説明

位置情報システム及び方法

【課題】 インターネットなどの分散型ネットワークを用いて、特定の場所の位置情報を容易に得る。
【解決手段】 GPS送信器200からの信号をGPS受信器120で受信する。トランシーバ130は、得られた座標エントリーを分散型ネットワーク305に送信する。特定の位置を定義する座標エントリーに関連した情報は分散型ネットワーク305の所定のノード300上にウェブページとしてまとめられ、トランシーバ130を介してコンピュータ110に転送され、ディスプレイ140に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体的に、位置決めシステムを使用する特定の位置に関する情報を得ることに関する。さらに特定して言えば、位置決めシステムと結合した分散形ネットワークを用いる特定の位置についての位置特定情報を得るためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周囲についての情報を豊かにせず、世界中または自分達の地域社会を旅行する人が多い。例えば、人々はどの建物が歴史的に重要であるとか、どのショッピングセンタに特定の店があるか、またはショッピングセンタのどの店が特定の商品を販売しているかを知らずに、自分達の地域社会を旅行している。
【0003】
多くの場合、人々は周囲のものに精通するために、パンフレットや他の資料に頼っている。これらのパンフレットには、旅行者/旅行用パンフレット、ショッピングモールの登録簿/マップ、または他の同様な印刷物が含まれる。しかしながら、これらのパンフレットは、情報の量が限定されているため、非常に有益とは言えない。配布コストが高いなどの要因のため、情報量は限定されている。このため、調査、作成、およびプリントには、ほとんどわずかなお金しか使うことができない。従って、さもなければ人々に有益な多くの情報を、これらのパンフレットに含めることができない。
【0004】
この情報不足によって、広告がビジネスに効果のない結果になることが多い。人々は自分達の周囲についての十分な情報を効率良く得ることもできない。例えば、特定の店で販売されている商品のリストを顧客に提供するようなビジネスを行うことはできない。同様に、地方の歴史的な建物については、歴史的な場所の重要性に関する有効な情報を人々に与えることができない。(I)地方の野生動物および草木、(II)ショッピングセンタの位置、(III)政府の情報、および他の様々な情報に関する情報も、限定されているか欠けていることがある。
【0005】
しかしながら、店、歴史的な場所、および/または多国籍企業などのエンティティは現在では、インターネット、より特定して言うとインターネットのワールドワイドウェブの部分、などの分散形ネットワークを使用して、人々に便利な情報を提供している。例えば、市民戦争の戦場などの歴史的な場所についての情報は、ワールドワイドウェブを通して広めることができ、また商業上のインターネットサービスのプロバイダ(ISP)を介してアクセスできる。このワールドワイドウェブは、ビジネスデータ、株式相場、または公式的な政府の情報などの無数の他の情報も人々に提供している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特定のウェブページに関連するウェブのアドレスすなわちユニフォームリソースローケータ(URL)を手動で入力しない場合は、ユーザは所望の情報にアクセスできない。このような場合、現在利用可能な洗練された検索エンジンを使用しても、URLの位置を突き止めることは困難であるので、ウェブページを検索することは難しい。また、ウェブのアドレスは極めて長いため、ウェブアドレスを入力するとき間違ってしまうことがある。
【0007】
さらに、特定の場所の位置情報を見つけようとする場合、ユーザはその場所に関係する希望する情報を抽出するための「キーワード」または他の適切な情報を知らないことがある。例えば、ある人が地方の草木または野生動物に関する情報を知りたいが、その特定の情報を発見するための適当な検索を定義できないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、インターネットなどの分散形ネットワークを用いて、例えばナブスター全地球位置決めシステム(GPS)などの位置決めシステムと組み合わせて、リアルタイム位置特定情報を提供するためのシステムと方法とを提供するものである。つまり、この位置決めシステムは、座標エントリーに変換される信号を提供する(例えば、具体的な緯度と経度座標)。次に、本発明のシステムおよび方法は、座標エントリーについて関連した特定の「ウェブページ」を参照する。
【0009】
位置情報システムは、コンピュータまたは個人用ディジタルアシスタント(PDA)から成り、無線接続と位置決めシステム用受信システムとをサポートすることが好ましい。この位置決めシステム用受信システムは、GPSを使用する場合、衛星のセットなどの位置決めシステムの発信器のセットから信号を受信する。この信号は、位置決めシステム用受信システムによって座標エントリーに変換され、送信部を介して分散形ネットワーク上のサーバに送信される。この座標エントリーをURLと結合して、所定のサーバ上のウェブページを参照するその位置が記載してある特別なウェブページ用の独特なURLを作成できる。この座標エントリーは、例えば、座標エントリーに関連する分散形ネットワーク上の既存のウェブページとリンクすることもできる。このウェブページと、歴史的情報、関心のあるローカルエリア、ショッピングセンタなどの関連情報とは、位置情報システムに送信されて表示される。
【0010】
プリントされたラベルコードや他のラベリングシステムも、この位置情報システムと使用できる。ある実施形態では、各種の店舗、公共の建物、展示センタ、市場などで、バーコードラベルを提供できる。コンピュータまたはPDAはバーコードスキャナを備えて、バーコードラベルのバーコードをスキャンする。次に、システムはバーコードをデコードして、座標エントリーすなわち関連するウェブページのURLを得る。この座標エントリーは、分散形ネットワークに送られる。この分散形ネットワークは、位置特定情報を持つ所定のノード上のウェブページを参照するURLに座標情報を組み込むか、または分散形ネットワーク上の別のノードにある先に存在するウェブページに「ハイパーリンク」を行う。または、赤外線ビーコンを使用して、座標エントリーすなわちURLを赤外線検出器を介して位置情報システムに送ることもできる。この場合、位置情報システムは赤外線信号を短い距離(最大約760cm(25フィート))から受信する。次に、この位置情報システムは、この信号を座標エントリーすなわちURLにデコードする。次に、位置情報システムは、この座標エントリーすなわちURLを無線送信などの送信部を介して分散形ネットワークに送信する。座標エントリーに関連するウェブページは次に検索され、コンピュータまたはPDA上に表示される。
【0011】
位置情報の方法は、位置決めシステムの送信部からの信号を受信する手段と、この信号を座標エントリーに変換する手段とを含むことが好ましい。次に、この座標エントリーは分散形ネットワークへ転送される。分散形ネットワーク上に存在すると共に関連する座標エントリーを持つウェブページは、次に分散形ネットワークに転送されたこの座標エントリーに基づいて検索される。その後、このウェブページは、位置情報システムによって表示される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の位置情報システムの1つの実施形態を示す図である。
【図2】座標エントリーをサポートするウェブページを示す図である。
【図3】分散形ネットワーク上の複数のノードをアクセスしている位置情報システムを示す図である。
【図4】バーコードラベルを情報源として使用している位置情報システムの別の実施形態を示す図である。
【図5】赤外線ビーコンを情報源として使用している位置情報システムの別の実施形態を示す図である。
【図6】位置情報システムが使用する電子的にアクセスされるプリントされた材料を示す図である。
【図7】位置情報をアクセスする方法の概要を示すフローチャートである。
【図8】位置情報をアクセスする方法の概要を示す別のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
インターネットや、他の専用および商業上の分散形ネットワークなどの分散形ネットワークは、有益な情報源である。この情報は、広告からビジネスデータへの教育的な情報まで様々である。この情報は一般に、固有のURLすなわち例えばワールドワイドウェブ上に提供されているアドレスを持つ特定のウェブページ上に存在する。ユーザがこの情報を得るために、ユーザはコンピュータにウェブページを検索するための固有のURLを入力するか、または良く知られているサーチエンジンを使用してウェブページを検索するためにあるキーワードを入力する。
【0014】
ナブスター全地球位置決めシステム(GPS)が提供する一般国民向けサービスなどの位置決めシステムは、地球の表面の緯度情報と経度情報とを約90メートル(約300フィート)の精度で提供している。このGPSは高さについての情報も提供できる。差動GPSなどの精度の良い位置基準と結合すると、91.44cm(3フィート)以上の精度が得られる。この情報は、従来技術で周知のように、位置決めシステムの受信器と送信器とを用いて得ることができる。本願の目的のために、ナブスター全地球位置決めシステム(GPS)が提供する一般国民向けサービスを、現在の発明を参照して説明する。しかしながら、LORANなどの他の位置決めシステムも、本発明と共に使用するために考慮する。
【0015】
GPSが位置識別情報(例えば、座標エントリー)を適切に提供するために、GPSは複数の送信器(例えば、衛星)を備えており、それぞれの送信器は互いに同期するクロックを有している。地上のステーションはGPS衛星と通信して、クロックが確実に同期を維持するようにする。この地上ステーションは、GPS衛星を追跡して、それぞれの衛星が自分の位置をいつでも知ることができるように情報を送信する。GPS衛星は、衛星の位置を含む「タイムスタンプが付いた」信号を、通信径路内にありGPSの信号の周波数に同調するすべてのGPS受信器に放送する。このGPSの受信器もタイムクロックを有する。次に、GPS受信器は、その時間を同期した時間およびGPS衛星の位置と比較する。その後この比較を用いて、正確な座標エントリーを決定する。
【0016】
図1は、位置情報システム100の1つの実施形態を示す。図1から分かるように、この位置情報システム100は、コンピュータまたは個人用ディジタルアシスタント(PDA)110、GPS受信器120および無線送信器/受信器、例えばトランシーバ130を含む。GPS受信器120は、3つ以上のGPS送信器200から信号を受信して、上述したように、この信号を特定の緯度および経度(また場合によっては高度)の座標エントリーに変換する。GPS受信器120は座標エントリーをコンピュータ110に送り、トランシーバ130はこの座標エントリーを、好ましくは無線ネットワークを介して、所定のノード300または分散形ネットワーク305上の別のノードに送信する。あるいは、この座標エントリーは分散形ネットワーク305に、コンピュータへのワイヤード接続部を介して送信される(図示せず)。
【0017】
次に、特定の位置を定義する座標エントリーに関連した情報は、トランシーバ130を介してコンピュータ110に転送されて(すなわち、無線ネットワークあるいは他のワイヤレスまたはワイヤによる通信リンクのいずれかによって)、ディスプレイ140上に表示される。様々な位置についての情報は、分散形ネットワーク305上でまとめ上げられると共に記憶される。この情報は「ウェブページ」としてまとめることが好ましい。このウェブページまたはウェブページへのポインタは、分散形ネットワーク305の所定のノード300上に記憶することが好ましい。しかしながら、このウェブページは分散形ネットワーク305上の他の様々なノードで記憶され、物理的な位置に対応する1つ以上の座標エントリーに関連することができる。ウェブページは、例えば、すでに存在するURL、例えば商標付きの既存のURLを持つことができる。あるいは、座標情報を現存のURLに組み込み、固有のURLを作ることもできる。さらに、座標エントリーを、ウェブページの全体のURLとすることもできる。ローカルまたはリモートのいずれかのクライアントは、好ましくは分散形ネットワーク305の所定のノード300上のサーバを介して、ウェブページにアクセスできる。
【0018】
好適な実施形態においては、位置情報システム100は、トランシーバ130を介して、座標エントリーを分散形ネットワーク305の所定のノード300に直接送信する。この分散形ネットワーク305は、ネットワーク上に存在する座標エントリーに関連するウェブページを有している。この場合、ウェブページおよび座標エントリーは分散形ネットワーク305の同じノード上に記憶される。あるいは、ウェブページと座標エントリーとは、分散形ネットワーク305の別のノードに記憶されてもよい。
【0019】
対応するウェブページを記憶しているノードからまったく別のノードに座標エントリーを設けるような実施形態の場合、位置情報システム100は分散形ネットワーク305の所定のノード300上に参照ページを提供する。この参照ページは、別のノードにあるウェブページに対して「ハイパーリンク」を提供する。ウェブページが別のノードにあるような場合は、座標エントリーに関連するすべてのウェブページ名のディレクトリリストを所定のノード300上に記憶できる。ディレクトリページはこのときディレクトリリストをアクセスして、特定の座標エントリーに関連するウェブページが分散形ネットワーク305の別のノード上に存在するかどうかを決定できる。実施形態によっては、コンピュータ110はハイパーリンク用ストリングを送信して、トランシーバ130を経由してウェブページを受信する。分散形ネットワーク305の別のノード上に存在する対応するウェブページを所定のノード300から直接アクセスしたり、ハイパーリンクを使用せずに無線トランシーバ130経由でコンピュータ110にダウンロードすることもできる。実施形態によっては、後述するように、これを共通ゲートウェイインターフェース用スクリプト(CGI)が提供するようにしてもよい。対応するウェブページは、ユーザに座標エントリーに関連するその位置を表示する特定の情報を提供する。
【0020】
位置情報システム100は、座標エントリーに基づく区域のマップもユーザに提供できる。この場合、この位置情報システム100は、ディスプレイ140で表示するマップデータベースを備えている。ユーザは、マウスまたは他の対話装置150を用いて、マップ上の特定の位置を指してクリックする。この特定の位置は、1つ以上の座標エントリーまたは固有のURLに関係している。次に、関心のある座標エントリーまたはURLを所定のノード300に送信して、これらの座標エントリーまたはURLに関係するウェブページを検索する。また、いくつかの座標エントリーまたはURLに関するディレクトリページは、前述したように、分散形ネットワーク305から検索できる。前述したように、このディレクトリページは、少なくとも1つの座標エントリーに関係していてこの関係するウェブページにリンクを行う複数のウェブページをリスト表示できる。検索されたウェブページは、ウェブページに関連する関心のある特定の位置に対する位置特定情報またはディレクトリを提供できる。
【0021】
GPS送信器200からの情報を受信するための、位置情報システム100のGPS受信器120は、Trimble Navigation Ltd., Sunnyvale, Californiaが製造した(関連するハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えた)PCMCIAパスファインダ(Pathfinder)(登録商標)カードであることが好ましい。このシステムは、コンピュータ110に差し込む完全集積化8チャネルのパラレルトラッキングPCカードのレシーバである。このシステムは、コンピュータ110のディスプレイ140上にバックグラウンドのマップも提供する。GPS受信器120は、衛星追跡能力および他のデータ補正機能も備えることができる。
【0022】
この位置情報システム100の無線トランシーバ130は、携帯形モデム無線機であることが好ましい。無線トランシーバ130は、Metricom, Inc.が製造したリコチェット(Ricochet)(登録商標)ワイヤレスネットワークシステムと共に動作できる。このリコチェット(Ricochet)(登録商標)ワイヤレスネットワークは、902〜928MHzの無線周波数範囲で動作する広帯域パケットスイッチングデータ技術を使用する広域ワイヤレスシステムである。無線トランシーバ130は、携帯形ディジタルパケットデータ(CDPD)タイプの無線トランシーバなどの他のシステムも含むことができる。
【0023】
図2は、特定の座標エントリーに対応するウェブページ310を示す。好ましい実施形態では、座標エントリーは所定のノード300上に存在するURLに対して参照される。このウェブページ310は、固有のまたは、例えば、http://www.xerox.comのような商標付きの既存のURLを持つことができるし、または、例えば、http://www.vworld.com/coordinates/<lat>/<long>/<alt>のようなURLの部分として座標エントリーを使用することもできる。この座標エントリーは所定のノード300上のディレクトリページと交互に参照してもよい。このディレクトリページは、分散形ネットワーク305の別個のノード上にあるウェブページとリンクする。ディレクトリページは、例えば、http://www.vworld.com/coordinates/<lat>/<long>/<alt>のように座標エントリーを組み込むURLを持つこともできる。
【0024】
図2のウェブページ310のURLは、http://www.vworld.com/coordinates/<32.1>/<60.0>/<0>であり、ここで、32.1は緯度座標であり、60.0は経度座標であり、0は高度である。この例では、ウェブページ310は、株式相場、棚卸し情報/商品情報、将来の拡張計画、および他のビジネスデータなどのビジネスデータを表示している。無論、このウェブページ310は、地方の植生情報などを含む歴史的サイトの情報など、特定の座標エントリーに関連する他の情報も提供できる。
【0025】
図3に示すように、位置情報システム100は、別々の時間に分散形ネットワーク305上の複数のノードにアクセスできる。好適な実施形態においては、分散形ネットワーク305は、分散形ネットワーク305にローカルアクセスを行うノード320、330、および340を含む。このノード320、330、および340は、市内区域のユーザが分散形ネットワーク305にアクセスするためのコストを節約する手段を提供する。また、好適な実施形態においては、ノード320、330、および340は関心のある地域のポイントについての情報を記憶する地域のアクセスポイントを提供する。これによって、情報が分散形ネットワーク305上を不必要に「ドラグされ」て、分散形ネットワーク305内が混雑する原因となる問題も避けられる。
【0026】
ノード320、330、および340は各種の情報源を提供すると共に、互いにネットワーク接続されて、例えば、シアトルのローカルノード320はサンフランシスコのリモートノード330にアクセスできる。好適な実施形態では、ノード320、330、および340はそれぞれトランシーバ321、331、および341を備えており、これらのトランシーバは各別個のノード320、330、および340ならびにトランシーバ130を経由してコンピュータ110からまたそれらに対してデータを受信および送信する。
【0027】
GPS受信器120は、GPS送信器200からの信号を受信する必要があることは理解されよう。このため、信号が来なくなった場合、GPS受信器120は座標エントリーを決定することができなくなる。この問題を避けるために、座標エントリーを提供する別の技術を、位置情報システム100は使用できる。これらの技術には、例えば、プリントされたIDラベル(例えば、バーコード、ベリコード、および他の同様なラベル)、赤外線ビーコン、または無線周波数タグが含まれる。
【0028】
図4は、位置情報を得るためにコードラベルを使用する位置情報システム100の実施形態を示す。ベリコードシステム、二次元バーコードシステムなどの他のコーディングシステムも、本発明と共に使用するために考慮した。図4の実施形態においては、建物210の上または中もしくは他の関心位置にバーコードラベル212を設ける。好ましい実施形態では、バーコードラベル212はGPSシステムから得られるものと同様の経度情報と緯度情報とを符号化するか、または固有のURLを直接符号化できる。コンピュータ110はさらに、GPS受信器120を置き換えてまたはそれに加えて、バーコードラベル212をスキャンして復号化するためのバーコードスキャナ160を有している。このバーコードスキャナ160は、係留物上に設けることができる。このバーコードスキャナ160は、バーコードラベル212から座標エントリーまたは固有のURLを読み込む。座標エントリーまたは固有のURLはトランシーバ130を介して分散形ネットワーク305に送信され、分散形ネットワーク305の所定のノード300または別のノードに記憶されると共に、前述したように位置特定識別情報を処理する。コンピュータ110は、座標エントリーまたは固有のURLに関連するウェブページをダウンロードして、ディスプレイ140で表示する。
【0029】
図5は、位置情報源として赤外線ビーコンを使用する位置情報システム100の実施形態を示す。赤外線ビーコン220は、上述したバーコードラベリングシステムと同様な方法で使用できる。しかしながら、この赤外線ビーコン220は、はるかに長い距離、好ましくは少なくとも約760cm(25フィート)から読み取ることができる。IRDA規格も使用できるが、そのようなシステムの制限に基づいてわずか約1メートルの範囲を得ることができる。赤外線ビーコン220は、建物210または他の関心位置の上または中に配置することが好ましい。従来技術で周知のIRDAまたは他のインターフェース170を、赤外線ビーコン220を感知するためにコンピュータ110に設ける。赤外線ビーコン220は、座標エントリーまたは固有URLのいずれかを送信する。この固有URLは、送信されない場合はバーコードラベル212から得ることができる。この赤外線ビーコンから受信した情報は、バーコード212から受信した情報と同様な方法で使用される。さらに、読取り距離を伸ばすために赤外線ビーコン220に替えて、無線周波数のビーコンを使用することもできる。無線周波数ビーコンを使用する場合、特定の無線周波数ビーコンが使用する特定の周波数および変調技術に対して、従来技術で周知のインターフェース170が設計される。
【0030】
図6は、電子的にアクセスできるプリントされた材料を示しており、この材料は図1に示す位置情報システム100によって使用される。この実施形態は、位置特定情報は持っていないが固有URLを持つラベルを付けた対象物への任意接続を提供している。特定して言うと、前述した実施形態の同じインフラストラクチャーを再利用することによって、ラベルの付いた対象物を関連するウェブページに「リンク」できる。赤外線ビーコン220またはバーコードラベル212も対象物と共に使用できる。この対象物は、分散形ネットワーク305上で電子的に利用可能なマニュアルまたは他の記述された材料400に関連している。すなわち、ユーザは、赤外線ビーコン220またはバーコードラベル212から得られる情報を使用して、マニュアルまたは他の記述された材料400の電子バージョンに電子的にアクセスできる。赤外線ビーコン220またはバーコードラベル212をマニュアルまたは他の記述された材料400と共に直接使用して、これらのマニュアルまたは他の記述された材料400の電子バージョンを電子的にアクセスすることもできる。この情報によって、マニュアルまたは他の記述された材料400の電子バージョンへのアクセスが特に提供される。バーコードラベル212は、例えば、マニュアルまたは他の記述された材料400の表紙または別の所定のページに配置することができる。バーコードスキャナ160は、(対象物上に配置された)バーコードラベル212から、マニュアルまたは他の記述された材料400に対応する固有URLを読み込む。次に、トランシーバ130はこのURLを分散形ネットワーク305に送信する。次に、分散形ネットワーク305上に存在するURLに対応するウェブページが、トランシーバ130を経由してコンピュータ110に送られて、ディスプレイ140に表示される。
【0031】
図7は、GPSシステムを使用するコントロールルーチンの1つの実施形態の概要を示すフローチャートである。コントロールの開始は、新しい座標エントリーが受信される毎にあるいはまたユーザが入力する毎に連続して発生する。さらに、ユーザは、すべての新しい座標が分散形ネットワーク305に送信されて関連するウェブページを検索する連続更新モードと、ある位置でユーザがコントロールシーケンスを起動してある特定の位置についての情報を検索する「ワン−オフ」モードまたは連続更新モードと共に使用されてユーザが次の新しくフェッチしたウェブページへと続く前にフェッチされたウェブページ内の深さ情報の中で追加の検索ができる「連続更新保持モード」との間を切り替えることができる。
【0032】
このコントロールルーチンは、ステップS100で開始する。ステップS110で、GPS受信器120は、GPS送信器200からの信号を受信する。次に、ステップS120で、GPS信号に関連する座標エントリーが、GPS受信器120によってコンピュータ110にダウンロードされる。次に、ステップS130で、座標エントリーが、トランシーバ130を介して分散形ネットワーク305に送信される。
【0033】
ステップS140で、コントロールルーチンは、送信された座標エントリーに関連するウェブページが分散形ネットワーク305の所定のノード300上に存在するかどうかを決定する。実施形態によっては、所定のノード300は位置情報システム100に分散形ネットワーク305へのゲートウェイを提供してもよい。ウェブページが所定のノード300上に存在する場合、コントロールはステップS150へ進む。しかしながら、ウェブページが所定のノード300上に存在しない場合、コントロールはステップS170へジャンプする。ステップS150で、ウェブページはコンピュータ110に送信される。次に、ステップS160で、ウェブページはディスプレイ140に表示される。コントロールは次に、コントロールルーチンが終了するステップS250へジャンプする。
【0034】
ステップS170で、コントロールルーチンは、座標エントリーに関連するディレクトリページが所定のノード300上に存在するかどうかを決定する。そのようなディレクトリページが所定のノード300上に存在しない場合は、コントロールはステップS180に進む。存在する場合は、コントロールはステップS200へジャンプする。ステップS180で、所定のノード300は、「情報入手不可」または同様なメッセージをコンピュータ110へ送信する。次に、ステップS190で、このメッセージがディスプレイ140で表示される。コントロールルーチンは次に、ステップS250にジャンプする。
【0035】
ステップS200で、ディレクトリページがトランシーバ130を介してコンピュータ110に送信される。次に、ステップS210で、ディレクトリページがディスプレイ140に表示される。次に、ステップS220で、ユーザは、座標エントリーまたは固有のURLに関連する、分散形ネットワーク305上のウェブページと、「ハイパーリンクされた」ディレクトリページを介してリンクする。再びステップS150で、ウェブページがトランシーバ130を介してコンピュータ110に送信される。次に、ステップS160で、ウェブページがディスプレイ140で表示される。コントロールルーチンは次にステップS250に進む。
【0036】
別の実施形態においては、コントロールルーチンがステップS170で関連するディレクトリページが所定のノード300上に存在すると決定した場合、コントロールは代わりにステップS225にジャンプすることもできる。ステップS225で、ディレクトリページはコンピュータ110に転送される前に、分散形ネットワーク305のリモートノードからウェブページを直接フェッチする。この手順を使用することによって、ステップS200〜S220を省くことができる。この別の実施形態において、CGIスクリプトは、ウェブページが所定のノード300上にあるかまたは分散形ネットワーク305のリモートノードにあるかを決定するために必要なステップを実行できる。このため、ウェブページは、所定ノード300または分散形ネットワーク305のリモートノードのいずれかから自動的に検索される。このウェブページは、ステップS150でトランシーバ130を介してコンピュータ110に送信されて、ステップS160でディスプレイ140で表示される。
【0037】
図8は、バーコードなどのラベリング技術または赤外線ビーコンが位置特定情報を提供する場合に使用するコントロールルーチンの別の実施形態の概要を説明するフローチャートを示す。このコントロールルーチンはステップS300で開始する。ステップS310で、バーコードスキャナ160またはIRDAインターフェース170は、それぞれバーコードまたは赤外線装置からURLをスキャンするか、もしくはそれぞれバーコードまたは赤外線装置からURLを受信する。次に、ステップS320で、URLがコンピュータ110にダウンロードされる。次に、ステップS330で、このURLはトランシーバ130を介して分散形ネットワーク305に送信される。ステップS340で、コントロールルーチンはこのURLに関連したウェブページが分散形ネットワーク305の所定のノード300に存在するかどうかを決定する。存在する場合、コントロールルーチンはステップS350へ続く。存在しない場合、コントロールはステップS370にジャンプする。ステップS350で、ウェブページはトランシーバ130を介してコンピュータ110に送信される。次に、ステップS360で、このウェブページはディスプレイ140で表示される。次に、コントロールはコントロールルーチンが終了するステップS450へジャンプする。
【0038】
ステップS370で、コントロールルーチンは、URLに関連するディレクトリページが所定のノード300上に存在するかどうかを決定する。そのようなディレクトリページが所定のノード300上に存在しない場合は、コントロールはステップS380に進む。存在する場合は、コントロールはステップS400またはステップS425へジャンプする。ステップS380で、所定のノード300は、「情報入手不可」または同様なメッセージをコンピュータ110へ送信する。次に、ステップS390で、このメッセージがディスプレイ140で表示される。コントロールルーチンは次に、ステップS450にジャンプする。
【0039】
ステップS400で、ディレクトリページがトランシーバ130を介してコンピュータ110に送信される。次に、ステップS410で、ディレクトリページがディスプレイ140に表示される。次に、ステップS420で、ユーザは、分散形ネットワーク305上の座標エントリーまたは固有のURLに関連するウェブページと、「ハイパーリンクされた」参照ページを介してリンクする。再びステップS350で、ウェブページがトランシーバ130を介してコンピュータ110に送信される。次に、ステップS360で、ウェブページがディスプレイ140で表示される。コントロールルーチンは次にステップS450に進む。
【0040】
別の実施形態においては、コントロールルーチンがステップS370で関連するディレクトリページが所定のノード300上に存在すると決定した場合、コントロールは代わりにステップS425にジャンプすることもできる。ステップS425で、ディレクトリページはコンピュータ110に転送される前に、分散形ネットワーク305のリモートノードからウェブページを直接フェッチする。このことも再びCGIスクリプトを使用して達成できる。この手順を使用することによって、ステップS400〜S420を省くことができる。この別の実施形態においては、ウェブページはステップS350でトランシーバ130を介してコンピュータ110に送信されて、ステップS360でディスプレイ140上に表示される。コントロールルーチンは、ステップS450で終了する。
【0041】
好ましい実施形態においては、バーコードラベルおよび赤外線ビーコンも、図7で開示した方法を使用できる。すなわち、バーコードラベルおよび赤外線ビーコンは、位置情報システム100に座標エントリーに変換される信号を提供できる。また、赤外線ビーコンは、前述したように、無線ビーコンと置き換えることができる。
【0042】
図1〜図6で示すように、位置情報システム100は、プログラムされた汎用コンピュータ上で実行することが好ましい。しかしながら、この位置情報システムは、特定用途のコンピュータ、プログラムされたマイクロプロセサまたはマイクロコントローラと周辺の集積回路素子、ASICまたは他の集積回路、ディスクリート素子の回路のようなハードワイヤード電子または論理回路、PLD、PLA、FPGAまたはPALなどのプログラマブル論理装置、などの上でも実行できる。一般に、その上で有限状態マシンが図7および図8に示すフローチャートを実行できるようないかなる装置も、位置情報システム100を実行するために使用できる。さらに、所定のノード300および/または分散形ネットワーク305をコンピュータ110に接続するトランシーバ130は、説明したようなワイヤレスリンクでもよいが、ネットワークへのワイヤードリンク(図示せず)でもよいことは理解されよう。所定のノード300および/または分散形ネットワーク305は、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、イントラネット、インターネット、または他のどのような分散形処理および/または記憶ネットワークでもよい。ワールドワイドウェブなどのプロトコルまたは他のどのようなプロトコルシステムを用いてそれを使用することもできる。以上の説明から、所定のノード300および/または分散形ネットワーク305は、特定の用途にもよるが、ローカルノードまたはリモートノードのいずれでもよいことも理解されよう。
【0043】
前述したように、本発明のシステムおよび方法を座標データまたは特定のURLを参照して説明してきたが、十分に詳細なデータセットによって特定の位置を識別できる。
【符号の説明】
【0044】
100 位置情報システム、110 コンピュータ、120 GPS受信器、130 トランシーバ、140 ディスプレイ、200 GPS送信器、300 所定のノード、305 分散形ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置特定情報を示す位置情報システムにおいて、
位置を識別する位置識別情報を受信する受信器と、
この位置識別情報を分散形ネットワークに送信すると共に、特定された位置についての位置特定情報をこの位置識別情報に基づいて分散形ネットワークから受信するトランシーバと、
を有することを特徴とする位置情報システム。
【請求項2】
位置を特定する情報を提供する位置情報システムにおいて、
位置を識別する位置識別情報を受信する位置受信手段と、
この位置識別情報を分散形ネットワークに送信すると共に、この位置識別情報に対応する分散形ネットワークから位置特定情報を受信する送信手段と、
を有することを特徴とする位置情報システム。
【請求項3】
特定の位置についての位置情報を受信する方法において、
特定の位置を識別する位置識別情報を受信するステップと、
この位置識別情報を位置特定情報が存在する分散形ネットワークに送信するステップと、
この位置識別情報に関連する位置特定情報を分散形ネットワークから受信するステップと、
を有することを特徴とする位置情報を受信する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−146580(P2010−146580A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2326(P2010−2326)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【分割の表示】特願平11−32564の分割
【原出願日】平成11年2月10日(1999.2.10)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
【復代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
【Fターム(参考)】