説明

低周波治療器

【課題】簡素な構成にて、本体を支える手間が要らない利便性の高い低周波治療器を提供すること。
【解決手段】低周波治療器1は、低周波電流を発生する本体2と、本体2から延びる2本の導子コード3と、各導子コード3を介して本体2に接続された導子4と、各導子コード3間を接続して本体2を吊り下げ可能なコード環11を形成する接続コード10とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低周波治療器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、低周波治療器の多くは、その低周波電流を発生する本体と導子とが、コードを介して接続された構造を有している。また、通常、導子には粘着性のパッドが設けられており、導子は、そのパッドが貼り付くことで施療部位に固定される。なお、特許文献1には、首や脚部等の施療部位に装着可能な略U字型の支持体を備える構成が開示されている。そして、その貼り付けられたパッドを当接面として、施療部位に対する低周波治療を行う構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−79169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、パッドの粘着力は、たとえ携帯可能な小型の低周波治療器であったとしても、その本体の重さを支えるには不十分である。そして、上記従来例のような支持体は、携帯に不向きである。このため、使用者は、その施療部位から導子が外れないように、本体を支える何らかの手当て(例えば、手に持つ、或いは衣服のポケットに入れる等)をしなければならないのが実情あり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、簡素な構成にて、本体を支える手間が要らない利便性の高い低周波治療器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、本発明の低周波治療器は、低周波電流を発生する本体と、前記本体から延びる2本の導子コードと、前記各導子コードを介して前記本体に接続された導子と、前記各導子コード間を接続して前記本体を吊り下げ可能なコード環を形成する接続コードと、を備えること、を特徴とする。
【0007】
上記構成の低周波治療器において、前記接続コードは、前記各導子を接続部として前記各導子コード間を接続することが好ましい。
上記構成の低周波治療器において、前記各導子は、前記接続コードと前記各導子コードとを接続する接続具と、前記各導子内における前記接続具の摺動を許容するガイド部と、を備えることが好ましい。
【0008】
上記構成の低周波治療器において、前記各導子は、前記接続具及びガイド部を接点として前記各導子コードと電気的に接続されることが好ましい。
上記構成の低周波治療器において、前記各導子コードは、コネクタを介して第1導子コード及び第2導子コードを接続してなるとともに、前記接続コードは、前記コネクタを接続部として前記各導子コード間を接続することが好ましい。
【0009】
上記構成の低周波治療器において、前記接続コードには、該接続コードを分割可能な分割手段が設けられることが好ましい。
上記構成の低周波治療器において、前記分割手段は、前記接続コードに作用する引っ張り力に基づいて、該接続コードを分割することが好ましい。
【0010】
上記構成の低周波治療器において、前記接続コードと前記各導子コードとの接続部の少なくとも一方には、前記接続コード及び前記各導子コードの少なくとも何れか一つのコード長を調節可能な調節手段が設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡素な構成にて、本体を支える手間が要らない利便性の高い低周波治療器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態における低周波治療器の斜視図。
【図2】第1の実施形態における導子の分解斜視図。
【図3】第1の実施形態におけるカバーを外した導子の斜視図。
【図4】連結ケースの分解斜視図。
【図5】(a)第1コネクタの斜視図、(b)第2コネクタの斜視図。
【図6】(a)(b)第2の実施形態における低周波治療器の概略構成図。
【図7】第3の実施形態における低周波治療器の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、低周波治療器1は、低周波電流を発生する本体2と、本体2から延びる二本の導子コード3と、各導子コード3を介して本体2に接続された導子4とを備えている。
【0014】
詳述すると、本体2は、扁平略円筒状に形成されている。そして、その内部には、回路基板や電池等(図示略)が収容されている。また、本体2の軸方向端部(同図中、上側の端部)には、突出部5が形成されており、各導子コード3は、その側面5a,5bから、互いに相反する方向(同図中、略左右方向)に引き出されている。そして、各導子4は、それぞれ、その対応する導子コード3の先端3aに設けられている。
【0015】
また、各導子4は、導電性ゴム6が設けられた下カバー7を有している。導電性ゴム6は、略円板状に形成されている。また、下カバー7は、凹状に湾曲した略楕円形状を有している。そして、導電性ゴム6は、下カバー7に形成された収容凹部8内において、その表面6aが下カバー7と面一になるように配置されている。
【0016】
なお、使用状態では、導電性ゴム6の表面6aに粘着性のパッド(図示略)が貼り付けられる。そして、各導子4は、そのパッドを貼り付ける態様で施療部位に当接される。
さらに、本実施形態の低周波治療器1は、各導子4を接続部として各導子コード3間を接続する接続コード10を有している。そして、これら各導子コード3及び接続コード10により、本体2を吊り下げ可能なコード環11が形成されている。
【0017】
詳述すると、低周波治療器1は、本体2を吊り下げる態様でコード環11を首に掛けたとき、その各導子4が首筋に対応して配置されるように構成されている。そして、使用者は、この首から本体2を吊り下げた状態で、その首筋に対する低周波治療を行うことが可能となっている。
【0018】
なお、本実施形態では、低周波治療器1の作動を制御するためのスイッチ12は、本体2における突出部5とは反対側の端部(同図中、下側の端部)に設けられている。また、本体2は、その外周に表裏の関係にある略平坦な二面を有している。そして、その片方の面2aに、ステータス表示部13や電池蓋14、或いは注意事項表示部15等を集中的に配置することによって、デザイン自由度を高める構成になっている。
【0019】
さらに詳述すると、図2に示すように、各導子4は、略楕円状の外形を有して湾曲略板状に形成されたベース20と、その凸面20aを覆うドーム状のカバー21とを備えている。また、各導子4は、導子コード3と電気的に接続される板状電極22を備えている。なお、板状電極22は、ベース20に対応するように湾曲して形成された円状の外形を有している。そして、導電性ゴム6は、その裏面6bが板状電極22に接触する状態でベース20に保持される。
【0020】
すなわち、本実施形態では、ベース20の凹面20bにより下カバー7が構成されている(図1参照)。また、導電性ゴム6は、板状電極22を挿入体(インサート)として金型成形される。なお、板状電極22には、複数の貫通孔23が設けられており、これにより、成型後の導電性ゴム6には、各貫通孔23に係合する複数の係合突部24が形成される。そして、導電性ゴム6は、その周縁を抱え込むように板状電極22と密着した状態で一体成型されている。
【0021】
また、図2及び図3に示すように、板状電極22には、その組付状態においてベース20の凸面20a側に突出する複数の折り返し片25が形成されている。そして、板状電極22は、これらの折り返し片25を介してベース20に保持され、及び導子コード3に接続される。
【0022】
具体的には、各折り返し片25のうち、対向する位置関係にある二片(25a,25b)には、貫通孔26が形成されている。また、ベース20の凸面20aには、これら各貫通孔26に対応する一対の螺子止め部27が設けられている。そして、板状電極22は、その各貫通孔26に螺子28が挿通され、各螺子28がベース20の各螺子止め部27に螺子付けられることにより、導電性ゴム6とともにベース20に支承されるようになっている。
【0023】
さらに、各折り返し片25のうちの一片(25c)には、各導子コード3の導線30を挿通可能な挿通孔31が形成されている。そして、その挿通孔31に挿通された導線30が、折り返し片25cと接合することにより、板状電極22と導子コード3、すなわち各導子4と各導子コード3とが、電気的に接続されるようになっている。
【0024】
また、各導子4は、接続コード10と各導子コード3とを接続する接続具としての連結ケース40を備えている。
図4に示すように、本実施形態では、接続コード10の先端10a及び各導子コード3の先端3aには、それぞれ、径方向に突出する平板状のフランジ41が形成されている。そして、連結ケース40は、その2つのフランジ41を挟み込む態様で嵌合する第1部材43及び第2部材44を備えている。
【0025】
具体的には、第1部材43及び第2部材44は、それぞれ、略矩形板状に形成された基部45a,45bを備えるとともに、各基部45a,45bの長手方向両端には、接続コード10及びその対応する導子コード3が配置される凹部47a,47bが形成されている。なお、各凹部47a,47bは、略半円状の断面を有して各基部45a,45bの長手方向に延設されている。また、各基部45a,45bには、各凹部47a,47bに連接して、各フランジ41に係合可能な係合孔48a,48bが形成されている。さらに、第1部材43には、複数(4つの)の係合爪49が形成されている。そして、本実施形態では、これら各係合爪49が第2部材44側の各係合孔48bに係合することにより、その第1部材43と第2部材44との嵌合状態が維持されるようになっている。
【0026】
すなわち、図2及び図3に示すように、接続コード10及び各導子コード3は、互いのフランジ41を対向させた状態で、第1部材43及び第2部材44間に挟み込まれる。なお、本実施形態の連結ケース40では、第1部材43及び第2部材44間に隙間を設定することにより、その外部に導線30を引き出すための導出口50が形成されている。そして、連結ケース40は、第1部材43及び第2部材44(の基部45a,45b)の係合孔48a,48bが各フランジ41に係合することによって、その対応する導子コード3と接続コード10との間を相対移動不能に連結することが可能になっている。
【0027】
また、ベース20の凸面20aには、その長手方向に沿って平行に延びる一対の案内壁51,52が立設されている。そして、連結ケース40は、これら案内壁51,52の間に配置されている。
【0028】
具体的には、これら案内壁51,52の間隔は、連結ケース40の短手方向幅(第1部材43及び第2部材44の短手方向幅)と略等しく設定されている。また、ベース20の凸面20a及びカバー21には、その長手方向両端に、接続コード10及び各導子コード3の挿通孔53(図1参照)を形成する凹部55,56が形成されている。なお、挿通孔53の内径は、接続コード10及び各導子コード3のコード径よりも大径に設定されている。そして、これにより、連結ケース40は、案内壁51,52をガイド部として、その長手方向に沿って、ベース20の凸面20a上、すなわち各導子4の内部を摺動することが可能となっている。
【0029】
また、図1に示すように、接続コード10は、ジョイント60を介して二本の分割コード61を接続することにより形成されている。そして、本実施形態の低周波治療器1は、そのジョイント60を分割手段として用いることにより、接続コード10を2つに分割して、そのコード環11を開環する(開く)ことが可能になっている。
【0030】
詳述すると、図5(a)(b)に示すように、ジョイント60は、棒状の雄型嵌合部62を有する第1ジョイント63と、その雄型嵌合部62に嵌合する断面C字状の雌型嵌合部65を備えた第2ジョイント66とを備えてなる。
【0031】
すなわち、各導子4との接続側を各分割コード61の基端とすると、二本の分割コード61のうち、一方の先端61aには、第1ジョイント63が設けられ、他方の先端61bには、第2ジョイント66が設けられている。
【0032】
なお、各分割コード61の先端61a,61bには、それぞれ、板状のフランジ67が設けられている。また、第1ジョイント63及び第2ジョイント66の内部には、そのフランジ67に係合する係合凹部68が形成されている。そして、第1ジョイント63及び第2ジョイント66は、上記連結ケース40と同様、その係合凹部68とフランジ67との係合に基づいて、それぞれ、対応する各分割コード61の先端61a,61bに固定されている。
【0033】
ここで、雌型嵌合部65は、弾性変形を許容する材料(例えば、樹脂等)を用いて形成されている。具体的には、雌型嵌合部65は、筒体65aの周壁を切り欠くかたちで形成された開口部65bを有している。そして、この開口部65bの開口幅(切り欠かれた周方向幅)は、雄型嵌合部62の直径よりも狭く設定されている。
【0034】
すなわち、雄型嵌合部62と雌型嵌合部65との嵌合は、その開口部65bを押し広げるように、雌型嵌合部65の筒内65cに雄型嵌合部62を押し込むことにより行われる。なお、雌型嵌合部65の内径は、雄型嵌合部62の直径と略等しく設定されている。そして、その嵌合の解除は、雌型嵌合部65の筒内65cからその開口部65bを押し広げるように、雄型嵌合部62を引き出すことにより行われる。
【0035】
次に、上記のように構成された低周波治療器の作用について説明する。
本実施形態では、接続コード10の途中には、分割手段としてのジョイント60が設けられている。これにより、そのコード環11を開いた状態で、低周波治療器1を施療部位となる首に装着することが可能になる。そして、その後、再びジョイント60を連結状態としてコード環11を形成することにより、その本体2を首から吊り下げることが可能になる。
【0036】
また、接続コード10と各導子コード3とを接続する連結ケース40は、各導子4内における摺動が許容されている。したがって、各導子4は、その連結ケース40の摺動範囲において、コード環11上を移動することができる。その結果、各導子4の配置を調整することが可能になる。
【0037】
さらに、ジョイント60による接続コード10の分割は、断面C字状をなす雌型嵌合部65の筒内65cから、その開口部65bを押し広げるように、雄型嵌合部62を引き出すことにより行われる。したがって、使用者の手や腕等にコード環11が引っ掛かった場合には、その接続コード10に作用する引っ張り力に基づいて、接続コード10が分割される。
【0038】
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)低周波治療器1は、低周波電流を発生する本体2と、本体2から延びる2本の導子コード3と、各導子コード3を介して本体2に接続された導子4と、各導子コード3間を接続して本体2を吊り下げ可能なコード環11を形成する接続コード10とを備える。
【0039】
上記構成によれば、簡素な構成にて、首等の施療部位から本体2を吊り下げた状態で、その低周波治療を行うことができる。これにより、手に持つ等により本体2を支える手当が不要になる。その結果、例えば、作業をしながら、或いは移動しながら、その施療を行うことができるようになる。そして、軽量で自在に変形することが可能なコードを用いることによって、高い携帯性を実現することができる。
【0040】
(2)接続コード10は、各導子4を接続部として各導子コード3間を接続する。これにより、新たな構成要素を追加することなく、簡素な構成にて、各導子コード3間を接続することができる。
【0041】
(3)各導子4は、接続コード10と各導子コード3とを接続する連結ケース40と、各導子4内における連結ケース40の摺動を許容するガイド部としての案内壁51,52とを備える。これにより、各導子4は、その連結ケース40の摺動範囲において、コード環11上を移動することができる。その結果、各導子4の配置を調整して、より適切な施療を行うことができる。
【0042】
(4)接続コード10の途中には、分割手段としてのジョイント60が設けられる。これにより、接続コード10を分割し、コード環11を開くことができる。その結果、その施療部位に対して容易に装着することができるようになる。特に、首を施療部位とする場合、頭をコード環11に通して低周波治療器1を装着することで、そのパッドに髪の毛が絡まるおそれがある。しかしながら、上記構成によれば、コード環11を開いて髪の毛の下側から低周波治療器1を装着し又は取り外すことができる。その結果、女性等、髪の長い使用者の利便性を大幅に向上させることができる。
【0043】
(5)ジョイント60は、接続コード10に作用する引っ張り力に基づいて、その連結状態を解除する。これにより、使用者の手や腕等にコード環11が引っ掛かった場合であっても、その引っ張り力に基づいて、接続コード10が分割される。そして、そのコード環11が開くことにより、施療部位に高い負荷がかかる状況を回避して、高い安全性を実現することができる。
【0044】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0045】
図6(a)(b)に示すように、本実施形態の低周波治療器71において、各導子74の内部には、それぞれ、巻き取り機構75が設けられている。そして、接続コード70の両端(先端70a)は、これらの2つの巻き取り機構75に接続されている。
【0046】
すなわち、本実施形態の低周波治療器71は、これらの巻き取り機構75を用いて、各導子74内に接続コード70を巻き取る、及び各導子74から接続コード70を引き出すことが可能となっている。なお、図6(a)は、接続コード70が巻き取られた状態を示し、図6(b)は、接続コード70が引き出された状態を示す。また、各巻き取り機構75には、その巻き取り位置を保持する周知のストッパ機能が備えられている。そして、本実施形態では、これにより、その接続部としての各導子74間における接続コード70のコード長を自在に調節することが可能になっている。
【0047】
以上、本実施形態によれば、巻き取り機構75を用いて接続コード70のコード長を調節することで、各導子4の配置を自在に調整することができる。その結果、首に限らず、例えば、肩や背中等、様々な施療部位に対して、より適切な施療を行うことができるようになる。そして、接続コード70を短く巻き取ることで、その収納性及び携帯性を大幅に向上させることができる。
【0048】
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0049】
図7に示すように、本実施形態の低周波治療器81では、各導子コード3は、第1導子コード83及び第2導子コード84を接続することにより形成される。具体的には、これらの第1導子コード83及び第2導子コード84は、それぞれ、コネクタ85を介して電気的及び物理的に接続されている。また、各導子4は、その第2導子コード84の先端に設けられている。そして、接続コード80は、そのコネクタ85を接続部として、各導子コード3を接続する構成となっている。
【0050】
以上、本実施形態によれば、各導子コード3におけるコネクタ85よりも先端側、すなわち各導子4が設けられた第2導子コード84を自在に動かすことができる。これにより、各導子4の配置を自在に調整することができる。その結果、より適切な施療を行うことができるようになる。
【0051】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1の実施形態では、本発明を、主に首を施療部位とした低周波治療器1に具体化したが、必ずしも特定の施療部位に最適化したものでなくともよい。
【0052】
・上記第1の実施形態では、板状電極22に形成された折り返し片25cに導線30を接合することにより、各導子4と各導子コード3とが、電気的に接続されることした。
しかし、これに限らず、接続具としての連結ケース40及びガイド部としての各案内壁51,52を接点として、各導子4と各導子コード3とが電気的に接続される構成としてもよい。これにより、各導子4内における導線30の配線が簡略化される。そして、連結ケース40の摺動に伴う導線30の脱落を抑えて、高い信頼性を確保することができる。
【0053】
なお、このような構成は、連結ケース40及び各案内壁51,52を金属等の導電材料により形成する。そして、各導子コード3の導線30を連結ケース40に接合し、各案内壁51,52を板状電極22に接合する等によって、容易に具体化することができる。
【0054】
・上記第1の実施形態では、ベース20の凸面20aに形成された各案内壁51,52をガイド部とすることとしたが、ガイド部の構成は、必ずしもこれに限るものではない。そして、接続具の構成についても、実施例に開示した連結ケース40に限るものではない。
【0055】
・また、接続コード10の先端10a及び各導子コード3の先端3aが各導子4に固定された構成、すなわち、各導子4がコード環11上を移動できない構成に具体化してもよい。
【0056】
・上記第1の実施形態では、接続コード10は、ジョイント60を介して二本の分割コード61を接続することにより形成されることとした。しかし、これに限らず、3本以上に分割可能な接続コードを用いてもよい。そして、接続コードの途中に分割手段が設けられていないものに具体化してもよい。
【0057】
・また、ジョイント60は、雄型嵌合部62と雌型嵌合部65との嵌合に基づいて、二本の分割コード61を接続することとした。しかし、これに限らず、例えば、嵌合以外の方法で連結及びその解除を行うものを採用してもよい。そして、その装着及び取り外しの利便性を重視する場合、引っ張り力に基づく接続状態の解除については、必ずしも考慮しなくともよい。
【0058】
・さらに、分割手段は、ジョイント60のように、その連結状態を任意に解除することのできるものでなくともよい。すなわち、過大な引っ張り力が作用した場合にのみ、接続コードが分割されるようにしてもよい。なお、これは、例えば、接続コードの途中に、少なくとも一つ、予め引張強度の低い部分を設定する等によって、容易に具体化することができる。
【0059】
・上記第2の実施形態では、各導子74に設けられた巻き取り機構75を調節手段に用いることとした。しかし、これに限らず、例えば、その各導子74内に接続コード70の両端(先端70a)を束ねる等、巻き取り以外の方法により、そのコード長を調節可能なものを調節手段とする構成であってもよい。
【0060】
・また、上記第3の実施形態における各コネクタ85のように、各導子4以外の構成を接続部とする場合にも、その接続部に巻き取り機構75等のような調節手段を設けるとよい。
【0061】
・さらに、上記第2の実施形態では、各導子74の両方に巻き取り機構75を設けることとしたが、少なくとも何れか一方に調節手段が設けられる構成としてもよい。このような構成としても、その収納性及び携帯性の向上を図ることができる。ただし、各導子74の位置調整機能を考慮するならば、両方の各導子74に設けることが望ましい。
【0062】
・また、上記第2の実施形態では、調節手段としての巻き取り機構75は、接続コード70のコード長を調節可能であることとした。しかし、これに限らず、各導子コード3のコード長を調節可能な構成としてもよい。さらに、接続コード70及び各導子コード3の少なくとも一つのコード長を調節可能な構成としてもよい。なお、これは、例えば、各導子74に、それぞれ、2つの巻き取り機構を設ける等によって、容易に具体化することができる。そして、全てのコードを巻き取り可能とすることで、その収納性及び携帯性を大幅に向上させることができる。
【0063】
・本体2及び各導子4(74)の形状は、上記各実施形態に開示した形状でなくともよく、任意に変更してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…低周波治療器、2…本体、3…導子コード、4…導子、6…導電性ゴム、10…接続コード、11…コード環、20…ベース、20a…凸面、20b…凹面、21…カバー、22…板状電極、25,25a,25b,25c…折り返し片、30…導線、40…連結ケース、41…フランジ、50…導出口、51…案内壁、52…案内壁、53…挿通孔、60…ジョイント、61…分割コード、62…雄型嵌合部、63…第1ジョイント、65…雌型嵌合部、66…第2ジョイント、67…フランジ、68…係合凹部、70…接続コード、71…低周波治療器、74…導子、75…巻き取り機構、80…接続コード、81…低周波治療器、83…第1導子コード、84…第2導子コード、85…コネクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低周波電流を発生する本体と、
前記本体から延びる2本の導子コードと、
前記各導子コードを介して前記本体に接続された導子と、
前記各導子コード間を接続して前記本体を吊り下げ可能なコード環を形成する接続コードと、を備えた低周波治療器。
【請求項2】
請求項1に記載の低周波治療器において、
前記接続コードは、前記各導子を接続部として前記各導子コード間を接続すること、
を特徴とする低周波治療器。
【請求項3】
請求項2に記載の低周波治療器において、
前記各導子は、前記接続コードと前記各導子コードとを接続する接続具と、
前記各導子内における前記接続具の摺動を許容するガイド部と、を備えること、
を特徴とする低周波治療器。
【請求項4】
請求項3に記載の低周波治療器において、
前記各導子は、前記接続具及びガイド部を接点として前記各導子コードと電気的に接続されること、を特徴とする低周波治療器。
【請求項5】
請求項1に記載の低周波治療器において、
前記各導子コードは、コネクタを介して第1導子コード及び第2導子コードを接続してなるとともに、
前記接続コードは、前記コネクタを接続部として前記各導子コード間を接続すること、
を特徴とする低周波治療器。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の低周波治療器において、
前記接続コードには、該接続コードを分割可能な分割手段が設けられること、
を特徴とする低周波治療器。
【請求項7】
請求項6に記載の低周波治療器において、
前記分割手段は、前記接続コードに作用する引っ張り力に基づいて、該接続コードを分割すること、を特徴とする低周波治療器。
【請求項8】
請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の低周波治療器において、
前記接続コードと前記各導子コードとの接続部の少なくとも一方には、前記接続コード及び前記各導子コードの少なくとも何れか一つのコード長を調節可能な調節手段が設けられること、を特徴とする低周波治療器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−48723(P2013−48723A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188346(P2011−188346)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】