説明

代替天然ガスの製造設備及び方法

【課題】合成天然ガスを製造するための設備及び方法が提供される。
【解決手段】前記方法は、原料合成ガスを得るように、炭素質供給原料をガス化装置内でガス化することを含み得る。原料合成ガスは、冷却された原料合成ガスを得るように、冷却され得る。冷却された原料合成ガスは、処理された合成ガスを得るように、精製設備において処理され得る。精製設備は、ガス化装置及びサチュレータと流体連通したフラッシュガス分離器を含み得る。処理された合成ガスは、水蒸気、メタン化凝縮物、及び合成天然ガスを得るように、合成天然ガスに転化される。メタン化凝縮物は、スラッシュガス分離器に導入され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年7月16日に出願の米国特許仮出願第61/081304号(参照によって本明細書に組み込まれる)の利益を主張する。
【0002】
本実施形態は、一般に、合成天然ガスの製造設備及び方法に関する。本実施形態は、低品位炭(low grade coal)供給原料又は他の炭素質供給原料を用いる、合成天然ガスの製造設備及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ガス化を用いるクリーン・コール(clean coal)テクノロジーは、全世界のエネルギー需要を満たす前途有望な取り得る道である。大部分の既存の石炭ガス化プロセスは、高石炭化度(high rank)(瀝青)炭及び石油精製廃棄物で、最もうまく実施されるが、低品位炭を処理するときに操作するのには非効率で、信頼性が劣り、費用がかかる。低石炭化度炭及び高灰分炭を含むこれらの低品位炭の埋蔵資源は、大量に利用できるにもかかわらず、エネルギー源として十分に活用されないままである。メタン化及び二酸化炭素処理と結び付けた石炭ガス化は、環境上適正なエネルギー源を提供する。合成又は代替天然ガス(「SNG」)は、頼りにできる燃料供給をもたらすことができる。SNGは、適切な設備により、石炭源の近くで製造され得る。SNGは、製造場所から、すでに存在する天然ガスパイプラインのインフラストラクチャーに輸送でき、このことは、SNGの製造を、製造しなければ低品位炭を採掘し輸送することが余りに高くつくと思われる地域において、経済的にする。別のこととして、発展途上国において、都市内の非効率で汚染する多数の施設でのエネルギー源として低品位炭を輸送し使用する代わりに、人口密度の高い都市に向けたクリーンで効率的なSNGの製造及び供給は、汚染物質及び炭素回収を効果的に軽減する手段を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SNG生成に伴う典型的な問題は、大きな補助動力及びプロセス水の必要性である。しばしば、大量の外部動力が、SNG製造設備を運転するために必要とされ、設備のプロセスに対応するために大量の水がSNG製造設備に供給される必要がある。SNG製造設備を運転するために必要とされる大量の水及び外部動力は、製造コストを大幅に上昇させ得る、またSNG生成設備が配置され得る場所を限定し得る。
【0005】
したがって、外部動力及び水についての要求を減らす、石炭からSNGを製造するための一層効率的な設備及び方法が求められている。
【0006】
上に記された本発明の特徴が詳細に理解され得るように、上に手短に要約された本発明のより詳細にわたる説明が、実施形態(これらのいくつかが添付図に例示されている)を参照することによって提供され得る。しかし、添付図は、本発明の典型的な実施形態だけを例示しており、本発明は他の同様に効果的な実施形態を認め得るので、したがって、本発明の範囲を限定すると見なされるべきではないことに注意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】記載される1つ又は複数の実施形態による例示的なSNG設備の概略図である。
【図2】記載される1つ又は複数の実施形態による例示的な別のSNG設備の概略図である。
【図3】記載される1つ又は複数の実施形態による例示的な別のSNG設備の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
これから、詳細な説明が行われる。添付の特許請求の範囲の各項は別個の発明を定め、これは、侵害の意図に対して、特許請求の範囲に指定される様々な要素又は制限に対する均等物を含むと認められている。コンテクストに応じて、下での「本発明」への言及のすべては、いくつかの場合には、特定の具体的な実施形態だけを表し得る。他の場合には、「本発明」への言及は、特許請求の範囲の一項又は複数において(しかし必ずしもすべての項においてではない)記される主題を表すことが認められるであろう。これから、本発明の各々が、具体的な実施形態、変形形態及び実施例を含めて、下でより詳細に説明されるが、本発明はこれらの実施形態、変形形態及び実施例に限定されず、それらは、本特許の情報が利用可能な情報及び技術と組み合わされるときに、当業者が本発明を実施し利用することを可能にするために含められている。
【0009】
合成天然ガスを製造するための設備及び方法が提供される。この方法は、原料合成ガス(raw syngas)を得るように、炭素質供給原料をガス化装置内でガス化することを含み得る。原料合成ガスは、冷却された原料合成ガスを得るように、冷却され得る。冷却された原料合成ガスは、処理された合成ガスを得るように、精製設備において処理され得る。精製設備は、ガス化装置及びサチュレータと流体連通したフラッシュガス分離器を含み得る。処理された合成ガスは、水蒸気、メタン化凝縮物、及び合成天然ガスを得るように、合成天然ガスに転化され得る。メタン化凝縮物は、フラッシュガス分離器に導入され得る。
【0010】
図1は、1つ又は複数の実施形態による例示的SNG設備100を示す。SNG設備100は、1つ又は複数のガス化装置205、1つ又は複数の合成ガス冷却器305、1つ又は複数の合成ガス精製設備400、及び1つ又は複数のメタネーター(methanator)500を含み得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン102を通る炭素質供給原料、ライン127を通る水蒸気、及びライン104を通る酸化剤が、ライン106を通る原料合成ガスを得るように、ガス化装置205に導入され得る。ライン106を通る原料合成ガスは、約575℃から約2,100℃の範囲の温度で、ガス化装置205を出て行き得る。例えば、ライン106の原料合成ガスは、約800℃、約900℃、約1,000℃、又は約1,050℃の低値から、約1,150℃、約1,250℃、約1,350℃、又は約1,450℃の高値までの範囲の温度を有し得る。ライン106を通る原料合成ガスは、ライン116を通る冷却された合成ガスを得るように、合成ガス冷却器305に導入され得る。
【0011】
1つ又は複数の実施形態において、ライン106を通る原料合成ガスは、ライン108及び/又はライン112を通して導入される熱伝達媒体を用いて冷却され得る。示されていないが、非限定的実施形態において、ライン108及び/又は112の熱伝達媒体は、合成ガス精製設備400からのプロセス流又は凝縮物を含み得る。熱伝達媒体は、プロセス水、ボイラー供給水、過熱低圧水蒸気、過熱中圧水蒸気、過熱高圧水蒸気、飽和低圧水蒸気、飽和中圧水蒸気、飽和高圧水蒸気などであり得る。ライン106を通して合成ガス冷却器305へ導入される原料合成ガスからの熱は、ライン108及び/又は112を通して導入される熱伝達媒体へ間接的に伝達され得る。例えば、ライン106を通して合成ガス冷却器305に導入される原料合成ガスからの熱は、ライン110及び/又はライン114を通る過熱高圧蒸気を得るように、ライン108及び/又は112を通して導入されるボイラー供給水に間接的に伝達され得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン116を通る冷却された合成ガスは、ライン118を通る精製された合成ガスを得るように、精製設備400に導入され得る。
【0012】
1つ又は複数の実施形態において、ライン118を通る精製された合成ガス及びライン120を通る熱伝達媒体が、ライン122を通るメタン化合成ガス又はSNG、及びライン124を通る水蒸気を得るように、メタネーター500に導入され得る。精製された合成ガスのメタン化は、熱を発生する発熱反応である。精製された合成ガスのメタン化の間に発生する熱は、ライン124を通る水蒸気を得るように、ライン120を通して導入される熱伝達媒体に間接的に伝達され得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン124、112は、プロセス凝縮物、メタン化凝縮物、水蒸気、及び/又はこれらの組合せを含み得る。
【0013】
ライン120の熱伝達媒体は、プロセス水、ボイラー供給水などであり得る。例えば、ライン120を通してメタネーター500に導入されるボイラー供給水は、低圧水蒸気、中圧水蒸気、高圧水蒸気、飽和低圧水蒸気、飽和中圧水蒸気、又は飽和高圧水蒸気を得るように、加熱され得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン124の水蒸気の少なくとも一部は、ライン112を通して導入される熱伝達媒体として、合成ガス冷却器305に導入され得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン124を通る水蒸気の別の部分は、SNG生成設備100内の様々なプロセス・ユニット(示されていない)に供給され得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン124の水蒸気は、約250℃以上、約350℃以上、約450℃以上、約550℃以上、約650℃以上、約750℃以上の温度を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン124の水蒸気は、約4,000kPa以上、約7,500kPa以上、約9,500kPa以上、約11,500kPa以上、約14,000kPa以上、約16,500kPa以上、約18,500kPa以上、約20,000kPa以上、約21,000kPa以上、又は約22,100kPa以上の圧力であり得る。例えば、ライン124の水蒸気は、約4,000kPaから約14,000kPa、又は約7,000kPaから約10,000kPaの圧力であり得る。
【0014】
1つ又は複数の実施形態において、ライン112の水蒸気は、ライン114を通る、過熱高圧水蒸気又はライン112におけるより高い温度及び/又は圧力の水蒸気を得るように、合成ガス冷却器305内でさらに加熱され得る。1つ又は複数の実施形態において、熱伝達媒体、例えば、ライン108を通して合成ガス冷却器305に導入されるボイラー供給水は、ライン110を通る過熱高圧水蒸気を得るように、加熱され得る。ライン110及び/又はライン114を通る水蒸気は、約450℃以上、約550℃以上、約650℃以上、又は約750℃以上の温度を有し得る。ライン110及び/又はライン114を通る水蒸気は、約4,000kPa以上、約8,000kPa以上、約11,000kPa以上、約15,000kPa以上、約17,000kPa以上、約19,000kPa以上、約21,000kPa以上、又は約22,100kPa以上の圧力を有し得る。
【0015】
示されていないが、1つ又は複数の実施形態において、ライン112の水蒸気は、熱伝達媒体混合物又は「混合物」を得るように、ライン108の熱伝達媒体と共に導入され得る又は別の仕方でそれと混合され得る。1つ又は複数の実施形態において、前記混合物は、ライン110及び/又はライン114を通る過熱高圧水蒸気を得るように、合成ガス冷却器305に熱伝達媒体として導入され得る。1つ又は複数の実施形態において、混合物は、単一ライン(示されていない)を通して合成ガス冷却器305から回収され得る。
【0016】
1つ又は複数の実施形態において、ライン110及び/又はライン114を通る過熱高圧水蒸気の少なくとも一部は、SNG設備100のための補助動力を発生するために使用され得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン110及び/又はライン114を通る過熱高圧水蒸気の少なくとも一部は、ガス化装置205に導入され得る。例えば、ライン110及び/又はライン114を通る過熱高圧水蒸気は、例えば水蒸気タービンによる圧力低下の後、ガス化装置205に導入され得る。
【0017】
1つ又は複数の実施形態において、合成ガス精製設備400は、微粒子、アンモニア、硫化カルボニル、塩化物、水銀、及び/又は酸性ガスを除去し得る。1つ又は複数の実施形態において、合成ガス精製設備400は、冷却された合成ガスを水により飽和させ得る、一酸化炭素を二酸化炭素にシフト転化し得る、又はこれらの組合せを行い得る。
【0018】
1つ又は複数の実施形態において、ライン118の処理された合成ガスは、これらに限らないが、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、窒素、アルゴン、又はこれらの任意の組合せを含み得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン118の処理された合成ガスは、約10mol%の低値から約80mol%の高値の範囲の水素含量を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン118の処理された合成ガスは、約0mol%の低値から約30mol%の高値の範囲の一酸化炭素含量を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン118の処理された合成ガスは、約0mol%の低値から約40mol%の高値の範囲の二酸化炭素含量を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン118の処理された合成ガスは、約0mol%から約30mol%の範囲のメタン含量を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン118の処理された合成ガスは、約1mol%、約3mol%、約4.5mol%、又は約5mol%の低値から、約8mol%、約8.5mol%、約9mol%、又は約9.5mol%或いはこれを超える高値の範囲のメタン含量を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン118の処理された合成ガスは、約0mol%の低値から約50mol%の高値の範囲の窒素含量を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン118の処理された合成ガスは、約0mol%の低値から約5mol%の高値の範囲のアルゴン含量を有し得る。ライン118を通る処理された合成ガスにおける低い不活性物濃度、例えば、低い窒素及びアルゴン濃度は、メタネーター500からライン122を通して供給されるSNGの発熱量(heating value)を増加させ得る。
【0019】
ライン118を通る処理された合成ガスにおける比較的高いメタン濃度は、SNG製造にとって有益であり、生成物の品質(例えば発熱量)をもたらし、また、メタネーター500内の反応熱を抑えるための、生成物ガスのリサイクルの必要性を低下させ得る。このメタン濃度はまた、SNG設備の補助動力消費、資本コスト、及び運転コストも低減し得る。
【0020】
1つ又は複数の実施形態において、ライン118を通る処理された合成ガスは、ライン122を通るSNGを得るように、メタネーター500に導入され得る。メタネーター500は、水素及び一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の少なくとも一部をSNGに転化するのに適する任意の装置、設備、又は設備及び/又は装置の組合せであり得る、或いはこれらを含み得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン122のSNGは、約0.01mol%の低値から100mol%の高値の範囲のメタン含量を有し得る。例えば、ライン122のSNGは、約65mol%、約75mol%、又は約85mol%の低値から、約90mol%、約95mol%、又は約100mol%の高値の範囲のメタン含量を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、メタネーター500は、約150℃、約425℃、約450℃、又は約475℃の低値から、約535℃、約565℃、又は約590℃の高値までの範囲の温度で操作され得る。1つ又は複数の実施形態において、メタネーター500は、約590℃、約620℃、又は約645℃の低値から、約660℃、約675℃、約700℃、又は約1,000℃の高値までの範囲の温度で操作され得る。
【0021】
図2は、1つ又は複数の実施形態による別の例示的SNG設備200の概略図を示す。1つ又は複数の実施形態において、SNG設備200は、これらに限らないが、1つ又は複数のガス化装置205、1つ又は複数の合成ガス冷却器305、1つ又は複数の精製設備400、及び1つ又は複数のメタネーター500を含み得る。任意のガス化装置205、例えば図2に示されるガス化装置が使用され得る。ガス化装置205は、これらに限らないが、単一の反応器列、或いは直列又は並列に配置された2つ以上の反応器列を含み得る。各反応器列は、1つ又は複数の混合ゾーン215、ライザー220、及び分離器(disengager)230、240を含み得る。各反応器列は、他から独立に配置構成され得る、或いは1つ又は複数の混合ゾーン215、ライザー220、及び分離器230、240のいずれかが共有され得る状態に配置構成され得る。説明が簡単で容易なように、ガス化装置205の例示的実施形態は、図2に示されるように、単一反応器列に関連させてさらに説明される。
【0022】
ライン102を通る供給原料、ライン127を通る水蒸気及びライン104を通る酸化剤は、ガス混合物を得るように、混合ゾーン215において一緒にされ得る。ライン102を通る供給原料は、適切な如何なる炭素質材料も含み得る。炭素質材料は、これに限らないが、固体、液体、ガス、又はこれらの組合せかどうかにかかわらず、1種又は複数の炭素含有材料を含み得る。1種又は複数の炭素含有材料には、これらに限らないが、石炭、コークス、石油コークス、分解残渣、全原油(whole crude oil)、原油、減圧軽油、重質軽油、残留物(residuum)、常圧塔ボトム、真空塔ボトム、留出物、パラフィン、溶剤脱瀝ユニットからの芳香族に富む材料、芳香族炭化水素、アスファルテン、ナフテン、オイルシェール、オイルサンド、タール類、瀝青、油母、廃油、バイオマス(例えば、植物及び/又は動物物質或いは植物及び/又は動物由来物質)、タール、低灰分又は無灰分ポリマー、炭化水素系ポリマー材料、石油精製所及び石油化学プラントからの重質炭化水素スラッジ及びボトム産物(例えば、炭化水素ワックス)、生産操作に由来する副生成物、廃棄消費者製品(例えば、カーペット、並びに/又は、バンパー及びダッシュボードを含めて、自動車プラスチックパーツ/コンポーネント)、リサイクルプラスチック(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、これらの誘導体、これらのブレンド)或いはこれらの任意の組合せが含まれ得る。したがって、このプロセスは、すでに製造された材料の適正な処分の要求に対応するのに有用であり得る。
【0023】
1つ又は複数の実施形態において、石炭には、これらに限らないが、高ナトリウム及び/又は低ナトリウム亜炭、亜瀝青、瀝青、無煙炭、或いはこれらの任意の組合せが含まれ得る。炭化水素系ポリマー材料には、例えば、熱可塑性樹脂、エラストマー、ゴムが含まれ、これらにはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン(他のポリオレフィンを含めて)、ポリウレタン、ホモポリマー、コポリマー、ブロックコポリマー、及びこれらのブレンド;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブレンド、他のポリオレフィン、酸素を含むポリ−炭化水素、これらの誘導体、これらのブレンド、並びにこれらの組合せが含まれ得る。
【0024】
1つ又は複数の実施形態において、炭素質材料、例えば石炭の水分濃度に応じて、炭素質材料は、ガス化装置205に導入される前に乾燥され得る。炭素質材料は、1つ又は複数のボールミルのような製粉ユニットによって粉末にされ、減量された水分を含む炭素質材料を得るように、加熱され得る。例えば、炭素質材料は、約50%未満の水分、約30%未満の水分、約20%未満の水分、約15%未満の水分、又はこれより少ない水分を含む炭素質材料を得るように、乾燥され得る。炭素質材料は、ガス、例えば窒素の存在下に直接、或いはコイル、プレート又は他の熱伝達用具を通る何らかの熱伝達媒体を用いて間接的に、乾燥され得る。
【0025】
ライン104を通して導入される酸化剤には、これらに限らないが、空気、酸素、本質的に酸素、酸素富化空気、酸素と空気の混合物、酸素と不活性ガス(例えば、窒素及びアルゴン)の混合物、並びにこれらの組合せが含まれ得る。本明細書において用いられる場合、「本質的に酸素」という用語は、51vol%以上の酸素を含む供給酸素を表す。本明細書において用いられる場合、「酸素富化空気」という用語は、21vol%を超える酸素を含む空気を表す。酸素富化空気は、例えば、空気の低温蒸留、圧力スイング吸着、膜分離、又はこれらの任意の組合せから得ることができる。1つ又は複数の実施形態において、ライン104を通して導入される酸化剤は、窒素を含まない又は本質的に窒素を含まない酸化剤であり得る。「本質的に窒素を含まない」によって、ライン104の酸化剤が、約5vol%未満の窒素、約4vol%未満の窒素、約3vol%未満の窒素、約2vol%未満の窒素、又は約1vol%未満の窒素を含むことを意味する。1つ又は複数の実施形態において、ライン127を通る水蒸気は、どのようなタイプの適切な水蒸気であってもよく、例えば、低圧水蒸気、中圧水蒸気、高圧水蒸気、過熱低圧水蒸気、過熱中圧水蒸気、又は過熱高圧水蒸気であり得る。
【0026】
ライン104を通して混合ゾーン215に導入される酸化剤の量は、炭素質固体及び/又は炭素質含有固体中の炭素質材料の全量を酸化するのに必要とされる化学量論的酸素の約1%から約90%の範囲であり得る。ガス化装置205内の酸素濃度は、ガス化装置205における炭素のモル濃度に基づく化学量論的必要量の約1%、約3%、約5%、又は約7%の低値から、約30%、約40%、約50%、又は約60%の高値の範囲であり得る。1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置205内の酸素濃度は、ガス化装置205における炭素のモル濃度に基づく化学量論的必要量の約0.5%、約2%、約6%、又は約10%の低値から、約60%、約70%、約80%、又は約90%の高値の範囲であり得る。
【0027】
1つ又は複数の実施形態において、ライン102を通して導入される炭素含有供給原料は、窒素含有化合物を含み得る。例えば、ライン102を通る供給原料は、炭素質材料の最も先進的な分析に基づいて、供給原料中に、約0.5mol%、約1mol%、約1.5mol%、約2mol%、又はこれを超える窒素を含む石炭又は石油コークスであり得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン102を通して導入される供給原料に含まれる窒素の少なくとも一部は、ガス化装置205内でアンモニアに変換され得る。1つ又は複数の実施形態において、供給原料中の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%又はこれを超える窒素は、ガス化装置205内でアンモニアに変換され得る。例えば、ガス化装置205内でアンモニアに変換される、供給原料中の窒素の量は、約20%、約25%、約30%、又は約35%の低値から、約70%、約80%、約90%、又は約100%の高値の範囲であり得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン127を通る水蒸気が混合ゾーン215に導入され得る。水蒸気及び酸化剤は、混合ゾーン215に、示されているように、別々に導入されても、又は、混合ゾーンへの導入の前に混合されてもよい(示されていない)。供給原料、水蒸気、及び酸化剤は、ガス化装置205に逐次的に導入され得る。供給原料、水蒸気、及び酸化剤は、ガス化装置205に同時に導入されてもよい。1つ又は複数の実施形態において、水蒸気は、供給原料、酸化剤、又はこれらの両方と混合され得る。ガス化装置205への供給(即ち、供給原料、水蒸気、及び酸化剤の導入)は、所望の生成物のタイプ及び原料合成ガスの品位に応じて、連続的、又は間欠的であり得る。1種又は複数の酸化剤は、ライン255を通して再循環される微粒子内に含まれる任意の炭素の少なくとも一部を燃焼させることによって、混合ゾーン215及びライザー220内の温度を上昇させるように、混合ゾーン215のボトムに導入され得る。
【0028】
ガス化装置205は、灰分を溶融させない又は溶融灰分又はスラグを生じないような十分な温度範囲、例えば、約550℃から約2,050℃、約275℃から約950℃、又は約1,000℃から約1,150℃で操作され得る。熱は、入ってくる供給原料に再循環固体が接触する前に、混合ゾーン215の下部において再循環固体中の炭素を燃焼させることによって供給され得る。操作開始は、混合ゾーン215を、約500℃から約650℃の温度にもっていくことによって、また任意選択で、混合ゾーン215の温度を約900℃までさらに上昇させるように粉コークス(coke breeze)又はその等価物を混合ゾーン215に供給することによって、開始され得る。1つ又は複数の実施形態において、ガス化装置205は、約870℃から約1,100℃、約890℃から約940℃、又は約880℃から約1,050℃の温度を有し得る。
【0029】
ガス化装置205の操作温度は、ライザー220内の固体の再循環速度及び滞留時間によって;ライン255を通して混合ゾーン215にリサイクルされる前に灰分の温度を下げることによって;混合ゾーン215への水蒸気の添加によって;及び/又は、混合ゾーン215に添加される酸化剤の量を変えることによって制御され得る。ライン255を通して導入される再循環固体は、入ってくる供給原料を迅速に加熱するのに役立ち、これはまたタールの生成を減らし得る。
【0030】
混合ゾーン215及びライザー220における滞留時間及び温度は、水−ガスシフト反応が平衡に近い状態に達し、タール・クラッキングに十分な時間を許容するのに十分であり得る。混合ゾーン215及びライザー220における供給原料の滞留時間は、約2秒を超え得る。混合ゾーン215及びライザー220における供給原料の滞留時間は、約5秒を超え得る。混合ゾーン215及びライザー220における供給原料の滞留時間は、約10秒を超え得る。
【0031】
1つ又は複数の実施形態において、混合ゾーン215は、反応器単位横断面積当たりの熱出力を増し、原料合成ガスのエネルギー出力を向上させるように、約100kPaから約6,000kPaの圧力で操作され得る。1つ又は複数の実施形態において、混合ゾーン215は、約600kPa、約650kPa、又は約700kPaの低値から、約2,250kPa、約3,250kPa、又は約3,950kPa又はこれを超える高値の範囲の圧力で操作され得る。1つ又は複数の実施形態において、混合ゾーン215は、約250℃、約400℃、又は約500℃の低値から、約650℃、約800℃、又は約1,000℃の高値の範囲の温度で操作され得る。1つ又は複数の実施形態において、混合ゾーン215は、約350℃から約950℃、約475℃から約900℃、約899℃から約927℃、又は約650℃から約875℃の温度で操作され得る。
【0032】
ガス混合物は、混合ゾーン215を通りライザー220へ流れることができ、そこで、さらなる滞留時間により、ガス化、水蒸気/メタン改質、タール・クラッキング、及び/又は水−ガスシフト反応が起こることが許される。1つ又は複数の実施形態において、ライザー220は、混合ゾーン215より高い温度で操作され得る。1つ又は複数の実施形態において、ライザー220は、混合ゾーン215より小さな直径又は横断面積を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライザー220は、混合ゾーン215と同じ直径又は横断面積を有し得る。ライザー220における見かけのガス流速は、約3m/sから約27m/s、約6m/sから約24m/s、約9m/sから約21m/s、又は約9m/sから約12m/s、又は約11m/sから約18m/sの範囲であり得る。ライザー220における適切な温度は、約550℃から約2,100℃の範囲であり得る。例えば、ライザー220内における適切な温度は、約700℃、約800℃、約900℃の低値から、約1050℃、約1150℃、約1250℃、又はこれを超える高値の範囲であり得る。
【0033】
ガス混合物はライザー220を出て、分離器230、240に入り、そこで、微粒子の少なくとも一部は、ガスから分離され、これらに限らないが、スタンドパイプ250、及び/又はj−レッグ(leg)255を含めて、1つ又は複数の導管を通して混合ゾーン215へリサイクルして戻され得る。j−レッグ255は、固体の有効滞留時間を増し、炭素の転化を増大させ、また混合ゾーン215に固体をリサイクルするための通気の必要性を最低限にするように、非機械的「j−バルブ」、「L−バルブ」、又は他のバルブを含み得る。分離器230、240はサイクロンであり得る。1つ又は複数の微粒子移動装置245、例えば、1つ又は複数のループシール(loop seal)は、分離された微粒子を捕集するために、分離器230,240の下流に置かれ得る。ライン106を通る原料合成ガスに伴出される又は残留する微粒子の少なくとも一部は、1つ又は複数の微粒子除去設備(示されていない)を用いて除去され得る。
【0034】
1つ又は複数の実施形態において、ライン106の原料合成ガスは、これらに限らないが、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、窒素、アルゴン、又はこれらの任意の組合せを含み得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン106の原料合成ガスは、約40mol%の低値から約80mol%の高値までの範囲の水素含量を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン106の原料合成ガスは、約15mol%の低値から、約25mol%の高値までの範囲の一酸化炭素含量を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン106の原料合成ガスは、約0mol%の低値から、約40mol%の高値までの範囲の二酸化炭素含量を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン106の原料合成ガスは、約0mol%、約5mol%、又は約10mol%の低値から、約20mol%、約30mol%、又は約40mol%の高値までの範囲のメタン含量を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン106の原料合成ガスは、約3.5mol%、約4mol%、約4.5mol%、又は約5mol%の低値から、約8mol%、約8.5mol%、約9mol%、又は約9.5mol%又はこれを超える高値までの範囲のメタン含量を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン106の原料合成ガスは、約0mol%、約1mol%、又は約2mol%の低値から、約3mol%、約6mol%、又は約10mol%の高値までの範囲の窒素含量を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、空気又は過剰の空気が、酸化剤として、ライン104を通してガス化装置205に導入されるとき、ライン106の原料合成ガスにおける窒素含量は、約10mol%から約50mol%又はこれを超える範囲であり得る。1つ又は複数の実施形態において、本質的に窒素を含まない酸化剤が、ライン104を通してガス化装置205に導入されるとき、ライン106の原料合成ガスにおける窒素含量は、約0mol%から約4mol%の範囲であり得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン106の原料合成ガスは、約0mol%、0.5mol%、又は1mol%の低値から、約1.5mol%、約2mol%、又は約3mol%の高値までの範囲のアルゴン含量を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン104を通して導入される本質的に窒素を含まない酸化剤は、約0.001mol%の低値から約3mol%の高値までの範囲の、窒素及びアルゴンを合わせた濃度を有する、ライン106を通る原料合成ガスを生じ得る。
【0035】
ライン102を通る供給原料の平均直径粒径は、スタンドパイプ250を通して混合ゾーンにリサイクルされる固体の微粒子密度を最適化するための制御変数として用いられ得る。ライン102を通して導入される供給原料の粒径は、微粒子質量循環速度を最適化し、また混合ゾーン215及びライザー220内のガス−固体の混合物の流動特性を改善するために、変えられ得る。ライン127を通る水蒸気は、反応物としても、また反応温度を制御するための調整剤としても、ガス化装置205に供給され得る。
【0036】
1つ又は複数の実施形態において、1種又は複数の収着剤(sorbent)がガス化装置205に導入され得る。1種又は複数の収着剤は、合成ガスからの汚染物質、例えば、ガス化装置205内の気相におけるナトリウム蒸気を捕捉し得る。1種又は複数の収着剤は、酸素がガス化装置205内で供給原料からの水素(例えば、水)と望ましくない副反応を起こし得る濃度に達することを遅らせる又は防ぐのに十分な速度及びレベルで、酸素を捕捉し得る。1種又は複数の収着剤は、1種又は複数の供給原料と混合され得る、又は別の仕方で、それに添加され得る。1種又は複数の収着剤は、微粒子が凝集しようとする傾向を抑えるために、ガス化装置205内で供給原料粒子に振りかける又はそれらを被覆するために使用され得る。1種又は複数の収着剤は、約5ミクロンから約100ミクロン、又は約10ミクロンから75ミクロンの平均粒径にまで粉砕され得る。例示的な収着剤には、これらに限らないが、炭素の豊富な灰分、石灰岩、ドロマイト、カオリン、微粉シリカ、及び粉コークスが含まれ得る。供給原料から放出される残留硫黄は、自然に存在する供給物のカルシウムにより、又はカルシウム系収着剤により、硫化カルシウムを生成させて、捕捉され得る。
【0037】
合成ガス冷却器305は、1つ又は複数の熱交換器或いは熱交換ゾーンを含み得る。例示されているように、合成ガス冷却器305は、3つの熱交換器ゾーン310、320、及び330を含み得る。熱交換ゾーン310、320、及び330は、直列に配置され得る。ライン106を通る原料合成ガスは、第1熱交換器(「第1ゾーン」)310において、間接的熱交換によって、約260℃から約820℃の温度に冷却され得る。第1熱交換器310を出てライン315を通る冷却された原料合成ガスは、第2熱交換器(「第2ゾーン」)320において、間接的熱交換によって、約260℃から約704℃の温度に、さらに冷却され得る。第2熱交換器320を出てライン325を通る冷却された原料合成ガスは、第3熱交換器(「第3ゾーン」)330において、間接的熱交換によって、約260℃から約430℃の温度に、さらに冷却され得る。示されていないが、合成ガス冷却器305は、例えば、1つのボイラーであり得る、又はそれを含み得る。
【0038】
ライン106を通る原料合成ガスは、合成ガス冷却器305内で、原料合成ガスから熱伝達媒体に熱を間接的に伝達することによって冷却され得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン108を通る熱伝達媒体は、合成ガス冷却器305に導入され得る。ライン108を通る熱伝達媒体は、プロセス水、ボイラー供給水などであり得る。原料合成ガスからの熱は、ライン350を通して回収され得る過熱水蒸気又は過熱高圧水蒸気を得るように、ライン108を通して導入される熱伝達媒体に間接的に伝達され得る。ライン350を通る過熱水蒸気又は過熱高圧水蒸気は、1つ又は複数の水蒸気タービン360(これは、発電機380に連結され得る)に動力を供給するために使用され得る。水蒸気タービン360からライン390を通して回収される凝縮物は、ライン108の熱伝達媒体にリサイクルされ得る。例えば、水蒸気タービン360からライン390を通して回収される凝縮物は、ライン108の熱伝達媒体の少なくとも一部を得るように、処理され、リサイクルされ得る。
【0039】
ライン108を通る、例えばボイラー供給水は、ライン116を通る冷却された合成ガス及びライン338を通る凝縮物を得るように、第3熱交換器(「エコノマイザ」)330内で加熱され得る。ライン338を通る凝縮物は、プロセス条件で飽和状態である、又は実質的に飽和状態であり得る。凝縮物338は、気相(「水蒸気」)を液相(「凝縮物」)から分離するために、1つ又は複数の水蒸気ドラム又は分離器340に導入(フラッシュ(flash))され得る。ライン342を通る水蒸気は、第2熱交換器(「過熱器」)320に導入され、ライン350を通る過熱水蒸気又は過熱高圧水蒸気を得るように、ライン315を通して入ってくる合成ガスに接して加熱され得る。
【0040】
合成ガス冷却器305からのライン350を通る過熱水蒸気又は過熱高圧水蒸気は、約400℃以上、約450℃以上、約500℃以上、約550℃以上、約600℃以上、約650℃以上、約700℃以上、又は約750℃以上の温度を有し得る。ライン350を通る過熱水蒸気又は過熱高圧水蒸気は、約4,000kPa以上、約8,000kPa以上、約11,000kPa以上、約15,000kPa以上、約17,000kPa以上、約19,000kPa以上、約21,000kPa以上、又は約22,100kPa以上の圧力を有し得る。
【0041】
分離器340からのライン346を通る凝縮物は、第1熱交換器(「ボイラー」)310に導入され、ライン344を通して分離器340に導入され得る少なくとも部分的に気化した水蒸気を得るように、ライン106を通して導入される合成ガスに接して間接的に加熱され得る。ライン344を通り分離器340に戻される水蒸気は、1つ又は複数の水蒸気タービン360で使用される、ライン350を通る過熱水蒸気又は過熱加圧水蒸気を得るように、第2熱交換器320での過熱のためにライン342を通して導入され得る。
【0042】
熱交換器310、320、330のいずれか1つ又はすべては、シェル・アンド・チューブ・タイプ熱交換器であり得る。ライン106の原料合成ガスは、直列で、第1熱交換器310、第2熱交換器320、及び第3熱交換器330のシェル側又はチューブ側に供給され得る。熱伝達媒体は、原料合成ガスがどちら側に導入されるかに応じて、シェル側又はチューブ側のいずれかを通り得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン106の原料合成ガスは、並列で(示されていない)、第1熱交換器310、第2熱交換器320、及び第3熱交換器330のシェル側又はチューブ側に供給されてもよく、熱伝達媒体は、原料合成ガスがどちら側に導入されるかに応じて、シェル側又はチューブ側のいずれかを直列で通り得る。
【0043】
図1を参照して上で説明され記載されたように、ライン120を通る熱伝達媒体、例えば、ボイラー供給水が、ライン124を通る加熱された熱伝達媒体又は水蒸気を得るように、メタネーター500に導入され得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン124を通る水蒸気は、低圧水蒸気、中圧水蒸気、又は高圧水蒸気であり得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン124を通る水蒸気は、過熱高圧熱伝達媒体を得るように、過熱器320に導入され得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン124を通る水蒸気は、合成ガス冷却器305の別のゾーン又はセクションに、例えば、分離器340に導入され得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン124を通る水蒸気の少なくとも一部は、水蒸気タービン360からライン390を通して回収される凝縮物に、及び/又はライン108の熱伝達媒体に導入され得る。
【0044】
図3は、1つ又は複数の実施形態による、別の例示的SNG設備300を概略的に示す。SNG設備300は、1つ又は複数のガス化装置205を含み得る。酸化剤は、空気分離ユニット222を経て、ライン104を通してガス化装置205に供給され得る。空気分離ユニット222は、純粋な酸素、ほぼ純粋な酸素、本質的に酸素、又は酸素富化空気を、ライン104を通してガス化装置205に供給し得る。空気分離ユニット222は、ライン104を通してガス化装置205に、窒素が少なく酸素に富む供給物を供給し得るので、ライン106を通して合成ガス冷却器305に供給される合成ガスの窒素濃度を最低限にし得る。純粋な又はほぼ純粋な供給酸素の使用により、本質的に窒素を含まない(例えば、0.5mol%未満の窒素/アルゴンを含む)ことが可能な合成ガスをガス化装置205が生成することが可能になる。空気分離ユニット222は、高圧低温タイプの分離器であり得る。空気は、ライン101を通して空気分離ユニット222に導入され得る。空気分離ユニット222からライン223を通して分離された窒素は、SNG生成設備300で使用され得る。例えば、ライン223を通る窒素は、燃焼タービン(示されていない)に導入され得る。空気分離ユニット222は、ガス化装置205に導入される全酸化剤の約10%、約30%、約50%、約70%、約90%、又は約100%を供給し得る。
【0045】
1つ又は複数の実施形態において、空気分離ユニット222は、約2,000kPaから約10,000kPa又はこれを超える範囲の圧力で酸素を供給し得る。例えば、空気分離ユニット222は、ガス化装置205内の圧力より約1,000kPa大きい圧力、及び雰囲気温度で、約99.5パーセントの純度の酸素を、ガス化装置205に供給し得る。酸素の流れは、ガス化装置205内で起こる炭素の燃焼量を制限し、ガス化装置の温度を保つために制御され得る。酸素は、約0.1:1から約1.2:1の範囲の比(酸素の重量:乾燥し、無機物質を除いた供給原料の重量)でガス化装置205に入り得る。1つ又は複数の実施形態において、酸素と供給原料の比は、約0.66:1から約0.75:1であり得る。
【0046】
図1及び2を参照して上で説明され記載されたように、原料合成ガスは、ライン106を通して合成ガス冷却器305に導入され得る。合成ガス冷却器305は、図2を参照して上で説明され記載されたように、3つの熱交換器を含み得る。1つ又は複数の実施形態において、合成ガス冷却器305は、他の任意の間接的熱交換装置であり得る、又はそれを含み得る。
【0047】
ライン106の合成ガスは、合成ガス冷却器305によって冷却され、ライン116を通る冷却された合成ガスは、合成ガス精製設備400に導入され得る。1つ又は複数の実施形態において、合成ガス精製設備400は、1つ又は複数の微粒子制御装置410、1つ又は複数のサチュレータ420、1つ又は複数のガスシフト装置430、1つ又は複数のCOS加水分解装置480、1つ又は複数のアンモニア洗浄除去装置490、1つ又は複数のガス冷却器440、1つ又は複数のフラッシュガス分離器446、1つ又は複数の水銀除去装置450、1つ又は複数の酸性ガス除去装置460、1つ又は複数の硫黄回収ユニット466、及び/又は1つ又は複数の炭素取扱い圧縮ユニット470を含み得る。
【0048】
冷却された合成ガスは、ライン116を通して微粒子制御装置410に導入され得る。微粒子制御装置410は、高温微粒子フィルターのような1つ又は複数の分離装置を含み得る。微粒子制御装置410は、約0.1ppmwの検出限界より低い微粒子濃度を有する濾過された合成ガスを供給し得る。例示的な微粒子制御装置には、これらに限らないが、焼結金属フィルター(例えば、鉄アルミニド・フィルター材料)、金属キャンドル・フィルター、及び/又はセラミック・キャンドル・フィルターが含まれ得る。微粒子制御装置410は、合成ガスから微粒子を除去する効率により、水スクラバの必要性を除き得る。水スクラバの除去は、汚れた水又は雑排水(grey water)設備の除去を許し、プロセス水の消費及び関連する廃水の関連する廃水の排出を減らし得る。
【0049】
固体微粒子は、ライン412を通して設備からパージされ得る、又はガス化装置205にリサイクルされ得る(示されていない)。微粒子制御装置410を出て行くライン414を通る濾過された合成ガスは、分割され、合成ガスの少なくとも一部は、ライン415を通してサチュレータ420に導入され、別の部分は、ライン416を通して硫化カルボニル(「COS」)加水分解装置480に導入され得る。熱が、ライン416の冷却された合成ガスから回収され得る。例えば、ライン416の冷却された合成ガスは、1つの熱交換器又は一連の熱交換器に曝され得る(示されていない)。1つ又は複数の実施形態において、ライン415を通してサチュレータ420に導入される冷却された合成ガスの部分、及びライン416を通してCOS加水分解装置480に供給される部分は、少なくともある程度、メタン化装置500の入口での、水素と一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の所望の比に基づき得る。示されていないが、1つ又は複数の実施形態において、ライン414を通る濾過された合成ガスは、サチュレータ420及びCOS加水分解装置480の両方に順次導入され得る。
【0050】
サチュレータ420は、冷却された合成ガスがライン424を通してガスシフト装置430に導入される前に、ライン415の冷却された合成ガスの水分含量を増すために使用され得る。SNG設備300における他の装置によって発生したプロセス凝縮物が、ライン442を通してサチュレータ420に導入され得る。例示的な凝縮物には、アンモニア・スクラバ490からのプロセス凝縮物、合成ガス冷却器305からの第1プロセス凝縮物、ガス冷却器440からの第2プロセス凝縮物、メタネーター500からのプロセス凝縮物、又はこれらの組合せが含まれ得る。補給水、例えば脱塩水もまた、ライン418を通してサチュレータ420に供給され得る。補給水は、適正な水バランスを保つために使用され得る。
【0051】
1つ又は複数の実施形態において、サチュレータ420は、熱を必要とし、必要な熱の約70パーセントから75パーセントは、ライン415の冷却された合成ガスによって供給される顕熱、さらには、SNG設備300の他の部分から得られる中乃至低品位熱であり得る。必要な熱の約25パーセントから30パーセントは、間接的水蒸気再沸騰によって供給され得る。1つ又は複数の実施形態において、間接的水蒸気再沸騰には中圧水蒸気を用いることができ、例えば、その水蒸気は、約4,000kPaから約4,580kPaの範囲の圧力を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、サチュレータ420には、未使用水蒸気は添加されない。サチュレータ420への未使用水蒸気の添加がないことは、必要とされる全体としての水補給を最低限にし、ライン422を通るサチュレータのブローダウンを減らし得る。
【0052】
飽和した合成ガスは、ライン424を通してガスシフト装置430に導入され得る。1つ又は複数の実施形態において、ガスシフト装置430は、並列の1段階又は2段階ガスシフト触媒床設備を含み得る。ライン424の飽和した合成ガスは、ガスシフト装置430に入る前に、予備加熱され得る。飽和した合成ガスは、約0.8:1から約1.2:1又はこれを超える範囲の水蒸気:乾燥ガスのモル比で、ガスシフト装置430に入り得る。ライン424の飽和した合成ガスの温度は、約200℃から約295℃、約190℃から約290℃、又は約290℃から約300℃又はこれを超える範囲であり得る。ライン424の飽和した合成ガスは硫化カルボニルを含み得るが、これは、ガスシフト装置430によって、少なくとも部分的に、硫化水素に加水分解され得る。
【0053】
ガスシフト装置430は、ライン432を通るシフト反応を受けた合成ガスを得るように、飽和した合成ガスを転化するために用いられ得る。1つ又は複数の実施形態において、ガスシフト装置430は、一酸化炭素を二酸化炭素に転化させることによって合成ガスの水素と一酸化炭素の比を調節するように、1つ又は複数のシフト転化器を含み得る。ガスシフト装置430には、これらに限らないが、1段階断熱固定床反応器、段階間の冷却を伴う多段階断熱固定床反応器、水蒸気生成又は低温急冷(cold quench)反応器、水蒸気発生又は冷却を伴う管状固定床反応器、流動床反応器、又はこれらの任意の組合せが含まれ得る。
【0054】
1つ又は複数の実施形態において、コバルト−モリブデン触媒が、ガスシフト装置430に組み入れられ得る。コバルト−モリブデン触媒は、硫化水素の存在下に、例えば約100ppmwの硫化水素の存在下に、約290℃の温度で機能し得る。コバルト−モリブデン触媒が含硫黄シフト(sour shift)を実施するために使用される場合、それに続く下流の硫黄除去は、どのような硫黄除去方法及び/又は技術を用いて実施されてもよい。
【0055】
ガスシフト装置430は、直列に配置された2つの反応器を含み得る。第1の反応器は、これらに限らないが、銅−亜鉛−アルミニウム、酸化鉄、亜鉛フェライト、マグネタイト、酸化クロム、これらの誘導体、又はこれらの任意の組合せであり得る触媒を用い、比較的速い反応速度で、ライン424の飽和した合成ガス中に存在する一酸化炭素の大部分を二酸化炭素に転化するように、約260℃から約400℃の高温で操作され得る。第2の反応器は、二酸化炭素及び水素への一酸化炭素の転化を最大化するように、約150℃から約200℃の比較的低い温度で操作され得る。第2の反応器は、これらに限らないが、銅、亜鉛、銅で促進されるクロム、これらの誘導体、又はこれらの任意の組合せが含まれる触媒を使用し得る。ガスシフト装置430は、シフト反応を受けた合成ガスから熱を回収し得る。回収された熱は、ライン424の飽和した合成ガスを、それがガスシフト装置430に入る前に、予備加熱するために使用され得る。1つ又は複数の実施形態において、回収された熱は、合成ガスサチュレータ420の熱負荷の少なくとも一部を供給し得る。1つ又は複数の実施形態において、回収された熱は、シフト反応器への供給ガスを予備加熱する、及び/又は中圧水蒸気を生成し得る。1つ又は複数の実施形態において、回収された熱は、リサイクルされた凝縮物を予備加熱し得る、又はSNG設備300に導入される補給水を予備加熱し得る。1つ又は複数の実施形態において、回収された熱は、酸性ガス除去装置460の熱負荷の少なくとも一部を供給し得る。1つ又は複数の実施形態において、回収された熱は、炭素質供給原料及び/又はSNG設備300内の他の設備を乾燥するための熱の少なくとも一部を提供し得る。
【0056】
飽和した合成ガスが、シフト反応を受けた合成ガスを生成するシフト反応を受けた後、シフト反応を受けた合成ガスは、ライン432を通してガス冷却器440に導入され得る。ガス冷却器440は、間接的な熱交換器であり得る。ガス冷却器440は、ライン432のシフト反応を受けた合成ガスから、ガスシフト装置430によって回収されなかった熱の少なくとも一部を回収し得る。ガス冷却器440は、シフト転化され冷却された合成ガス及び第2凝縮物を生成し得る。シフト転化され冷却された合成ガスは、ライン449を通りガス冷却器440を出て行き得る。440からの第2プロセス凝縮物は、フラッシュガス分離器446を通った後、ライン442を通してサチュレータ420に導入され得る。
【0057】
COS加水分解装置480は、ライン416の冷却された合成ガス中の硫化カルボニルを、硫化水素に転化し得る。COS加水分解装置480は、かなりの数の並列硫化カルボニル反応器を含み得る。例えば、COS加水分解装置480は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、又は10以上の並列硫化カルボニル反応器を有し得る。ライン416の濾過された合成ガスは、COS加水分解装置480に入り、並列硫化カルボニル反応器を通ることができ、硫化水素・合成ガスはライン482を通してCOS加水分解装置480を出て行き得る。ライン482の硫化水素・合成ガスは、約1ppmv以下の硫化カルボニル濃度を有し得る。ライン482の硫化水素・合成ガスの熱は、回収でき、ボイラー供給水を予備加熱するために、炭素質供給原料を乾燥するために、SNG設備300の他の部分の熱源として、又はこれらを組み合わせて使用され得る。熱交換器(示されていない)が、ライン482の硫化水素・合成ガスから熱を回収するために使用され得る。例示的な熱交換器には、シェル・アンド・チューブ熱交換器、同心流熱交換器、又は他の任意の熱交換装置が含まれ得る。熱がライン482の硫化水素・合成ガスから回収された後、ライン482の硫化水素・合成ガスは、アンモニア洗浄除去装置490に導入され得る。
【0058】
アンモニア洗浄除去装置490は、ライン482の硫化水素・合成ガスからアンモニアを除去するために水を用い得る。ライン488を通る水が、アンモニア・スクラバ490に導入され得る。ライン488を通る水は、SNG生成設備300の他の部分からのリサイクル水であり得る、又は外部の源から供給される補給水であり得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン488を通してアンモニア・スクラバ490に供給される水は、炭素質供給原料の乾燥の間に生成する水を含み得る。冷却された合成ガスを洗浄するために使用される、ライン488を通る水は、約50℃から約64℃の範囲の温度で供給され得る。1つ又は複数の実施形態において、この水は、約54℃の温度を有し得る。水はまた、合成ガス中の任意のフッ化物及び/又は塩化物の少なくとも一部も除去し得る。したがって、アンモニア、フッ化物、及び/又は、塩化物を含む廃水が、アンモニア・スクラバによってもたらされ、アンモニア・スクラバ490からの廃水は、ライン492を通してガス冷却器440に導入され、一緒にされた凝縮物を得るように、第2プロセス凝縮物と一緒にされ得る。一緒にされた凝縮物は、ライン444を通してフラッシュガス分離器446に供給でき、任意のフラッシュガス分離器が使用され得る。ライン444の一緒にされた凝縮物は、フラッシュガス分離器446に入る前に、予備加熱され得る。ライン444の一緒にされた凝縮物は、約2,548kPaから約5,922kPaの範囲の圧力を有し得る。ライン444の一緒にされた凝縮物は、フラッシュガス分離器446においてフラッシュされ得る。一緒にされた凝縮物がフラッシュされるとき、フラッシュしたガス及び凝縮物が生成され得る。フラッシュしたガスはアンモニアを含み得る。フラッシュしたガスは、ライン448を通してガス化装置205にリサイクルして戻され得る。凝縮物はライン442を通してサチュレータ420にリサイクルされ得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン448のフラッシュしたガス中のアンモニアは、ガス化装置205内で窒素及び水素に転化され得る。
【0059】
洗浄された合成ガスは、アンモニア・スクラバ490から、ライン494を通してガス化装置205に導入され得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン494の洗浄された合成ガスの一部は、ライン496を通してガス化装置205にリサイクルして戻され得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン494の洗浄された合成ガスの別の部分は、ライン497を通る混合合成ガスを得るように、ライン449のシフト反応を受け冷却された合成ガスと一緒にされ得る。ライン497の混合合成ガスは、予備加熱され、水銀除去装置450に導入され得る。ライン497の混合合成ガスは、約60℃から約71℃、約20℃から80℃、又は約60℃から約90℃の範囲の温度を有し得る。
【0060】
水銀除去装置450は、これに限らないが、処理される合成ガス中に存在する水銀の、すべてではないとしても、かなりの量を吸着し得る活性炭床を含み得る。水銀除去装置450からライン452を通して回収される処理された合成ガスは、酸性ガス除去装置460に導入され得る。
【0061】
酸性ガス除去装置460は、処理された合成ガスから二酸化炭素を除去し得る。酸性ガス除去装置460は、これに限らないが、物理的溶媒に基づく2段階酸性ガス除去設備を含み得る。物理的溶媒には、これらに限らないが、Solexol(商標)(ポリエチレングリコールのジメチルエーテル)、Rectisol(商標)(低温メタノール)、又はこれらの組合せが含まれ得る。1つ又は複数の実施形態において、処理された合成ガスから何らかの酸性ガスの少なくとも一部を除去して、ライン118を通る処理された合成ガスを得るように、1種又は複数のアミン溶媒(例えば、メチル−ジエタノールアミン(MDEA))が使用され得る。処理された合成ガスはライン118を通してメタネーター500に導入され得る。ライン118の処理された合成ガスは、約0mol%から約40mol%の高値までの二酸化炭素含量を有し得る。ライン118の処理された合成ガスは、約0.1ppmv以下の全硫黄含量を有し得る。
【0062】
二酸化炭素は、低圧の二酸化炭素に富む流れとして、ライン464を通して回収され得る。ライン464の二酸化炭素含量は、約95mol%以上の二酸化炭素であり得る。低圧二酸化炭素流は、20ppmv未満の硫化水素含量を有し得る。低圧二酸化炭素流は、ライン464を通して炭素取扱い圧縮ユニット470に導入され得る。ライン464の低圧二酸化炭素流は、1つ又は複数の圧縮系列に曝され、二酸化炭素は、約13,890kPaから約22,165kPaの範囲の圧力の高密度相流体として、ライン472を通って炭素取扱い圧縮ユニット470を出て行き得る。1つ又は複数の実施形態において、高密度相流体は、オイル回収の向上に使用され得る、又は隔離され得る。1つ又は複数の実施形態において、炭素取扱い圧縮ユニット470は、4段階コンプレッサ又は任意の他のコンプレッサであり得る。例示的なコンプレッサには、電気駆動を有する4段階中間冷却遠心コンプレッサが含まれ得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン472の二酸化炭素流は、二酸化炭素パイプライン仕様に従い得る。
【0063】
酸性ガス除去装置460はまた、処理されたガスから硫黄も除去し得る。硫黄は硫化水素に富む流れとして濃縮され得る。硫化水素に富む流れは、硫黄の回収のために、ライン462を通して硫黄回収ユニット466に導入され得る。例として、硫黄回収ユニット466は、酸素で燃料させるクラウス(Claus)ユニットであり得る。ライン462の硫化水素の流れは、硫黄回収ユニット466において燃やされるとき、テイルガスが生成され得る。テイルガスは、圧縮され、ライン468を通して、酸性ガス除去装置460の上流にリサイクルされ得る。
【0064】
ライン118の処理されたガスの一部は、ライン499を通して取り出され、燃料ガスとして使用され得る。燃料ガスはSNG設備300のための動力を提供するために燃焼され得る。ライン118の残りの処理された合成ガスは、メタネーター500に導入され得る。処理された合成ガスは、0mol%から約50mol%の窒素、及び約0mol%から約5mol%の高値までの範囲のアルゴン含量を有し得る。
【0065】
ライン120を通る熱伝達媒体が、図1及び2を参照して上で説明され記載されたように、メタネーター500に導入され得る。メタネーター500は、ライン509を通るメタン化凝縮物をもたらし得る。ライン509のメタン化凝縮物の少なくとも一部は、SNG設備300にリサイクルして戻され得る。1つ又は複数の実施形態において、メタン化凝縮物は、ライン509を通してフラッシュガス分離器446に、リサイクルして戻され、メタン化凝縮物は、ライン442の凝縮物の少なくとも一部を提供するために、前記の一緒にされた凝縮物と共に、フラッシュガス分離器446において、フラッシュされ得る。
【0066】
別の実施形態において、ライン509のメタン化凝縮物は、ガス冷却器440、サチュレータ420、又はSNG設備300の他の部分にリサイクルして戻され得る。メタネーター500は、ライン124を通して合成ガス冷却器305に高圧水蒸気を供給し得る。合成ガス冷却器305は、上で説明され記載されたように、ライン110を通る過熱高圧水蒸気を得るように、高圧水蒸気を過熱し得る。過熱高圧水蒸気は、SNG設備300のための電気を生成するように、1つ又は複数の水蒸気タービン発電機に導入され得る。
【0067】
1つ又は複数の実施形態において、メタネーター500は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つの、又は20のメタネーター反応器さえ含み得る。メタネーター500はまた、メタネーター反応器の各々において適正な温度が保たれることを保証するために、様々な熱交換器及び混合備品も含み得る。反応器は、メタン化触媒を含み得る。メタン化触媒には、ニッケル、ルテニウム、別の一般的なメタン化触媒物質、又はこれらの組合せが含まれ得る。メタネーター500は、約150℃から約1,000℃の温度に保たれ得る。メタネーター500は、ライン122を通して、SNG乾燥及び圧縮装置510にSNGを供給し得る。
【0068】
1つ又は複数の実施形態において、メタネーター500は、並列に配置された3つの反応器を含むことができ、4つ目の反応器は、3つの並列の反応器(示されていない)と直列であり得る。3つの並列の反応器は、4つ目の反応器に導入される全SNGの一部を供給し得る。3つの反応器はまた、リサイクル流を有していてもよく、この流れは、3つの反応器の各々の入口にSNGの一部をリサイクルして戻し得る。SNGは、4つ目の反応器からライン122を通してSNG乾燥及び圧縮装置510に供給され得る。
【0069】
SNG乾燥及び圧縮装置510は、百万標準立方メートル(Mscm)当たり約3.5キログラム以下の水にまで、ライン122のSNGを脱水し得る。脱水は、通常のトリ−エチレングリコール・ユニットにおいて実施され得る。脱水の後、ライン122のSNGは、圧縮され、冷却され、ライン512を通してエンドユーザー又はパイプラインに導入され得る。ライン512のSNGは、約1,379kPaから約12,411kPaの範囲の圧力、約20℃から約75℃の温度を有し得る。1つ又は複数の実施形態において、ライン122のSNGは、圧縮され、圧縮後、ライン122のSNGは脱水され得る。
【0070】
理論的実施例(prophetic example)
(実施例I)
本発明の実施形態は、以下の模擬プロセスによりさらに説明することができる。上に記載の1つ又は複数の設備は、理論的に、ワイオミング州パウダー川流域(Wyoming Powder River Basin、「WPRB」)石炭で使用され得る。WPRB石炭には、下の表1に示す組成を与えた。
【表1】

【0071】
ガス化装置205からライン106を通る原料合成ガスの模擬組成は、表2に示す組成を有すると計算した。
【表2】

【0072】
模擬プロセス条件に基づいて、WPRB石炭のガス化から得られる合成ガスが、上で説明され記載された1つ又は複数の実施形態に従って処理されるとき、ライン118を通してメタネーター500に導入される処理された合成ガスは、表3に示される組成を有し得る。
【表3】

【0073】
上で説明され記載された1つ又は複数の実施形態によるプロセスを用いて、WPRB石炭から、SNGを生成するに際しての、計算された供給物の要件及びいくらかの副生成物生成は、表4に示すようであり得る。供給物要件及び副生成物(二酸化炭素)生成は、約36MJ/scmの発熱量を有するSNGを1日当たり約430万標準立方メートル製造するという仮定を用いて計算した。
【表4】

【0074】
ARは、トン/日で表した、計算された無処理石炭供給速度であり、無処理石炭は27.21wt%のWPRB石炭の水分含量を有していた。AFは、石炭がガス化装置205に導入されるときの計算された石炭供給速度であり、石炭は17.89wt%のWPRB石炭の水分含量を有していた。1トンの石炭当たりの酸素は、水分及び灰分を除いた上で計算した。SNG設備(これは、WPRB石炭に由来する合成ガスを用いる)への計算された補給水は、約1.14立方メートル/分(CMPM)である。燃料ガスは、4.3Mscmdの目標とするSNG製造を達成するのに必要とされる処理された合成ガスを上回って製造された、処理された合成ガスであり、これは、SNG設備で燃料として使用され得る。表4に挙げられた副生成物(二酸化炭素)に加えて、WPRB石炭を用いて生成する他の副生成物は、約33トン/日の速度の硫黄、及び約814トン/日の速度の灰分を含むと計算された。
【0075】
(実施例II)
上で記載された1つ又は複数の設備は、理論的に、ノースダコタ亜炭で使用され得る。ノースダコタ亜炭には、下の表5に下に示す組成物を与えた。
【表5】

【0076】
ガス化装置205からライン106を通る原料合成ガスの模擬組成は、表6に示す組成を有すると計算した。
【表6】

【0077】
模擬プロセス条件に基づいて、ノースダコタ亜炭のガス化による、ライン106を通る原料合成ガスが、上で説明され記載された1つ又は複数の実施形態に従って処理されるとき、メタネーター500に導入される、ライン118を通る処理された合成ガスは、表7に示される組成を有し得る。
【表7】

【0078】
ノースダコタ亜炭による、計算された供給物の要件及びSNG製造の間に生成するいくつかの副生成物は、表8に示すようであり得る。表8の値は、3つのガス化装置205の使用に基づいていた。供給物要件及び副生成物生成は、約36MJ/scmの発熱量を有する約4.3MscmdのSNGの製造を仮定して計算した。
【表8】

【0079】
ARは、トン/日で表した、計算された無処理石炭供給速度であり、無処理石炭は29.82wt%のノースダコタ亜炭の水分含量を有していた。AFは、石炭がガス化装置205に導入されるときの計算された石炭供給速度であり、石炭は17.89wt%のノースダコタ亜炭の水分含量を有していた。1トンの石炭当たりの酸素は、水分及び灰分を除いた上で計算した。SNG設備(これは、ノースダコタ亜炭に由来する合成ガスを用いる)への計算された補給水は、約0.267CMPMである。表8に挙げられた副生成物(二酸化炭素)に加えて、ノースダコタ亜炭を用い生成する他の副生成物は、約79トン/日の速度の硫黄、及び約1,521トン/日の速度の灰分を含むと計算した。
【0080】
模擬補助動力要求
以下の節は、SNG施設の補助動力負荷要求、発電の概念、及び電力要求の不足分を満たす選択肢について検討する。バッテリーリミット外(outside battery limit、「OSBL」)の水蒸気及び動力設備は、水蒸気発生設備及び発電設備を含む。バッテリーリミット内(「ISBL」)のプロセス・ユニットは、廃熱回収からかなりの量の水蒸気を生成し、これは、1つ又は複数の水蒸気タービン発電機(「STG」)で電力をつくるために使用され得る。具体的な配置構成は、電力の不足分に関する決定に依存し得る。例えば、十分な電力が地域の電力供給網から競争価格で信頼して利用できる場合、電力要求の不足分は購入され得る。しかし、十分な電力が信頼して利用できない場合、SNG施設は、電気的に、「アイランドモード(island mode)」で運転でき、オンサイトですべての電力を発生させることができる。本発明のSNG設備は他のSNG設備より効率的であるため、アイランドモードは、本発明のSNG設備で可能である。考慮される基本的な設計の選択肢は、以下を含む:
a)基本ケース−電力要求の不足分を供給網から購入する。
b)選択肢1−アイランド操作、電力の不足分を燃焼ボイラー及びより大きなSTGにより供給。
c)選択肢2−アイランド操作、電力の不足分をガスタービン発電機(GTG)、廃熱回収ボイラー(heat recvery steam generator、HRSG)、及びより大きなSTGにより主に供給。
【0081】
表9及び10は、WPRB及びノースダコタ亜炭のケースについて、水蒸気及び発電設備の基本的な性能パラメータを要約する。
【0082】
WPRBのケースの説明
模擬WPRB石炭のケースでは、目標とする4.3MscmdのSNG生産速度に対して、製造される合成ガス(燃料ガス)に余剰がある。基本ケースの選択肢において、この余剰合成ガスは、より多くの電力をSTGにより生成するためにボイラー燃料として使用され、電力の不足分はオフサイトで購入され得る。選択肢1及び2では、電力の不足分は、オンサイトで生成される。ガス化装置から生成する合成ガスの量を固定して、燃料として合成ガスを用いると、示されているように、選択肢1におけるSNGの正味の生産は減少し得る。選択肢2では、わずかな余剰合成ガスが、電力発生の要求を満たした上で、利用できる(即ち、表9は、選択肢2では、負荷よりわずかに多い電力発生を示す)。これは、選択肢1に対して選択肢2のより高い効率のためである。超過の合成ガスは、SNG生産をわずかに増すために使用され得る、又は合成ガス要求がバランスを保つように、コジェネサイクルがずらされ得る。例えば、1つ又は複数のGTGでの負荷は減らすことができ、1つ又は複数のHRSGでのダクト燃焼(duct firing)は増やすことができる。
【表9】

【0083】
ノースダコタ亜炭のケースの説明
ノースダコタ亜炭のケースでは、基本ケースの選択肢において、電力の不足分はオフサイトから購入される。選択肢1及び2において、電力の不足分はオンサイトで発生される。追加の燃料ガスは利用できないので、選択肢1及び2での余分の燃料の必要は、SNG製造における相当する減少として示されている。
【表10】

【0084】
特定の実施形態及び特徴が、1組の数値の上限及び1組の数値の下限を用いて説明された。特に断らなければ、任意の下限から任意の上限までの範囲が想定されていることが理解されるべきである。特定の下限、上限及び範囲は、下の1つ又は複数の請求項に現れる。すべての数値は、「約」又は「ほぼ」その示された値であり、当業者によって予想されると思われる数値の誤差及び変動を考慮に入れている。
【0085】
様々な用語が上で定義された。請求項において使用される用語が上で定義されていないのであれば、その用語は、当業者が、少なくとも1つの印刷刊行物又は発行された特許に示されるとして、その用語に与えた最も広い定義を与えられるべきである。さらに、本出願において引用されているすべての特許、試験手順、及び他の文書は、それらの開示が本出願と矛盾しない範囲内で、またこのような組込みが許されるすべての法域に対して、参照によって全体として組み込まれる。
【0086】
前記は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の他のさらなる実施形態は、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決められる。
【符号の説明】
【0087】
100 例示的SNG設備
101 空気
102 炭素質供給原料
104 酸化剤
106 原料合成ガス
108 熱伝達媒体(プロセス水、ボイラー供給水)
110 (過熱高圧)水蒸気
112 熱伝達媒体(水蒸気)
114 (過熱高圧)水蒸気
116 冷却された合成ガス
118 (精製)処理された合成ガス
120 熱伝達媒体
122 メタン化合成ガス又はSNG
124 (高圧)水蒸気、加熱された熱伝達媒体
127 水蒸気
200 別の例示的SNG設備
205 ガス化装置
215 混合ゾーン
220 ライザー
222 空気分離器ユニット
223 窒素
230 分離器
245 微粒子移動装置
250 スタンドパイプ
255 微粒子(再循環固体)、J−レッグ
300 別の例示的SNG設備
305 合成ガス冷却器
310 第1熱交換器(第1ゾーン、ボイラー)
315 冷却された原料合成ガス
320 第2熱交換器(第2ゾーン、過熱器)
325 冷却された原料合成ガス
330 第3熱交換器(第3ゾーン、エコノマイザ)
338 凝縮物
340 水蒸気ドラム又は分離器
342 水蒸気
344 水蒸気
346 凝縮物
350 過熱水蒸気、過熱高圧水蒸気
360 水蒸気タービン
380 発電機
390 凝縮物
400 合成ガス精製設備
410 微粒子制御装置
412 固体微粒子
414 濾過された合成ガス
415 濾過された合成ガスの一部
416 濾過された合成ガスの一部
418 補給水
420 サチュレータ
422 ブローダウン
424 飽和した合成ガス
430 ガスシフト装置
432 シフト反応を受けた合成ガス
440 ガス冷却器
442 凝縮物
444 一緒にされた凝縮物(アンモニア・スクラバからの廃水+第2凝縮物)
446 フラッシュガス分離器
448 フラッシュしたガス
449 シフト転化され冷却された合成ガス
450 水銀除去装置
452 処理された合成ガス
460 酸性ガス除去装置
462 硫化水素に富む流れ
464 低圧の二酸化炭素に富む流れ
466 硫黄回収ユニット
468 テイルガス
470 炭素取扱い圧縮ユニット
472 高密度相流体(二酸化炭素)
480 COS加水分解装置
482 硫化水素・合成ガス
488 水
490 アンモニア洗浄除去装置(スクラバ)
492 廃水
494 洗浄された合成ガス
496 洗浄された合成ガスの一部
497 混合合成ガス
499 処理された合成ガスの一部(燃料ガス)
500 メタネーター
509 メタン化凝縮物
510 SNG乾燥及び圧縮装置
512 脱水、圧縮、冷却されたSNG

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料合成ガスを得るように、炭素質供給原料をガス化装置内でガス化すること;
冷却された原料合成ガスを得るように、原料合成ガスを冷却すること;
処理された合成ガスを得るように、冷却された原料合成ガスを精製設備内で処理すること(ここで、精製設備は、ガス化装置及びサチュレータと流体連通したフラッシュガス分離器を含む);
水蒸気、メタン化凝縮物、及び合成天然ガスを得るように、処理された合成ガスを合成天然ガスに転化すること;及び
メタン化凝縮物をフラッシュガス分離器に導入すること;
を含む、合成天然ガスの製造方法。
【請求項2】
炭素質供給原料が窒素を含み、炭素質供給原料をガス化することが、炭素質供給原料中の窒素の約20%から約100%をアンモニアに転化することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
原料合成ガスを冷却することが、過熱水蒸気を得るように、水蒸気から原料合成ガスに間接的に熱交換することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ガス化装置が約870℃から約1100℃の範囲の温度で操作される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
原料合成ガスが約3mol%以上のメタン濃度を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
合成天然ガスが、約85mol%から約100mol%のメタン濃度を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
処理された合成ガスの合成天然ガスへの転化の間に生成する水蒸気が、約4,000kPaから約14,000kPaの圧力を有する飽和水蒸気である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
原料合成ガスを得るように、炭素質供給原料をガス化装置内でガス化すること;
冷却された原料合成ガスを得るように、原料合成ガスを冷却すること;
処理された合成ガスを得るように、冷却された原料合成ガスを精製設備内で処理すること(ここで、精製設備は、ガス化装置及びサチュレータと流体連通したフラッシュガス分離器を含む);
水蒸気、メタン化凝縮物、及び合成天然ガスを得るように、処理された合成ガスを合成天然ガスに転化すること;
メタン化凝縮物をフラッシュガス分離器に導入すること;
過熱水蒸気を得るように、原料合成ガスから水蒸気に間接的に熱交換すること;及び
電力及び凝縮物を得るように、過熱水蒸気を、発電機に連結した水蒸気タービンに導入すること;
を含む、合成天然ガスの製造方法。
【請求項9】
圧縮された合成天然ガスを得るように、合成天然ガスを圧縮することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
精製設備が電気負荷の必要性を有し、発電機に連結した水蒸気タービンによって発生する電力が、電気負荷の少なくとも一部を供給するように、精製設備に導入される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
原料合成ガスが少なくとも1mol%のメタンを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
ガス化装置が約870℃から約1100℃の範囲の温度で操作される、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
炭素質供給原料が、窒素を含み、炭素質供給原料をガス化することが、炭素質供給原料中の窒素の約20%から約100%をアンモニアに転化することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
合成天然ガスが、約85mol%から約100mol%のメタン濃度を備える、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
処理された合成ガスの合成天然ガスへの転化の間に生成する水蒸気が、約4,000kPaから約14,000kPaの圧力を有する飽和水蒸気である、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
微粒子を含む原料合成ガスを得るように、炭素質供給原料をガス化装置内でガス化すること;
冷却された合成ガス及び第1プロセス凝縮物を得るように、原料合成ガスを合成ガス冷却器内で冷却すること;
合成ガス冷却器内の第1プロセス凝縮物をリサイクルすること;
濾過された合成ガスを得るように、冷却された合成ガスから微粒子の少なくとも一部を微粒子制御装置内で除去すること;
飽和した合成ガスを得るように、濾過された合成ガスの第1部分にサチュレータ内で水分を添加すること;
シフト転化された合成ガスを得るように、飽和した合成ガスをシフト転化器内でシフト転化すること;
シフト転化され冷却された合成ガス及び第2プロセス凝縮物を得るように、シフト転化された合成ガスをガス冷却器内で冷却すること;
硫化カルボニルの少ない合成ガスを得るように、濾過された合成ガスの第2部分を硫化カルボニル加水分解装置内で加水分解処理すること;
洗浄された合成ガス及びアンモニアを含む廃水を得るように、硫化カルボニルの少ない合成ガスにアンモニア・スクラバ内で水によりアンモニア洗浄除去を行うこと;
一緒にされた凝縮物を得るように、第2凝縮物を廃水と一緒にすること;
洗浄された合成ガスの第1部分をガス化装置に導入すること;
混合合成ガスを得るように、洗浄された合成ガスの第2部分を、シフト転化され冷却された合成ガスと一緒にすること;
処理された合成ガスを得るように、混合合成ガスを処理すること;
水蒸気、メタン化凝縮物、及び合成天然ガスを得るように、処理された合成ガスをメタネーター内で転化すること;
圧縮された合成ガスを得るように、合成天然ガスを圧縮すること;
フラッシュされたガス及び凝縮物を得るように、一緒にされた凝縮物及びメタン化凝縮物をフラッシュガス分離器内で分離すること;
フラッシュされたガスをガス化装置に導入すること;
凝縮物をサチュレータに導入すること;及び
過熱水蒸気を得るように、原料合成ガスから水蒸気へ合成ガス冷却器内で間接的に熱交換すること;
を含む、合成天然ガスの製造方法。
【請求項17】
ガス化装置が約870℃から約1100℃の範囲の温度で操作される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
炭素質供給原料が窒素を含み、炭素質供給原料をガス化することが、炭素質供給原料中の窒素の約20%から約100%をアンモニアに転化することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
合成天然ガスが約85mol%から約100mol%のメタン濃度を備える、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
圧縮された合成天然ガスをパイプラインに導入することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
原料合成ガスが少なくとも1mol%のメタンを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
処理された合成ガスの合成天然ガスへの転化の間に生成される水蒸気が、約4,000kPaから約14,000kPaの圧力を有する飽和水蒸気である、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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