説明

位置検出センサ及びレンズ駆動装置

【課題】簡素化された構造でかつ長い範囲にわたって高精度の位置検出を行うことができる位置検出センサを提供する。
【解決手段】可動枠12に保持されたホール素子41と、ホール素子41の感磁面に対向する検出用磁極面を有し、その磁極面はホール素子の移動方向に沿って傾斜して配置される第1の検出用磁石42aと、ホール素子41の感磁面に対向する第1の検出用磁石42aとは異極性の検出用磁極面を有し、その磁極面はホール素子41の移動方向に沿って第1の検出用磁石42aとは反対側に傾斜して配置される第2の検出用磁石42bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホール素子を含む位置検出センサ及び撮像レンズを直線的に駆動するリニアモータを有するレンズ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチルカメラあるいはビデオカメラ等の光学機器では、撮像素子に静止画又は動画を記録するために、レンズ鏡筒内に設けられた複数のレンズ群を光軸方向に駆動してズーム動作やフォーカス動作が行われる。このズーム動作又はフォーカス動作を行うために、全体を繰出す方式あるいは前玉フォーカス方式では、駆動機構への負担が大きく、AFの高速化が不可能で、前玉系が大きくなるという欠点がある。そこで前玉レンズを固定し、内面のレンズ群を動かすインナーフォーカス方式が採用されている。このインナーフォーカス方式は、フォーカス中もレンズの全長が変わらないので、ホールディング性が優れ、最短撮影距離の短縮化が可能で、前玉が回転せず、偏光フィルタの操作性も優れている。
【0003】
特に一眼レフカメラのオートフォーカスシステムでは、全ての交換レンズ(超広角レンズから超望遠レンズ、接写レンズまで)に対して所定のフォーカス動作が保証されしかもフォーカス動作時間が短い(移動応答性が高い)ことが必要とされる。しかも静止画像に加えて動画に対応するために、無音化も必要とされる。そこで、フォーカスレンズの駆動手段として、超音波モータやDCモータに代えてボイスコイル型リニアモータ(以下単に「リニアモータ」という。)を使用することが提案されている。例えば特許文献1には、レンズ支持枠(可動部材)にコイルを設け、鏡筒(固定部材)に永久磁石とヨークを有する磁気回路部を設けた可動コイル方式のリニアモータが記載されている。レンズ枠は、鏡筒内に光軸と平行に設けたガイド軸に沿って光軸方向に移動可能に支持されている。

【0004】
このレンズ駆動装置は、レンズの光軸方向の位置を検出し、コイルに流す電流を調整することにより、フォーカスレンズの位置を高精度で制御することが行われている。正確な位置検出を行うために、固定部に取付けられた位置検出素子、例えば磁気抵抗素子(MR素子)とそれに対向して、レンズ枠の移動方向に沿って設けられた、N極とS極が交互に着磁された検出用磁石からなる位置検出装置を有する。MR素子は磁界の変化に伴って抵抗値が変化するので、レンズ枠の移動に伴って検出用磁石が移動すると、MR素子からは、所定周期で正弦波状に変化するA相の検出信号と、A相の検出信号に対して90°位相の異なる余弦波状に変化するB相の検出信号が出力されて、可動レンズの位置検出が行われる。
【0005】
このような位置検出を行う場合、最初に測定位置を絶対値化する(基準位置を検出する)ために、固定枠にリセット用センサ(例えばフォトインタラプタ)を配置し、レンズを保持する可動枠に遮光部材を設け、可動枠を移動させて遮光部材がフォトインタラプタの光路を遮ることで、センサ出力がH(L)からL(H)に変化するため、センサ出力が変化した時点での位置検出を行い、検出された位置を基準位置とするのが一般的である。
【0006】
次いでリニアモータに駆動信号を供給することによって可動枠を基準位置から目標位置に向って直線的に移動させ、この移動過程で磁気抵抗効果素子(MR素子)で光軸方向に多極着磁を施した磁気シート(エンコーダ磁石)の磁束密度の変化を検出し、MR素子から出力される電気信号をカウントすることにより、レンズの光軸方向の絶対位置が検出され、目標位置と現在位置との差がなくなるまでリニアモータが駆動される。
【0007】
しかるにMR素子の分解能は150〜200μmが一般的であり、このままでは高精度の位置決めが行えないため、高い位置決め精度を得るためにMR素子の出力を多逓倍化することが必要であり、その結果大規模な信号処理回路が必要となり、しかも耐ノイズ特性が低下するという問題がある。そこでMR素子の代わりに、20〜40μmの分解能をもつGMR素子を使用することも提案されている。しかしながら、GMR素子と磁気シートをほぼ接触させる必要があるので、摺動音が発生するため、動画への対応ができないという問題が発生し、また摺動摩擦によりレンズのスムーズな動きが阻害され、位置決め精度が低下するという問題もある。

【0008】
上述したようなMR素子又はGMR素子を用いた位置検出装置では、磁界検出素子とエンコーダ用磁石に加えて、基準位置検出のためのリセット用センサも必要となり、位置検出機構の大型化とコストアップを招来することになる。そこで特許文献2〜6に記載されているように、撮像素子をボイスコイル型リニアモータで駆動するとともに、位置検出機構にリセットセンサが不要なホール素子を使用することが提案されている。ホール素子を使用すると、磁束密度が直線的に変化する範囲では、移動距離に対して略比例した出力電圧が得られる。
【0009】
特許文献2には、インナーフォーカスユニットのフォーカスレンズを、2つのホール素子と多極着磁された位置検出用マグネットを有する可動コイル形電磁駆動装置で駆動することが記載されている。
【0010】
特許文献3には、インナーフォーカスユニットにおける可動レンズを駆動する可動コイル形アクチュエータにおいて、ホール素子と矩形状断面形状を有する傾斜マグネットを含む位置検出手段を、コイルとマグネットを取り囲むヨークの外側に配置することにより、ノイズの入らない高精度の位置検出を行うことが記載されている。
【0011】
特許文献4には、磁石の固体ごとのばらつきに関する補償を行うために、2つのホール素子の出力値の大きさの和が一定値になるように各ホール素子の入力値を制御した上で、ホール素子の出力値の大きさの差を位置出力とすることが記載されている。
【0012】
特許文献5には、ホール素子の出力の線形性を改善するために、ホール素子に対し相対移動する直方体磁石にコの字形ヨークを被せ、ヨークの断面形状を長手方向に沿って変化させることが記載されている。
【0013】
特許文献6には、5mmを超える広範囲でレンズの位置検出を行えるようにするために、感磁方向が支持された基板に垂直な2個のホール素子を、基板に対して垂直方向にN極とS極が着磁された直方体磁石に対向させ、直方体磁石の移動範囲を3分割して、ホール素子の出力電圧の差を用いて位置検出を行う場合と、ホール素子の出力電圧の和を用いて位置検出を行う場合を使い分けることが記載されている。
【0014】
しかしながら、特許文献2〜6に記載された位置検出手段では、次に述べるように、レンズの移動距離が10mm以上にもなるオートフォーカス用レンズ又はズーム用レンズの駆動装置には適用できないといった問題がある。まず特許文献2に記載の如く多極着磁を施した検出磁石を使用すると、信号処理回路が複雑化するという問題がある。次に特許文献4〜6に記載の如く、厚さ方向に磁化しかつN極とS極が並ぶ平板状の永久磁石にホール素子を対向させると、空隙磁束密度は正弦波状又は台形波状の波形となり、磁束密度が直線的に変化する範囲は、磁極の境界付近の狭い範囲(約1〜2mm)に限られるためである。また、この磁石を使用して、磁束密度が直線的に変化する範囲を長くしようとすると、ホール素子の移動距離(10〜20mm)の10〜20倍程度まで磁石を長くすることが必要となり、製品としては実用に供し得ないものになる。また特許文献3に記載の特殊な形状の磁石(傾斜マグネット)を使用すると、コストアップになり、実用性に欠ける。さらに特許文献5に記載の如く柱状の検出磁石に長手方向に直交する断面形状が長手方向に変化するヨークを被せるといった工夫を施しても、磁束密度が直線的に変化する範囲は10mm未満(6〜7mm程度)であり、移動距離が10mm以上にもなるフォーカスレンズやズームレンズの駆動装置に適用できないという問題がある。また特許文献2、4、6に記載の如く複数のホール素子を使用すると、検出精度は向上するものの、位置検出センサ及びレンズ駆動装置の構造が複雑化し、またコストアップにもなるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2002−214501号公報
【特許文献2】特許第3387173号公報
【特許文献3】特許第2881959号公報
【特許文献4】特開2005−331399号公報
【特許文献5】国際公開第06/115129号パンフレット
【特許文献6】特開2010−96540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、本発明の目的は、コンパクトでかつ長い範囲にわたって高精度の位置検出を行うことができる位置検出センサ及びレンズ駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明の位置検出センサは、ホール素子と、前記ホール素子の感磁面に対向する検出用磁極面を有する第1の検出用磁石と、前記第1の検出用磁石に隣接して配置された前記ホール素子の感磁面に対向する前記第1の検出用磁石とは異極性の検出用磁極面を有する第2の検出用磁石とを有し、両検出用磁石の間に位置検出用原点が設定されるとともに、光軸方向に沿って一方の前記検出用磁石は他方の前記検出用磁石に向って前記感磁面と前記磁極面とのギャップが単調に増加するように配置されていることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の位置検出センサにおいて、前記ホール素子の感磁面と前記各検出用磁石の検出用磁極面とのギャップを、最も狭い位置で0.3mm以上、1.5mm未満(より好ましくは0.5mm〜1.0mm)に設定することが好ましい。
【0019】
本発明の位置検出センサにおいて、前記各検出用磁石は、前記ホール素子の感磁面と平行な直線に対して検出用磁極面が20°〜30°の角度範囲だけ傾いて設置することが好ましい。
【0020】
本発明の位置検出センサにおいて、前記各検出用磁石は、R−Fe-B系焼結磁石(但し、RはYを含む希土類元素の一種以上で、Ndを必ず含む。)からなるとともに、前記各検出用磁石の検出用磁極面とは反対側の磁極面に磁気シールド部材を装着することが好ましい。
【0021】
上記目的を達成するために、
本発明のレンズ駆動装置は、
固定部材の内部に光軸方向に沿って移動可能に配置された、撮像レンズを保持する可動部材と、
前記可動部材の外周側に固定された可動コイルと、前記可動コイルに対向して前記固定部材の内周側に固定された、ヨークを有する永久磁石からなる磁気回路部と、前記可動部材に配設されたホール素子からなる位置検出センサと前記ホール素子に対向する検出用磁石を有するリニアモータとを備えたレンズ駆動装置において、
前記検出用磁石は、厚さ方向に磁化されかつ前記光軸方向に沿って異極性の磁極が隣接する一対の平板状磁石からなり、かつ、磁極の境界を挟んで逆V字状に配置されていることを特徴とする。
【0022】
本発明の撮像レンズ駆動装置においては、前記各平板状永久磁石は、ホール素子とのギャップが磁極の境界から磁石端部に向って単調に減少するように配置することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、磁束密度に比例した電圧を出力するホール素子により、長い範囲にわたって直線的に変化する磁束密度を検出するので、オートフォーカス用レンズ又はズームレンズの位置制御を高精度で行うことができる。また検出用磁石として、専用の成形用金型や着磁装置が不要な単極着磁された平板状の永久磁石を使用し、しかもリセット用センサが不要となるので、位置検出センサ及びレンズ駆動装置の構造を簡素化することができ、さらに及び低コスト化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】

【図1】本発明の実施の形態に係わるレンズ駆動装置を示す分解斜視図である。
【図2】図1の要部をA方向から見た図である。
【図3】図1のB−B線縦断面図であり、各部材を組立てた状態を示す図である。
【図4】図3の位置センサ部を拡大した図であり、ホール素子が初期位置にある状態を示す図である。
【図5】位置検出センサの検出用磁石を模式的に示す図であり、(a)(b)は図1をA方向から見た状態を示す図、(c)は図2をC方向から見た状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係わるレンズ駆動装置の制御部を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態に係わるレンズ駆動装置の信号処理回路の一例を示す図である。
【図8】ホール素子と実施例に係わる検出用磁石とのギャップを変えた場合のホール素子表面における磁束密度分布を示す図である。
【図9】ホール素子と実施例に係わる検出用磁石との角度を変えた場合のホール素子表面における磁束密度分布を示す図である。
【図10】ホール素子と比較例に係わる検出用磁石とのギャップを変えた場合のホール素子表面における磁束密度分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下本発明の詳細を添付図面により説明する。なお、以下の説明で同一機能部分は同一の参照符号で示す。
【0026】
[レンズ駆動装置の構造]
デジタルカメラなどにおいて、フォーカス動作を行うためのレンズ駆動装置は例えば図1〜図3に示すように構成することができる。このレンズ駆動装置1は、光軸方向(Z方向)に伸長しかつ点対照に配置されたシャフト11a、11bを有する円筒状の本体(固定部材)10と、シャフト11a、11bが各々挿通されるシャフト案内部121a、121bを有するとともに、フォーカスレンズ13の外縁部を支持するリング状の可動枠12と、可動枠12を光軸方向に沿って駆動する複数(2個)のリニアモータ1a、1bと、各リニアモータの近傍に設けられた位置検出センサ4を備えている。
【0027】
(リニアモータ)
上記のリニアモータ1a、1bは、重量バランスを考慮して、光軸を中心に線対称に配置された可動コイル型のボイスコイルモータであり、次のように構成されている。リニアモータ1aは、FPC(フレキシブルプリント基板、不図示)を介して可動枠12の外周側(平坦面123a)に固定された、レーストラック状(長円形状)に巻回された空芯コイル2aと、本体10の内周面に形成された磁気回路保持溝103aに固定された磁気回路部3aと、を備えている。磁気回路部3aは、鉄鋼材料等の強磁性体からなるロ字形のヨーク31a及びヨーク31aの内周面に固定された、厚さ方向に磁化された平板状の永久磁石32aを有する。永久磁石32aはレーストラック状に巻回された空芯コイル2aと鎖交する磁束を発生するために厚さ方向(光軸に対して垂直な方向)に磁化されている。ヨーク31aは、コ字形ヨーク311aに空芯コイル2aを挿通した後、このヨーク311aの開口側端面に平板状ヨーク312aを固着することにより組立てられる。
【0028】
同様にリニアモータ1bは、FPC(不図示)を介して可動枠12の外周側(図示しない平坦面)に固定された、レーストラック状に巻回された空芯コイル2bと、本体10の内周面に形成された磁気回路保持溝103bに固定された磁気回路部3bと、を備えている。磁気回路部3bは、鉄鋼材料等の強磁性体からなるロ字形のヨーク31b及びヨーク31bの内周面に固定された、厚さ方向に磁化された平板状の永久磁石32bを有する。永久磁石32bは空芯コイル2bと鎖交する磁束を発生するために厚さ方向(光軸に対して垂直な方向)に磁化されている。ヨーク31bは、コ字形ヨーク311bに空芯コイル2bを挿通した後、このヨーク311bの開口側端面に平板状ヨーク312bを固着することにより組立てられる。
【0029】
上記の永久磁石は、希土類磁石等の公知の永久磁石で形成することができるが、少ない消費電力で大きな推力が得られるようにするために、高い磁気特性を有する永久磁石、例えばR−Fe-B系焼結磁石(但し、RはYを含む希土類元素の一種以上で、Ndを必ず含む。)を使用することが好ましく、(BH)maxが50MGOe以上でかつBrが1.3T以上の磁気特性を有するものが好ましい。
【0030】
(制御部)
本発明においては、例えば図6に示すような制御部を構成し、上記の位置検出センサの出力電圧に基づいて、リニアモータ1a、1bに供給される駆動電流を制御することにより、フォーカスレンズを目標位置まで移動することができる。すなわち、検出用磁石42に対向して配置された位置検出センサ41から位置情報(磁束密度に比例した電圧)が出力されると、制御回路7で目標位置指令と比較されて駆動信号が生成され、次いで駆動回路8からリニアモータ1a、1bの空芯コイルに駆動電流が供給される。
【0031】
[位置検出センサ]
図2〜4に示すように、位置検出センサ4は、可動枠12の外周側(平坦面122)で円周方向においてリニアモータ1aとリニアモータ1bのほぼ中間に位置するように固着されたホール素子41と、ホール素子41と対向するように本体10に固設された一対の検出用磁石42a、42bを有する。検出用磁石42aは、ホール素子41の感磁面に対向する磁極面を有するように厚さ方向に単極着磁された平板状の永久磁石であり、同様に検出用磁石42bも、ホール素子41の感磁面に対向する磁極面を有するように厚さ方向に単極着磁された平板状の永久磁石である。これらの検出用磁石42a、42bは、光軸方向に沿ってホール素子41に異極性の磁極が対向するように磁気シールド用ヨーク5a、5bとともに切り込み溝102a、102bに固定される。切り込み溝102aは、固定枠10の一端側のフランジ部101から中央部に向って上り勾配となるように形成され、切り込み溝102bも固定枠10の他端側から中央に向って上り勾配となるように形成されている。
【0032】
(検出用磁石)
図5に示すように、各検出用磁石42a、42bは、光軸方向と垂直な方向から見てホール素子41の移動方向に沿って逆V字状を呈するように配置される。すなわち図5に示すように、検出用磁石42a、42bは、光軸と平行な直線mに対して角度α1、α2だけ傾斜するように本体10に固定される。したがって検出用磁石42aの一端部と検出用磁石42bの一端部が近接又は接触する位置(一点鎖線P0で示す。)から各磁石の他端部(一点鎖線P1又はP2で示す。)に向かって、ホール素子41の感磁面と第1の検出磁石42aの磁極面とのギャップgが単調に減少し、ホール素子41の感磁面と第2の検出磁石42bの磁極面とのギャップgも単調に減少するように配置されている。ここでギャップgは、狭すぎると磁束波形が歪やすくなり、また広すぎても曲線状に変化する部分が増大して、直線領域が短くなるので、GaAs系ホール素子を使用する場合で、0.3mm以上、1.5mm未満に設定することが好ましく、0.5〜1.0mmの範囲がより好ましい。また角度α1と角度α2は同一でもあるいは異なっていてもよいが、20°〜30°の範囲で設定することが好ましい。
【0033】
検出用磁石をこのように配置することにより、ホール素子41の感磁面における磁束密度は磁石のほぼ全長にわたって直線的に変化するようになり、ホール素子41の出力電圧も直線的に変化する。磁束密度がゼロになる初期位置(一点鎖線P0で示す位置)では、ホール素子の出力電圧もゼロになる。この初期位置からホール素子41がZ1方向又はZ2方向に移動することにより、ホール素子で検出される磁束密度が直線的に変化する。これにより、ホール素子から出力される電圧が単調に増加又は減少するので、現在位置を正確に把握できる。
【0034】
上記の検出用磁石は、材質を問わず、公知の永久磁石で形成することができるが、耐ノイズ特性の観点から、入力回路側ゲインを低く設定するため、又、センサ部の小型化を図るために、希土類磁石、例えばR−Fe-B系焼結磁石(但し、RはYを含む希土類元素の一種以上で、Ndを必ず含む。)を使用することが好ましい。
【0035】
(ホール素子)
ホール素子の出力電圧は、材料の電子移動度やホール係数に依存し、通常はGaAs、InSb、InAs等のIII−V族化合物からなるN型半導体の薄膜(厚さ数μm)で形成されたホール素子が使用される。本発明では、高精度の位置制御を可能とするために、ホール係数の温度係数が小さい(約−0.06%/℃)、GaAsで形成されたホール素子を使用することが好ましい。また化合物系以外でも、Siからなるホール素子を使用し、ホール素子とオペアンプ等の信号処理回路を一体化したホールICを使用することができるが、ホール素子の感度が低いので、ホール素子及びオペアンプのオフセット電圧を低減し、かつ温度補償機能をもつ回路構成とすることが必要である。
【0036】
(信号処理回路)
ホール素子41は、可動枠と同方向に移動することにより、可動枠の位置を検出する位置検出素子であり、可動枠の位置を電圧信号として出力するために、図7に示すように例えばオペアンプを含む位置信号処理回路6に接続されている。本発明においては、4端子のホール素子41を駆動して、磁束密度に比例した出力電圧を得るために、ホール素子の入力側端子に駆動回路(不図示)を接続し、ホール素子の出力側端子に差動増幅回路62を接続した回路構成とすることができる。ホール素子は定電流又は定電圧で駆動されるが、GaAsホール素子は、定電圧で駆動すると温度特性が悪くなる(約−0.3%/℃)ので、通常は定電流で駆動される。本発明においては、例えば、図7に示すようにホール素子41の入力側に、非反転入力端子に電源(Vc=基準電圧)が接続されたオペアンプOP1と電流制限抵抗R1からなる定電流駆動回路61を接続して、制御電流Ic=Vc/R1となる定電流動作で駆動することができる。
【0037】
ホール素子の出力を受ける差動増幅回路62においては、抵抗R3が負帰還接続されたオペアンプOP2と、オペアンプOP2の反転入力端子に接続された抵抗R2及びオペアンプOP2の非反転入力端子に接続された抵抗R2、R3により、ホール素子の出力電圧は差動増幅される。この差動増幅回路のゲインGはR3/(R2+Rout)となるので、R2及びR3を調整することにより、レンズの位置情報を適切な電圧信号として出力することができる。
【0038】
[磁気シールド用部材]
また各検出用磁石42a、42bの背面側(ホール素子41の感磁面に対向しない側の磁極面)には、各磁石よりも投影面積(図2において、各磁石の磁極面に垂直な方向から見た場合の面積)の大なる、強磁性体からなる一対の平板状ヨーク5a、5bが固着されている。これらの平板状ヨークは検出用磁石から発生する磁束が外部に漏洩するのを防止するために設けられる磁気シールド用部材であり、永久磁石の磁気特性が低く、漏洩磁束が少ない場合は、省略することができる。
【0039】
[リニアモータの動作]
上記のリニアモータの動作は次の通りである。空芯コイル2a、2bに通電すると、フレミングの左手の法則により、空芯コイル2a、2bに光軸方向の推力が発生し、その方向に可動枠12が移動し、電流の極性と大きさを変えることにより、可動枠12の移動方向と移動量を調整することができる。
【0040】
ホール素子41によって検出された位置信号(可動枠の移動量)は信号処理回路6によって所定の倍率に増幅され、次いで制御回路7で目標位置指令(コイル位置指令信号)と比較されて駆動信号が生成されて、駆動回路8からリニアモータ(空芯コイル)に駆動電流が供給される。ここでホール素子41の感度中心が初期位置(極性が反転する磁極境界位置)に存在すると、ホール素子の出力電圧はゼロであるが、ホール素子41が光軸方向に移動すると、ホール素子の出力電圧は磁束密度に比例して変化する(直線的に増加又は減少する)ので、可動枠の位置を正確に検出することができる。この位置検出信号に基づいてリニアモータの駆動電流を制御することにより、フォーカスレンズを所定の位置まで移動することができる。
【0041】
[本発明と先行技術との相違点]
リニアモータにより撮像レンズを駆動する場合、通常は、位置検出手段としてリセット用センサ(フォトインタラプタ)と磁気抵抗素子(MR素子)及び狭ピッチで多極着磁を施したシート状の検出用磁石を使用することが一般的であるが、本発明ではこれらの部材に代えて、単一のホール素子とV字状に配置された単極着磁された一対の検出用磁石により位置検出センサを形成する点で相違するものである。
【0042】
本発明の位置検出センサは、MR素子に比べると極めて小型であるホール素子を使用するとともに、従来の位置検出センサでは必要とされていた初期位置(原点)を設定するためのリセット用センサ(フォトインタラプタ)が不要で、しかも検出用磁石として、単極着磁を施した平板状用磁石を逆V字型に配置するといった構成を備えている。この構成により、10mm以上の広い範囲において、磁気センサと検出用磁石とのギャップを厳密に調整するまでもなく、高精度の位置検出性能を維持しつつ、位置検出部が簡素化されしかも位置検出センサを収容するためのスペースを小さくすることが可能となる、低コストのレンズ駆動装置を得ることができる。
【0043】
本発明の位置検出センサと従来の位置検出センサとの相違点を列挙すると次の通りである。
【0044】
(1)本発明の位置検出センサによれば、ホール素子の出力電圧は光軸方向に沿って単調に変化するために、移動位置に対するホール素子の出力電圧の値を予め特定しておけば、絶対位置の情報を得ることも可能であり、更には出力電圧がゼロになる位置(磁束密度分布のN極とS極の境界位置)は、検出用磁石の位置により機械的に定まるので、磁石位置を正確に調整するだけで光軸方向でのばらつきが殆どない、初期位置の設定を行うことができる。したがって、リセット用センサ(フォトインタラプタ)を省略しても高精度の位置決めを行うことができる。
【0045】
(2)従来の位置検出機構では、リセット用センサは通常、移動範囲の端点(始端又は終端)に設置するため、初期位置を設定するために移動範囲の全長にわたってMR素子を移動することが必要で、初期化に要する時間が長くなりやすい。これに対して本発明によれば、移動範囲の中点となる磁束密度分布のゼロクロス点を初期位置とするので、初期化に要する時間を従来と比べて半分に短縮でき、フォーカス動作の高速化を図ることができる。
【0046】
(3)ホール素子からの出力電圧は、レンズの移動距離に比例して単調に増加(又は減少)するアナログ出力となるために、逓倍化などの必要はなく、単純にアナログ出力を読み取ることで分解能を可能な限り低く設定することが可能になる。
【0047】
(4)ホール素子と検出用磁石とのギャップは、ホール素子の出力電圧に対する入力側のオペアンプのゲインなどの設定のために調整するものであり、0.3mm〜1mm程度の幅広い範囲で設定することが可能で、厳密なギャップの管理や微調整などの必要が無くなり、位置センサの組立を大幅に簡素化できる。しかもMR素子と検出用磁石(多極着磁シート)との組合せのようにギャップを厳密に管理するために、組立後に検出面の平坦度を確保すべく追加工(組加工)などを行うことや、組立後のMR素子の多極着磁シート方向への位置の微調整などの必要がなく、組立のみで性能が得られるために、検出部の製造工数を削減することができる。
【0048】
(5)GMR素子を用いた位置検出機構と比べても、10〜20μmといった極めて狭い着磁ピッチをもつ検出用磁石が不要でしかも磁界検出素子と検出用磁石を摺動させる必要がなくなるために、スムーズな動きが実現され、また、耐久性の向上と無音化を図ることができる。
【0049】
(6)本発明によれば、光軸方向に沿って、10mm以上(原点位置から両側に5mm以上ずつ)もの長い範囲にわたって、ホール素子の出力電圧は直線的に増減するため、光軸方向の長さ寸法は、レンズ移動範囲分に相当する長さで済み、検出用磁石を光軸方向に沿って直線状に配置した場合に比べると、光学的なフォーカス移動要求量が10mm〜30mmの場合で、概略1/10〜1/30倍の長さで済み、フォーカス装置の小型化を図ることが可能になる。
【0050】
(7)本発明の位置センサによれば、検出用磁石は、単極着磁でよく、磁極ピッチの狭い多極着磁を施す必要がないことから、専用の着磁装置が不要となり、専用の設備を準備する必要がなくなるといった経済上の利点がある。また、単極着磁のため磁束密度はほぼ飽和状態までの着磁が出来るため、磁石毎の磁束密度分布の個体差は殆どなく検出用磁石としてのバラツキは殆ど無くすことが出来るという利点もある。
【0051】
[実施例1]
図4及び図5において、ホール素子と検出用磁石のギャップを0〜1.5mmの間で変化させた場合の光軸方向の磁束密度分布を図8に示す。図8に示す磁束波形は、図5において、検出用磁石として、Nd−Fe−B系焼結磁石[長さ(lm1、lm2)=7.0mm、幅(w1、w2)=2.0mm、厚さ(t1、t2)=1.4mm、(BH)max=40MGOe)を使用し、GaAs系ホール素子を使用した場合のシミュレーション結果である。なお、図8(後述の図9、図10も同様)に示す磁束密度分布は、ホール素子41が初期位置[図5(a)のP0位置]から検出用磁石42aのエッジ部[図5(a)のP1位置]又は検出用磁石42bのエッジ部[図5(a)のP2位置]まで移動した場合の波形を示す。初期位置P0では磁束密度が略ゼロとなるので、この位置ではホール素子の出力電圧がゼロになるように出力電圧のオフセットが調整される。
【0052】
図8の曲線X11で示すようにホール素子と検出用磁石の端部とのギャップgがゼロの場合は、磁束密度の変化が直線的になるのは、磁極境界の近傍にすぎず、極めて短い範囲になる。また曲線X12及び曲線X13で各々示すように0.5mm及び1.0mmとギャップgが増大するに従って直線領域が長くなることがわかる。但し、曲線X14で示すようにギャップgが1.5mmでは、初期位置から5.0mmを超えると磁束密度が曲線的に変化し、ギャップgが0.5mm及び1.0mmの場合と比較して直線領域が狭まる。図8から、本発明においては、ホール素子と検出用磁石のギャップは、移動距離に応じて適宜設定することが好ましく、例えば移動距離が約10mmの場合は、ギャップを0.3〜1.0mmの範囲で設定することが望ましいことがわかる。図8のシミュレーション結果から、ギャップgは0.5mmから1.0mmの範囲がより好ましいと言える。このように、本発明の構造であると、磁界検出素子としてホール素子を使用するとともに検出用磁石を特定の配置とするので、高精度の位置決めを行うことができるため、位置検出手段を従来よりも簡素化することができ、高い実用性を有する。
【0053】
[比較例1]
比較のために、図4及び5において、検出用磁石(図8の場合と同様)を光軸方向に沿ってホール素子(実施例1と同様)とのギャップgが一定になるように(直線状に)配置した場合の磁束密度分布を図10に示す。図10から、曲線X21で示すようにギャップgがゼロの場合は略台形状の波形で、曲線X22、曲線X23及び曲線X24で各々示すようにギャップgが0.5mm、1.0mm及び1.5mmと大きくなるに従って略円弧状の波形になり、いずれの場合も直線領域は、磁極境界付近の狭い領域に限定されることがわかる。
【0054】
[実施例2]
本発明においては、検出用磁石の傾き(図5に示す角度α1、α2)は、例えば20〜30°の範囲に設定することが好ましい。図9は、検出用磁石の傾き(角度α1=角度α2)を変化させた場合の磁束密度分布を示し、曲線Xa、Xb及びXcは各々傾きが15°、25°、35°の場合の磁束密度分布を示す。図9から、角度α1(α2)を25°に設定すると(曲線Xb参照)、角度α1(α2)が15°及び35°の場合(曲線Xa、Xc)と比べて、直線領域を長くできることがわかる。
【0055】
[変形例1]
本発明は、上記の実施の形態に限らず、種々の変形が可能であり、例えば次の構造でもよい。リニアモータの数は、必要とされる推力やスペースに応じて選定すればよく、複数の磁気回路部及びコイルで構成するまでもなく、単一の磁気回路部及びコイルで構成することができる。
【0056】
[変形例2]
図1に示す実施の形態では、可動部の軽量化を図るためにホール素子を可動枠に設け、検出用磁石を固定枠に設けた構造を示すが、検出用磁石を固定枠に設け、ホール素子を可動枠に設けた構造であってもよい。
【0057】
[変形例3]
本発明の位置検出センサは、前述した通り、レンズ駆動装置などの用途に使用する場合には、初期位置(原点)を検出するためのリセット用センサ(例えばフォトインタラプタ)を省略することができる。しかし位置検出センサを組み込んだ回路の設計上の理由などで、ホール素子の出力電圧をDCレベルに調整することがある。その場合には、出力電圧をGNDレベルからオフセットすると、磁束密度分布におけるゼロクロス点が存在しなくなるので、リセット用センサを使用することが必要となる。リセット用センサを併用した場合でも、MR素子と多極着磁シートを組み合わせた位置検出センサと比較すると、組立工数が低減され、また製造コストも低減できるといった利点を有する。
【0058】
[応用例1]
上記の実施の形態では、本発明のレンズ駆動装置はフォーカスレンズを光軸方向に駆動する例を示すが、ズームレンズの駆動装置も上記と同様の構成とすることができる。
【0059】
[応用例2]
本発明の位置検出センサは、フォーカスレンズやズームレンズを駆動する装置に限らず、種々の用途に使用することができる。例えばレンズ鏡筒に組み込まれたマニュアルフォーカスリングの光軸方向の位置検出手段に適用することができる。すなわち一般には、レンズ鏡筒(固定筒)の外周に装着されたマニュアル操作リングが光軸方向に移動すると、マニュアル操作リングの内周面に設けられたエンコーダ部材[例えば所定の導体パターン(エンコーダパターン)を有するFPC]の表面を摺動してマニュアル操作リングの光軸方向の位置信号を出力する摺動ブラシが使用されている。この摺動ブラシの代わりに本発明の位置検出センサを使用することにより、非接触でマニュアル操作リングの位置を検出することができ、もって位置検出部材の耐久性を向上することができる。また本発明の位置検出センサは、リニアモータ以外の運動形式のモータ(ロータリモータ)、例えばDCモータやステッピングモータなどを有する各種装置に適用できることはもちろんである。
【符号の説明】
【0060】
10:本体、101:フランジ部、102a、102b:切り込み溝、
103a、103b:磁気回路保持溝
11a、11b:シャフト、
12:可動枠、121a、121b:シャフト案内部、122、123a:平坦面
13:レンズ、
1a、1b:ボイスコイル型リニアモータ、
2a、2b:空芯コイル、
3a、3b:磁気回路部、
31a、31b:ヨーク、
311a、311b:コ字形ヨーク
312a、312b:板状ヨーク
32a、32b:駆動用永久磁石、
4:位置検出センサ、
41:ホール素子、
42a、42b:検出用磁石、
5a、5b:ヨーク、
6:信号処理回路、
61:定電流回路、
62:増幅回路、
7:制御回路、
8:駆動回路、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホール素子と、前記ホール素子の感磁面に対向する検出用磁極面を有する第1の検出用磁石と、前記第1の検出用磁石に隣接して配置された前記ホール素子の感磁面に対向する前記第1の検出用磁石とは異極性の検出用磁極面を有する第2の検出用磁石とを有し、両検出磁石の間に位置検出用原点が設定されるとともに、一方の前記検出用磁石は他方の前記検出用磁石に向って前記感磁面と前記磁極面とのギャップが単調に増加するように配置されていることを特徴とする位置検出センサ。
【請求項2】
前記ホール素子の感磁面と前記検出用磁石とのギャップは、最も狭い位置で0.3mm以上、1.5mm未満に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の位置検出センサ。
【請求項3】
前記各検出用磁石は、前記ホール素子の感磁面と平行な直線に対して感磁用磁極面が20°〜30°の角度範囲だけ傾いて設置されていることを特徴とする請求項2に記載の位置検出センサ。
【請求項4】
前記各検出用磁石は、R−Fe-B系焼結磁石(但し、RはYを含む希土類元素の一種以上で、Ndを必ず含む。)からなるとともに、前記各検出用磁石の検出用磁極面とは反対側の磁極面に磁気シールド部材が装着されていることを特徴とする請求項3に記載の位置検出センサ。
【請求項5】
固定部材の内部に光軸方向に沿って移動可能に配置された、撮像レンズを保持する可動部材と、
前記可動部材の外周側に固定された可動コイルと、前記可動コイルに対向して前記固定部材の内周側に固定された、ヨークを有する永久磁石からなる磁気回路部と、前記可動部材に配設されたホール素子からなる位置検出センサと前記ホール素子に対向する検出用磁石を有するリニアモータとを備えたレンズ駆動装置において、
前記検出用磁石は、厚さ方向に磁化されかつ前記光軸方向に沿って異極性の磁極が隣接する一対の平板状磁石からなり、かつ、磁極の境界を挟んで逆V字状に配置されていることを特徴とする撮像レンズ駆動装置。
【請求項6】
一対の平板状永久磁石は、ホール素子との間隔が磁極の境界から端部まで単調に増加するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−68339(P2012−68339A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211563(P2010−211563)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(505056742)ピーエス特機株式会社 (5)
【Fターム(参考)】