説明

人感センサー

【課題】 検出表示灯の点灯時の光出力を変化させることができる人感センサーを提供する。
【解決手段】 人感センサー1は、所定の検出範囲における人体の存否を判定する存否判定部2と、検出範囲に人体が存在すると存否判定部2によって判定されている期間に点灯される電気的光源からなる検出表示灯3とを備える。操作入力を受けて検出表示灯3の点灯時の光出力を変化させる表示設定部4を設けた。表示設定部4の操作により、検出表示灯3の光出力を変化させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人感センサーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、所定の検出範囲の人体を検出する人感センサーが提供されている。人感センサーとしては、例えば、検出範囲内の人体から放射される熱線(赤外光)を検出するものや、検出範囲を撮像した画像に画像処理を施すことにより人体を検出するものや、検出範囲に超音波を放射するとともに反射された超音波を検出するものなどがある。
【0003】
この種の人感センサーとして、人体が検出されている期間にのみ点灯される電気的光源からなる検出表示灯を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。すなわち、使用者は、検出表示灯の点灯を見て、人感センサーが正常に動作しているか否かを知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−87628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、検出表示灯による表示のオンオフを切り替え可能な人感センサーは提供されていたものの、検出表示灯の点灯時の光出力を変更可能な人感センサーは無かった。
【0006】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、検出表示灯の点灯時の光出力を変化させることができる人感センサーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、所定の検出範囲における人体の存否を判定する存否判定部と、前記検出範囲に人体が存在すると前記存否判定部によって判定されている期間に点灯される電気的光源からなる検出表示灯と、操作入力を受けて前記検出表示灯の点灯時の光出力を変化させる表示設定部とを備えることを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、熱線を検出する熱線センサーと、前記検出範囲からの熱線を前記熱線センサーに集光する集光レンズとを備え、前記存否判定部は、前記検出範囲における人体の存否を前記熱線センサーの出力に基いて判定するものであり、前記検出表示灯の光は、前記集光レンズを通じて出射するものであって、前記熱線センサーと前記集光レンズと前記存否判定部と前記検出表示灯と前記表示設定部とをそれぞれ保持するとともに取付面に対して固定されるハウジングを備え、前記熱線センサーと前記集光レンズとは、それぞれ、前記ハウジングに対し前記取付面に沿った所定の検出方向に前記検出範囲が形成される向きで保持されていて、前記ハウジングに着脱自在に結合し、前記ハウジングに結合した状態では前記表示設定部を覆い且つ前記検出方向から見て前記集光レンズを露出させるカバーを備え、前記カバーは、前記ハウジングに結合した状態では、前記取付面に直交する方向から見て前記集光レンズを覆うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示設定部を操作することで、検出表示灯の点灯時の光出力を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図2】同上の使用状態を示すブロック図である。
【図3】同上においてカバーが取り外された状態を示す正面図である。
【図4】同上を示す斜視図である。
【図5】同上の比較例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
本実施形態の人感センサー1は、図1に示すように、所定の検出範囲における人体の存否を判定する存否判定部2と、検出範囲に人体が存在すると存否判定部2によって判定されている期間に点灯される電気的光源からなる検出表示灯3と、操作入力を受けて前記検出表示灯の点灯時の光出力を変化させる表示設定部4とを備える。
【0013】
存否判定部2は、検出範囲から放射された熱線(赤外光)を検出する熱線センサー(図示せず)と、熱線センサーの出力に基いて検出範囲における人体の存否を判定し判定結果に応じた電気信号を出力する判定回路(図示せず)とからなる。熱線センサーとしては周知の焦電センサーを用いることができ、上記のような存否判定部2は周知技術で実現可能であるので詳細な図示並びに説明は省略する。
【0014】
検出表示灯3は、例えば周知の発光ダイオードからなる。
【0015】
表示設定部4は、操作入力を受けて電気抵抗を変化させる周知の可変抵抗器からなり、検出表示灯3への給電路に挿入され、検出表示灯3に供給される電流を変化させることで検出表示灯3の光出力を変化させる。
【0016】
さらに、人感センサー1は、図2に示すように、少なくとも1個の負荷Zや、各負荷Zをそれぞれ制御する中央制御装置CTとともに、2線式の伝送線路SLにバス接続して用いられる。上記の負荷Zや中央制御装置CTや人感センサー1にはそれぞれ予めアドレスが付されており、中央制御装置CTは、伝送線路SLを介した周知の多重伝送技術において上記のアドレスを用いて人感センサー1や負荷Zとの間で個別に通信を行なう。そして、中央制御装置CTは、人感センサー1の出力に応じて、人感センサー1のアドレスに予め対応付けられたアドレスを付された負荷Zを制御する。
【0017】
また、人感センサー1は、伝送線路SLに接続される伝送部5と、伝送線路SLを介して給電され人感センサー1の各部の電源を生成する電源部6と、人感センサー1に設定されるアドレスが入力されるアドレス入力部7と、不揮発性メモリからなりアドレス入力部7に入力されたアドレスが格納される記憶部8と、存否判定部2の判定結果に応じて、記憶部8に格納されたアドレスの情報を含む電気信号を中央制御装置CTに伝送するように伝送部5を制御する制御部9とを備える。
【0018】
伝送部5と電源部6とはそれぞれ周知の電気回路で実現可能であるので詳細な図示並びに説明は省略する。
【0019】
また、アドレス入力部7は、外部のアドレス設定器(図示せず)との間で光信号を送受信するものである。上記のアドレス設定器は、アドレスを指定する操作入力を受け、指定されたアドレスを示す光信号を送信するものである。上記のようなアドレス入力部7とアドレス設定器とはともに周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0020】
記憶部8としては、例えばEEPROMを用いることができる。
【0021】
制御部9は、例えばマイクロコントローラを用いて周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0022】
さらに、人感センサー1は、検出範囲の明るさを検出する明るさセンサー10と、存否判定部2の判定結果が不在から存在に変化したときの動作を行う明るさの上限値を設定する操作入力を受け付ける明るさ設定部11と、遅延時間(後述)を設定する操作入力を受け付ける遅延時間設定部12とを備える。
【0023】
すなわち、制御部9は、明るさセンサー10によって検出されている明るさが、明るさ設定部11に設定されている上限値よりも低い期間にのみ、存否判定部2による判定結果が不在から存在に変化したときに、記憶部8に格納されたアドレスの情報を含む所定の電気信号を中央制御装置CTに伝送するように伝送部5を制御する。中央制御装置CTは、上記の電気信号を受信して、上記アドレスに予め対応付けられたアドレスを付された負荷Z(例えば照明負荷)をオン制御する。
【0024】
また、制御部9は、存否判定部2による判定結果が不在である状態の継続時間を計時し、該継続時間が、遅延時間設定部12に設定された遅延時間に達したときに、記憶部8に格納されたアドレスの情報を含む所定の電気信号を中央制御装置CTに伝送するように伝送部5を制御する。中央制御装置CTは、上記の電気信号を受信して、上記アドレスに予め対応付けられたアドレスを付された負荷Zをオフ制御する。
【0025】
明るさセンサー10は、例えばCdS素子やフォトダイオードを用いて周知技術で実現可能である。
【0026】
明るさ設定部11及び遅延時間設定部12には、それぞれ、例えば可変抵抗器やロータリースイッチを用いることができる。
【0027】
ここで、上記の各部は、図3に示すようなハウジング20に保持されている。ハウジング20は例えば合成樹脂からなり、扁平な直方体形状であって厚さ方向の一面(図3における紙面奥側の面。以下、「後面」と呼ぶ。)を壁面等の取付面(図示せず)に向けて取付面に固定されるベース部20aと、ベース部20aの前面に突設された直方体形状のボス部20bとを有する。表示設定部4と、アドレス入力部7と、明るさ設定部11と、遅延時間設定部12とは、それぞれボス部20bの前方に露出している。
【0028】
以下、上下左右は図3を基準とする。
【0029】
ハウジング20において、ボス部20bの下側には、下方に膨出した半球形状であって検出範囲からの赤外光を存否判定部2の熱線センサーに集光する集光レンズ21が保持されている。集光レンズ21は例えば透明な合成樹脂からなる周知の多焦点レンズである。集光レンズ21は、前方から見てボス部20bの下面から下方へ突出しており、検出範囲は、取付面に沿った検出方向である下方向に形成される。
【0030】
さらに、検出表示灯3と、明るさセンサー10とは、それぞれ集光レンズ21よりも内側(上側)に保持されている。すなわち、検出表示灯3の光は集光レンズ21を通して出射し、また、明るさセンサー10は集光レンズ21を通じて検出範囲から入射した光を検出する。
【0031】
また、ハウジング20には、図4に示すように、不透明な材料からなるカバー22が着脱自在に取り付けられる。カバー22は、例えば合成樹脂からなり、ハウジング20に取り付けられた状態では、ハウジング20のボス部20bの上面と左右の側面と前面とを覆う。
【0032】
詳しく説明すると、カバー22は、全体として前面が下方に向かって前方へ傾斜した台形角柱状であり、中空であって後面から下面にかけて開口している。また、カバー22において、左右に対向する内面の後端部には、それぞれ係止爪(図示せず)が左右方向の内向きに突設されている。ボス部20bの左右の両側面には、それぞれ、後面がベース部20aの前面よりも前側に位置する係止凸部20cが突設されている。そして、カバー22は、各係止爪がそれぞれ上方から係止凸部20cの後側に導入されることでハウジング20に取り付けられる。すなわち、カバー22は、ハウジング20に取り付けられた状態では、内面がボス部20bに当接することでハウジング20に対する下方及び左右方向への変位を禁止され、後端がベース部20aの前面に当接することでハウジング20に対する後方への変位を禁止され、各係止爪がそれぞれ係止凸部20cの後面に当接することでハウジング20に対する前方への変位を禁止される。また、カバー22がハウジング20に取り付けられた状態であっても、集光レンズ21は検出方向である下方向から見て露出する。
【0033】
さらに、カバー22の寸法形状は、取付面に直交する方向である前方から見て集光レンズ21を覆う程度に充分に大きくされている。つまり、検出表示灯3の光は、前方からは確認できなくなっている。これにより、図5に示すように前方から見て集光レンズ21を露出させる場合に比べ、検出表示灯3の光が目立ちにくくなっている。
【0034】
上記構成によれば、表示設定部4を操作することで、検出表示灯3の点灯時の光出力を調整することができる。
【0035】
ここで、本実施形態においては、明るさセンサー10が検出表示灯3に近接配置されているので、検出表示灯3の光が明るさセンサー10の出力に影響を与える可能性があるが、表示設定部4の操作により検出表示灯3の光出力を低下させれば上記の影響を小さくすることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 人感センサー
2 存否判定部
3 検出表示灯
4 表示設定部
20 ハウジング
21 集光レンズ
22 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の検出範囲における人体の存否を判定する存否判定部と、
前記検出範囲に人体が存在すると前記存否判定部によって判定されている期間に点灯される電気的光源からなる検出表示灯と、
操作入力を受けて前記検出表示灯の点灯時の光出力を変化させる表示設定部とを備えることを特徴とする人感センサー。
【請求項2】
熱線を検出する熱線センサーと、
前記検出範囲からの熱線を前記熱線センサーに集光する集光レンズとを備え、
前記存否判定部は、前記検出範囲における人体の存否を前記熱線センサーの出力に基いて判定するものであり、
前記検出表示灯の光は、前記集光レンズを通じて出射するものであって、
前記熱線センサーと前記集光レンズと前記存否判定部と前記検出表示灯と前記表示設定部とをそれぞれ保持するとともに取付面に対して固定されるハウジングを備え、
前記熱線センサーと前記集光レンズとは、それぞれ、前記ハウジングに対し前記取付面に沿った所定の検出方向に前記検出範囲が形成される向きで保持されていて、
前記ハウジングに着脱自在に結合し、前記ハウジングに結合した状態では前記表示設定部を覆い且つ前記検出方向から見て前記集光レンズを露出させるカバーを備え、
前記カバーは、前記ハウジングに結合した状態では、前記取付面に直交する方向から見て前記集光レンズを覆うことを特徴とする請求項1記載の人感センサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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