説明

介護用洗浄装置

【課題】老人や病人などの被介護者に適切に使用することができ、小型化を図ることができ、介護者にとっても使いやすい介護用洗浄装置を提供する。
【解決手段】口腔内を洗浄するための洗浄水の供給機構16、18と、該供給機構から供給された洗浄水を口腔内に吐出して口腔内を洗浄する洗浄操作部30と、口腔内を洗浄した後の洗浄水を回収する回収機構40、50とを備えた介護用洗浄装置において、前記洗浄操作部30が、前記供給機構に接続された送水管32と、該送水管による洗浄水の送水・止水を切り替える切り替え機構34と、該切り替え機構を操作して口腔内を洗浄する洗浄部38とを備え、前記切り替え機構34が、前記洗浄部38を把持しつつ操作可能に設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、老人や病人の介護時に、歯磨きあるいは口腔内の洗浄等を行うための介護用洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
老人あるいは病人を介護する際に、老人や病人が寝たままで自力で口濯ぎができない場合には、介護者が被介護者の口腔内をきれいにする介護を行わなければならない。口濯ぎができないと、口の中に食事の食べ残しが残り、口臭がきつくなったり、場合によっては、口腔内で細菌が発生し気管支に細菌が入り込んで誤嚥性肺炎などの病気を惹き起こす原因になったりするからである。
【0003】
本出願人は、先に、老人や病人が寝たままでも簡単に口腔内を洗浄できるようにした介護用洗浄装置について提案した(特許文献1参照)。この介護用洗浄装置は、モータの駆動軸に給水ポンプと排水ポンプを連結し、洗浄水を貯溜した貯溜タンクからの洗浄水を給水ポンプから送水管に供給し、送水管に接続した歯ブラシから洗浄水を口腔内に吐出させるとともに、排水ポンプに接続した吸水管によって口腔内にたまった洗浄水を吸引して外部に排出するように構成したものである。
【特許文献1】特開2004−41687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記介護用洗浄装置は、歯ブラシから洗浄水が吐出されるように形成されているから、歯ブラシで口腔内をブラッシングすることで、歯につまった食べかすを取り除くことができ、口腔内にたまった洗浄水を食べかすとともに吸水管で排出することによって、被介護者が自力で口濯ぎができない場合でも、寝たままで口腔内を洗浄することができる。
しかしながら、従来の介護用洗浄装置で使用している歯ブラシは、老人あるいは病人などでは歯茎が弱っていることが多く、口腔内をブラッシングした際に痛みを感じて、使用を嫌がるという問題があった。また、介護者は軽く歯ブラシを当てているつもりでも、歯ブラシを強く当て過ぎてしまうという問題があった。
【0005】
また、従来の介護用洗浄装置では、歯ブラシから吐出させる洗浄水の通水の制御を送水管に取り付けたレバーを回動して行っているから、歯ブラシからの通水をON-OFFする操作を片手で行うことができず、歯ブラシを口腔内からいったん取り出し、レバーを回して通水量を調節して、再度口腔内に歯ブラシを差し入れて洗浄するといった操作を行っている。このため、歯ブラシによる洗浄操作が非効率であるという問題があった。
【0006】
また、老人や病人が寝たままで、口腔内を洗浄する際には、口腔内にたまった水を確実に排出させるようにしないと、誤飲が生じたり、むせたりするという問題が生じる。このため、吸水管はある程度以上の太さが必要であり、排水ポンプも相当の排水能力が求められる。しかしながら、従来の介護用洗浄装置は、簡単に持ち運びできるようにコンパクトに形成しているから、排水ポンプの能力が必ずしも十分とはいえないという問題と、大きな排水能力を有する排水ポンプを搭載したとすると、装置が大型になり、重量が重くなって取り扱いにくくなるという問題が生じる。
【0007】
本発明は、これらの課題を解決すべくなされたものであり、歯茎が弱っている老人や病人などの被介護者に対して適切に使用することができ、装置の小型化が図れて、取り扱いやすく、介護者にとっても使いやすい、安全な介護用洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、口腔内を洗浄するための洗浄水の供給機構と、該供給機構から供給された洗浄水を口腔内に吐出して口腔内を洗浄する洗浄操作部と、口腔内を洗浄した後の洗浄水を回収する回収機構とを備えた介護用洗浄装置において、前記洗浄操作部が、前記供給機構に接続された送水管と、該送水管による洗浄水の送水・止水を切り替える切り替え機構と、該切り替え機構を操作して口腔内を洗浄する洗浄部とを備え、前記切り替え機構が、前記洗浄部を把持しつつ操作可能に設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、前記切り替え機構が、シリンダと、該シリンダに内挿されたピストンと、該ピストンを前記シリンダに対して外方へ突出する向きに付勢する付勢手段とを備え、前記シリンダとピストンとに、軸線方向と交差する方向に貫通し、屈曲可能に形成された送水管が挿通される貫通孔が設けられていることにより、送水・止水を制御する切り替え機構を小型化することができ、手の中に切り替え機構を納めて、前記ピストンを指で操作することによって簡単に送水・止水を制御することができる。
なお、前記シリンダとピストンとに設ける貫通孔は、通常はシリンダとピストンの軸線方向に直交する向きに設けるが、少なくとも軸線方向に交差する配置であればよい。
また、前記シリンダは、一端が開口する有底の筒状に形成され、該シリンダの底面と前記ピストンの端面との間に前記付勢手段が装着され、前記ピストンは、常時は、前記付勢手段により前記送水管が屈曲して止水状態となる突出側位置に位置していることを特徴とする。この構成によれば、常時は止水状態になり、ピストンを押し込むことによって送水管の屈曲状態が解消され送水状態になる。
【0010】
また、前記洗浄部が、前記切り替え機構を把持した状態で手指に装着される指サック部と、該指サック部の外側面に設けられたブラシ部とを備えたブラシ付き指サックとして形成され、前記ブラシ部に開口する吐出口に、前記切り替え機構に連通する送水管が、前記指サック部内を通過して接続されていることを特徴とする。この構成によれば、指サック部内に挿入された送水管からブラシ部の吐出口に洗浄水が供給され、ブラシ部から洗浄水を吐出させながら口腔内の洗浄を行うことができる。ブラシ部に設ける吐出口は、単数、複数のいずれも選択可能である。
また、前記ブラシ付き指サックは、前記切り替え機構から延出する送水管に着脱可能に設けられていることにより、介護者にあったブラシ付き指サックを選んで使用することができる。
【0011】
また、前記洗浄部が、本体にブラシが脱着可能に設けられ、前記ブラシが前記供給機構に連通して設けられた電動歯ブラシとして形成され、前記ブラシには、ブラシ本体内を通過してブラシ本体のブラシ部が設けられた面で開口する連通孔が穴が設けられるとともに、前記送水管が前記切り替え機構を介して前記連通孔に連通して設けられ、前記切り替え機構が前記本体の側面位置に配されていることを特徴とする。
また、前記供給機構と前記切り替え機構との間に、送水管を接離するジョイント部が設けられていることにより、複数人の被介護者を介護するような場合に、各別に専用のブラシを使用し、電動歯ブラシの本体を共用して利用することが可能となる。
【0012】
また、前記供給機構は、前記送水管に送水する送水ポンプと、送水ポンプに着脱可能に装着される洗浄水タンクとを備え、前記送水ポンプがバッテリーにより駆動可能に設けられていることにより、所要位置へ介護用洗浄装置を移動して使用することが可能になる。また、前記回収機構は、口腔内に挿入して使用する操作管と、該操作管に接続される吸水管と、該吸水管が接続される回収タンクとを備え、該回収タンクは、電気掃除機の吸引機構が取り付け可能に設けられていることを特徴とする。吸引機構として電気掃除機の吸引機構を利用することにより、介護用洗浄装置の小型化を図ることが可能になるとともに、洗浄水の吸引能力を向上させることが可能となり、より取り扱いやすい介護用洗浄装置として提供することが可能になる。
【0013】
また、前記洗浄操作部に設けられた洗浄部が、エア配管によりエアポンプに接続して設けられ、前記洗浄部から洗浄水を吐出して洗浄する操作と、前記洗浄部からエアを吐出して洗浄する操作が可能に設けられていること、また、前記洗浄操作部として、前記洗浄水による洗浄操作をなす洗浄部を備えた洗浄操作部に加えて、エア配管によりエアポンプに接続される洗浄部を備え、洗浄部からエアを吐出して口腔内を洗浄する洗浄操作部を備えていることにより、洗浄水による口腔内の洗浄操作に加えて、エアにより異物を排除して口腔内をきれいにすることができ、より使い勝手のよい介護用洗浄装置として提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る介護用洗浄装置は、口腔内に洗浄水を吐出させて口腔内を洗浄する洗浄操作部として、洗浄水の送水・止水を切り替える切り替え機構と洗浄部を備え、切り替え機構は、洗浄部を操作する片手で同時に止水・送水を制御することができるから、きわめて簡単にかつ的確に口腔内の洗浄操作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る介護用洗浄装置の好適な実施の形態について、添付図面とともに詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係る介護用洗浄装置の第1の実施の形態の全体構成を示す説明図である。本実施形態の介護用洗浄装置は、前面が開口する箱体に形成された収納ボックス10に、口腔内を洗浄するための洗浄水の供給機構、口腔内を洗浄した後の洗浄水を吸引して排出する回収機構を収納して形成されている。なお、収納ボックス10の前面の開口部には透明な開閉蓋11が設けられ、収納ボックス10の上部外面には把手12が取り付けられている。
収納ボックス10は仕切り板14によって上下2段に仕切られ、収納ボックス10の下段に、洗浄水タンク16と、口腔内から吸引した水を溜める回収タンク40が配置され、上段に、洗浄水タンク16の給水栓17と、回収タンク40の排水栓41と、送水ポンプ18とが配置されている。
【0016】
洗浄水の供給機構は、洗浄水を貯溜する洗浄水タンク16と、洗浄水タンク16に貯溜されている洗浄水を口腔側へ送水する送水ポンプ18と、送水ポンプ18から送出される洗浄水を被介護者の口腔内へ導く洗浄操作部30とを備える。洗浄水タンク16の開口部には給水栓17が着脱自在に装着され、給水栓17から洗浄水タンク16に給水用のチューブが挿入され、給水栓17と送水ポンプ18とが給水用のチューブによって連通する。
【0017】
送水ポンプ18として、本実施形態では小型のダイヤフラムポンプを使用している。このダイヤフラムポンプは、電池あるいは商用電源を利用して駆動することができるもので、本実施形態ではアダプター20を使用して定格電圧で駆動するように構成している。電池あるいはバッテリーパックを用いてダイヤフラムポンプを駆動する構成とした場合は装置の持ち運びが簡単にできる点で有効である。21は送水ポンプ18が駆動されていることを表示するLEDランプである。
【0018】
洗浄操作部30は、送水ポンプ18の洗浄水の送出口に接続された可撓性を有するプラスチックチューブからなる送水管32と、送水管32に装着された送水・止水の切り替え機構34と、切り替え機構34に接続された洗浄部としてのブラシ付き指サック38とを備える。ブラシ付き指サック38は、指サック部38aと、指サック部38aの先端側の外側面に設けられたブラシ部38bからなる。ブラシ部38bは、シリコーンゴム等の軟らかい素材によって形成されている。
【0019】
回収機構は、回収タンク40と、回収タンク40に接続された吸水管42と、吸水管42の先端に取り付けられた操作管44を備える。吸水管42は送水管32と同様に可撓性を有するプラスチックチューブによって形成されている。操作管44は口腔内に溜まっている洗浄水を、食べかす等とともに吸引して排出するためのもので、金属管あるいはプラスチック管によって形成される。操作管44はたとえばジョイント部を介して吸水管42に着脱自在に装着される。
【0020】
吸水管42は口腔内に溜まっている洗浄水を短時間で排出できるように送水管32よりも太径のものが用いられる。吸水管42はエアシールした状態で回収タンク40に接続される。
本実施形態の洗浄水の回収機構では、回収タンク40を真空吸引する真空吸引機構として、家庭で使用している電気掃除機の吸引機構を利用する。回収タンク40には、電気掃除機の吸引機構50に接続される接続管46が排水栓41を介して接続される。排水栓41は回収タンク40の開口部に脱着自在に装着される。排水栓41には、吸引機構50側に水が吸引されないようにするフィルターが内蔵されている。
接続管46の吸引機構50側の端部には、吸引機構50のパイプ径のばらつきに対応できるように、先端が徐々に細径になるテーパ状の筒形に形成された接続部46aが設けられている。
なお、吸引機構として電気掃除機のかわりに専用の吸引装置を付設することも可能である。
【0021】
図2は、送水・止水の切り替え機構34とブラシ付き指サック38の斜視図を示す。送水・止水の切り替え機構34は、一端が開口する有底のシリンダ60にピストン62を装着し、シリンダ60とピストン62を軸線方向に対して直交する向きに貫通する貫通孔60a、62aに送水管32を挿通(連通)することによって形成される。シリンダ60に挿入されているピストン62の端面とシリンダ60の内底面との間には、ピストン62をシリンダ60から外方に向けて突出させる向きに付勢する付勢手段としてのコイルスプリング64が装着される。
【0022】
図3に、切り替え機構34の内部構成を示す。図3(a)に示すように、シリンダ60およびピストン62に設けられている貫通孔60a、62aは、コイルスプリング64の弾発力によりピストン62が突出側位置に移動した状態で、軸線方向での孔位置が相違するように設けられている。この場合に、切り替え機構34を通過して装着されている送水管32は、シリンダ60の一方の貫通孔60a、ピストン62の貫通孔62a、シリンダ60の他方の貫通孔60aを通過することで屈曲した状態となる。
【0023】
切り替え機構34への送水管32の送入側には、シリンダ60の外側面に沿って送水管32を支持するためのガイド筒66が設けられている。送水管32はガイド筒66からシリンダ60の貫通孔60aに送入してセットされる。
シリンダ60からブラシ付き指サック38へ向けて延出する送水管32の端部と、ブラシ付き指サック38に装着されている送水管32の端部には、送水管32を着脱自在に接続するジョイント部32aが設けられている。ジョイント部32aはブラシ付き指サック38側の送水管32を、切り替え機構34側の送水管32に差し込むことにより、水密にシールして、抜け止めした状態で接続されるよう構成される。
【0024】
図2に示すように、ブラシ付き指サック38には、指サック部38aの開口部から指サック部38aの内側面に沿って送水管32が送入され、送水管32の先端は、指サック部38aの側面に設けられたブラシ部38bの略中央に指サック部38aを貫通して設けられた吐出口に接続する。すなわち、送水管32から供給される洗浄水は、指サック部38aに装着された送水管32を経由して、指サック部38aの側面のブラシ部38bから吐出する。
【0025】
(介護用洗浄装置の使用方法)
続いて、上述した介護用洗浄装置の使用方法について説明する。
まず、収納ボックス10に配置されている各部を点検し必要な準備を行う。洗浄水タンク16には清水の洗浄水を入れ替え、回収タンク40を空にし、回収タンク40の接続管46には電気掃除機の吸引機構50を接続する。洗浄操作を行う操作側については、ブラシ付き指サック38と操作管44をあらかじめ洗浄して用意しておく。ブラシ付き指サック38と操作管44とは送水管32と吸水管42に着脱可能に設けられているから、ブラシ付き指サック38と操作管44とを取り外して洗浄することは容易である。
【0026】
次に、ブラシ付き指サック38を切り替え機構34の洗浄水の送出側の送水管32に接続し、指先にブラシ付き指サック38を装着する。図4に、ブラシ付き指サック38を指に装着した状態を示す。ブラシ付き指サック38は人差し指の指先にブラシ部38bが手のひらの側に向くように装着する。指サック部38aの内側には送水管32が取り付けられているが、送水管32は弾力性があるから、指サック部38aにそのまま指を指し込むようにして装着する。
【0027】
本実施形態の介護用洗浄装置において、ブラシ付き指サック38を切り替え機構34に着脱できるようにしているのは、介護者に合った大きさのブラシ付き指サック38を使用して介護作業ができるようにするためである。ブラシ付き指サック38を交換可能としておけば、介護洗浄装置の本体については共用し、ブラシ付き指サック38を付け替えるだけで、、自分に合ったブラシ付き指サック38を使用して介護作業を行うことができる。 なお、ブラシ付き指サック38を交換する方法として、第2実施形態におけるように、切り替え機構34よりも装置本体側にジョイント部を設けて、切り替え機構34とともにブラシ付き指サック38を交換することも可能である。この場合は、使用者に合わせてブラシ付き指サック38を交換することができ、切り替え機構34も使用者に使いやすい配置として用意することができる。
【0028】
送水・止水の切り替え機構34については、図4に示すように、ブラシ付き指サック38を指先に装着しながら、手のひらの中に包み込むようにして握る。本実施形態においては、シリンダ60にピストン62を装着し、ピストン62を親指によって押動する構成としたことにより、切り替え機構34を手のひらの中におさめた状態で親指がピストン62のフランジ部62bにちょうど当接するようにすることができる。シリンダ60の径を握りやすい太さにしておくことにより、切り替え機構34を手の中におさめて握るときにちょうど使いやすい位置に調節することができ、介護者の手の大きさが違っても切り替え機構34を共用することが可能である。
【0029】
送水・止水の切り替え機構34は、コイルスプリング64の作用によって、常時はピストン62が突出側位置(止水側位置)にある。手のひらで切り替え機構34を握った状態で、親指がピストン62のフランジ部62bに当接する位置にあるから、親指でピストン62を押さない状態では、ピストン62は常時、止水位置にある。
【0030】
ピストン62を押動操作することによる送水・止水操作は、図3(a)、(b)に示すように、切り替え機構34に装着されている送水管32が、屈曲位置(図3(a))と直線位置(図3(b))に切り替え操作されることによってなされる。
図3(a)は、コイルスプリング64の弾発力によりピストン62が突出側位置に押し出され、送水管32が屈曲して止水される状態を示す。送水管32はシリンダ60の内側面とピストン62の外側面との間で挟まれて、屈曲しつつ挟圧され、扁平に押しつぶされて止水される。シリンダ60の貫通孔60aとピストン62の貫通孔62aの対向する縁部を面取りして、送水管32に挟圧力が効果的に作用するようにしてもよい。この止水作用は、コイルスプリング64の弾発力によってなされるから、コイルスプリング64はシリンダ60とピストン62との間で送水管32を押しつぶして止水するに十分な弾発力を有している必要がある。
【0031】
図3(b)は、コイルスプリング64の弾発力に抗してピストン62を押し込み位置まで押動した状態で、送水状態を示す。ピストン62を押し込み位置まで押し下げることにより、シリンダ60とピストン62の貫通孔60a、62aが一直線状に連通する配置となり、送水管32内を洗浄水が通流できる状態(送水状態)になる。
また、ピストン62を押動する操作を停止すると、コイルスプリング64の作用によってピストン62が突出側位置に移動し、送水管32による送水が停止される。こうして、ピストン62を押動する操作に連動して、送水管32からの送水と止水とを切り替えて操作することができる。
【0032】
本実施形態では送水管32として外径4mm、内径2mmのシリコンチューブを使用している。シリコンチューブは柔軟性および弾力性を備えているから、図3(a)に示すように、屈曲させて押しつぶすようにすることで容易に止水することができ、図3(b)に示すように、貫通孔60a、62aを直線的に配置した場合は容易に直線配置になり、通水状態にすることができる。なお、本実施形態で使用しているシリコンチューブの場合は、送水管32を屈曲させて押しつぶし、押しつぶし部の厚さが1.9mmとなった状態で完全に止水する。
【0033】
被介護者の口腔内を洗浄操作する実際の操作としては、送水ポンプ18と吸引機構50を作動させた状態で、被介護者の口腔内にブラシ付き指サック38を差し込み、ピストン62を親指で押して随時、口腔内に洗浄水を吐出させながら、ブラシ部38bで歯、歯茎等をブラッシングして口腔内を洗浄する。切り替え機構34は、ピストン62を親指で押すだけで洗浄水を吐出させることができるから、ブラシ付き指サック38によるブラッシング操作を行いながら、適宜、洗浄水を吐出させて洗浄操作を行う。
【0034】
切り替え機構34による送水は、親指でピストン62を押している間だけなされるから、洗浄水が無駄に送出されることがない。また、親指によってピストン62を押す操作は、ブラシ付き指サック38によるブラッシング、洗浄操作をしながら行えるから、従来のように、そのつどレバーを回動させるといった必要がなく、洗浄水の送水・止水操作がきわめて簡単に行える。また、親指によってピストン62を押す操作を加減することによって、洗浄水の吐出量を制御することも可能である。
【0035】
また、ブラシ付き指サック38を用いて口腔内を洗浄する場合は、指先の感覚で歯や歯茎を押圧する力を感じることができるから、被介護者に合わせてやさしくブラッシングしたり、汚れが取りにくい個所についてはブラシ部38bでこするようにして的確な洗浄操作を行うことが可能になる。
また、ブラシ付き指サック38を使用することで、衛生的に操作することが可能であり、被介護者が口を閉じてしまったような場合でも、指サック部38aによって介護者の指先が保護できるという利点がある。なお、介護者によって手指が噛まれないように、防護用の器具を被介護者の口部に装着して洗浄操作を行ってもよい。
【0036】
洗浄水を無駄なく吐出させて洗浄操作が行えることは、口腔内に洗浄水がたまって、被介護者が、誤飲したり、むせたりすることを防止する上でも有効である。
本実施形態の介護用洗浄装置では、操作管44を口腔内に挿入して口腔内にたまった洗浄水を排出して洗浄操作を行うが、吸引機構50の吸引能力が大きいことから洗浄水を短時間で排出させることができる。また、切り替え機構34はブラシ付き指サック38を装着した片手で操作できるから、他方の手で操作管44を制御して口腔内にたまった洗浄水を排出する操作を行うことも容易に可能となる。
【0037】
以上のように、本実施形態の介護用洗浄装置の場合は、切り替え機構34を用いることで口腔内に無駄に洗浄水を吐出させないようにすること、排出能力の大きな吸引機構50を利用することによって、被介護者の口腔内にできるだけ洗浄水が残らないようにして洗浄操作を行うことが可能となり、被介護者が誤飲したり、むせたりすることを防止し、安全で使いやすい装置として提供することができる。
【0038】
図5は、本実施形態の介護用洗浄装置で使用している送水ポンプ18として使用しているダイヤフラムポンプの構成を示す。送水ポンプ18はポンプ本体18aと駆動モータ18bとを備え、ポンプ本体18aに、洗浄水タンク16に接続される吸入管18cと給水管18dとを接続するとともに、バイパス管18eにより吸入管18cと給水管18dとを連通させ、吸入管18cのバイパス管18eとの接続位置よりも上流側に、洗浄水タンク16側に還流水が逆流することを防止する逆止弁18fを設けている。
【0039】
この送水ポンプ18ではバイパス管18eを設けることにより、切り替え機構34を操作して送水を停止した際でも、バイパス管18eを経由して給水管18dから吸入管18cに洗浄水が還流するから、駆動モータ18bを連続駆動させた状態で使用することができる。バイパス管18eを十分に細径に形成しておけば、給水管18cから送水する際の送水量を確保することができ、逆止弁18fの作用によって還流水が洗浄水タンク16に戻ることを防止することにより、使い勝手のよい送水ポンプ18の構成となる。
【0040】
(第2の実施の形態)
本発明に係る介護用洗浄装置の第2の実施の形態は口腔内を洗浄する洗浄部としてブラシ付き指サック38にかえて電動歯ブラシ70を利用することを特徴とする。図6(a)は、従来用いられている電動歯ブラシ70の全体構成を示す。この電動歯ブラシ70はブラシ72と、ブラシ振動用の駆動部と電池が内蔵された本体74とを備える。ブラシ72は前記駆動部によって振動される嵌合突部76に脱着可能に設けられ、嵌合突部76にブラシ72を装着してスイッチ78を操作することにより、ブラシ72が振動して口腔内をブラッシング可能となる。ブラシ72はブラシ本体72aとブラシ本体72aに植毛されたブラシ部72bとからなる。
【0041】
図6(b)は、電動歯ブラシ70のブラシ72と洗浄水との供給機構とを切り替え機構34を介して通水可能として形成した介護用洗浄装置の構成例を示す。切り替え機構34は、前述した実施形態におけると同様に、シリンダ60にピストン62を装着し、シリンダ60とピストン62を横切るように送水管を挿通するとともに、常時は止水され、ピストン62を押した際に通水可能となるように付勢手段を配して形成されている。
シリンダ60には洗浄水の供給機構に接続する送水管32が接続される。本実施形態では、シリンダ60に接続される送水管32の中途にジョイント部32bを設け、ジョイント部32bから先側を交換可能としている。
【0042】
切り替え機構34とブラシ72との接続は、ブラシ本体72aの基部からブラシ本体72aの先端まで細径の連通孔72cを形成し、連通孔72cに細径のチューブ(本実施形態では2mm径のシリコンチューブ)の一端側を挿入し、チューブの他端側を切り替え機構34のシリンダ60に接続することによってなされる。実際には、切り替え機構34のシリンダ60を横切るように送水管32(本実施形態で4mm径のシリコンチューブ)を装着し、シリンダ60の出口側から送水管32cの先端をブラシ72の基部まで延出させ、送水管32cの先端を水密にシールして固定バンド73によりブラシ本体72aに接続している。先端がブラシ本体72aの内部にまで延出する細径のチューブは、切り替え機構34のシリンダ60とブラシ本体72aの基部との間では送水管32cに内挿され、この範囲で送水管の部分は2重管となる。
【0043】
本実施形態では、細径のチューブに保護用のコイルスプリング33を外挿し、コイルスプリング33を外挿した状態で送水管32cに細径のチューブを挿入して、切り替え機構34とブラシ72との間で送水管32cが折曲しないようにしている。ブラシ72と切り替え機構34との間に配される送水管32cは、電動歯ブラシ70の本体74の側面に設けられたスイッチ78の側方に切り替え機構34が位置するように長さを設定する。
ブラシ本体72aでブラシ部72bが設けられた面には、細径のチューブが挿入された連通孔72cに連通して開口穴が設けられる。
【0044】
本実施形態の介護用洗浄装置を使用する際は、電動歯ブラシ70の嵌合突部76にブラシ72を取り付け、ジョイント部32bで送水管32を接続し、送水ポンプ18と吸引機構50を作動させ、口腔内の洗浄操作を開始する。電動歯ブラシ70の本体74を手で握り、同時に本体74を握った手の親指を切り替え機構34のピストン62のフランジ部62bにあて、親指と人差し指で切り替え機構34をつまむようにする。
前述したように、親指でピストン62を押すと通水状態になるから、電動歯ブラシ70のスイッチ78をONとし、歯茎にブラシ部72bを当てながら随時通水させて洗浄する。電動歯ブラシ70の場合は、ブラシ部72b自体が振動するから、ブラシ部72bを当てる位置を動かしながら、切り替え機構34を操作して適宜、通水しながら洗浄することができる。
【0045】
電動歯ブラシ70のブラシ72に洗浄水を供給しながら口腔内を洗浄する方法による場合は、歯茎に軽く当てるだけで簡単にブラッシングすることができ、また、洗浄水をブラシ部72bから吐出させながら洗浄することで、効率的にかつきれいに洗浄することができる。口腔内にたまった水は、前述した実施形態と同様に、操作管44を用いて回収タンク40に吸引して排出させる。
本実施形態の介護用洗浄装置の場合は、ブラシ部72bを歯茎に軽く当てるだけできれいに洗浄できることから、被介護者が痛がったりすることなく洗浄操作ができるという利点がある。また、ジョイント部32bから先側を個人ごとに別に用意しておけば、ブラシ72を交換して装着することにより、電動歯ブラシ70の本体74を複数人で共用することも可能である。また、ブラシ部72bが傷んだ場合には、ジョイント部32bから先側を新品に交換して使用することができる。
【0046】
(第3の実施の形態)
本発明に係る介護用洗浄装置の第3の実施の形態は、洗浄水を用いて口腔内を洗浄する方法に加えて、エアを吐出させながら口腔内を洗浄するエア洗浄機構を備えていることを特徴とする。
図7に収納ボックス10にエアポンプ80を設置し、エアポンプ80と洗浄操作部82とをエアチューブ84により接続した構成を示す。本実施形態ではエアチューブ84の先端に吐出管82aを接続し、洗浄部として歯間ブラシ86に吐出管82aを添わせてエアによる洗浄操作部82を形成している。
この洗浄操作部82によれば、洗浄水を用いて口腔内を洗浄する操作に加えて、歯間ブラシ86によって歯の間に詰まったものなどを除去しながら、異物をエアにより吹き飛ばすようにし口腔内をきれいにすることができる。
【0047】
このエアを利用する洗浄操作部82はエアチューブ84にジョイント部88を設けることによって種々形式のブラシに交換して使用することができる。
また、エアを利用する洗浄操作部82は洗浄水を使用する洗浄操作部30と別個に設けることも可能であるし、洗浄水を使用する洗浄操作部30にエアの吐出機構を設けて、洗浄水を吐出させたり、エアを吐出させたりして洗浄する構成とすることもできる。
たとえば、図6に示す電動歯ブラシ70の例では、ブラシ72に設けた連通孔72cに連通するようにエアチューブ84aを接続し、ジョイント部88を介してブラシ72をエアポンプ80に接続することにより、洗浄水による洗浄操作に合わせてエアを吐出しながら口腔内をきれいにすることができる。エアとともに洗浄水を吐出させるように操作すると、洗浄水が霧状になって口腔内に放射されるから、口腔内を湿らせるように使用することができ、洗浄水による洗浄効果を高めることができるという利点がある。
【0048】
このようにエアを用いて口腔内をきれいにする機構を設けた場合には、切り替え機構34を操作して洗浄水を吐出させている以外のときには、ブラシによって異物を除去するとともにエア作用によって異物を排除する操作ができるから、洗浄水を多く使用することなく効率的に口腔内をきれいにすることが可能になる。なお、ブラシ付き指サック38にエア吐出機構を設けることももちろん可能である。
【0049】
上述した各実施形態では、シリンダ60にピストン62を装着して送水・止水の切り替え機構34を形成したが、送水・止水の切り替え機構は、上述したシリンダ60とピストン62を用いる機構に限られるものではない。
送水・止水の切り替え機構としては、(1)ゴム袋の出入り口の両端に逆止弁を設けたバルブ、(2)送水管32の流路内に装着され、親指の操作によって送水・止水が制御できるシャット・オフ・バルブ、(3)送水管32に係合させて装着し、親指でローラーを回動させ、ローラーの回動量によって送水・止水を制御するローラークランプ、(4)親指で押すだけで送水管の締め具合を調節することができるワンタッチチューブコック等がある。いずれも、手の中に納められる大きさに形成することによって、ブラシ付き指サック38を指に装着した状態、あるいは電動歯ブラシを手で把持した状態で、指操作によりあるいは握り状態を調節することによって切り替え機構を操作することができ、洗浄部による洗浄操作を妨げることなく、洗浄水の送水・止水を適宜調節しながら、口腔内の洗浄操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る介護用洗浄装置の第1の実施の形態の全体構成を示す説明図である。
【図2】介護用洗浄装置に用いる送水・止水の切り替え機構とブラシ付き指サックの構成を示す斜視図である。
【図3】送水・止水の切り替え機構の内部構成と作用を示す断面図である。
【図4】ブラシ付き指サックと切り替え機構の使用状態を示す説明図である。
【図5】送水ポンプにおける配管の構成を示す斜視図である。
【図6】従来の電動歯ブラシと、電動歯ブラシを用いた本発明に係る介護用洗浄装置の構成を示す説明図である。
【図7】本発明に係る介護用洗浄装置の第3の実施の形態の全体構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0051】
10 収納ボックス
11 開閉蓋
16 洗浄水タンク
17 給水栓
18 送水ポンプ
18a ポンプ本体
18e バイパス管
18f 逆止弁
30 洗浄操作部
32 送水管
32a、32b ジョイント部
32c 送水管
34 切り替え機構
38 ブラシ付き指サック
38a 指サック部
38b ブラシ部
40 回収タンク
41 排水栓
42 吸水管
44 操作管
46 接続管
50 吸引機構
60 シリンダ
60a、62a 貫通孔
62 ピストン
64 コイルスプリング
70 電動歯ブラシ
72 ブラシ
72a ブラシ本体
72b ブラシ部
72c 連通孔
82 洗浄操作部
82a 吐出管
84、84a エアチューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内を洗浄するための洗浄水の供給機構と、該供給機構から供給された洗浄水を口腔内に吐出して口腔内を洗浄する洗浄操作部と、口腔内を洗浄した後の洗浄水を回収する回収機構とを備えた介護用洗浄装置において、
前記洗浄操作部が、前記供給機構に接続された送水管と、
該送水管による洗浄水の送水・止水を切り替える切り替え機構と、
該切り替え機構を操作して口腔内を洗浄する洗浄部とを備え、
前記切り替え機構が、前記洗浄部を把持しつつ操作可能に設けられていることを特徴とする介護用洗浄装置。
【請求項2】
前記切り替え機構が、シリンダと、該シリンダに内挿されたピストンと、該ピストンを前記シリンダに対して外方へ突出する向きに付勢する付勢手段とを備え、
前記シリンダとピストンとに、軸線方向と交差する方向に貫通し、屈曲可能に形成された送水管が挿通される貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載の介護用洗浄装置。
【請求項3】
前記シリンダは、一端が開口する有底の筒状に形成され、該シリンダの底面と前記ピストンの端面との間に前記付勢手段が装着され、
前記ピストンは、常時は、前記付勢手段により前記送水管が屈曲して止水状態となる突出側位置に位置していることを特徴とする請求項2記載の介護用洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄部が、前記切り替え機構を把持した状態で手指に装着される指サック部と、該指サック部の外側面に設けられたブラシ部とを備えたブラシ付き指サックとして形成され、前記ブラシ部に開口する吐出口に、前記切り替え機構に連通する送水管が、前記指サック部内を通過して接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の介護用洗浄装置。
【請求項5】
前記ブラシ付き指サックは、前記切り替え機構から延出する送水管に着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項4記載の介護用洗浄装置。
【請求項6】
前記洗浄部が、本体にブラシが脱着可能に設けられ、前記ブラシが前記供給機構に連通して設けられた電動歯ブラシとして形成され、
前記ブラシには、ブラシ本体内を通過してブラシ本体のブラシ部が設けられた面で開口する連通孔が穴が設けられるとともに、前記送水管が前記切り替え機構を介して前記連通孔に連通して設けられ、
前記切り替え機構が前記本体の側面位置に配されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の介護用洗浄装置。
【請求項7】
前記供給機構と前記切り替え機構との間に、送水管を接離するジョイント部が設けられていることを特徴とする請求項6記載の介護用洗浄装置。
【請求項8】
前記供給機構は、前記送水管に送水する送水ポンプと、送水ポンプに着脱可能に装着される洗浄水タンクとを備え、前記送水ポンプがバッテリーにより駆動可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の介護用洗浄装置。
【請求項9】
前記回収機構は、口腔内に挿入して使用する操作管と、該操作管に接続される吸水管と、該吸水管が接続される回収タンクとを備え、該回収タンクは、電気掃除機の吸引機構が取り付け可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の介護用洗浄装置。
【請求項10】
前記洗浄操作部に設けられた洗浄部が、エア配管によりエアポンプに接続して設けられ、前記洗浄部から洗浄水を吐出して洗浄する操作と、前記洗浄部からエアを吐出して洗浄する操作が可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載の介護用洗浄装置。
【請求項11】
前記洗浄操作部として、前記洗浄水による洗浄操作をなす洗浄部を備えた洗浄操作部に加えて、エア配管によりエアポンプに接続される洗浄部を備え、洗浄部からエアを吐出して口腔内を洗浄する洗浄操作部を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載の介護用洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−144118(P2007−144118A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−158332(P2006−158332)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(398020688)株式会社大島山機器 (2)
【Fターム(参考)】