説明

伝導性コイルのための冷却システムおよび方法

内科治療を提供するエネルギー放出装置は、1つ以上のエネルギー発生器と、1つ以上のエネルギー発生器に接続される論理制御器と、随意的に、標的神経における筋肉刺激または電気伝導を検出するために論理制御器に接続される1つ以上のセンサとを含む。エネルギー発生器は、論理制御器から信号を受信すると標的神経に集中されるエネルギーを産生し、エネルギーは、1つ以上のセンサによって提供される入力に従って論理制御器によって変化させられることができる。ある実施形態において、エネルギー放出装置は、電流を受信すると、標的神経に集中される磁場を産生する1つ以上の伝導性コイルを含む。ある実施形態において、種々の冷却機構またはシステムが、コイルを冷却するために実装されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国特許出願第12/509,362号(2009年7月24日出願)の優先権の利益を主張し、この出願の内容は、その全体が本明細書に参照により援用される。
【背景技術】
【0002】
過活動膀胱(「OAB」)および尿失禁(「UI」)は、毎年米国の人口の16%以上、または約3,400万人の男女に影響を及ぼしている。米国外では、OABおよびUIは、4,600万人以上の欧州人に影響を及ぼしている。OABおよびUIの経済費用は、米国だけで1年に120億ドルを超えると推定されている。
【0003】
OABおよびUIに付随する社会的不名誉、ならびにOABおよびUIと関連付けられる症状に関する誤解により、米国内の罹患した個人の40%しか内科治療を求めていない。内科治療を求めている1,360万人の米国人のうち、ほぼ30%または400万人の個人が現在の治療に満足していないと報告されている。
【0004】
OABおよびUIに対する既知の治療は、運動および行動修正、薬理療法、外科的介入、および神経変調を含むが、これらの治療のそれぞれは、厳しい制限を提示する。
【0005】
運動および行動修正はしばしば、計画的排尿、排尿日誌の維持、および激しい運動養生法を含む、厳しいルーチンを順守するように患者に要求する。この種類の治療は、少人数の極めて熱心な個人にとって実行可能な選択肢であってもよいが、それの個人の生活へ日常的な影響により、ほとんどの患者にとって魅力的ではなくなる。
【0006】
薬理学的介入は、OABおよびUIに対する最も広く処方されている治療である。残念ながら、患者はしばしば、薬物療法に関係する副作用に苦しむ。そのような副作用は、ときには重篤であり、複数の薬剤を使用する傾向がある高齢患者集団において特に顕著である。加えて、薬理療法を受ける全患者の約30%が、処方された治療の有効性に不満であると思われる。
【0007】
外科的介入は、極めて侵襲的であり、しばしば、場合によっては永久的となり得るカテーテル法の長期的な必要をもたらす。患者の生活の質へのこれらの手技の悪影響、およびそれらの高い経費により、全ての他の治療選択肢が使い尽くされたときにのみ、外科的介入が推奨される選択肢となる。
【0008】
神経変調は、OABおよびUIに対する別の利用可能な治療である。一般的に、パルス電磁刺激(「PES」)は、種々の医療用途において有益な効果を有することが証明されている。関連する科学原理は、コイルを通過する電流が、電磁場の内側に配置される伝導性材料内に電流を誘導する電磁場を生成するということである。
【0009】
より具体的には、PESは、電磁場内に設置される神経を刺激し、それにより、その神経によって制御される筋肉に影響を及ぼす効果的な方法であることが示されている。例えば、非特許文献1において、円環体の管腔を通り抜ける神経を、モニタワイヤにおいて0.7ボルトのピーク振幅および50μsの持続時間の磁場によって刺激することができ、そのような刺激が、麻酔をかけたほ乳類における主要な脚の筋肉の収縮を生成することができると開示された。
【0010】
種々の疾病を治療するためのPESを使用するために、種々の試行が行われた。例えば、Niemiへの特許文献1は、電磁場の外部印加を通して体内で電流を生成することによって、骨成長を誘導するための装置を開示している。そのような装置は、四肢上に配置される対向クランプを含み、随意で、過電流モードを回避するよう、フィードバックコイルと、磁場を感知するためのマイクロプロセッサとを含んでもよい。したがって、この装置は、生成された磁場の測定に基づいて磁場を最適化する。
【0011】
Cadwellへの特許文献2は、より高いレベルの性別の神経経路を磁気的に刺激するための方法および装置を開示する。本発明では、正弦波的に変動する電流が、刺激されるニューロンの上に横たわるコイルを通して生成され、電流の周波数およびコイルによって産生される磁場の周波数は、刺激されるニューロンの時間定数に対応するように事前決定される。コイル温度等のコイル状態を感知するためのセンサも含まれてもよい。
【0012】
Griffithへの特許文献3は、ある損傷した身体部分に電磁放射を方向付けることによって、生体の損傷部に電磁エネルギーを印加するための電気・電磁変換器を開示する。電磁放射は、伝導性コイルで包まれた高透磁率材料の棒から成る双極子によって最初に生成される。損傷した身体部分から離れるように生成される磁場は、伝導性遮蔽体に交差し、渦電流を確立し、それは次に、電磁源によって生成される磁場と反対側にあり、かつそれとほぼ等しい磁場を生成する。結果として生じた電磁場は、損傷した身体部分に向かって方向付けられる電磁場を補強し、損傷した身体部分から離れるように方向付けられる電磁場を弱める。
【0013】
Pollackらへの特許文献4は、骨折骨を含む、損傷または罹患した生体組織の治癒を推進するための非侵襲的な携帯用電磁治療方法および装置を開示する。これらの方法および装置は、0.5乃至20ミリ秒の狭いパルス幅を伴うバーストしたパルスの一連の実質的に対称の電圧サイクルを有する、信号を生成することを伴い、さらに、治癒される組織を含有する領域の中へ延在する電磁場に信号を変換することを伴う。本発明は、印加された刺激の有効性についてのフィードバックを提供しない。
【0014】
非特許文献2において、尿失禁の治療のために末梢神経を刺激する外部パルス磁気コイルが使用された。著者らは、単一のコイルによって産生された大きな磁場を使用することにより、神経が始動され、結果として生じる神経伝導が頻繁に苦痛を伴うか、または耐え難いことを確認した。加えて、神経を刺激するために、完全に外部の磁場と整列させられなければならない内部に埋め込まれたコイルが利用されたので、コイル整列に問題があった。デバイスを設置することの困難により、この治療の実用的な応用は、事前設定された整列および神経の監視を伴わない在宅医療介護利用を可能にせず、神経が実際に刺激されていることを確実にするための、または神経場所において一般的に発生する生理学的および解剖学的変動に応じてデバイスを調整するための準備が行われなかった。
【0015】
Ericksonらへの特許文献5およびTepperへの特許文献6は、磁束補助電磁場を生成することによって、(脊椎固定術後等に)PEMF療法を行うために使用可能なパルス電磁場(「PEMF」)変換器システムを開示している。駆動電子機器は、電磁場の活性化(電磁場の強度およびサイクル)を制御するためのPEMFプログラムを実行する、PEMFプロセッサを含む。
【0016】
非特許文献3は、その要約において、排尿筋の直接経腹的刺激を通して、または腰仙神経根の刺激を通して、イヌの皮質、脊髄神経、および末梢神経を刺激するために、磁気刺激を採用できたことを開示した。
【0017】
しかしながら、示されるように、PES治療の有効性を測定するための準備が行われておらず、PESへの不十分または過剰な曝露によって患者が不適切に治療された。PES用量を監視する他の試行は、重篤な欠点を示す。例えば、Kotへの特許文献7は、線間電圧源に接続される調整可能な電圧源と、調整可能な電圧源に接続されるコイルとを含む、磁場療法を利用する、関節炎の治療用の装置を開示している。この装置には、治療の有効性について医療介護提供者に忠告するフィードバックシステムがない。
【0018】
Ishikawaらへの特許文献8は、体内に渦電流を誘導し、骨盤底筋、陰部神経、外尿道括約筋、または脛骨神経の一群を刺激する磁束パルス列を誘導するように、1つ以上の磁気刺激コイルを通して電流パルス列を送達することに基づく、尿失禁を治療するための方法を開示している。この方法は、尿失禁を治療するためのパルス電磁気の使用を含むが、身体の標的領域を覆う磁気コイル、または適用されている治療の有効性を監視するためのシステムの配置を促進するために、具体的な構成要素が構想されていない。
【0019】
Daveyらの特許文献9は、その上に配置されたコイル巻線を有する、高い磁場飽和を有する材料から構築されるコアを含む磁気神経刺激装置を開示している。サイリスタ容量放電回路がデバイスにパルスを送り、急速に変化する磁場が、好ましくはバナジウムパーメンジュールでできているコアによって誘導される。
【0020】
Burnettらへの特許文献10も、各コイルが各自の独立電磁場を生成し、隣接する電磁場を有意に増大させるように、所定の順序で独立して通電することができる、複数の重複コイルを含む電磁刺激デバイスを開示している。残念ながら、これらの特許のうちのいずれも、治療される領域を覆う巻線または印加される磁場の強度の適正な設置に関して、進行中の治療の有効性を監視するためのシステムを提供しない。
【0021】
他のPES療法は、患者にとって結果として生じる不快感、危険性、および費用を伴って、患者へのデバイスの埋め込みを必要とする。例えば、Loebらへの特許文献11は、会陰の皮膚の下および/または脛骨神経の下に配置される電極を含む1つ以上のバッテリまたは無線周波数駆動型マイクロ刺激装置を注入するか、または腹腔鏡下に埋め込むことによって、UIおよび/または骨盤痛を治療する方法およびシステムを開示する。
【0022】
Mannらへの特許文献12は、刺激される会陰神経または組織に隣接するリード線またはカテーテルの放出部分上の電極の埋め込みを含む、失禁、切迫感、頻発、および/または骨盤痛を治療するための方法およびシステムを開示する。電気または薬剤注入パルスのいずれか一方である刺激パルスは、刺激装置と刺激部位との間で皮下に通過させられるリード線またはカテーテルを通して遠隔で埋め込まれる刺激装置によって供給される。
【0023】
他のPES療法は、患者の皮膚の上または下に配置される電極の使用を伴う。OABおよびUIがある個人における後脛骨神経の侵襲的な針ベースのPESについての近年のデータは、主要興奮性入力を膀胱に提供する、陰部神経および仙骨神経叢に対する作用を通して、PESが膀胱機能障害を変調できることを示している。
【0024】
非特許文献4において、末梢脛骨神経刺激(「PTNS」)がOABを治療することに効果的であることが分かったと開示された。開示された手技は、小型34ゲージ針電極、リード線、および手持ち式発電機を含む電極および発電機構成要素の使用を伴った。しかしながら、手技は、患者における電気刺激デバイスの永久埋め込みを必要とする。1つの見積もりは、毎年患者につき593ドルの付加的な日常介護費用とともにほぼ14,000ドルの治療費用を提出した。加えて、バッテリ故障、移植感染症、および電極移動の危険性が、高い再手術率につながり、この手技が魅力的ではなくなった。
【0025】
Kronbergへの特許文献13は、2つのタイミング間隔発電機を含む、生物医学的用途で使用するための電気信号を生成するための方法を開示している。本発明では、皮膚接触電極が着目領域を覆って配置されてもよく、マイクロプロセッサがタイミングおよびシークエンシング機能を指図してもよいが、そのようなタイミングおよびシークエンシング機能は、治療が行われている間の治療の実際の有効性とは無関係である。
【0026】
Williamsらへの特許文献14は、パルス発生器と、第1の伝導性絶縁リード線と、第2の伝導性絶縁リード線と、伝導性の経皮的電極と、伝導性の経皮的針電極とを含む電気神経刺激装置を開示している。第1および第2のリード線の一方の端には、パルス発生器と電気的に連結するためのコネクタが接続される。本発明では、経皮的針電極は、所望の内部刺激部位に近接して皮膚を通して挿入され、パルス電磁刺激よりもむしろ、電気刺激が採用される。また、Williamsの発明は、訓練を受けていないユーザによるデバイスの使用を促進するための機構も、適用された治療の監視のための機構も検討しない。
【0027】
神経変調の代替案は、しばしばSANと呼ばれる後脛骨神経刺激装置であるが、他の形態の神経変調の場合のように、この手技は、本質的に侵襲的であり、後脛骨神経を刺激するために、患者の足首領域の中へ5センチの針の挿入を必要とする。この手技はまた、おそらく維持のために必要とされる付加的なセッションを伴って、初期治療のために最低12回のセッションを必要とする。
【0028】
また、従来の挿入型または埋込型の経皮針の使用を伴う治療は、深部組織への貫通を必要とし、患者にとって苦痛および不快感を引き起こしながら、感染症の追加的な危険性を有している。このことは、しばしば、無効な治療および/または低下した患者コンプライアンスをもたらす。
【0029】
加えて、コイルを冷却するためのいくつかの既存の技法は、制限および不利点を含む。例えば、いくつかの冷却技法は、空気が最初に冷却される、例えば、冷蔵されることを要求し、それは、付加的な構成要素および部品の使用を伴い、費用を増加させ得る。いくつかの冷却デバイスは、低い流量を利用し、温度の急速な上昇を防止することができないため、過熱損傷を防止するために、頻繁にコイルの電源を切らなければならない。結果として、そのようなデバイスを利用する治療中に、大きな治療間隙および低い反復率がしばしば必要とされる。また、既存のデバイスの構成および必要な流動パターンにより、加熱された空気がしばしば、患者の方向に放出される。放出された空気は高温に達し得るため、これは患者に危険をもたらす。これらの冷却欠陥は、コイルが操作されてもよい負荷、電力、および実行時間を限定し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【特許文献1】米国特許第4,548,208号明細書
【特許文献2】米国特許第4,940,453号明細書
【特許文献3】米国特許第5,000,178号明細書
【特許文献4】米国特許第5,014,699号明細書
【特許文献5】米国特許第5,181,902号明細書
【特許文献6】米国特許第5,314,401号明細書
【特許文献7】米国特許第5,518,495号明細書
【特許文献8】米国特許第5,984,854号明細書
【特許文献9】米国特許第6,086,525号明細書
【特許文献10】米国特許第6,701,185号明細書
【特許文献11】米国特許第6,735,474号明細書
【特許文献12】米国特許第6,941,171号明細書
【特許文献13】米国特許第7,117,034号明細書
【特許文献14】米国特許出願公報第2005/0171576号明細書
【非特許文献】
【0031】
【非特許文献1】Maass、「Contactless Nerve Stimulation and Signal Detection by Inductive Transducer」、Symposium on Application of Magnetism in Bioengineering、1969
【非特許文献2】Wijkstrdaら、「Selective Stimulation and Blocking of Sacral Nerves:Research Setup and Preliminary Results」、Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society、Vol.13、No.2、1991
【非特許文献3】Linら、「Magnetic Stimulation of the Bladder in Dogs(1993 AAEM Annual Meeting)」、Muscle & Nerve、October 1993
【非特許文献4】CystoMedix,Inc、「Percutaneous Tibial Nerve Stimulation via Urgent(登録商標) PC Neuromodulation System−An Emerging Technology for managing Overactive Bladder」、Business Briefing:Global Surgery、2004
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0032】
ある実施形態において、内科治療を提供するためのエネルギー放出システムが提供される。エネルギー放出システムは、標的神経に集中される磁場を生成するように構成される1つ以上の伝導性コイルを含み得る。伝導性コイルは、中心開口を有するコイル本体を含むことができ、材料がコイル本体の表面上に設置され得る。随意で、材料は、非導電性材料である。非導電性材料は、伝導性コイルを冷却するために、コイル本体の隣接する巻線の間に空気または流体の流動間隙を維持するように構成され得る。非導電性材料はまた、伝導性コイルを冷却するための空気または流体の流動チャネルを形成し得る。
【0033】
ある実施形態において、内科治療を提供するためのエネルギー放出システムが提供される。エネルギー放出システムは、筐体内に設置される1つ以上の伝導性コイルを含んでもよく、伝導性コイルは、磁場を生成するか、または電気刺激を患者に送達するように構成される。伝導性コイルは、少なくとも、第1の巻線、第2の巻線、および中心開口を有するコイル本体を有することができる。随意で、冷却デバイスが提供されてもよく、冷却デバイスは、筐体の中へ空気を引き込むように構成される。空気は、コイルを冷却するように、コイル本体の上で、第1と第2の巻線との間に、および/または中心開口を通して引き込まれてもよい。
【0034】
ある実施形態において、内科治療を提供するためのエネルギー放出システムが提供される。エネルギー放出システムは、標的神経に集中される磁場を生成するように構成される1つ以上の伝導性コイルを含んでもよい。伝導性コイルは、少なくとも、第1の巻線および第2巻線を含む。第1の巻線は、第2の巻線から第1の巻線を分離し、コイルの伝導冷却を可能にする間隙を形成する少なくとも1つの隆起突起を有する第1の表面を含むことができる。
【0035】
ある実施形態において、内科治療を提供するエネルギー放出システムが提供される。エネルギー放出システムは、標的神経に集中される磁場を生成するように構成される1つ以上の伝導性コイルを含んでもよい。伝導性コイルは、第1の端部および第2の端部を含むことができ、コイル本体が第1の端部と第2の端部との間に設置される。コイル本体は、伝導性コイルの第1の端部から第2の端部まで延在する通路を提供する管腔を含んでもよい。コイルの管腔は、伝導性コイルを冷却するために、第1の端部と第2の端部との間における流体の通過を可能にするように構成される。
【0036】
ある実施形態において、磁気誘導療法の方法が提供される。方法は、患者の身体の第1の部分内の標的神経が、エネルギー放出デバイス内に、またはそれに沿って配置される伝導性コイルに近接するように、エネルギー放出デバイスに対して身体の第1の部分を設置するステップを含んでもよい。電流が、標的神経に集中される磁場を生成するように伝導性コイルを通して流される。患者の身体は、標的神経付近または上に電磁束または磁束を集中させるように配置される。また、空気が伝導性コイルを冷却するように、伝導性コイル本体の上方に、伝導性コイルの第1と第2の巻線との間に、および伝導性コイルの中心開口を通して、ある流量で引き込まれてもよい。治療は、種々の症状、例えば、尿失禁、便失禁、または下肢静止不能症候群を治療または予防するために使用されてもよい。
【0037】
他の特徴および利点が以降において現れる。本明細書で説明される特徴および要素は、別々に、または一緒に、あるいはそれらのうちの1つ以上の種々の組み合わせで使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図面は、本明細書の一部を構成し、種々の形態で具現化されてもよい、本発明の例示的な実施形態を含む。場合によっては、本発明の種々の側面は、実施形態の理解を促進するために誇張または拡大されて示される場合があることを理解されたい。
【図1】図1は、磁気誘導療法用の装置の変化例の概略図である。
【図2】図2は、磁気誘導療法用の装置の変化例の概略図である。
【図3】図3は、磁気誘導療法用の装置の変化例の概略図である。
【図4】図4は、磁気誘導療法用の装置の変化例の概略図である。
【図5】図5は、磁気誘導療法用の装置の変化例の概略図である。
【図6】図6A〜6Dは、磁気誘導療法用の装置の第1の使用方法を図示する、概略図である。この方法は、標的神経に印加される磁気流量を最適化するように、伝導性コイルの位置を調整することに基づく。
【図7】図7A〜7Dは、磁気誘導療法用の装置の第2の使用方法の概略図である。この方法は、いったん標的神経における電気伝導が検出されると、定位置で伝導性コイルを係止することに基づく。
【図8】図8は、複数のセンサを含む実施形態の概略図である。
【図9】図9A〜9Dは、磁気誘導療法用の装置として動作するように適合された異なる衣服の概略図である。
【図10】図10は、電気刺激を提供するための装置の概略図である。
【図11】図11は、電気刺激を提供するための装置の別の実施形態の概略図である。
【図12】図12は、極微針パッチセンサを含む、エネルギー放出システムの概略図である。
【図13】図13〜15は、極微針パッチの種々の実施形態の拡大底面図を示す。
【図14】図13〜15は、極微針パッチの種々の実施形態の拡大底面図を示す。
【図15】図13〜15は、極微針パッチの種々の実施形態の拡大底面図を示す。
【図16】図16〜17は、極微針パッチの種々の実施形態の拡大側面図を示す。
【図17】図16〜17は、極微針パッチの種々の実施形態の拡大側面図を示す。
【図18】図18は、極微針パッチの拡大底面斜視図を示す。
【図19】図19は、それに取り付けられた極微針パッチの変化例を伴う、皮膚の表皮および真皮層ならびに下層の皮下組織を覆う外側角質層から成る、皮膚の代表的な断面図を示す。
【図20】図20は、複数の電極を含む、極微針パッチの変化例の拡大側面図を示す。
【図21】図21は、被検者の膝の後ろに配置された極微針パッチセンサを含む、エネルギー放出システムの概略図を示す。
【図22】図22〜23は、電極針と、センサとを含む、エネルギー放出システムの概略図を示す。
【図23】図22〜23は、電極針と、センサとを含む、エネルギー放出システムの概略図を示す。
【図24】図24〜25は、センサを伴わない電極を含む、エネルギー放出システムの概略図を示す。
【図25】図24〜25は、センサを伴わない電極を含む、エネルギー放出システムの概略図を示す。
【図26】図26は、刺激を提供するための極微針パッチを含む、エネルギー放出システムの概略図を示す。
【図27】図27〜28は、刺激を提供するための電極針および極微針パッチを含む、エネルギー放出システムの概略図を示す。
【図28】図27〜28は、刺激を提供するための電極針および極微針パッチを含む、エネルギー放出システムの概略図を示す。
【図29】図29は、足受台の形態のエネルギー放出デバイスの斜視図、側面図、上面図、および後面図を示す。
【図30】図30〜31は、膝受台の形態のエネルギー放出デバイスの概略図を示す。
【図31】図30〜31は、膝受台の形態のエネルギー放出デバイスの概略図を示す。
【図32】図32は、伝導性コイルの変化例の正面図を示す。
【図33】図33は、伝導性コイルの変化例の斜視図を示す。
【図34】図34は、図32の伝導性コイルを含む、エネルギー放出システムの側面図を示す。
【図35】図35は、伝導性コイルの変化例の正面図を示す。
【図36】図36は、伝導性コイルの変化例の斜視図を示す。
【図37】図37は、図35の伝導性コイルを含む、エネルギー放出システムの側面図を示す。
【図38】図38は、伝導性コイルの変化例の側面図を示す。
【図39】図39は、踝を覆って設置された図38の伝導性コイルの断面図を示す。
【図40】図40は、図38の伝導性コイルを含む、エネルギー放出システムの断面側面図を示す。
【図41】図41は、コイル巻線の一部分の上面図を示す。
【図42】図42は、図41のコイル巻線の断面図を示す。
【図43】図43は、伝導性コイルの変化例の断面図である。
【図44】図44aは、伝導性コイルの変化例の正面図である。図44bは、図44aの伝導性コイルのコイル巻線の一部分の上面図を示す。
【図45】図45は、伝導性コイルの変化例の断面図である。
【図46】図46aは、伝導性コイルの変化例を含む、エネルギー放出システムの側面図を示す。図46bは、図46aの伝導性コイルを含む、エネルギー放出システムの側面図を示す。
【図47】図47は、冷却システム内に設置された伝導性コイルの変化例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
種々の実施形態の詳細な説明が本明細書において提供される。しかしながら、実施形態は、種々の形態で具現化されてもよいことを理解されたい。したがって、本明細書において開示される具体的な詳細は、限定的として解釈されるものではなく、むしろ、事実上任意の詳細なシステム、構造、または方式で種々の実施形態を採用する方法を当業者に教示するための代表的な根拠として解釈されるものである。
【0040】
ここで種々の実施形態を説明する。以下の説明は、これらの実施形態の説明を徹底的に理解し、可能にするための具体的詳細を提供する。しかしながら、当業者であれば、これらの詳細の多くによらずに実施形態が実践されて得ることを理解するであろう。加えて、いくつかの周知の構造または機能は、種々の実施形態の関連説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、詳細には示されないか、または説明されない場合がある。
【0041】
以下で提示される説明において使用される用語は、ある具体的な実施形態の詳細な説明と併せて使用されていても、その最も広範で合理的な方式で解釈されることを目的としている。ある用語は、以下で強調さえされてもよい。しかしながら、限定的に解釈されることを目的としている任意の用語は、この発明を実施するための形態の項等で、明白かつ具体的に定義される。
【0042】
文脈が許可する場合、単数形または複数形の用語はまた、それぞれ、複数形または単数形の用語を含んでもよい。また、「または」という言葉が、2つ以上の項目のリストの中の他の項目から排他的に単一の項目のみを意味するように、明白に限定されない限り、そのようなリストでの「または」の使用は、(a)リストの中の任意の単一の項目、(b)リストの中の項目の全て、または(c)リストの中の項目の任意の組み合わせを含むものとして解釈されるものである。
【0043】
図1を参照すると、第1の実施形態は、脛骨神経24の一部を円周方向に包囲するために、足首22を覆って配置されるように図示されるコイルラップ20を含む。脛骨神経24が標的化されるので、本実施形態は、特に、OABおよびVIの治療に好適である。他の実施形態では、コイルラップ20は、脛骨神経24の一部、あるいは脛骨神経24から分岐するか、またはそこに接続される他の神経を含有する他の身体部分を包囲するように構成され得、これらの実施形態をOABおよびVIを治療するためにさらに好適にする。さらに他の実施形態では、コイルラップ20は、他の病気の治療が意図される場合、他の神経を含有する身体部分を包囲するように構成されてもよい。
【0044】
コイルラップ20は、足首22を覆って装着するために好適な種々の材料から製造され得る。好ましくは、コイルラップは、被服物として縫製されるとき、刺激性がなく、好ましくは通気性があるように天然または合成の軟質の身体適合性材料、例えば、綿、ウール、ポリエステル、レーヨン、Gore−Tex(登録商標)、あるいは当業者に周知の他の繊維または材料から生産される。コイルラップ22はさらに、軟質かつドレープ性の感触を提供することによって患者にさらなる快適性を付与するために、ウレタンゲル等の成形または鋳造された合成材料から製造されてもよい。加えて、コイルラップ20は、単一層の材料または複数の材料層から生産されてもよく、層間に詰物または他の充填物を含んでもよい。
【0045】
コイルラップ20は、脛骨神経24を横断して流れるパルス磁場を生成し、脛骨神経24に沿って流れ、脛骨神経24の長さに沿ってその仙骨または陰部神経根起始部まで伝播する電流を発生させるように配設される1つ以上の伝導性コイル26を含有する。コイル26は、単純な螺旋パターンにおいて、または8の字形コイル、四葉のクローバー形コイル、ヘルムホルツコイル、改良型ヘルムホルツコイルとして成形される単一コイルであってもよく、あるいは前述のコイルパターンの組み合わせとして成形されてもよい。加えて、前述のもの以外の他のコイル設計も、磁場が、脛骨神経24または任意の他の標的神経を包含するように発生される限り、利用される場合がある。複数のコイルが利用されるとき、そのようなコイルは、足首22の片側に配置されてもよく、または2つ以上の側、例えば、両側に配置され、脛骨神経24または他の着目周辺神経を通る磁場の流れを強化および配向させてもよい。
【0046】
コイルラップ20は、好ましくは、人間工学的なラップ、例えば、足首22を覆着できる略円筒形のバンドとして、あるいは足首22の周囲に巻装され、その端部をバックル、マジックテープ(登録商標)システム、または当業者に周知の任意の他の閉鎖システムと接続させることができる開放バンドとして構成される。足首22上のコイルラップ20の位置を適切に調節することによって、患者または医療提供者は、以下に詳述されるように、システムフィードバックまたは患者の知覚に基づいて脛骨神経24を通る磁場の流れを最適化し得る。
【0047】
コイル26を流れることによって磁場を生成する電流は、例えば、電力コード32によってコイル26に接続されるプログラム可能な論理制御器28によって供給される。神経伝導に基づいて磁場の強度を調整し、コイル26の活性化を制御するために、論理制御器28に情報をフィードするセンサ30がまた提供される。センサ30の目的は、意図された療法が最も効果的になるように、標的神経の始動を検出および記録し、論理制御器28に関連情報を提供することである。例えば、センサ入力は、論理制御器28に、センサ入力に基づいて磁場の強度またはパルス振幅を改変させるか、あるいはある順序においてコイルを始動させてもよい。
【0048】
本実施形態、ならびに本明細書に後述される他の実施形態では、センサ30は、1つ以上のセンサパッチを含んでもよく、磁場への直接曝露の領域から異なる距離に留置されてもよい。例えば、センサ30は、EKGパッチの形態の電圧または電流検出器として構成されてもよく、その活性化を検出するために、標的神経の近傍のいずれかの場所に留置されてもよい。説明を容易にするために、用語「コイル」は、以下、別様に規定されない限り、「1つ以上のコイル」を示し、「センサ」は、「1つ以上のセンサ」を示すように使用される。
【0049】
前述の配設によって神経伝導の有無が検出され、いくつかの実施形態において、コイルラップ20が、最初に患者に嵌合され、微調整されたときに測定されるので、コイルラップ20は、初期療法セッションの間および連続療法セッションの間、再現的に正確なレベルの刺激を提供する。印加される磁場の適切な変調に加え、足首22上にコイル26を設置することもまた、磁場の方向を微調整するために、センサ30によって提供される入力に従って調整されてもよい。周辺神経伝導が達成されることを保証するための、前述の自動化フィードバックループを介して標的神経に提供される刺激の方向、振幅、およびレベルのそのような調節は、実装される際の重要な特徴であり得る。
【0050】
磁気パルスが、センサ30に実質的に干渉しない場合、システムに供給される電力が保存され得るように、センサ30が刺激野内に直接留置されてもよい。これは、特に、バッテリ駆動システムに重要である。代替として、センサ30はまた、磁場からある距離をおいて留置され、それでも適切に神経刺激を検出してもよい。
【0051】
コイルラップ20の使用方法において、コイル26の振幅および/または始動順序は、磁場が、神経伝導が検出されるまで、強度および/または幅を増加され、その後、印加された刺激が、療法の残りに対して調節されるか、またはその電流レベルに維持されるように徐々に上昇させられてもよい。刺激のレベルもまた、センサ30からのフィードバックと患者の知覚に基づいたフィードバックとの組み合わせを介して制御されてもよい。例えば、患者は、過剰刺激、特に、過剰レベルの筋肉刺激を知覚すると、スイッチを起動してもよい。一事例では、患者は、つま先に痙攣を感じると、または足底全体に感覚異常を経験すると、ボタンを押下するか、あるいはノブを回転させるように要求されてもよい。次いで、患者は、つま先の痙攣または足の感覚異常を感じなくなるまで、継続してボタンを押下するか、あるいはノブを回転された位置に維持すると、印加される刺激のそのレベルが、最適な療法レベルに対応することを示すであろう。その時点から、患者は、システムが最適レベルに維持されたまま、療法が終了されるまで、単に、その足、膝、または他の肢をコイルラップ20内に留保するように指示され得る。患者入力を追加することは、患者治療の間のコイルラップ20の制御を可能にし、それは、患者が、現時点において、センサ30によって論理制御器28に提供されている信号を超えて磁場の強度を自身で調節可能であるからである。
【0052】
1つ以上の神経における伝導を、刺激される神経の伝導経路に沿って検出し、該当する場合にそれを測定することは、標的神経が刺激されたことを確認し、患者に印加される療法の有効性の正確な査定を提供する。筋肉収縮の同時検出もまた、標的神経が刺激されていることを確認し、患者の解剖学的および生理学的特徴に照らして刺激が過剰レベルで印加されていないかどうかに関して、患者または医療提供者に指標を提供し得る。
【0053】
前述に基づいて、コイルラップ20は、外来ベースで、後脛骨神経を介して、一貫したユーザにやさしい周辺神経の標的化および変調、特に、標的陰部神経および仙骨神経叢の標的化ならびに変調を可能にする。複数のコイル26が存在するとき、コイル26は、同時に、または異なるように活性化され、所望の磁場を発生させ得る。コイル26のそれぞれの方向および場所は、医療提供者または患者によって可逆的あるいは不可逆的に調節され、各患者の生体構造に対して印加される場所および療法ニーズをカスタマイズしてもよい。医療提供者が、コイル26のそれぞれのための位置および始動順序を最適化後、患者は、所望の神経を一貫して標的化するように調節されたコイルラップ20とともに帰宅してもよい。本実施形態の一変形例では、自動フィードバックシステムは、初期設定の際、また、連続療法セッションの間、コイルラップ20内のコイル26の始動順序、始動強度、または位置のうちの1つ以上を調節する。
【0054】
要約すると、ある実施形態は、神経伝導に関する情報を論理制御器28にフィードし、論理制御器28が、神経が所望の刺激、いくつかの実施形態では、所望の刺激の量を受信しているかどうかに基づいて、センサ26から受信した情報に従って、コイルラップ20に送信される電流を調整することから成るループの生成を含む。本配設は、標的神経の一貫した反復可能刺激が達成できるため、自宅医療環境内において、比類なきレベルの療法制御および柔軟性をもたらす。患者の生体構造および生理学的変動に従って、コイル26の位置を調節することに加えて、パルス振幅を制御することもまた、同一患者に関する異なる療法セッションの間においても非常に重要となる。例えば、下肢浮腫を有する患者は、脚および足首が腫脹しているか、していないかに基づいて、コイルラップ20を適切に調節する際に、困難に遭遇し、後脛骨神経24(VI療法の場合)に浸透するために要求される電力は、神経の可変深度のために非常に変動する。したがって、センサ26によって提供されるフィードバックを有することは、選択肢ではなく、治療の正確な用量を達成するために必須となる。卓上試験は、本明細書に説明される実施形態に従って構築されるシステムが、非侵襲的に、療法電気刺激に見出されるものに類似する電流を発生し、異なる設定で行うことが可能であることを実証した。
【0055】
次に、図2を参照すると、第2の実施形態が、脛骨神経38を標的化することによって、VIを治療する目的のために、足首36を覆って配置される、コイルラップ34を参照して説明される。本第2の実施形態では、1つ以上のヘルムホルツコイル40が、コイルラップ34内に配置され、脛骨神経38上により狭小に配向された磁場を生成する。本明細書に説明される他のすべての実施形態におけるように、2つ以上のコイル(本実施形態では、2つ以上のヘルムホルツコイル40)が、脛骨神経にわたって、磁束を最適化するために、コイルラップ34内に留置され、コイルラップ34内の異なる位置に配置されてもよい。例えば、2つのヘルムホルツコイルは、コイルラップ34内において、一方が他方と反対に配置されてもよい。
【0056】
ヘルムホルツコイル構成において要求されるように、コイル巻線を共通の縦軸に沿って配設させることによって、脛骨神経38または任意の他の神経のより集中される磁場およびより正確な標的化をもたらす。前述の実施形態におけるように、コイル40の動作は、次に、脛骨神経44内の伝導を監視し、進行中の療法の有効性に関して論理制御器42にフィードバックを生成する、センサ44に接続される、論理制御器42によって制御される。したがって、前述の実施形態におけるように、センサ44と論理制御器42の連結は、脛骨神経38のレベルで測定された結果に従って、コイルラップ34の動作を最適化する。また、前述の実施形態におけるように、論理制御器42によって、ヘルムホルツコイル40に提供される電流のパラメータに対する手動調節もまた、患者または医療提供者によって、手動で行われてもよく、コイルラップ34は、コイルラップ34内のヘルムホルツコイル40の位置が、患者または医療提供者によって手動で、あるいは論理制御器42によって自動的にの、いずれかによって、所望に応じて調節されるように、構築されてもよい。
【0057】
次に、図3を参照すると、第3の実施形態は、後脛骨神経(図示せず)を刺激するために、膝の領域内の患者の膝窩を覆って巻装するために構成される、コイルラップ46を含む。コイルラップ46の構成および構造は、コイルラップ46によって被覆される身体部分を反映するが、コイルの種類、数、および変位(例えば、重複コイルの使用)、コイルと論理制御器の接続、ならびに神経伝導を検出するための1つ以上のセンサ(同様に図示せず)の使用等、コイルラップ46の鍵となるシステム構成要素はすべて、前述の実施形態におけるものに匹敵する。
【0058】
次に、図4を参照すると、第4の実施形態は、足50の少なくとも一部を含有するように構築される、足置きまたは足受台48を含む。1つ以上のコイル52は、受台48内に封入され、センサ54は、脛骨神経55の経路に沿って配置され、脛骨神経55内の伝導を感知し、また、論理制御器56に接続される。コイル52、センサ54、および論理制御器56は、前述の実施形態と同様に、異なって配設されてもよい。
【0059】
受台48は、以下に詳述されるように、種々の材料から作製されてもよく、一体型であってもよく、あるいは中空または半中空構造を有し、受台48内でコイル52の移動を可能にしてもよい。好ましくは、受台48は、刺激コイル52の位置を刺激の面積に整列させる位置において、患者の足首および踵を受台48内に留保させる、人間工学的設計を有する。受台48の設計は、特に、その療法の間、着席したままであることを好む患者に対して、療法の快適な送達を提供し、医療施設内で要求される療法を行う、または、典型的には、医療施設における初期セッションおよび適切な訓練後、受台48を自宅に持ち帰ることを可能にする。その場合、患者は、センサ54を自動的に適用し、刺激を快適なレベルに調節するように訓練されるであろう。
【0060】
図4は、重複するように配置されたコイル52と、刺激部位に対して近位に設置された単一センサパッチ54の使用とを示す。しかしながら、コイル52は、単一コイル、8の字形コイル、四つ葉のクローバー形コイル、ヘルムホルツコイル、改良型ヘルムホルツコイル、または前述のコイルの任意の組み合わせとして、あるいは標的神経に効果的刺激を提供する任意の他のコイル設計として構成されてもよい。加えて、コイル52は、センサ54によって提供されるフィードバックに従って、個々に、連続的に、または同時に、始動されてもよい。
【0061】
本実施形態の一変形例では、センサ54は、必要に応じて、コイル52の刺激パラメータを調節するために、フィードバックを論理制御器56に提供する、伝導性電極パッチを含んでもよい。代替として、センサ54は、患者の皮膚に適用されるか、または受台48の構造内に組み込まれるかのいずれかであるセンサパッチであってもよい。
【0062】
次に、図5を参照すると、第5の実施形態は、1つ以上の伝導性コイル60、1つ以上のセンサ62、および論理制御器64を含有する膝置きまたは膝受台58を含む。本実施形態の構成要素は、受台58の構造および材料、コイル60の性質および変位、センサ62の種類および動作、ならびに論理制御器64の機能および動作に関しては、前述の実施形態を参照して説明されるものに類似する。受台58は、患者の膝窩を標的化し、したがって、脛骨神経66を標的化するように構成される。その点に関して、本実施形態は、図3に例示される実施形態に類似するが、図3の実施形態が、患者が立位にある間に装着され得るラップとして構成される一方、本実施形態は、患者が座位または水平位にある間の治療により好適である受台として構成される。
【0063】
図4に図示される足受台の使用の方法は、図6A−6Dを参照して説明される。図6Aに例示される第1のステップの間、足68は、コイル72への電気電力の流動を管理する論理制御器(図示せず)に接続される1つ以上の伝導性コイル72を含有する、受台70内に配置される。
【0064】
図6Bに例示される第2のステップの間、センサ74は、脛骨神経78または別の標的神経内の伝導性を検出するために、足68または足首76あるいは患者の身体の別の適切な部分に配置される。
【0065】
図6Cに例示される第3のステップの間、医療提供者は、センサ74によって提供される(例えば、計測器77を読むことによって)伝導性測定値を分析し、最初に、神経78内の伝導が検出されるまで、コイル72の設置を調節する。例えば、医療提供者は、ノブ80を回転させ、コイル72が、適切な振幅および強度の磁場が印加され、神経78内に伝導を生じさせるまで、平行移動されるように、レバーを摺動させる、または当技術分野において周知のコイル72のための任意の他の変位システムを作動させてもよい。次いで、コイル72の位置は、神経78内の伝導の最適レベルが達成されるまで、微調整され、療法は、担当医療提供者によって処方される時間の長さの間、継続される。
【0066】
図6Dに例示される第4の随意ステップの間、連続療法セッションのための設定が、医療提供者または患者が、所定の設定を使用して、療法を反復するように、例えば、ノブ80を係止することによって(一実施形態では、ピン81によって)、設定される。代替として、患者は、各療法セッションの要求に応じて、印加される磁場の振幅および/または強度を調節するように訓練されてもよい。
【0067】
本方法は、足受台70に関して説明されているが、同一方法ステップが、異なる構成のコイルラップまたは受台、例えば、前述の図を参照して説明されるコイルラップおよび受台に対して想定されてもよい。
【0068】
代替実施形態では、論理制御器(図示せず)は、初期および連続セッションの間、自動的に、コイル設置を調節し、療法を最適化してもよい。本設定は、より実装が困難であり得るが、また、患者設置の改変または患者の生体構造の変化(例えば、足が腫脹しているとき)に関わらず、各療法セッションの間、標的神経の正確な標的化を提供する。本実施形態では、デバイスは、単に、刺激が感知されるまで、コイル84の配向を変更させる。
【0069】
さらに、コイル84は、単一方向に沿って(例えば、水平に)または複数の方向に沿って、平行移動され、標的神経に対して、コイル84の最も正確な設置を提供してもよい。
【0070】
次に、図4に図示される足受台の使用の第2の方法は、図7を参照して説明される。本第2の方法もまた、可逆的に係止可能な調節可能配向を有する1つ以上のコイル84を採用する、足受台82に関して説明されるが、本方法は、前述の図または他の実施形態を参照して説明されるもの等、身体装着コイルラップとともに同様に実装されてもよい。本方法では、患者または医療提供者は、コイル84の設置を調節し、標的神経89内の伝導性を検出する。
【0071】
コイル84の位置は、異なる方向(例示される実施形態では、水平に平行移動されてもよい)に平行移動されてもよく、神経89内の伝導が、センサ(例えば、感知パッチ86)によって検出されると、初期位置に係止されてもよい。
【0072】
より具体的には、図7Aは、受台82内への足88と、足首90または患者の他の適切な身体部分へのセンサパッチ86の初期設置を例示する。足88の適切な設置が達成された後、ノブ92(または、他の同等デバイス)が採用され、図7Bに示されるように、センサパッチ86によって提供される信号(例えば、神経伝導信号)にも基づいて、コイル84の位置を調節してもよい。
【0073】
図7Cを参照すると、神経伝導が検出された後、コイル84は、適所に係止され、さらに図7Dを参照すると、足受台82は、自宅または医療施設環境におけるさらなる使用のために、コイル84を適所に係止されたまま留保する。したがって、本方法では、患者または医療提供者は、単に、標的神経内の電気伝導が検出されるまで、後方および1つの軸に沿って、コイル84を摺動させることによって、コイル位置を調節するが、全3つの軸に沿った調節も、本実施形態の異なる変形例において可能であってもよい。
【0074】
次に、図8を参照すると、第6の実施形態は、複数のセンサの使用に関する。図8は、足受台98として成形される実施形態を図示するが、以下の説明はまた、受台またはラップ、あるいは別様に成形されるかどうかに関わらず、任意の他の設計にも関することを理解されたい。本明細書に説明される複数のセンサ94は、神経または筋肉刺激によって生じ得る、神経インパルス、筋肉収縮、痙攣等を含む、種々の生理学的変化を検出してもよい。
【0075】
例示されるセンサ94のうちの1つ以上は、刺激される身体領域(例えば、背中、脚、腕、頸部、頭部、胴体等)にわたって採用されてもよく、実際の受台またはラップ内に組み込まれる、あるいは別様に受台またはラップとは別に適用されるかのいずれかであってもよい。
【0076】
センサ94は、神経伝導経路に沿って、受台98の外側の身体に取着され、次いで、療法開始前に、論理制御器(図示せず)に接続される、使い捨ての単回使用EKG式パッチとして構築されてもよい。本配設は、経皮的デバイスとともに存在し得る、感染または他の有害な副作用の危険性を伴わずに、センサ94の密接な身体接触を提供する。センサ94は、刺激療法の開始および監視の療法のために最小されてもよく、より具体的には、センサ94は、療法の開始の際に使用され、磁場の強度を最適化する、および/または受台98内のコイル96の設置を調節してもよい。療法が開始されると、センサ94は、神経伝導の監視を継続し、正確な刺激のレベルが提供されることを保証する。いくつかの理由から、神経伝導が、療法の間に減衰する場合、論理制御器は、自動的に、磁場を調節し、適切な時間の間、適切な療法が送達されることを保証することができる。
【0077】
本実施形態または本明細書に説明される実施形態のいずれかにおけるセンサ94のうちの1つ以上は、誘導技術が、神経または組織を刺激し、ならびに神経または組織に及ぼす刺激の影響を記録することの療法のために使用され得るように、下層神経からインパルスを受信するように設計される、誘導コイルの形態をとってもよい。センサ94のいずれも、センサとデバイスとの間の通信が有効である限り、無線信号、有線信号、無線周波数、Bluetooth(登録商標)、赤外線、超音波、電流回路の直接切替等を含むが、それらに限定されない、1つ以上の接続モードを通して、論理制御器に接続されてもよい。
【0078】
本方法の実装の際、医療提供者は、単に、デバイスを調節するためにセンサ94を使用する、例えば、第1の療法セッションの際、コイル96を適所に係止し、各連続療法セッションの際、センサ94の使用を要求しないように選択してもよい。
【0079】
次に、図9A−9Dを参照すると、身体装着人間工学的アプリケータ被服物として成形される様々な非限定的な実施形態が示される。これらの実施形態はそれぞれ、重複コイルとともに示されるが、任意の構成のコイルが使用されてもよい。図9A−9Dのラップはそれぞれ、コイルラップに対応し、その中に、身体部分が留置されてもよい。これらの被服物は、論理制御器(同様に図示せす)にフィードバックを提供する1つ以上のセンサ(図示せず)を含有するか、またはセンサがそれらの被服物とは別に適用されてもよい。システムはまた、コイルをアプリケータ内に可逆的または不可逆的に係止するために含まれてもよい。
【0080】
より具体的には、図9Aは、コイル100が、膝ラップ102内に埋入され、コネクタ104によって論理制御器(図示せず)に接続される実施形態を例示する。図9Bは、代わりに、コイル106が、腹部被服物、例えば、下着108内に配置され、コイル106がまた、コネクタ110によって論理制御器(図示せず)に接続される実施形態を例示する。マーキング112は、下着108の片側に追加され、ラップ配向を示してもよい。図9Cは、コイル116が、コネクタ118によって論理制御器(図示せず)に接続されるバンド114様の形状のコイルラップを例示する。本実施形態が採用されるとき、バンド114は、身体部分(例えば、腕)に巻装され、当技術分野において周知のシステム、例えば、マジックテープ(登録商標)システム、ストラップおよびバックルシステム、または単に、バンド114の別の部分内の布地または他の材料に係合するためのバンド114の一端に配置されたフックによって適所に留保されてもよい。図9Dは、肩ひも120として成形された実施形態を例示しており、その長さは、バックル122によって調節されてもよく、1つ以上の点に、例えば、示されるように、腕と肩との間の接合部に配置されるコイル124を有する。これらの実施形態はそれぞれ、被服物に連結されてもよく、または被服物とは別に適用されてもよい1つ以上のセンサ(図示せず)を含む。
【0081】
例示されない他の実施形態は、帽子等の頭部装着被服物、頚椎装具等の首装着被服物、および腰部被服物を含むが、それらに限定されない。各被服物およびアプリケータはまた、標的神経または神経に関連して、コイルの適切な設置が確立された後、任意の感知構成要素の使用を要求することなく、前述の係止標的化コイル特徴を利用してもよい。
【0082】
さらに他の実施形態が、図10および11に図示される。これらの実施形態では、神経刺激のエネルギー源は、経皮的針124等の経皮的刺激装置、または電極126等の経表皮的刺激装置等を通して分配される、電気エネルギーである。図10に示されるように、電気パルスコントローラ128は、経皮的針124およびセンサ134の両方に電気的に接続され、所望のフィードバックを提供し、経皮的針134への電力を変調させる。図11の実施形態では、電気パルスコントローラ130は、電極126およびセンサ136の両方に接続され、電気パルスコントローラ128のものに類似する機能を果たす。これらの実施形態では、神経伝導は、刺激の部位から十分に離れた部位で検出され、したがって、直接電気刺激からの交絡干渉に関わらず、神経伝導の検出を可能にし得る。さらに、神経および筋肉の直接電気刺激は、最適療法を提供するように調整され、電極移行または他の電極故障の場合、身体組織の刺激の欠如を報告してもよい。依然として、さらに、これらの実施形態は、信号の制御が、センサによって、信号発生器ループに提供されるため、電力要件の低減を可能にする。
【0083】
示されるように、本明細書に説明される原理に従って構築されるデバイスは、具体的には、一貫した反復可能様式において、後脛骨神経を標的化する、人間工学的ラップまたは受台を採用することによって、非侵襲的様式において、後脛骨神経または他の周辺神経の標的化された精密な刺激を提供することができる。例えば、OABまたはVIを伴う患者では、コイルの新規の可逆的に係止可能な移動および論理制御器−センサループの使用は、1つ以上の標的神経内に実際に誘発される刺激の量および療法に対する患者の応答に従って、場所、振幅、ならびに強度を変動させることができる、磁場の印加を可能にする。本明細書に説明されるある実施形態による装置は、低周波数、高周波数、中周波数、および超高周波数を含む、任意の周波数の刺激を送達してもよく、重複および非重複コイルは、所望の磁場を発生させるために使用されてもよいが、重複またはヘルムホルツコイルは、境界領域を標的化し、より完全な刺激を達成するためのその能力のため、好ましい。
【0084】
本明細書に説明される装置および方法の種々の実施形態の使用を通して治療され得る病気は、OABおよびVIだけではなく、また、肥満、鬱病、尿失禁、便失禁、高血圧、疼痛、背痛、下肢静止不能症候群、ギランバレー症候群、四肢麻痺、対麻痺、糖尿病性神経障害、ジスキネジ、錯感覚、歯科処置による疼痛、変形性膝関節症、麻酔(手術中の鎮痛)、アルツハイマー病、狭心症(心臓病による胸痛)、強直性脊椎炎、背痛、灼熱痛、癌疼痛、慢性疼痛、月経困難症(痛みを伴う月経)、頭痛、片麻痺、片側不全麻痺(体の片側の麻痺)、陣痛、胆石破砕術中の局所麻酔、顔面痛、三叉神経痛、歯ぎしり(歯ぎしり)痛、筋筋膜痛、妊娠による嘔気嘔吐、首および肩痛、骨折による疼痛、肋骨骨折または急性外傷、糖尿病性末梢神経障害、幻肢痛、帯状疱疹後神経痛(帯状疱疹後の疼痛)、術後イレウス(腸閉塞症)、過敏性腸症候群、術後嘔気嘔吐、術後痛、脳卒中後リハビリテーション、リウマチ性関節炎、皮膚潰瘍、脊髄損傷、側頭骨顎関節痛、排尿筋不安定、脊髄性筋萎縮症(小児性)、子宮鏡検査中の疼痛、胃不全麻痺、慢性閉塞性肺疾患リハビリテーション、手根管症候群、軟部組織損傷、多発性硬化症、間欠性跛行、注意欠陥多動性障害(ADHD)、認識機能障害、膝関節置換術の疼痛、アカラシア、アトピー性湿疹、滑液包炎、手根管症候群、認知症、鬱病、口内乾燥症、ジストニア、脳の血流増加、子宮および胎盤の血液かん流の増加、食道けいれん、線維筋痛、骨折痛、ギランバレー症候群、血友病、疱疹、股関節痛、間質性膀胱炎、過敏性腸症候群、そう痒症、関節痛、陣痛誘発、局部麻酔、月経痛、筋けいれん、筋痙直、筋挫傷または筋肉痛、筋骨格外傷、筋膜性疼痛機能不全症候群、神経損傷、変形性関節症、疼痛用医薬に伴うもの、膵炎、レイノー現象、反復運動損傷、仙骨痛、統合失調症、帯状疱疹、肩関節亜脱臼、鎌状赤血球貧血痛、皮弁虚血(美容整形手術中の)、オディ括約筋障害、スポーツ損傷、静脈血栓症、耳鳴(耳鳴り)、脚不穏症、震え、むち打ち、および神経痛を含む。埋込型神経刺激装置とは対照的に、本療法は、完全に非侵襲であり、永久神経刺激デバイスを埋め込むための大手術を必要としない。さらに、本療法は、電力消費および神経刺激の必要条件に従って送達される療法のレベルを最適化し、専門の医療提供者によって送達されなくてもよいように制御することができる。
【0085】
他の実施形態では、神経刺激は、例えば、侵襲的電気針を標的身体部分に挿入し、変調することによって、電気経表皮的刺激として印加されてもよく、刺激は、正確な刺激のレベルを検出し、および/または維持するために使用される、1つ以上のセンサから、論理制御器に返送される情報に基づいて変調される。経表皮的電気刺激センサは、身体に独立して留置される、またはラップ内に組み込まれてもよく、本種類の療法と本質的に関連付けられる熱傷の危険性と直接関連する、皮膚への電気接続の質に関して、フィードバックを提供してもよい。実際、これらの刺激の方法は、結果として生じる皮膚炎症および潜在的熱傷の危険性のため、最適ではない場合があり、神経障害を有する患者の多くの割当における非常に深刻な問題である。パッチが、経表皮的刺激を監視するために、非常に密接して適用される場合でも、パッチは、依然として、変位され、熱傷を生じさせ得る。さらに、潜在的干渉電気インパルスが、治療部位に発生し、神経伝導の検出に対する雑音環境をもたらし得る。
【0086】
さらに他の実施形態では、埋め込まれたコイルまたは複数のコイルに誘導的に接続される外部コイルまたは複数のコイルが利用されてもよい。これらの実施形態では、人間工学的アプリケータは、ユーザまたは医療提供者によって調節され、外部と埋め込まれたコイルとの間の誘導電力伝送を最適化してもよい。1つ以上のセンサは、相対的コイル位置が最適化されたことのフィードバックを提供するために利用されてもよく、次いで、外部コイルは、人間工学的アプリケータ内の適所に可逆的に係止されてもよい。本実施形態の2つの用途は、埋込可能デバイスを再充電するための電力の伝送と、埋込可能デバイスを起動させるための電力の伝送とに関連する。
【0087】
第1の用途では、埋込式再充電可能デバイスが利用されるとき、外部コイルは、外部コイルによって発生される誘導場によって、埋め込まれたデバイスを再充電するために使用されてもよい。外部コイルは、磁場または確立されている磁気連結の質および程度に関連する他の電気特性によって被る抵抗の量を決定する、回路を含んでもよい。本フィードバックに基づいて、外部コイルの位置は、手動または自動的に調節され、各再充電セッションの間に達成される連結を最適化してもよい。代替として、センサは、埋込式デバイス内に組み込まれてもよく、外部コイルおよび/または無線通信を介して接続された回路に連結する磁気の程度および質を通信し、外部再充電コイルの自動または手動調節のためのフィードバックを提供してもよい。
【0088】
人間工学的アプリケータ内のコイルは、再充電セッションの継続時間の間、適所に可逆的に係止されてもよく、埋込式デバイスはまた、埋込式デバイスが完全に再充電されたことを、外部再充電ユニットに通信し、完了した再充電セッションを終了してもよい。埋め込まれたデバイスの間欠的な再充電を提供することによって、本明細書に説明される種々の実施形態による装置は、埋込式デバイスが、その意図された機能を最適に行うためにより多くの電力を費やすことをできるようにし、バッテリ寿命の保護または延長に関する懸念を低減させる。
【0089】
第2の用途では、電力供給コイルは、印加される磁場によって被る抵抗の量、または達成されている磁気連結の質および程度を反映し得る他の電気特性を決定するための回路を含有してもよい。本フィードバックに基づいて、アプリケータ内の電力供給コイルは、手動または自動的に調節され、各療法セッションの開始時、コイル連結を起動および最適化してもよい。代替として、センサは、埋込式デバイス内に組み込まれ、無線通信を介して、磁気連結の程度および質を外部通信し、次に、電力供給コイルの自動または手動調節のためのフィードバックを提供してもよい。本実施形態の一変形例では、誘導コイルは、後脛骨神経を標的化する針に磁気的に連結されてもよい。
【0090】
VIおよび/またはOABに罹患する患者における、本明細書に説明される実施形態による装置の使用の例示的方法は、以下のステップを含む。
【0091】
患者は、可撓性材料内に含有される伝導性ラップを足首の領域を覆って(または、代替として、膝を覆って)留置し、要求されるパルス磁場を提供する。代替として、患者は、埋入されたコイルを有する、人間工学的足/脚置きまたは受台を使用してもよい。
【0092】
センサ(例えば、センサパッチ)は、神経の経路に沿って、患者の身体に、理想的には、刺激部位に対して近位に留置され、求心性神経刺激を保証し、論理制御器に接続される。
【0093】
医師または医療提供者は、神経伝導が、患者およびセンサフィードバックに基づいて達成されるまで、ラップまたは受台内のコイルを調節する。最適位置が模索され、コイルは、伝導性ラップまたは人間工学的受台内の適所に可逆的に係止され、その後の使用の際、本位置に留保されてもよい。
【0094】
療法セッションの間、論理制御器は、コイルへの電流を提供し、誘導磁場を発生させる。一実施形態では、本磁場は、低振幅から開始し、センサおよび可能性として運動伝導を感じ得る患者によって伝達されるように、神経伝導が閾値レベルを超えるまで、徐々に上昇する。代替として、1つ以上のコイルはまた、刺激が、初期コイル構成によって生じない、または不十分である場合、刺激の被覆面積を増加するように活性化されてもよい。
【0095】
最適刺激は、種々の方法で決定され得、例えば、標的化された組織深度において周波数10−30Hzの方形波の電気信号を生成することが可能な電磁場への曝露を測定することによる。信号の方形波の構成は、フーリエ変換によって生成されてもよく、または任意の方法で生成される傾斜(ramped)電流であってもよい。
【0096】
誘導磁気パルスは、適切な使用の継続時間の間、例えば、15−30分間、継続する。センサは、療法セッション全体の間、適所に存続して、刺激が一貫して生じることを保証し、神経伝導が低下すると適切な補正を提供し得る。論理制御器は、バッテリ等の携帯電源、または従来の壁コンセント等の固定電源のいずれかによって駆動されてもよい。
【0097】
伝導性ラップおよび/または人間工学的受台は、療法刺激が送達されていないとき、典型的には、療法セッションの終了時に身体から除去される。
【0098】
伝導性ラップおよび/または人間工学的受台は、示されるように、時々、例えば、日常的に、センサパッチ(理想的には、使い捨て)とともに再適用され、ステップ4からステップ8が繰り返される。
【0099】
本明細書に説明されるデバイスおよび方法は、神経、筋肉、皮膚、脈管構造、または人体内の任意の他の器官あるいは組織を含む任意の体内組織に適用されてもよい。さらに、本明細書に説明されるデバイスおよび方法は、刺激源が、電磁場、直流、RF場、赤外線エネルギー、可視光、紫外線光、超音波、または他のエネルギー分配デバイスであるかどうかに関わらず、神経調節に好適な任意の状態を治療するために使用されてもよい。
【0100】
他の実施形態では、図12に示されるように、内科治療を提供するためのエネルギー放出システム210は、筐体214内またはそれに沿って配置される、1つ以上の伝導性コイル212、標的神経内の電気伝導を検出する、あるいは筋肉刺激を検出するように構成される、1つ以上のセンサ216、および/または伝導性コイル212に連結あるいは接続され、任意に、センサ216と通信する、コントローラ218を含んでもよい。コイル212は、コントローラ218によって発生される電流が、標的神経、例えば、脛骨神経220、標的神経の一部を含有する筋肉または他の身体部分、またはコイル212に近接して位置する、標的神経から分岐する任意の神経を刺激する磁場を発生させるコイル212を通して流されるように構成される。この特定の実施形態では、筐体214は、図4に示されるように、足受台の形態であるが、しかしながら、筐体はまた、可撓性ラップ、被服物、または対象によって使用されるための好適な他の設計の形態であり得る。本明細書に説明される種々の実施形態では、センサは、電圧または電流を検出してもよく、当技術分野において周知の種々の方法または技法を使用して、筐体および/またはコントローラに接続、連結、無線接続、または連結、あるいは別様に通信してもよい。センサは、標的神経を刺激する結果として(図12に示されるように)、筋肉刺激を検出するために、筋肉を覆って、または標的神経の伝導を検出するために好適な対象の身体の任意の他の部分を覆って留置されてもよい。
【0101】
図13および16を参照すると、センサは、対象の皮膚表面に取外し可能に取着できる微小針パッチ228の形態をとってもよい。微小針パッチ228は、1つ以上の電極232と、1つ以上の微小針アレイ234を形成する、電極232の表面上に蒸着または配列される1つ以上の微小針235とを有する筐体231を含んでもよい。図13では、微小針パッチ228は、正方形の形状を有し、微小針235は、16X16構成において電極232の底面表面236に配列されてもよい。しかしながら、図14−15に示されるように、微小針パッチは、種々の形状、例えば、円形、楕円形229、長方形230、六角形、および種々のサイズで設計されてもよい。微小針は、特定の使用および針に応じて、種々の配設ならびにパターン(例えば、14X14、12X12等)で配列されてもよい。
【0102】
加えて、微小針は、特定の微小針パッチが利用される場所および送達される治療に応じて、種々の構成ならびに配設で電極表面またはパッチに取着、蒸着、あるいは配列されてもよい。アレイ内に含まれる微小針の数は、可変である。例えば、微小針の数は、約5乃至500、または100乃至400、または約200乃至300、または約256の範囲であってもよい。微小針が、強固な高伝導性材料から構成されるある実施形態において、必要な微小針の数は、より少なくてもよく、約5乃至100、または10乃至50、または5乃至50の範囲であってもよい。しかしながら、微小針が、より高い抵抗金属から構成される場合、例えば、約100乃至500、または約200乃至300、または500より多い、より多い数の針が必要とされてもよい。
【0103】
図18を参照すると、1つ以上の微小針235から構成される微小針アレイ234の拡大図が示されている。微小針235は、基部部分238および上方部分239を含んでもよい。微小針235は、約1乃至400ミクロン、または10乃至400ミクロン、または好ましくは、約100乃至150ミクロンの範囲内の長さ、および約1乃至100ミクロンの範囲内の直径を有してもよい。微小針235は、直径がテーパ状であって、基部部分238から上方部分239へとより大きな直径からより小さな直径となり、微小針の遠位先端240は、好ましくは、尖頭または鋭利である。微小針235の上方部分239は、約10−30ミクロン、または約15乃至25ミクロンの範囲内の直径を有してもよい。任意に、生産の容易性のために、微小針235の基部部分238は、微小針235の遠位先端240または上方部分239より厚くてもよい。ある実施形態において、図17に示されるように、球状部237が、微小針235の遠位先端240に提供され、患者または対象の皮膚内への微小針235の効果的な係留をもたらしてもよい。微小針335は、任意の数の摩擦または把持増加の特徴を含むことができる。例えば、突起、返し、球状部、あるいは粗面化表面または先端を含んでもよい。微小針235は、種々の構成、例えば、直線、屈曲、濾過、中空、または前述の組み合わせをとってもよい。
【0104】
他の実施形態では、微小針は、長さ約480乃至1450ミクロン、幅約160乃至470ミクロン、厚さ約30乃至100ミクロン、および先端角度約20乃至90度を有してもよく、アレイは、5乃至50の微小針を含有することができる。例えば、これらの寸法を有する微小針は、皮下注射針よりも痛みが少ないことが示されている。微小針の長さおよび数は、経験される疼痛のレベルに影響を及ぼす可能性がある。微小針長さおよび/または微小針の数を減少させることは有益であって、さらに疼痛を緩和し、快適性を抵抗するように作用し得る。
【0105】
ある実施形態において、1つ以上の微小針は、微小針が、重層電極または他の表面に電気信号を伝達し得るように伝導性材料を含んでもよい。微小針は、伝導性材料から構築されるか、および/または伝導性材料によって塗膜されてもよい。任意に、微小針は、伝導性材料によって塗膜され、非導電性材料から構築されてもよい。微小針は、種々の材料、例えば、金属、ステンレス鋼、純金またはNI上の金の塗膜、PdまたはPd−Co、Pt、シリコン、二酸化ケイ素、ポリマー、ガラス、生体適合性ポリマー、チタン、銀、または縫合糸材料を使用して加工されてもよい。生分解性ポリマーもまた、微小針の先端が挿入の際に亀裂が入るか、または折れると容易に生分解するように、使用されてもよい。
【0106】
微小針アレイ234は、当業者に周知の任意の種々の製造方法を使用して、構築または加工されてもよい。微小針は、電極の表面に配列、取着、エッチング、または蒸着されてもよい。別の実施形態では、微小針は、電極および微小針を含む微小針パッチが、1つの材料から作製され、耐性があって、安定した微小針パッチを生成するように、シリコン電極からエッチングされるか、またはその上に蒸着されてもよい。
【0107】
図18に示されるように、微小針は、シリコン基板上にミクロンサイズの孔を生成し、KOH溶液を使用して針形状を生成することによって、加工されてもよい。他の実施形態では、微小針は、非導電性材料から作製されてもよいが、依然として、微小針パッチが、対象の皮膚に効果的に接着または取着し得るように、優れた係留特性を提供するように利用されてもよい。
【0108】
ある実施形態において、微小針アレイは、ガラス基板上にSU−8をパターン化し、リソグラフィによって針形状を画定することによって、加工されてもよい。針の先端は、反応性イオンエッチングを使用して、先鋭化することができる。任意に、孔が、例えば、レーザによって、微小針および基部基板を通して、穿通されてもよい。孔は、中心から外れるが、微小針軸に平行に穿通され、針先端下方の針シャフトに沿って、側開口孔内で終端してもよい。所望に応じて、孔は、薬物をカプセル化する、薬物、薬剤、インスリン、タンパク質、ナノ粒子の注射または注入のための微小流体針ボアとしての役割を果たす、もしくは別個に、あるいは電気または磁気療法と組み合わせて使用される、ワクチン等のためのウイルスを送達するための能力を発揮することができる。微小針はまた、その機械的強度を増加させることができる、電気鍍着によって、ニッケルで塗膜されてもよい。
【0109】
ある実施形態において、微小針パッチまたは微小針電極アレイは、そこから、複製が鋳造され、次いで、電気的に活性化される、マスタ構造を加工することによって作製される。例えば、SU−8が、アレイマスクパターンを担持するガラス基板上で回転成形され、焼成され、次いで、背面から曝露され、テーパ状針構造を形成してもよい。微小針は、RIEエッチングによって先鋭化されてもよい。次いで、ADMS(ポリジメチルシロキサン)または類似材料鋳型が、マスタから複製されることができる。PMMA(ポリメタクリル酸メチル)微小針アレイは、溶液流延によって形成され、次いで、鋳型から外される。
【0110】
アレイに電気機能性を提供するために、Ti/Cuシード層が、PMMAアレイ上に蒸着され、エキシマーレーザによってパターン化され、隣接する列を電気的に絶縁してもよい。Ni層(例えば、約15乃至30ミクロン、または20乃至25ミクロン厚)が、構造的剛性を向上させるために、パターン化されたシード層上に電気鍍着されてもよい。アレイへの背面電気接続は、孔を背面エッチングし、孔を通した電気接続を形成することによって、形成されてもよい。
【0111】
別の実施形態では、微小針アレイは、16X16アレイ(すなわち、256針)において配設される。各針は、高さ約400ミクロンを有し、基部直径は、約100ミクロンである。微小針間のピッチは、約250ミクロンであることができる。次いで、微小針アレイは、金属によって塗膜され、電気機能性を提供するように、レーザエッチングされる。任意に、微小針の列は、交互列が、交互電気極性を提供することができるように、相互から電気的に絶縁されることができる。アレイはまた、電力源と接合される。微小針は、ポリマーから作製され、金属によって塗膜され、交互電極として作用するようにエッチングされてもよい。ある実施形態において、列または群毎の微小針の始動順序は、可変である、または交互するように構成されてもよい。
【0112】
ある実施形態において、微小針アレイは、複数のチャネルを有する、1つ以上の微小針を含んでもよい。例えば、多重チャネルシリコン微小針は、神経または他の組織中に生体活性化合物を送達する一方、同時に、ニューロンおよび神経を監視ならびに刺激するように構築されてもよい。
【0113】
図19は、表皮16を被覆する外側角質層15から構成される、皮膚10の断面図を示す。皮膚はまた、真皮18、皮下組織/脂肪12を含み、これらの層は、筋肉組織14を被覆する。図19に示されるように、微小針パッチ228が、対象の皮膚に取着されると、微小針235は、外側絶縁角質層15を穿刺する。微小針パッチ228は、刺激された神経を通過する電流を検出し、検出された電流が、微小針235を通って伝導し、それによって、概して、皮膚の外側10乃至15ミクロンを包含する、低伝導性角質層15を迂回するため、優れた信号を提供することができる。他の実施形態では、微小針235は、角質層15を穿刺するために十分に長いが、神経終末を穿刺しないように十分に短く加工され、したがって、疼痛、感染、または損傷の危険を低減させてもよい。
【0114】
ある実施形態において、微小針は、その対応または重層電極と間接的に接触するように形成される。例えば、微小針パッチは、接着性電極パッドを含んでもよく、伝導性ゲルを利用して、微小針を適所に保持し、微小針の破損または屈曲からの剪断力を防止するのを支援してもよい。
【0115】
ある実施形態において、図20a−20dに示されるように、微小針パッチまたはアプリケータは、単一パッチあるいはアプリケータ上に複数の電極、例えば、正、負、および/または制御あるいは接地電極を含んでもよく、微小針は、適切な電極に伝導するように、複数のアレイ内に群化されるであろう。例えば、図20aおよび20bは、正、負、および制御電極を有する、単一パッチを示し、電極の別個のアレイは、各それぞれの電極と接触する。本配設は、単一パッチを使用して生成されることができる。代替として、図20cに示されるように、2つのパッチが、実装されてもよく、一方は、対応する微小針アレイを伴う、制御電極を含み、対応する微小針アレイを伴う、正および負電極を含む。種々の電極は、互換性があり得る。代替として、図20dに示されるように、3つのパッチが、実装されてもよく、それぞれ、対応する微小針アレイを伴う、別個の電極(制御、正、または負)を有する。使用時、ある実施形態において、制御電極は、骨の上方あるいは近傍に取着されてもよい一方、正および/または負電極は、神経あるいは筋肉の上方に取着されてもよい。
【0116】
再度、図12を参照すると、エネルギー放出システム210は、種々の病状、例えば、とりわけ、尿失禁、下肢静止不能症候群、および便失禁を治療または防止するために使用されることができる。エネルギー放出システム210は、筐体214内またはそれに沿って配置される、1つ以上の伝導性コイル212、標的神経内の電気伝導を検出する、または筋肉刺激を検出するように構成される、1つ以上のセンサ216、および伝導性コイル212に連結され、任意に、センサ216と通信する、コントローラ218を含む。コイル212は、コントローラ218によって発生される電流が、標的神経、例えば、脛骨神経220、筋肉、または標的神経の一部を含有する他の身体部分、あるいはコイル212に近接して位置する、標的神経から分岐する任意の神経を刺激する、磁場を発生させる、コイル212を通過させられるように、構成される。本特定の実施形態では、筐体214は、図4に示されるように、足受台の形態であるが、しかしながら、筐体はまた、可撓性ラップ、被服物、または対象によって使用されるために好適な他の設計の形態であり得る。
【0117】
再度、図12を参照すると、エネルギー放出システム210は、種々の病状、例えば、尿失禁、下肢静止不能症候群、または便失禁を治療あるいは防止するために使用されてもよい。ある実施形態において、エネルギー放出システム210を使用する方法は、患者の身体の第1の部分内の後脛骨神経220が、筐体内またはそれに沿って設置される、1つ以上の伝導性コイル212に近接するように、筐体214に対して、患者の身の第1の部分体、例えば、足、足首、または脚の設置を含む。本特定の実施形態では、患者の足は、足受台215の形態である、筐体内に設置される。微小針パッチ228の形態のセンサは、任意に、後脛骨神経220に近接する、患者の身体の第2の部分に沿って設置されてもよい。本特定の実施形態では、微小針パッチ228は、筋肉を覆って、患者の足に取着され、筋肉刺激を検出する。代替として、パッチは、患者のいずれかの場所、例えば、コイル212に近接し、その上流にある、後脛骨神経220に近接する脚上に留置され得る。微小針パッチ228は、前述のように、1つ以上の微小針アレイおよび1つ以上の電極から成ってもよい。
【0118】
患者の足が、適所にあって、微小針パッチ228(例えば、伝導性微小針パッチ)が、適所に置かれると、電流は、コントローラ218から、コイル212を通って通過し、その結果、コイル212は、後脛骨神経220に集中される、磁場を発生する。磁場は、脛骨神経220を刺激し、脛骨神経220に沿って流動し、その仙骨または陰部神経根へと、その長さに沿って拡散する、電流を発生させる。微小針パッチ228は、対応する筋肉刺激、または痙攣、あるいは刺激された後脛骨神経を通る電気伝導を検出する。検出に応じて、微小針アレイは、微小針パッチ228の重層電極へと電気信号を伝導および伝送してもよい。信号は、一体型または別個のコントローラあるいはデバイスであることができる、コントローラ218、もしくはコントローラ218に連結される別個のコントローラに伝送されてもよい。次いで、コントローラは、微小針パッチ228から受信した信号に基づいて、(電流または磁場を調節するために)変動または調節され、後脛骨神経220の適切な伝導が生じ、治療の適切かつ正確な用量が受容されていることを保証することができる。センサの利用が示されるが、また、システムが、センサを伴なわずに使用されることも想定される。
【0119】
図21を参照すると、図12を参照して前述のエネルギー放出システム210の使用の方法は、伝導性微小針パッチ228が、求心性後脛骨神経220を覆って、近接して、または近位に、すなわち、患者の膝の後方に留置されるように、変更されてもよい。本位置では、伝導性微小針パッチ228は、求心性後脛骨神経を通る電気伝導を検出する、すなわち、後脛骨神経を通って、脳および脊髄まで戻って伝わる電気信号を検出する、または対応する筋肉刺激を検出してもよい。微小針パッチ228は、コントローラ218またはコントローラ218に連結された別個のコントローラに信号を送信する。次いで、コントローラは、微小針パッチ228から受信した信号に基づいて、変動または調節され、後脛骨神経220の適切な伝導または刺激が生じ、治療の適切かつ正確な用量が送達されていることを保証することができる。
【0120】
エネルギー放出システム210内で利用されるセンサは、前述のように、微小針パッチ228であってもよく、あるいは任意に、センサは、当技術分野において周知であるか、または本明細書に説明される実施形態のいずれかに記載されるセンサタイプ(例えば、EKGセンサ)であってもよい。また、エネルギー放出システム250は、センサを伴わずに利用されることがきることが想定される。任意に、センサは、1つ以上の伝導性コイルとともに、筐体、例えば、足受台内またはそれに沿って、設置される、あるいは筐体または伝導性コイルから離れた部位に設置されてもよい。
【0121】
ある実施形態において、エネルギー放出システム210は、任意に、標的神経または筋肉に近接して設置され、標的神経または筋肉に付加的あるいは補助的電気もしくは磁気刺激を提供することができる、1つ以上の伝導性微小針パッチを含んでもよい。
【0122】
図22を参照すると、図12を参照して前述のエネルギー放出システム210は、エネルギー放出システム260を生成するように変更されてもよい。エネルギー放出システム260はさらに、1つ以上の経皮的電極針262または他の針、あるいはコントローラ218に連結され、前記標的神経または刺激部位に近接する対象の身体に挿入される端部を有する、他の経皮的電極を含む。経皮的電極針262は、1つ以上の伝導性コイル212に誘導的に連結される。使用時、患者の身体の第1の部分、例えば、足、足首、または脚は、患者の身体の第1の部分内に位置する、標的神経、例えば、後脛骨神経220が、筐体214内またはそれに沿って配置される、1つ以上の伝導性コイル212に近接するように、筐体214、例えば、足受台215に対して、設置される。伝導性コイル212は、選択された刺激部位261に対して、近接して、任意に、下流または遠位に、設置される。経皮的電極針262は、先端が刺激される刺激部位または標的神経に近接する位置および深度まで、皮膚を通して挿入される。コントローラ218が、起動され、電流が、伝導性コイル212を通過する。結果として生じる磁場は、矢印iによって示されるように、伝導性コイル212から内部経皮的電極針262まで通過させることによって、内部刺激部位261を横断する電流を発生させる。また、経皮的電極針は、発生した磁場内に設置されてもよく、それによって、磁場は、標的神経を刺激する、または内部刺激部位を横断する、電流を経皮的電極内に発生させる。任意に、電流は、コントローラ218から伝導性コイル212を通って、および/またはコントローラ218から経皮的電極針262を通って通過され、電流がコイルと針との間を通過するのに伴って、内部刺激部位を横断してもよい。
【0123】
エネルギー放出システム260では、伝導性コイル212と経皮的電極針262との間に発生される、電流密度および後続電場強度は、従来の経皮的刺激装置によって発生されるものより大きい。より大きな電場強度は、伝導性コイル212および経皮的電極針262のための部位選定をより容易にする。さらに、皮膚の表面を通る負荷インピーダンスは、内部インピーダンスを遥かに上回り、したがって、比較的に高い負荷インピーダンスは、高電流パルスのため、組織および神経への損傷の可能性を低減させる。
【0124】
再度、図22を参照すると、本明細書に説明されるエネルギー放出システムのいずかにおいて使用するための経皮的電極針は、種々の設計を含んでもよい。例えば、経皮的電極針262は、金属またはプラスチックハンドル263を含み、ユーザのための安全な把持を提供する一方、ユーザへのショックの危険性を最小にしてもよい。針先端は、針先端から約0.5乃至10mmまたは約2.0mm延在し得る、末端部分264を有することができ、医療グレードのステンレス鋼または他の生体適合性金属から構築されてもよい。針の直径は、挿入の際、外傷を最小にするように小さく(約0.25mm未満)あることができる。任意に、針262は、露出した先端面積264を除き、Teflonまたは類似絶縁材料265によって塗膜されることができる。これは、より精密な動作のために、先端により高い電場密度を可能にする。露出した針先端面積264は、炎症または疼痛を生じさせ得る、高過ぎる局所電場をもたらさないように、十分に大きな表面積を有するべきである。
【0125】
別の実施形態では、図23に示されるように、経皮的電極針272が、エネルギー放出システム260において使用されてもよい。経皮的電極針272は、医療グレードのステンレス鋼または他の生体適合性伝導性金属から構築されてもよい。経皮的電極針272は、刺激される事前に選択された内部刺激部位または標的神経に近接して、患者の身体内に挿入するための第1の端部276、および第2の端部277を含む。針電極272のサイズは、挿入の際の外傷を最小にするように、好ましくは、小さく、例えば、34G針電極(0.22x10mm)である。経皮的電極針272はまた、伝導性アダプタ、例えば、伝導性テープ部材273を含んでもよい。テープ部材273は、伝導性接着性部分274および伝導性非接着性部分275を含む。代替として、アダプタは、伝導性クリップを含んでもよい。針電極272の第2の端部277は、好ましくは、拡大部分を含み、伝導性テープ部材273をそこにより容易に接着可能にする。経皮的針電極272が適切に設置されたことが決定されると、針は、針電極の第2の端部277上に伝導性テープ部材272の接着性部分274の両端を折重し、それによって、その間に電気接続を形成することによって、伝導性テープ部材273に固定して接着される。経皮的針電極272は、伝導性テープ部材273を介して、コントローラ218に電気的に連結される。当業者に周知の種々の他の埋込式または挿入可能電極針もまた、前述のシステムにおいて利用されてもよい。
【0126】
前述のように、かつ図22−23に示されるように、エネルギー放出システム260のある実施形態において、伝導性微小針パッチ228等のセンサ216は、刺激された後脛骨神経220を通る電気伝導を検出する、または筋肉刺激を検出し、信号をコントローラ218に伝送するために利用されてもよい。信号は、コントローラ218、別個のコントローラまたはデバイス、あるいはコントローラ218に連結された別個のコントローラに伝送されてもよい。次いで、コントローラは、微小針パッチ228からの信号に基づいて、変更または調節され、後脛骨神経220の適切な伝導が生じ、適切かつ正確な用量の治療が受信されていることを保証することができる。また、エネルギーシステム260は、センサ216を伴わずに利用されてもよいことが想定され、例えば、図24−25を参照されたい。任意に、他の種類のセンサが、本明細書に説明される他のセンサおよび当業者に周知のセンサ等、微小針パッチセンサの代わりに使用されてもよい。センサは、標的神経の伝導を検出するために好適な対象の身体の一部を覆って(例えば、示されるように、脚に)、または標的神経の刺激から生じる筋肉刺激を検出するように、筋肉を覆って、留置されてもよい。
【0127】
ある実施形態において、図26に示されるように、内科治療を提供するためのエネルギー放出システム250は、1つ以上の電極の表面上に蒸着される1つ以上の微小針アレイを有する、微小針パッチ252(例えば、伝導性微小針パッチ)、標的神経内の電気伝導を検出する、または筋肉刺激を検出するように構成される、1つ以上のセンサ221、および微小針パッチ252に連結され、センサ221と通信する、コントローラ218を含む。微小針パッチ252は、コントローラ218によって発生される電流が、微小針パッチ252を通過し、磁場を発生させる、あるいは標的神経、例えば、脛骨神経220、標的神経の一部を含有する筋肉または他の身体部分、あるいは微小針パッチ252に近接して位置する、標的神経から分岐する任意の神経に電気または磁気刺激を送達もしくは発生させるように構成される。
【0128】
図26を参照すると、エネルギー放出システム250を使用する方法は、患者の身体の第1の部分内の後脛骨神経220に近接して、患者の身体の第1の部分、例えば、足、足首、または脚上に伝導性微小針パッチ252を留置するステップを含んでもよい。センサ221は、後脛骨神経220に近接して、患者の身体の第2の部分に沿って設置される。本特定の実施形態では、センサ216は、伝導性微小針パッチ252の近位かつ上流の後脛骨神経220に近接して、患者の脚に取着される。伝導性微小針パッチ252は、前述の実施形態に説明されるように、1つ以上の微小針アレイおよび1つ以上の電極から構成される。
【0129】
伝導性微小針パッチ252およびセンサ221が、適所に置かれると、電流が、コントローラ218から、伝導性微小針パッチ252を通って通過し、後脛骨神経220の電気刺激をもたらす。代替として、微小針アレイは、微小針パッチ252が、電気刺激を伴わずに、前述の実施形態に説明される1つ以上のコイルと類似する様式において、脛骨神経220を刺激する磁場を発生させるように、絶縁される、または非導電性材料から構築されてもよい。刺激が、電気または磁気であるかどうかに関わらず、いずれの刺激も、その仙骨または陰部神経根まで、脛骨神経220に沿って流動し、その長さに沿って拡散する、電流を発生させるであろう。センサ221は、刺激された後脛骨神経220を通る電気伝導を検出し、次いで、信号をコントローラ218に伝送する。ある実施形態において、センサは、微小針パッチセンサの形態であってもよい。信号は、コントローラ218、別個のコントローラまたはデバイス、あるいはコントローラ218に連結される別個のコントローラに伝送されてもよい。次いで、コントローラは、センサ221空の信号に基づいて、変更または調節され、後脛骨神経220の適切な伝導が生じ、適切かつ正確な用量の治療が受信されていることを保証することができる。
【0130】
エネルギー放出システム250において利用されるセンサは、他の実施形態に関して、前述の種類のセンサであってもよい。任意に、例えば、センサは、微小針パッチであってもよい。また、エネルギー放出システム250は、センサを伴わずに利用されることもできることが想定される。
【0131】
ある実施形態において、エネルギー放出システム250は、任意に、標的神経または筋肉に近接して設置され、標的神経または筋肉の付加的または補助的刺激を提供することができる、筐体内またはそれに沿って配置される、1つ以上の伝導性コイルを含んでもよい。
【0132】
図27を参照すると、図26を参照して前述のエネルギー放出システム250は、エネルギー放出システム280を生成するように変更されてもよい。エネルギー放出システム280はさらに、コントローラ218に連結され、前記標的神経に近接して、対象の身体内に挿入可能な端部を有する、1つ以上の経皮的電極針262を含む。任意に、電極針は、天然開口等の対象の開口または開放部に挿入可能なように、非経皮的であってもよい。経皮的電極針262は、伝導性微小針パッチ252に誘導的に連結されてもよい。使用時、微小針パッチ252は、患者の身体の第1の部分内かつ選択された刺激部位261の下流または遠位の後脛骨神経220に近接して、患者の身体の第1の部分、例えば、足、足首、または脚上に留置される。経皮的電極針262は、先端を刺激される標的神経に近接させる位置および深度まで、皮膚を通して挿入される。
【0133】
コントローラ218が起動され、電流が、微小針パッチ252を通って通過し、矢印iに示されるように、微小針パッチ252から内部経皮的電極針262に通過することによって、内部刺激部位261を横断する。微小針パッチ252を通過する電流はまた、電流を発生させることができる磁場を発生させ、微小針パッチ252から内部経皮的電極針262に通過することによって、内部刺激部位261を横断してもよい。また、経皮的電極針は、発生された磁場内に設置されてもよく、それによって、磁場が、標的神経を刺激し、内部刺激部位を横断する、電流を経皮的電極内に発生させる。任意に、電流は、コントローラ218から微小針パッチ252を通って、および/またはコントローラ218から経皮的電極針262を通って通過され、電流がパッチと針との間を通過するのに伴って、内部刺激部位を横断してもよい。
【0134】
図28を参照すると、エネルギー放出システム280は、経皮的電極針262の代わりに、経皮的電極針272を使用することによって、修正されてもよい。経皮的電極針272は、図23に関して前述のように、構築され、機能するであろう。当業者に周知の種々の他の埋込式または挿入可能電極針もまた、前述のシステムにおいて利用されてもよい。加えて、エネルギー放出システム280は、電気または磁気刺激が、必要に応じて調節されることができるように、センサを利用して、刺激された後脛骨神経220を通る電気伝導を検出し、検出された伝導を示す対応する信号をコントローラ218または他のデバイスに送信してもよい。センサは、センサ221であってもよく、または任意に、センサは、微小針パッチであってもよい。また、エネルギー放出システム280は、センサを伴わずに利用されることができることも想定される。センサは、標的神経の伝導を検出するために好適な対象の身体の一部を覆って(例えば、示されるように、脚上に)、または標的神経の刺激から生じる筋肉刺激を検出するように、筋肉を覆って留置されてもよい。
【0135】
前述のシステムのいずれにおいても、センサがまた、エネルギー放出デバイス、例えば、伝導性コイルまたは伝導性微小針パッチに連結または接続される、あるいは別様にそれと通信する、実施形態も想定される。
【0136】
ある実施形態において、微小針パッチのうちの1つ以上の微小針は、微小針が、電気信号を重層電極または他の表面に伝送し得るように、伝導性材料を含んでもよい。微小針は、伝導性材料から構成されるか、および/または伝導性材料によって塗膜されてもよい。任意に、微小針は、伝導性材料によって塗膜され、非導電性材料から構築されてもよい。微小針は、種々の材料、例えば、金属、ステンレス鋼、純金またはNI上の金の塗膜、PdまたはPd−Co、Pt、シリコン、二酸化ケイ素、ポリマー、ガラス、生体適合性ポリマー、チタン、銀、または縫合糸材料を使用して加工されてもよい。生分解性ポリマーもまた、微小針の先端が、挿入の際、亀裂が入る、または折れる場合、容易に生分解するように、使用されてもよい。任意に、微小針パッチは、非導電性であってもよい。
【0137】
ある実施形態において、改良された伝導率または伝導のための電極パッチが、提供される。パッチは、第1の表面および/または第2の表面を有する、少なくとも1つの電極を含むことができる。電極は、任意に、種々の他の材料または接着性材料に取着されてもよい。微小針のアレイは、電極の表面に蒸着される、あるいはパッチまたは他の材料に取着され、間接的もしくは直接、電極に接続されてもよい。微小針のアレイは、伝導性材料を含んでもよい。そのようなパッチは、筋肉刺激または電気伝導率を検出するか、あるいは電気刺激または磁場を、例えば、標的神経に提供もしくは送達するためのセンサとして使用されてもよく、任意に、本明細書に説明される実施形態のいずれかにおいて、あるいは改良された伝導率または伝導が所望される任意の用途において使用されてもよい。微小針は、単純アブレーションおよび他の技法と比較して、インピーダンスの改良された低減をもたらし、疼痛が少なく、患者にとってより快適である。
【0138】
ある実施形態において、皮膚において感知され、微小針パッチまたは微小針アレイによって検出あるいは伝導可能な典型的電圧は、約1乃至400マイクロボルトまたは約10乃至300マイクロボルトの範囲であってもよい。
【0139】
ある実施形態において、本明細書に説明されるエネルギー放出システムを利用して、尿失禁または種々の骨盤底障害を伴う対象を治療する方法が想定される。尿失禁と関連付けられる症状が、観察、検出、または診断されてもよい。1つ以上のエネルギー発生器、例えば、1つ以上の伝導性コイルまたは1つ以上の微小針パッチを有するエネルギー放出デバイスは、標的神経、例えば、脛骨または後脛骨神経、あるいは膝窩または仙骨神経、もしくは対象または患者の身体の第1の部分に沿った対象または患者のそれらの側枝に近接して設置されてもよい。対象は、尿失禁と関連付けられる症状を呈してもよく、または呈していなくてもよい。伝導性コイルの場合、コイルは、足または膝受台等の筐体内あるいはそれに沿って設置されてもよく、足または脚は、その中に設置されてもよい。微小針パッチの場合、パッチは、対象の皮膚に取着されてもよい。任意に、方法は、身体の第1の部分内の標的神経が、エネルギー放出デバイス内またはそれに沿って配置される、少なくとも1つのエネルギー発生器に近接するように、エネルギー放出デバイスに対して、尿失禁と関連付けられる症状を呈する、対象の身体の第1の部分を設置するステップを伴う。
【0140】
次いで、電流は、エネルギー発生器を通って通過し、エネルギー、例えば、脛骨または後脛骨神経あるいはそれらの側枝に集中される磁気または電磁場、あるいは電気または磁気エネルギー、もしくは刺激を産生、発生、または送達する。これは、次に、陰部神経、仙骨神経叢、または骨盤底内の他の神経の刺激を生じさせてもよい。種々の筋肉、括約筋、神経、器官、ならびに尿管および膀胱の導管に分布する種々の神経は、直接または間接的に、刺激されてもよい。ある実施形態において、電流は、後脛骨神経を刺激する、磁気または電磁場を発生される、1つ以上のコイルを通過させられる。ある実施形態において、対象の身体の第1の部分に対するコイルの設置は、必要に応じて、後脛骨神経上に磁場を再集中させるように調節されてもよい。ある実施形態において、電流は、微小針パッチを通過され、電気または磁気刺激あるいは場を発生もしくは送達する。対象の身体の第1の部分に対する微小針パッチの設置は、必要に応じて、後脛骨神経上に電気または磁気刺激あるいは電場を再集中させるように調節されてもよい。
【0141】
任意に、標的神経、例えば、後脛骨神経を通る電気伝導、または筋肉刺激は、少なくとも1つのセンサを介して検出されることができる。伝導性センサは、対象の身体の第2の部分に沿って、後脛骨神経に近接して設置されてもよい。任意に、センサは、神経刺激から生じる筋肉刺激または痙攣を検出するように、対応する筋肉を覆って設置されてもよい。任意に、電気伝導は身体の第1の部分と異なる、対象の身体の第2の部分に沿って検出される。任意に、センサは、微小針パッチの形態である。ある実施形態において、センサは、求心性後脛骨神経に沿って電気伝導を検出するように、対象の膝の背後に、あるいは患者の脚または足の別の部分に設置されてもよい。他の実施形態では、センサは、1つ以上の伝導性コイルとともに、筐体内またはそれに沿って、設置されてもよい。
【0142】
センサが使用される場合、信号は、センサから受信され、信号は、標的神経、例えば、後脛骨神経の電気伝導を示す。電流は、エネルギー発生器と通信するコントローラを使用して、調節または変動されてもよい。調節は、伝導率の適切なレベルおよび神経または筋肉刺激の適切なレベルを達成することによって、尿失禁の適切な治療を最適化あるいは保証するために、伝導性センサによって検出された神経もしくは筋肉刺激に応答して、行われてもよい。電流、周波数、磁場、治療持続時間等のための適切なレベルは、尿失禁と関連付けられる症状の観察または検出される軽減または防止をもたらす、レベルである。センサが使用されない場合、治療もまた投与され、適切なレベルおよびパラメータは、症状の緩和または防止を観察あるいは検出することを通して達成され得る。これらの症状の実施例は、泌尿器機能の制御不能、尿漏、および膀胱制御の喪失を含むが、それらに限定されない。
【0143】
ある実施形態において、発生された磁場、電気、または磁気刺激の振幅、周波数、方向、あるいはコイルまたは微小針アレイを構成する微小針の始動順序は、調節されてもよい。任意に、電流は、患者における筋肉応答に従って変動されてもよい。したがって、尿失禁を治療するために、磁場または電気刺激は、所望の効果(例えば、症状の緩和)が達成されるまで、対象または患者に印加される。
【0144】
ある実施形態において、本明細書に説明されるエネルギー放出システムを利用して、便失禁を伴う対象を治療する方法が想定される。便失禁と関連付けられる症状が、観察、検出、または診断されてもよい。1つ以上のエネルギー発生器を有するエネルギー放出デバイス、例えば、1つ以上の伝導性コイルまたは1つ以上の微小針パッチは、標的神経、例えば、脛骨または後脛骨神経、あるいは膝窩または仙骨神経、もしくは対象の身体の第1の部分に沿った対象のその側枝に近接して設置されてもよい。対象は、便失禁と関連付けられる症状を呈していても、または呈していなくてもよい。伝導性コイルの場合、コイルは、足または膝受台等の筐体内またはそれに沿って設置されてもよく、足または脚は、その中に設置されてもよい。微小針パッチの場合、パッチは、対象の皮膚に取着されてもよい。任意に、方法は、身体の第1の部分内の標的神経が、エネルギー放出デバイス内またはそれに沿って配置される少なくとも1つのエネルギー発生器に近接するように、エネルギー放出デバイスに対して、便失禁と関連付けられる症状を呈する対象の身体の第1の部分を設置するステップを伴う。
【0145】
次いで、電流は、エネルギー、例えば、脛骨または後脛骨神経あるいはその側枝上に集中される、磁気または電磁場、あるいは電気または磁気エネルギー、もしくは刺激を産生、発生、または送達するように、エネルギー発生器を通過させられる。これは、次に、陰部神経、仙骨神経叢、または骨盤底内の神経の刺激を生じさせる。種々の筋肉、括約筋、直腸、神経、器官、ならびに排便、便意制御、および腸と関連付けられた導管に分布する種々の神経は、直接または間接的に、刺激されてもよい。任意に、電流は、後脛骨神経を刺激する、磁気または電磁場を発生させる、1つ以上のコイルを通過させられる。ある実施形態において、対象の身体の第1の部分に対するコイルの設置は、必要に応じて、後脛骨神経上に磁場を再集中するように調節されてもよい。ある実施形態において、電流は、微小針パッチを通過され、電気または磁気刺激あるいは場を発生もしくは送達する。対象の身体の第1の部分に対する微小針パッチの設置は、必要に応じて、後脛骨神経上に電気または磁気刺激あるいは場を再集中するように調節されてもよい。
【0146】
任意に、標的神経、例えば、後脛骨神経を通る電気伝導、または筋肉刺激は、少なくとも1つのセンサを介して、検出されることができる。伝導性センサは、対象の身体の第2の部分に沿って、後脛骨神経に近接して、設置されてもよい。任意に、センサは、神経刺激から生じる筋肉刺激または痙攣を検出するように、対応する筋肉を覆って、設置されてもよい。任意に、電気伝導は、身体の第1の部分と異なる対象の身体の第2の部分に沿って検出される。任意に、センサは、微小針パッチの形態である。ある実施形態において、センサは、求心性後脛骨神経に沿って電気伝導を検出するように、対象の膝の背後、あるいは患者の脚または足の別の部分に設置されてもよい。他の実施形態では、センサは、1つ以上の伝導性コイルとともに、筐体内またはそれに沿って、設置されてもよい。
【0147】
センサが使用される場合、信号は、センサから受信され、信号は、後脛骨神経の電気伝導を示す。電流は、エネルギー発生器と通信する、コントローラを使用して、調節または変動されてもよい。調節は、適切なレベルの伝導率および適切なレベルの神経または筋肉刺激を達成することによって、便失禁の適切な治療を最適化または保証するために、伝導性センサによって検出された神経または筋肉刺激に応答して、行われてもよい。電流、周波数、磁場、治療持続時間等のための適切なレベルは、便失禁と関連付けられる症状の観察または検出された軽減あるいは防止をもたらす、レベルである。センサが使用されない場合、治療もまた投与され、適切なレベルおよびパラメータは、症状の緩和または防止を観察あるいは検出することを通して達成され得る。これらの症状の実施例は、直腸内に便を留保する自主的管理の喪失、便意制御の喪失、排便の制御不能、および便漏を含むが、それらに限定されない。
【0148】
ある実施形態において、発生された磁場、電気、または磁気刺激の振幅、周波数、方向、あるいはコイルまたは微小針アレイを構成する微小針の始動順序は、調節されてもよい。任意に、電流は、患者における筋肉応答に従って、変動されてもよい。したがって、便失禁を治療するために、磁場または電気刺激は、所望の効果(例えば、症状の緩和)が達成されるまで、対象または患者に印加される。
【0149】
ある実施形態において、本明細書に説明されるエネルギー放出システムを利用して、下肢静止不能症候群を伴う対象を治療する方法が、想定される。下肢静止不能症候群(RLSまたはエクボム症候群)に罹患する犠牲者は、座位または立位のままじっとしていることが不可能である。移動体、例えば、車、飛行機、電車内、あるいは長い会議、広義、映画、または他の講演に出席する等、運動不穏状態を維持し、限定された認知刺激を要求する活動は、不可能ではないにしても、困難となる。これらの感覚は、夜間、より深刻となり、RLS患者は、事実上、睡眠が困難となり、その生活の質の低下がもたらされる。運動の衝動は、休息の間に増加するが、歩行等の運動によって、完全に消失される。しかしながら、運動を停止すると、症状は、その強さを増して、復活する。RLS患者が、じっとしたまま横たわるよう強制される場合、症状は、荷重バネのように蓄積し続け、最終的に、脚は、無意識に動き、症状を直ちに緩和させる。
【0150】
したがって、下肢静止不能症候群と関連付けられる症状が、観察、検出、または診断されてもよい。1つ以上のエネルギー発生器を有するエネルギー放出デバイス、例えば、1つ以上の伝導性コイルまたは1つ以上の微小針パッチは、対象の身体の第1の部分に沿った対象の標的神経、例えば、脛骨または後脛骨神経、あるいは膝窩または仙骨神経、もしくは下肢静止不能症候群と関連付けられるその側枝または他の神経に近接して、設置されてもよい。対象は、下肢静止不能症候群と関連付けられる症状を呈していても、または呈していなくてもよい。伝導性コイルの場合、コイルは、足または膝受台等の筐体内またはそれに沿って、設置されてもよく、足または脚は、その中に設置されてもよい。微小針パッチの場合、パッチは、対象の皮膚に取着されてもよい。任意に、方法は、身体の第1の部分内の標的神経が、エネルギー放出デバイス内またはそれに沿って配置される、少なくとも1つのエネルギー発生器に近接するように、エネルギー放出デバイスに対して、下肢静止不能症候群と関連付けられる症状を呈する、対象の身体の第1の部分を設置するステップを伴う。
【0151】
次いで、電流は、エネルギー、例えば、下肢静止不能症候群と関連付けられた脛骨または後脛骨神経あるいはその側枝または他の神経上に集中される、磁場または電気、あるいは磁気エネルギーまたは刺激を産生、発生、または送達するように、エネルギー発生器を通過させられる。これは、次に、下肢静止不能症候群と関連付けられた種々の筋肉、神経、または器官に分布する、陰部神経、仙骨神経叢、または他の神経の刺激を生じさせる。種々の神経は、直接または間接的に、刺激されてもよい。任意に、電流は、後脛骨神経を刺激する、磁気または電磁場を発生させる、1つ以上のコイルを通過させられる。ある実施形態において、対象の身体の第1の部分に対するコイルの設置は、必要に応じて、後脛骨神経上に磁場を再集中するように調節されてもよい。ある実施形態において、電流は、微小針パッチを通過され、電気または磁気刺激あるいは場を発生もしくは送達する。対象の身体の第1の部分に対する微小針パッチの設置は、必要に応じて、後脛骨神経上に電気または磁気刺激あるいは場を再集中するように調節されてもよい。
【0152】
任意に、標的神経、例えば、後脛骨神経を通る電気伝導、または筋肉刺激は、少なくとも1つのセンサを介して、検出されることができる。伝導性センサは、対象の身体の第2の部分に沿って、後脛骨神経に近接して、設置されてもよい。任意に、センサは、神経刺激から生じる筋肉刺激または痙攣を検出するように、対応する筋肉を覆って、設置されてもよい。任意に、電気伝導は、身体の第1の部分と異なる対象の身体の第2の部分に沿って検出される。任意に、センサは、微小針パッチの形態である。ある実施形態において、センサは、求心性後脛骨神経に沿って電気伝導を検出するように、対象の膝の背後、あるいは患者の脚または足の別の部分に設置されてもよい。他の実施形態では、センサは、1つ以上の伝導性コイルとともに、筐体内またはそれに沿って、設置されてもよい。
【0153】
センサが使用される場合、信号は、センサから受信され、信号は、標的神経、例えば、後脛骨神経の電気伝導を示す。電流は、エネルギー発生器と通信する、コントローラを使用して、調節または変動されてもよい。調節は、適切なレベルの伝導率および適切なレベルの神経または筋肉刺激を達成することによって、下肢静止不能症候群の適切な治療を最適化または保証するために、伝導性センサによって検出された神経または筋肉刺激に応答して、行われてもよい。電流、周波数、磁場、治療持続時間等のための適切なレベルは、下肢静止不能症候群と関連付けられる症状の観察または検出された軽減あるいは防止をもたらす、レベルである。センサが使用されない場合、治療もまた投与され、適切なレベルおよびパラメータは、症状の緩和または防止を観察あるいは検出することを通して達成され得る。これらの症状の実施例は、肢の不快感、通常、脚の抑え難い運動衝動、運動不穏状態、休息による症状の復元または悪化、ならびに夕方および夜間の症状悪化、を含むが、それらに限定されない。
【0154】
ある実施形態において、発生された磁場、電気、または磁気刺激の振幅、周波数、方向、あるいはコイルまたは微小針アレイを構成する微小針の始動順序は、調節されてもよい。任意に、電流は、患者における筋肉応答に従って、変動されてもよい。したがって、下肢静止不能症候群を治療するために、磁場または電気刺激は、所望の効果(例えば、症状の緩和)が達成されるまで、対象または患者に印加される。
【0155】
ある実施形態において、本明細書に説明されるエネルギー放出システムを利用して、早漏または種々の骨盤底障害に罹患する対象を治療する方法が、想定される。早漏と関連付けられる症状が、観察、検出、または診断されてもよい。1つ以上のエネルギー発生器を有するエネルギー放出デバイス、例えば、1つ以上の伝導性コイルまたは1つ以上の微小針パッチは、標的神経、例えば、脛骨または後脛骨神経あるいは、膝窩または仙骨神経、もしくは対象の身体の第1の部分に沿った対象のその側枝に近接して設置されてもよい。対象は、早漏と関連付けられる症状を呈していても、または呈していなくてもよい。伝導性コイルの場合、コイルは、足または膝受台等の筐体内またはそれに沿って、設置されてもよく、足または脚は、その中に設置されてもよい。微小針パッチの場合、パッチは、対象の皮膚に取着されてもよい。任意に、方法は、身体の第1の部分内の標的神経が、エネルギー放出デバイス内またはそれに沿って配置される少なくとも1つのエネルギー発生器に近接するように、エネルギー放出デバイスに対して、早漏と関連付けられる症状を呈する対象の身体の第1の部分を設置するステップを伴う。
【0156】
次いで、電流は、エネルギー、例えば、脛骨または後脛骨神経あるいはその側枝上に集中される磁気または電磁場、あるいは電気または磁気エネルギー、もしくは刺激を産生、発生、または送達するように、エネルギー発生器を通過させられる。これは、次に、陰部神経、仙骨神経叢、または他の骨盤底内の神経、あるいは射精の制御と関連付けられた神経の刺激を生じさせてもよい。種々の筋肉、括約筋、神経、器官、および尿管、膀胱、または生殖系の導管、あるいは骨盤底に分布する種々の神経は、直接または間接的に刺激されてもよい。任意に、電流は、後脛骨神経を刺激する磁気または電磁場を発生させる1つ以上のコイルを通過させられる。ある実施形態において、対象の身体の第1の部分に対するコイルの設置は、必要に応じて、後脛骨神経上に磁場を再集中するように調節されてもよい。ある実施形態において、電流は、微小針パッチを通過され、電気または磁気刺激あるいは場を発生もしくは送達する。対象の身体の第1の部分に対する微小針パッチの設置は、必要に応じて、後脛骨神経上に電気または磁気刺激あるいは場を再集中するように調節されてもよい。
【0157】
任意に、標的神経、例えば、後脛骨神経を通る電気伝導、または筋肉刺激は、少なくとも1つのセンサを介して、検出されることができる。伝導性センサは、対象の身体の第2の部分に沿って、後脛骨神経に近接して、設置されてもよい。任意に、センサは、神経刺激から生じる筋肉刺激または痙攣を検出するように、対応する筋肉を覆って、設置されてもよい。任意に、電気伝導は、身体の第1の部分と異なる対象の身体の第2の部分に沿って検出される。任意に、センサは、微小針パッチの形態である。ある実施形態において、センサは、求心性後脛骨神経に沿って電気伝導を検出するように、対象の膝の背後、あるいは患者の脚または足の別の部分に設置されてもよい。他の実施形態では、センサは、1つ以上の伝導性コイルとともに、筐体内またはそれに沿って、設置されてもよい。
【0158】
センサが使用される場合、信号は、センサから受信され、信号は、標的神経、例えば、後脛骨神経の電気伝導を示す。電流は、エネルギー発生器と通信する、コントローラを使用して、調節または変動されてもよい。調節は、適切なレベルの伝導率および適切なレベルの神経または筋肉刺激を達成することによって、早漏の適切な治療を最適化または保証するために、伝導性センサによって検出された神経または筋肉刺激に応答して、行われてもよい。電流、周波数、磁場、治療持続時間等のための適切なレベルは、早漏と関連付けられる症状の観察または検出された軽減あるいは防止をもたらす、レベルである。センサが使用されない場合、治療もまた投与され、適切なレベルおよびパラメータは、症状の緩和または防止を観察あるいは検出することを通して達成され得る。これらの症状の実施例は、挿入1分以内の射精の頻発、挿入時の射精遅延不能、もしくは挿入前、挿入時、または挿入直後の最小刺激による、持続性あるいは再発性射精を含むが、それらに限定されない。
【0159】
ある実施形態において、発生された磁場、電気、または磁気刺激の振幅、周波数、方向、あるいはコイルまたは微小針アレイを構成する微小針の始動順序は、調節されてもよい。任意に、電流は、患者における筋肉応答に従って、変動されてもよい。したがって、早漏を治療するために、磁場または電気刺激は、所望の効果(例えば、症状の緩和)が達成されるまで、対象または患者に印加される。
【0160】
本明細書に説明されるシステムおよび方法を使用して、種々の病状、例えば、尿失禁を治療するための例示的治療パラメータは、以下を含んでもよい。約10乃至20ヘルツにおける伝導性コイルの動作は、約0.25乃至1.5テスラの磁場を発生され、コイルは、症状が軽快するまで、症状の重症度に応じて、約30分/日または30分/週の持続時間の間、患者に適用される。前述の治療パラメータまたはパラメータに関する変形例は、尿失禁、便失禁、下肢静止不能症候群、または早漏、あるいは他の病状の治療のために使用されてもよい。例えば、コイルは、以下の範囲内の種々のパラメータ範囲で動作されてもよい:約5乃至100ヘルツ、約1乃至10テスラ、約15分乃至2時間/日または週。早漏を治療する際、患者は、性交の約4乃至10時間前に、治療を受けてもよい。初期治療後、治療の維持段階は、種々の病状に対して可変であってもよい。例えば、維持段階は、30分/週または30分/月の間、本明細書に説明されるパラメータにおいて、本明細書に説明されるシステムおよび方法の適用を要求してもよい。任意の治療パラメータは、病状を治療または防止する所望の結果が達成されるまで、患者に及ぼす影響、あるいは刺激に関するセンサまたは患者フィードバックに基づいて、変動もしくは修正されてもよい。
【0161】
ある実施形態において、図29a−29dに示されるように、エネルギー放出デバイスは、コントローラ289および足受台290を含むことができる。足受台290は、垂直足プレート291および水平足プレート292を含んでもよく、各プレートは、垂直足プレートノブ293および水平足プレートノブ294を使用して、調節されることができる。1つ以上のEMGプラグ295が提供される。空芯コイル297または他の種類のコイルが提供される。ディスプレイ画面296もまた、電力コード298とともに、提供されてもよい。ディスプレイ画面296は、印加される電力または電流のレベル、治療時間、受台デバイスの温度、検出された電流レベルおよび/または生理学的パラメータ等、種々の情報をユーザおよび/または施術者に表示し、効果的かつ効率的療法治療を促進することができる。情報を使用して、コントローラを変更または調節し、標的神経、例えば、後脛骨神経220の適切な伝導または筋肉刺激が生じ、適切かつ正確な用量の治療が受信されていることを保証することができる。以下に影響を及ぼす制御もまた、含まれてもよい:電力、場強度、周波数、パルス、療法の開始/一時停止およびキャンセル(示されるように)、または当業者が、制御または監視するために必要または有用であることを見出すであろう、他のパラメータ。ある実施形態において、センサは、足受台または他のエネルギー放出装置、コントローラ、筐体、伝導性コイル、あるいは微小針パッチと接続される、もしくは通信してもよい。
【0162】
ある実施形態において、図30−31に示されるように、エネルギー放出デバイスは、コントローラおよび膝受台を含んでもよい。受台は、膝窩または膝のすぐ後ろの領域に近接して伝導性コイルを提供するように構成され得る。ある実施形態において、膝受台は、膝窩に直接圧力をかけずに、膝の少なくとも一部または実質的に膝全体を受容または包囲するように構成され、それによって静脈血栓症を最小または回避してもよい。一実施形態では、デバイスは、膝が屈曲位置(図30)にある間に利用されてもよい。別の実施形態では、デバイスは、非屈曲位置(図31)にある間に利用されてもよい。
【0163】
ある実施形態において、エネルギー放出デバイス、例えば、足受台、膝受台等は、標的神経が自動的に標的化されるように設置される、伝導性コイルを含む。伝導性コイルは、発生された電磁または磁場が、標的神経の解剖学的場所に基づいて、任意の患者内の標的神経を包含し、刺激し、したがって、患者がデバイス内に特定の身体部分を設置すると、任意の患者内の神経の自動標的化を提供し得るように、デバイス内に構成、定寸、および設置される。
【0164】
本明細書に説明される種々の実施形態では、センサは、電圧または電流を検出してもよく、当技術分野において周知の種々の方法または技法を使用して、筐体、伝導性コイル、微小針パッチ、エネルギー放出装置またはデバイス、エネルギー発生器、あるいは電極針および/またはコントローラに接続、連結、無線接続または連結、あるいは別様に通信してもよい。本明細書に説明される種々の実施形態では、筐体、伝導性コイル、微小針パッチ、エネルギー放出装置、エネルギー発生器、または電極針は、当技術分野において周知の種々の方法または技法を使用して、相互、コントローラ、またはセンサに接続、連結、無線接続または連結、あるいは別様に通信してもよい。
【0165】
本明細書に説明される実施形態のいずれかに従って、内科治療を提供するエネルギー放出システムは、電磁場または磁場を発生させるため、および/または電磁刺激を送達するエネルギー放出デバイスおよび/または1つ以上のエネルギー発生器を含んでもよい。ある実施形態において、エネルギー発生器は、標的神経上に集中される磁場を発生させるように構成される伝導性コイルであってもよい。1つ以上の伝導性コイルは、任意に、本明細書に説明されるように、筐体内またはそれに沿って設置される。伝導性コイルの種々の実施形態が想定される。本明細書に説明される実施形態のいずれかにおいて利用される伝導性コイルは、任意に、種々の構成または特徴を含み得、例えば、磁場を発生させ、標的神経を刺激しつつ、患者のための安全かつ効果的な内科治療を提供する際に、伝導性コイルの有効性を最適化する、伝導または対流冷却のための冷却特徴を含み得る。
【0166】
図32を参照すると、ある実施形態において、伝導性コイル300は、螺旋の形態に構成されてもよい。伝導性コイル300 は、コイル本体302を有してもよい。コイル本体302は、第1の端部部分304および第2の端部部分306を含む。第1の端部部分304および第2の端部部分306は、電気接点305を含んでもよい。第1と第2の端部部分304、306との間において、コイル本体は、螺旋構成を形成する、1つ以上の巻線307を含む。各巻線307は、空間または間隙308が隣接する巻線間に提供されるように、すぐ隣接する巻線から、離間されてもよい。巻線とすぐ隣接する巻線との間の空間または間隙は、可変であってもよい。例えば、空間または間隙は、約0.05mm乃至約0.5mm、または約0.15mm乃至約0.25mmであってもよく、あるいは間隙は、約0.15mmであってもよい。各巻線に対する曲率半径は、コイル本体302の中心に設置される、内側巻線309から、コイル本体302の外側周縁を形成する、外側巻線310へと増加してもよい。したがって、各連続巻線の半径は、螺旋コイルの中心から、螺旋コイルの外側周縁へと増加してもよい。任意に、中心開口312が、コイル本体の中心に提供されてもよい。中心開口312は、内側巻線309によって包囲される。
【0167】
中心開口の直径は、可変であってもよい。例えば、直径は、約0.5インチ乃至2インチ、または1インチ乃至1.5インチの範囲であってもよく、あるいは開口は、直径約1インチを有してもよい。コイル本体の直径は、可変であってもよい。例えば、直径は、約3.0乃至約7インチ、または約4乃至約5インチの範囲であってもよく、あるいは直径は、約4.5インチであってもよい。コイル本体は、任意の好適な数の巻線を含んでもよい。例えば、コイル本体は、約2乃至約25の巻線、または約10乃至約20の巻線、あるいは14乃至17の巻線を含んでもよい。巻線は、種々の寸法を有してもよい。例えば、巻線あるいは巻線の端部または断面は、その幅または厚さを上回る、例えば、その幅に対して15乃至60倍または25乃至50倍の高さを上回る、高さを有してもよい。ある実施形態において、巻線あるいは巻線の端部または断面は、約1乃至5cm、または約10mm乃至51mm(約0.3インチ乃至2インチ)、または約25mm乃至40mm(約1インチ乃至1.5インチ)、または約12mm乃至40mm(約0.5インチ乃至1.5インチ)、または約0.5インチ乃至2インチの範囲の高さを有してもよい。巻線あるいは巻線の端部または断面は、約0.5mm乃至約5mm(約0.019インチ乃至0.19インチ)、または約1mm乃至約2mm(約0.03インチ乃至0.07インチ)、または約0.2mm乃至約1.6mm(約0.01インチ乃至0.06インチ)の範囲の幅を有してもよい。任意に、寸法は、コイル巻線を緊密に包填または巻回させる一方、依然として隣接する巻線間に間隙を維持し、伝導および/または冷却を可能にしてもよい。任意に、寸法は、コイルをより緩く包填または巻回させ、伝導および/または冷却を可能にしてもよい。前述は、例示的な寸法であって、他の寸法もまた、デバイスの使用および構成に応じて想定される。
【0168】
本明細書に説明され、対応する図に例示されるコイルの実施形態のいずれも、コイルの意図された使用に応じて、前述の寸法および構成あるいは任意の他の好適な寸法または構成を有してもよい。
【0169】
ある実施形態において、図32および33を参照すると、材料314、例えば、非導電性、熱伝導性、非熱伝導性、および/または絶縁体材料が、コイル本体302または伝導性コイル300の表面上に設置される。材料は、エポキシまたは類似特性を有する、他の材料であってもよい。そのような材料は、例えば、プラスチック、非導電性ポリマー、シリコーン等を含むことができるが、それらに限定されない。材料、例えば、非導電性材料314は、特定のコイルに応じて、種々の形状、サイズ、設計等に構成されてもよく、伝導性コイル300またはコイル本体302の表面の一部にわたって、あるいはそれに沿って、適用され、コイル状構成を保持または維持し、ならびにコイル本体302の隣接する巻線間の分離を維持し、隣接する巻線間の空気流または流体流間隙308を維持してもよい。例えば、図32および33に示される実施形態では、非導電性材料314は、楔の形態に構成されてもよい。楔は、コイル本体302の表面上に設置されてもよい。楔は、コイル本体302の1つ以上の表面または面に、接着される、あるいは別様に、取着もしくは添着されてもよい。楔は、コイル本体の正面または表面にわたって、外側巻線の外側表面または伝導性コイルの外側周縁の周囲およびそれにわたって、ならびにコイル本体302の裏表面または裏面にわたって、コイル本体302の中心開口または内側巻線309から延在し、それによって、部分的に、コイル本体を封入または包囲してもよい。任意に、楔または非導電性材料の他の構成が、コイル本体の単一表面または面に、あるいは別個の部品または単一部品として、コイル本体の外側周縁または表面の正面および裏面に、あるいはコイル本体の正面および裏面ならびに外側巻線の外側表面またはコイル本体の周縁の片側または両側に、取着されてもよい。その表面上に非導電性材料を伴う、コイル本体の全径は、可変であってもよい。例えば、全径は、約3乃至約7インチ、または約4乃至約5インチの範囲であってもよく、あるいは全径は、約5インチであってもよい。テーパ状楔構成に示されるが、他の形状または構成も利用可能である。例えば、材料の均一片が、コイル本体302の1つ以上の半径に沿って適用されてもよい。材料がコイル本体302の巻線間の分離を維持する限り、任意の数の代替変形例が適用されてもよい。
【0170】
ある実施形態において、図32および33に示されるように、非導電性材料314の1つ以上の楔は、コイル本体302上またはその周囲に設置される。楔は、コイル本体302の隣接する巻線間の分離を維持し、空気流または流体流通路のために、隣接する巻線間の間隙308を維持し、さらに、各楔間に1つ以上の空気流または流体流チャネル315を提供する。隣接する巻線間の間隙308は、空気または他の流体が、コイル巻線の間およびそれにわたって、コイル本体を通って通過する経路あるいは通路を提供し、コイルの冷却を補助する。また、空気流または流体流チャネル315は、空気または他の流体を、コイル本体の上方、あるいはその周囲を通過させるように誘導する経路を提供し、コイルの冷却を補助する。
【0171】
図34は、筐体316内に設置される伝導性コイル300の実施形態の側面図を示す(筐体の断面が、伝導性コイルを包囲して示される)。筐体316は、患者インターフェースプレート318を含む。筐体および/または患者インターフェースプレートは、非導電性または非熱伝導性あるいは絶縁材料等の種々の特性を有する、種々の材料から作製することができる。そのような材料は、例えば、セラミック、セラミック合金、プラスチック、エポキシ、Cool Polymers(登録商標)製の他の材料、あるいは類似特性を有する材料を含んでもよいが、それらに限定されない。患者インターフェースプレート318は、所望に応じて、実質的に、剛性であってもよい。剛性プレートは、使用の際、患者によって、プレートに対して印加される圧力のため、プレートの歪曲または屈曲を防止するのを支援し、したがって、患者インターフェースプレート318と非導電性材料314、例えば、エポキシとの間の接触を回避する。
【0172】
ある実施形態において、絶縁材料のシールドあるいは絶縁シールドまたは層、例えば、薄い可撓性プラスチックの重層、もしくは他の非導電性または非熱伝導性材料が、任意に、患者インターフェースプレート上またはその下に提供されてもよい。本材料は、患者と伝導性コイルとの間に、付加的障壁を提供する、補助的絶縁体としての役割を果たすであろう。1つ以上の絶縁シールドまたは層が、提供されてもよい。シールドまたは層は、患者インターフェースプレートの亀裂または破損の場合、付加的絶縁および補助的絶縁を提供する。シールドまたは層は、任意に、患者インターフェースプレートまたは筐体を作製するための本明細書に説明される材料のいずれかから作製されてもよい。
【0173】
伝導性コイル300は、空間または間隙、例えば、間隙320が、伝導性コイル300と患者インターフェースプレート318との間に提供されるように、筐体内に設置されてもよい。患者インターフェースプレート318と非導電性材料314との間の距離は、可変であってもよい。例えば、距離は、約0.2mm乃至0.5mm、または約0.2mm乃至0.7mm、または約0.3mm乃至0.5mmの範囲であってもよく、あるいは距離は、約0.5mmであってもよい。患者インターフェースプレート318と伝導性コイルの正面321との間の距離は、可変であってもよい。例えば、距離は、約0.5mm乃至3mm、または約1mm乃至2mmの範囲であってもよく、あるいは距離は、約1.5mmであってもよい。空間または間隙322はまた、筐体と伝導性コイルの外側巻線または外側周縁との間に提供されてもよい。間隙322を構成する距離は、可変であってもよい。例えば、間隙の距離は、約1.58mm乃至6.35mm(約1/16インチ乃至約1/4インチ)の範囲であってもよく、あるいは距離は、約3.17mm(約1/8インチ)であってもよい。
【0174】
依然として、図34を参照すると、冷却デバイス、例えば、送風機324が、筐体316内またはその近傍に提供されてもよい。ある実施形態において、伝導性コイル300は、患者インターフェースプレート318と送風機324との間に設置される。送風機324は、空気を引き込む、押し出す、付勢する、または循環させるためのファンまたは他のデバイスであってもよい。空気は、外気である、冷却される、保冷される等であってもよい。送風機324は、例えば、伝導性コイル300にわたって、その周囲および/またはそれを通して、空気を引き込むように構成され、それによって、伝導性コイル300を冷却および/または絶縁してもよい。
【0175】
ある実施形態の動作において、図34に矢印によって示されるように、送風機324は、1つ以上の入口319を通して、筐体316内に空気を能動的に引き込むか、または押し出す。空気は、伝導性コイル300の周囲および/またはそれの上方の、ならびに楔314間の間隙320および322を通して、および空気流チャネル315を通して引き込まれるか、あるいは押し出される。空気は、コイル本体302を構成する巻線307間の間隙308を通して、および/または中心開口312(図32に示される)を通して、引き込まれるか、あるいは押し出され得る。したがって、空気は、患者インターフェースプレート318および筐体の残りと伝導性コイル300との間の伝導性コイル300およびコイル本体302の上方、周囲および/またはそれを通して循環ならびに流動することによって継続的または周期的にリフレッシュされ、筐体316から引き出され、それによって、伝導性コイルを冷却または絶縁し、患者インターフェースプレート318を患者が使用するための容認可能な温度に維持する。例えば、患者インターフェースプレート318は、温度約50℃未満、または約45℃未満、または約42℃未満、または約37乃至42℃に維持されてもよい。送風機324が、間隙320を通して空気流を押し出すために使用される場合、1つ以上の送風機は、加熱された空気が、コイル300の上方を、およびそれを通して(引き込まれるのではなく)押し出され、筐体316から排気されるように、間隙320を通る空気流を付勢するように設置されてもよい。ある実施形態において、空気または他の流体を含む、種々の流体は、コイルの空間および/または間隙の上方、周囲および/またはそれを通して、能動的あるいは受動的に引き込まれ、もしくは押し出されることにより、冷却を提供してもよい。
【0176】
任意に、加温された空気または他の流体は、筐体の後面から、または患者インターフェースプレートの反対の排気プレート325から、排気されることによって、筐体から引き出される。筐体の後面は、加熱された空気を排気させるための1つ以上の排気口、出口、または開放部を有してもよい。ある実施形態において、加温された空気を排気させるための1つ以上の排気口、出口、または開放部が、筐体上の種々の位置、例えば、側面、上部、底面等に位置してもよい。
【0177】
ある実施形態において、流体流または空気流は、可変であってもよい。例えば、流量は、約100CFM(立方フィート/分)を上回ってもよく、あるいは約20CFM乃至約100CFM、または約25CFM乃至約60CFMの範囲であってもよい。他の実施形態では、冷却デバイスは、約0.5リットル/秒乃至約4リットル/秒、または約1リットル/秒乃至約2リットル/秒の範囲の流量で空気流または流体流を提供してもよい。圧力水頭パラメータは、可変であってもよい。例えば、圧力水頭は、H20の約0.5インチ乃至H20の約10インチ、またはH20の約0.5インチ乃至H20の約4インチの範囲であってもよい。
【0178】
ある実施形態において、伝導性コイル300は、その表面に、材料、例えば、非導電性または熱伝導性材料を伴わずに構成されてもよい。空気または他の流体は、依然として、伝導性コイルの上方を、それを通して、および/またはその周囲に、引き込まれ、あるいは押し出されることによりコイルを冷却してもよい。
【0179】
ある実施形態において、冷却または冷蔵デバイス、外部または内部の冷却供給部、水または他の流体リザーバまたは他のデバイスが、任意に、冷却デバイスとして単独で、あるいは別の冷却デバイス、例えば、送風機と組み合わせて使用され、コイルの上方を、それを通して、および/またはその周囲に、冷却流体を提供し、伝導性コイルを冷却してもよい。
【0180】
患者インターフェースプレート318は、任意に、反射面を含み、付加的な冷却機構を提供してもよい。患者インターフェースプレート318上にまたはそれに隣接して設置される反射面は、送風機324に加え、またはその代わりに使用されてもよい。反射面は、光および放射熱を反射し、それによって、患者インターフェースプレート318を冷却し、患者インターフェースプレート318を患者が使用するための容認可能な温度に維持することを支援してもよい。
【0181】
図35−37を参照すると、ある実施形態において、テープ、ラップ、または細片の形態の材料が、伝導性コイル330の表面の一部に沿って設置されてもよい。例えば、非導電性テープ331がコイル本体333の周りに巻装されることにより、コイルがその周りを包まれると、コイル本体333の巻線337の隣接する表面の少なくとも1つの表面が、テープ331によって相互からある距離に維持され、空気流または流体流間隙338を提供するよう。テープ331はまた、コイル本体333の表面上に一連の空気流または流体流チャネル332を生成し、コイル上に流動を配向する。任意に、テープ331は、非ゼロ角度、例えば、約45度の角度で、コイル本体333の周りに巻装され、巻線337の陥没または歪曲を防止あるいは最小にする。いくつかの実施形態では、ゼロ角度のラップが、好適であってもよい。テープ331は、種々の材料から作製されてもよい。例えば、テープは、シリコーンまたは類似特性を有する他の材料から作製されてもよい。そのような材料は、例えば、プラスチック、非導電性ポリマー、エポキシ等を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0182】
動作時、図37における矢印によって示されるように、送風機324は、1つ以上の入口319を通して筐体316内に空気を引き込むか、あるいは押し出すことができる。空気は、間隙320および322を通して、伝導性コイル330の周囲またはそれの上方に、非導電性テープ331の細片間に、ならびに空気流または流体流チャネル332を通して、引き込まれるか、または押し出される。空気はまた、空気流または流体流間隙338を通して、コイル本体333を構成する巻線337間、および/または中心開口312(図35に示される)を通して、引き込まれるか、または押し出されてもよい。したがって、空気は、伝導性コイル330またはコイル本体333の上方を、その周囲および/またはそれを通して、ならびに患者インターフェースプレート318および筐体の残りと伝導性コイル330との間を循環され、筐体316から引き出されることに伴って、継続的または周期的にリフレッシュされる。これは、伝導性コイルを冷却または絶縁し、患者インターフェースプレート318を患者が使用するための容認可能な温度に維持することを可能にする。例えば、患者インターフェースプレート318は、温度約50℃未満、または約45℃未満、または約42℃未満、または約37乃至42℃に維持されてもよい。
【0183】
再度、図34および37を参照すると、ある実施形態において、エネルギー放出デバイスは、筐体内に設置される伝導性コイルを含み、伝導性コイルは、1つ以上の巻線および中心開口を有するコイル本体を有する。材料がコイル本体の表面上に設置され、伝導性コイルを冷却するための流体流チャネルを提供し、隣接するコイル巻線間の分離を維持し得る。また、冷却デバイスが、提供されてもよい。冷却デバイスは、コイル本体の上方を、巻線間の間隙を通して、および/または中心開口を通して、筐体内に空気を引き込むことによって伝導性コイルを冷却するように構成される送風機324または他のデバイスであってもよい。
【0184】
任意に、筐体は、患者と接触し、伝導性コイル300または330から患者を分離することができる患者インターフェースプレート318を含むことができる。筐体はまた、排気プレート325を含んでもよい。排気プレート325は、設置され得る実質的に患者インターフェースプレート318の反対側に設置され、概して、患者から離れるように対向し、冷却デバイス、例えば、送風機324または伝導性コイルを冷却するための他のデバイスを封入してもよい。
【0185】
ある実施形態において、(例えば、図34に示されるように)センサ、例えば、センサ326が、任意に提供され、排気プレート325の近傍またはそれに近接して、あるいは排気される空気の経路内に、設置されてもよい。センサは、筐体、伝導性コイル、または冷却デバイスに取着されてもよく、あるいはエネルギー放出デバイスから別個であってもよいが、エネルギー放出デバイスに近接して位置する。センサは、排気プレート325から排気される、加温された空気の温度を監視するために使用され、伝導性コイルが高負荷で継続して動作している場合でも、温度が、患者、医師、または他のユーザに有害となり得る危険なレベルに到達しないことを保証する温度センサであってもよい。任意に、所望の温度は、伝導性コイルが稼働時の負荷が、センサによって提供される温度データに従って調節され得る、自動または手動フィードバックループを提供することによって維持されてもよい。
【0186】
任意に、温度センサは、患者インターフェースプレート318の温度を監視するために提供されてもよい。センサは、筐体、伝導性コイル、または患者インターフェースプレートに取着されてもよく、またはエネルギー放出デバイスから分離していてもよいが、患者インターフェースプレート318に近接して位置する。センサは、患者インターフェースプレートの温度を監視するために使用され、伝導性コイルが高負荷で継続して動作することに応じて、温度が患者に有害となり得る危険なレベルに到達しないことを保証する温度センサであってもよい。ある実施形態において、患者インターフェースプレートの温度を監視するための温度センサは、プレートが約42℃未満の温度を保持することを保証する。任意に、所望の温度は、伝導性コイルの稼働時の負荷が、センサによって提供される温度センサに従って調節され得る自動または手動フィードバックループを提供することによって維持されてもよい。
【0187】
ある実施形態において、伝導性コイルは、非常に高い負荷を含む種々の負荷で継続的または周期的に稼働する一方で、筐体上に設置される患者インターフェースプレートが、容認可能かつ患者が安全な温度、例えば、温度約42℃未満を保持するように構成されてもよい。例えば、エネルギー放出システムによって提供されるパルスの数およびそれを行う時間間隔は可変であることができる。例えば、エネルギー放出システムは、伝導性コイルが、約20乃至40分にわたって約34,000乃至約47,000のパルスまたは36,000乃至約45,000のパルス、あるいは約30分にわたって最大約44,400のパルスを提供する一方、筐体上に設置される患者インターフェースプレートが温度約42℃未満に維持されるように、構成されてもよい。伝導性コイル、筐体、および冷却デバイスを含め、本明細書に説明されるエネルギー放出システムの種々の特徴は、伝導性コイルを高電力率および高負荷で動作することを可能にする。例えば、コイルは、以下のパラメータで動作してもよい:約10乃至30ヘルツ、または約15乃至25ヘルツ、または約20ヘルツ、および約700乃至1100ボルト、または約800乃至1000ボルト、または約900ボルト、約25乃至40分間、または27乃至35分間、または約30分間。ある実施形態において、エネルギー放出システムの特徴は、過熱を防止するか、または患者への危険を防止するために必要な伝導性コイルの遮断を伴うことなく、実質的に継続して、周期的に、または高反復率で伝導性コイルを動作可能にする。
【0188】
ある実施形態において、磁気誘導療法の方法が提供される。方法は、放出デバイスに対して患者の身体の第1の部分エネルギーを設置するステップを含み、それにより、患者の身体の第1の部分内の標的神経が、エネルギー放出デバイス内またはそれに沿って配置される伝導性コイルに近接する。次いで、電流が伝導性コイルを通って流れ、標的神経上に集中される磁場を発生させる。患者の身体の第1の部分、例えば、患者の脚または足首は、エネルギー放出デバイスおよび伝導性コイルに対して設置されるか、または任意に、伝導性コイルは、伝導性コイルによって発生された電磁または磁束が、標的神経の上に、その近傍に、またはその上方に、あるいは標的神経に近接して集中されるように患者の身体の第1の部分に対して位置する。
【0189】
伝導性コイルは、動作の間、その後、またはその前に、冷却されることができる。冷却は、伝導性コイル本体の上方に、伝導性コイルを構成する種々の巻線間に、および任意に、伝導性コイルの中心開口を通して、ある流量の空気または他の流体を引き込むことによって行われ得る。流体流または空気流は、可変であってもよい。例えば、流量は、約100CFMを上回ってもよく、あるいは約20CFM乃至約100CFM、または約25CFM乃至約60CFMの範囲であってもよい。他の実施形態では、冷却デバイスは、約0.5リットル/秒乃至約4リットル/秒、または約1リットル/秒乃至約2リットル/秒の範囲の流量の空気流または流体流を提供してもよい。圧力水頭パラメータは、可変であってもよい。例えば、圧力水頭は、H20の約0.5インチ乃至H20の約10インチ、またはH20の約0.5インチ乃至H20の約4インチの範囲であってもよい。
【0190】
伝導性コイルが冷却されることに伴って、伝導性コイルの上方、その周囲および/またはそれを通って通過し、コイルを冷却する加温空気または他の加温流体が、患者の身体の第1の部分から離れるようにエネルギー放出デバイスから排気されてもよい。エネルギー放出デバイスまたは筐体は、排気プレートまたは他の出口を有してもよく、それによって、加温された空気は、患者の身体の第1の部分と実質的に反対方向にデバイスから退出し、加温または加熱された空気との患者接触を防止または最小にするように、排気される。
【0191】
任意に、デバイスから退出する加温された空気の温度は、温度が比較的に安全レベルに温度を維持するために調整することができるように、監視される。ある実施形態において、患者インターフェースプレートまたは患者と接触する可能性のあるエネルギー放出デバイスの一部の温度もまた、監視または検出されてもよい。この監視は、比較的に安全レベル、例えば、約42℃未満に温度を維持するように温度を調整可能にする。
【0192】
ある実施形態において、伝導性コイルは、非常に高い負荷を含む種々の負荷で継続的または周期的に稼働する一方、筐体上に設置される患者インターフェースプレートが、容認可能かつ患者安全温度、例えば、温度約42℃未満を保持するように構成されてもよい。例えば、エネルギー放出システムによって提供されるパルスの数およびそれを行うための時間間隔は、可変であることができる。例えば、エネルギー放出システムは、伝導性コイルが、約20乃至40分にわたって約34,000乃至約47,000のパルス、または36,000乃至約45,000のパルス、あるいは約30分にわたって最大約44,400パルスを提供する一方、筐体上に設置される患者インターフェースプレートが約42℃未満の温度に維持されるように構成されてもよい。
【0193】
前述の方法は、種々の病状を治療あるいは防止するか、および/またはその関連付けられた症状を緩和あるいは最小にするために使用することができる。そのような病状の実施例は、尿失禁、便失禁、および/または下肢静止不能症候群を含む。
【0194】
本明細書の実施形態のいずれかに説明される伝導性コイルは、種々の形状または構成をとってもよい。例えば、伝導性コイルは、実質的に平面であってもよい。図32−34に示される螺旋伝導性コイル300は、実質的に平面である。任意に、図38−39を参照すると、伝導性コイル340は、実質的に円錐の構成または形状であってもよい。円錐構成においては、図38に示されるように、伝導性コイルの中心は、内側巻線348から開始し、コイルの縦軸(破線として示される)に沿って、外側巻線349から距離Yに位置している。各連続巻線は、縦軸に沿って隣接するより大きな巻線の周縁または円周を越えて延在し得る。円錐コイルは、任意に、また、前述のように、その表面に取着されるか、またはコイルの周りに巻装される材料、例えば、非導電性材料を有してもよい。
【0195】
図39は、円錐構成を有する伝導性コイル340の実施形態の断面側面図を示す。使用時において、伝導性コイル340は、患者の脚に対して、患者の踝または足首の少なくとも一部の上方に、下層標的神経、例えば、脛骨神経に近接して設置されてもよい。任意に、図40に示されるように、円錐コイル340は、筐体342内に設置され、前述の冷却機構のいずれかを組み込み、例えば、冷却デバイス324を使用して、伝導性コイル340の周囲、それの上方を、および/またはそれを通して、空気または他の流体を引き込むか、または押し出してもよい。
【0196】
本明細書に説明される実施形態のいずれかにおいて、コイルは、種々の構成をとってもよい。例えば、コイルの断面領域は、実質的に、長方形、正方形、または円形形状であってもよい。ある実施形態において、図41および42に示されるように、コイルは、リボン状構成をとってもよい。図41は、コイル巻線の一区分の上面図を示す。コイル巻線の表面は、実質的に平坦である。図42は、コイル巻線の断面を示し、断面の高さは、その幅を上回り、例えば、その幅に対して高さが25乃至60倍大きい。コイル巻線の端部は、類似寸法を有し得る。これは、電流を伝導し、電磁あるいは磁場を発生させる、および/または冷却するための好適な螺旋構成に、コイルを緊密に巻回または包填可能にする。コイルは、種々の伝導性材料、例えば、銅または類似特性を有する他の材料から作製されることができる。
【0197】
別の実施形態では、内科治療を提供するエネルギー放出システムは、標的神経上に集中される磁場を発生させるように構成される伝導性コイル350(その断面が、図43に示される)を含むことができる。伝導性コイル350は、第1の端部351および第2の端部352とともに、第1の端部と第2の端部との間に設置されるコイル本体353を有することができる。内腔354は、第1の端部から第2の端部へと、コイル本体353を通って延在することができる。内腔354は、伝導性コイル350を冷却するために、第1の端部と第2の端部との間の流体の通過を可能にする、コイルの第1の端部351から第2の端部352に延在する通路を提供する。例えば、空気または非導電性冷却液体(矢印によって示される)は、コイルの内腔354を通って流され、それによって、一端から他端に流されることによってコイルを冷却し得る。流体が、冷却され、再循環されることができるか、または新鮮な流体の継続流が、コイルを通過させられることができる。任意に、伝導性コイルは、部分的または完全に、材料、例えば、非導電性材料(図示せず)によって塗膜され、コイルを構成するコイル巻線の伝導性表面が相互に接触しないことを保証することができる。
【0198】
別の実施形態では、内科治療を提供するエネルギー放出システムは、標的神経上に集中される磁場を発生させるように構成される伝導性コイル360を含むことができる。(図44aおよび44bは、伝導性コイル360を構成するコイル巻線の一部の上面図を示す)。伝導性コイルは、少なくとも、第1の巻線307および第2の巻線307、または一連の巻線を有してもよい。第2の巻線は、コイルの中心からその外側周縁へと各連続巻線の半径が増加するように、第1の巻線の曲率半径を上回る曲率半径を有し得る。各巻線307は、上表面361および底表面362を有し、巻線307の上および/または底表面は、そこから延在する1つ以上の隆起突起363を有してもよい。突起363は、連続巻線367を相互から分離し、例えば、対流によって冷却するための空気または他の流体の通過を可能にする間隙を形成する。加えて、突起363は、コイルを構成する巻線367の伝導性表面361、362が、相互に接触しないことを保証することを支援する。隆起突起363は、種々の材料、例えば、セラミックまたは類似特性を有する他の材料から作製されてもよく、種々の形状、例えば、円形、楕円形、長方形、球形等に構成されてもよい。突起は、当技術分野において周知の任意の好適な様式によって、コイルの表面に接着、取着、または別様に添着されてもよい。
【0199】
別の実施形態では(その断面は、図45に示される)伝導性コイル370の少なくとも一部、例えば、巻線377の表面または巻線全体は、材料371、例えば、非導電性または相変化材料によって塗膜あるいは別様に被覆されてもよい。材料371は、巻線377を相互から分離し、伝導による冷却を可能にすることができる。コイルからの熱は、吸熱器として作用する材料371によって吸収されることができる。例えば、鑞または類似特性を有する他の材料等、種々の非導電性または相変化材料が使用されてもよい。
【0200】
使用時において、鑞または他の材料は、伝導性コイルから発生した熱を吸収する。鑞は、吸熱器を提供するときに、溶融し、相を変化させ得る。冷却デバイス(図示せず)、例えば、ファン、送風機等がまた、システム内に実装され、冷却デバイスが、冷却プロセスの後またはその際に溶融された鑞を冷却し、それによって、硬化させるように構成されてもよい。任意に、塗膜された伝導性コイル巻線377は、冷却されると、伝導性コイル370上で再固化され得るように、鑞または他の材料を適所に保持する包体(図示せず)によって包囲されることができる。
【0201】
非導電性または相変化材料は、当業者に周知の種々の技法、例えば、噴霧、蒸着、または浸漬によって、コイル表面上に塗布あるいは塗膜されることができる。塗膜は、再使用されることができるか、または新しい塗膜が、各使用後に再塗布されることができる。例えば、鑞は、溶融され、除去することができる。または、伝導性コイルは、鑞または他の塗膜が溶融されると、使用後に交換されることができる。材料の塗膜は、コイルサイズ、構成、負荷、および/または電力に応じて、特定のコイルを適切に冷却するために好適なコイルの表面上の厚さを有するように塗布されてもよい。厚さは、可変であってもよい。例えば、材料は、厚さ約0.25インチ乃至1インチ、または約0.5インチ乃至0.75インチを有してもよい。
【0202】
任意に、種々の実施形態では、伝導性コイルの各巻線は、伝導性コイル巻線が相互から分離され、コイル本体全体が絶縁または被覆されるように、材料、例えば、非導電性または相変化材料によって、個々に封入あるいは塗膜されることができる。他の実施形態では、コイルの1つ以上の表面が塗膜されてもよく、各コイル巻線が塗膜されなくてもよい。
【0203】
図46aは、材料381、例えば、非導電性または非熱伝導性もしくは熱伝導性の材料、例えば、熱伝導性プラスチック、エポキシ、またはCool Polymers(登録商標)製材料、あるいは類似特性を有する他の材料、もしくはそのような特性の組み合わせの中に埋込、被覆、または封入され得る伝導性コイル380の実施形態の側面図を示す。伝導性コイルを包囲する材料381の断面が図46に示される。埋込または封入材料381は、非導電性および/または非熱伝導性であるか、あるいは別様に熱的または電気的に絶縁されて患者を保護する患者インターフェースプレート382を含むことにより、前述のように、伝導性コイルから患者を分離し得る。流体は、埋込または封入部の裏面383の上方を通過させられ、それによって、伝導性コイル380を冷却し得る。
【0204】
任意に、図46bに示されるように、1つ以上の加熱フィン384が、埋込または封入部の裏面383から延在し、伝導性コイル380の上方を流体に通過させるためのチャネルを提供し、それによって、コイルを冷却することができる。加熱フィン384は、埋込または封入部に取着される、あるいはその延長部であってもよい。流体は、冷却デバイス、例えば、ファン、送風機、冷蔵デバイスによって供給されてもよい。ポンプまたは他のシステムが、埋込または封入部の上方に流体を供給するために使用され得る。流体は、任意に、再使用のために再循環されるか、または初期または再循環される使用のために、冷却デバイスを使用して冷却され得る。周囲の空気、あるいは水または他の流体が、任意に使用されてもよい。
【0205】
別の実施形態では(その断面は、図47に示される)、伝導性コイル390は、材料、例えば、セラミック等の非導電性材料391内に封入または被覆されてもよい。次いで、伝導性コイル390は、コイルの上方、およびその周囲を通過させる流体を保持し、コイルを冷却する冷却システムを生成し得る、付加的な包体または筐体392内に留置されることができる。ポンプ393または他のシステムが、コイルの上方、またはその周囲に、およびコイル巻線間に、流体を移動させるために実装され得る。システムを通過する加温または加熱された流体を冷却するため、またはシステムを通過しようとする流体を冷却するための冷却デバイス394がまた、実装されてもよい。ある実施形態において、水が、伝導性コイルを冷却するために使用される流体であってもよい。
【0206】
本明細書において説明される伝導性コイルの実施形態のいずれにおいても、伝導性コイルの第1の巻線は、任意に、伝導性コイルが、下層の標的神経に近接して設置されるように、患者の身体の第1の部分を受容するように定寸される中心開口を包囲してもよい。中心開口はまた、空気または他の流体が、開口を通して、伝導性コイル表面の上方を、およびその周囲を通過し得ることによって冷却プロセスを補助する。任意に、中心開口は、伝導性コイルが、脛骨神経に近接して設置されるように、踝の少なくとも一部を包囲するように定寸されてもよい。前述のように、伝導性コイルは、実質的に平面、実質的に円錐、または特定のデバイスまたは患者に好適な他の構成である螺旋の形態であってもよい。
【0207】
前述の実施形態のいずれかに使用され、対応する図に例示されるコイルは、種々の形状、サイズ、および構成をとってもよい。例えば、コイルは、螺旋(示されるように)として成形されるか、または単純螺旋形パターンもしくは8の字形コイル、四葉のクローバー形コイル、ヘルムホルツコイル、改良型ヘルムホルツコイルを有するか、または前述のコイルパターンの組み合わせとして成形されてもよい。加えて、前述のもの以外の他のコイル設計も、標的神経を包含する磁場が発生される限り利用される場合がある。
【0208】
任意に、本明細書に説明される伝導性コイルのいずれも、材料、例えば、非導電性材料によって塗膜または別様に被覆され、コイルを構成する巻線の伝導性表面が、相互に接触しないことを保証することができる。
【0209】
本明細書において説明される伝導性コイルは、種々の寸法、形状、およびサイズを有してもよい。例えば、ある実施形態において、巻線あるいは巻線の端部または断面は、約1乃至5cm、または約10mm乃至51mm(約0.3インチ乃至2インチ)、または約25mm乃至40mm(約1インチ乃至1.5インチ)、または約12mm乃至40mm(約0.5インチ乃至1.5インチ)、または約0.5インチ乃至2インチの範囲の高さを有してもよい。巻線あるいは巻線の端部または断面は、約0.5mm乃至約5mm(約0.019インチ乃至0.19インチ)、または約1mm乃至約2mm(約0.03インチ乃至0.07インチ)、または約0.2mm乃至約1.6mm(約0.01インチ乃至0.06インチ)の範囲の幅を有してもよい。寸法は、コイル巻線が緊密に包填または巻回される一方で、依然として隣接する巻線間の間隙または空間を維持し、伝導および/または冷却を可能にし得る。伝導性コイルは、約4.5インチ乃至約5インチの範囲の直径を有してもよい。ある実施形態において、伝導性コイルの巻線の数は、可変であることができ、例えば、コイルは、約14乃至20の巻線を含んでもよく、間隙は、隣接する巻線から巻線の全部または多くを分離する。
【0210】
前述の実施形態のいずれにおいても、システムは、任意に、センサ、例えば、レーザドップラーまたは超音波ドップラーを含んでもよい。センサは、(例えば、コイル内の開放部または空間を通して)、脛骨神経に沿って延びる脛骨動脈の設置を検出するために使用され、磁気誘導療法を伝導させるために、伝導性コイルに対して、患者の身体の適切な留置を保証するのを支援してもよい。
【0211】
また、本明細書に説明されるエネルギー放出システムまたはデバイスの任意のものは、伝導性コイルによって発生され、患者に送達される磁場、あるいは患者に送達される電気刺激から生じる、刺激された神経または筋肉刺激の伝導を検出するためのセンサを伴って、または伴わずに使用されることができることが想定される。また、前述の実施形態のいずれにおいても、コントローラは、任意に、伝導性コイルおよび/またはセンサに接続、連結、統合されるか、あるいは別様に通信し得る。任意に、センサは、伝導性コイルに接続、連結、統合されるか、あるいは別様に通信し得る。
【0212】
本発明は、前述の実施形態に関連して説明されたが、発明の範囲を記載された特定の形態に限定することを意図するものではなく、対照的に、発明の範囲内に含まれる、そのような代替、修正、および均等物を網羅することが意図される。さらに、本発明の範囲は、当業者に明白となり得る、他の実施形態を完全に包含し、本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内科治療を提供するエネルギー放出システムであって、
伝導性コイルを備え、該伝導性コイルは、標的神経に集中される磁場を生成するように構成され、該伝導性コイルは、中心開口を有するコイル本体と、該コイル本体の表面上に設置される非導電性材料とを備える、システム。
【請求項2】
前記非導電性材料は、前記伝導性コイルを冷却するために、前記コイル本体の隣接する巻線の間に流体流の間隙を維持するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
患者インターフェースプレートを有する筐体をさらに備え、前記伝導性コイルは、間隙が該伝導性コイルと患者インターフェースプレートとの間に提供されるように、該筐体内に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記伝導性コイルと患者インターフェースプレートとの間の前記間隙は、約1mm乃至2mmの範囲の幅を有する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記非導電性材料と前記患者インターフェースプレートとの間の距離は、約0.2mm乃至0.5mmである、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記患者インターフェースプレートは、反射面を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
冷却デバイスをさらに備え、前記伝導性コイルは、前記患者インターフェースプレートと該冷却デバイスとの間に設置され、該冷却デバイスは、冷却するために、該伝導性コイルの上方、および前記コイル本体の隣接する巻線の間の間隙を通して空気を動かすように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記冷却デバイスは、毎秒約1リットル乃至毎秒2リットルの空気流量を提供するファンを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
冷却デバイスをさらに備え、該冷却デバイスは、前記筐体の中へ、前記コイル本体の上方を、前記コイルの隣接する巻線の間を、および前記中心開口を通して、空気を引き込むように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
前記筐体は、前記患者インターフェースプレートの実質的に反対側に設置される排気プレートを備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記排気プレートに近接して設置されるセンサをさらに備え、該センサは、該排気プレートから排気される暖められた空気の温度を監視する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記患者インターフェースプレートに近接して設置されるセンサをさらに備え、該センサは、該患者インターフェースプレートの温度を監視する、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムは、約20乃至40分にわたって約36,000乃至45,000のパルスを提供するように構成される一方で、前記患者インターフェースプレートは、42℃より高くない温度を維持する、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記標的神経における筋肉刺激または電気伝導を検出するように構成されるセンサと、前記コイルに連結され、該センサと連絡している制御器とをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記伝導性コイルは、実質的に平面的である、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記伝導性コイルは、実質的に円錐形である、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記伝導性コイルの直径は、長さ約4.5インチ乃至約5インチである、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記伝導性コイルは、14乃至20の巻線を備え、各巻線は、間隙によって分離される、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記コイル本体は、第1の巻線をさらに備え、該第1の巻線の断面は、その高さがその幅よりも大きいように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の巻線の断面は、約0.5インチ乃至約2インチの高さと、約0.01インチ乃至約0.06インチの幅とを有する、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の巻線は、第1の表面を備え、該第1の表面の少なくとも一部分は、伝導冷却を可能にする相変化材料によって被覆される、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記相変化材料は、ワックスを備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
冷却デバイスをさらに備え、該冷却デバイスは、前記相変化材料を冷却し、それにより、凝固させるように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記非導性材料は、前記コイル本体の隣接する巻線の間に空気流の間隙を維持し、前記伝導性コイルを冷却するための空気流チャネルを提供するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記非導電性材料は、エポキシ、プラスチック、非導電性ポリマー、およびシリコーンから成る群より選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記非導電性材料は、非ゼロの角度で前記コイル本体の周りに巻線付けられるテープを備え、該テープは、前記伝導性コイルを冷却するために、該コイル本体の隣接する巻線の間に流体流の間隙を維持するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記テープは、シリコーンを備える、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記標的神経における筋肉刺激または電気伝導を検出するように構成されるセンサと、前記コイルに連結され、該センサと連絡している制御器とをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
筐体内に設置される伝導性コイルを備える、内科治療を患者に提供するエネルギー放出システムであって、該伝導性コイルは、標的神経に集中される磁場を生成するように構成され、該システムは、
第1の巻線、第2の巻線、および中心開口を有するコイル本体と、
冷却デバイスと
を備え、該冷却デバイスは、該筐体の中へ、該コイル本体の上方を、該第1と第2の巻線との間に、および該中心開口を通して、空気を引き込むように構成される、システム。
【請求項30】
前記コイル本体の表面上に設置される非導電性材料をさらに備え、該材料は、該コイル本体の隣接する巻線の間に空気流の間隙を維持し、前記伝導性コイルを冷却するための空気流チャネルを提供するように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記筐体は、患者インターフェースプレートと、該患者インターフェースプレートの実質的に反対側に設置される排気プレートとを備える、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記排気プレートに近接して設置されるセンサをさらに備え、該センサは、該排気プレートから排気される暖められた空気の温度を監視する、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記患者インターフェースプレートに近接して設置されるセンサをさらに備え、該センサは、該患者インターフェースプレートの温度を監視する、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記システムは、約20乃至40分にわたって約36,000乃至45,000のパルスを提供するように構成される一方で、前記筐体の患者インターフェースプレートは、42℃より高くない温度を維持する、請求項29に記載のシステム。
【請求項35】
前記標的神経における筋肉刺激または電気伝導を検出するように構成されるセンサと、前記コイルに連結され、該センサと連絡している制御器とをさらに備える、請求項29に記載のシステム。
【請求項36】
前記伝導性コイルは、間隙が該伝導性コイルと前記筐体の患者インターフェースプレートとの間に提供されるように、該筐体内に配置される、請求項29に記載のシステム。
【請求項37】
前記伝導性コイルと患者インターフェースプレートとの間の前記間隙は、約1mm乃至2mmの範囲の幅を有する、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記コイル本体の表面上に設置される非導電性材料と前記患者インターフェースプレートとの間の距離は、約0.2mm乃至0.5mmである、請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記患者インターフェースプレートは、反射面を備える、請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
前記冷却デバイスは、毎秒約1リットル乃至毎秒2リットルの空気流量を提供するファンを備える、請求項29に記載のシステム。
【請求項41】
前記伝導性コイルは、実質的に平面的である、請求項29に記載のシステム。
【請求項42】
前記伝導性コイルは、実質的に円錐形である、請求項29に記載のシステム。
【請求項43】
前記伝導性コイルの直径は、長さが約4.5インチ乃至約5インチである、請求項29に記載のシステム。
【請求項44】
前記伝導性コイルは、14乃至20の巻線を備え、各巻線は、間隙によって分離されている、請求項29に記載のシステム。
【請求項45】
磁気誘導療法の方法であって、
患者の身体の第1の部分内の標的神経が、エネルギー放出デバイス内に、またはそれに沿って配置される伝導性コイルに近接しているように、該エネルギー放出デバイスに対して該身体の第1の部分を設置することと、
該標的神経に集中される磁場を生成するように、該伝導性コイルを通して電流を流すことと、
該標的神経付近に磁束を集中することと、
該伝導性コイルを冷却するために、該伝導性コイル本体の上方、該伝導性コイルの第1と第2の巻線との間、および該伝導性コイルの中心開口を通して、ある流量で空気を引き込むことと
を含む、方法。
【請求項46】
前記流量は、毎秒1リットル乃至毎秒約5リットル、または毎秒2リットル乃至毎秒約4リットルから成る群より選択される流量の範囲を備える、請求項45に記載の磁気誘導療法の方法。
【請求項47】
前記空気流は、20CFM乃至約100CFM、または約25CFM乃至約60CFMから成る群より選択される流量の範囲を備える、請求項45に記載の磁気誘導療法の方法。
【請求項48】
空気流は、約0.5インチのH20乃至約10インチのH20、または約0.5インチのH20乃至約4インチのH20から成る群より選択される圧力水頭の範囲を備える、請求項45に記載の磁気誘導療法の方法。
【請求項49】
前記患者の身体の第1の部分から離れるように暖められた空気を排気することをさらに含む、請求項45に記載の磁気誘導療法の方法。
【請求項50】
前記暖められた空気は、前記患者の身体の第1の部分と実質的に反対の方向に排気される、請求項49に記載の磁気誘導療法の方法。
【請求項51】
前記排気された空気の温度を検出することをさらに含む、請求項49に記載の磁気誘導療法の方法。
【請求項52】
前記エネルギー放出デバイスは、該デバイスの患者インターフェースプレートを42℃より高くない温度に維持しながら、約20乃至40分間にわたって約36,000乃至45,000のパルスを提供する、請求項45に記載の磁気誘導療法の方法。
【請求項53】
前記標的神経は、脛骨神経である、請求項45に記載の磁気誘導療法の方法。
【請求項54】
尿失禁、便失禁、下肢静止不能症候群、または早漏と関連付けられる症状を示す患者を治療することをさらに含む、請求項45に記載の磁気誘導療法の方法。
【請求項55】
内科治療を提供するエネルギー放出システムであって、
標的神経に集中される磁場を生成するように構成される伝導性コイルを備え、該伝導性コイルは、第1の巻線および第2の巻線を有し、該第1の巻線は、該第2の巻線から該第1の巻線を分離する少なくとも1つの隆起突起を有する第1の表面を備え、該少なくとも1つの隆起突起は、伝導冷却を可能にする間隙を形成する、システム。
【請求項56】
前記隆起突起は、セラミックまたはセラミック合金から成る群より選択される非伝導性材料を備える、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記第2の巻線は、前記第1の巻線の曲率半径よりも大きい曲率半径を有する、請求項55に記載のシステム。
【請求項58】
内科治療を提供するエネルギー放出システムであって、
標的神経に集中される磁場を生成するように構成される伝導性コイルを備え、該伝導性コイルは、第1の端部および第2の端部と、該第1の端部と第2の端部との間に設置され、その中に管腔を有するコイル本体とを備え、該管腔は、該第1の端部から該第2の端部まで延在する通路を提供し、該管腔は、該伝導性コイルを冷却するために、該第1の端部と該第2の端部との間における流体の通過を可能にするように構成される、システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20a】
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【図20b】
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【図20c】
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【図20d】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29a】
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【図29b】
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【図29c】
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【図29d】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41−42】
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【図43】
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【図44a】
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【図44b】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公表番号】特表2013−500081(P2013−500081A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521857(P2012−521857)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/043143
【国際公開番号】WO2011/011749
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(509090807)エムキネティクス, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】