粘着性を有するシート部材と、を有することを特徴とする人形体。
【請求項2】
請求項1において、
前記シート部材が、ゲルシートである人形体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記ゲルシートは、一方の面が両面テープ加工されており、前記一方の面を前記人形本体の取付け位置と接触する前記別部品の所定位置に取り付けることができ、
前記別部品は、前記ゲルシートの他方の面の粘着力により前記人形体の取付け位置に取り付けられる人形体。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の人形体において、前記人形本体は、使用者が組立てることにより完成する組立てキットである人形体組立てキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−234985(P2011−234985A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110548(P2010−110548)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】