代替設計による感熱リストバンドのビジネスフォーム
医療または病院環境においても使用できるが、一般的な使用に特に適合されたビジネスフォームは複数のリストバンドのロールまたは連続構造体を含んでおり、各リストバンドは、連続支持体に沿って配置された一連の表面素材パッチを有する、ラミネート材料でできた下層の連続支持体から構成されたパネル内に個々に形成されている。各リストバンドには各表面素材パッチにダイカットされた表面素材画像領域と、ラミネート材料でできた下層の支持体にダイカットされたラミネート部分とが設けられ、2つのダイカット部分は互いに付着され、そのパネルから容易に分離するためにマトリックスを形成している。ラミネート部分は、表面素材部分を収容するための第1領域と、第1領域と表面素材部分を折り重ねて重ね合わせるための、同様のサイズで形成された第2の領域と、これと一緒にラミネート部分の両側に延びるペアのストラップとを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年12月23日付で出願され、現在米国特許第7,222,448号となっている出願番号第10/744,766号の一部継続出願であり、出願番号第10/744,766号は、2003年7月25日付で出願され、現在係属中の出願番号第10/627,135号の一部継続出願であり、出願番号第10/627,135号は、2002年10月30日付で出願され、現在係属中の出願番号第10/283,777号の一部継続出願であり、出願番号第10/283,777号は、2002年9月27日付で出願され、現在係属中の出願番号第10/256,758号の一部継続出願であり、これらの開示が、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
例えば医療患者といった人を、その人の所有物、またはその人に関連付けなければならない他の物品により個々に特定する方法が利用できれば好都合である状況が多々ある。このように書くと、2001年9月11日の悲劇的事件に関する最近の事件が、このような1つの状況の顕著な例となっている。そのような状況では、必死に医療を必要としている人々を彼らの所持品と結びつける適切な方法が存在しないことが明らかとなった。さらに恐ろしいことは、身体の各部分を特定し、それらを区別し、その悲惨な日に引き起こされた大混乱の中で、分類するために用いることができる一種のデータベースを構築する必要があることである。そのような状況下および多くの他の同様の緊急事態では、医療従事者および救急隊員は、彼ら自身への人的危険を避けるために用いられる手袋などの保護衣服を身に着けており、医療的処置を必要とする被害者に関して彼らに提示されているもの、貴重品を含む被害者の所有物、および被害者の家族と連絡を取るのに必要なものを分類するために、途方もない時間的プレッシャーを受ける。通常、環境は危険で、火災、飛び散る破片、崩壊するビル、呼吸できない空気などを伴う可能性があり、これは環境を、普段の病院または他の管理環境とは全く異なるものにし、いずれの「標準的な」形式の切迫した対応をも困難にする状況にある。
【0003】
考慮しなければならない状況の別の態様は、異なる治療担当者が1人の被害者に対処することが珍しくないということである。一般に、被害者が最初に治療を受ける場合、その人の損傷の性質および程度によって分類される。次に、被害者の数と医療関係者の数が一致しない状況下で、最もひどい損傷を受けた人が最初に治療を受け、残りの人は、時間が利用できるときに治療を受ける。これは通常手順であり、絶望的な状況において、人命の損失を最小限にするための試みである。したがって、一般に、被害者を「優先順位付け」し、その後に被害者の医療状況が何であるかを医療従事者に即座に明らかにする何らかの方法で、被害者を特定することが要求される。これは簡単に聞こえるが、これらの混乱状況の中では、十分に訓練された医療関係者であっても、このプロセスにおいて損失時間が発生し、優れた戦略がこの分類について用いられない場合、被害者は誤って特定されるか、または分類後の被害者の状態が容易に確認できなくなり、その結果、これらの「慈悲の天使」の貴重な時間が、1人の被害者から別の被害者へ移るに伴って、不必要に無駄になり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の緊急状況により、救急処置室において提供されている清潔な環境下での使用を意図した治療形態のニーズの範囲を越えた、独特なニーズが生じる。上述のように、医療関係者は、通常、手袋をはめており、また慌てている。したがって、使用されるいずれのフォームも、ぎこちない指で容易に操作されるように適合されていなければならない。取扱説明の時間はなく、したがって、フォームは、ほぼ直感的に使用できなければならない。通常、流体(不利な点は、血液および他の体液であることが最も多い)が存在するため、フォームは保護されなければならない。フォームを被害者およびその人の所有物に取り付けて、高信頼性で両者を関連付ける、簡単で、高速の、フールプルーフな方法でなければならない。さらに、被害者を迅速に処置し、情報を正確に収集するように、被害者にフォームを取り付けるとき、フォームからの身元特定情報を迅速に収集できる必要がある。身元特定情報は、一般に、あらかじめ考え抜かれていなければならず、優先順序付け作業と整合させるためにあらかじめコード化されてもよく、その結果、身元特定情報を知ることは単に、被害者の医療状態についての何らかの情報を伝えることになる。さらに、それぞれの被害者の状態に適合するフォームを使用する際に有効な柔軟性がいくらかあることが望ましい。
【0005】
この悲劇的事件によって実証されたさらに別の必要性は、家族やその他の愛する人に情報を提供する必要性である。9/11事件の後、愛する人が見つからない場合、家族やその他の人は何度も出かけて、通りを歩きまわり、どのような噂も追いかけ、地理的に離れた救急医療地を訪ね、情報を求めることが広く公表された。このこと自体が生存者の間に大きな不安と苦痛を引き起こした。家族にとって生存者に関する情報を入手することほど重要ではないが、情報を集約できないことは、悲劇的事件の大きさを判断できないことを含む、他の問題を生み出した。生存者の完全なリストは、たとえそのときまでに個々に情報を入手できていても、何日間も集約することができなかった。通常のデータベースにこのような情報を集約するのに適切な方法は全くなかった。インターネットを利用するいくつかの試みがなされたが、誤りが多く、少なくとも一部は、その情報の信頼性の欠如のために、そこに掲示された情報はすぐに無視された。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術におけるこれらのニーズおよび他のニーズを解決するために、本明細書において、発明者は、いくつかの実施形態で親出願において開示され、クレームされているビジネスフォームと、この種の医療的な緊急状況に対して特定の用途を有するフォームの使用を組み入れた方法とをこれまでに開発してきた。簡単に言えば、フォームの第1実施形態は紙製の支持体シートを備え、この支持体シートは、支持体シートから分離するために、リストバンド/ラベルアセンブリのダイカットを有する。好ましくは、紙製のシートは、識別表示をあらかじめプリントされ、カラーコード化され、好ましくはポリプラスチックでもよい保護被膜層で上面および下面が覆われている。リストバンド/ラベルアセンブリは、支持体フィルムの下側層に乾燥接着されてもよく、その結果、接着剤を残すことなくリストバンド/ラベルアセンブリを支持体から容易に分離できる。アセンブリのリストバンド部分は、一端にタブを有し、長いストラップ部分を有してもよい。このストラップ部分は、組み立てられると、被害者の手首などの対象物に巻かれ、タブ部分にスロットを備える「締付け部」を通して元に折り返され、次に、ストラップ部分の端部にある接着部分によってストラップ部分自体に付着される。タブは、好ましくは、複数の個々に分離可能な、ダイカットされたラベルを有しており、ラベルおよびリストバンドはそれぞれ、好ましくはバーコードであり得る識別表示を有する。親出願のうちの1つにおいて開示された実施形態では、スロットは、ラベルの内側にあるが、本明細書で最初に開示する実施形態では、スロットは、タブのラベル支持部分の外側にある。さらに、本明細書で最初に開示する実施形態は、より細く、よりスリムにし、医療的な表示を削除して、リストバンド/ラベルのフォームを、簡単な識別要素としてより普遍的に適用可能にする。
【0007】
使用中、親出願のリストバンド/ラベルアセンブリは、ラベルで埋められたタブを保持する支持体と、ストラップ部分とから分離されている。締付け部のスロットはダイカットされ、アセンブリは、下部のフィルム支持体シートと共に後ろに残すように接着されたフィラーで分離されるように形成される。ストラップ部分は、重ね合わされた下部パッチで覆われた端部を有し、その結果、ストラップ部分が分離すると、ストラップ部分は、接着剤を有する端部を覆う剥離カバーを保持する。支持体から分離した後、リストバンド/ラベルアセンブリは、流体による汚染を防ぐために、上面および下面の両方の上に保護層を有し、タブは、リストバンドから分離するために穴をあけられてもよいラベル部分を有する。各ラベルは個々に分離可能であり、識別表示が記載されている。好ましくは、リストバンドはカラーコード化されており、フォームは、それぞれが多数の異なる色のそれぞれのうちの複数の色を備えるセットで形成されてもよい。あるいは、カラーコード化され、穴をあけられたタブは、タブ部分の端部に設けられてもよく、これにより、医療技術者は、単に1つ以上のタブを分離し、正しいタブを外側タブとして残して、被害者の状態を視覚的に表示するだけでよい。好ましくは、タブ部分の各縁部に空白のタブを設けることにより、医療状態を表示する際の意識的な試みとしてのタブの分離に失敗したと誤って解釈されないようにする。さらに別の実施形態では、医療的な表示は削除されてもよく、ストラップ部分は、医療以外の目的で患者またはその他の個人の身元を単に表示するためのフォームをより一般的に使用可能にするようにスリムであってもよい。リストバンドは、ストラップ部分を人の外肢に巻き付け、ストラップ部分を外肢の周りに取り付けるためのスロットを備える「締付け部」を通してストラップ部分を滑らせ、ストラップ部分をきつく引っ張り、次に、剥離カバーを除去した後、接着剤でストラップ部分自体に付着するためにストラップ部分をその部分の上の折り返すことによって、容易に取り付けることができる。
【0008】
親出願において図示され、開示された第2実施形態では、リストバンド/ラベルアセンブリは、あらかじめプリントされ、アセンブリの最終構造では、タブ/ラベル部分とストラップ部分とを好ましくは4つの層から生成されるようにして、形成されている。上部の透明フィルム層が表面素材(face stock)層の上を覆い、表面層を保護し、この表面層の上に、バーコードとカラー「状態」コードとを含むあらかじめプリントされた情報がプリントされる。次に、同じく使用中の表面素材を保護するために、接着層が表面素材をベースのフィルム材料に接合する。いずれの実施形態においても、種々の寸法の身体部分にぴったりと合うように、2つ以上のスロット、すなわち「締付け」点が設けられてもよい。また、より小さいサイズまたは大きいサイズの、より多くのまたはより少ないバーコード付きのラベルが、設計者の選択または使用者のニーズに適する使用のために選択されてもよい。また、上述のように、スロットは、ラベル部分の外側にあってもよく、それによってリストバンドを人に取り付けやすくし、下にあるウェブが、リストバンドを意図した使用に維持するのに適切な強度よりも大きい強度を提供するので、完全性を犠牲にすることがない。
【0009】
親出願の発明の方法においては、フォームが被害者に取り付けられ、これにより被害者が識別表示に関連付けされ、被害者の所有物に適切にタグが付けられると、コンピュータにあらかじめロードされたソフトウェアは、利用可能なだけ被害者に関する多くの情報を受け取ることができる。情報のアイテムは、被害者に関連するカラーコード(好ましくは、被害者の医療状態を示す)、被害者の名前および他の人口学的情報、身長、体重、人種などの被害者の統計データ、被害者の損傷または状態の性質に関するより詳細な情報、その被害者が処置されている場所、およびその他の適切な情報を含んでもよい。このとき、コンピュータはオンラインに接続されてもよく、またはオンラインであってもよく、データセットがウェブサイトにアップリンクされてもよい。複数の治療センターがそれぞれ同時に被害者を処置し、ウェブサイトにデータを送信することにより、アクセスを容易にし、被害者の状態について知ることに関心がある人に表示することができる。被害者の状態が変化すると、更新情報をウェブサイトに提供できるが、親出願の方法が、大部分の人にできるだけ速く初期情報を提供することにおいて最も有効であると本発明者は考えている。更新情報は、被害者の家族が、治療が施されている場所を見つけ出し、そこに出向くときに、より直接的に利用できる。ウェブサイトおよびデータリンクの安全保護は、データの完全性を損う可能性のある何らかの危害が生じるのを防ぎ、その結果、家族は掲示された情報を信頼することができる。
【0010】
当業者であれば理解できるように、残念なことに、世界が現在直面しているテロの危険性の高まりを考えると親出願の発明を利用する必要があり、それに伴い、被害者を迅速に処置するだけでなく、これらの被害者に関する情報を収集し、配布する作業を容易にするニーズが増している。親出願の発明はこれらのニーズに対処するものであり、これらのニーズは、実際には、我々の世の中の移り変わりによって悪化した長年の切実なニーズである。このことから、これまでの説明は、親出願の発明のいくつかの利点および特徴の簡単な説明を提供する。読者の理解のために以下に述べる親出願の好ましい実施形態に関する図面および説明を参照することによって、より十分な理解が得られることができる。
【0011】
本発明者は、親出願の発明の特徴のうちのいくつかを採用し、それを利用して明細書では、本発明者に対して発行された特許(米国特許第6,438,881号明細書、第6,067,739号明細書、第6,000,160号明細書およびまだ係属中のその他の特許)により例示されるように、リストバンド技術における本発明者の従来の成果の上に構築している。これら特許の開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。上記で参照した、より最近出願された第2の特許出願において開示およびクレームされているように、本発明者の発明では、親出願の発明の「締付け部」を独特で非明示的な方法でセルフラミネート型リストバンドフォームに組み込んで、本明細書では利用できない多くの利点および特徴を提供している。第2の親出願の発明が、以下でより詳細に説明するように、いくつかの実施形態で例示され、実施形態はそれぞれにそれ自体の独特な利点および特徴を有するが、第2の親出願の発明は、本発明者の先の特許において見られる構成から逸脱していることを表している。相違点のうちのいくつかは、概して表面素材領域の片側から延びる単一の、好ましくは細いストラップ部分を用いることを含み、締付け部は、表面素材の片側に位置し、および表面素材の上を覆うラミネート部分の上部または下部部分のいずれかに近接して位置するスロットを備える。このように構成すると、本発明者の先の発明のリストバンド構成より優れたいくつかの利点が得られると考えられる。まず、本発明では、本発明者は、表面素材をあまり使わず、結果的に、オーバーラミネートする必要があるフォームの面積がより小さくなる。言い換えると、本発明者の先の特許権を有するリストバンドでは、実質的にリストバンドの全長が表面素材で構成され、リストバンドの全てがオーバーラミネートされた。より最近の親出願の発明では、好ましくは、表面素材の「パッチ」のみを使用し、これにより、プリントのための空間量が減少するが、同時に必要なオーバーラミネートの「パッチ」のサイズも小さくなる。このより小さいオーバーラミネートの「パッチ」は、看護士または他の医療専門家が折り重ねてアセンブリを完成させるのが容易になり、したがって、リストバンドを患者に取り付けるのがはるかに簡単になる。関連する利点は、患者の手首を取り囲む「ストラップ部分」から表面素材を削除することによって、このストラップ部分はより細くなり、単一のラミネート層から形成できる(接着剤を用いずに)ことである。これは、いくつかの理由によって患者にとってより快適となる。ストラップがより細くなることによって、患者が日常生活の動作を行う際に、患者が患者の手首を動かすとき、患者の皮膚を縛り、押し付けることが少なくなる。ストラップはまた、単一層のみで形成されると、より薄くなり、したがってより柔軟になり得る。この構成では、従来の設計よりも細いラミネート層を用いて、患者の快適さを高めることができる。入院中の患者は、一般に、患者の普段の環境の外にいることから始まる不快感を有し、入院治療を必要とする患者は一般に、年をとっていようと若かろうと、出生前のように虚弱であり、また患者の皮膚は通常よりも敏感になっている可能性があるため、患者の快適さは、重要な考慮事項である。したがって、患者の快適さは重要な設計基準である。
【0012】
さらに別の利点は、この設計に締付け部を組み込むことによって得られる。締付け部は、好ましくはリストバンドのいくつかの場所のうちの1つに位置し得るスロットを備えるが、締付け部はいくつかの独特な利点を提供する。第1に、必要な場合には、締付け部は看護士に熟知している容易な取付け治具を与えることから、および締付け部は男性も女性もほとんど全ての人が着用する普通のベルトとかなり類似していることから、締付け部は、リストバンドを患者により簡単に取り付けるために使用されてもよい。非協力的な、またはのた打ち回っている、またはそれ以外に抵抗する可能性のある患者に対しては、リストバンドを取り付けることは、ストラップをスロットに通すことを意味し、それが達成された後は、残りのなすべきことは比較的簡単である。きつく縛る必要がある患者に対して、締付け部は、締付け部とストラップが所定の位置に付着されている間にストラップをきつく締めて、そのきつく締めた状態を維持するための容易な手段を提供する。これによって、従来の設計を用いる場合よりもストラップの長さを簡単に組み込み調節することができる。締付け部は、バンド上のいくつかの場所のうちの1つに位置してもよく、各場所は、それ自体が独特な利点を提供する。表面素材とストラップとの中間に位置する場合、表面素材は、リストバンドが取り付けられた後に患者の手首から自由にぶら下がる「ハンギングタグ」に変わる。これは、看護士が表面素材にプリントされた情報を見つけて読むのを助け、また、表面が平坦である場合は、例えば携帯バーコードリーダを用いて、看護士が表面素材上にプリントされた表示を読み取るのを容易にする。また、このように構成すると、より小さいストラップが、例えば新生児などのより小さな手首に容易に取り付けられる。スロットが表面素材の外側に位置している場合、表面素材は従来のリストバンドよりも強く患者の手首を締め付け、折り重ねラミネート層の余分の領域を用いてストラップを所定の位置に付着するのに用いられ、より確実な取付けとしてもよい。いずれかの構成が、特定の用途に応じて望ましくなり、使用者の選択にゆだねられる。
【0013】
上述のように、ストラップ部分は、選択される実施形態に応じて、いくつかの方法のうちの1つで付着される。締付け部が表面素材とストラップとの中間にある場合、ストラップの端部は、スロットを通り抜けた後、ストラップの端部をストラップ自体の上に折り返して付着するために用いられる接着パッチを有する。締付け部が表面素材の外側にある場合、スロットを通る折り目と一緒に接着剤を保持し得るラミネート部分の「延長部」を用いて、ストラップがスロットを通り抜けた後、延長部を折り目で折り曲げ、ストラップを接着剤で所定の位置に「固定して」もよい。これは、ストラップを所定の位置に付着するための第2の手段を提供する。
【0014】
表面素材層は、ダイカットを用いて表面素材層内に画定されたプリント可能な領域または層を有し、一方、ラミネート層は、ラミネート層内にダイカットされた3つの要素を有する。ラミネート層は、ストラップ部分とラミネート部分と締付け部分と(これら全ては、ラミネート層内にダイカットされている)を有し、リストバンドが取り付けられた後にストラップをそれ自体に固定するために、好ましくはストラップ部分の先端部に接着剤を塗布し、また表面素材のプリント可能な領域を実質的に全体、および好ましくは全体を取り囲み、封止するためにラミネート部分に接着剤を塗布し、またストラップ部分が締付け部を通り抜けた後、ストラップ部分に付着するために締付け部分(表面素材の外側に位置する場合)に接着剤を塗布している。好ましくは、接着剤は表面素材の判読性(視認性およびバーコードの両方)を改善するために、表面素材上を覆うラミネート部分から削除されてもよい。本実施形態の変形形態においては、表面素材に対して概して垂直に整列したスロットであることが好ましい締付け部は、表面素材領域の外側または表面素材とストラップ部分との中間のいずれかで、いくつかの場所のうちの1つに位置してもよい。表面素材の外側に位置する場合、締付け部は、ラミネート部分の上部に近接するかまたは下部内のラミネート部分の延長部内のいずれかの2つの場所のうちの1つに位置してもよい。表面素材とストラップ部分との中間に位置する場合、締付け部は、ラミネート部分の上部および下部内の両方に位置するペアのスロットから形成されてもよい。この構成では、接着剤を塗布して、上部のラミネート部分および下部のラミネート部分を接合するが、看護士が時間を取り、および、ラミネート部分の半分部分を折り曲げて重ね合わせて表面素材を封止する前に、患者の協力を得てストラップをスロットのうちの1つだけを通り抜けさせることができない限り、接着剤は、ストラップを適切な位置に保持するのに役立たない。しかしながら、これは、最初に表面素材を封止し、その後ストラップをスロットに通り抜けさせることよりも望ましくない取付け手法であると考えられている。
【0015】
追加の特徴として、本発明者は、同じ2つの材料層内に形成される延長部材をこれまでに開発してきた。この延長部材は、一端に接着剤を塗布した折り重ねまたは「クラムシェル」部分を有し、他端に接着パッチを有する一本のラミネート層を備える。延長部材は、好ましくは、ストラップ部分と同じ幅になるようなサイズにされ、またストラップ部分へ、ストラップ部分の長さに沿って固定するクラムシェルを用いることによって、ストラップ部分に取り付けられる。この延長部材の接着パッチはストラップを接合する機能を果たす。延長部材を用いると、リストバンドは、好都合には、リストバンドが形成されているフォームまたは支持体の全長に限定されることなく、より大柄の患者に対して使用できる。
【0016】
これらの実施形態の変形形態においては、より最近の親出願の発明の新規なリストバンドは複数の自己接着性の剥離ラベルを備えるシートで形成されてもよく、これらラベルの全ては患者に関する識別表示または情報がプリントされてもよい。異なる大きさまたは同じ大きさのいくつかのリストバンドが、ラベルの有無に関わらず、単一シートで形成されてもよい。延長部材もまた任意の1つ以上の変形形態で提供されてもよい。なお、変形形態は、使用者の予期されるニーズおよび設計上の選択によってのみ限定される。
【0017】
締付け部を備える2つの一般的なカテゴリーのリストバンド/ラベルのフォームにおける、本発明に対するさらなる改良として、本発明者は、多くの選択と利点とを提供するために、リストバンドが必要とされる特定の状況に応じてフォームを変更した。本明細書に記載した第1実施形態に関して、上述のように、本発明者は、フォームを変更して締付けスロットがタブ上のラベル部分の外側になるようにすることを考案し、医療的表示を削除し、それによってフォームをよりスリムにし、より広範囲の用途における使用に適合可能にした。ラベル部分に関するいくつかの配置が示され、必要なラベルの数に応じて、フォームの完全性を損なうことなく、それぞれの用途に適合するための多様な選択を提供する。他の実施形態におけるのと同様に、フォームを特定、または番号付け、または分類するバーコード方式または他の手段が用いられてもよく、フォームの設計者または使用者の想像力によってのみ制限される。さらに、リストバンドのフォームは、例えば、会社名をプリントするなど、利用可能なプリント領域を有していてもよい。
【0018】
リストバンドフォームの第2の一般的なカテゴリーに関しては、本発明者は表面素材領域に近接する端部にタブを設けた。タブは、接着剤で囲まれた第2のスロットを有し、このスロットを通して尾状部分または自由端部分を挿入し、リストバンドを着用する人に着けられるようにリストバンドを接合する。自由端が挿入された後、好ましくは、スロットは折り目で折り重ねられ、自由端は保持され、所定の位置に付着される。次に、残りの自由端が第2のスロットに挿入され、表面素材の下に邪魔にならないように隠され、何かに引っかからないようにされる。この構成によって、追加の自由端に傷が付かないようにでき、これにより、折り重ねられたタブを単に持ち上げ、自由端部を引き抜いて再度位置決めすることによって、リストバンドの長さを後に再調節してもよい。追加の特徴として、表面素材は、好ましくは外側のスロットの縁部まで延びており、それによって、自由端部が滑って通過する場所に最も近い接着剤を覆い、それによって、リストバンドが取り付けられる際に、接着剤に「くっつく(hang up)」ことがなくなるようにする。さらに、接着剤が第2のスロットの周りの領域に塗布されるため、親出願で開示された他の実施形態におけるのと同様に、自由端の先端にパッチとして取り付けられなくてもよい。したがって、自由端がスロットに挿入されるとき、接着パッチは、患者の皮膚または体毛を不注意につかむことがなく、それによって、この実施形態もまた、接着パッチを取り付ける際に患者に「くっつく」ことがなくなる。代わりに、接着剤は、患者から離れる方向に向く表面に置かれる。
【0019】
さらに別の実施形態では、表面素材の両側にスロットが設けられ、その両方のスロットを通して自由端が挿入され得る。この構成では、表面素材領域が自由端の上を覆い、表面素材領域は、単一のスロットが用いられる他の実施形態よりも「丸み」が少なくなっている。これは、表面素材上に位置する情報を読み取るのに役立ち、情報がバーコード化情報であるならば、情報を補助するのに重要となる。また、2つのスロットを備える実施形態では、同じフォームが、フォームの多様性を向上させる種々の方法で利用されてもよい。これは、単一のフォームを患者の異なる身体部分で用いることを意図する用途については特に重要となる。このような一例は、リストバンドを脚だけでなく手首にも取り付けることが望ましい新生児集中治療室(NICU)である。この用途においては、同じリストバンドが、身体の異なる部分、すなわち手足に取り付けられ、1つのスロットまたは両方のスロットのサイズに応じて、患者を快適にし、プリントされた情報に容易にアクセス可能にするために用いられてもよい。しかしながら、異なる太さの手足に適合させる必要がある場合であっても、同じフォームが使用されてもよく、それによって、在庫必要量を最小限にし、2枚以上のシートのリストバンドを用いるという無駄なまたは余分なコストを削減できる。
【0020】
本発明者の先の発明に関するさらに別の改良では、本発明者は、リストバンドを熱画像タイプの表面素材において用いるように適合させ、その適合に関連して、折り重ねラミネート部分の方向を変えることによって、より細いロールに取り付けできるリストバンドに対して異なる設計を有する、典型的な熱画像プリンタに適合させることを試みた。より具体的には、リストバンドのラミネート部分は、本明細書で開示しているように、プリント可能な表面素材部分を重ね合わせるために用いられる「折り重ね」フラップを含む。本実施形態では、フラップは表面素材の下または上の位置から、表面素材部分の端部に取り付けられる位置まで移動する。このような方向に向けることによって、リストバンドの高さが低くなり、特にサーマルプリンタを用いて、また他の同様に構成されたプリンタを用いて処理するために、リストバンドの連続的流れをロール上に好都合に形成できる。また、このような方向に向けることは、サーマルプリンタ、さらに言えば、連続式用紙(fan−fold)用に設定された他のプリンタを用いて連続的にプリントするために、複数のリストバンドに対して連続式構成を形成するのに適合する。
【0021】
さらに別の改良においては、本発明者は、画像のための小さい追加スペースを加えたリストバンドの画像領域の片側に肩部を「切り欠き」、それによりリストバンドが「取得する」フォーム上の利用可能な空間をより広く利用し、より広い画像領域からより細いバンドまたはストラップ部分への移行部を「柔らかくする」ことによって患者により大きい快適性を提供する。この切り欠かれた肩部の特徴は、好ましくは空間に対する考慮から画像領域の片側のみに設けられるが、同様に両側に設けられてもよい。この特徴では、ラミネート部分だけでなく表面素材も同じ形状に切り欠かれ、ラミネート層は大きめのサイズとされ、これまでの設計と同様に、表面素材の完全な封入を維持し、表面素材を保護する。あるいは、適切なサイズである場合は、ラミネート層が表面素材を依然として覆い、それを保護することから、ラミネート層は切り欠かれなくてもよい。
【0022】
これらの新規な実施形態のいずれかのリストバンドは、個々の必要性および用途に適合させるために、自己接着性ラベルの有無に関わらず、「シートレット」形式で提供されてもよく、または、種々の組み合わせで混合および適合されてもよい。任意の設計の2つ以上のリストバンドがまた同じシート上に提供されてもよく、同じまたは異なる設計の複数のリストバンドが種々の長さで提供されてもよい。実際に、これらの新規な実施形態は、特定の必要性または要望を満たすために、これまでの設計のリストバンドと組み合わせてもよい。
【0023】
本明細書で開示した感熱リストバンドの実施形態をさらに改良するために、最新の改良が実現されてきた。この最新の改良は、表面素材パッチをパネルに分離する、線状の弱い部分または穴を有する、ラミネート材料でできた連続した支持体層に貼付けられる一連の上部表面素材層パッチを備える2層の連続した構造を含む。2層マトリックスのリストバンドは、各パネルにダイカットされ、リストバンドは、サーマルプリンタによってプリントされた後にパネルから分離し、折り畳んで表面素材部分の上に重ねてもよく、その後、ペアの対向するストラップにより着用者の手首に固定される。2層構造の柔軟性の結果として、分離された表面素材層と、相対的に薄い支持体内にあり隣接する表面素材層の間にある弱い線状部分とを備える連続した構造は、特に、大部分のサーマルプリンタで使用するためにロール状に巻かれるのに適する。
【0024】
本発明の主たる利点および特徴を上で説明してきたが、以下の好ましい実施形態に関する図面および説明を参照することによって、本発明の種々の実施形態の全てにおける本発明のより十分な理解が得られることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】リストバンド/ラベルアセンブリを支持体から分離する前の、親出願の発明のビジネスフォームの第1実施形態の上面図を示す。
【図2】図1で示された第1実施形態の側面図である。
【図3】第1実施形態の支持体から分離後のリストバンド/ラベルアセンブリの上面図である。
【図4】被害者の外肢に取り付けられたリストバンド/ラベルアセンブリの図である。
【図5】被害者のデータをインターネット上で収集および表示する方法を実行するために用いられるコンピュータシステムの図である。
【図6】親出願の発明のビジネスフォームの第2実施形態の上面図である。
【図7】第2実施形態の底面図である。
【図8】第2実施形態の拡大図であり、第2実施形態を含む4層を詳細に示している。
【図9】締付け部の代替位置を示す、差込口を有するセルフラミネート型リストバンドと略封筒サイズのシートレット内に形成された延長部材の第1実施形態の上面図である。
【図10】複数の自己粘着ラベルを有するページサイズのシート内に形成されたセルフラミネート型リストバンドと延長部材との第1実施形態の上面図である。
【図11】長さが異なる複数のセルフラミネート型のリストバンドを有する、ページサイズのシートの上面図であり、ペアのIDカードに結合されたリストバンドの代替構成を示す。
【図12】ペアのリストバンドと複数の自己接着性ラベルとを有する、ページサイズのシートの上面図である。
【図13】代替構成のペアのリストバンドと複数の自己接着性ラベルとを有する、ページサイズのシートの上面図である。
【図14】タブに含まれる2枚の全幅ラベルの外側に締付けスロットを備える、リストバンド/ラベルフォームの上面図である。
【図15】より多くの全幅ラベルがタブに含まれていることを除いて、図14の実施形態の変形形態の上面図である。
【図16】全幅のラベルと一緒に、いくつかのペアのラベルがタブ内に垂直に配置されていることを除いて、図14の実施形態のさらに別の変形形態の上面図である。
【図17】垂直に配置されたペアのラベルがタブ内に含まれていることを除いて、図14の実施形態のさらに別の変形形態の上面図である。
【図18】外側の締付けスロットを有したリストバンドと、延長部材と、ラベルマトリックスとを備えるリストバンドを有する、ページサイズのシートの上面図である。
【図19】ページサイズのシートの上面図であり、このシートは、一方のリストバンドはペアの外側の締付けスロットを有し、他方のリストバンドは表面素材の両側に締付けスロットを有する、ペアのリストバンドと、いずれかのリストバンドおいて使用するための延長部材と、ラベルマトリックスとを有する。
【図20】それぞれが表面素材の両側に締付けスロットを有するペアのリストバンドを有する、ページサイズのシートの上面図である。
【図21】サーマルプリンタを通すために、ロール方式で繰り返すのに適した構成を有する延長部材と自己接着性ラベルとを備える、感熱紙構造に適したリストバンドの上面図である。
【図22】図21で示された感熱リストバンドの部分切断図であり、リストバンドと延長部材の剥離方法および接着層をさらに詳細に示している。
【図23】より細い素材でできた連続ロールに形成されている複数のリストバンドに適応する、画像領域から長手方向に延びる折り重ねラミネート部分を有する感熱紙の構造に特に適したリストバンド構造の上面図である。
【図24】図23に示されたリストバンド構造の部分切断図であり、剥離被膜および接着層を詳細に示している。
【図25】表面素材画像部分と、ラミネート層の片側の両端において切り欠かれた肩部を有するラミネート層とを有するリストバンドを含む、シートレットの上面図である。
【図26】ペアの自己接着性ラベルとともに、図25で示した構造のリストバンドを有するシートレットの上面図である。
【図27】延長部材と自己接着性ラベルと一緒に、図25および図26に示される構造と同様の構造のリストバンドを有するシートレットである。
【図28】切り欠かれた肩部構造と、延長部材と、4枚の自己接着性ラベルとを備えるリストバンドを有し、プリントを助けるための穴があらかじめ開けられたシートレットである。
【図29】切り欠かれた肩部構造と、延長部材と、プリンタ処理のためにあらかじめ穴が開けられたフォームを有する自己接着性ラベルマトリックスとを有するリストバンドを備える、ページサイズのフォームである。
【図30】切り欠かれた肩部構造の第1リストバンドと、延長部材と、幾分小さい画像領域と従来の折り重ねラミネート構造とを有する第2リストバンドと、プリンタ処理のためにあらかじめ穴が開けられたシートを有する自己接着性ラベルのマトリックスとを有する、ページサイズのフォームである。
【図31】連続ロールのリストバンドから分離したパネルの平面図であり、支持層パネルの上を覆う表面素材層を示している。
【図32】図31に示されたパネルにダイカットされたセルフラミネート型のリストバンドを備える2層マトリックスの平面図である。
【図33】サーマルプリンタにおいて用いるように特に適合された、ロール状に巻かれたリストバンドの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1から図3に示すように、親出願の発明のビジネスフォーム20の第1実施形態は一般に、好ましくは約3と1/2インチ×17インチ(3 1/2’’×17’’)の全体サイズを形成する、支持体24にダイカットットされたリストバンド/ラベルアセンブリ22を含む。一般に、ビジネスフォーム20は、3つのウェブ構造を用いて、すなわちペアの薄膜ポリマー透明ウェブ28、30の間に挟まれたポリマーラミネート紙中心ウェブ26を用いて組み立てられ、次に、支持ウェブ31に乾燥接着される。ポリマーコート紙ウェブ26は支持ウェブ31に乾燥接着され、これにより、リストバンド/ラベルアセンブリ22をダイカットに沿って支持ウェブ31から分離して、リストバンド/ラベルアセンブリ22を支持体24から取り外し得る。フォーム20の端部では、接着剤32がリストバンド/ラベルアセンブリ22のリストバンド部分36の単一端34に塗布されている。好ましくは剥離被膜を有する紙製の別個のパッチ40が接着剤32を覆い、ウェブは、パッチ40が支持体24から分離される際に、接着剤32を覆っているパッチ40の一部が単一のリストバンドの端部34で分離するように、ダイカットされている。リストバンド/ラベルアセンブリ22が支持体24から分離されるとき、フィラー44は下部ウェブ30に接着されたままであるため、スロット42を備える「締付け部」が形成される。
【0027】
親出願の第1実施形態のリストバンド/ラベルアセンブリ22は、リストバンド部分36とタブ部分46とを含む。タブ部分46は好ましくは複数の個別ラベル48を有するラベル部分56を含み、ラベルのそれぞれは、タブ部分46の本体と一緒に、識別表示50、好ましくはバーコードで識別される。5枚のラベル48が示されているが、当業者には、本発明の範囲を逸脱することなく、それより多い数または少ない数のラベルが提供されてもよいことが明らかである。好ましくは、剥離層51が、ラベル48の下に置かれ、ラベルを任意の他の媒体、例えば、カルテ、衣服などの所持品のバッグに付けられたタグ、薬の容器等に接着するために各ラベルで保持されている接着層を、タブ部分46から取り外しやすくしている。好ましくは、リストバンド部分36はまた、例えばリストバンドのストラップ部分54に沿って着色剤52によって、カラーコード化されている。当該技術分野で知られている任意の好都合なカラーコード化方式が利用されてもよいが、このような好都合な方式の1つは、死亡者には黒色、生きているが生存するには応急手当てが必要な人には赤色、生きているが回復には手当てが必要な人には黄色、生きていて命に別状のないけがに対して注意が必要な人には緑色が用いられている。他のカラーコード化方式が当業者には明らかだが、それらのカラーコード化方式も本発明の範囲内である。タブ部分46は、ダイカットによってラベル部分56から分離されており、それによって、必要な場合には、ラベルをリストバンド部分から分離することができるが、意図的に外されなければ保持されている。各ラベル48はダイカットによって画定され、各ラベル48をタブ部分46から個々に分離しやすくするために、接着層と、下層の剥離層とを有する。例えば医療関係者が手に手袋をはめているか、または流体が存在する場合、周りを取り囲んでいるより広い部材58をラベル48の周りから剥がして、ラベルを取り外しやすくしてもよい。
【0028】
図4に示すように、リストバンド/ラベルアセンブリは、リストバンド/ラベルアセンブリを支持体から分離し、ストラップ部分を締付け部またはスロットを通して手首周りに巻き付け、ストラップ部分を所望の強さで引っ張り、ストラップ部分の単一端に塗布された接着剤を覆うカバーを取り除き、次に単一端をストラップ部分に固定して円形またはリストバンドを完成させることによって、被害者、例えば被害者の手首周りに容易に取り付けできる。この方法においては、被害者は、医療状態についてカラーコード化され、例えばバーコードなどの識別表示で識別され、ラベルのセットは、被害者に関連付けられる所望の任意の他の物品、例えば、被害者の所有物、カルテ、投与されている薬または所望される任意の他の物品に印を付けるためにすぐに利用できるようになっている。
【0029】
図6から図8には親出願の第2実施形態が示されており、第2実施形態が、シートタイプの構造(第2実施形態は使用前に、このシートから分離されなければならない)の一部として供給されておらず、あらかじめプリントされ、医療状態等を表示するための別の構成を有することを除いて、第2実施形態は第1実施形態と極めて類似している。図6から図8に示されるように、第2実施形態は、第1実施形態と同様に、最初に支持体から分離することなく完全に形成され、使える状態にある。しかしながら、第2実施形態はまた、ストラップ部分72とタブ部分74を有する。ストラップ部分はまたカラーコード化されてもよいが、好ましくは、ダミーのタブ80と一緒に、タブ部分74から分離するための複数の分離可能なタブ76を設けることにより、取り付けられたフォームを見た人が、医療状態を示すために意識的に作業がなされたことを確認できるようにする。そうでない場合には、ダミーのタブ80が存在しており、この特徴物が少なくともこれまでのところ使用されていないことを示す。カラーコード化と一緒に、好ましくはバーコードも個々のタブ76上に表示されており、各タブ76は照合バーコードを有し、これにより、被害者の状態が患者のIDバーコードとしてスキャンされ、同時にコンピュータまたはデータベースに取り込む。例えば、複数の未熟な関係者が使用する場合であっても、被害者に印を付ける際に一貫性を保つのに役立つ種々のカテゴリーに対する特定の意味に関して医療技術者に知らせる定義情報といった、別の情報もタブ76上に提供されてもよい。この情報は、医療上の緊急事態が生じた場合に手が空いている関係者の資質または習熟度合いについては誰にもわからないため、本フォームをほぼ独習するのに役立つ。図7に示されるように、タブ部分74の背面は、追加の指示情報、またはバイタルサインもしくは薬へのアレルギー等の他の医療情報等を記録するための場所を有してもよい。さらに注目すべきは、この第2実施形態で示されるように、スロットを備える締付け部78が1つではなく2つあることである。これによって、ストラップ部分72を、変化する寸法により近いサイズとし、したがって広範囲の外肢において使用できる。締付けスロット78の間で2列に配置されていることが示されている、他の同様の特徴物、例えば、バーコードラベル81も含まれる。
【0030】
図8は、第2実施形態を所望通りに形成するために用いられる4つの層を示している。一番上の層は透明な保護フィルムのウェブ80であり、この保護フィルムは、フォームの全体を横切って延び、タブ76、80の引き剥がしを可能にするために上述したように穴を開けられ、締付け部78を形成する穴82を有する。2番目の層は、フォームに含まれる情報の大部分に関して所望の情報があらかじめプリントされていることが好ましい、表面素材84から構成されている。次の層は、接着層86であり、好ましくは、当該技術分野で知られているように、パターン化層および剥離被膜であり、以下でより詳細に説明するように、接着層86によって、付属品上にバーコードを貼り付けるための自己接着層を備えるタブ86を取り除くことができる。一番下の層は、表面素材ウェブ80の底部を保護する作用をするベースフィルム材料のウェブ88である。複数の図において明らかなように、第1実施形態のパッチ40と同様のパッチ89が示されており、このパッチ89を利用して、ストラップ部分72の端部を取付け、被害者の外肢に着けてリストバンドを完成させる。より具体的には、シリコーン90の2つの区画が、図8の挿入された側面図に示されている。シリコーンのこれらの区画は、パッチ89とバーコードラベル81と整列し、これにより、分離すると、これらの区画が、パッチ89とバーコードラベル81と共に、これら区画を自己粘着性にする接着層を保持するようになる。
【0031】
図5に示されるように、被害者が処置されるとき、親出願の発明はまた、この情報をコンピュータ100に入力することができ、患者のIDおよび医療状態の好ましくは両方に対して、バーコードスイーパ(barcode swiper)102等によってバーコードを読み取り、その後、この情報をインターネットを介してサーバ104に送信することができ、ウェブサイトにおいて照合および表示する、ことを意図している。当該技術分野で知られているように、複数のコンピュータ102を同じサーバ104に容易に接続でき、多数の医療施設からの入力情報を同時に処理することができる。これによって、この情報は、被害者が処置されるときにほぼ即座に、ウェブを介して遠隔位置で利用できるようになり、身内または愛する人を捜し求めている家族の不安を取り除く。
【0032】
親出願の発明の主要な利点および特徴を、好ましい実施形態を説明することで示してきたが、当業者には明らかなように、親出願の発明の他の態様および変形形態が存在する。例えば、バーコードではなく、フォーム上で他の識別表示が用いられてもよい。フォームは、医療分野の緊急事態以外の他の用途で用いてもよい。被害者を分類するために、カラーコードではなく他のコードまたは表示が用いられてもよく、または、被害者は、異なる医療カテゴリーに基づいて他のカテゴリーに分類されてもよく、または、所望される場合、コードがフォームから除外されてもよい。例えばセルフラミネート型の構成などの他の構成が、特にリストバンド部分を含むフォームで用いられてもよく、さらにリストバンドは1回使用する間に損傷から保護される。単一端をスロットの周りに、スロットを通してループ状に巻くのではなく、リストバンドに取り付けるための他の手段が用いられてもよい。締付け部の別の形体または締付け部の異なる構成が用いられてもよい。さらに他の変形形態が当業者には明らかだが、親出願の発明は、添付の特許請求項の範囲およびそれらの法的均等物によってのみ限定されるものとする。
【0033】
図9には第2の親出願の発明の発明物100が示され、約3インチ×11インチの2層のシートレットサイズの構造で形成されているとして示されている。上部層102は、好ましくは、レーザプリンタまたは他のコンピュータ制御されたプリンタからプリント画像を容易に受け入れる、ボンドなどの表面素材であり、下部のラミネート層104は表面素材層102の下にあり、剥離被膜された部分を含むパターン化接着層によって接合されている。これらは、さらに読めば明らかとなる。発明物100は一般に、ダイカット110によって画定された表面素材のプリント可能な領域108を有するセルフラミネート型リストバンド106と、一体形成されたストラップ部分112と、ラミネート部分114と、ラミネート層104内でダイカット118によって同様に形成された締付け部116とを備える。表面素材のパッチ120もまた表面素材層102にダイカットされ、後に説明するように、リストバンド106が患者に取り付けられるとき、ストラップ部分が付着される接着パッチを覆う。ストラップ部分112の全長を剥離コーティングによって覆い、これにより、ストラップ部分112がシートレット100から取り外された後に、ストラップ部分112がそれと一緒に接着剤がついてこないようにしている。ラミネート部分114は、その上部部分122を表面素材領域108に付着するために、上部部分122と表面素材領域108との間に接着層を有する。しかしながら、ラミネート部分114の下部部分124は、接着剤が塗布されていない領域の窓126を有するので、ラミネート部分が折り重ねられるため、プリント可能な領域108を覆う接着層は存在しない。形成される場合には、リストバンド106がシートレット100から分離された後にリストバンド106を形成する補助手段として、ラミネート部分の半分部分122、124の間に折り目またはミシン目128が形成される。締付け部116は一般に、延長部分131内に形成され、ストラップ部分112をスロットを通して挿入しやすくするために、表面素材領域108とストラップ部分112にほぼ垂直に配置されたスロット130を備える。スロット130の中心軸に沿って、延長部分131の幅全体にわたって、折り目またはミシン目132も提供され、延長部分131がスロット130を所望の長さまで通り抜けた後、延長部分131がストラップ部分112の上に折り重ねられ得るように、接着剤が延長部分131を覆っている。延長部分131と締付け部116とは、ラミネート部分114の下半分部分124に近接しているとして示されており、その結果、リストバンドが取り付けられるとき、延長部分131の接着層が患者の手首の方を向く。あるいは、延長部分131と締付け部116とは、図9の挿入図に示されるように、ラミネート部分114の上半分部分122に近接して形成されてもよく、この構造では、延長部分の接着剤は、リストバンドが取り付けられるとき、患者から離れる方向を向く。この代替構成では、他の構成が小さいタブを生成し、このタブがリストバンドを強く引っ張る程度に応じて平らになるかまたはならない可能性があるため、リストバンドは患者に対してより平らになる可能性がある。しかしながら、これが重要とは考えられない。
【0034】
使用中、このリストバンドの実施形態は最初に、ストラップおよび/またはダイカットされた表面素材領域108の端部を押し下げて、それを剥がすことによって、支持体のシートレットから分離され、それによって、リストバンドアセンブリを構成するマトリックスを分離する。次に、ラミネート部分114を折り曲げて重ね合わせ、プリントされた表面素材領域を封止する。次に、ストラップを手首周りに巻き、ストラップを締付け部に挿入し、延長部分を折り重ねてそれをストラップに付着し、次にストラップの端部上の接着剤を露出させ、ストラップをそれ自体に戻して付着して余分なストラップを固定することによって、リストバンドが患者の手首に取り付けられる。介護者は、ストラップを延長部分に付着する前に、ストラップを締付け部のスロットに通す長さを調節することによってリストバンドの締め付け強さを選択することができる。
【0035】
また、シートレット100の上には延長部材140が示されており、この延長部材140は一般に、ラミネート層104の全長の一端にクラムシェル型接合部分142と、他端に接着パッチを覆う表面素材パッチ144とを備える。延長部材140は、ストラップ部分112の有効長を延ばすために用いられてもよく、ストラップ部分112の長に沿ったどこかの位置にクラムシェル型部分142を付着し、先に説明したように、延長部材140上の接着パッチを用いて、ストラップ部分112をストラップ部分自体に接合することによって取り付けられる。延長部材140の長さは、ストラップ部分112のような接着剤がないので、患者の皮膚に対しては接着剤が露出しない。
【0036】
図10に示されるように、複数の自己接着性ラベル146と一緒に、リストバンド106と延長部材140とがページサイズのシートの一部として含まれてもよい。本発明者による従来の特許で示された先の発明におけるのと同様に、リストバンド上だけでなくラベル上にも患者に関連する識別情報をプリントすることが望ましいことがわかってきている。このラベルは、必要に応じて個別に引き剥がして、患者に用いるための専用のアイテムをラベルで表示し、例えば血液サンプル、組織サンプルなど他の医療的アイテムを識別することができる。したがって、図10に示されるように構成された本発明の必要性がわかってきた。
【0037】
図11に示されるように、ページサイズのフォームにはまた、リストバンド106の混合体106およびリストバンド160の異なる実施形態が提供されてもよい。リストバンド160は、好ましくは、リストバンド106よりも長さが少し短く、若干異なる構成の締付け部を有する。図11に示されるように、それぞれが、リストバンド106と同様に、表面素材層からダイカットされたプリント可能な表面素材領域162を有する2つのリストバンド160がある。さらに、リストバンド106と同様に、ストラップ部分164とラミネート部分166と締付け部168とがまたラミネート層にダイカットされている。しかしながら、締付け部分168は、ラミネート部分166の上半部部分172と下半分部分174の両方に近接してダイカットされたペアのスロット170を備えており、これにより、2つの半分部分172、174は折り重ねて表面素材領域162の上に重ねられ、スロット170が互いに重なりあい、表面素材領域162とストラップ部分164との中間に単一の開口を形成するように位置合わせられている。締付け部をこの位置に置くと、いくつかの相違点が明らかになる。まず、リストバンド160は、好都合には、より小さい円周を囲むことができ、その結果、リストバンド160は、リストバンドを形成するループの外側に表面素材領域162とラミネート部分166とを取ることから、より小さい手首、例えば赤ちゃんの手首に容易に取り付けることができる。代わりに、表面素材領域162とラミネート部分166は、リストバンド160が患者に取り付けられた後にストラップ部分164から実質的に吊り下がる「吊り下がりタグ」を形成する。本実施形態では、ストラップ部分164が、第1実施形態におけるように、上半分部分172から延びる代わりに、下半分部分174から延び、それによって、ストラップ部分164を締付け部分168を通してその周りに巻き、次に、表面素材領域162を通過するかまたは遮ることなく、ストラップ部分自体に戻して巻くことができることに留意されたい。このリストバンド160の構造は、より小さい手首に適合されるものとして図示されているが、より長いストラップ部分164を備えて、または延長部材140を備えて用いられてもよく、設計上の選択事項と見なされてもよい。シート上にはまた、リストバンド106、160のいずれかに直接もしくはクリップに個別に取り付けるのに便利な、または使用者の財布に入れて携帯するためのスロット178を有した、それ自体がセルフラミネート型であるペアのIDカード176が示されている。リストバンドとIDカードのこの集合体は、1人の親に対して1つのリストバンドと、1人の親に対して1枚のIDカードと、1人または2人の乳児または子供に対して2つのより小さいリストバンドとを有する小児科の状況に特に有益であることがわかってきている。
【0038】
図12は、複数の自己接着性ラベル146と一緒に2つのリストバンド106を含み、図10に示された構成とは少し異なるが、同じ発明のリストバンドが用いられている、シートサイズのフォームを示している。図13は、代替のリストバンド160が用いられていることを除いて、図12に示されたフォームと類似のシートサイズのフォームを示している。本発明者は、これらの製品の特定のグループ分けが、特定の用途については容認され、商業的な成功を得ていることをわかっているが、ラベルまたはIDカードの有無にかかわらず、異なる構造のリストバンドの他の組み合わせが、設計上の選択事項として望ましいこともわかる。
【0039】
図14は、本明細書における本発明者の継続した発明成果を表す発明物を示している。図14に示されるように、リストバンド200は、ストラップ部分202と、締め付けスロット206とペアの全幅ラベル208とを含むタブ204とを有する。各ラベル208とストラップ部分202の近接領域とは、好ましくはバーコードとして示される、識別表示210によりコード化されている。任意の所望の識別子、例えば、会社名、病院名または他のメッセージなどでプリントされ得るプリント領域212がストラップ部分202に含まれている。本発明の構造は上述の構造と類似であってもよく、図1の実施形態に関して説明したような複数のウェブ構成を備える。ラベルは、リストバンドの用途に応じて、取り外されても、任意の他の関連材料に貼り付けられてもよい。医療機関では、ラベルは、カルテ、薬、食器、衣料品バッグ、または任意の他のよく知られた必要品に用いられてもよい。その他の用途においては、使用者の想像によってのみ限定されるように、例えば、個人的な物品、チケット、受領証、請求識別子、例えばクレジットカードの請求等の他の使用がなされてもよい。
【0040】
図14に示される実施形態は、人が手首周りに着用するのがより快適であり得る、全体に細長いストラップ部分202を有し、締め付けスロット206をストラップ部分202の幅よりもわずかに広くして、リストバンド200を固定する際に挿入しやすくしてもよい。リストバンド200を人に取り付けることを望むまで、好都合には、接着保護パッチ214がストラップ部分202の先端の接着パッチ216を覆ってもよい。締め付けスロット206に挿入した後、取付けプロセスを完全にするために、パッチ214は取り外され、ストラップ部分202が折り重ねられ、ストラップ部分自体に付着されてもよい。ストラップ部分202は、人の外肢に着けてリストバンドをきつく縛るように、ストラップ部分202を挿入した後、ストラップ部分を引っ張ることによって人に着けられるようにきつく締めてもよい。あるいは、ストラップ部分202はきつく締められる必要がなく、リストバンド200を「緩めた」状態のままにして、しっかり固定されるが、おそらくより快適なフィット性を提供してもよい。
【0041】
図15から図17には、図14に示される基本的な構成のラベルの変形形態が示されている。これらは、図15に示されるように、全てが同じ全幅方向に配置された複数(5つ)のラベル208を含み、図16に示されるように、単一の全幅ラベルと垂直に配置された2つのペアのラベルと、図17に示されるように、単一の垂直に配置されたペアのラベルとを含む。これらのラベル構成は、意図される使用者の必要性を最も望ましく満たすことが予測されるように示されているが、当業者であれば、他のラベル構成が本発明の範囲から逸脱することなく用いられてもよいことが明らかである。
【0042】
図18には、セルフラミネート型のリストバンド220と延長部材222と複数の自己接着性ラベル224とを含む、略ページサイズのシートが示されている。このシートを構成するのに用いられる種々のウェブは、上で説明してきた。セルフラミネート型リストバンド220は、好ましくは表面素材層内で形成される表面層部分226と、好ましくはラミネート層内で形成されるラミネート層部分228と、好ましくは同じくラミネート層内で形成されるストラップ部分230と、好ましくはラミネート層内で形成される取付け部分232とを含む。図18に示されるように、1つのスロット234が取付け部分232の延長部分236内に形成されている。折り目238が、後で説明するように、ストラップ部分230を付着するために、スロット234を折り重ねる補助手段としてスロット234を2等分する。図示されているように、折り目238は、スロット234の中心軸を通り、ラミネート層を通って、両側で不完全な切れ目を備えてもよい。接着層はスロット234を実質的に取り囲んでおり、これにより、接着層が折り重ねられると、スロットに挿入されたストラップ部分に付着するようになる。第2のスロット240が、表面層または素材部分226内と、下にあるラミネート層内との両方に形成されてもよい。表面素材部分226は、略矩形状のプリントまたは画像領域の縁部からスロット234の縁部まで延びるタブ242を有する。
【0043】
使用中、シートはまず、情報、例えば、患者の名前、入院番号または他の情報をラベル224およびリストバンド220に付け加えるために、レーザプリンタ等を用いて処理されてもよい。次に、リストバンドがシートから分離され、親出願の発明の他の実施形態に関して上記で詳細に説明したように、患者の手首に取り付けられてもよい。但しこの場合、ストラップの端部はスロット234に挿入され、次にタブが折り重ねられ、ストラップの端部を所定の位置に付着する。他の実施形態におけるように、接着剤はストラップの端部に塗布されなくてもよい。代わりに、タブスロットを実質的に取り囲む領域に塗布された接着剤がストラップを所定の位置に固定する。表面素材タブ242が、ストラップの端部が接着剤の付いた表面と接触することを防ぐこと、および、他の実施形態と異なり、リストバンドが取り付けられる際に患者の手首を通過するストラップの端部には接着剤がないことに留意されたい。このことは、リストバンドが取り付けられる際に、リストバンドが「汚れ」なくなり、それによって、リストバンドを困難なまたは非協力的な患者にさらに良好に取り付けるのを容易にすることを保証するのに役立つ。リストバンド220の有効長を延ばすために、他の実施形態に関して説明したように、延長部材222が用いられてもよく、延長部材は、同様に、その端部に塗布される接着剤を有する必要がない。
【0044】
図19は、全体に長さがより短く、一方のリストバンドに対して異なるスロット構成を有する、2つのリストバンドを備えることを除いて。図18の構成と類似のリストバンドとラベルの別の構成を示している。シートの上部近くに図示されたリストバンド260は、図18に示されるように、リストバンド220と同様に設計されている。上述のように、このリストバンド260は、患者の手首周りに好都合に取り付けられる。第2のリストバンド262は、表面素材部分268の両側に締付けスロット264、266を有し、ストラップの縁部270は、接着パッチ272を有する。使用中、第2のリストバンドは、いくつかの異なる方向に取り付けられてもよい。このような方向の1つでは、ストラップの端部が、両方のスロット264、266に挿入され、表面素材部分268の下を通過する。この方向においては、表面素材部分は、リストバンドが取り付けられた後は、より平らな状態を維持する傾向があり、幼児もしくは小さい手首、またはその他のきつく引っ張られたリストバンドに関しては、このより平らな方向は、表面素材上で任意のバーコード化された情報を読み取るのに役立つ。別の方向では、ストラップの端部が内側の締め付けスロット264を通って挿入され、この結果、表面素材部分268がリストバンド260から自由に吊り下がるようになる。さらに別の方向では、ストラップの端部は外側の締付けスロット266を通して挿入され、これは他の実施形態に関して上で説明した方向に極めて類似している。この方向ではリストバンドは最大長さとなり、この場合、表面素材部分268はリストバンドの円の一部を形成しており、ストラップの端部は取り付けるためにそれ自体に戻るように折り曲げられている。これらの2つのリストバンドは、小児科症例に適用するために独特な組み合わせを形成している。この理由は、異なるリストバンド構造にすることにより、リストバンドを幼児の手足の両方に、種々の方向で、すべてシートを1枚消費するだけで、取り付けることができるためである。
【0045】
図20に示されるシートは、複数の自己接着性ラベル282と一緒に、2本のリストバンド280を提供する。この実施形態では、2本のリストバンド280は、図19に示されたリストバンド262と同じ設計である。この構成は、新生児集中治療室の幼児に用いられるのに特に適合されている。この理由は、2本のリストバンドは両方とも、上述のように、2つの方向のいずれで配置されてもよく、これによって、2本のリストバンドを、集中治療を受けている幼児のいずれの手足への取付けにおいても、柔軟性を最大にすることができるからである。この状況では、多くの異なる種類の状態に遭遇し、この柔軟性によって、単一のリストバンドフォームおよびラベルのセットを消費するだけで、リストバンドをうまく使用することができる。
【0046】
図21に示されるように、延長部材302および自己接着性ラベル304と一緒に、リストバンド300が2層パネル306内に形成される。パネル306は両側の端部308、310において端と端をつなぎ、これを繰り返すことにより、典型的なサーマルプリンタによってプリントするために、連続ロールのリストバンドを形成してもよい。パネル306の2つの層は、表面素材312とラミネート層314とから形成されている(図22を参照のこと)。リストバンド300の構造は、上で説明した他の実施形態において説明した構造と極めて類似している。全体として、図21および図22を参照すると、表面素材層312は、画像領域316と、折り重ねラミネート部分318と、表面素材324の取り外し可能なパッチによって保護されている接着パッチ322を有する尾状部分320と、表面素材層312とラミネート層314の両方に形成された画像領域316の両側におけるペアの締付けスロット326とを含む。好ましくは、接着剤パターンを用いて表面素材312をラミネート層314に接合することにより、重なったラミネート部分328と尾状部分320には接着剤が塗布されない。
【0047】
代替の実施形態においては、別の熱画像リストバンドの構造330が、図23では表面素材層332を有し、図24ではラミネート層334を有して示されている。注目すべきことに、折り重ねラミネート部分336は、例えば図21、図22の実施形態に示されるように、横方向に配置されるのではなく画像領域338の縦方向に配置されていることである。この配置によれば、より細い外形が提供され、この結果、表面素材332とラミネート層334とを備えるパネル340が図21、図22に示されたパネルに比べてより細くなる。また、図21、図22に示された実施形態と同様に、パネル340は端と端を接して連続的に配置され、次に、当該技術分野で知られているように、サーマルプリンタで好都合に扱われ得る空白のリストバンドのロールを形成してもよい。
【0048】
リストバンド350のさらに別の実施形態が、図25においてシートレット352として示されている。このリストバンド構造350において注目すべきことは、表面素材画像領域354が、両側端部358、360において、切り欠かれた肩部356を有することと、リストバンド350がシートレット352から分離し、ラミネート層の半分部分368を画像領域354とラミネート層の半分部分366との上に折り重ねることによって組み立てられる際に、リストバンドの外形が維持されるように、ラミネート層362もラミネート層の2つの半部部分366、368において切り欠かれた肩部364を有することである。
【0049】
切り欠かれた肩部356は、各端部358、360における第1の幅から、より大きな幅を有する画像領域354の一部への曲線状移行部として示されている。特定の曲線形状は、画像領域354がその両端部358、360で僅かに広い寸法となっている点を除いて、設計上の好みの問題である。曲線形状は、個々の使用者の好みに合わせて、および最大の製造の容易性と着用者の快適性を提供するために、多かれ少なかれ極端に選択されてもよい。さらに、切り欠かれた肩部356が画像領域の片側のみに形成されていることに留意されたい。より深い「V」370が、画像領域354の両側において、切り欠かれた肩部356に適合するようにラミネート層内で形成される必要があるため、この構成は、ラミネート層のダイカットの外形輪郭を単純にする。したがって、図示された構成は、ラミネート領域内にダイカットを形成するのに必要な、または、ダイカットをシートレット352から分離することをより難しくするのに必要な正確さを、かなりの程度まで上げることなく、拡大した画像領域を提供する。そうであっても、切り欠かれた肩部356が画像領域354の両側に形成されてもよいことは、本発明の範囲内である。さらに、ラミネート領域は、外形輪郭を合わせるために対応する切り欠かれた肩部を有するが、好みの問題としてラミネート領域を切り欠かないことは、本発明の範囲内である。
【0050】
図26に示されるように、図25に示されたリストバンド350は、ペア374の自己接着性ラベルと一緒に、シートレット形状体372に含まれてもよい。上述のように、リストバンド、延長部材の構造、および自己接着性ラベルについての本発明者の様々な実施形態は全て、様々な使用者の必要性、プリンタ要件に合う種々の形式で、およびフォームの設計事項または好みの問題として、交換可能に混合および整合されてもよい。図27に示されるように、リストバンド350は、延長部材378および自己接着性ラベル380と一緒に、シートレット376内に提供されてもよい。図28には、さらに別のシートレット382が示されており、このシートレット382は、4つの自己接着性ラベル384と、プリンタを通してシートレット382をトラック給送および位置合わせのためのあらかじめ開けられた複数の穴386と一緒に、リストバンド350を含む。図29は上部部分390を有するページサイズのフォーム388を示しており、リストバンド350と延長部材392とが、自己接着性ラベルのマトリックス396からミシン目394などで分離された状態を示している。好ましくは、あらかじめ開けられた複数の穴398がまた、プリンタとの位置合わせおよびプリンタを通るフォームの給送のために設けられている。
【0051】
図30に示されるページサイズのフォーム400は、第1の構造のリストバンド350と、リストバンド350よりも僅かに小さい異なる構造のリストバンド402とを含む。延長部材404が、いずれのリストバンド350、402においても用いることができるように設計されている。リストバンド402は、好みの問題として、少し小さいが、あらかじめ開けられた複数の穴408と一緒に、16の自己接着性ラベル406のマトリックスをフォームの下部部分に形成することができる。種々のサイズを有するリストバンドが特に有用であるいくつかの用途、例えば、乳児と親がそれぞれ識別/安全などの目的でリストバンドを提供されることが望まれる場合のある用途が、産科病棟において存在する。
【0052】
図31から図33に示されるように、サーマルプリンタを用いて好都合に処理を行うためにロールに巻くのに十分な柔軟性のあるセルフラミネート型感熱プリントリストバンドのさらに別の実施形態が示されている。これらの図に示されるように、連続構造の連続ロール502は、それぞれがパネル506にダイカットされた2層マトリックスの複数のリストバンド504で構成され、図23および図24に示された連続構造とほぼ同じである。連続構造は、適切なラミネート材料からできた支持体層508を含み、ロール502の全長にわたって連続している下層を提供する。弱い線またはミシン目510が、隣接するパネル506を分離し、画定し、また1つずつ使用するためにリストバンドを引き剥がしやすくしている。表面素材部分512が、上にある表面素材層514のパッチにダイカットされ、表面素材層514は各パネル506に個々に付着されている。先に説明したように、患者の名前、バーコード識別子、医師の名前等の適切なプリントが、表面素材部分512に施される。同様に、第2のダイカットがラミネート層の各パネル506内にラミネート部分516を画定する。ラミネート部分は、表面素材部分512が付着される第1領域518と、リストバンド500がパネル506から分離した後に表面素材部分512を重ね合わせるための第2のまたは折り重ね部分520と、表面素材部分または第1の領域518から延びる1本のストラップと第2のまたは折り重ね部分520から延びる第2のストラップとを備えるペアのストラップ522とを備える。代替構造体は、ストラップ522に対して種々の位置を有する構造体を含む。例えば、第2または折り重ね領域52の両側から、もしくは表面素材部分または第1領域518から延びるようにストラップ522を配置し、または図面で示されるようにそれらの位置から対角線上で反対になるようにストラップ522を配置する。折り重ね領域520は、折り重ね領域520を折り重ねて重ね合わせた後、表面素材部分512上にプリントされた情報を見やすくするほぼ透明な部分524を有する。第2領域520全体は、好ましくは、第1領域518と表面素材部分512とを確実に固定封止するために接着剤で覆われている。表面素材の保護被膜層を有する接着パッチが、ストラップの両端に形成されて、それら両端を一体に接合し、リストバンドを着用者の手首に取り付ける。支持体層508にダイカットされ得る、延長部材526もまた示されており、この延長部材526はいずれかのストラップの端部に取り付けられ、リストバンド504の長さを効果的に延ばすために用いられる。
【0053】
発明を、本明細書において、リストバンド並びに、延長部材を含む他の発明の特徴および付属品の構造に対するいくつかの代替形態を用いていくつかの実施形態で開示してきた。具体的に述べられていない種々の代替形態もまたこれらの発明の範囲内にあることが当業者には理解される。これらの代替形態のいくつかは、表面素材またはラミネート層の各層に対して特定の材料の選択と、特定の使用接着剤と、リストバンドが形成されるページサイズのシートに対する構造の他の詳細事項とを含む。ストラップの特定の長さまたは形状は、特定の用途に合わせて変更されてもよく、ストラップの端部における接着パッチの位置は変更または除去されてもよく、ストラップがラミネート部分から延びる点と他の構成の詳細事項がまた本発明の一部として考慮され得る。ストラップ部分を重ね合わさないことが本発明者によって望ましいと考えられるが、なぜ重ね合わせる必要がないかの理由は特にない。表面素材の形状またはサイズは変更されてもよく、実施形態のいくつかにおいて外側のスロットに延びるタブは、表面素材または、スロットのその端部に近接する接着剤を除去するために用いられる接着パターンから分離されてもよく、それでも同様の効果を達成する。本明細書で開示した好ましい実施形態は、例示であることを意図しているのであって、本発明の主題に関して限定することは意図していない。他の同様または様々な変更が考えられ、それらの変更は、本明細書に添付された特許請求項およびそれらの法的な均等物の範囲によってのみ限定されるべき、本発明の一部と考えられるべきである。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年12月23日付で出願され、現在米国特許第7,222,448号となっている出願番号第10/744,766号の一部継続出願であり、出願番号第10/744,766号は、2003年7月25日付で出願され、現在係属中の出願番号第10/627,135号の一部継続出願であり、出願番号第10/627,135号は、2002年10月30日付で出願され、現在係属中の出願番号第10/283,777号の一部継続出願であり、出願番号第10/283,777号は、2002年9月27日付で出願され、現在係属中の出願番号第10/256,758号の一部継続出願であり、これらの開示が、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
例えば医療患者といった人を、その人の所有物、またはその人に関連付けなければならない他の物品により個々に特定する方法が利用できれば好都合である状況が多々ある。このように書くと、2001年9月11日の悲劇的事件に関する最近の事件が、このような1つの状況の顕著な例となっている。そのような状況では、必死に医療を必要としている人々を彼らの所持品と結びつける適切な方法が存在しないことが明らかとなった。さらに恐ろしいことは、身体の各部分を特定し、それらを区別し、その悲惨な日に引き起こされた大混乱の中で、分類するために用いることができる一種のデータベースを構築する必要があることである。そのような状況下および多くの他の同様の緊急事態では、医療従事者および救急隊員は、彼ら自身への人的危険を避けるために用いられる手袋などの保護衣服を身に着けており、医療的処置を必要とする被害者に関して彼らに提示されているもの、貴重品を含む被害者の所有物、および被害者の家族と連絡を取るのに必要なものを分類するために、途方もない時間的プレッシャーを受ける。通常、環境は危険で、火災、飛び散る破片、崩壊するビル、呼吸できない空気などを伴う可能性があり、これは環境を、普段の病院または他の管理環境とは全く異なるものにし、いずれの「標準的な」形式の切迫した対応をも困難にする状況にある。
【0003】
考慮しなければならない状況の別の態様は、異なる治療担当者が1人の被害者に対処することが珍しくないということである。一般に、被害者が最初に治療を受ける場合、その人の損傷の性質および程度によって分類される。次に、被害者の数と医療関係者の数が一致しない状況下で、最もひどい損傷を受けた人が最初に治療を受け、残りの人は、時間が利用できるときに治療を受ける。これは通常手順であり、絶望的な状況において、人命の損失を最小限にするための試みである。したがって、一般に、被害者を「優先順位付け」し、その後に被害者の医療状況が何であるかを医療従事者に即座に明らかにする何らかの方法で、被害者を特定することが要求される。これは簡単に聞こえるが、これらの混乱状況の中では、十分に訓練された医療関係者であっても、このプロセスにおいて損失時間が発生し、優れた戦略がこの分類について用いられない場合、被害者は誤って特定されるか、または分類後の被害者の状態が容易に確認できなくなり、その結果、これらの「慈悲の天使」の貴重な時間が、1人の被害者から別の被害者へ移るに伴って、不必要に無駄になり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の緊急状況により、救急処置室において提供されている清潔な環境下での使用を意図した治療形態のニーズの範囲を越えた、独特なニーズが生じる。上述のように、医療関係者は、通常、手袋をはめており、また慌てている。したがって、使用されるいずれのフォームも、ぎこちない指で容易に操作されるように適合されていなければならない。取扱説明の時間はなく、したがって、フォームは、ほぼ直感的に使用できなければならない。通常、流体(不利な点は、血液および他の体液であることが最も多い)が存在するため、フォームは保護されなければならない。フォームを被害者およびその人の所有物に取り付けて、高信頼性で両者を関連付ける、簡単で、高速の、フールプルーフな方法でなければならない。さらに、被害者を迅速に処置し、情報を正確に収集するように、被害者にフォームを取り付けるとき、フォームからの身元特定情報を迅速に収集できる必要がある。身元特定情報は、一般に、あらかじめ考え抜かれていなければならず、優先順序付け作業と整合させるためにあらかじめコード化されてもよく、その結果、身元特定情報を知ることは単に、被害者の医療状態についての何らかの情報を伝えることになる。さらに、それぞれの被害者の状態に適合するフォームを使用する際に有効な柔軟性がいくらかあることが望ましい。
【0005】
この悲劇的事件によって実証されたさらに別の必要性は、家族やその他の愛する人に情報を提供する必要性である。9/11事件の後、愛する人が見つからない場合、家族やその他の人は何度も出かけて、通りを歩きまわり、どのような噂も追いかけ、地理的に離れた救急医療地を訪ね、情報を求めることが広く公表された。このこと自体が生存者の間に大きな不安と苦痛を引き起こした。家族にとって生存者に関する情報を入手することほど重要ではないが、情報を集約できないことは、悲劇的事件の大きさを判断できないことを含む、他の問題を生み出した。生存者の完全なリストは、たとえそのときまでに個々に情報を入手できていても、何日間も集約することができなかった。通常のデータベースにこのような情報を集約するのに適切な方法は全くなかった。インターネットを利用するいくつかの試みがなされたが、誤りが多く、少なくとも一部は、その情報の信頼性の欠如のために、そこに掲示された情報はすぐに無視された。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術におけるこれらのニーズおよび他のニーズを解決するために、本明細書において、発明者は、いくつかの実施形態で親出願において開示され、クレームされているビジネスフォームと、この種の医療的な緊急状況に対して特定の用途を有するフォームの使用を組み入れた方法とをこれまでに開発してきた。簡単に言えば、フォームの第1実施形態は紙製の支持体シートを備え、この支持体シートは、支持体シートから分離するために、リストバンド/ラベルアセンブリのダイカットを有する。好ましくは、紙製のシートは、識別表示をあらかじめプリントされ、カラーコード化され、好ましくはポリプラスチックでもよい保護被膜層で上面および下面が覆われている。リストバンド/ラベルアセンブリは、支持体フィルムの下側層に乾燥接着されてもよく、その結果、接着剤を残すことなくリストバンド/ラベルアセンブリを支持体から容易に分離できる。アセンブリのリストバンド部分は、一端にタブを有し、長いストラップ部分を有してもよい。このストラップ部分は、組み立てられると、被害者の手首などの対象物に巻かれ、タブ部分にスロットを備える「締付け部」を通して元に折り返され、次に、ストラップ部分の端部にある接着部分によってストラップ部分自体に付着される。タブは、好ましくは、複数の個々に分離可能な、ダイカットされたラベルを有しており、ラベルおよびリストバンドはそれぞれ、好ましくはバーコードであり得る識別表示を有する。親出願のうちの1つにおいて開示された実施形態では、スロットは、ラベルの内側にあるが、本明細書で最初に開示する実施形態では、スロットは、タブのラベル支持部分の外側にある。さらに、本明細書で最初に開示する実施形態は、より細く、よりスリムにし、医療的な表示を削除して、リストバンド/ラベルのフォームを、簡単な識別要素としてより普遍的に適用可能にする。
【0007】
使用中、親出願のリストバンド/ラベルアセンブリは、ラベルで埋められたタブを保持する支持体と、ストラップ部分とから分離されている。締付け部のスロットはダイカットされ、アセンブリは、下部のフィルム支持体シートと共に後ろに残すように接着されたフィラーで分離されるように形成される。ストラップ部分は、重ね合わされた下部パッチで覆われた端部を有し、その結果、ストラップ部分が分離すると、ストラップ部分は、接着剤を有する端部を覆う剥離カバーを保持する。支持体から分離した後、リストバンド/ラベルアセンブリは、流体による汚染を防ぐために、上面および下面の両方の上に保護層を有し、タブは、リストバンドから分離するために穴をあけられてもよいラベル部分を有する。各ラベルは個々に分離可能であり、識別表示が記載されている。好ましくは、リストバンドはカラーコード化されており、フォームは、それぞれが多数の異なる色のそれぞれのうちの複数の色を備えるセットで形成されてもよい。あるいは、カラーコード化され、穴をあけられたタブは、タブ部分の端部に設けられてもよく、これにより、医療技術者は、単に1つ以上のタブを分離し、正しいタブを外側タブとして残して、被害者の状態を視覚的に表示するだけでよい。好ましくは、タブ部分の各縁部に空白のタブを設けることにより、医療状態を表示する際の意識的な試みとしてのタブの分離に失敗したと誤って解釈されないようにする。さらに別の実施形態では、医療的な表示は削除されてもよく、ストラップ部分は、医療以外の目的で患者またはその他の個人の身元を単に表示するためのフォームをより一般的に使用可能にするようにスリムであってもよい。リストバンドは、ストラップ部分を人の外肢に巻き付け、ストラップ部分を外肢の周りに取り付けるためのスロットを備える「締付け部」を通してストラップ部分を滑らせ、ストラップ部分をきつく引っ張り、次に、剥離カバーを除去した後、接着剤でストラップ部分自体に付着するためにストラップ部分をその部分の上の折り返すことによって、容易に取り付けることができる。
【0008】
親出願において図示され、開示された第2実施形態では、リストバンド/ラベルアセンブリは、あらかじめプリントされ、アセンブリの最終構造では、タブ/ラベル部分とストラップ部分とを好ましくは4つの層から生成されるようにして、形成されている。上部の透明フィルム層が表面素材(face stock)層の上を覆い、表面層を保護し、この表面層の上に、バーコードとカラー「状態」コードとを含むあらかじめプリントされた情報がプリントされる。次に、同じく使用中の表面素材を保護するために、接着層が表面素材をベースのフィルム材料に接合する。いずれの実施形態においても、種々の寸法の身体部分にぴったりと合うように、2つ以上のスロット、すなわち「締付け」点が設けられてもよい。また、より小さいサイズまたは大きいサイズの、より多くのまたはより少ないバーコード付きのラベルが、設計者の選択または使用者のニーズに適する使用のために選択されてもよい。また、上述のように、スロットは、ラベル部分の外側にあってもよく、それによってリストバンドを人に取り付けやすくし、下にあるウェブが、リストバンドを意図した使用に維持するのに適切な強度よりも大きい強度を提供するので、完全性を犠牲にすることがない。
【0009】
親出願の発明の方法においては、フォームが被害者に取り付けられ、これにより被害者が識別表示に関連付けされ、被害者の所有物に適切にタグが付けられると、コンピュータにあらかじめロードされたソフトウェアは、利用可能なだけ被害者に関する多くの情報を受け取ることができる。情報のアイテムは、被害者に関連するカラーコード(好ましくは、被害者の医療状態を示す)、被害者の名前および他の人口学的情報、身長、体重、人種などの被害者の統計データ、被害者の損傷または状態の性質に関するより詳細な情報、その被害者が処置されている場所、およびその他の適切な情報を含んでもよい。このとき、コンピュータはオンラインに接続されてもよく、またはオンラインであってもよく、データセットがウェブサイトにアップリンクされてもよい。複数の治療センターがそれぞれ同時に被害者を処置し、ウェブサイトにデータを送信することにより、アクセスを容易にし、被害者の状態について知ることに関心がある人に表示することができる。被害者の状態が変化すると、更新情報をウェブサイトに提供できるが、親出願の方法が、大部分の人にできるだけ速く初期情報を提供することにおいて最も有効であると本発明者は考えている。更新情報は、被害者の家族が、治療が施されている場所を見つけ出し、そこに出向くときに、より直接的に利用できる。ウェブサイトおよびデータリンクの安全保護は、データの完全性を損う可能性のある何らかの危害が生じるのを防ぎ、その結果、家族は掲示された情報を信頼することができる。
【0010】
当業者であれば理解できるように、残念なことに、世界が現在直面しているテロの危険性の高まりを考えると親出願の発明を利用する必要があり、それに伴い、被害者を迅速に処置するだけでなく、これらの被害者に関する情報を収集し、配布する作業を容易にするニーズが増している。親出願の発明はこれらのニーズに対処するものであり、これらのニーズは、実際には、我々の世の中の移り変わりによって悪化した長年の切実なニーズである。このことから、これまでの説明は、親出願の発明のいくつかの利点および特徴の簡単な説明を提供する。読者の理解のために以下に述べる親出願の好ましい実施形態に関する図面および説明を参照することによって、より十分な理解が得られることができる。
【0011】
本発明者は、親出願の発明の特徴のうちのいくつかを採用し、それを利用して明細書では、本発明者に対して発行された特許(米国特許第6,438,881号明細書、第6,067,739号明細書、第6,000,160号明細書およびまだ係属中のその他の特許)により例示されるように、リストバンド技術における本発明者の従来の成果の上に構築している。これら特許の開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。上記で参照した、より最近出願された第2の特許出願において開示およびクレームされているように、本発明者の発明では、親出願の発明の「締付け部」を独特で非明示的な方法でセルフラミネート型リストバンドフォームに組み込んで、本明細書では利用できない多くの利点および特徴を提供している。第2の親出願の発明が、以下でより詳細に説明するように、いくつかの実施形態で例示され、実施形態はそれぞれにそれ自体の独特な利点および特徴を有するが、第2の親出願の発明は、本発明者の先の特許において見られる構成から逸脱していることを表している。相違点のうちのいくつかは、概して表面素材領域の片側から延びる単一の、好ましくは細いストラップ部分を用いることを含み、締付け部は、表面素材の片側に位置し、および表面素材の上を覆うラミネート部分の上部または下部部分のいずれかに近接して位置するスロットを備える。このように構成すると、本発明者の先の発明のリストバンド構成より優れたいくつかの利点が得られると考えられる。まず、本発明では、本発明者は、表面素材をあまり使わず、結果的に、オーバーラミネートする必要があるフォームの面積がより小さくなる。言い換えると、本発明者の先の特許権を有するリストバンドでは、実質的にリストバンドの全長が表面素材で構成され、リストバンドの全てがオーバーラミネートされた。より最近の親出願の発明では、好ましくは、表面素材の「パッチ」のみを使用し、これにより、プリントのための空間量が減少するが、同時に必要なオーバーラミネートの「パッチ」のサイズも小さくなる。このより小さいオーバーラミネートの「パッチ」は、看護士または他の医療専門家が折り重ねてアセンブリを完成させるのが容易になり、したがって、リストバンドを患者に取り付けるのがはるかに簡単になる。関連する利点は、患者の手首を取り囲む「ストラップ部分」から表面素材を削除することによって、このストラップ部分はより細くなり、単一のラミネート層から形成できる(接着剤を用いずに)ことである。これは、いくつかの理由によって患者にとってより快適となる。ストラップがより細くなることによって、患者が日常生活の動作を行う際に、患者が患者の手首を動かすとき、患者の皮膚を縛り、押し付けることが少なくなる。ストラップはまた、単一層のみで形成されると、より薄くなり、したがってより柔軟になり得る。この構成では、従来の設計よりも細いラミネート層を用いて、患者の快適さを高めることができる。入院中の患者は、一般に、患者の普段の環境の外にいることから始まる不快感を有し、入院治療を必要とする患者は一般に、年をとっていようと若かろうと、出生前のように虚弱であり、また患者の皮膚は通常よりも敏感になっている可能性があるため、患者の快適さは、重要な考慮事項である。したがって、患者の快適さは重要な設計基準である。
【0012】
さらに別の利点は、この設計に締付け部を組み込むことによって得られる。締付け部は、好ましくはリストバンドのいくつかの場所のうちの1つに位置し得るスロットを備えるが、締付け部はいくつかの独特な利点を提供する。第1に、必要な場合には、締付け部は看護士に熟知している容易な取付け治具を与えることから、および締付け部は男性も女性もほとんど全ての人が着用する普通のベルトとかなり類似していることから、締付け部は、リストバンドを患者により簡単に取り付けるために使用されてもよい。非協力的な、またはのた打ち回っている、またはそれ以外に抵抗する可能性のある患者に対しては、リストバンドを取り付けることは、ストラップをスロットに通すことを意味し、それが達成された後は、残りのなすべきことは比較的簡単である。きつく縛る必要がある患者に対して、締付け部は、締付け部とストラップが所定の位置に付着されている間にストラップをきつく締めて、そのきつく締めた状態を維持するための容易な手段を提供する。これによって、従来の設計を用いる場合よりもストラップの長さを簡単に組み込み調節することができる。締付け部は、バンド上のいくつかの場所のうちの1つに位置してもよく、各場所は、それ自体が独特な利点を提供する。表面素材とストラップとの中間に位置する場合、表面素材は、リストバンドが取り付けられた後に患者の手首から自由にぶら下がる「ハンギングタグ」に変わる。これは、看護士が表面素材にプリントされた情報を見つけて読むのを助け、また、表面が平坦である場合は、例えば携帯バーコードリーダを用いて、看護士が表面素材上にプリントされた表示を読み取るのを容易にする。また、このように構成すると、より小さいストラップが、例えば新生児などのより小さな手首に容易に取り付けられる。スロットが表面素材の外側に位置している場合、表面素材は従来のリストバンドよりも強く患者の手首を締め付け、折り重ねラミネート層の余分の領域を用いてストラップを所定の位置に付着するのに用いられ、より確実な取付けとしてもよい。いずれかの構成が、特定の用途に応じて望ましくなり、使用者の選択にゆだねられる。
【0013】
上述のように、ストラップ部分は、選択される実施形態に応じて、いくつかの方法のうちの1つで付着される。締付け部が表面素材とストラップとの中間にある場合、ストラップの端部は、スロットを通り抜けた後、ストラップの端部をストラップ自体の上に折り返して付着するために用いられる接着パッチを有する。締付け部が表面素材の外側にある場合、スロットを通る折り目と一緒に接着剤を保持し得るラミネート部分の「延長部」を用いて、ストラップがスロットを通り抜けた後、延長部を折り目で折り曲げ、ストラップを接着剤で所定の位置に「固定して」もよい。これは、ストラップを所定の位置に付着するための第2の手段を提供する。
【0014】
表面素材層は、ダイカットを用いて表面素材層内に画定されたプリント可能な領域または層を有し、一方、ラミネート層は、ラミネート層内にダイカットされた3つの要素を有する。ラミネート層は、ストラップ部分とラミネート部分と締付け部分と(これら全ては、ラミネート層内にダイカットされている)を有し、リストバンドが取り付けられた後にストラップをそれ自体に固定するために、好ましくはストラップ部分の先端部に接着剤を塗布し、また表面素材のプリント可能な領域を実質的に全体、および好ましくは全体を取り囲み、封止するためにラミネート部分に接着剤を塗布し、またストラップ部分が締付け部を通り抜けた後、ストラップ部分に付着するために締付け部分(表面素材の外側に位置する場合)に接着剤を塗布している。好ましくは、接着剤は表面素材の判読性(視認性およびバーコードの両方)を改善するために、表面素材上を覆うラミネート部分から削除されてもよい。本実施形態の変形形態においては、表面素材に対して概して垂直に整列したスロットであることが好ましい締付け部は、表面素材領域の外側または表面素材とストラップ部分との中間のいずれかで、いくつかの場所のうちの1つに位置してもよい。表面素材の外側に位置する場合、締付け部は、ラミネート部分の上部に近接するかまたは下部内のラミネート部分の延長部内のいずれかの2つの場所のうちの1つに位置してもよい。表面素材とストラップ部分との中間に位置する場合、締付け部は、ラミネート部分の上部および下部内の両方に位置するペアのスロットから形成されてもよい。この構成では、接着剤を塗布して、上部のラミネート部分および下部のラミネート部分を接合するが、看護士が時間を取り、および、ラミネート部分の半分部分を折り曲げて重ね合わせて表面素材を封止する前に、患者の協力を得てストラップをスロットのうちの1つだけを通り抜けさせることができない限り、接着剤は、ストラップを適切な位置に保持するのに役立たない。しかしながら、これは、最初に表面素材を封止し、その後ストラップをスロットに通り抜けさせることよりも望ましくない取付け手法であると考えられている。
【0015】
追加の特徴として、本発明者は、同じ2つの材料層内に形成される延長部材をこれまでに開発してきた。この延長部材は、一端に接着剤を塗布した折り重ねまたは「クラムシェル」部分を有し、他端に接着パッチを有する一本のラミネート層を備える。延長部材は、好ましくは、ストラップ部分と同じ幅になるようなサイズにされ、またストラップ部分へ、ストラップ部分の長さに沿って固定するクラムシェルを用いることによって、ストラップ部分に取り付けられる。この延長部材の接着パッチはストラップを接合する機能を果たす。延長部材を用いると、リストバンドは、好都合には、リストバンドが形成されているフォームまたは支持体の全長に限定されることなく、より大柄の患者に対して使用できる。
【0016】
これらの実施形態の変形形態においては、より最近の親出願の発明の新規なリストバンドは複数の自己接着性の剥離ラベルを備えるシートで形成されてもよく、これらラベルの全ては患者に関する識別表示または情報がプリントされてもよい。異なる大きさまたは同じ大きさのいくつかのリストバンドが、ラベルの有無に関わらず、単一シートで形成されてもよい。延長部材もまた任意の1つ以上の変形形態で提供されてもよい。なお、変形形態は、使用者の予期されるニーズおよび設計上の選択によってのみ限定される。
【0017】
締付け部を備える2つの一般的なカテゴリーのリストバンド/ラベルのフォームにおける、本発明に対するさらなる改良として、本発明者は、多くの選択と利点とを提供するために、リストバンドが必要とされる特定の状況に応じてフォームを変更した。本明細書に記載した第1実施形態に関して、上述のように、本発明者は、フォームを変更して締付けスロットがタブ上のラベル部分の外側になるようにすることを考案し、医療的表示を削除し、それによってフォームをよりスリムにし、より広範囲の用途における使用に適合可能にした。ラベル部分に関するいくつかの配置が示され、必要なラベルの数に応じて、フォームの完全性を損なうことなく、それぞれの用途に適合するための多様な選択を提供する。他の実施形態におけるのと同様に、フォームを特定、または番号付け、または分類するバーコード方式または他の手段が用いられてもよく、フォームの設計者または使用者の想像力によってのみ制限される。さらに、リストバンドのフォームは、例えば、会社名をプリントするなど、利用可能なプリント領域を有していてもよい。
【0018】
リストバンドフォームの第2の一般的なカテゴリーに関しては、本発明者は表面素材領域に近接する端部にタブを設けた。タブは、接着剤で囲まれた第2のスロットを有し、このスロットを通して尾状部分または自由端部分を挿入し、リストバンドを着用する人に着けられるようにリストバンドを接合する。自由端が挿入された後、好ましくは、スロットは折り目で折り重ねられ、自由端は保持され、所定の位置に付着される。次に、残りの自由端が第2のスロットに挿入され、表面素材の下に邪魔にならないように隠され、何かに引っかからないようにされる。この構成によって、追加の自由端に傷が付かないようにでき、これにより、折り重ねられたタブを単に持ち上げ、自由端部を引き抜いて再度位置決めすることによって、リストバンドの長さを後に再調節してもよい。追加の特徴として、表面素材は、好ましくは外側のスロットの縁部まで延びており、それによって、自由端部が滑って通過する場所に最も近い接着剤を覆い、それによって、リストバンドが取り付けられる際に、接着剤に「くっつく(hang up)」ことがなくなるようにする。さらに、接着剤が第2のスロットの周りの領域に塗布されるため、親出願で開示された他の実施形態におけるのと同様に、自由端の先端にパッチとして取り付けられなくてもよい。したがって、自由端がスロットに挿入されるとき、接着パッチは、患者の皮膚または体毛を不注意につかむことがなく、それによって、この実施形態もまた、接着パッチを取り付ける際に患者に「くっつく」ことがなくなる。代わりに、接着剤は、患者から離れる方向に向く表面に置かれる。
【0019】
さらに別の実施形態では、表面素材の両側にスロットが設けられ、その両方のスロットを通して自由端が挿入され得る。この構成では、表面素材領域が自由端の上を覆い、表面素材領域は、単一のスロットが用いられる他の実施形態よりも「丸み」が少なくなっている。これは、表面素材上に位置する情報を読み取るのに役立ち、情報がバーコード化情報であるならば、情報を補助するのに重要となる。また、2つのスロットを備える実施形態では、同じフォームが、フォームの多様性を向上させる種々の方法で利用されてもよい。これは、単一のフォームを患者の異なる身体部分で用いることを意図する用途については特に重要となる。このような一例は、リストバンドを脚だけでなく手首にも取り付けることが望ましい新生児集中治療室(NICU)である。この用途においては、同じリストバンドが、身体の異なる部分、すなわち手足に取り付けられ、1つのスロットまたは両方のスロットのサイズに応じて、患者を快適にし、プリントされた情報に容易にアクセス可能にするために用いられてもよい。しかしながら、異なる太さの手足に適合させる必要がある場合であっても、同じフォームが使用されてもよく、それによって、在庫必要量を最小限にし、2枚以上のシートのリストバンドを用いるという無駄なまたは余分なコストを削減できる。
【0020】
本発明者の先の発明に関するさらに別の改良では、本発明者は、リストバンドを熱画像タイプの表面素材において用いるように適合させ、その適合に関連して、折り重ねラミネート部分の方向を変えることによって、より細いロールに取り付けできるリストバンドに対して異なる設計を有する、典型的な熱画像プリンタに適合させることを試みた。より具体的には、リストバンドのラミネート部分は、本明細書で開示しているように、プリント可能な表面素材部分を重ね合わせるために用いられる「折り重ね」フラップを含む。本実施形態では、フラップは表面素材の下または上の位置から、表面素材部分の端部に取り付けられる位置まで移動する。このような方向に向けることによって、リストバンドの高さが低くなり、特にサーマルプリンタを用いて、また他の同様に構成されたプリンタを用いて処理するために、リストバンドの連続的流れをロール上に好都合に形成できる。また、このような方向に向けることは、サーマルプリンタ、さらに言えば、連続式用紙(fan−fold)用に設定された他のプリンタを用いて連続的にプリントするために、複数のリストバンドに対して連続式構成を形成するのに適合する。
【0021】
さらに別の改良においては、本発明者は、画像のための小さい追加スペースを加えたリストバンドの画像領域の片側に肩部を「切り欠き」、それによりリストバンドが「取得する」フォーム上の利用可能な空間をより広く利用し、より広い画像領域からより細いバンドまたはストラップ部分への移行部を「柔らかくする」ことによって患者により大きい快適性を提供する。この切り欠かれた肩部の特徴は、好ましくは空間に対する考慮から画像領域の片側のみに設けられるが、同様に両側に設けられてもよい。この特徴では、ラミネート部分だけでなく表面素材も同じ形状に切り欠かれ、ラミネート層は大きめのサイズとされ、これまでの設計と同様に、表面素材の完全な封入を維持し、表面素材を保護する。あるいは、適切なサイズである場合は、ラミネート層が表面素材を依然として覆い、それを保護することから、ラミネート層は切り欠かれなくてもよい。
【0022】
これらの新規な実施形態のいずれかのリストバンドは、個々の必要性および用途に適合させるために、自己接着性ラベルの有無に関わらず、「シートレット」形式で提供されてもよく、または、種々の組み合わせで混合および適合されてもよい。任意の設計の2つ以上のリストバンドがまた同じシート上に提供されてもよく、同じまたは異なる設計の複数のリストバンドが種々の長さで提供されてもよい。実際に、これらの新規な実施形態は、特定の必要性または要望を満たすために、これまでの設計のリストバンドと組み合わせてもよい。
【0023】
本明細書で開示した感熱リストバンドの実施形態をさらに改良するために、最新の改良が実現されてきた。この最新の改良は、表面素材パッチをパネルに分離する、線状の弱い部分または穴を有する、ラミネート材料でできた連続した支持体層に貼付けられる一連の上部表面素材層パッチを備える2層の連続した構造を含む。2層マトリックスのリストバンドは、各パネルにダイカットされ、リストバンドは、サーマルプリンタによってプリントされた後にパネルから分離し、折り畳んで表面素材部分の上に重ねてもよく、その後、ペアの対向するストラップにより着用者の手首に固定される。2層構造の柔軟性の結果として、分離された表面素材層と、相対的に薄い支持体内にあり隣接する表面素材層の間にある弱い線状部分とを備える連続した構造は、特に、大部分のサーマルプリンタで使用するためにロール状に巻かれるのに適する。
【0024】
本発明の主たる利点および特徴を上で説明してきたが、以下の好ましい実施形態に関する図面および説明を参照することによって、本発明の種々の実施形態の全てにおける本発明のより十分な理解が得られることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】リストバンド/ラベルアセンブリを支持体から分離する前の、親出願の発明のビジネスフォームの第1実施形態の上面図を示す。
【図2】図1で示された第1実施形態の側面図である。
【図3】第1実施形態の支持体から分離後のリストバンド/ラベルアセンブリの上面図である。
【図4】被害者の外肢に取り付けられたリストバンド/ラベルアセンブリの図である。
【図5】被害者のデータをインターネット上で収集および表示する方法を実行するために用いられるコンピュータシステムの図である。
【図6】親出願の発明のビジネスフォームの第2実施形態の上面図である。
【図7】第2実施形態の底面図である。
【図8】第2実施形態の拡大図であり、第2実施形態を含む4層を詳細に示している。
【図9】締付け部の代替位置を示す、差込口を有するセルフラミネート型リストバンドと略封筒サイズのシートレット内に形成された延長部材の第1実施形態の上面図である。
【図10】複数の自己粘着ラベルを有するページサイズのシート内に形成されたセルフラミネート型リストバンドと延長部材との第1実施形態の上面図である。
【図11】長さが異なる複数のセルフラミネート型のリストバンドを有する、ページサイズのシートの上面図であり、ペアのIDカードに結合されたリストバンドの代替構成を示す。
【図12】ペアのリストバンドと複数の自己接着性ラベルとを有する、ページサイズのシートの上面図である。
【図13】代替構成のペアのリストバンドと複数の自己接着性ラベルとを有する、ページサイズのシートの上面図である。
【図14】タブに含まれる2枚の全幅ラベルの外側に締付けスロットを備える、リストバンド/ラベルフォームの上面図である。
【図15】より多くの全幅ラベルがタブに含まれていることを除いて、図14の実施形態の変形形態の上面図である。
【図16】全幅のラベルと一緒に、いくつかのペアのラベルがタブ内に垂直に配置されていることを除いて、図14の実施形態のさらに別の変形形態の上面図である。
【図17】垂直に配置されたペアのラベルがタブ内に含まれていることを除いて、図14の実施形態のさらに別の変形形態の上面図である。
【図18】外側の締付けスロットを有したリストバンドと、延長部材と、ラベルマトリックスとを備えるリストバンドを有する、ページサイズのシートの上面図である。
【図19】ページサイズのシートの上面図であり、このシートは、一方のリストバンドはペアの外側の締付けスロットを有し、他方のリストバンドは表面素材の両側に締付けスロットを有する、ペアのリストバンドと、いずれかのリストバンドおいて使用するための延長部材と、ラベルマトリックスとを有する。
【図20】それぞれが表面素材の両側に締付けスロットを有するペアのリストバンドを有する、ページサイズのシートの上面図である。
【図21】サーマルプリンタを通すために、ロール方式で繰り返すのに適した構成を有する延長部材と自己接着性ラベルとを備える、感熱紙構造に適したリストバンドの上面図である。
【図22】図21で示された感熱リストバンドの部分切断図であり、リストバンドと延長部材の剥離方法および接着層をさらに詳細に示している。
【図23】より細い素材でできた連続ロールに形成されている複数のリストバンドに適応する、画像領域から長手方向に延びる折り重ねラミネート部分を有する感熱紙の構造に特に適したリストバンド構造の上面図である。
【図24】図23に示されたリストバンド構造の部分切断図であり、剥離被膜および接着層を詳細に示している。
【図25】表面素材画像部分と、ラミネート層の片側の両端において切り欠かれた肩部を有するラミネート層とを有するリストバンドを含む、シートレットの上面図である。
【図26】ペアの自己接着性ラベルとともに、図25で示した構造のリストバンドを有するシートレットの上面図である。
【図27】延長部材と自己接着性ラベルと一緒に、図25および図26に示される構造と同様の構造のリストバンドを有するシートレットである。
【図28】切り欠かれた肩部構造と、延長部材と、4枚の自己接着性ラベルとを備えるリストバンドを有し、プリントを助けるための穴があらかじめ開けられたシートレットである。
【図29】切り欠かれた肩部構造と、延長部材と、プリンタ処理のためにあらかじめ穴が開けられたフォームを有する自己接着性ラベルマトリックスとを有するリストバンドを備える、ページサイズのフォームである。
【図30】切り欠かれた肩部構造の第1リストバンドと、延長部材と、幾分小さい画像領域と従来の折り重ねラミネート構造とを有する第2リストバンドと、プリンタ処理のためにあらかじめ穴が開けられたシートを有する自己接着性ラベルのマトリックスとを有する、ページサイズのフォームである。
【図31】連続ロールのリストバンドから分離したパネルの平面図であり、支持層パネルの上を覆う表面素材層を示している。
【図32】図31に示されたパネルにダイカットされたセルフラミネート型のリストバンドを備える2層マトリックスの平面図である。
【図33】サーマルプリンタにおいて用いるように特に適合された、ロール状に巻かれたリストバンドの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1から図3に示すように、親出願の発明のビジネスフォーム20の第1実施形態は一般に、好ましくは約3と1/2インチ×17インチ(3 1/2’’×17’’)の全体サイズを形成する、支持体24にダイカットットされたリストバンド/ラベルアセンブリ22を含む。一般に、ビジネスフォーム20は、3つのウェブ構造を用いて、すなわちペアの薄膜ポリマー透明ウェブ28、30の間に挟まれたポリマーラミネート紙中心ウェブ26を用いて組み立てられ、次に、支持ウェブ31に乾燥接着される。ポリマーコート紙ウェブ26は支持ウェブ31に乾燥接着され、これにより、リストバンド/ラベルアセンブリ22をダイカットに沿って支持ウェブ31から分離して、リストバンド/ラベルアセンブリ22を支持体24から取り外し得る。フォーム20の端部では、接着剤32がリストバンド/ラベルアセンブリ22のリストバンド部分36の単一端34に塗布されている。好ましくは剥離被膜を有する紙製の別個のパッチ40が接着剤32を覆い、ウェブは、パッチ40が支持体24から分離される際に、接着剤32を覆っているパッチ40の一部が単一のリストバンドの端部34で分離するように、ダイカットされている。リストバンド/ラベルアセンブリ22が支持体24から分離されるとき、フィラー44は下部ウェブ30に接着されたままであるため、スロット42を備える「締付け部」が形成される。
【0027】
親出願の第1実施形態のリストバンド/ラベルアセンブリ22は、リストバンド部分36とタブ部分46とを含む。タブ部分46は好ましくは複数の個別ラベル48を有するラベル部分56を含み、ラベルのそれぞれは、タブ部分46の本体と一緒に、識別表示50、好ましくはバーコードで識別される。5枚のラベル48が示されているが、当業者には、本発明の範囲を逸脱することなく、それより多い数または少ない数のラベルが提供されてもよいことが明らかである。好ましくは、剥離層51が、ラベル48の下に置かれ、ラベルを任意の他の媒体、例えば、カルテ、衣服などの所持品のバッグに付けられたタグ、薬の容器等に接着するために各ラベルで保持されている接着層を、タブ部分46から取り外しやすくしている。好ましくは、リストバンド部分36はまた、例えばリストバンドのストラップ部分54に沿って着色剤52によって、カラーコード化されている。当該技術分野で知られている任意の好都合なカラーコード化方式が利用されてもよいが、このような好都合な方式の1つは、死亡者には黒色、生きているが生存するには応急手当てが必要な人には赤色、生きているが回復には手当てが必要な人には黄色、生きていて命に別状のないけがに対して注意が必要な人には緑色が用いられている。他のカラーコード化方式が当業者には明らかだが、それらのカラーコード化方式も本発明の範囲内である。タブ部分46は、ダイカットによってラベル部分56から分離されており、それによって、必要な場合には、ラベルをリストバンド部分から分離することができるが、意図的に外されなければ保持されている。各ラベル48はダイカットによって画定され、各ラベル48をタブ部分46から個々に分離しやすくするために、接着層と、下層の剥離層とを有する。例えば医療関係者が手に手袋をはめているか、または流体が存在する場合、周りを取り囲んでいるより広い部材58をラベル48の周りから剥がして、ラベルを取り外しやすくしてもよい。
【0028】
図4に示すように、リストバンド/ラベルアセンブリは、リストバンド/ラベルアセンブリを支持体から分離し、ストラップ部分を締付け部またはスロットを通して手首周りに巻き付け、ストラップ部分を所望の強さで引っ張り、ストラップ部分の単一端に塗布された接着剤を覆うカバーを取り除き、次に単一端をストラップ部分に固定して円形またはリストバンドを完成させることによって、被害者、例えば被害者の手首周りに容易に取り付けできる。この方法においては、被害者は、医療状態についてカラーコード化され、例えばバーコードなどの識別表示で識別され、ラベルのセットは、被害者に関連付けられる所望の任意の他の物品、例えば、被害者の所有物、カルテ、投与されている薬または所望される任意の他の物品に印を付けるためにすぐに利用できるようになっている。
【0029】
図6から図8には親出願の第2実施形態が示されており、第2実施形態が、シートタイプの構造(第2実施形態は使用前に、このシートから分離されなければならない)の一部として供給されておらず、あらかじめプリントされ、医療状態等を表示するための別の構成を有することを除いて、第2実施形態は第1実施形態と極めて類似している。図6から図8に示されるように、第2実施形態は、第1実施形態と同様に、最初に支持体から分離することなく完全に形成され、使える状態にある。しかしながら、第2実施形態はまた、ストラップ部分72とタブ部分74を有する。ストラップ部分はまたカラーコード化されてもよいが、好ましくは、ダミーのタブ80と一緒に、タブ部分74から分離するための複数の分離可能なタブ76を設けることにより、取り付けられたフォームを見た人が、医療状態を示すために意識的に作業がなされたことを確認できるようにする。そうでない場合には、ダミーのタブ80が存在しており、この特徴物が少なくともこれまでのところ使用されていないことを示す。カラーコード化と一緒に、好ましくはバーコードも個々のタブ76上に表示されており、各タブ76は照合バーコードを有し、これにより、被害者の状態が患者のIDバーコードとしてスキャンされ、同時にコンピュータまたはデータベースに取り込む。例えば、複数の未熟な関係者が使用する場合であっても、被害者に印を付ける際に一貫性を保つのに役立つ種々のカテゴリーに対する特定の意味に関して医療技術者に知らせる定義情報といった、別の情報もタブ76上に提供されてもよい。この情報は、医療上の緊急事態が生じた場合に手が空いている関係者の資質または習熟度合いについては誰にもわからないため、本フォームをほぼ独習するのに役立つ。図7に示されるように、タブ部分74の背面は、追加の指示情報、またはバイタルサインもしくは薬へのアレルギー等の他の医療情報等を記録するための場所を有してもよい。さらに注目すべきは、この第2実施形態で示されるように、スロットを備える締付け部78が1つではなく2つあることである。これによって、ストラップ部分72を、変化する寸法により近いサイズとし、したがって広範囲の外肢において使用できる。締付けスロット78の間で2列に配置されていることが示されている、他の同様の特徴物、例えば、バーコードラベル81も含まれる。
【0030】
図8は、第2実施形態を所望通りに形成するために用いられる4つの層を示している。一番上の層は透明な保護フィルムのウェブ80であり、この保護フィルムは、フォームの全体を横切って延び、タブ76、80の引き剥がしを可能にするために上述したように穴を開けられ、締付け部78を形成する穴82を有する。2番目の層は、フォームに含まれる情報の大部分に関して所望の情報があらかじめプリントされていることが好ましい、表面素材84から構成されている。次の層は、接着層86であり、好ましくは、当該技術分野で知られているように、パターン化層および剥離被膜であり、以下でより詳細に説明するように、接着層86によって、付属品上にバーコードを貼り付けるための自己接着層を備えるタブ86を取り除くことができる。一番下の層は、表面素材ウェブ80の底部を保護する作用をするベースフィルム材料のウェブ88である。複数の図において明らかなように、第1実施形態のパッチ40と同様のパッチ89が示されており、このパッチ89を利用して、ストラップ部分72の端部を取付け、被害者の外肢に着けてリストバンドを完成させる。より具体的には、シリコーン90の2つの区画が、図8の挿入された側面図に示されている。シリコーンのこれらの区画は、パッチ89とバーコードラベル81と整列し、これにより、分離すると、これらの区画が、パッチ89とバーコードラベル81と共に、これら区画を自己粘着性にする接着層を保持するようになる。
【0031】
図5に示されるように、被害者が処置されるとき、親出願の発明はまた、この情報をコンピュータ100に入力することができ、患者のIDおよび医療状態の好ましくは両方に対して、バーコードスイーパ(barcode swiper)102等によってバーコードを読み取り、その後、この情報をインターネットを介してサーバ104に送信することができ、ウェブサイトにおいて照合および表示する、ことを意図している。当該技術分野で知られているように、複数のコンピュータ102を同じサーバ104に容易に接続でき、多数の医療施設からの入力情報を同時に処理することができる。これによって、この情報は、被害者が処置されるときにほぼ即座に、ウェブを介して遠隔位置で利用できるようになり、身内または愛する人を捜し求めている家族の不安を取り除く。
【0032】
親出願の発明の主要な利点および特徴を、好ましい実施形態を説明することで示してきたが、当業者には明らかなように、親出願の発明の他の態様および変形形態が存在する。例えば、バーコードではなく、フォーム上で他の識別表示が用いられてもよい。フォームは、医療分野の緊急事態以外の他の用途で用いてもよい。被害者を分類するために、カラーコードではなく他のコードまたは表示が用いられてもよく、または、被害者は、異なる医療カテゴリーに基づいて他のカテゴリーに分類されてもよく、または、所望される場合、コードがフォームから除外されてもよい。例えばセルフラミネート型の構成などの他の構成が、特にリストバンド部分を含むフォームで用いられてもよく、さらにリストバンドは1回使用する間に損傷から保護される。単一端をスロットの周りに、スロットを通してループ状に巻くのではなく、リストバンドに取り付けるための他の手段が用いられてもよい。締付け部の別の形体または締付け部の異なる構成が用いられてもよい。さらに他の変形形態が当業者には明らかだが、親出願の発明は、添付の特許請求項の範囲およびそれらの法的均等物によってのみ限定されるものとする。
【0033】
図9には第2の親出願の発明の発明物100が示され、約3インチ×11インチの2層のシートレットサイズの構造で形成されているとして示されている。上部層102は、好ましくは、レーザプリンタまたは他のコンピュータ制御されたプリンタからプリント画像を容易に受け入れる、ボンドなどの表面素材であり、下部のラミネート層104は表面素材層102の下にあり、剥離被膜された部分を含むパターン化接着層によって接合されている。これらは、さらに読めば明らかとなる。発明物100は一般に、ダイカット110によって画定された表面素材のプリント可能な領域108を有するセルフラミネート型リストバンド106と、一体形成されたストラップ部分112と、ラミネート部分114と、ラミネート層104内でダイカット118によって同様に形成された締付け部116とを備える。表面素材のパッチ120もまた表面素材層102にダイカットされ、後に説明するように、リストバンド106が患者に取り付けられるとき、ストラップ部分が付着される接着パッチを覆う。ストラップ部分112の全長を剥離コーティングによって覆い、これにより、ストラップ部分112がシートレット100から取り外された後に、ストラップ部分112がそれと一緒に接着剤がついてこないようにしている。ラミネート部分114は、その上部部分122を表面素材領域108に付着するために、上部部分122と表面素材領域108との間に接着層を有する。しかしながら、ラミネート部分114の下部部分124は、接着剤が塗布されていない領域の窓126を有するので、ラミネート部分が折り重ねられるため、プリント可能な領域108を覆う接着層は存在しない。形成される場合には、リストバンド106がシートレット100から分離された後にリストバンド106を形成する補助手段として、ラミネート部分の半分部分122、124の間に折り目またはミシン目128が形成される。締付け部116は一般に、延長部分131内に形成され、ストラップ部分112をスロットを通して挿入しやすくするために、表面素材領域108とストラップ部分112にほぼ垂直に配置されたスロット130を備える。スロット130の中心軸に沿って、延長部分131の幅全体にわたって、折り目またはミシン目132も提供され、延長部分131がスロット130を所望の長さまで通り抜けた後、延長部分131がストラップ部分112の上に折り重ねられ得るように、接着剤が延長部分131を覆っている。延長部分131と締付け部116とは、ラミネート部分114の下半分部分124に近接しているとして示されており、その結果、リストバンドが取り付けられるとき、延長部分131の接着層が患者の手首の方を向く。あるいは、延長部分131と締付け部116とは、図9の挿入図に示されるように、ラミネート部分114の上半分部分122に近接して形成されてもよく、この構造では、延長部分の接着剤は、リストバンドが取り付けられるとき、患者から離れる方向を向く。この代替構成では、他の構成が小さいタブを生成し、このタブがリストバンドを強く引っ張る程度に応じて平らになるかまたはならない可能性があるため、リストバンドは患者に対してより平らになる可能性がある。しかしながら、これが重要とは考えられない。
【0034】
使用中、このリストバンドの実施形態は最初に、ストラップおよび/またはダイカットされた表面素材領域108の端部を押し下げて、それを剥がすことによって、支持体のシートレットから分離され、それによって、リストバンドアセンブリを構成するマトリックスを分離する。次に、ラミネート部分114を折り曲げて重ね合わせ、プリントされた表面素材領域を封止する。次に、ストラップを手首周りに巻き、ストラップを締付け部に挿入し、延長部分を折り重ねてそれをストラップに付着し、次にストラップの端部上の接着剤を露出させ、ストラップをそれ自体に戻して付着して余分なストラップを固定することによって、リストバンドが患者の手首に取り付けられる。介護者は、ストラップを延長部分に付着する前に、ストラップを締付け部のスロットに通す長さを調節することによってリストバンドの締め付け強さを選択することができる。
【0035】
また、シートレット100の上には延長部材140が示されており、この延長部材140は一般に、ラミネート層104の全長の一端にクラムシェル型接合部分142と、他端に接着パッチを覆う表面素材パッチ144とを備える。延長部材140は、ストラップ部分112の有効長を延ばすために用いられてもよく、ストラップ部分112の長に沿ったどこかの位置にクラムシェル型部分142を付着し、先に説明したように、延長部材140上の接着パッチを用いて、ストラップ部分112をストラップ部分自体に接合することによって取り付けられる。延長部材140の長さは、ストラップ部分112のような接着剤がないので、患者の皮膚に対しては接着剤が露出しない。
【0036】
図10に示されるように、複数の自己接着性ラベル146と一緒に、リストバンド106と延長部材140とがページサイズのシートの一部として含まれてもよい。本発明者による従来の特許で示された先の発明におけるのと同様に、リストバンド上だけでなくラベル上にも患者に関連する識別情報をプリントすることが望ましいことがわかってきている。このラベルは、必要に応じて個別に引き剥がして、患者に用いるための専用のアイテムをラベルで表示し、例えば血液サンプル、組織サンプルなど他の医療的アイテムを識別することができる。したがって、図10に示されるように構成された本発明の必要性がわかってきた。
【0037】
図11に示されるように、ページサイズのフォームにはまた、リストバンド106の混合体106およびリストバンド160の異なる実施形態が提供されてもよい。リストバンド160は、好ましくは、リストバンド106よりも長さが少し短く、若干異なる構成の締付け部を有する。図11に示されるように、それぞれが、リストバンド106と同様に、表面素材層からダイカットされたプリント可能な表面素材領域162を有する2つのリストバンド160がある。さらに、リストバンド106と同様に、ストラップ部分164とラミネート部分166と締付け部168とがまたラミネート層にダイカットされている。しかしながら、締付け部分168は、ラミネート部分166の上半部部分172と下半分部分174の両方に近接してダイカットされたペアのスロット170を備えており、これにより、2つの半分部分172、174は折り重ねて表面素材領域162の上に重ねられ、スロット170が互いに重なりあい、表面素材領域162とストラップ部分164との中間に単一の開口を形成するように位置合わせられている。締付け部をこの位置に置くと、いくつかの相違点が明らかになる。まず、リストバンド160は、好都合には、より小さい円周を囲むことができ、その結果、リストバンド160は、リストバンドを形成するループの外側に表面素材領域162とラミネート部分166とを取ることから、より小さい手首、例えば赤ちゃんの手首に容易に取り付けることができる。代わりに、表面素材領域162とラミネート部分166は、リストバンド160が患者に取り付けられた後にストラップ部分164から実質的に吊り下がる「吊り下がりタグ」を形成する。本実施形態では、ストラップ部分164が、第1実施形態におけるように、上半分部分172から延びる代わりに、下半分部分174から延び、それによって、ストラップ部分164を締付け部分168を通してその周りに巻き、次に、表面素材領域162を通過するかまたは遮ることなく、ストラップ部分自体に戻して巻くことができることに留意されたい。このリストバンド160の構造は、より小さい手首に適合されるものとして図示されているが、より長いストラップ部分164を備えて、または延長部材140を備えて用いられてもよく、設計上の選択事項と見なされてもよい。シート上にはまた、リストバンド106、160のいずれかに直接もしくはクリップに個別に取り付けるのに便利な、または使用者の財布に入れて携帯するためのスロット178を有した、それ自体がセルフラミネート型であるペアのIDカード176が示されている。リストバンドとIDカードのこの集合体は、1人の親に対して1つのリストバンドと、1人の親に対して1枚のIDカードと、1人または2人の乳児または子供に対して2つのより小さいリストバンドとを有する小児科の状況に特に有益であることがわかってきている。
【0038】
図12は、複数の自己接着性ラベル146と一緒に2つのリストバンド106を含み、図10に示された構成とは少し異なるが、同じ発明のリストバンドが用いられている、シートサイズのフォームを示している。図13は、代替のリストバンド160が用いられていることを除いて、図12に示されたフォームと類似のシートサイズのフォームを示している。本発明者は、これらの製品の特定のグループ分けが、特定の用途については容認され、商業的な成功を得ていることをわかっているが、ラベルまたはIDカードの有無にかかわらず、異なる構造のリストバンドの他の組み合わせが、設計上の選択事項として望ましいこともわかる。
【0039】
図14は、本明細書における本発明者の継続した発明成果を表す発明物を示している。図14に示されるように、リストバンド200は、ストラップ部分202と、締め付けスロット206とペアの全幅ラベル208とを含むタブ204とを有する。各ラベル208とストラップ部分202の近接領域とは、好ましくはバーコードとして示される、識別表示210によりコード化されている。任意の所望の識別子、例えば、会社名、病院名または他のメッセージなどでプリントされ得るプリント領域212がストラップ部分202に含まれている。本発明の構造は上述の構造と類似であってもよく、図1の実施形態に関して説明したような複数のウェブ構成を備える。ラベルは、リストバンドの用途に応じて、取り外されても、任意の他の関連材料に貼り付けられてもよい。医療機関では、ラベルは、カルテ、薬、食器、衣料品バッグ、または任意の他のよく知られた必要品に用いられてもよい。その他の用途においては、使用者の想像によってのみ限定されるように、例えば、個人的な物品、チケット、受領証、請求識別子、例えばクレジットカードの請求等の他の使用がなされてもよい。
【0040】
図14に示される実施形態は、人が手首周りに着用するのがより快適であり得る、全体に細長いストラップ部分202を有し、締め付けスロット206をストラップ部分202の幅よりもわずかに広くして、リストバンド200を固定する際に挿入しやすくしてもよい。リストバンド200を人に取り付けることを望むまで、好都合には、接着保護パッチ214がストラップ部分202の先端の接着パッチ216を覆ってもよい。締め付けスロット206に挿入した後、取付けプロセスを完全にするために、パッチ214は取り外され、ストラップ部分202が折り重ねられ、ストラップ部分自体に付着されてもよい。ストラップ部分202は、人の外肢に着けてリストバンドをきつく縛るように、ストラップ部分202を挿入した後、ストラップ部分を引っ張ることによって人に着けられるようにきつく締めてもよい。あるいは、ストラップ部分202はきつく締められる必要がなく、リストバンド200を「緩めた」状態のままにして、しっかり固定されるが、おそらくより快適なフィット性を提供してもよい。
【0041】
図15から図17には、図14に示される基本的な構成のラベルの変形形態が示されている。これらは、図15に示されるように、全てが同じ全幅方向に配置された複数(5つ)のラベル208を含み、図16に示されるように、単一の全幅ラベルと垂直に配置された2つのペアのラベルと、図17に示されるように、単一の垂直に配置されたペアのラベルとを含む。これらのラベル構成は、意図される使用者の必要性を最も望ましく満たすことが予測されるように示されているが、当業者であれば、他のラベル構成が本発明の範囲から逸脱することなく用いられてもよいことが明らかである。
【0042】
図18には、セルフラミネート型のリストバンド220と延長部材222と複数の自己接着性ラベル224とを含む、略ページサイズのシートが示されている。このシートを構成するのに用いられる種々のウェブは、上で説明してきた。セルフラミネート型リストバンド220は、好ましくは表面素材層内で形成される表面層部分226と、好ましくはラミネート層内で形成されるラミネート層部分228と、好ましくは同じくラミネート層内で形成されるストラップ部分230と、好ましくはラミネート層内で形成される取付け部分232とを含む。図18に示されるように、1つのスロット234が取付け部分232の延長部分236内に形成されている。折り目238が、後で説明するように、ストラップ部分230を付着するために、スロット234を折り重ねる補助手段としてスロット234を2等分する。図示されているように、折り目238は、スロット234の中心軸を通り、ラミネート層を通って、両側で不完全な切れ目を備えてもよい。接着層はスロット234を実質的に取り囲んでおり、これにより、接着層が折り重ねられると、スロットに挿入されたストラップ部分に付着するようになる。第2のスロット240が、表面層または素材部分226内と、下にあるラミネート層内との両方に形成されてもよい。表面素材部分226は、略矩形状のプリントまたは画像領域の縁部からスロット234の縁部まで延びるタブ242を有する。
【0043】
使用中、シートはまず、情報、例えば、患者の名前、入院番号または他の情報をラベル224およびリストバンド220に付け加えるために、レーザプリンタ等を用いて処理されてもよい。次に、リストバンドがシートから分離され、親出願の発明の他の実施形態に関して上記で詳細に説明したように、患者の手首に取り付けられてもよい。但しこの場合、ストラップの端部はスロット234に挿入され、次にタブが折り重ねられ、ストラップの端部を所定の位置に付着する。他の実施形態におけるように、接着剤はストラップの端部に塗布されなくてもよい。代わりに、タブスロットを実質的に取り囲む領域に塗布された接着剤がストラップを所定の位置に固定する。表面素材タブ242が、ストラップの端部が接着剤の付いた表面と接触することを防ぐこと、および、他の実施形態と異なり、リストバンドが取り付けられる際に患者の手首を通過するストラップの端部には接着剤がないことに留意されたい。このことは、リストバンドが取り付けられる際に、リストバンドが「汚れ」なくなり、それによって、リストバンドを困難なまたは非協力的な患者にさらに良好に取り付けるのを容易にすることを保証するのに役立つ。リストバンド220の有効長を延ばすために、他の実施形態に関して説明したように、延長部材222が用いられてもよく、延長部材は、同様に、その端部に塗布される接着剤を有する必要がない。
【0044】
図19は、全体に長さがより短く、一方のリストバンドに対して異なるスロット構成を有する、2つのリストバンドを備えることを除いて。図18の構成と類似のリストバンドとラベルの別の構成を示している。シートの上部近くに図示されたリストバンド260は、図18に示されるように、リストバンド220と同様に設計されている。上述のように、このリストバンド260は、患者の手首周りに好都合に取り付けられる。第2のリストバンド262は、表面素材部分268の両側に締付けスロット264、266を有し、ストラップの縁部270は、接着パッチ272を有する。使用中、第2のリストバンドは、いくつかの異なる方向に取り付けられてもよい。このような方向の1つでは、ストラップの端部が、両方のスロット264、266に挿入され、表面素材部分268の下を通過する。この方向においては、表面素材部分は、リストバンドが取り付けられた後は、より平らな状態を維持する傾向があり、幼児もしくは小さい手首、またはその他のきつく引っ張られたリストバンドに関しては、このより平らな方向は、表面素材上で任意のバーコード化された情報を読み取るのに役立つ。別の方向では、ストラップの端部が内側の締め付けスロット264を通って挿入され、この結果、表面素材部分268がリストバンド260から自由に吊り下がるようになる。さらに別の方向では、ストラップの端部は外側の締付けスロット266を通して挿入され、これは他の実施形態に関して上で説明した方向に極めて類似している。この方向ではリストバンドは最大長さとなり、この場合、表面素材部分268はリストバンドの円の一部を形成しており、ストラップの端部は取り付けるためにそれ自体に戻るように折り曲げられている。これらの2つのリストバンドは、小児科症例に適用するために独特な組み合わせを形成している。この理由は、異なるリストバンド構造にすることにより、リストバンドを幼児の手足の両方に、種々の方向で、すべてシートを1枚消費するだけで、取り付けることができるためである。
【0045】
図20に示されるシートは、複数の自己接着性ラベル282と一緒に、2本のリストバンド280を提供する。この実施形態では、2本のリストバンド280は、図19に示されたリストバンド262と同じ設計である。この構成は、新生児集中治療室の幼児に用いられるのに特に適合されている。この理由は、2本のリストバンドは両方とも、上述のように、2つの方向のいずれで配置されてもよく、これによって、2本のリストバンドを、集中治療を受けている幼児のいずれの手足への取付けにおいても、柔軟性を最大にすることができるからである。この状況では、多くの異なる種類の状態に遭遇し、この柔軟性によって、単一のリストバンドフォームおよびラベルのセットを消費するだけで、リストバンドをうまく使用することができる。
【0046】
図21に示されるように、延長部材302および自己接着性ラベル304と一緒に、リストバンド300が2層パネル306内に形成される。パネル306は両側の端部308、310において端と端をつなぎ、これを繰り返すことにより、典型的なサーマルプリンタによってプリントするために、連続ロールのリストバンドを形成してもよい。パネル306の2つの層は、表面素材312とラミネート層314とから形成されている(図22を参照のこと)。リストバンド300の構造は、上で説明した他の実施形態において説明した構造と極めて類似している。全体として、図21および図22を参照すると、表面素材層312は、画像領域316と、折り重ねラミネート部分318と、表面素材324の取り外し可能なパッチによって保護されている接着パッチ322を有する尾状部分320と、表面素材層312とラミネート層314の両方に形成された画像領域316の両側におけるペアの締付けスロット326とを含む。好ましくは、接着剤パターンを用いて表面素材312をラミネート層314に接合することにより、重なったラミネート部分328と尾状部分320には接着剤が塗布されない。
【0047】
代替の実施形態においては、別の熱画像リストバンドの構造330が、図23では表面素材層332を有し、図24ではラミネート層334を有して示されている。注目すべきことに、折り重ねラミネート部分336は、例えば図21、図22の実施形態に示されるように、横方向に配置されるのではなく画像領域338の縦方向に配置されていることである。この配置によれば、より細い外形が提供され、この結果、表面素材332とラミネート層334とを備えるパネル340が図21、図22に示されたパネルに比べてより細くなる。また、図21、図22に示された実施形態と同様に、パネル340は端と端を接して連続的に配置され、次に、当該技術分野で知られているように、サーマルプリンタで好都合に扱われ得る空白のリストバンドのロールを形成してもよい。
【0048】
リストバンド350のさらに別の実施形態が、図25においてシートレット352として示されている。このリストバンド構造350において注目すべきことは、表面素材画像領域354が、両側端部358、360において、切り欠かれた肩部356を有することと、リストバンド350がシートレット352から分離し、ラミネート層の半分部分368を画像領域354とラミネート層の半分部分366との上に折り重ねることによって組み立てられる際に、リストバンドの外形が維持されるように、ラミネート層362もラミネート層の2つの半部部分366、368において切り欠かれた肩部364を有することである。
【0049】
切り欠かれた肩部356は、各端部358、360における第1の幅から、より大きな幅を有する画像領域354の一部への曲線状移行部として示されている。特定の曲線形状は、画像領域354がその両端部358、360で僅かに広い寸法となっている点を除いて、設計上の好みの問題である。曲線形状は、個々の使用者の好みに合わせて、および最大の製造の容易性と着用者の快適性を提供するために、多かれ少なかれ極端に選択されてもよい。さらに、切り欠かれた肩部356が画像領域の片側のみに形成されていることに留意されたい。より深い「V」370が、画像領域354の両側において、切り欠かれた肩部356に適合するようにラミネート層内で形成される必要があるため、この構成は、ラミネート層のダイカットの外形輪郭を単純にする。したがって、図示された構成は、ラミネート領域内にダイカットを形成するのに必要な、または、ダイカットをシートレット352から分離することをより難しくするのに必要な正確さを、かなりの程度まで上げることなく、拡大した画像領域を提供する。そうであっても、切り欠かれた肩部356が画像領域354の両側に形成されてもよいことは、本発明の範囲内である。さらに、ラミネート領域は、外形輪郭を合わせるために対応する切り欠かれた肩部を有するが、好みの問題としてラミネート領域を切り欠かないことは、本発明の範囲内である。
【0050】
図26に示されるように、図25に示されたリストバンド350は、ペア374の自己接着性ラベルと一緒に、シートレット形状体372に含まれてもよい。上述のように、リストバンド、延長部材の構造、および自己接着性ラベルについての本発明者の様々な実施形態は全て、様々な使用者の必要性、プリンタ要件に合う種々の形式で、およびフォームの設計事項または好みの問題として、交換可能に混合および整合されてもよい。図27に示されるように、リストバンド350は、延長部材378および自己接着性ラベル380と一緒に、シートレット376内に提供されてもよい。図28には、さらに別のシートレット382が示されており、このシートレット382は、4つの自己接着性ラベル384と、プリンタを通してシートレット382をトラック給送および位置合わせのためのあらかじめ開けられた複数の穴386と一緒に、リストバンド350を含む。図29は上部部分390を有するページサイズのフォーム388を示しており、リストバンド350と延長部材392とが、自己接着性ラベルのマトリックス396からミシン目394などで分離された状態を示している。好ましくは、あらかじめ開けられた複数の穴398がまた、プリンタとの位置合わせおよびプリンタを通るフォームの給送のために設けられている。
【0051】
図30に示されるページサイズのフォーム400は、第1の構造のリストバンド350と、リストバンド350よりも僅かに小さい異なる構造のリストバンド402とを含む。延長部材404が、いずれのリストバンド350、402においても用いることができるように設計されている。リストバンド402は、好みの問題として、少し小さいが、あらかじめ開けられた複数の穴408と一緒に、16の自己接着性ラベル406のマトリックスをフォームの下部部分に形成することができる。種々のサイズを有するリストバンドが特に有用であるいくつかの用途、例えば、乳児と親がそれぞれ識別/安全などの目的でリストバンドを提供されることが望まれる場合のある用途が、産科病棟において存在する。
【0052】
図31から図33に示されるように、サーマルプリンタを用いて好都合に処理を行うためにロールに巻くのに十分な柔軟性のあるセルフラミネート型感熱プリントリストバンドのさらに別の実施形態が示されている。これらの図に示されるように、連続構造の連続ロール502は、それぞれがパネル506にダイカットされた2層マトリックスの複数のリストバンド504で構成され、図23および図24に示された連続構造とほぼ同じである。連続構造は、適切なラミネート材料からできた支持体層508を含み、ロール502の全長にわたって連続している下層を提供する。弱い線またはミシン目510が、隣接するパネル506を分離し、画定し、また1つずつ使用するためにリストバンドを引き剥がしやすくしている。表面素材部分512が、上にある表面素材層514のパッチにダイカットされ、表面素材層514は各パネル506に個々に付着されている。先に説明したように、患者の名前、バーコード識別子、医師の名前等の適切なプリントが、表面素材部分512に施される。同様に、第2のダイカットがラミネート層の各パネル506内にラミネート部分516を画定する。ラミネート部分は、表面素材部分512が付着される第1領域518と、リストバンド500がパネル506から分離した後に表面素材部分512を重ね合わせるための第2のまたは折り重ね部分520と、表面素材部分または第1の領域518から延びる1本のストラップと第2のまたは折り重ね部分520から延びる第2のストラップとを備えるペアのストラップ522とを備える。代替構造体は、ストラップ522に対して種々の位置を有する構造体を含む。例えば、第2または折り重ね領域52の両側から、もしくは表面素材部分または第1領域518から延びるようにストラップ522を配置し、または図面で示されるようにそれらの位置から対角線上で反対になるようにストラップ522を配置する。折り重ね領域520は、折り重ね領域520を折り重ねて重ね合わせた後、表面素材部分512上にプリントされた情報を見やすくするほぼ透明な部分524を有する。第2領域520全体は、好ましくは、第1領域518と表面素材部分512とを確実に固定封止するために接着剤で覆われている。表面素材の保護被膜層を有する接着パッチが、ストラップの両端に形成されて、それら両端を一体に接合し、リストバンドを着用者の手首に取り付ける。支持体層508にダイカットされ得る、延長部材526もまた示されており、この延長部材526はいずれかのストラップの端部に取り付けられ、リストバンド504の長さを効果的に延ばすために用いられる。
【0053】
発明を、本明細書において、リストバンド並びに、延長部材を含む他の発明の特徴および付属品の構造に対するいくつかの代替形態を用いていくつかの実施形態で開示してきた。具体的に述べられていない種々の代替形態もまたこれらの発明の範囲内にあることが当業者には理解される。これらの代替形態のいくつかは、表面素材またはラミネート層の各層に対して特定の材料の選択と、特定の使用接着剤と、リストバンドが形成されるページサイズのシートに対する構造の他の詳細事項とを含む。ストラップの特定の長さまたは形状は、特定の用途に合わせて変更されてもよく、ストラップの端部における接着パッチの位置は変更または除去されてもよく、ストラップがラミネート部分から延びる点と他の構成の詳細事項がまた本発明の一部として考慮され得る。ストラップ部分を重ね合わさないことが本発明者によって望ましいと考えられるが、なぜ重ね合わせる必要がないかの理由は特にない。表面素材の形状またはサイズは変更されてもよく、実施形態のいくつかにおいて外側のスロットに延びるタブは、表面素材または、スロットのその端部に近接する接着剤を除去するために用いられる接着パターンから分離されてもよく、それでも同様の効果を達成する。本明細書で開示した好ましい実施形態は、例示であることを意図しているのであって、本発明の主題に関して限定することは意図していない。他の同様または様々な変更が考えられ、それらの変更は、本明細書に添付された特許請求項およびそれらの法的な均等物の範囲によってのみ限定されるべき、本発明の一部と考えられるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルフラミネート型のリストバンドを備えるビジネスフォームであって、前記リストバンドがそれぞれ、熱画像表面と、プリント可能な表面層部分を実質的に取り囲むラミネート層部分と、人の外肢の周りに巻き付けるための前記表面層の片側から延びるストラップ部分と、ストラップ部分をプリント可能な表面層部分に接合するための付着部分とを備えるプリント可能な表面層部分を有し、それによって前記リストバンドを前記人の外肢に取り付け、前記複数のリストバンドが、隣接するリストバンドから各リストバンドを分離するミシン目を備える、端と端を接して配置されたリストバンドの連続ロールに形成され、前記ロールが、実質的にリストバンドの幅である、ビジネスフォーム。
【請求項2】
少なくとも2つのセルフラミネート型のリストバンドからできた連続構造体を備えるビジネスフォームであって、前記リストバンドがそれぞれ少なくとも部分的に支持体にダイカットされ、支持体から分離することができ、前記リストバンドが、前記支持体に端と端を接して配置され、前記連続構造体が、実質的にリストバンドの幅を有する、ビジネスフォーム。
【請求項3】
前記連続構造体が、複数の分離可能な多層パネルを備え、支持体が前記各パネルの少なくとも1層を備え、前記リストバンドがそれぞれ、単一パネルを備える層にダイカットされている、請求項2に記載のビジネスフォーム。
【請求項4】
前記パネルがそれぞれ、2つの材料層を備え、前記複数のリストバンドがそれぞれ、前記層の両方へのダイカットによって形成されている、請求項3に記載のビジネスフォーム。
【請求項5】
前記連続構造体が、ロールに巻くのに十分な柔軟性を有する、請求項4に記載のビジネスフォーム。
【請求項6】
支持体層がラミネート材料を含み、他の層が表面素材を含み、前記表面素材が、識別表示でプリントされるように適合されている、請求項4に記載のビジネスフォーム。
【請求項7】
前記支持体が、連続構造体の全長に沿って延びる連続層を備え、前記各パネルをそれに隣接するパネルから分離するための前記支持体層内のミシン目をさらに備え、各パネルがミシン目に沿って連続構造体から分離することができる、請求項6に記載のビジネスフォーム。
【請求項8】
前記支持体層内のダイカットが、ペアのストラップを備えるラミネート部分を形成し、前記ラミネート部分が、表面素材部分に付着するための第1領域と、前記支持体から分離した後に表面素材部分を覆うための第2領域とを備え、それによって表面素材部分を重ね合わせる、請求項7に記載のビジネスフォーム。
【請求項9】
表面素材部分に施された任意のプリントが、第2のラミネート部分領域によってオーバーラミネートされた後に、第2のラミネート部分領域を通して目で確認できるように、第2のラミネート部分領域がほぼ透明である、請求項8に記載のビジネスフォーム。
【請求項10】
複数のセルフラミネート型のリストバンドの連続ロールであって、前記リストバンドがそれぞれ前記ロールから分離可能であり、プリント情報を表示するように適合された表面素材層の一部と表面素材部分が付着されるラミネート層の一部とからできた2層マトリックスを備え、前記ラミネート部分がまたラミネート層領域を備え、このラミネート層領域が、表面素材部分を折り重ねて、表面素材部分を保護し、着用者の手首周りにリストバンドを接合するための少なくとも1本のストラップを備える、連続ロール。
【請求項11】
各リストバンドのラミネート部分が、前記連続支持体へのダイカットによって形成され、表面素材部分が、表面素材層へのダイカットによって形成され、2層マトリックスが、前記ダイカットに沿って前記連続ロールから分離することができる、請求項10に記載の連続ロール。
【請求項12】
各リストバンドが、対応する表面素材層を有し、隣接する表面素材層が接続されていない、請求項11に記載の連続ロール。
【請求項13】
各表面素材部分が、それに対応するラミネート部分に付着され、各ラミネート部分が折り重ね部分を有し、この折り重ね部分が、ロールから分離された後、表面素材部分を折り重ねて重ね合わせる、請求項12に記載の連続ロール。
【請求項14】
ラミネート部分が、表面素材部分と折り重ね部分のそれぞれの側面に延びるストラップを有する、請求項13に記載の連続ロール。
【請求項15】
折り重ね部分が、折り重ねられた後に、表面素材部分を見ることができるようにほぼ透明である、請求項14に記載の連続ロール。
【請求項16】
隣接するリストバンドを分離するために、連続支持体内に形成された弱い線をさらに備える、請求項12に記載の連続ロール。
【請求項17】
表面素材が感熱プリントされるように適合されている、請求項10に記載の連続ロール。
【請求項1】
複数のセルフラミネート型のリストバンドを備えるビジネスフォームであって、前記リストバンドがそれぞれ、熱画像表面と、プリント可能な表面層部分を実質的に取り囲むラミネート層部分と、人の外肢の周りに巻き付けるための前記表面層の片側から延びるストラップ部分と、ストラップ部分をプリント可能な表面層部分に接合するための付着部分とを備えるプリント可能な表面層部分を有し、それによって前記リストバンドを前記人の外肢に取り付け、前記複数のリストバンドが、隣接するリストバンドから各リストバンドを分離するミシン目を備える、端と端を接して配置されたリストバンドの連続ロールに形成され、前記ロールが、実質的にリストバンドの幅である、ビジネスフォーム。
【請求項2】
少なくとも2つのセルフラミネート型のリストバンドからできた連続構造体を備えるビジネスフォームであって、前記リストバンドがそれぞれ少なくとも部分的に支持体にダイカットされ、支持体から分離することができ、前記リストバンドが、前記支持体に端と端を接して配置され、前記連続構造体が、実質的にリストバンドの幅を有する、ビジネスフォーム。
【請求項3】
前記連続構造体が、複数の分離可能な多層パネルを備え、支持体が前記各パネルの少なくとも1層を備え、前記リストバンドがそれぞれ、単一パネルを備える層にダイカットされている、請求項2に記載のビジネスフォーム。
【請求項4】
前記パネルがそれぞれ、2つの材料層を備え、前記複数のリストバンドがそれぞれ、前記層の両方へのダイカットによって形成されている、請求項3に記載のビジネスフォーム。
【請求項5】
前記連続構造体が、ロールに巻くのに十分な柔軟性を有する、請求項4に記載のビジネスフォーム。
【請求項6】
支持体層がラミネート材料を含み、他の層が表面素材を含み、前記表面素材が、識別表示でプリントされるように適合されている、請求項4に記載のビジネスフォーム。
【請求項7】
前記支持体が、連続構造体の全長に沿って延びる連続層を備え、前記各パネルをそれに隣接するパネルから分離するための前記支持体層内のミシン目をさらに備え、各パネルがミシン目に沿って連続構造体から分離することができる、請求項6に記載のビジネスフォーム。
【請求項8】
前記支持体層内のダイカットが、ペアのストラップを備えるラミネート部分を形成し、前記ラミネート部分が、表面素材部分に付着するための第1領域と、前記支持体から分離した後に表面素材部分を覆うための第2領域とを備え、それによって表面素材部分を重ね合わせる、請求項7に記載のビジネスフォーム。
【請求項9】
表面素材部分に施された任意のプリントが、第2のラミネート部分領域によってオーバーラミネートされた後に、第2のラミネート部分領域を通して目で確認できるように、第2のラミネート部分領域がほぼ透明である、請求項8に記載のビジネスフォーム。
【請求項10】
複数のセルフラミネート型のリストバンドの連続ロールであって、前記リストバンドがそれぞれ前記ロールから分離可能であり、プリント情報を表示するように適合された表面素材層の一部と表面素材部分が付着されるラミネート層の一部とからできた2層マトリックスを備え、前記ラミネート部分がまたラミネート層領域を備え、このラミネート層領域が、表面素材部分を折り重ねて、表面素材部分を保護し、着用者の手首周りにリストバンドを接合するための少なくとも1本のストラップを備える、連続ロール。
【請求項11】
各リストバンドのラミネート部分が、前記連続支持体へのダイカットによって形成され、表面素材部分が、表面素材層へのダイカットによって形成され、2層マトリックスが、前記ダイカットに沿って前記連続ロールから分離することができる、請求項10に記載の連続ロール。
【請求項12】
各リストバンドが、対応する表面素材層を有し、隣接する表面素材層が接続されていない、請求項11に記載の連続ロール。
【請求項13】
各表面素材部分が、それに対応するラミネート部分に付着され、各ラミネート部分が折り重ね部分を有し、この折り重ね部分が、ロールから分離された後、表面素材部分を折り重ねて重ね合わせる、請求項12に記載の連続ロール。
【請求項14】
ラミネート部分が、表面素材部分と折り重ね部分のそれぞれの側面に延びるストラップを有する、請求項13に記載の連続ロール。
【請求項15】
折り重ね部分が、折り重ねられた後に、表面素材部分を見ることができるようにほぼ透明である、請求項14に記載の連続ロール。
【請求項16】
隣接するリストバンドを分離するために、連続支持体内に形成された弱い線をさらに備える、請求項12に記載の連続ロール。
【請求項17】
表面素材が感熱プリントされるように適合されている、請求項10に記載の連続ロール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公表番号】特表2010−529492(P2010−529492A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510465(P2010−510465)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/064972
【国際公開番号】WO2008/150795
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(505109369)レーザー・バンド・エル・エル・シー (8)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/064972
【国際公開番号】WO2008/150795
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(505109369)レーザー・バンド・エル・エル・シー (8)
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