説明

仕上げ磨き歯ブラシ奥歯専用

【課題】親が子に向かい合って磨く際、奥歯が磨きやすいように、歯ブラシの柄の頚部に角度を設けた奥歯専用の仕上げ磨き歯ブラシを提供する。
【解決手段】把持部(1)を正面にして、頚部(2)を左へ30°前後傾斜させたものを1本、頚部(2)を左へ30°前後傾斜させたものを1本、計2本を一対とした仕上げ磨き歯ブラシ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、歯ブラシの柄に角度を持たせることにより、頬粘膜を過度に引っ張ることなく、乳幼児や要介護者に痛みを感じさせずに、臼歯部(奥歯)を磨くための仕上げ磨き歯ブラシ 奥歯専用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、毛先を人側に向けた側を正面観とした場合、歯ブラシの柄の角度は0°であった。この場合、口腔内に挿入し、臼歯部の頬側または舌側を磨く際、歯牙に当たる角度は、歯ブラシの毛先と歯が平行とならず、最も汚れの残りやすい歯と歯肉の境目を磨くことが困難であった。その部位を磨こうとすると、必然的に歯ブラシの柄を歯と平行にせざるを得ず、結果として、口角部や口唇部粘膜を柄で押さえつける結果となる。そのような刺激は苦痛なものであり、歯磨き自体を嫌がる傾向にもつながる。そこで、正面観にて歯ブラシの頚部に適正な角度を持たせることにより、柄の最も接触する口角部、口唇部を避ける歯ブラシを発明した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これは次のような欠点があった。乳幼児から児童期において、本人のみで歯磨きを効率的かつ、適確に行なうことは困難である。その際、本人以外の大人が、歯磨きを行なうこととなるが、従来の歯ブラシでは様々な問題があった。それらの問題は双方の負担ともなりかねないものであり、これから歯磨きを習慣化させなければならない乳幼児が、歯を磨く行為自体を嫌うことにも成り得る重大な問題である。中でも、歯ブラシを口腔内に挿入した時の柄が口角や口唇粘膜や磨く対象となる歯牙以外の歯牙に当たる痛みや不快感は問題である。術者や親が乳幼児の歯牙の頬側に正しい角度で接触させようとすると、直視できるように口角や口唇を引っ張ってしまうことが多く、必然的に口角や口唇に歯ブラシの柄が当たることになる。歯牙の下側を磨く際には、磨きたい歯の手前の歯が邪魔になり、歯ブラシが磨きたい歯より手前の歯牙に当たってしまう。また、術者が要介護者の臼歯部を磨く時も、頬粘膜や口角を引っ張って痛みを伴わせることがあった。それらは、臼歯部の生えている角度と歯ブラシの角度が不一致であるため、起こる現象であった。そこで、乳幼児から児童期にかけての歯磨きや要介護者の臼歯部を磨く時において、本発明は以上のような欠点をなくすために効率的かつ適確に口角や口唇に柄の当たる、痛みを伴わない歯ブラシの発明に至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
歯ブラシの柄の頚部(2)の角度は30°前後の傾斜を持つ形状とする。さらに、全ての臼歯に対応する為に、正面観の歯ブラシの柄の頚部(2)は、時計回りに30°前後の角度の形状のものと、反時計回りに30°前後の角度の形状のものを使用する。時計回りに30°前後傾斜させた柄の歯ブラシ(図1)は、下顎臼歯部においては、乳幼児、要介護者の右側頬側及び右側舌側に、上顎臼歯部においては、乳幼児、要介護者の左側頬側及び左側舌側に、反時計回りに30°前後傾斜させた柄の歯ブラシ(図2)は、下顎臼歯部おいては、乳幼児、要介護者の左側頬側及び左側舌側に、上顎臼歯部においては、乳幼児、要介護者の右側頬側及び右側舌側に使用する。本発明は、以上の構成よりなる仕上げ磨き歯ブラシ 奥歯専用である。
【発明の効果】
【0005】
歯ブラシの柄の角度を変えることにより、頬粘膜や口角への刺激が減り、痛みを伴わず臼歯部が確実に磨ける。子供も仕上げ磨きの際、寝かせる必要もなく向かい合って磨ける。また、力が加わらないため歯茎を傷めず、子供が痛がらないのが特徴である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。歯ブラシの柄の頚部(2)の角度を変えることにより、口角が自然に広がる。時計回りに30°前後傾斜させた柄の歯ブラシ(図1)は、下顎臼歯部においては乳幼児、要介護者の右側頬側及び右側舌側に、上顎臼歯部においては、乳幼児、要介護者の左側頬側及び左側舌側、反時計回りに30°前後傾斜させた柄の歯ブラシ(図2)は、下顎臼歯部においては、乳幼児、要介護者の左側頬側及び左側舌側に使用し、上顎臼歯部においては、乳幼児、要介護者の右側頬側及び右側舌側に使用する。本発明は以上のような構造である。これを使用する時は、2本1組として 左右の奥歯を磨けば良い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の正面図である。(時計回り30°前後傾斜)
【図2】本発明の正面図である。(反時計回り30°前後傾斜)
【符号の説明】
【0008】
1 把持部
2 頚部
3 ブラシ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯ブラシの把持部(1)を正面にして、頚部(2)を左へ30°前後傾斜させたものを1本、頚部(2)を右へ30°前後傾斜させたものを1本、計2本を一体とした仕上げ磨き歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−428(P2012−428A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154297(P2010−154297)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(311001174)
【Fターム(参考)】