説明

什器

【課題】お客と店員の意志疎通を容易にすることができる什器を提供する。
【解決手段】複数のタバコに対応したそれぞれの選択ボタン24を有する選択部22と、選択ボタン24に対応したタバコが収納されているコラム18のコラム番号が記憶された記憶部36と、コラム番号を表示する表示部30と、選択ボタン24が選択されたときに、対応するコラム番号を記憶部36から呼び出し、表示部30にコラム番号を表示する制御部34とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店内に設置される什器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店においては、レジ内部にタバコ等の什器を設置する場合がある。ところが、タバコの銘柄は多く、お客、店員共に該当するタバコを探すことが困難なことがある。その改善策として、タバコを収納する什器のコラムにそれぞれコラム番号を割り当て、このコラム番号をお客が店員に教えてタバコを購入する場合がある。ところが、この改善策であっても、お客には、レジ内部にあるタバコやコラム番号が見難く、あまりコラム番号による注文は行われていないのが現状である。また、この改善策であってもお客が口頭で注文するという作業は必要なため、煩わしさによる販売機会の減少や、店員による銘柄の聞き間違い等の発生の恐れもある。
【0003】
一方、特許文献1には、ショーケースの正面に、お客の操作により商品名、個数を入力する入力部を各商品の陳列位置に対応して設け、このショーケースの背面に入力した商品名、個数を表示する表示部を各商品の陳列位置に対応して設けたものが提案されている。この特許文献1のショーケースであると、お客が選択した商品、個数の確認を容易に行うことができ、店員の取引処理に係る作業性を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−242360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示されるショーケースの場合、タバコのような銘柄の多い商品であると、そのショーケースのサイズが大きくなるという問題点がある。
【0006】
また、タバコ等の什器は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店に設置されることが殆どであり、ショーケースのタイプであると設置し難いという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、お客と店員の意志疎通を容易にすることができる什器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の商品に対応した選択ボタンを有する選択手段と、前記各選択ボタンに対応した商品が収納されているコラムのコラム番号が記憶された記憶手段と、前記コラム番号を表示する表示手段と、前記選択ボタンが選択されたときに、前記選択ボタンに対応する前記コラム番号を前記記憶手段から呼び出し、前記表示手段に前記コラム番号を表示する制御手段と、を有することを特徴とする什器である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示手段にお客が選択したコラム番号を表示するため、店員はお客の意図を容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例を示す什器の斜視図である。
【図2】同じく什器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施例に係る什器10について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0012】
以下、本発明の実施例1に係る什器10について、図1と図2に基づいて説明する。
【0013】
(1)什器10の構成
本実施例の什器10の構成について図1に基づいて説明する。
【0014】
什器10は、販売するタバコが収納された収納容器16、お客が操作する選択部22、店員が操作する操作部28とを有している。本実施例の選択部22と操作部28は、図1に示すように、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店のレジに設置されるものであり、レジ内部にタバコの収納容器16が設置されている。なお、レジ台12の上面には、レジスター14が載置されている。
【0015】
収納容器16は、複数のコラム18に分割され、各コラム18には、前後方向に複数のタバコが収納されている。各コラム18の前面には、コラム番号を表示した番号表示部20が設けられ、図1においては、コラム番号1〜36までのコラム18が設けられている。
【0016】
選択部22は、レジ台12の上面にあるレジスター14と並んで設けられている。この選択部22の前面、すなわち、お客側にある操作面には、販売しているタバコの写真と銘柄名が記載された選択ボタン24が複数配列され、各選択ボタン24の下方には、売り切れランプ26が設けられている。
【0017】
操作部28は、選択部22の後方にあるレジ台12の上面に設けられている。この操作部28は売り切れ操作手段を構成し、デジタル式の表示部30と売り切れボタン32が設けられている。売り切れボタン32が操作されると、その売り切れ信号が制御部34に出力される。
【0018】
(2)什器10の電気的構成
什器10の電気的構成について、図2に基づいて説明する。
【0019】
操作部28内部には、什器10を制御する制御部34が内蔵されている。制御部34には、図2に示すように、選択部22、操作部28及び制御部34のデータを記憶する記憶部36が接続されている。
【0020】
記憶部36には、タバコの銘柄毎に設けられた選択ボタン24に対応するコラム番号が記憶されている。すなわち、このコラム番号に対応するコラム18には、選択ボタン24で特定されるタバコが収納されている。
【0021】
(3)什器の動作状態
お客がタバコを購入する場合について説明する。
【0022】
まず、お客は、レジ台12の前に立ち、購入を希望するタバコの銘柄の選択ボタン24を選んで操作する。
【0023】
次に、制御部34が、操作されたこの選択ボタン24に対応するコラム番号を記憶部36から呼び出し、表示部30にデジタル表示する。
【0024】
次に、店員は、表示部30にデジタル表示されたコラム番号を見て、収納容器16に表示されたコラム番号からコラム18を選び、そのコラム18からタバコを取り出し、お客に手渡す。
【0025】
これにより、店員は、お客の意思を確実に把握することができ、誤ったタバコの銘柄を渡すことがない。
【0026】
一方、店員がコラム18から最後のタバコを取り出し、在庫のタバコがない場合には、最後のタバコをお客に販売したときに、操作部28における売り切れボタン32を操作する。
【0027】
すると、制御部34は、直前に操作された選択ボタン24に対応する売り切れランプ26を点灯させる。つまり、制御部34においては、選択ボタン24が選択された後に売り切れボタン32の操作による売り切れ信号が入力したときは、その選択ボタン24にて選択された商品が売り切れであることを売り切れランプの点灯により表示する。なお、このときに売り切れランプ26を点灯させるだけでなく、制御部34は、その選択ボタン24の操作ができないようにしてもよい。
【0028】
これにより、次のお客が、その選択ボタン24におけるタバコが売り切れ状態であることが一目で把握できる。
【0029】
(4)効果
本実施例によれば、店員は操作部28の表示部30におけるコラム番号を見て、確実にお客が希望するタバコを販売できる。
【0030】
また、タバコが売り切れ状態になると、選択部22において売り切れ状態を表示することができるため、お客が誤って売り切れのタバコを指定することがない。
【0031】
また、例示した選択部22の前面に記載するタバコの写真を実物大とする必要がないため、実物大より小さいものとすれば、その分、タバコの銘柄が多くても、選択部22の大型化を防ぐことができる。そして、選択部22をレジ台12などの上に設置できるので、下部のタバコの銘柄を見るため、あるいは選択するためにお客が屈む必要もない。
【0032】
さらに、既存のレジを買い替えたり特別な改造をすることもなく、本発明を実施できる。
【実施例2】
【0033】
実施例2の什器10について説明する。
【0034】
実施例1では、選択ボタン24を操作すれば、誰でもタバコの購入の手続きを行うことができたが、タバコは未成年に販売することができない。そこで、本実施例では、制御部34に販売可能信号が入力したときに、選択部22の各選択ボタン24の操作を可能とするものである。
【0035】
例えば、販売可能信号を出力するものとして、操作部28に販売可能ボタンを設けておく。そして、店員が、お客を見て成人であるか否かを判断し、成人である場合には販売可能ボタンを操作して、お客がタバコの選択動作を行えるようにする。
【0036】
また、販売可能ボタンを設ける代わりに、タスポ(商標名)等のICカードや免許証等(以下、「販売許可証」と称する。)を読み取る読み取り部を設け、お客に販売許可証の提示を求めてこの読み取り装置で読み取り、お客が成人であることが確認された場合にのみ、お客がタバコの選択動作を行えるようにしてもよい。
【変更例】
【0037】
本発明は上記各実施形態に限らず、その主旨を逸脱しない限り種々に変更することができる。
【0038】
上記各実施例では、選択部22に物理的な複数の選択ボタン24を設けたが、これに代えて操作面をタッチパネル式のディスプレイ装置で構成して、この選択ボタン24をタッチ式スイッチにしてもよい。この場合に、選択部22はディスプレイ装置だけであるため、レジ台における選択部22のサイズをより小さくすることができ、レジ前の場所を大きく取ることがなく、また、ディスプレイ装置に商品の広告表示も行える。
【0039】
上記実施例では、選択部22には選択ボタン24を単に設けただけであるが、これに加えて、選択部22に購入個数を示すボタンを設け、表示部30にコラム番号と共に購入個数を表示してもよい。
【0040】
上記実施例では、選択部22と操作部28を別体に設けたが、これに代えて、選択部22の裏面に操作部28を設けてもよい。また、無線通信によるコードレス化で、選択部22と操作部28を接続してもよい。
【0041】
上記実施例では、タバコの什器10で説明したが、これに代えて、ソフトクリーム等の氷菓子や、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの店内で調理する店内調理品等、お客が商品を手に直接取れない商品の販売や、調理場スタッフへの注文内容連絡手段にも適用することができる。
【0042】
上記実施例では、什器10とレジスター14とは連結していなかったが、これに代えて、商品の種別や代金をレジスター14へ入力し、また、店内調理品の引換券の発券等を行うといったレジスター14との連動機能を付加してもよい。
【0043】
上記実施例では、選択部22をお客側に設けて、お客に選択ボタン24を操作させたが、これに代えて、選択部22を店員側にも設けたり、選択部22を店員側に回転できるようにすることにより、お客が口頭にて注文したタバコの銘柄を店員が選択部22で操作して、販売を行ってもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 什器
16 収納容器
18 コラム
20 番号表示部
22 選択部
24 選択ボタン
26 売り切れランプ
28 操作部
30 表示部
32 売り切れボタン
34 制御部
36 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品に対応した選択ボタンを有する選択手段と、
前記各選択ボタンに対応した商品が収納されているコラムのコラム番号が記憶された記憶手段と、
前記コラム番号を表示する表示手段と、
前記選択ボタンが選択されたときに、前記選択ボタンに対応する前記コラム番号を前記記憶手段から呼び出し、前記表示手段に前記コラム番号を表示する制御手段と、
を有することを特徴とする什器。
【請求項2】
前記商品が売り切れ状態であることを示す売り切れボタンを有し、前記売り切れボタンが操作されたときに、売り切れ信号を出力する売り切れ操作手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記選択ボタンが選択された後に、前記売り切れ信号が入力したときは、前記選択ボタンにて選択された前記商品が売り切れであることを、前記選択手段に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の什器。
【請求項3】
前記商品が販売可能なときに操作される販売可能ボタン、又は、前記商品の購入が可能なことを示す販売許可証を読み込む読み込み手段を有し、前記販売可能ボタンが操作されたとき、又は、前記読み込み手段が前記販売許可証の前記データを読み込んだときに、販売可能信号を出力する販売可能操作手段を有し、
前記制御手段は、前記販売可能信号が入力したときに、前記選択手段の前記各選択ボタンの操作を可能にする、
ことを特徴とする請求項1に記載の什器。
【請求項4】
前記商品が、タバコ、氷菓子、又は、店内調理品である、
ことを特徴とする請求項1に記載の什器。

【図1】
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【図2】
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