説明

仮想立体画像表示装置及び仮想立体画像表示方法

【課題】本発明では、撮像対象物体上の三次元実寸法を算出可能な仮想立体画像表示装置及び三次元実寸法を算出可能な仮想立体画像表示方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本願発明の仮想立体画像表示装置は、従来の画像蓄積手段及び画像表示手段に、撮像対象物体上の任意の画像及び長さを構成する指定画像上の二点を指定し、指定画像に対応した参照画像及び参照画像上の指定された二点に対応する特定される二点を特定する画面操作手段及び指定画像上で指定される二点と、指定された二点に対応する、参照画像において特定される二点を得る対応点取得手段及び画像上の長さを実寸法に換算する換算係数を用いる実寸法算出手段を備えた。また、対応点取得手段は、特定される二点を自動的に判断する特徴点判断手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像対象物体上の三次元実寸法を算出可能な仮想立体画像表示装置及び三次元実寸法を算出可能な仮想立体画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想立体画像表示装置とは、撮像対象物体を取り囲む仮想半球の表面上から撮像した画像及び撮像時における撮像手段の緯度線、経度線の交点の位置を蓄積し、蓄積された二次元画像を撮像時の緯度線、経度線の交点の位置を対応させて切り替え、あたかも三次元の撮像対象物体であるかのように表示する装置である(例えば、特許文献1参照)。また、仮想立体画像表示方法とは、上記仮想立体画像表示装置において用いられる表示方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3542430号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、仮想立体画像表示装置は撮像対象物体を二次元画像により表示するため、表示された撮像対象物体の三次元実寸法を測ることはできない。
【0005】
そこで、本発明では、撮像対象物体上の三次元実寸法を算出可能な仮想立体画像表示装置及び三次元実寸法を算出可能な仮想立体画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明の仮想立体画像表示装置は、従来の画像蓄積手段及び画像表示手段に、撮像対象物体上の任意の画像及び長さを構成する指定画像上の二点を指定し、指定画像に対応した参照画像及び参照画像上の指定された二点に対応する特定される二点を特定する画面操作手段及び指定画像上で指定される二点と、指定された二点に対応する、参照画像において特定される二点を得る対応点取得手段及び画像上の長さを実寸法に換算する換算係数を用いる実寸法算出手段を備える構成とした。また、対応点取得手段は、特定される二点を自動的に判断する特徴点判断手段を備える構成とした。
【0007】
具体的には、本願発明の仮想立体画像表示装置は、撮像対象物体を取り囲む仮想半球の表面上の緯度線、経度線の交点の位置から前記仮想半球の中心に向く方向に撮像された複数の画像を蓄積する画像蓄積手段と、前記画像蓄積手段で蓄積された複数の画像の中から指定された指定画像及び前記指定画像と異なる緯度線、経度線の交点の位置において撮像された参照画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段で表示された前記指定画像において指定された二点及び前記指定された二点に対応し、前記参照画像において特定される二点を得る対応点取得手段と、前記対応点取得手段の得た前記指定された二点及び前記特定された二点から、前記指定画像と前記参照画像との相対的な緯度線、経度線の交点の位置の位置情報及び前記指定画像上の長さを実寸法に換算する換算係数を用いて、前記指定された二点間の撮像対象物体上の三次元実寸法について算出する実寸法算出手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、仮想立体画像表示装置は、撮像対象物体上の三次元実寸法を算出することができる。
【0009】
また、別の構成によれば、本願発明の仮想立体画像表示装置は、前記指定画像及び前記参照画像の選択並びに前記画像表示手段に表示された前記指定画像において二点の指定及び前記参照画像において二点の特定を行う画面操作手段をさらに備え、前記対応点取得手段は、前記画像表示手段が表示する複数の画像に対してそれぞれ前記画面操作手段により指定される前記指定された二点及び前記特定された二点を得ることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、仮想立体画像表示装置に備えられた対応点取得手段は、手動で指定される二点及び特定される二点を画面操作手段から得て、撮像対象物体上の任意の二点間の三次元実寸法を算出することができる。
【0011】
また、別の構成によれば、本願発明の仮想立体画像表示装置は、前記指定画像の選択及び前記画像表示手段に表示された前記指定画像において二点の指定を行う画面操作手段と、前記指定された二点の位置の特徴を抽出し、前記参照画像において特徴の一致又は近い位置の点を前記特定される二点として判断する特徴点判断手段と、をさらに備え、前記対応点取得手段は、前記画像表示手段が表示する前記指定画像に対して前記画面操作手段により指定される前記指定された二点及び前記特徴点判断手段の判断した特定される二点を得ることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、仮想立体画像表示装置に備えられた対応点取得手段は、指定される二点を画面操作手段から及び特定される二点を特徴点判断手段による自動的な判断から、それぞれ得て、撮像対象物体上の三次元実寸法を算出することができる。
【0013】
また、別の構成によれば、本願発明の仮想立体画像表示装置の前記特徴点判断手段は、前記画面操作手段で前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置を選択し、前記選択した交点の位置から撮像した前記特定される二点を判断することを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、特徴点判断手段は、画面操作手段から指定された二点の緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置から撮像した特定される二点を自動的に判断できるので、手動により特定される二点を得ることなく、撮像対象物体の三次元実寸法を算出することができる。
【0015】
また、別の構成によれば、本願発明の仮想立体画像表示装置の前記特徴点判断手段は、前記画面操作手段で前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置から隣接する交点の位置を選択し、前記選択した交点の位置から撮像した前記特定される二点を仮定し、前記仮定された二点に対応した緯度線、経度線の交点の位置に隣接した交点の位置を順次選択し、前記選択された交点の位置から撮像した前記特定される二点を判断することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、特徴点判断手段は、画面操作手段より指定された二点の緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置より撮像した二点を特定される二点として仮定し、仮定された二点に対応した緯度線、経度線の交点の位置に隣接した交点の位置を順次選択していくことで、特定される二点が、指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置から確認が困難な場合でも、自動的に隣接した交点の位置を順次選択して特定される二点の特徴について判断することができる。
【0017】
また、別の構成によれば、本願発明の仮想立体画像表示装置の前記特徴点判断手段において、前記画面操作手段で選択される前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置は、前記画面操作手段で前記指定された二点に対応する経度線のみが異なることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、特徴点判断手段は、撮像が二次元で行われた場合に、隣接した交点の位置を水平方向へ選択して特定される二点の特徴について判断することができる。
【0019】
また、別の構成によれば、本願発明の仮想立体画像表示装置の前記特徴点判断手段において、前記画面操作手段で選択される前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置は、前記画面操作手段で前記指定された二点に対応する緯度線のみが異なることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、特徴点判断手段は、撮像が二次元で行われた場合に、隣接した交点の位置を鉛直方向へ選択して特定される二点の特徴について判断することができる。
【0021】
また、別の構成によれば、本願発明の仮想立体画像表示装置の前記特徴点判断手段は、前記指定された二点の位置の特徴を、周辺形状、色彩分布の少なくとも一つから抽出することを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、特徴点判断手段は、指定された二点の位置について、例えば、特徴を撮像対象物体の形状に特徴がある場合は、指定された二点の位置の周辺形状から、あるいは撮像対象物体の色彩に特徴がある場合は、指定された二点の位置の色彩分布から、特徴を抽出する。他の特徴があればそれらの中の少なくとも一つから抽出することで、指定された二点の位置の特徴を現す最適な位置を判断することができる。
【0023】
また、別の構成によれば、本願発明の仮想立体画像表示装置の前記特徴点判断手段は、前記指定された二点の位置の特徴を抽出し、前記参照画像において特徴の一致又は近い複数の位置の点を判断し、前記画像表示手段は、前記複数の位置の点を、前記特定された二点として表示することを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、特徴点判断手段は、画面操作手段より指定された二点の位置の特徴が一致する又は特徴が近い複数の位置において特定される二点を判断できる。また、画像表示手段は複数の位置における特定される二点を表示できる。
【0025】
なお、上記構成は、可能な限り組み合わせることができる。
【0026】
上記目的を達成するために、本願発明の仮想立体画像表示方法は、従来の画像蓄積手順及び画像表示手順に、撮像対象物体上の任意の画像及び長さを構成する指定画像上の二点を指定し、指定画像に対応した参照画像及び参照画像上の指定された二点に対応する特定される二点を特定する画面操作手順及び指定画像上で指定される二点と、指定された二点に対応する、参照画像において特定される二点を得る対応点取得手順及び画像上の長さを実寸法に換算する換算係数を用いる実寸法算出手順を備える方法とした。また、対応点取得手順は、特定される二点を自動的に判断する特徴点判断手順を備える方法とした。
【0027】
具体的には、本願発明の仮想立体画像表示方法は、撮像対象物体を取り囲む仮想半球の表面上の緯度線、経度線の交点の位置から前記仮想半球の中心に向く方向に撮像された複数の画像の中から、画像表示手段が、指定された指定画像及び前記指定画像と異なる緯度線、経度線の交点の位置において撮像された参照画像を表示する画像表示手順と、対応点取得手段が、前記画像表示手順で表示された前記指定画像において指定された二点及び前記指定された二点に対応し、前記参照画像において特定される二点を得る対応点取得手順と、実寸法算出手段が、前記対応点取得手順で得られた前記指定された二点及び前記特定された二点から、前記指定画像と前記参照画像との相対的な緯度線、経度線の交点の位置の位置情報及び前記指定画像上の長さを実寸法に換算する換算係数を用いて、前記指定された二点間の撮像対象物体上の三次元実寸法について算出する実寸法算出手順と、を備える。
【0028】
この方法によれば、仮想立体画像表示方法は、撮像対象物体上の三次元実寸法を算出することができる。
【0029】
また、別の方法によれば、本願発明の仮想立体画像表示方法は、前記画面操作手段が、前記指定画像及び前記参照画像の選択並びに前記画像表示手順で表示された前記指定画像において二点の指定及び前記参照画像において二点の特定を行う画面操作手順をさらに備え、前記対応点取得手順は、前記画像表示手段により表示される複数の画像に対して前記対応点取得手段がそれぞれ前記画面操作手段により指定される前記指定された二点及び前記特定された二点を得ることを特徴とする。
【0030】
この方法によれば、対応点取得手順において、画像表示手段により表示される複数の画像に対して、対応点取得手段が手動により指定される二点及び特定される二点を得ることができる。
【0031】
また、別の方法によれば、本願発明の仮想立体画像表示方法は、前記画面操作手段が、前記指定画像の選択及び前記画像表示手順において表示された前記指定画像において二点の指定をする画面操作手順を備え、前記特徴点判断手段が、前記指定された二点の位置の特徴を抽出し、前記参照画像において特徴の一致又は近い位置の点を前記特定される二点として判断する特徴点判断手順と、をさらに備え、前記対応点取得手順は、前記画像表示手段により表示される前記指定画像に対して前記対応点取得手段が前記画面操作手段で指定された前記指定された二点及び前記画像表示手段により表示される前記参照画像に対して前記特徴点判断手段が判断する特定される二点を得ることを特徴とする。
【0032】
この方法によれば、対応点取得手順において、画像表示手段により表示される指定画像について、対応点取得手段が指定される二点を手動により、特徴点判断手段が特定される二点を自動的な判断から、それぞれ得ることができる。
【0033】
また、別の方法によれば、本願発明の仮想立体画像表示方法の前記特徴点判断手順は、前記特徴点判断手段が、前記画面操作手段により指定される前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置を選択し、前記選択した交点の位置から撮像した前記特定される二点を判断することを特徴とする。
【0034】
この方法によれば、特徴点判断手順において、特徴点判断手段が、画面操作手順より指定された二点の緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置から撮像した特定される二点を自動的に判断できる。
【0035】
また、別の方法によれば、本願発明の仮想立体画像表示方法の前記特徴点判断手順は、前記特徴点判断手段が、前記画面操作手段により指定される前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置を選択し、前記選択した交点の位置から撮像した前記特定される二点を仮定し、前記仮定された二点に対応した緯度線、経度線の交点の位置に隣接した交点の位置を順次選択し、前記選択した交点の位置から撮像した前記特定される二点を判断することを特徴とする。
【0036】
この方法によれば、特徴点判断手順において、特徴点判断手段が、画面操作手順より指定された二点の緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置より撮像した二点を特定される二点として仮定し、仮定された二点に対応した緯度線、経度線の交点の位置に隣接した交点の位置を順次選択していくことで、特定される二点が、指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置から確認が困難な場合でも、自動的に隣接した交点の位置を順次選択して特定される二点の特徴について判断することができる。
【0037】
また、別の方法によれば、本願発明の仮想立体画像表示方法の前記特徴点判断手順は、前記特徴点判断手段が、前記画面操作手段により指定される前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置を特定される二点として判断し、前記特定される二点の緯度線、経度線の交点の位置は、経度線のみが異なることを特徴とする。
【0038】
この方法によれば、特徴点判断手順において、特徴点判断手段が、撮像が二次元で行われた場合に、隣接した交点の位置を水平方向へ選択して特定される二点の特徴について判断することができる。
【0039】
また、別の方法によれば、本願発明の仮想立体画像表示方法の前記特徴点判断手順は、前記特徴点判断手段が、前記画面操作手段により指定される前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置を特定される二点として判断し、前記特定される二点の緯度線、経度線の交点の位置は、緯度線のみが異なることを特徴とする。
【0040】
この方法によれば、特徴点判断手順において、特徴点判断手段が、撮像が二次元で行われた場合に、隣接した交点の位置を鉛直方向へ選択して特定される二点の特徴について判断することができる。
【0041】
また、別の方法によれば、本願発明の仮想立体画像表示方法の前記特徴点判断手順は、前記特徴点判断手段が、前記画面操作手段により指定される前記指定された二点の位置の特徴を、周辺形状、色彩分布の少なくとも一つから抽出することを特徴とする。
【0042】
この方法によれば、特徴点判断手順において、特徴点判断手段が、指定された二点の位置について、例えば、特徴を撮像対象物体の形状に特徴がある場合は、指定された二点の位置の周辺形状から、あるいは撮像対象物体の色彩に特徴がある場合は、指定された二点の位置の色彩分布から、特徴を抽出する。他の特徴があればそれらの中の少なくとも一つから抽出することで、指定された二点の位置の特徴を現す最適な位置を判断することができる。
【0043】
また、別の方法によれば、本願発明の仮想立体画像表示方法の前記特徴点判断手順は、前記特徴点判断手段が、前記画面操作手段により指定される前記指定された二点の位置の特徴を抽出し、前記参照画像において特徴の一致又は近い複数の位置の点を判断し、前記画像表示手段は、前記複数の位置の点を、前記特定された二点として表示することを特徴とする。
【0044】
この方法によれば、特徴点判断手順において、特徴点判断手段が、画面操作手順から指定された二点の位置の特徴が一致する又は特徴が近い複数の位置に特定される二点を判断できる。また、画像表示手順は複数の位置に特定された二点を表示できる。
【0045】
なお、上記方法は、可能な限り組み合わせることができる。
【0046】
また、これらいずれかの仮想立体画像表示方法は、コンピュータにプログラムとして実行させることができる。
【0047】
さらに、これらいずれかの仮想立体画像表示方法は、コンピュータにプログラムとして実行させることができ、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、撮像対象物体上の三次元実寸法を算出可能な仮想立体画像表示装置及び三次元実寸法を算出可能な仮想立体画像表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】仮想立体画像表示装置の全体図である。
【図2】仮想立体画像表示装置の構成図である。
【図3】仮想立体画像表示方法の手順を示したフローチャートである。
【図4】画像上の三次元の長さの具体的な算出手順に関する説明図である。
【図5】画像上の三次元の長さの他の具体的な算出手順に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、添付の図面を参照して本発明の一態様を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0051】
図1は、本発明の実施の形態による仮想立体画像表示装置の全体図、図2は仮想立体画像表示装置の構成図、図3は、仮想立体画像表示方法の手順を示したフローチャートである。
【0052】
図1において、1は中心に撮像対象物体3を設置する仮想半球、2は仮想半球1の表面上の緯度線、経度線の交点の位置、3は撮像対象物体、4は仮想半球1の表面上に位置し、仮想半球1の中心方向を撮像可能な撮像手段4である。仮想半球1は、仮想半球1の表面上において任意の位置における緯度線、経度線の交点の位置2が計測でき、撮像対象物体3を中心に設置できればよい。仮想半球1の表面上の緯度線、経度線の交点の位置2は、仮想半球1の中心を基準として計測される値であれば具体的な計測方法は問わない。撮像対象物体3は、大きさが計測できる対象であれば具体的な形状を問わない。撮像手段4は、画像が記録できれば手段を問わない。例えば、フィルムカメラ、デジタルカメラ等を適用できる。また、撮像対象物体3及び撮像手段4は、必ずしも移動又は回転しなくてもよい。例えば、撮像対象物体3が固定され、撮像手段4が仮想半球1の表面上を移動する構成でもよいし、逆に撮像手段4が任意の緯度に固定され、撮像対象物体3が仮想半球1の中心を軸とする回転テーブル上に位置している構成でもよいし、あるいは、複数の撮像手段4を仮想半球1の表面上の緯度線、経度線の交点の位置2に固定し、撮像対象物体3も固定されている構成でもよい。撮像手段4は、後述する画像蓄積手段10に撮像した画像を転送するために接続されている。
【0053】
図2は本実施形態に関する仮想立体画像表示装置の構成を説明する図である。仮想立体画像表示装置は、撮像対象物体3を取り囲む仮想半球1の表面上の緯度線、経度線の交点の位置2から前記仮想半球1の中心に向く方向に撮像された複数の画像を蓄積する画像蓄積手段10と、前記画像蓄積手段10で蓄積された複数の画像の中から、指定された指定画像及び前記指定画像と異なる緯度線、経度線の交点の位置2において撮像された参照画像を表示する画像表示手段11と、前記画像表示手段11で表示された前記指定画像において指定された二点及び前記指定された二点に対応し、前記参照画像において特定される二点を得る対応点取得手段13と、前記対応点取得手段13の得た前記指定された二点及び前記特定された二点から、前記指定画像と前記参照画像との相対的な緯度線、経度線の交点の位置2の位置情報及び前記指定画像上の距離を実寸法に換算する換算係数を用いて、前記指定された二点間の撮像対象物体3上の三次元実寸法を算出する実寸法算出手段14と、前記指定画像及び前記参照画像の選択並びに前記画像表示手段11に表示された前記指定画像において二点の指定及び前記参照画像において二点の特定を行う画面操作手段12と、前記指定された二点の位置の特徴を抽出し、前記参照画像において特徴の一致又は近い位置の点を前記特定される二点として判断する特徴点判断手段15によって構成される。
【0054】
図2において、10は仮想半球1の表面上から撮像対象物体3を撮像手段4が撮像した画像とそれに対応する緯度線、経度線の交点の位置2を蓄積する画像蓄積手段である。例えば、半導体記憶装置、磁気記憶媒体、各種光ディスク等である。11は画像蓄積手段10に蓄積された画像から指定された指定画像及び指定画像と異なる緯度線、経度線の交点の位置2で撮像された参照画像を表示する画像表示手段である。例えば、テレビ、コンピュータのモニタ画面等である。12は画像表示手段11により表示された画像について、前記指定される二点を指定し、前記特定される二点を特定する画面操作手段である。例えば、コンピュータのキーボード、ポインティングデバイス等である。13は画像表示手段11により表示された指定画像上において指定された二点及び指定された二点に対応し、参照画像上において特定される二点を得る対応点取得手段、14は対応点取得手段13の得た指定された二点及び特定された二点から、指定画像と参照画像との相対的な緯度線、経度線の交点の位置2の位置情報及び指定画像上の長さを実寸法に換算する換算係数を用いて撮像対象物体3上において指定された二点間の三次元実寸法を算出する実寸法算出手段である。換算係数は、画像表示手段11に表示された撮像対象物体3の表示上の長さを実寸法に換算する係数である。15は画面操作手段12が指定する二点から、位置の特徴を抽出し、特定される二点を判断する特徴点判断手段である。
【0055】
図3は本実施形態に関する仮想立体画像表示方法の手順を説明する図である。図3において、仮想立体画像表示方法は、前記画像表示手段11が、図示しない画像蓄積手順で蓄積された複数の画像の中から、指定された指定画像及び前記指定画像と異なる緯度線、経度線の交点の位置2において撮像された参照画像を表示する画像表示手順S101と、前記画面操作手段12が、前記指定画像及び前記参照画像の選択並びに前記画像表示手段11で表示された前記指定画像において二点の指定及び前記参照画像において二点の特定を行う画面操作手順S102と、対応点取得手段13が、前記画像表示手順S101で表示された前記指定画像において指定された二点及び前記指定された二点に対応し、前記参照画像において特定される二点を得る対応点取得手順S103と、実寸法算出手段14が、前記対応点取得手順S103において得られた前記指定された二点及び前記特定された二点から、前記指定画像と前記参照画像との相対的な緯度線、経度線の交点の位置2の位置情報及び前記指定画像上の長さを実寸法に換算する換算係数を用いて、前記指定された二点間の撮像対象物体3上の三次元実寸法を算出する実寸法算出手順S104と、前記特徴点判断手段15が、前記指定された二点の位置の特徴を抽出し、前記参照画像において特徴の一致又は近い位置の点を前記特定される二点として判断する特徴点判断手順S105と、を備える。
【0056】
図3において、画像表示手順S101は、画像表示手段11が画像蓄積手段10から画像情報を得て、画像を表示する手順である。画面操作手順S102は、操作者の入力によって、画面操作手段12が画像表示手段11により表示された画像について、画面上で操作する手順である。対応点取得手順S103は、対応点取得手段13が指定画像上で指定される二点及び参照画像上において特定される二点を得る手順である。実寸法算出手順S104は、実寸法算出手段14が指定される二点及び特定される二点から、指定画像上の長さを実寸法に換算する換算係数を用いて、指定画像上の長さを実寸法に換算する手順である。特徴点判断手順S105は、画面操作手段12により指定される二点から、特徴点判断手段15を用いて位置の特徴を抽出し、特定される二点を判断する。
【0057】
図1において、撮像対象物体3は、仮想半球1の中心に位置し、撮像手段4は、仮想半球1の表面上の任意の緯度線、経度線の交点の位置2に位置し、撮像対象物体3を、仮想半球1の中心の方向に撮像する。
【0058】
図2において、画像蓄積手段10は、撮像手段4により撮像された画像と併せて撮像時の緯度線、経度線の交点の位置2の情報も蓄積する。蓄積された複数の画像は、画像表示手段11により、撮像時の緯度線、経度線の交点の位置2を対応させて切り替えられ、あたかも三次元の撮像対象物体3であるかのように表示される。
【0059】
画像の枚数は、少ないほど画像の読み込み時間は短縮される。しかし、撮像対象物体3の立体感が劣化してしまうため、ある程度の画像の数が必要となる。経度15度毎で撮像する程度の画像の枚数が望ましい。
【0060】
図2及び図3において、画像表示手順S101では、画像表示手段11は、画像蓄積手段10から蓄積された画像を転送される。画面操作手順S102において、操作者は画面操作手段12を用いて、画像表示手段11で表示された画面を見て、長さを測定しようとする撮像対象物体3の画像及び画像上の二点間を、それぞれポインティングデバイス等で指定する。指定された二点は、平面上に投影された位置を示すことになる。
【0061】
併せて、画像表示手段11は指定画像に対応した別の緯度線、経度線の交点の位置2から撮像された参照画像を選定して表示し、画面操作手順S102において、操作者は画面操作手段12を用いて、画像表示手段11で表示された画面を見て、参照画像上の特定される二点を、ポインティングデバイス等で特定する。先に指定された二点と、参照画像上で特定された二点から立体的な位置が得られることになる。立体的な位置から得られる長さは、実寸法算出手段14において三次元実寸法を算出するために必要な長さである。
【0062】
また、特定される二点については、特徴点判断手順S105において、自動的に判断できる。この場合は、画面操作手順S102において、操作者は画面操作手段12を用いて、画像表示手段11で表示された画面を見て、長さを測定しようとする撮像対象物体3の画像及び画像上の二点間を、それぞれポインティングデバイス等で指定し、特定される二点は、特徴点判断手段15において、指定される二点の位置の特徴等から、自動的に判断される。特定される二点で構成される長さは、実寸法算出手段14において三次元実寸法を算出するために必要な長さである。
【0063】
画面操作手順S102において、画像表示手段11において表示された撮像対象物体3の形状等に応じて、上記の特定される二点の特定について手動指定又は自動判断のいずれかを選択可能にしておくとよい。
【0064】
ここで、特徴点判断手順S105における特徴点判断手段15は、特定される二点を、指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置2に隣接する交点の位置から撮像した特定される二点とすることができる。撮像対象物体3の形状によっては、特定される二点を容易に知ることができる場合は、この判断基準に従うことで、速やかに特定される二点が判断される。例えば、周期性のある模様、形状が撮像対象物体3の特徴である場合は、指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置2に隣接する交点の位置を特定される二点として容易に判断できる。
【0065】
あるいは、特定される二点が、撮像対象物体3の形状により、指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置2から確認が困難な場合でも、指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置2に隣接する交点の位置から撮像した二点を特定される二点として仮定し、仮定された二点に対応した緯度線、経度線の交点の位置2に隣接した交点の位置を順次選択していくことで、自動的に隣接した交点の位置を順次選択して特定される二点の特徴について判断することができる。
【0066】
特徴点判断手順S105において、画像表示手段11において表示された撮像対象物体3の形状等に応じて、上記の特定される二点の判断基準について隣接判断又は順次隣接判断のいずれかを選択可能にしておいてもよい。
【0067】
さらに、撮像対象物体3について、仮想半球1の表面上に位置する撮像手段4の緯度が変化せず、経度線のみが変化する二次元の撮像を行った場合には、特徴点判断手順S105における特徴点判断手段15は、指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置2に隣接する交点の位置を選択する際に、指定された二点に対応する経度線のみが異なる特定される二点を判断することもできる。経度線のみが変化する時は、撮像対象物体3を水平方向に回転させることに相当する。撮像対象物体3を観察するときは、撮像対象物体3の周囲を水平方向に見回すことで撮像対象物体3の特徴を捉え易いためである。画面操作手順S102において上記水平回転方向の判断基準を選択可能にしておくことで、画像蓄積手段10に記録及び蓄積される画像と緯度線、経度線の交点の位置2の情報量が削減できる。
【0068】
同様に、撮像対象物体3について、仮想半球1の表面上に位置する撮像手段4の緯度が変化せず、緯度線のみが変化する二次元の撮像を行った場合には、特徴点判断手順S105における特徴点判断手段15は、指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置2に隣接する交点の位置を選択する際に、指定された二点に対応する緯度線のみが異なる特定される二点を判断することもできる。緯度線のみが変化する時は、撮像対象物体3を鉛直方向に回転させることに相当する。撮像対象物体3を観察するときは、撮像対象物体3の周囲を鉛直方向に見回すことで撮像対象物体3の特徴を捉え易いためである。画面操作手順S102において上記鉛直回転方向の判断基準を選択可能にしておくことで、画像蓄積手段10に記録及び蓄積される画像と緯度線、経度線の交点の位置2の情報量が削減できる。
【0069】
また、特定される二点の位置について、特徴点判断手順S105における特徴点判断手段15は、指定された二点の位置の特徴として、周辺形状、色彩分布等を抽出して、特定される二点の位置を判断することもできる。二点の位置の周辺形状や色彩分布は、二点の位置の特徴を最も的確に表している要素だからである。画面操作手順S102において上記周辺形状、色彩分布等の特徴を判断基準として選択可能にしておくことで、撮像対象物体3の材質等も特徴として抽出できる。
【0070】
また、特徴点判断手順S105における特徴点判断手段15は、指定された二点の位置と特徴の一致又は近い複数の位置の点を判断して、画像表示手段11にそれらを表示する。画面操作手順S102において上記判断基準及び表示を選択可能にしておくことで、特定される二点は自動で判断されるが、複数の候補を表示してその中から適切と考えられる位置の点を選択することができる。
【0071】
次に、対応点取得手順S103において、対応点取得手段13が、画像表示手段11上で指定された二点と特定された二点又は画像表示手段11上で指定された二点と特徴点判断手段15で判断された特定された二点を得る。この対応点取得手順S103における対応点取得手段13は、指定された二点及び特定された二点を得ているので、判断基準を表示又は情報として出力させてもよい。
【0072】
そして、実寸法算出手順S104において、実寸法算出手段14が、指定画像と参照画像との相対的な緯度線、経度線の交点の位置2の位置情報及び指定画像上の長さを実寸法に換算する換算係数を用いて指定された二点間の三次元実寸法を算出する。換算係数は、画像表示手段11に表示された撮像対象物体3の表示上の長さ及び特定された二点間の長さから実寸法に換算する係数である。
【0073】
具体的な算出手順について図4を参照して説明する。図4において、ある画像上の二点A点及びB点の間に直線を引き、この直線ABの正規化した長さLを求めるとする。
【0074】
この直線を水平方向及び垂直方向の成分に分ける。そして、画像上の垂直方向成分を軸として水平方向成分を回転させる。この時、見かけの長さが変化するのは水平方向の成分であり、垂直方向の成分は変化しない。水平方向の成分が最小となるのは、水平方向の成分が視線の方向と一致する場合であり、最大となるのは、視線の方向に垂直となる場合である。水平方向の成分をLとすると、Lは以下の正弦曲線の数式1で示される。
【数1】

【0075】
この関数において、Lが最大となった場合の長さLが求める長さである。複数の画像上のA点及びB点を特定できれば、この関数がとる最大値は、以下の数式2のように表すことができる。
【数2】

【0076】
垂直方向の成分Lは測定した値であるから、A点及びB点の間を結ぶ直線の長さLは以下の数式3のように示される。
【数3】

【0077】
この場合の長さの値は、画像上の画素の座標などから換算する。そして、この長さLは画像上の三次元の長さであり、撮像対象物体3上の三次元実寸法ではない。画像上の三次元の長さは、換算係数により実際の長さに換算されることで、三次元実寸法となる。換算係数は、任意に設定することができる。例えば、撮像対象物体3と共に撮像された、画像上から実寸法が確認できる物の長さを換算係数とするとよい。
【0078】
なお、この実寸法算出手順S104は、換算係数を用いて画面上の長さLを実寸法に換算した上で、三次元の長さを算出するという順番であっても結果は同じである。実寸法算出手順S104において算出された算出結果は表示又は情報として出力される。
【0079】
次に、任意の緯度、経度に対応した画像を選択した場合の具体的な算出手順ついて図5を参照して説明する。図5において、撮像対象物体3を撮像した任意の画像上の二点A点及びB点の間に直線を引き、この直線ABの長さLを求めるとする。なお図5(b)では、図5(a)を緯度方向のみ90度回転させた例を示している。
【0080】
まず、撮像対象物体3の実寸法をcとする。そして、撮像対象物体3の実寸法cに相当する画像表示手段11に表示したときの画素数kを把握し、換算係数c/kを把握する。次に、撮像対象物体3を撮像した任意の画像を選択し、画像上の測定対象となるA点及びB点を設定する。そして、画像表示手段11上の経度方向の軸をx軸、緯度方向の軸をy軸と仮定する。A点を原点とする画像表示手段11上の直線ABのx軸方向成分の長さをL、y軸方向成分の長さをLとし(図5(a))、対応する画素数を把握する。
【0081】
次に、画像表示手段11上の撮像対象物体3の経度を変えず、緯度方向のみ90度回転させた画像を指定して表示し、その画像表示手段11上のx軸及びy軸と直交する軸をz軸と仮定する(図5(b))。すなわち、図5(a)は、画面と垂直の方向がz軸であり、図5(b)は、図5(a)のトップビューに相当し、画面と垂直方向がy軸となる。そして、図5(a)の上記A点及びB点に対応する図5(b)のA’点及びB’点を設定する。A’点を原点とする画像表示手段11上の直線A’B’の長さL’のx軸方向成分の長さL、z軸方向成分の長さLを測定し、対応する画素数を把握する。ここで、Lの長さは緯度のみ90度回転させる前と共通なので、いずれか一方の値を使用するか、又は誤差を考慮し、平均値を使用してもよい。なお、経度のみを90度回転させた画像を使用することも可能である。撮像対象物体3の形状によっては、画像表示手段11上で各成分の長さを測定できない場合があるため、適宜、緯度、経度方向に回転させて測定を行う。
【0082】
以上の過程により得られたL、L、L、実寸法c及び画素数kを用いて、以下の数式4により、Lを求めることができる。
【数4】

【0083】
なお、本来算出すべき上記具体例におけるLとL、L、Lの関係を、以下の数式5、数式6、数式7で示す。
【数5】

【数6】

【数7】

【0084】
なお、これらいずれかの仮想立体表示方法は、コンピュータに実行させるプログラムとして実現することができる。
【0085】
さらに、これらいずれかの仮想立体表示方法は、プログラムとしてコンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明における仮想立体画像表示装置及び仮想立体画像表示方法は、例えば、採取した動植物、鉱石等や保管している美術品の公開、研究などに適用することができる。
【符号の説明】
【0087】
1:仮想半球
2:緯度線、経度線の交点の位置
3:撮像対象物体
4:撮像手段
10:画像蓄積手段
11:画像表示手段
12:画面操作手段
13:対応点取得手段
14:実寸法算出手段
15:特徴点判断手段
S101:画像表示手順
S102:画面操作手順
S103:対応点取得手順
S104:実寸法算出手順
S105:特徴点判断手順

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像対象物体を取り囲む仮想半球の表面上の緯度線、経度線の交点の位置から前記仮想半球の中心に向く方向に撮像された複数の画像を蓄積する画像蓄積手段と、
前記画像蓄積手段で蓄積された複数の画像の中から指定された指定画像及び前記指定画像と異なる緯度線、経度線の交点の位置において撮像された参照画像を表示する画像表示手段と、
前記画像表示手段で表示された前記指定画像において指定された二点及び前記指定された二点に対応し、前記参照画像において特定される二点を得る対応点取得手段と、
前記対応点取得手段の得た前記指定された二点及び前記特定された二点から、前記指定画像と前記参照画像との相対的な緯度線、経度線の交点の位置の位置情報及び前記指定画像上の長さを実寸法に換算する換算係数を用いて、前記指定された二点間の撮像対象物体上の三次元実寸法について算出する実寸法算出手段と、
を備えることを特徴とする仮想立体画像表示装置。
【請求項2】
前記指定画像及び前記参照画像の選択並びに前記画像表示手段に表示された前記指定画像において二点の指定及び前記参照画像において二点の特定を行う画面操作手段をさらに備え、
前記対応点取得手段は、前記画像表示手段が表示する複数の画像に対してそれぞれ前記画面操作手段により指定される前記指定された二点及び前記特定された二点を得ることを特徴とする請求項1に記載の仮想立体画像表示装置。
【請求項3】
前記指定画像の選択及び前記画像表示手段に表示された前記指定画像において二点の指定を行う画面操作手段と、
前記指定された二点の位置の特徴を抽出し、前記参照画像において特徴の一致又は近い位置の点を前記特定される二点として判断する特徴点判断手段と、をさらに備え、
前記対応点取得手段は、前記画像表示手段が表示する前記指定画像に対して前記画面操作手段により指定される前記指定された二点及び前記特徴点判断手段の判断した特定される二点を得ることを特徴とする請求項1に記載の仮想立体画像表示装置。
【請求項4】
前記特徴点判断手段は、前記画面操作手段で指定した前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置を選択し、前記選択した交点の位置から撮像した前記特定される二点を判断することを特徴とする請求項3に記載の仮想立体画像表示装置。
【請求項5】
前記特徴点判断手段は、前記画面操作手段で前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置から隣接する交点の位置を選択し、前記選択した交点の位置から撮像した前記特定される二点を仮定し、
前記仮定された二点に対応した緯度線、経度線の交点の位置に隣接した交点の位置を順次選択し、前記選択された交点の位置から撮像した前記特定される二点を判断することを特徴とする、請求項3に記載の仮想立体画像表示装置。
【請求項6】
前記特徴点判断手段において、前記画面操作手段で選択される前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置は、前記画面操作手段で前記指定された二点に対応する経度線のみが異なることを特徴とする、請求項4又は5に記載の仮想立体画像表示装置。
【請求項7】
前記特徴点判断手段において、前記画面操作手段で選択される前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置は、前記画面操作手段で前記指定された二点に対応する緯度線のみが異なることを特徴とする、請求項4又は5に記載の仮想立体画像表示装置。
【請求項8】
前記特徴点判断手段は、前記指定された二点の位置の特徴を、周辺形状、色彩分布の少なくとも一つから抽出することを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載の仮想立体画像表示装置。
【請求項9】
前記特徴点判断手段は、前記指定された二点の位置の特徴を抽出し、前記参照画像において特徴の一致又は近い複数の位置の点を判断し、前記画像表示手段は、前記複数の位置の点を、前記特定された二点として表示することを特徴とする、請求項3から8のいずれかに記載の仮想立体画像表示装置。
【請求項10】
撮像対象物体を取り囲む仮想半球の表面上の緯度線、経度線の交点の位置から前記仮想半球の中心に向く方向に撮像された複数の画像の中から、画像表示手段が、指定された指定画像及び前記指定画像と異なる緯度線、経度線の交点の位置において撮像された参照画像を表示する画像表示手順と、
対応点取得手段が、前記画像表示手順で表示された前記指定画像において指定された二点及び前記指定された二点に対応し、前記参照画像において特定される二点を得る対応点取得手順と、
実寸法算出手段が、前記対応点取得手順で得られた前記指定された二点及び前記特定された二点から、前記指定画像と前記参照画像との相対的な緯度線、経度線の交点の位置の位置情報及び前記指定画像上の長さを実寸法に換算する換算係数を用いて、前記指定された二点間の撮像対象物体上の三次元実寸法について算出する実寸法算出手順と、
を備えることを特徴とする仮想立体画像表示方法。
【請求項11】
前記画面操作手段が、前記指定画像及び前記参照画像の選択並びに前記画像表示手順で表示された前記指定画像において二点の指定及び前記参照画像において二点の特定を行う画面操作手順をさらに備え、
前記対応点取得手順は、前記画像表示手段により表示される複数の画像に対して前記対応点取得手段がそれぞれ前記画面操作手段により指定される前記指定された二点及び前記特定された二点を得ることを特徴とする請求項10に記載の仮想立体画像表示方法。
【請求項12】
前記画面操作手段が、前記指定画像の選択及び前記画像表示手順において表示された前記指定画像において二点の指定をする画面操作手順を備え、
前記特徴点判断手段が、前記指定された二点の位置の特徴を抽出し、前記参照画像において特徴の一致又は近い位置の点を前記特定される二点として判断する特徴点判断手順と、をさらに備え、
前記対応点取得手順は、前記画像表示手段により表示される前記指定画像に対して前記対応点取得手段が前記画面操作手段で指定された前記指定された二点及び前記画像表示手段により表示される前記参照画像に対して前記特徴点判断手段が判断する特定される二点を得ることを特徴とする請求項10に記載の仮想立体画像表示方法。
【請求項13】
前記特徴点判断手順は、前記特徴点判断手段が、前記画面操作手段により指定される前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置を選択し、前記選択した交点の位置から撮像した前記特定される二点を判断することを特徴とする請求項12に記載の仮想立体画像表示方法。
【請求項14】
前記特徴点判断手順は、前記特徴点判断手段が、前記画面操作手段により指定される前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置を選択し、前記選択した交点の位置から撮像した前記特定される二点を仮定し、
前記仮定された二点に対応した緯度線、経度線の交点の位置に隣接した交点の位置を順次選択し、前記選択した交点の位置から撮像した前記特定される二点を判断することを特徴とする、請求項12に記載の仮想立体画像表示方法。
【請求項15】
前記特徴点判断手順は、前記特徴点判断手段が、前記画面操作手段により指定される前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置を特定される二点として判断し、前記特定される二点の緯度線、経度線の交点の位置は、経度線のみが異なることを特徴とする、請求項13又は14に記載の仮想立体画像表示方法。
【請求項16】
前記特徴点判断手順は、前記特徴点判断手段が、前記画面操作手段により指定される前記指定された二点に対応する緯度線、経度線の交点の位置に隣接する交点の位置を特定される二点として判断し、前記特定される二点の緯度線、経度線の交点の位置は、緯度線のみが異なることを特徴とする、請求項13又は14に記載の仮想立体画像表示方法。
【請求項17】
前記特徴点判断手順は、前記特徴点判断手段が、前記画面操作手段により指定される前記指定された二点の位置の特徴を、周辺形状、色彩分布の少なくとも一つから抽出することを特徴とする請求項12から16のいずれかに記載の仮想立体画像表示方法。
【請求項18】
前記特徴点判断手順は、前記特徴点判断手段が、前記画面操作手段により指定される前記指定された二点の位置の特徴を抽出し、前記参照画像において特徴の一致又は近い複数の位置の点を判断し、前記画像表示手段は、前記複数の位置の点を、前記特定された二点として表示することを特徴とする、請求項12から17のいずれかに記載の仮想立体画像表示方法。
【請求項19】
コンピュータに請求項10から18までのいずれかの仮想立体画像表示方法を実行させるためのプログラム。
【請求項20】
コンピュータに請求項10から18までのいずれかの仮想立体画像表示方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−187285(P2010−187285A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31165(P2009−31165)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(504202472)大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 (119)
【出願人】(308027606)インシリコバイオロジー株式会社 (1)
【Fターム(参考)】