説明

代理店向け保険契約支援システム

【課題】
取引対象の商品(サービス)を提供する場合、顧客ニーズを把握することが困難であった。特に、複数の保険を組み合わせて販売する場合や、複数の特約の組み合わせにおいて、顧客ニーズと適合させることが難しくなる。
【解決手段】
本発明では、対話形式で商品に関わるカルテを作成し、その際、カルテには会話などの履歴を対応付けて記憶するものである。また、本発明には、顧客における商品の各項目(性質、側面)に対するニーズの大きさを示す情報と当該取引等の対象となる商品各項目に対するニーズの示す情報を比較して、顧客のそれが大きいものを抽出することも含まれる。この比較は、指定された項目につき、それぞれ顧客のニーズが大きいものを抽出してもよいし、各項目の総和が大きいものを抽出してもよい。また、この際、抽出されたことを端末に出力してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、契約や取引等に関する履歴を記録することでの当該契約や取引を支援するための技術に関する。その中でも特に、保険代理店における保険相談、契約に関する。
【背景技術】
【0002】
保険代理店になどにおける取引、契約においては、法的な義務や契約後のクレームを防止する意味合いから、その商品(サービス)についての十分な説明が求められている。また、保険等では様々な商品を揃えられていることから顧客のニーズに即した商品説明も重要になっている。これらの前提に取引や契約を支援するシステムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、保険の販売業務に関して紙文書の発生を抑制できると共に、各保険会社及び代理店の業務を実際的に効率化することが可能だという技術として、センターサーバと、センターサーバと接続された複数の保険会社サーバ及び複数の代理店端末とを備え、センターサーバは、各保険会社サーバから送信された保険商品に関する情報を格納しておく記憶手段と、各代理店端末に対して保険商品に関する情報を送信する手段と、代理店端末から特定の保険商品に対する加入リクエストが送信された場合に、当該保険商品の申込書フォームを送信し、必要な顧客情報の入力を促す手段と、代理店端末から送信された申込情報を保険会社サーバに転送し、保険申込の可否を照会する手段と、保険会社サーバから送信された結果情報を代理店端末に転送する手段とを備えた保険業務支援システム、が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−100208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、銀行等、従来保険代理店ではなかった業者が保険代理店となり、保険を販売できるようになった。その場合、必ずしも保険販売が専門という担当者によって保険商品が販売されるわけではない。よって、窓口担当者の保険商品知識も限られたものとなる場合もありうる。このように窓口担当者が限られた保険商品知識しか持っていない場合、窓口担当者が顧客に勧めた保険が、必ずしも顧客ニーズに適合しているとは限らないという課題がある。特に、複数の保険を組み合わせて販売する場合や、複数の特約の組み合わせにおいて、顧客ニーズと適合させることが難しくなる。
【0006】
このような課題に対し、現在、制度的な解決策として意向確認書面が保険販売において導入されている。意向確認書面は、購入しようとする保険商品が顧客のニーズに適合しているものかどうかを顧客が契約締結前に最終的に確認することが目的の書面である。しかしながら、最初から窓口担当者が顧客に勧める保険が顧客のニーズに適合していることが、当然ながら望ましい。また、最終的に確認する際に顧客のニーズに適合していない場合、どのような保険であれば顧客のニーズに適合するかを支援できることが望ましい。
【0007】
前記特許文献1で開示されている、保険代理店における保険契約を支援するシステムは、保険代理店において業務の効率化が主眼となっており、前記したような課題が残っている。
本発明では、上記のような課題を解決可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明では、対話形式で商品に関わるカルテを作成し、その際、カルテには会話などの履歴を対応付けて記憶するものである。また、本発明には、顧客における商品の各項目(性質、側面)に対するニーズの大きさを示す情報と当該取引等の対象となる商品各項目に対するニーズの示す情報を比較して、顧客のそれが大きいものを抽出することも含まれる。この比較は、指定された項目につき、それぞれ顧客のニーズが大きいものを抽出してもよいし、各項目の総和が大きいものを抽出してもよい。また、この際、抽出されたことを端末に出力してもよい。
【0009】
より詳細な以下の態様も本発明に含まれる。
保険代理店において窓口担当者が操作する代理店窓口端末と、
保険会社もしくはその代理人等が運用する商品データサーバと、
保険会社もしくはその代理人等が運用する契約サーバとが、
ネットワークによって接続され、
前記商品データサーバにネットワーク等によって接続された商品データベースに、保険商品が充足するニーズを数値で表現した保険ニーズテーブルが保存されており、
前記窓口担当者の要求に応じて前記代理店窓口端末が備えるメモリもしくは2次記憶装置に、顧客のニーズを数値で表現した顧客保険ニーズを生成し、
前記代理店窓口端末は、前記保険ニーズテーブルより契約しようとする保険の各項目のニーズの大きさを記録したニーズテーブルを作成し、
前記顧客保険ニーズと前記契約しようとする保険のニーズテーブルとを比較した結果、前記顧客保険ニーズが前記契約しようとする保険のニーズテーブルよりも大きかった場合に、その旨を表示する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば窓口担当者が顧客に勧めた商品が、顧客ニーズに適合しているかどうかの参考情報を窓口担当者に提示することができるため、窓口担当者が顧客に勧めた保険が、顧客ニーズに適合していないという状況を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態を適用したシステムの概要を例示する図である
【図2】一般的なPCの内部構成の一例を示す図である
【図3】本発明の実施の形態の保険代理店契約支援システムの処理の概略を示すフローチャートである
【図4】本発明の実施の形態のニーズ把握支援処理の概略を示すフローチャートである
【図5】本発明の実施の形態の保険設計支援処理の概略を示すフローチャートである
【図6】本発明の実施の形態の設計保険のニーズ充足判定処理の概略を示すフローチャートである
【図7】本発明の実施の形態の簡易意向確認処理の概略を示すフローチャートである
【図8】本発明の実施の形態の詳細意向確認処理の概略を示すフローチャートである
【図9】本発明の実施の形態の保険契約支援処理の概略を示すフローチャートである
【図10】保険ニーズテーブルを例示した図である
【図11】顧客保険ニーズ、保険充足ニーズ、保険不足ニーズを例示した図である
【図12】ニーズ把握支援処理における画面の一例を示した図である
【図13】保険設計支援処理における画面の一例を示した図である
【図14】簡易意向確認処理における画面の一例を示した図である
【図15】詳細意向確認処理における画面の一例を示した図である
【図16】保険契約支援処理における画面の一例を示した図である
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
図1は、システムの概要を例示する図である。
この図において、符号101は代理店窓口端末、符号102は顧客保険ニーズ、符号103は保険充足ニーズ、符号104は保険不足ニーズ、符号105はネットワーク、符号106は商品データサーバ、符号107は商品DB(Database)、符号108は保険ニーズテーブル、符号109は契約サーバである。
【0013】
代理店窓口端末101は代理店窓口の近辺に設置され、窓口担当者が操作することによって、窓口担当者による保険説明、契約業務を支援する端末であり、ネットワーク105と接続されている。後記するように、代理店窓口端末101にはメモリが備えられている。そして、後記するように、窓口担当者の操作により、顧客保険ニーズ102、保険充足ニーズ103、保険不足ニーズ104がメモリに生成される。顧客保険ニーズ102は顧客の保険ニーズを表現するデータである。保険充足ニーズ103は提案中の保険がカバーするニーズである。保険不足ニーズ104は顧客の保険ニーズと、提案中の保険がカバーするニーズとの差を表現するデータである。ネットワーク105は代理店内LAN(Local Area Network)、および代理店と保険会社を接続する回線からなるネットワークであり、代理店窓口端末101、商品データサーバ106、契約サーバ109と接続されている。商品データサーバ106は保険会社もしくはその代理人等の敷地内に設置され、代理店窓口端末101の要求に応じて保険商品データが格納されている商品DB107にアクセスし、商品に関するデータを代理店窓口端末101に返す機能を持つサーバであり、ネットワーク105、商品DB107と接続されている。商品DB107は保険商品に関するデータを保管するDBであり、保険ニーズテーブル108から構成されており、商品データサーバ106と接続されている。保険ニーズテーブル108は保険ニーズを格納するテーブルである。契約サーバ109は保険会社内に設置され、代理店窓口端末101の要求に応じ、契約データを受け付けるサーバであり、ネットワーク105と接続されている。
【0014】
代理店窓口端末101、商品データサーバ106、商品DB107、契約サーバ109は一般的なPC(Personal Computer)によって実現できる。なお、代理店窓口端末101は後述するような処理を行うプログラムを一般的なPCで実行することによって実現できる。商品データサーバ106は代理店窓口端末101からの接続を受け付ける一般的なサーバプログラムを一般的なPCで実行することによって実現できる。商品DB107は一般的なデータベースプログラムを一般的なPCで実行することによって実現できる。契約サーバは一般的なサーバプログラムを一般的なPCで実行することによって実現できる。
【0015】
図2は、一般的なPCすなわち、代理店窓口端末101等の内部構成の一例を示す図である。
この図において、符号201はCPU、符号202はメモリ、符号203はネットワークインタフェース、符号204はキーボード、符号205は時計、符号206はスピーカ、符号207はディスプレイ、符号208はマイク、符号209は動画カメラ、符号210はハードディスク、符号211はインターフェースである。
【0016】
CPU201は中央処理装置(Central Processing Unit)であり、メモリ202に記録されているプログラム、またはハードディスク210からメモリ202に読み出されたプログラムを実行する。なお、プログラムは、必要に応じて、PCが利用可能であり、着脱可能な記憶媒体によって導入されてもよい。この場合、前記記憶媒体を読み取るための装置をインターフェース211に接続する。なお、このような前記記憶媒体及びそれを読み取るための装置としては、光ディスクを用いるものが一般に知られており、これを用いることができる。
【0017】
また、プログラムは、必要に応じて、ネットワークインタフェース203によって、通信媒体(通信回線又は通信回線上の搬送波)を介して、PCに導入されてもよい。メモリ202はCPU201に実行されるプログラム及びデータを一時的に記録しておくための装置である。ネットワークインタフェース203は他のPC等,PC外にある装置と通信するための装置である。キーボード204はPCへの指令やデータ入力を行うために、PCの操作者が操作する装置である。時計205はCPU201が現在のおよその時間を知るための装置である。スピーカ206は信号を音として再生する装置である。ディスプレイ207は処理結果等を表示するための装置である。マイク208は音を信号としてPC内部に入力する装置である。動画カメラ209は動画像を信号としてPC内部に入力する装置である。ハードディスク210はプログラム及びデータを格納する装置であり、例えば、不揮発性メモリ等によって構成することができる。この場合、ハードディスク210に格納されたプログラム及びデータは、電源がOFFとなった後にONになった場合でも、通常保持される。なお、ハードディスク210には、予めオペレーティングシステムが導入されていても良い。このようにすることで、ファイル名を用いてプログラムを指定することなどができるようになる。ここで、オペレーティングシステムとは、計算機の基本ソフトウェアのことであり、一般に広く知られたオペレーティングシステムを用いることができる。インターフェース211はPC内の装置を接続するためのものであり、CPU201、ネットワークインタフェース203、キーボード204、時計205、スピーカ206、ディスプレイ207、マイク208、動画カメラ209、ハードディスク210がインターフェース211を介して接続されている。なお、CPU201とメモリ202は通常インターフェース211を介さずに直接接続されているが、インターフェース211を介して接続しても良い。
【0018】
次に、本発明の実施の形態の保険代理店契約支援システムの処理の概略を、フローチャートを用いて説明する。
図3は、保険代理店契約支援システムの処理の概略を示すフローチャートである。図3において、まずステップ301で、ニーズ把握支援を行う。この処理の詳細は、図4のニーズ把握支援処理フローを示す図を用いて後記する。
次に、ステップ302で保険設計支援を行う。この処理の詳細は、図5の保険設計支援処理フローを示す図を用いて後記する。
【0019】
次に、ステップ303でニーズを充足したかどうか調べる。もしニーズを充足した場合は、ステップ304へ進む。もしニーズを充足していない場合は、ステップ305へ進む。この処理の詳細は、図6の設計保険のニーズ充足判定処理フローを示す図を用いて後記する。
【0020】
ステップ304は、簡易意向確認を行うための処理である。この処理の詳細は、図7の簡易意向確認処理フローを示す図を用いて後記する。
ステップ305は、詳細意向確認を行うための処理である。この処理の詳細は、図8の詳細意向確認処理フローを示す図を用いて後記する。
【0021】
ステップ304もしくはステップ305の処理の後、ステップ306に進む。ステップ306では、ステップ304もしくはステップ305の処理において顧客同意を得られたかどうか調べる。もし顧客同意を得られなかった場合は、ステップ302へ戻る。もし顧客同意を得られた場合は、ステップ307へ進む。
【0022】
ステップ307は保険契約処理支援をする処理である。この処理の詳細は、図9の保険契約支援処理フローを示す図を用いて後記する。
以上のステップにより、保険代理店契約支援システムの処理の概略が行われる。
【0023】
次に、保険代理店契約支援システムの処理の詳細について述べる。
まず、ニーズ把握支援処理について、図4と図12を用いて述べる。図4はニーズ把握支援処理の概略を示すフローチャートであり、ステップ301で行われる処理を詳細に説明したものである。また、図12はニーズ把握支援処理における画面の一例を示した図である。
【0024】
先に、図12について説明する。この図において、符号1201はクリック領域(現在の健康)、符号1202はクリック領域(将来の健康)、符号1203はクリック領域(万一の場合)、符号1204はクリック領域(老後の生活)、符号1205は終了ボタン、符号1206はポインタである。
【0025】
クリック領域(現在の健康)1201は現在の健康に関する保障ニーズを高めるボタンである。クリック領域(将来の健康)1202は将来の健康に関する保障ニーズを高めるボタンである。クリック領域(万一の場合)1203は万一の場合、すなわち死亡に関する保障ニーズを高めるボタンである。クリック領域(老後の生活)1204は老後の生活に関する保障ニーズを高めるボタンである。終了ボタン1205はニーズ把握支援を終了する際にクリックするボタンである。ポインタ1206はクリックする対象を決定するポインタである。
【0026】
次に、図4を用いてニーズ把握支援処理について述べる。
ステップ401はクリックカウンタを初期化する処理である。ここでクリックカウンタとはクリック領域(現在の健康)1201等のクリック領域を何回クリックしたかを計測するためのカウンタであり、クリック領域の個数分ある。図12の例では4つ存在し、それぞれクリックカウンタ(現在の健康)が3、クリックカウンタ(将来の健康)が6、クリックカウンタ(万一の場合)が15、クリックカウンタ(老後の生活)が9となっている。クリックカウンタは図12に示すように対応するクリック領域の近辺、あるいは中に表示しても良い。
ステップ402はキーワード表示する処理である。この処理によって、図12のような画面が表示される。
ステップ403からステップ405は、図12の終了ボタン1205が押されるまで繰り返される。
【0027】
ステップ403は、終了ボタンがクリックされていないかどうか調べる処理である。もし終了ボタンがクリックされた場合は、ステップ406へ進む。そうでなければステップ404に進む。
【0028】
ステップ404は、クリック受付をする処理である。図12のような画面を表示し、クリック領域(現在の健康)1201等のクリック領域がクリックされるのを待つ。窓口担当者は、顧客がどのような不安を感じており、どのような保険に入りたがっているのかをヒアリングする。そして、ヒアリングの最中あるいは直後等に、その不安や入りたがっている保険が関連するキーワードが表示されているクリック領域をクリックする。このクリックを受付けるのが、本ステップ404である。
【0029】
ステップ405は、クリックされたキーワードのクリックカウンタに1を加算する処理である。この処理の後、ステップ403に戻る。
【0030】
ステップ406は、各クリックカウンタを正規化し、顧客保険ニーズとしてメモリに登録する処理である。ここで、正規化とは、例えば最大値を50とし、それに比例するように各クリックカウンタの値を増減させることである。一例として、図12のように、クリックカウンタ(現在の健康)が3、クリックカウンタ(将来の健康)が6、クリックカウンタ(万一の場合)が15、クリックカウンタ(老後の生活)が9であるときに、終了ボタン1205をクリックしたとする。クリックカウンタの最大値はクリックカウンタ(万一の場合)であるから、これを50にするために、各クリックカウンタを50/15倍する。すると、クリックカウンタ(現在の健康)は10、クリックカウンタ(将来の健康)は20、クリックカウンタ(万一の場合)は50、クリックカウンタ(老後の生活)は30となる。これを顧客保険ニーズとしてメモリに登録する。
【0031】
図11に、顧客保険ニーズを示す。なお、これは後述する保険充足ニーズと保険不足ニーズも例示した図である。
この図において、符号1101は現在の健康、符号1102は将来の健康、符号1103は万一の場合、符号1104は老後の生活、符号102は顧客保険ニーズ、符号103は保険充足ニーズ、符号104は保険不足ニーズである。
現在の健康1101は現在の健康に関する保障ニーズの高さを表すフィールドである。将来の健康1102は将来の健康に関する保障ニーズの高さを表すフィールドである。万一の場合1103は万一の場合、すなわち死亡に関する保障ニーズの高さを表すフィールドである。老後の生活1104は老後の生活に関する保障ニーズの高さを表すフィールドである。このように顧客保険ニーズが、各フィールドと関連づけられた形式で、代理店窓口端末のメモリ202に記録される。なお、顧客保険ニーズは代理店窓口端末のハードディスク210に記録されても良い。この場合、顧客保険ニーズを使う際には、顧客保険ニーズを適宜ハードディスク210からメモリ202に読み出す。
【0032】
次に、保険代理店契約支援システムの処理の、保険設計支援処理の詳細について、図5の保険設計支援処理の概略を示すフローチャートと、図13の保険設計支援処理画面を示す図を示す図を用いて説明する。なお、この処理はステップ302で行われる処理である。
【0033】
先に、保険設計支援処理画面について、図13に示した画面例を用いて説明する。
この図において、符号1301は契約者情報欄、符号1302は現在プラン欄、符号1303は保険ニーズ表示欄、符号1304はお勧め保険表示欄、符号1305は保険設計欄、符号1306は更新ボタン、符号1307は終了ボタンである。
【0034】
契約者情報欄1301は契約者情報を入力、確認するための欄である。現在プラン欄1302は現在申し込もうとしている保険プランの内容概略が表示される欄である。保険ニーズ表示欄1303は顧客保険ニーズと、現在までの保険プランにおける保険充足ニーズを表示する欄である。お勧め保険表示欄1304はお勧め保険を表示する欄である。保険設計欄1305は保険プランに追加する新たな保険を設計する欄である。更新ボタン1306は現在までの保険プランに新たに設計した保険を追加する際にクリックするボタンである。終了ボタン1307は保険設計支援処理を終了する際にクリックするボタンである。
【0035】
次に、保険設計支援処理の概略について図5を用いて説明する。
ステップ501は、保険不足ニーズに顧客保険ニーズを代入する処理である。保険不足ニーズは図11の保険不足ニーズ104で示すように、顧客保険ニーズ102と同じフィールドを持つデータである。まず、初期化処理として、保険不足ニーズの各フィールドを、顧客保険ニーズの各フィールドと同じにしておく。
【0036】
次に、ステップ502で保険充足ニーズを初期化する。保険充足ニーズは図11の保険充足ニーズ103で示すように、顧客保険ニーズ102と同じフィールドを持つデータである。まず、初期化処理として、保険充足ニーズの各フィールドを0にしておく。
【0037】
次に、終了ボタン1307をクリックすることによる終了指示があるまで、ステップ503からステップ507を繰り返す。
ステップ503は、終了指示があったかどうか(終了指示を受付けたかどうか)を調べる処理である。もし終了指示があれば、ステップ508へ進む。そうでなければ、ステップ504の処理に進み、ステップ504からステップ507の処理を繰り返す。
【0038】
ステップ504は、商品データサーバ106にアクセスし、保険ニーズテーブル108を参照し、保険不足ニーズ104中で値が高いフィールドにおいて、保険ニーズの値が高くなっている保険を表示する処理である。図11の例では、お勧め保険表示欄1304にこの保険ニーズの値が高くなっている保険が表示されている。また、その他図11に示されているような他の画面要素もこのステップで表示される。
例えば、保険ニーズ表示欄1303には顧客保険ニーズ102と保険充足ニーズ103を表示する箇所があるので、それぞれ表示する。また、契約者情報欄1301や現在プラン欄1302も表示する。なお、それぞれまだデータが入力されていない場合は空白としても良い。
【0039】
ステップ505は、保険種別、保険金額等の入力を受け付け、保険設計する処理である。入力は、窓口担当者もしくは顧客が代理店窓口端末101のキーボード204を用いて、保険設計欄1305や契約者情報欄1301に入力する。 入力後、更新ボタン1306が押されると、入力したデータを受け付ける。契約者情報欄1301に入力された情報は契約者情報として代理店窓口端末101のメモリ202もしくはハードディスク210に記録される。また、保険設計欄1305に入力された情報は現在プランに追加され、代理店窓口端末101のメモリ202もしくはハードディスク210に記録される。また、現在プラン欄1302に追加された保険を表示する。なお、図示していないが、現在プラン欄1302の保険の修正等を行っても良い。これは、現在プラン欄1302に表示されている修正したい保険をクリックすると、保険設計欄1305にその保険が表示され、その保険の保険ニーズを保険充足ニーズ103から減算するようにすればよい。なお、保険ニーズの検索はステップ506で述べるような方法をとる。
【0040】
ステップ506は保険不足ニーズ104の各フィールドから、利用した保険の保険ニーズの各フィールドを減算する処理である。なお、ステップ505、ステップ506、ステップ507で用いる保険ニーズは、商品データサーバ106にネットワーク105を介してアクセスし、保険設計欄1305に入力された保険名等をもとに、商品DB107を参照して得ることができる。
【0041】
ステップ507は、保険充足ニーズ103の各フィールドに、利用した保険の保険ニーズの各フィールドを加算する処理である。ステップ507の処理の後、ステップ503に戻る。
【0042】
ステップ508は、保険不足ニーズ104、保険充足ニーズ103をメモリ202もしくはハードディスク210に記録し、保険設計支援処理後も使えるようにする処理である。
以上で、保険設計支援処理フローの概略を終了する。
【0043】
次に、ステップ303の設計保険のニーズ充足判定処理の概略を、図6の設計保険のニーズ充足判定処理フローを示す図を用いて説明する。
【0044】
ステップ601は、保険不足ニーズ104の各フィールドにおいて、閾値を上回るフィールドがあるかどうか調べる処理である。もし保険不足ニーズ104の各フィールドにおいて、閾値を上回るフィールドがある場合は、ステップ602へ進む。
【0045】
もし保険不足ニーズ104の各フィールドにおいて、閾値を上回るフィールドがない場合は、ステップ603へ進む。ここで、閾値はあらかじめ決定しておき、代理店窓口端末101のメモリ202もしくはハードディスク210に保存しておくべきものである。例えば10から50までの任意の数値が典型例としてあるが、0もしくは正の他の数値をとっても良い。この数値は、商品データサーバ106のメモリ202もしくはハードディスク210に保存しておき、ステップ303を実行する前にネットワーク105を通じて代理店窓口端末101のメモリ202もしくはハードディスク210に保存しても良い。
【0046】
ステップ602は、ニーズ充足せずと判定する処理である。すなわち、ステップ601で、閾値の方が小さい場合、ニーズ充足せずと判定する。なお、この判定結果は代理店窓口端末101のメモリ202もしくはハードディスク210に保存しておき、ステップ303以降の処理で参照できるようにしておく。図3で述べたように、この処理の後、ステップ305に進む。
【0047】
ステップ603は、保険充足ニーズ103中の最大値を与えるフィールドと顧客保険ニーズ102中の最大値を与えるフィールドが異なるかどうか調べる処理である。もし保険充足ニーズ103中の最大値を与えるフィールドと顧客保険ニーズ102中の最大値を与えるフィールドが異なる場合は、ステップ604へ進む。もし保険充足ニーズ103中の最大値を与えるフィールドと顧客保険ニーズ102中の最大値を与えるフィールドが同一の場合は、ステップ605へ進む。
【0048】
ステップ604は、希望に相違している可能性があり、ニーズ充足せずと判定する処理である。すなわち、ステップ603で、フィールドが異なる場合、ニーズ充足せずと判定する。なお、この判定結果は代理店窓口端末101のメモリ202もしくはハードディスク210に保存しておき、ステップ303以降の処理で参照できるようにしておく。図3で述べたように、この処理の後、ステップ305に進む。
【0049】
ステップ605は、ニーズ充足と判定する処理である。すなわち、ステップ603で、フィールドが一致する場合、ニーズ充足すると判定する。なお、この判定結果は代理店窓口端末101のメモリ202もしくはハードディスク210に保存しておき、ステップ303以降の処理で参照できるようにしておく。図3で述べたように、この処理の後、ステップ304に進む。
以上で、ステップ303の設計保険のニーズ充足判定処理が、概略終了する。
【0050】
次に、ステップ304の簡易意向確認処理について、概略を図7の簡易意向確認処理フローを示す図と、図14の簡易意向確認処理画面を示す図を用いて説明する。まず、図14の簡易意向確認処理画面について説明する。
【0051】
図14は、簡易意向確認処理における画面の一例を示した図である。
この図において、符号1401は契約者情報欄、符号1402は保険ニーズ表示欄、符号1403は保険設計欄、符号1404はやりなおしボタン、符号1405は確認ボタンである。
【0052】
契約者情報欄1401は、契約者情報、被保険者情報を表示する欄である。保険ニーズ表示欄1402は顧客保険ニーズ102、保険充足ニーズ103を表示する欄である。保険設計欄1403は保険プランに追加する新たな保険を設計する欄である。やりなおしボタン1404は、保険設計をやり直す際に、このやり直しを操作者が指示(クリック)するためのボタンである。確認ボタン1405は、操作者が確認処理の終了を、クリックにより指示するためのボタンである。
【0053】
次に、本発明の実施の形態の簡易意向確認処理の概略を図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0054】
ステップ701は、意向確認画面を表示する処理である。意向確認画面は、例えば、図14に示すようなものである。この画面を見ながら、窓口担当者と顧客は現在契約しようとしている保険が顧客のニーズを満たしていることを確認することができる。
【0055】
ステップ702は、顧客同意を取得する処理である。顧客の同意は、例えば顧客が意向確認書面に対し署名した内容を受付ける方法や、代理店窓口端末101のマイク208や動画カメラ209で顧客が意向を確認している旨を発言しているのを録画録音する方法や、代理店窓口端末101に一般的に市場にて販売されているペンパッドを接続し、そのペンパッドに対し署名した内容を受付ける等の方法で取得できる。意向確認したのち、確認ボタン1405をクリックして簡易意向確認処理を終了する。なお、確認ボタン1405を顧客にクリックしてもらうことで簡易意向確認とすることもできる。
以上で、簡易意向確認処理が概略終了する。
【0056】
次に、ステップ305の詳細意向確認をする処理について、図8の詳細意向確認処理フローを示す図と、図15の詳細意向確認処理画面を示す図を用いて説明する。
【0057】
まず、図15の詳細意向確認処理における画面の一例を示した図について説明する。この図において、符号1501は詳細意向確認欄である。詳細意向確認欄1501は顧客保険ニーズ102と保険充足ニーズ103をもとに、特に確認すべき点を表示する欄である。その他の符号は図14の符号と同一であり、図14と同様の欄である。
【0058】
次に、本発明の実施の形態の詳細意向確認処理の概略について、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0059】
ステップ801は、ステップ604において希望に相違している可能性ありと判定したかどうか調べる処理である。もし希望に相違している可能性ありと判定した場合は、ステップ802へ進む。もし希望に相違している可能性ありと判定していない場合は、ステップ803へ進む。
【0060】
ステップ802は、商品データサーバにアクセスし、保険ニーズテーブルを検索し、保険ニーズの各フィールドのうち最大値を与えるフィールドが、顧客保険ニーズの各フィールドのうち最大値を与えるフィールドと一致する保険を再考候補保険とし、その保険ニーズをメモリに記録する処理である。なお、再考候補保険がすでに提案中の保険に含まれている場合は再考候補保険を空とする。
ステップ803は保険不足ニーズが正であるフィールド内の各フィールドを取り出す処理である。もし、要素があれば、ステップ804へ進む。各要素に対する処理の後、ステップ805へ進む
ステップ804は、商品データサーバにアクセスし、保険ニーズテーブルを検索し、処理対象フィールドの値が保険不足ニーズよりも大きい保険を再考候補保険に追加し、その保険ニーズをメモリに記録する処理である。なお、追加する保険がすでに提案中の保険に含まれている場合は何もしない。
【0061】
ステップ805は、顧客保険ニーズ102、保険充足ニーズ、契約しようとする保険、再考候補保険を表示する処理である。表示画面は、図15に示すようなものであり、例えば図15の例では、顧客保険ニーズ102の老後の生活が30であるのに対し、提案中の保険充足ニーズ103の老後の生活が10と下回っているため、保険ニーズ表示欄1402で警告が表示されている。そして、詳細意向確認欄で老後の生活ニーズを満たしていない可能性がある旨が表示されている。また、図15の例では、顧客保険ニーズ102の最高値が万一の場合の50であるのに対し、提案中の保険充足ニーズ103では最高値が将来の健康の80となっているため、詳細意向確認欄でその旨の警告を表示する。窓口担当者と顧客はこれを見ながら、本当に提案中の保険で顧客のニーズを満たせるか、確認することができる。
【0062】
ステップ806は、契約続行意志表示ありかどうか判定する処理である。もし契約続行意志表示ありであれば、ステップ807へ進む。もし契約続行意志表示ありでなければ、終了する。
【0063】
ステップ807は顧客同意を取得する処理である。これはステップ702と同様の処理で実行できる。
以上で、詳細意向確認処理が概略終了する。
【0064】
最後に、ステップ307の保険契約支援処理の詳細について、図9の保険契約支援処理フローを示す図と、図16の保険契約支援処理画面を示す図を用いて説明する。まず、図16の保険契約支援処理における画面の一例について説明する。
この図において、符号1601は銀行口座入力欄、符号1602は保留ボタン、符号1603は契約ボタンである。
銀行口座入力欄1601は保険料引き落としのための銀行口座を入力する欄である。保留ボタン1602は契約を保留し、終了する際にクリックするボタンである。契約ボタン1603は契約し、契約データを契約サーバ109に送信する際にクリックするボタンである。
【0065】
次に、図9の保険契約支援処理の概略を示すフローチャートについて説明する。
ステップ901は、契約データの不足部分の入力を要求する処理である。これは、例えば銀行口座入力欄1601に保険料引き落としのための銀行口座を入力する等の処理が該当する。
【0066】
ステップ902は、契約サーバ109にアクセスし、入力された契約データをネットワーク105を介して契約サーバ109に送信する処理である。もちろん、この前には顧客の最終確認が必要であり、その確認はステップ702で用いたような方法で実行できる。
以上で、保険契約支援処理についての説明を終わる。
【符号の説明】
【0067】
101…代理店窓口端末
102…顧客保険ニーズ
103…保険充足ニーズ
104…保険不足ニーズ
105…ネットワーク
106…商品データサーバ
107…商品DB
108…保険ニーズテーブル
109…契約サーバ
201…CPU
202…メモリ
203…ネットワークインタフェース
204…キーボード
205…時計
206…スピーカ
207…ディスプレイ
208…マイク
209…動画カメラ
210…ハードディスク
211…インターフェース
1201…クリック領域(現在の健康)
1202…クリック領域(将来の健康)
1203…クリック領域(万一の場合)
1204…クリック領域(老後の生活)
1205…終了ボタン
1206…ポインタ
1301…契約者情報欄
1302…現在プラン欄
1303…保険ニーズ表示欄
1304…お勧め保険表示欄
1305…保険設計欄
1306…更新ボタン
1307…終了ボタン
1401…契約者情報欄
1402…保険ニーズ表示欄
1403…保険設計欄
1404…やりなおしボタン
1405…確認ボタン
1501…詳細意向確認欄
1601…銀行口座入力欄
1602…保留ボタン
1603…契約ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保険代理店において主に保険代理店の窓口担当者が操作する代理店窓口端末と、
保険会社もしくはその代理人等が運用する商品データサーバと、
保険会社もしくはその代理人等が運用する契約サーバとが、
ネットワークによって接続された保険代理店契約支援システムにおいて、
前記商品データサーバにネットワーク等によって接続された商品データベースに、保険商品が充足するニーズを数値で表現した保険ニーズテーブルを保存しておき、
前記窓口担当者の要求に応じて前記代理店窓口端末が備えるメモリもしくは2次記憶装置において、顧客のニーズを数値で表現した顧客保険ニーズを生成し、
前記代理店窓口端末は、前記保険ニーズテーブルより契約しようとする保険のニーズテーブルを作成し、
前記契約サーバは、前記顧客保険ニーズと前記契約しようとする保険のニーズテーブルとを比較した結果、前記顧客保険ニーズが前記契約しようとする保険のニーズテーブルよりも大きかった場合に、その旨を前記代理店窓口端末に送信する
ことを特徴とする保険代理店契約支援システム。
【請求項2】
契約もしくは取引に関する履歴を記録することでの当該契約もしくは取引を支援する契約支援方法において、
予め、契約もしくは取引の対象となる各商品の性質を示す各項目毎に、そのニーズを示すニーズ情報を記録しておき、
前記契約もしくは取引の関与者間の対象となる商品についての対話形式でのやり取りの入力を受付け、
受付けられたやり取りから、前記関与者に含まれる当該商品の購入予定者のニーズ情報を抽出し、
抽出されたニーズ情報と記録されたニーズ情報を比較して、前記購入予定者のニーズが大きい商品を抽出することを特徴とする取引支援方法。
【請求項3】
請求項2に記載の取引支援方法において、
抽出された前記商品の商品情報を、ネットワークを介して送信して、送信された端末装置が、当該商品情報を表示することを特徴とする取引支援方法。
【請求項4】
請求項2または3のいずれかに記載の取引支援方法において、
前記商品の抽出は、指定された項目につき、それぞれ前記購入予定者のニーズが方が大きいものを抽出することを特徴とする取引支援方法。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載の取引支援方法において、
前記商品の抽出は、各項目の総和が大きいものを抽出することを特徴とする取引支援方法。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載の取引支援方法において、
前記商品は、保険商品であることを特徴とする取引支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−232900(P2011−232900A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101606(P2010−101606)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)