人間の足構造と歩行とに適したエルゴノミックな靴底
【課題】この発明は、人間の足の自然構造と歩行の足取りとに適するように開発された、高度な技術が結集されている靴底に関する。
【解決手段】その靴踵の外側部が高く、その前方部分の内側部が低く形成される靴底を発明することで、起立時または歩行時に、ユーザーの両足及び足首を靴と正しく配向させ、三拍子歩行を可能とする。 また、当該靴は、ユーザーの身体の(体重)中心を前記靴の外側部から内側に向かって自然に移すことによって、ユーザーの体重を前記靴底の全領域に均一に分配し、ユーザーの体重を支える足への衝撃を吸収して緩和することによって、体重を支える足の疲労を軽減し、外股歩行のような変形を招く歩行癖を防止、補正し、さらに歩行中の靴の滑りを防止する。
【解決手段】その靴踵の外側部が高く、その前方部分の内側部が低く形成される靴底を発明することで、起立時または歩行時に、ユーザーの両足及び足首を靴と正しく配向させ、三拍子歩行を可能とする。 また、当該靴は、ユーザーの身体の(体重)中心を前記靴の外側部から内側に向かって自然に移すことによって、ユーザーの体重を前記靴底の全領域に均一に分配し、ユーザーの体重を支える足への衝撃を吸収して緩和することによって、体重を支える足の疲労を軽減し、外股歩行のような変形を招く歩行癖を防止、補正し、さらに歩行中の靴の滑りを防止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の足の自然構造と歩行に適するように開発された、高度な技術が結集されている靴底に関するものであり、より具体的には、靴底の底部形状を改善することによって、ユーザーの身体の(体重)中心を、靴領域の外側から内側に向かって自然に移行して、体重配分を前記靴底の全領域に均一に分散させ、かくしてユーザーの体重を支える足への衝撃を吸収して緩和する一方、身体に最も理想的な歩行方法である三拍子歩行を可能にし、さらに、脊椎骨の変形を防止、補正して、歩行による疲労を軽減し、身体の成長を促進すると同時に、外股歩行を補正して正しい歩行習慣を助長する靴底に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、靴底は靴の底部を構成し、靴のタイプにもよるが、その踵は別々に取り付けることも、接合境界なしに製造することもできる。
【0003】
例えば、フォーマルな靴の後方部分(靴の踵)は通常別々に取り付けられるが、運動靴やスリッパの靴の踵の場合は接合部なしに形成される。
【0004】
また、靴の背部分は靴底と一体に形成することも、別々に取り付けることもできる。
【0005】
最近になって、誤った歩行習慣を補正する多くの機能的な靴が導入されており、かかる靴の中には、靴底の底部が穏やかな下方に湾曲して形成されているさまざまなデザインがある。
【0006】
理想的な歩行法は三拍子歩行であるが、大部分の靴ではユーザーの体重が足の踵に集中するようになっているため、脊椎骨に衝撃を伝え、その結果、腰痛、肩痛及び頸痛を起こし、さらに、つま先を変形させ、歩行による疲労を増加させる。
【0007】
かかる旧発明では後方部分の一部が欠落しており、そのため、その欠落部が強く刺激されたり、その靴が長時間着用されると、痛みを引き起こした。また、前記欠落部が地面に触れると滑りやすく、予期しない転倒を起こしやすくなる。
【0008】
特に、前記靴の一部のタイプには、その後方部分が下方に湾曲して形成され、その靴底が厚くなり過ぎるきらいがあり、実際の靴踵の機能やデザインの多様性を限定したり、足の感覚を鈍らせて転倒を頻繁に起こしやすくなるなど、多くの問題を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国登録特許第239854号(名称「健康靴」)
【特許文献2】韓国登録特許第536050号(名称「三拍子歩行の靴底」)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明は、上述の従来技術の問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、靴の底部の厚さと、靴の後部から前部の順に地面に触れる靴底の後方部分の厚さに差異を設けることによって、ユーザーの身体の(体重)中心を、靴の外側から、足への衝撃を吸収して緩和し、最も正しく理想的な三拍子歩行を誘導し、外股歩行を補正し、かつ脊椎骨の変形を防止する内底(インナーソール)領域に分配することを特徴とする人間工学的に基づいたデザインの歩行用靴底を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明の実施形態に係る靴底は、その後方部分底部の外側をその内側よりも高く設け、その前方部分の内側をその外側よりも低くすることによって構成される。本発明の一態様によれば、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底が提供され、該靴底には、その外側から特定幅の平坦化部をもつ底面を有する本体と、前記平坦化部からその内側に向かって徐々に低くなる傾斜部と、その内側から特定幅の平坦化部をもつ底面を有する靴の踵と、前記平坦化部からその外側に向かって高くなる傾斜部と、が含まれる。
【0012】
また、本発明の別の態様によれば、その前端部から後端部にかけて平坦面を有し、その前方部分の厚さと後方部分の厚さに差異が設けられていることを特徴とし、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底が提供される。 この靴底では、その前方部分の底側は外側から始まる特定幅の平坦化部と、前記平坦化部から始まり内側に向かって前記靴底の厚さを前記平坦化部よりも低くする傾斜部とを有し、さらに、その後方部分の底側は内側から始まる特定幅の平坦化部と、前記踵の高さをその外側に向かって高くする傾斜部とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の上記及びその他の特徴と利点は、当業者には、下記の添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明することによって、より明確になるであろう。
【図1】本発明の実施形態に係る靴底の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る右足靴底の内側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る靴底の底面図である。
【図4】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図5】図1のB−B線に沿った断面図である。
【図6】本発明の別の実施形態に係る靴底の底部斜視図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】本発明の別の実施形態に係る靴底の底面図である。
【図9】図8のC−C線に沿った断面図である。
【図10】図8のD−D線に沿った断面図である。
【図11】本発明の別の実施形態に従って、その後方部分が地面から特定角度をなして浮いた靴底の側面図である。
【図12】本発明の実施形態に従って、その後方部分の底側がその底部分に取り付けられている状態の、地面から特定角度をなして浮いた靴底の後方部分の側面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る靴底の底面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る靴の直立状態を、その後方から見た靴底の側面図である。
【図15】本発明の実施形態に係る靴底が適用された靴着用時の歩行過程を例示する側面図である。
【図16−19】本発明の実施形態に係る靴底が適用された靴着用時の歩行過程を例示する裏面図である。
【図20−21】平坦化部と空間部の間の空間によって、その衝撃を吸収して緩和する状態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態を示す添付図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【0015】
本発明は、靴底の底部のデザインを改善することによって、ユーザーの身体の(体重)中心を、その靴の底部の外側から、歩行時の衝撃を吸収して緩和する内部領域に自然に分散させることを特徴とする靴底に関するものである。
【0016】
前記靴底は、地面に直接接触する靴の一部を意味し、前記靴底はそれぞれのタイプに応じてさまざまに形成される。
【0017】
例えば、皮靴の底部は、前方部分と、靴の踵を形成するように高めに設けられる後方段部分と、からなるが、運動靴のような靴の底部は前方部分から後方部分にかけて平坦に形成されている。
【0018】
前記運動靴の底部の場合には、通常、靴の底部の表面が靴の滑りを防止するようにエンボス加工されている。
【0019】
高めに設けられた踵がついた靴の底部は、その踵の高さに応じて段付き形状を示す。
【0020】
かかる場合では、その後方部分を底部を含めた単一体として製造することも、または踵を別々に形成し、それを靴の底部の踵部に密着して取り付けることもできる。
【0021】
図1は本発明の実施形態の構造を例示する斜視図であり、図2は本発明の実施形態に係る靴底の内側面図である。
【0022】
本図に示した靴は右足靴であり、足の親指から踵までの部分を「内側」と呼び、足の小指から踵までの部分を「外側」と呼ぶ。
【0023】
この実施形態は、特定の高さを有する靴の踵20がついた靴底であり、該踵は前記靴底の本体10に取り付けられる。かかる靴の踵20がついた靴は一般的にフォーマルな皮靴である。
【0024】
このような場合、前記本体10の表面は前記靴の踵20の上面に取り付けられて、その靴底は後方部分に向かって高くなるような形状をなして形成される一方、前記本体10の底面と前記靴の踵20とを、地面と同時接触するように同じ高さに保つ。
【0025】
前記靴底の最も特筆すべき特徴は、前記本体10の底部と前記靴の踵20とが、その靴底の底部の垂直方向と水平方向との両方で上方または下方に部分的に傾斜していることである。
【0026】
図3は本発明の実施形態に係る靴底の底面図であり、図4は、図1のA−A線に沿った断面図であり、図5は、図1のB−B線に沿った断面図である。
【0027】
例示したように、本発明のこの実施形態は、平坦な地面と水平面を保つ、従来の靴の底部に係る本体10の底面と靴の踵20とになされた改善に関するものである。 より具体的には、前記本体10の底面は外側から内側に向かって徐々に低くなるように形成され(その靴底の厚さを減少させることによって)、前記靴の踵20の底面は内側から外側に向かって徐々に高くなるように形成される。
【0028】
これをさらに詳細に説明すると、前記靴の前方部分を含む前記本体10の底面は外側から始まり内側に向かう特定幅の平坦化部11を維持する。
【0029】
日常的な靴の本体10の底面は、通常、その前方部分から前記靴の踵20に向かって下方に湾曲した形状をなすが、その内側から外側に向かって前記平坦化底面を前記靴底の厚さと同じ高さに保つ。
【0030】
前記従来の靴と比較すると、本発明のこの実施形態に係る靴底の内側と外側間の本体10の底面は、その底面の外側から始まる特定幅の平坦化部11を特色とするものであって、前記靴底の高さを前記平坦化部11からその内部に向かって徐々に低くすることで、傾斜部12を前記平坦化部11よりも低く形成することを特色とする。 つまり、前記本体10の底面は、前記靴底の高さを低くすることによって、前記平坦化部11から前記靴の内側に向かって徐々に傾斜され、前記傾斜部12を形成する。
【0031】
一方、前記後方部分(靴の踵)20は、前記本体10と反対側に設けられて、前記踵を高く設けることによって、前記靴底の内側から始まり前記靴の踵の外側に向かって徐々に傾斜する特定幅の平坦化部21を形成し、かくして傾斜部22を形成する。
【0032】
前記本体10の底面に設けられた平坦化部11,21の幅と前記靴の踵20の幅は、前記靴底の片側から始まる両外面同士間の幅の約1/3である必要があり、前記平坦化部11,21と前記傾斜部12,22との間の最も好ましい高さの差は1〜7mmである。
【0033】
この実施形態では、前記傾斜部12,22の靴底が、前記靴底の厚さを前記本体10の底面の前方部分に向かって減少させることによって徐々に低くされることが好ましく、さらに、前記靴底の厚さが、図3の矢印方向によって示されているように前記靴の後方部分20に向かって前記靴底を増加させることによって徐々に高くされることが好ましい。
【0034】
この構造では、前記後方部分20の底面は前記本体10の最下底面に接合され、境界なしに形成することができる。
【0035】
図6は本発明の別の実施形態の構造を例示する斜視図であり、図7は、図6の側面図である。 本発明のこの実施形態では、前記本体100の底面から特定の高さだけ突き出る前記後方部分20は切り取られ、その前部から後部にかけて全て平坦だった前記靴底の底面は歩行用に改善される。
【0036】
本発明のこの実施形態では、前記本体100の表面は均一に展開され、前記前方部分110は前記靴底の特定の基準点からつま先に向かって定義され、前記後方部分120は基準点から前記靴の踵の先端に向かって定義される。 さらに、前記底部では、各部分の一部がその長さ方向で徐々に下方に湾曲される。
【0037】
前方部分110と後方部分120とに分割された部分を備えながら、なおも平坦化底面を有する靴は主に運動靴、サンダルなどである。
【0038】
図8は本発明の別の実施形態に係る靴底の底面図である。
【0039】
例示したように、前記前方部分110と前記後方部分120との間には、ある程度の境界があってもよいが、明確な境界があってはならず、この実施形態では、それらの部分は靴の長さに基づく特定の自由裁量の比率で定義される。
【0040】
前記前方部分110と前記後方部分120とを分割する境界線130は、図示されない仮想境界線である。
【0041】
この実施形態の特徴は、前記前方部分110と前記後方部分120との底面の傾斜部が対角線上に配置されて、前記靴底の高さを上下に調整することである。
【0042】
図9と図10は、図8のC−C線とD−D線に沿った断面図である。 例示したように、前記前方部分110と前記後方部分120とは、本発明の別の実施の形態で示したように前記境界線130によって分割され、この境界線130をその基準線として、前記前方部分110 の外側底面は特定幅の平坦化部111を有し、その底部における残りの他部は、前記傾斜部112を形成する内側に向かって徐々に低くなる。
【0043】
前記境界線130からその踵の先端までの前記後方部分120は内側から始まる特定幅の平坦化部121と、前記靴底を外方に向かって徐々に低くすることによって、前記平坦化部121から始まり外側に向かう傾斜部122と、を有する。 前記本体100の前方部分110と後方部分120間の境界線130による分割の理想的な比率は、65〜70%:30〜35%である必要がある。
【0044】
前記前方部分110と前記後方部分120との平坦化部111,121が各外面から全幅の1/3の幅を占め、さらに、前記平坦化部111,121と前記傾斜部112,122との間の高さの差が1〜7mmであることが理想的である。
【0045】
本発明のこの実施形態では、前記靴底の高さが前記前方部分110のつま先に向かって徐々に低くなり、前記踵の高さが前記靴の踵120の先端に向かって徐々に高くなることが好ましい。
【0046】
また、この実施形態では、図11に示すように、10〜20度の角度をなして地面から浮く後方部分120を形成することも好ましく、前記靴の踵20のついた皮靴の場合、図12に例示したように、それを前記本体10と一体で形成することができる。
【0047】
前記靴の踵20と前記後方部分120とが、10〜20度の角度をなして地面から浮くように形成される際、図11〜図13に示すように、前記本体10の底面と前記靴の踵20との取付部と、前記前方部分110と前記後方部分120との取付部を凹設することができ、窪み13,131を特定の深さに形成することができる。 特に、前記靴の踵20または前記後方部分120が特定の角度をなして地面から浮くように形成される際、それは、前記本体10の底面と前記後方部分110とに境界縁なしに滑らかな曲線状で接合される必要がある。
【0048】
ユーザーがこの実施形態に係る靴底のついた靴を着用して自然起立姿勢をとる場合、図14に示すように、前記靴は内側に向かって配向する。 さらに、前記靴が内側に向かって配向するのでその体重も内側に向かって寄るため、疲労も軽減される。
【0049】
つまり、起立時には体重が両足に分配されるが、各靴では体重が内側に向かって寄り、体重の分散を防止し、該靴の着用をより安全で快適なものとすることが可能である。 また、起立姿勢では、その両足は、体重が最も支えられる足踵から前記本体10または前方部分110ににかけて、極めてわずか内側に傾き、その両足を寄り付ける。
【0050】
ユーザーの両足は、上から見た場合に両足によって形成される角度と同様の角度で地面に触れ、かくして、両足が内側に向かって寄ると、両足にかかる重力のバランスは保たれ、各足にかかる圧力は減少する。
【0051】
図15は、本発明の実施形態に従って後方部分が地面から浮くようになっている靴底が適用された靴による歩行過程を例示する側面図であり、図16〜図19は、ユーザーが前記靴を着用して歩行する際の状態を例示する裏面図である。
【0052】
歩行時には起立時と異なり、前記靴の踵20の背部または前記後方部分120が最初に地面に触れる。 ユーザーの足が地面に触れるにつれて、その足が体重により圧迫される際、前記靴の踵20または後方部分120は自然に、靴底の比較的厚い外側から靴底の比較的薄い内側の順に地面に触れ、その両足を内側に向かって寄り付ける。
【0053】
ユーザーが前方向に移動するにつれて、前記靴によって支えられる体重が増加するので、前記靴の踵20または前記後方部分120が地面と密着する際、前記靴は、外股歩きとは対照的な、両足を平行に配置する足踏み歩行を誘導する。
【0054】
ユーザーの体重が前記靴の踵20または前記後方部分120に移ると、その足首は一直線に伸び、足首にかかる体重圧を劇的に緩和する。
【0055】
前記平坦化部と前記傾斜部とが同時に地面に触れると、図20に例示したように、それらの部間の境界は地面から特定の高さに少し浮いた状態になって空間Sを形成し、図21に示すように、その浮いた面は、体重が両足に移ると地面に触れる。 従って、ユーザーの体重が支えられるにつれて、その足への衝撃は、クッションのように作用する浮き空間によって、地面に触れる際に吸収して緩和することができ、また、足首への衝撃も吸収して緩和することができる。
【0056】
地面に接触する領域が前記靴の踵20または後方部分120からその前方部分に移るにつれて、ユーザーの体重圧は、前記靴の踵20の平坦化部21または前記後方部分120の平坦化部121から、前記本体10の平坦化部11または前記前方部分110の平坦化部111に自然に伝達され、ユーザーの体重をその両足に均一に分配する。
【0057】
ユーザーの身体の(体重)中心が、前記本体10の平坦化部11または前記前方部分110の平坦化部111に伝達されるにつれて、前記靴の前方に移動されるので、前記靴へのユーザーの体重圧は徐々に軽減される。
【0058】
よって、前記靴が地面から離れる直前に、前記本体10の前部内側または前記前方部分110の靴底の厚さが最小になっていることから、前記靴はさらに内側に向かってねじられる。
【0059】
歩行時に前記靴を内側に向かって寄り付けることによって、前記靴は屈曲性を実現し、足首への体重圧を最小限に抑える。
【0060】
体重圧が最小限に抑えられる場合、長時間にわたる歩行時でさえも足の疲労は軽減され、靴の滑りの防止効果を最大限に引き出すことができ、さらに、外股歩行と呼ばれる歩行時の変形姿勢を防止すると同時に矯正することもできる。
【0061】
特に、長期間にわたって正しい歩行を行うことによって脊椎骨の変形を防止できると同時に、その変形自体を矯正することができ、長距離歩行中の疲労を軽減し、さらに、直立歩行する人間の身体に最も理想的な歩行法である三拍子歩行を実現する。
【0062】
上述のように、前記靴底は、靴底の後方部分をその内側から外側に向かって高くし、靴底の前方部分をその外側から内側に向かって低くすることから、歩行時または起立時に両足、足首及び靴を正しく配向させることによって理想的な三拍子歩行を実現する。
【0063】
また、本発明では、ユーザーの身体の(体重)中心を前記靴の外側から前記靴の内側領域に自然に移動させ、その衝撃を吸収して緩和し、疲労を軽減し、外股歩行のような変形を招く歩行癖を防止、補正し、靴の滑りを防止する全靴領域に、その体重を分配する。 本発明は、足の解剖学的構造と歩行とに適することを目的とするエルゴノミックな靴底を提供することで、脊椎骨の変形を防止、補正する正しい歩行習慣を常に自然に維持するという極めて有用な効果を有する。
【符号の説明】
【0064】
10 本体
11 平坦化部
12 傾斜部
20 靴の踵
21 平坦化部
22 傾斜部
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の足の自然構造と歩行に適するように開発された、高度な技術が結集されている靴底に関するものであり、より具体的には、靴底の底部形状を改善することによって、ユーザーの身体の(体重)中心を、靴領域の外側から内側に向かって自然に移行して、体重配分を前記靴底の全領域に均一に分散させ、かくしてユーザーの体重を支える足への衝撃を吸収して緩和する一方、身体に最も理想的な歩行方法である三拍子歩行を可能にし、さらに、脊椎骨の変形を防止、補正して、歩行による疲労を軽減し、身体の成長を促進すると同時に、外股歩行を補正して正しい歩行習慣を助長する靴底に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、靴底は靴の底部を構成し、靴のタイプにもよるが、その踵は別々に取り付けることも、接合境界なしに製造することもできる。
【0003】
例えば、フォーマルな靴の後方部分(靴の踵)は通常別々に取り付けられるが、運動靴やスリッパの靴の踵の場合は接合部なしに形成される。
【0004】
また、靴の背部分は靴底と一体に形成することも、別々に取り付けることもできる。
【0005】
最近になって、誤った歩行習慣を補正する多くの機能的な靴が導入されており、かかる靴の中には、靴底の底部が穏やかな下方に湾曲して形成されているさまざまなデザインがある。
【0006】
理想的な歩行法は三拍子歩行であるが、大部分の靴ではユーザーの体重が足の踵に集中するようになっているため、脊椎骨に衝撃を伝え、その結果、腰痛、肩痛及び頸痛を起こし、さらに、つま先を変形させ、歩行による疲労を増加させる。
【0007】
かかる旧発明では後方部分の一部が欠落しており、そのため、その欠落部が強く刺激されたり、その靴が長時間着用されると、痛みを引き起こした。また、前記欠落部が地面に触れると滑りやすく、予期しない転倒を起こしやすくなる。
【0008】
特に、前記靴の一部のタイプには、その後方部分が下方に湾曲して形成され、その靴底が厚くなり過ぎるきらいがあり、実際の靴踵の機能やデザインの多様性を限定したり、足の感覚を鈍らせて転倒を頻繁に起こしやすくなるなど、多くの問題を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国登録特許第239854号(名称「健康靴」)
【特許文献2】韓国登録特許第536050号(名称「三拍子歩行の靴底」)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明は、上述の従来技術の問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、靴の底部の厚さと、靴の後部から前部の順に地面に触れる靴底の後方部分の厚さに差異を設けることによって、ユーザーの身体の(体重)中心を、靴の外側から、足への衝撃を吸収して緩和し、最も正しく理想的な三拍子歩行を誘導し、外股歩行を補正し、かつ脊椎骨の変形を防止する内底(インナーソール)領域に分配することを特徴とする人間工学的に基づいたデザインの歩行用靴底を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明の実施形態に係る靴底は、その後方部分底部の外側をその内側よりも高く設け、その前方部分の内側をその外側よりも低くすることによって構成される。本発明の一態様によれば、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底が提供され、該靴底には、その外側から特定幅の平坦化部をもつ底面を有する本体と、前記平坦化部からその内側に向かって徐々に低くなる傾斜部と、その内側から特定幅の平坦化部をもつ底面を有する靴の踵と、前記平坦化部からその外側に向かって高くなる傾斜部と、が含まれる。
【0012】
また、本発明の別の態様によれば、その前端部から後端部にかけて平坦面を有し、その前方部分の厚さと後方部分の厚さに差異が設けられていることを特徴とし、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底が提供される。 この靴底では、その前方部分の底側は外側から始まる特定幅の平坦化部と、前記平坦化部から始まり内側に向かって前記靴底の厚さを前記平坦化部よりも低くする傾斜部とを有し、さらに、その後方部分の底側は内側から始まる特定幅の平坦化部と、前記踵の高さをその外側に向かって高くする傾斜部とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の上記及びその他の特徴と利点は、当業者には、下記の添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明することによって、より明確になるであろう。
【図1】本発明の実施形態に係る靴底の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る右足靴底の内側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る靴底の底面図である。
【図4】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図5】図1のB−B線に沿った断面図である。
【図6】本発明の別の実施形態に係る靴底の底部斜視図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】本発明の別の実施形態に係る靴底の底面図である。
【図9】図8のC−C線に沿った断面図である。
【図10】図8のD−D線に沿った断面図である。
【図11】本発明の別の実施形態に従って、その後方部分が地面から特定角度をなして浮いた靴底の側面図である。
【図12】本発明の実施形態に従って、その後方部分の底側がその底部分に取り付けられている状態の、地面から特定角度をなして浮いた靴底の後方部分の側面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る靴底の底面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る靴の直立状態を、その後方から見た靴底の側面図である。
【図15】本発明の実施形態に係る靴底が適用された靴着用時の歩行過程を例示する側面図である。
【図16−19】本発明の実施形態に係る靴底が適用された靴着用時の歩行過程を例示する裏面図である。
【図20−21】平坦化部と空間部の間の空間によって、その衝撃を吸収して緩和する状態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態を示す添付図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【0015】
本発明は、靴底の底部のデザインを改善することによって、ユーザーの身体の(体重)中心を、その靴の底部の外側から、歩行時の衝撃を吸収して緩和する内部領域に自然に分散させることを特徴とする靴底に関するものである。
【0016】
前記靴底は、地面に直接接触する靴の一部を意味し、前記靴底はそれぞれのタイプに応じてさまざまに形成される。
【0017】
例えば、皮靴の底部は、前方部分と、靴の踵を形成するように高めに設けられる後方段部分と、からなるが、運動靴のような靴の底部は前方部分から後方部分にかけて平坦に形成されている。
【0018】
前記運動靴の底部の場合には、通常、靴の底部の表面が靴の滑りを防止するようにエンボス加工されている。
【0019】
高めに設けられた踵がついた靴の底部は、その踵の高さに応じて段付き形状を示す。
【0020】
かかる場合では、その後方部分を底部を含めた単一体として製造することも、または踵を別々に形成し、それを靴の底部の踵部に密着して取り付けることもできる。
【0021】
図1は本発明の実施形態の構造を例示する斜視図であり、図2は本発明の実施形態に係る靴底の内側面図である。
【0022】
本図に示した靴は右足靴であり、足の親指から踵までの部分を「内側」と呼び、足の小指から踵までの部分を「外側」と呼ぶ。
【0023】
この実施形態は、特定の高さを有する靴の踵20がついた靴底であり、該踵は前記靴底の本体10に取り付けられる。かかる靴の踵20がついた靴は一般的にフォーマルな皮靴である。
【0024】
このような場合、前記本体10の表面は前記靴の踵20の上面に取り付けられて、その靴底は後方部分に向かって高くなるような形状をなして形成される一方、前記本体10の底面と前記靴の踵20とを、地面と同時接触するように同じ高さに保つ。
【0025】
前記靴底の最も特筆すべき特徴は、前記本体10の底部と前記靴の踵20とが、その靴底の底部の垂直方向と水平方向との両方で上方または下方に部分的に傾斜していることである。
【0026】
図3は本発明の実施形態に係る靴底の底面図であり、図4は、図1のA−A線に沿った断面図であり、図5は、図1のB−B線に沿った断面図である。
【0027】
例示したように、本発明のこの実施形態は、平坦な地面と水平面を保つ、従来の靴の底部に係る本体10の底面と靴の踵20とになされた改善に関するものである。 より具体的には、前記本体10の底面は外側から内側に向かって徐々に低くなるように形成され(その靴底の厚さを減少させることによって)、前記靴の踵20の底面は内側から外側に向かって徐々に高くなるように形成される。
【0028】
これをさらに詳細に説明すると、前記靴の前方部分を含む前記本体10の底面は外側から始まり内側に向かう特定幅の平坦化部11を維持する。
【0029】
日常的な靴の本体10の底面は、通常、その前方部分から前記靴の踵20に向かって下方に湾曲した形状をなすが、その内側から外側に向かって前記平坦化底面を前記靴底の厚さと同じ高さに保つ。
【0030】
前記従来の靴と比較すると、本発明のこの実施形態に係る靴底の内側と外側間の本体10の底面は、その底面の外側から始まる特定幅の平坦化部11を特色とするものであって、前記靴底の高さを前記平坦化部11からその内部に向かって徐々に低くすることで、傾斜部12を前記平坦化部11よりも低く形成することを特色とする。 つまり、前記本体10の底面は、前記靴底の高さを低くすることによって、前記平坦化部11から前記靴の内側に向かって徐々に傾斜され、前記傾斜部12を形成する。
【0031】
一方、前記後方部分(靴の踵)20は、前記本体10と反対側に設けられて、前記踵を高く設けることによって、前記靴底の内側から始まり前記靴の踵の外側に向かって徐々に傾斜する特定幅の平坦化部21を形成し、かくして傾斜部22を形成する。
【0032】
前記本体10の底面に設けられた平坦化部11,21の幅と前記靴の踵20の幅は、前記靴底の片側から始まる両外面同士間の幅の約1/3である必要があり、前記平坦化部11,21と前記傾斜部12,22との間の最も好ましい高さの差は1〜7mmである。
【0033】
この実施形態では、前記傾斜部12,22の靴底が、前記靴底の厚さを前記本体10の底面の前方部分に向かって減少させることによって徐々に低くされることが好ましく、さらに、前記靴底の厚さが、図3の矢印方向によって示されているように前記靴の後方部分20に向かって前記靴底を増加させることによって徐々に高くされることが好ましい。
【0034】
この構造では、前記後方部分20の底面は前記本体10の最下底面に接合され、境界なしに形成することができる。
【0035】
図6は本発明の別の実施形態の構造を例示する斜視図であり、図7は、図6の側面図である。 本発明のこの実施形態では、前記本体100の底面から特定の高さだけ突き出る前記後方部分20は切り取られ、その前部から後部にかけて全て平坦だった前記靴底の底面は歩行用に改善される。
【0036】
本発明のこの実施形態では、前記本体100の表面は均一に展開され、前記前方部分110は前記靴底の特定の基準点からつま先に向かって定義され、前記後方部分120は基準点から前記靴の踵の先端に向かって定義される。 さらに、前記底部では、各部分の一部がその長さ方向で徐々に下方に湾曲される。
【0037】
前方部分110と後方部分120とに分割された部分を備えながら、なおも平坦化底面を有する靴は主に運動靴、サンダルなどである。
【0038】
図8は本発明の別の実施形態に係る靴底の底面図である。
【0039】
例示したように、前記前方部分110と前記後方部分120との間には、ある程度の境界があってもよいが、明確な境界があってはならず、この実施形態では、それらの部分は靴の長さに基づく特定の自由裁量の比率で定義される。
【0040】
前記前方部分110と前記後方部分120とを分割する境界線130は、図示されない仮想境界線である。
【0041】
この実施形態の特徴は、前記前方部分110と前記後方部分120との底面の傾斜部が対角線上に配置されて、前記靴底の高さを上下に調整することである。
【0042】
図9と図10は、図8のC−C線とD−D線に沿った断面図である。 例示したように、前記前方部分110と前記後方部分120とは、本発明の別の実施の形態で示したように前記境界線130によって分割され、この境界線130をその基準線として、前記前方部分110 の外側底面は特定幅の平坦化部111を有し、その底部における残りの他部は、前記傾斜部112を形成する内側に向かって徐々に低くなる。
【0043】
前記境界線130からその踵の先端までの前記後方部分120は内側から始まる特定幅の平坦化部121と、前記靴底を外方に向かって徐々に低くすることによって、前記平坦化部121から始まり外側に向かう傾斜部122と、を有する。 前記本体100の前方部分110と後方部分120間の境界線130による分割の理想的な比率は、65〜70%:30〜35%である必要がある。
【0044】
前記前方部分110と前記後方部分120との平坦化部111,121が各外面から全幅の1/3の幅を占め、さらに、前記平坦化部111,121と前記傾斜部112,122との間の高さの差が1〜7mmであることが理想的である。
【0045】
本発明のこの実施形態では、前記靴底の高さが前記前方部分110のつま先に向かって徐々に低くなり、前記踵の高さが前記靴の踵120の先端に向かって徐々に高くなることが好ましい。
【0046】
また、この実施形態では、図11に示すように、10〜20度の角度をなして地面から浮く後方部分120を形成することも好ましく、前記靴の踵20のついた皮靴の場合、図12に例示したように、それを前記本体10と一体で形成することができる。
【0047】
前記靴の踵20と前記後方部分120とが、10〜20度の角度をなして地面から浮くように形成される際、図11〜図13に示すように、前記本体10の底面と前記靴の踵20との取付部と、前記前方部分110と前記後方部分120との取付部を凹設することができ、窪み13,131を特定の深さに形成することができる。 特に、前記靴の踵20または前記後方部分120が特定の角度をなして地面から浮くように形成される際、それは、前記本体10の底面と前記後方部分110とに境界縁なしに滑らかな曲線状で接合される必要がある。
【0048】
ユーザーがこの実施形態に係る靴底のついた靴を着用して自然起立姿勢をとる場合、図14に示すように、前記靴は内側に向かって配向する。 さらに、前記靴が内側に向かって配向するのでその体重も内側に向かって寄るため、疲労も軽減される。
【0049】
つまり、起立時には体重が両足に分配されるが、各靴では体重が内側に向かって寄り、体重の分散を防止し、該靴の着用をより安全で快適なものとすることが可能である。 また、起立姿勢では、その両足は、体重が最も支えられる足踵から前記本体10または前方部分110ににかけて、極めてわずか内側に傾き、その両足を寄り付ける。
【0050】
ユーザーの両足は、上から見た場合に両足によって形成される角度と同様の角度で地面に触れ、かくして、両足が内側に向かって寄ると、両足にかかる重力のバランスは保たれ、各足にかかる圧力は減少する。
【0051】
図15は、本発明の実施形態に従って後方部分が地面から浮くようになっている靴底が適用された靴による歩行過程を例示する側面図であり、図16〜図19は、ユーザーが前記靴を着用して歩行する際の状態を例示する裏面図である。
【0052】
歩行時には起立時と異なり、前記靴の踵20の背部または前記後方部分120が最初に地面に触れる。 ユーザーの足が地面に触れるにつれて、その足が体重により圧迫される際、前記靴の踵20または後方部分120は自然に、靴底の比較的厚い外側から靴底の比較的薄い内側の順に地面に触れ、その両足を内側に向かって寄り付ける。
【0053】
ユーザーが前方向に移動するにつれて、前記靴によって支えられる体重が増加するので、前記靴の踵20または前記後方部分120が地面と密着する際、前記靴は、外股歩きとは対照的な、両足を平行に配置する足踏み歩行を誘導する。
【0054】
ユーザーの体重が前記靴の踵20または前記後方部分120に移ると、その足首は一直線に伸び、足首にかかる体重圧を劇的に緩和する。
【0055】
前記平坦化部と前記傾斜部とが同時に地面に触れると、図20に例示したように、それらの部間の境界は地面から特定の高さに少し浮いた状態になって空間Sを形成し、図21に示すように、その浮いた面は、体重が両足に移ると地面に触れる。 従って、ユーザーの体重が支えられるにつれて、その足への衝撃は、クッションのように作用する浮き空間によって、地面に触れる際に吸収して緩和することができ、また、足首への衝撃も吸収して緩和することができる。
【0056】
地面に接触する領域が前記靴の踵20または後方部分120からその前方部分に移るにつれて、ユーザーの体重圧は、前記靴の踵20の平坦化部21または前記後方部分120の平坦化部121から、前記本体10の平坦化部11または前記前方部分110の平坦化部111に自然に伝達され、ユーザーの体重をその両足に均一に分配する。
【0057】
ユーザーの身体の(体重)中心が、前記本体10の平坦化部11または前記前方部分110の平坦化部111に伝達されるにつれて、前記靴の前方に移動されるので、前記靴へのユーザーの体重圧は徐々に軽減される。
【0058】
よって、前記靴が地面から離れる直前に、前記本体10の前部内側または前記前方部分110の靴底の厚さが最小になっていることから、前記靴はさらに内側に向かってねじられる。
【0059】
歩行時に前記靴を内側に向かって寄り付けることによって、前記靴は屈曲性を実現し、足首への体重圧を最小限に抑える。
【0060】
体重圧が最小限に抑えられる場合、長時間にわたる歩行時でさえも足の疲労は軽減され、靴の滑りの防止効果を最大限に引き出すことができ、さらに、外股歩行と呼ばれる歩行時の変形姿勢を防止すると同時に矯正することもできる。
【0061】
特に、長期間にわたって正しい歩行を行うことによって脊椎骨の変形を防止できると同時に、その変形自体を矯正することができ、長距離歩行中の疲労を軽減し、さらに、直立歩行する人間の身体に最も理想的な歩行法である三拍子歩行を実現する。
【0062】
上述のように、前記靴底は、靴底の後方部分をその内側から外側に向かって高くし、靴底の前方部分をその外側から内側に向かって低くすることから、歩行時または起立時に両足、足首及び靴を正しく配向させることによって理想的な三拍子歩行を実現する。
【0063】
また、本発明では、ユーザーの身体の(体重)中心を前記靴の外側から前記靴の内側領域に自然に移動させ、その衝撃を吸収して緩和し、疲労を軽減し、外股歩行のような変形を招く歩行癖を防止、補正し、靴の滑りを防止する全靴領域に、その体重を分配する。 本発明は、足の解剖学的構造と歩行とに適することを目的とするエルゴノミックな靴底を提供することで、脊椎骨の変形を防止、補正する正しい歩行習慣を常に自然に維持するという極めて有用な効果を有する。
【符号の説明】
【0064】
10 本体
11 平坦化部
12 傾斜部
20 靴の踵
21 平坦化部
22 傾斜部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底であって、前記靴底が、その外側から特定幅の平坦化部11をもつ底面を有する本体10と、前記平坦化部11からその内側に向かって徐々に低くなる傾斜部12と、その内側から特定幅の平坦化部21をもつ底面を有する靴の踵20と、前記平坦化部21からその外側に向かって高くなる傾斜部21と、を具備することを特徴とする、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項2】
前記本体10の底面と前記靴の踵20とに設けられた平坦化部11,21が、その片側から前記靴底の1/3の幅で対角線上に配置され、さらに、前記傾斜部12,22が、その他側から前記靴底の幅の2/3の幅で対角線上に配置されることを特徴とする請求項1に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項3】
前記平坦化部11,21と、高低いずれかに設定された前記傾斜部11,21との高さの差が1〜7mmであることを特徴とする請求項1に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項4】
前記靴の踵20の底面と前記本体10との間に目立つ境界縁が存在しないことを特徴とする請求項1に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項5】
前記靴の踵20が10〜20度の角度をなして地面から浮くことを特徴とする請求項4に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項6】
特定のサイズと深さを有する窪み部が、前記本体10と前記靴の踵20との接合境界において前記靴底の各側面に形成されることを特徴とする請求項4に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項7】
前記平坦化部11,21と前記傾斜部12,22とが地面に触れる際に、地面から特定の高さで浮き空間Sが形成されることを特徴とする請求項1に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項8】
前方部分110と後方部分120との間に差異が設けられているとともに、前端部から後端部にかけて平坦面を有する、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底であって、前記前方部分110の底側が、外側から始まる特定幅の平坦化部111と、前記平坦化部111から始まり内側に向かってその靴底の厚さを前記平坦化部111よりも低くする傾斜部112とを有し、前記後方部分120の底側が、内側から始まる特定幅の平坦化部121と、その踵の高さをその外側に向かって高くする傾斜部122と、を有することを特徴とする、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項9】
前記前方部分110と前記後方部分120の比率が65〜67%:33〜35%であることを特徴とする請求項8に係る靴底。
【請求項10】
前記平坦化部111,121が、その片側から前記靴底の1/3の幅を有するように形成され、前記傾斜部121,222が、その他側から前記靴底の2/3の幅を有するように形成され、そのそれぞれが、その前方部分と後方部分に対角線上に配置されることを特徴とする請求項8または請求項9に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項11】
前記平坦化部111,121と、高低のいずれかに設定された前記傾斜部112,122との高さの差が1〜7mmであることを特徴とする請求項8または請求項9に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項12】
前記後方部分120が10〜20度の角度をなして地面から浮くことを特徴とする請求項8に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項13】
特定のサイズと深さを有する窪み部が、前記前方部分110と前記後方部分120との接合部において前記靴底の各側面に形成されることを特徴とする請求項4に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項14】
前記平坦化部111,121と前記傾斜部112,122とが地面に触れる際に、地面から特定の高さで浮き空間Sが形成されることを特徴とする請求項1に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項15】
足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底であって、前記靴が、その底側の外側が内側より厚くなっている後方靴底と、その底側の内側が外側よりも薄くなっている前方靴底と、を具備することを特徴とする、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項1】
足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底であって、前記靴底が、その外側から特定幅の平坦化部11をもつ底面を有する本体10と、前記平坦化部11からその内側に向かって徐々に低くなる傾斜部12と、その内側から特定幅の平坦化部21をもつ底面を有する靴の踵20と、前記平坦化部21からその外側に向かって高くなる傾斜部21と、を具備することを特徴とする、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項2】
前記本体10の底面と前記靴の踵20とに設けられた平坦化部11,21が、その片側から前記靴底の1/3の幅で対角線上に配置され、さらに、前記傾斜部12,22が、その他側から前記靴底の幅の2/3の幅で対角線上に配置されることを特徴とする請求項1に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項3】
前記平坦化部11,21と、高低いずれかに設定された前記傾斜部11,21との高さの差が1〜7mmであることを特徴とする請求項1に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項4】
前記靴の踵20の底面と前記本体10との間に目立つ境界縁が存在しないことを特徴とする請求項1に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項5】
前記靴の踵20が10〜20度の角度をなして地面から浮くことを特徴とする請求項4に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項6】
特定のサイズと深さを有する窪み部が、前記本体10と前記靴の踵20との接合境界において前記靴底の各側面に形成されることを特徴とする請求項4に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項7】
前記平坦化部11,21と前記傾斜部12,22とが地面に触れる際に、地面から特定の高さで浮き空間Sが形成されることを特徴とする請求項1に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項8】
前方部分110と後方部分120との間に差異が設けられているとともに、前端部から後端部にかけて平坦面を有する、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底であって、前記前方部分110の底側が、外側から始まる特定幅の平坦化部111と、前記平坦化部111から始まり内側に向かってその靴底の厚さを前記平坦化部111よりも低くする傾斜部112とを有し、前記後方部分120の底側が、内側から始まる特定幅の平坦化部121と、その踵の高さをその外側に向かって高くする傾斜部122と、を有することを特徴とする、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項9】
前記前方部分110と前記後方部分120の比率が65〜67%:33〜35%であることを特徴とする請求項8に係る靴底。
【請求項10】
前記平坦化部111,121が、その片側から前記靴底の1/3の幅を有するように形成され、前記傾斜部121,222が、その他側から前記靴底の2/3の幅を有するように形成され、そのそれぞれが、その前方部分と後方部分に対角線上に配置されることを特徴とする請求項8または請求項9に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項11】
前記平坦化部111,121と、高低のいずれかに設定された前記傾斜部112,122との高さの差が1〜7mmであることを特徴とする請求項8または請求項9に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項12】
前記後方部分120が10〜20度の角度をなして地面から浮くことを特徴とする請求項8に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項13】
特定のサイズと深さを有する窪み部が、前記前方部分110と前記後方部分120との接合部において前記靴底の各側面に形成されることを特徴とする請求項4に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項14】
前記平坦化部111,121と前記傾斜部112,122とが地面に触れる際に、地面から特定の高さで浮き空間Sが形成されることを特徴とする請求項1に係る、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【請求項15】
足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底であって、前記靴が、その底側の外側が内側より厚くなっている後方靴底と、その底側の内側が外側よりも薄くなっている前方靴底と、を具備することを特徴とする、足の解剖学的構造と歩行とに適するエルゴノミックな靴底。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2010−505456(P2010−505456A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517949(P2009−517949)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【国際出願番号】PCT/KR2007/001218
【国際公開番号】WO2008/004745
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(508377358)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【国際出願番号】PCT/KR2007/001218
【国際公開番号】WO2008/004745
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(508377358)
【Fターム(参考)】
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