説明

伸縮継手の劣化検知システム

【目的】 ガスタービンや焼却炉等の燃焼装置に接続されている金属製ダクトに介在される伸縮継手について、簡易且つ安全に劣化を検知することができるシステムを提供する。
【構成】 燃焼装置に接続される金属性ダクト5の継ぎ目に気密的に接続される可撓性シール膜15,16を、少なくとも2層有する伸縮継手8Aと、前記2層の可撓性シール膜15,16間の圧力と、伸縮継手8Aの内側の圧力との差圧を検出するための第1差圧検出部30と、前記2層の可撓性シール膜15,16間の圧力と、伸縮継手8Aの外側の圧力との差圧を検出するための第2差圧検出部31と、を有することとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービン、ゴミ焼却炉等の燃焼装置のダクトに接続されている伸縮継手の劣化を検知するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
発電用及び機械駆動用の定置ガスタービンは、吸気ダクトを通じて供給される燃焼用空気を圧縮機で圧縮し燃料と混合させて燃焼させ、発生した高温高圧のガスでタービン翼を回転させて動力を得る。燃焼ガスは、排ガスとして排気ダクトから排出される。
【0003】
ガスタービンに供給される燃焼用空気は、燃焼用空気を清浄にする吸気フィルターによって外気中に含まれる埃や腐食性成分が除去され、金属製吸気ダクトを通り、ガスタービンに取り込まれる。ガスタービン本体は、作動及び停止に伴って、熱膨張及び熱収縮するため、吸気ダクトとの間にズレが生じる。このズレを吸収するため、吸気ダクトに伸縮継手が介在させられている。一般に、吸気ダクトの伸縮継手は、常温での使用であること、内部流体が清浄であること、内圧は大気圧のマイナス1kPa程度であること、及び外部との気密性が必要なこと等から、伸縮可撓性のあるゴム膜が採用されている。
【0004】
ガスタービン運転中に吸気ダクトの伸縮継手が破れると(開口ができると)、外気を直接吸い込むことにより、下記(1)〜(4)のような問題が発生する。
【0005】
(1) 外気中の埃を吸い込むことになり、ガスタービンの空気圧縮機の動静翼に埃が付着し、圧縮効率が低下し、ガスタービンの効率も低下する。
【0006】
(2) 外気中の埃に、硫黄分、カリウム、ナトリウム、塩素等の腐食性成分が含まれると、タービン動静翼に高温硫化腐食や応力腐食割れを起こす。
【0007】
(3) 吸気フィルターにより清浄にされた空気は、その後空気ダクトを通過しながら整流されガスタービンの空気圧縮部に流入するが、伸縮継手が敗れるとこの整流を阻害し空気圧縮機入口で偏流、乱流、渦流を発生し、空気圧縮機の動静翼の固有振動数と共振すれば翼の折損事故につながる。
【0008】
(4) 伸縮継手がエンクロージャー内部に設置されていると、日常点検では扉を開放して内部点検をする必要があるが、ガスタービン運転中は点検作業者は駆動部に巻き込まれたり、また高温部に触れて火傷するなどの事故につながる危険性がある。
【0009】
次に、排気ダクトに関し、ガスタービンから排出される排ガスは、500℃を超える高温であるので、排気ダクトを通じて、排ガスボイラに供給され、排熱回収される場合が多い。ガスタービンから排出される排ガスが高温のため、ガスタービンと後流設備(排熱回収用の排ガスボイラー等)とを接続する金属製の排気ダクトにおいても、ダクトの熱膨張・熱収縮を吸収するための伸縮継手が介在される(特許文献1等)。ガスタービンの排気ダクトの伸縮継手が破れると、高温の排ガスが放出されることとなり、危険である。
【0010】
さらに、ゴミ焼却炉やボイラー等で排出される排ガスも高温となり、これらの燃焼装置の排気ダクトに介在されている伸縮継手も破れると危険である。
【0011】
従来では、伸縮継手の破れ等の劣化を検知する監視機能は装備されておらず、目視による日常点検を行い、劣化寿命を予測して交換するなどしていた。
【特許文献1】特許第3790403号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記従来のような目視での点検には時間がかかるうえ、点検作業に危険が伴う恐れがある。
【0013】
そこで、本発明は、ガスタービンや焼却炉等の燃焼装置に接続されている金属製ダクトに介在される伸縮継手について、簡易且つ安全に劣化を検知することができるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る伸縮継手の劣化検知システムは、燃焼装置に接続される金属性ダクトの継ぎ目に気密的に接続される可撓性シール膜を少なくとも2層有する伸縮継手と、前記2層の可撓性シール膜の少なくとも1方の可撓性シール膜の劣化を検知するために、少なくとも前記2層の可撓性シール膜間の圧力を検出する圧力検出手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
前記圧力検出手段は、前記2層の可撓性シール膜間の圧力と、前記伸縮継手の内側の圧力との差圧を検出するための第1差圧検出部と、前記2層の可撓性シール膜間の圧力と、前記伸縮継手の外側の圧力との差圧を検出するための第2差圧検出部と、を有することとしても良い。
【0016】
前記燃焼装置がガスタービンであり、前記伸縮継手は、ガスタービンの吸気ダクトに接続され、且つ、ガスタービンを収容する、換気ファンが設置されたエンクロージャー内に配置され、前記第1差圧検出部は、前記伸縮継手内の燃焼用空気圧力と前記2層の可撓性シール膜間の圧力との差圧を検出し、前記第2差圧検出部は、前記伸縮継手外の前記エンクロージャーで囲まれた周囲雰囲気圧力と前記2層の可撓性シール膜間の圧力との差圧を検出することとしても良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、伸縮継手が少なくとも2層の可撓性シール膜を有し、該2層の可撓性シール膜によってダクトの継ぎ目をシールしている。この可撓性シール膜の2層間の圧力と、伸縮継手の内側の圧力(ダクト内の圧力)及び伸縮継手の外側の圧力(ダクト外の圧力)とが、可撓性シール膜の破れる前後で異なれば、これらの圧力変化を監視しておくことにより、可撓性シール膜の破れを検知できる。
【0018】
また、2層の可撓性シール膜のうち、一方の可撓性シール膜が破れても、他方の可撓性シール膜によって伸縮継手内及びダクト内の気密性を確保できる。
【0019】
ガスタービンでは、ガスタービンの運転中は吸気ダクト内に多量の空気が流れ、圧縮機による吸引によって常圧より減圧状態となる。また、ガスタービンが収容されるエンクロージャーには、換気ファンが取り付けられており、換気ファンの換気方式にもよるが、換気ファンの作動中、エンクロージャー内は、常圧に比べて減圧状態または加圧状態となる。そのため、吸気ダクトの伸縮継手がエンクロージャー内に配置されている場合は、2層の可撓性シール膜間に常圧の空気が密封されておれば、該2層の可撓性シール膜間の圧力と伸縮継手の内外の圧力との間に圧力差が生じ、これらの差圧を検出することによって、差圧がゼロになれば可撓性シール膜に破れが生じたことを検知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る伸縮継手の劣化検知システムの実施形態について、以下に図1〜図5を参照して説明する。なお、全図及び全実施形態を通じ、同様の構成部分については同符号を付した。
【0021】
図1は、ガスタービン発電機の概略構成を示す概念図である。ガスタービン1は、発電機2、減速機3とともに、エンクロージャー4内に収容されている。エンクロージャー4には、吸気ダクト5が挿通されとともに、換気ファン6が取り付けられ、換気ファン6に換気ダクト7が接続されている。吸気ダクト5は、伸縮継手8Aを介して、ガスタービン1の圧縮機9に接続され、吸気フィルター5aで埃等をフィルタリングした燃焼用空気を圧縮機9に供給する。圧縮機9で圧縮された燃焼用空気は、燃料と混合され、燃焼器10で燃焼させられて高温・高圧のガスとなり、タービン11を駆動させる。タービン11及び圧縮機9と軸連結された減速機3を介して発電機2を駆動し、発電する。タービン11から排出される排気ガスは、排気ダクト12から排出される。排気ダクトには、伸縮継手8Bが介在されている。吸気ダクト5及び排気ダクト12は、ともに金属製である。
【0022】
図2は、吸気ダクト5に介在されている伸縮継手8Aを拡大して示す断面図である。図2に示すように、2層の可撓性シール膜15、16を備えている。可撓性シール膜15、16は、筒状をしている。可撓性シール膜15、16は、吸引ダクト5の継ぎ目付近の被接続端部5a、5bに固定されたフランジ17、18に、両端部間にスペーサ19を介在させた状態で、当板20を当てて、ボルト・ナット21により締結固定されている。可撓性シール膜15、16の両端間に挟持されるスペーサ19,19により、可撓性シール膜15、16の間Mに密閉された空間が形成されている。なお、可撓性シール膜15、16の吸引ダクト5への固定方法は、図示例の固定構造に限らず、種々の固定構造を採用し得る。
【0023】
吸引ダクト5の内部を流れる燃焼用空気は常温であるため、可撓性シール膜は、たとえば、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム等の伸縮可撓性を有するゴム材料で形成することができ、繊維で強化されていてもよい。スペーサ19も可撓性シール膜と同じ材料で形成してもよいし、可撓性シール膜間のシール性を確保できる材料であれば、他の材料で形成しても良い。図示しないが、図2のスペーサ19を省いて、2枚の筒状の可撓性シール膜を、周縁部だけを接着し、周縁部を除く可撓性シール膜間を気密にしてもよい。あるいは、図3に示すように、2層の可撓性シール膜15、16を周縁部19Aとともに一体成型により構成してもよい。
【0024】
ガスタービン1が作動しているとき、燃焼用空気Aは、吸気ダクト5を通じて圧縮機9に吸引される。そのため、吸気ダクト5内の圧力Pinは、常圧(大気圧)に比べてマイナス1kPa程度の減圧状態にある。また、ガスタービン1が作動しているとき、エンクロージャー4内を換気ファン6によって換気するため、換気方式によるが、エンクロージャー4内の圧力Poutが常圧に比べて減圧状態または加圧状態となる。伸縮継手8Aの可撓性シール膜15、16の間Mを常圧の空気で満たしておけば、可撓性シール膜15、16の間Mの圧力Pと、伸縮継手8Aの内側を流れる燃焼用空気Aの圧力Pinとの間に圧力差が生じている。また、可撓性シール膜15、16の間Mの圧力Pと、伸縮継手8Aの外側の空気圧(エンクロージャー4で囲まれた雰囲気の圧力)Poutとにも、圧力差が生じている。
【0025】
圧力検出手段として、可撓性シール膜15、16の間Mの圧力Pと伸縮継手8Aの内側の圧力Pinとの差圧dPを検出するための第1差圧検出部30と、可撓性シール膜15、16の間Mの圧力Pと伸縮継手8Aの外側の圧力Poutとの差圧dPを検出するための第2差圧検出部31とが備えられている。
【0026】
第1差圧検出部30は、圧力センサー30aの計測圧力と圧力センサー30bの計測圧力との差圧dPを検出し、第2差圧検出部31は、圧力センサー31aの計測圧力と圧力センサー31bの計測圧力との差圧dPを検出する。差圧の検出は、公知の演算回路により行われ得る。なお、図示例において、圧力センサー30aと31aとを別個のセンサーとしているが、一つの圧力センサーで兼用する回路構成としてもよい。圧力センサーは、公知の圧力センサーを使用でき、例えば、圧電素子を内蔵する圧力センサーを使用し得る。
【0027】
また、第1差圧検出部30、第2差圧検出部31は、差圧dP、dPを差圧信号として、DCS(Distributed Control System:分散制御システム)等の動力設備制御装置(図示せず。)に伝送する機能を有し得る。なお、DCSは、ガスタービン、発電機、ボイラ、付帯設備などの動力設備を分散制御する公知のシステムである。
【0028】
これらの差圧dP、dPを、第1差圧検出部30及び第2差圧検出部31によって常時監視しておき、ガスタービン作動中にこれらの差圧がゼロになれば、内側の可撓性シール膜15及び外側の可撓性シール膜16の何れかが破れ始め、劣化が始まったと判断し、DCSが自動的に警報を発生させる。なお、可撓性シール膜15、16の間Mは、伸縮継手8Aの内外の圧力と異なる圧力となるように、所定の圧力以下に減圧状態とし、あるいは、不活性ガスを圧入しておいて所定圧力以上の加圧状態としておくこともできる。
【0029】
上記のようにして伸縮継手8Aを構成している可撓性シール膜15、16の何れかが破れ始めたことを自動的に検知することができるので、目視検査に比較して、安全且つ迅速に劣化を察知できる。
【0030】
第1差圧検出部30及び第2差圧検出部31の双方によって、それぞれの差圧dP、dPを監視しておくことにより、内側の可撓性シール膜15と外側の可撓性シール膜16のどちらが破損したかを判別することができるため、破損した可撓性シールのみを交換することができる。
【0031】
また、可撓性シール膜15、16の一方の可撓性シール膜が破れたとしても、他方の可撓性シール膜によって伸縮継手8A内の気密性を確保することができるため、破損した可撓性シール膜を新しい伸縮継手に交換するまでの間、ガスタービンを継続して運転することができる。
【0032】
さらに、吸気ダクト5に介在された伸縮継手8Aは、劣化を迅速に検知することにより、フィルタリングされていない外部空気が燃焼用空気に混入するのを未然に防ぐことができるので、ガスタービン効率の低下、ガスタービン動静翼の高温硫化腐食及び応力腐食割れ、および、圧縮機動静翼の共振による破損事故を未然に防ぐことができる。
【0033】
なお、伸縮継手8Aが、エンクロージャー4の外に配置されている場合は、上記したように、可撓性シール膜15、16の間Mを、所定の圧力以下に減圧状態とし、あるいは、不活性ガスを圧入しておいて所定圧力以上の加圧状態としておけばよい。
【0034】
図4は、他の実施形態に係る伸縮継手の劣化検知システムを示す断面図である。この実施形態では、圧力検出手段として、2層の可撓性シール膜15、16の間Mの圧力Pを監視する圧力センサー40のみを備えている。可撓性シール膜15、16の何れかが破損する前の圧力Pが常圧であるとすると、ガスタービン1の作動中に、2層の可撓性シール膜15、16の何れか一方が破れると、可撓性シール膜15、16間の圧力は、Pから、伸縮継手8Aの内側の圧力Pinまたは伸縮継手の外側の周囲圧力Poutに変化するので、2層の可撓性シール膜15、16の何れかが破れ始めたことを検知することができる。この場合、2層の可撓性シール膜15、16の何れが破れたかは、圧力検出手段の計測値が、PinかPoutかによって判定することができる。なお、この例においても、必要に応じ、可撓性シール膜15、16の間Mを、所定の圧力以下に減圧状態とし、あるいは、不活性ガスを圧入しておいて所定圧力以上の加圧状態としてもよい。
【0035】
次に、ガスタービン1の排気ダクト12の介在されている伸縮継手8Bについて説明する。
【0036】
排気ダクト12を流れる排ガスは500℃を超える高温になるため、ガスタービン1の作動と停止に伴い、排気ダクト12が熱膨張と熱収縮を生じる。この熱膨張および熱収縮を吸収するため、排気ダクト12に伸縮継手8Bが介在されている。
【0037】
伸縮継手8Bは,図5に示すように、可撓性シール膜15a、16aが、それらの間にスペーサ19aを介在させて、フランジ17,18に押え板20及びボルト・ナット21によって固定されている。可撓性シール膜15aの内側(排気ダクト12の中心側)に、セラミック繊維、ガラスクロス等で構成される断熱材層50が、排気ダクト12の外周面に溶接されたスタッドボルト51、及び該ボルト51に螺入したナット52によって取り付けられている。可撓性シール膜15a、16aは、4フッ化ポリエチレン樹脂シート等の耐熱性材料が使用され得る。断熱材の構造、可撓性シール膜15a、16aの取付構造及びシール構造等は、図示例に限らず、種々構造のものが採用され得る。
【0038】
ガスタービン1から排出される高温の排ガスから余熱を回収して、排熱を有効利用するため、ガスタービン1の排気ダクト12は、排熱回収用の排ガスボイラー55(図1)に接続されることが多い。また、排ガスの煙道には、誘引通風機や風量制御用ダンパ等(図示せず。)が設置されている。そのため、ガスタービン1の排気ダクト12内の圧力Pinは、大気圧よりやや高い圧力状態となっている。さらに、ガスタービンの作動中、可撓性シール膜15a、16aの間Mにある空気は、シールされた空間内において高温の排ガスの熱によって膨張し、大気圧よりかなり高い圧力Pになっている。排気ダクト12の伸縮継手8Bは、エンクロージャー4の外部に配置されている(図1参照)と、伸縮継手8Bの外側の周囲雰囲気圧力Poutは、大気圧となる。
【0039】
このように、ガスタービン1の作動中においては、可撓性シール15a、16aの間M、伸縮継手8Bの内側(排気ダクト12内)、伸縮継手8Bの外側(排気ダクト12外)は、それぞれ異なる圧力状態にある。したがって、これらの圧力状態の差圧を、第1差圧検出部30及び第2差圧検出部31によって監視することにより、伸縮継手8Bの劣化を検知することができる。第1、第2差圧検出部30、31の圧力センサー30a、30b、31aは、高温用のものが用いられる。
【0040】
なお、排気ダクト12の伸縮継手の場合も、図3で示した例のように、可撓性シール膜15a、15bの間Mの圧力Pのみを監視することによって、伸縮継手8Bの劣化を検知することもできる。
【0041】
本発明に関し、上記実施形態では、ガスタービンの例のみについて例示したが、焼却炉その他の燃焼装置にも適用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】ガスタービン発電設備を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る伸縮継手の劣化検知システムを示す断面図である。
【図3】本発明に係る伸縮継手の劣化検知システムの変更態様を示す断面図である。
【図4】本発明に係る伸縮継手の劣化検知システムの、他の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る伸縮継手の劣化検知システムの、更に他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ガスタービン
4 エンクロージャー
5 吸気ダクト
12 排気ダクト
15 可撓性シール膜
16 可撓性シール膜
30 第1差圧検出部
31 第2差圧検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼装置に接続される金属性ダクトの継ぎ目に気密的に接続される可撓性シール膜を少なくとも2層有する伸縮継手と、
前記2層の可撓性シール膜の少なくとも1方の可撓性シール膜の劣化を検知するために、少なくとも前記2層の可撓性シール膜間の圧力を検出する圧力検出手段と、
を有することを特徴とする伸縮継手の劣化検知システム。
【請求項2】
前記圧力検出手段は、
前記2層の可撓性シール膜間の圧力と、前記伸縮継手の内側の圧力との差圧を検出するための第1差圧検出部と、
前記2層の可撓性シール膜間の圧力と、前記伸縮継手の外側の圧力との差圧を検出するための第2差圧検出部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の伸縮継手の劣化検知システム。
【請求項3】
前記燃焼装置がガスタービンであり、
前記伸縮継手は、ガスタービンの吸気ダクトに接続され、且つ、ガスタービンを収容する、換気ファンが設置されたエンクロージャー内に配置され、
前記第1差圧検出部は、前記伸縮継手内の燃焼用空気圧力と前記2層の可撓性シール膜間の圧力との差圧を検出し、
前記第2差圧検出部は、前記伸縮継手外の前記エンクロージャーで囲まれた周囲雰囲気圧力と前記2層の可撓性シール膜間の圧力との差圧を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の伸縮継手の劣化検知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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