説明

介護医療用照射装置付き歯ブラシ

【課題】
要介護状態及び身体四肢等の不自由者等が、口腔介護を第三者に委ねる時、清掃介護中、出力光をもって口腔内にその光を導き、口腔内の暗部を照射しながら目視可能状態で口腔内清掃を行えると同時に新患部発見の出来る、一体型照射装置付き歯ブラシを提供する。
【解決手段】
本発明の当該介護医療用照射装置付き歯ブラシは、電池、電源スイッチ、発光ダイオード、光伝導パイプ等を内蔵し、外部清掃ブラシを伴った歯ブラシ本体を一体型に構成し、電源スイッチの作動時の状態によって、発光ダイオードを光源とした光を、光伝導パイプを媒介し、先端部分の清掃ブラシの下部に導き、光伝導パイプ先端部において乱反射させ、透明もしくは発光透過色の先端部分の外部清掃ブラシを透過させ、その光によって、口腔内を目視可能状態にし、さらに発光ダイオードの発する波長を可変することによって、口腔内清掃時に口腔内の新患部を早期に発見できる特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔内衛生処置等の行為において、暗部を照射しながら清掃のできる一体型歯ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、通常の歯ブラシは長年にわたって手動で使われていたのが主流であったが、その後電動による歯ブラシの出現などもあった。
当該本発明の介護医療用照射装置付き歯ブラシのように、光の照射を利用しての歯ブラシには、その光の利用目的によって異なっている。
そこで、この背景技術には、当該本発明による目的とは異なって、レーザー光によるう蝕の原性細菌の死滅を目的にするとか、更には光触媒を利用しての清掃のため、大光量を歯ブラシの先端から発するため、その歯ブラシの先端に光源を配置するなど、種々研究がおこなわれていることは、下記の特許文献1〜2で明らかである。
【0003】
特許文献1の光歯ブラシ装置の請求項によると、主たる目的はレーザー光によるう蝕の原性細菌の死滅と予防に使われることにあって、そのための構造は、出射から照射までの電源・駆動回路・レーザー発光素子、そしてレーザー発光のためのタッチセンサーといった部材を使用することによって駆動させている。
【0004】
又、特許文献2の照明付き歯ブラシ他2の名称による請求項によると、光触媒の利用に関し発光ダイオードの光の活用で、歯ブラシ先端部のブラシ部分に、その発光ダイオードを取り付けた構造になっている。
【0005】
いずれの特許文献1〜2において、光をもって歯ブラシに用い、レーザー光を利用しての歯の清掃および光触媒の原理による清掃であり、それぞれの特徴を生かした歯の清掃に関するものである。
【0006】
そこで、当該本発明の介護医療用照射装置付き歯ブラシと特許文献1〜2を比較すると、レーザー光を用いる場合も、光触媒の利用による場合も光の利用目的が相違している点にあるが、背景技術として参考になり特筆すべき技術である。
【0007】
高齢化が進み、介護を必要とする身体に障害のある人及び老人等の要介護者が増加している点から、第三者によって口腔衛生介護を受けなければならい人達も大変増え、その時点でケアする立場から見る口腔内は意外と暗く、暗部を含み隅々にわたって清掃することに不自由さを感じ、特に口内炎患者の場合、患部に接触してしまう恐れがあって、従来の歯ブラシでは、目視確認に欠点があった。
そのため、ペンライトを併用することで補っている場合もある。
【0008】
そのような不便さや欠点の改善策として、本発明の当該介護用照射装置付き歯ブラシのように、光伝導パイプによって歯ブラシの先端部を発光させ、口腔内の暗部や歯茎の裏側等に照射させ清掃できる構造によって補えば解決でき、最善の方法として提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許番号第2615505号
【特許文献2】特願2004-350834
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決する問題点は、口腔内清掃時に、口内炎患者等の場合、患部の位置を目視確認できない点が大きな課題である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、歯ブラシ本体.に電池、電源スイッチ、発光ダイオード、光伝導パイプを内蔵することによって一体型に構成し、電源スイッチの作動時の状態によって、発光ダイオードの光源からの光を、歯ブラシ本体に内蔵した光伝導パイプを媒介し、先端部分に導き、その先端部で受光し、透明もしくは発光透過色の清掃ブラシ部分で乱反射させ、その光で口腔内を目視可能状態にする。
【0012】
さらに当該介護医療用照射装置付き歯ブラシは、発光ダイオードの発する波長を変化させることによって、日常の口腔内清掃時に、口腔内を照射出来るので、新たな患部を早期に発見が可能であることを、最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の、当該介護医療用照射装置付き歯ブラシは、照射位置を、直接あるいは近傍で常に観測確認できるので、口内炎患者等に、口腔内介護を行う場合にも患部に接触せず、清掃行為が行える特徴とした効果を有し、構造上歯ブラシ先端に光源や電源等を患者漏電流を避けるため配置せず安全とし、さらに発光ダイオードの波長を変えることにより、清掃行為と併用し、口内医療分野での口内患部を早期発見に導く最大の効果があるとともに、一体型であることによって、安価での提供ができる利点をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、介護医療用照射装置付き歯ブラシの実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0015】
要介護者に対する口腔内清掃を実施する場合、種々様々な口内状態があって、その清掃時に口腔内の患部を見極め、接触を防ぐ最良の形態は、光の明るさを利用しての目視である。その時点で清掃歯ブラシの先端部分よりの光の照射があれば望ましいが、先端部に光源を配置せず、光伝導パイプを媒介しそれによっての透過光を乱反射させる方法を用いることで充分に補える。
したがって、一体型とした当該介護医療用照射装置付き歯ブラシは不便さを解消し作業の実施を容易に行える形態として実現した。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明装置の一実施例を図示したものである。
実施例として、電源スイッチ(3)は、本体内部よりの突起部を交互に押すことによって制御できるものとし、オルタネートスイッチ又はスライド式スイッチ等スイッチングの可能なものであれば可とし、作動する。
【0017】
電源となる内蔵電池(2)は、長時間使用に耐えられ、本体に埋設式又は、交換式電池とする。
【0018】
光源となる発光ダイオード(4)は、歯ブラシ本体先端部の配置は避け、光伝導パイプ(5)を先端部と発光ダイオード(4)との媒介に使用し光源からの光を歯ブラシ本体先端部に導く。
【0019】
光伝導パイプ(5)によって導かれた発光ダイオード(4)からの射光は、光伝導パイプ先端部(7)で屈折乱反射し、遮光されない透明もしくは透過色である外部清掃ブラシ(6)を透過し照射する。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の、当該介護医療用照射装置付き歯ブラシを介護提供時に使用することは、口内炎患者の患部に接触を防ぐのみならず、光源の波長を変えることによって、口内医療の分野における新患部の早期発見や進度の測定等、利用頻度が増大する可能性がある。
【符号の説明】
【0021】
1 歯ブラシ本体
2 内蔵電池
3 電源スイッチ
4 発光ダイオード
5 光伝導パイプ
6 外部清掃ブラシ
7 光伝導パイプ先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明の、当該介護医療用照射装置付き歯ブラシは、内蔵電池(2)、電源スイッチ(3)、発光ダイオード(4)、光伝導パイプ(5)、等を内蔵し、外部清掃ブラシ(6)を伴った歯ブラシ本体(1)を一体型に構成し、電源スイッチ(3)の作動時の状態によって、発光ダイオード(4)を光源とした光を、光伝導パイプ(5)を介し、先端部分の外部清掃ブラシ(6)の下部に導き、光伝導パイプ先端部(7)において乱反射させ、その光によって口腔内を目視可能状態にし、さらに発光ダイオード(4)の発する波長を可変することによって、口腔内清掃時に口腔内の新患部を早期に発見できる特徴を有する、介護医療用照射装置付き歯ブラシ。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2010−172432(P2010−172432A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17267(P2009−17267)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(509029195)
【出願人】(597098785)
【Fターム(参考)】