説明

低塩形態のポリアリルアミン

【課題】分解速度が許容限界内であり、副作用が少ないポリアリルアミンポリマーを含有してなる医薬組成物を提供すること。
【解決手段】リン酸塩過剰血症を治療するための医薬の製造における安定なポリアリルアミン塩酸塩ポリマーの使用であって、ここで該ポリマーの4重量%〜12重量%が塩化物アニオンであり、該ポリアリルアミンポリマー中のアミン基の9.0%〜27.0%がプロトン化されている、使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアリルアミンポリマーを含有してなる医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ポリアリルアミンポリマーは、近年、治療剤としての多くの使用が見出されている。例えば、ポリアリルアミンは、上昇した血清リン酸塩レベルおよびリン酸塩過剰血症を罹患する患者の治療において有効であることが報告されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。上昇した血清リン酸塩は、腎不全、副甲状腺機能低下、急性未治療先端巨大症およびリン酸塩を含有する治療剤の過剰薬物適用(overmedication)を罹患している患者にしばしば存在する。ポリアリルアミンはまた、胆汁酸金属イオン封鎖剤として(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5ならびに特許文献6)および尿酸レベルを低下するため(特許文献7)の使用が見出されている。特に注目されるのは、食品医薬品局によりリン酸塩過剰血症の治療が承認されている薬物セベラマー塩酸塩(Sevelamer Hydrochroride)(Sevelamer)である。
【0003】
ポリアリルアミンポリマーの特徴的な構造特性は、重合されたアリルアミンモノマー由来の繰り返し単位の存在である。例えば、セベラマーは、重合されたアリルアミンモノマー由来のアミン窒素が置換されていない繰り返し単位を含有するホモポリマーである。セベラマーホモポリマー由来の繰り返し単位の構造は、以下に構造式(I) :
【0004】
【化1】

【0005】
で示される。他のポリアリルアミンにおいて、重合されたアリルモノマー繰り返し単位におけるアミン窒素は、置換されている。適切な置換基は、以下に記載される。
【0006】
効能を維持し、所望でない副作用を防ぐために、薬理学的活性成分を含む医薬品における成分が、長期間にわたり、典型的には少なくとも2年間、化学的に安定であることが、非常に重要である。この期間中、分解速度は、許容限界内になければならない。しかしながら、アミン化合物は、酸化的分解を受けやすい。このために、アミン官能基を含む薬物は、一般に塩、典型的には塩酸(HCl) 塩の形態(ほとんどの場合において対応する遊離のアミンより安定である)で保管および投与される。例えば、セベラマーは、アミン基の約40%が塩酸塩としてプロトン化されている塩(ポリマーの約18重量%が塩化物である)として保管され、投与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第 5,496,545号明細書
【特許文献2】米国特許第 5,667,775号明細書
【特許文献3】米国特許第 5,624,963号明細書
【特許文献4】米国特許第 5,703,188号明細書
【特許文献5】米国特許第 5,840,766号明細書
【特許文献6】米国特許第 6,060,517号明細書
【特許文献7】米国特許第 5,985,938号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、分解速度が許容限界内であり、副作用が少ないポリアリルアミンポリマーを含有してなる医薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕リン酸塩過剰血症を治療するための医薬の製造における安定なポリアリルアミン塩酸塩ポリマーの使用であって、ここで該ポリマーの4重量%〜12重量%が塩化物アニオンであり、該ポリアリルアミンポリマー中のアミン基の9.0%〜27.0%がプロトン化されている、使用、
〔2〕ポリマーの5重量%〜9重量%が塩化物アニオンである〔1〕記載の使用、
〔3〕ポリマーがホモポリマーである〔2〕記載の使用、
〔4〕ポリアリルアミン塩酸塩ポリマーが構造式(I) :
【化2】


で表される繰り返し単位を含有してなる〔3〕記載の使用、
〔5〕ポリマーが架橋されている〔4〕記載の使用、
〔6〕ポリマーが2-ヒドロキシプロピル架橋基で架橋されている〔5〕記載の使用、
〔7〕リン酸塩過剰血症を治療するための医薬の製造における安定なポリアリルアミンホモポリマーの使用であって、ここで、該ポリアリルアミンホモポリマーは、構造式(I) :
【化3】


で表される繰り返し単位を含み、該ホモポリマーは2-ヒドロキシプロピル基で架橋され、該ホモポリマー中のアミン基の9%〜30%が2-ヒドロキシプロピル架橋基の1つに結合されており、かつ該ホモポリマーの5重量%〜9重量%が塩化物アニオンであり、該ポリアリルアミンポリマー中のアミン基の9.0%〜27.0%がプロトン化されている、使用
に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、分解速度が許容限界内であり、副作用が少ないポリアリルアミンポリマーを含有してなる医薬組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の要約
驚くべきことに、40%よりかなり少ないアミン基がプロトン化されているアミン含有ポリマーは、薬物安定性目的に対する許容限界内の速度で分解することが、現在見出されている。この分野では、薬物安定性試験のためのガイドラインが確立されており、調和国際会議(ICH), Q1A節「新規薬物の物質および製品の安定性試験」(改訂)および;連邦規則集(CFR), 21 CFR 211.166 「ヒト薬物およびバイオテクノロジー製品の安定性にする文書提出ガイドライン(Guideline for Submitting Documentation for the Stability of Human Drugs and Biologics) 」が挙げられる。例えば、加速安定性試験条件の下で、約4.0 重量%の塩化物〜約12重量%の塩化物を有するポリアミン塩酸塩は、少なくとも2年間、最小の分解で保管されうることが示されている。さらに、この「低い塩化物」または「低い塩」の形態のポリアリルアミン塩酸塩は、より高いレベルの塩化物を有する対応するポリマーと同じ所望の治療および製剤特性を有する。前記発見に基づいて、低レベルのプロトン化を有するポリアリルアミンポリマーの安定な医薬製剤およびかかるポリマーを含有してなる新規医薬組成物が、本明細書において開示される。本明細書に使用される場合、ポリマーおよびその医薬製剤に関して「安定」という用語は、ポリマーの医薬製剤が、治療有効性を維持しながら、薬物安定性目的に対する許容限界内の速度で分解することを意味する。
【0012】
本発明の1つの態様は、ポリアリルアミンポリマー中のアミン基の約9.0 %〜約27.0%がプロトン化されている(例えば、ポリマーの約4.0 重量%〜約12.0重量%が塩化物アニオンであるポリアリルアミン塩酸塩)安定なポリアリルアミンポリマーである。より好ましくは、ポリアリルアミンポリマー中のアミン基の約11%〜約20.0%が、プロトン化されている(例えば、ポリマーの約5.0 重量%〜約9.0 重量%が塩化物アニオンであるポリアリルアミン塩酸塩)。アミン基は、好ましくは、塩酸塩としてプロトン化されている。
【0013】
本発明の別の態様は、前記した安定なポリアリルアミンポリマー、および薬学的に許容されうるキャリアまたは希釈剤を含有してなる医薬組成物である。
【0014】
低い塩の形態のポリアリルアミンは、より高い塩のレベルを有する対応するポリマーと比較して、重要な治療利点および薬物製剤化利点を有する。例えば、ポリアリルアミンは、腎不全を罹患する患者におけるリン酸血清レベルを低減するために、一般に使用される。不幸にも、腎不全を罹患する患者のほとんどは、低い血液pHすなわち「アシドーシス」にも罹患する。低い塩形態のポリアリルアミンは、より高い塩形態のポリマーと比較して血液に放出されるアニオンをより少なく有し、プロトン化されていない塩基性アミンの数における増加を有し、それにより、血液pHを増加する傾向がある。第2に、低い塩含量は、最終の投薬形態の重量およびかさを減少し、それにより、製剤化および投与をより容易にする。
【0015】
発明の詳細な説明
ポリアリルアミンは、重合化アリルアミンモノマー由来の繰り返し単位を有するポリマーである。アリルモノマーのアミン基は、非置換であるか、または、例えば、1または2個のC1〜C10直鎖もしくは分枝アルキル基で置換され得る。アルキル基は、任意に1つ以上のヒドロキシル基、アミン基、ハロ基、フェニル基、アミド基またはニトリル基で置換される。好ましくは、本発明のポリアリルアミンポリマーは、構造式(I):
【0016】
【化4】

【0017】
で表される繰り返し単位を含む。
【0018】
ポリアリルアミンは、2つ以上の異なる重合化アリルモノマー由来の繰り返し単位を含むコポリマーまたは重合化アリルモノマー由来の繰り返し単位および重合化非アリルモノマー由来の繰り返し単位を有するコポリマーであり得る。好適な非アリルモノマーの例としては、アクリルアミドモノマー、アクリル酸モノマー、マレイン酸、マレインイミド(malimide)モノマー、ビニルアシル化モノマーおよびアルキル置換オレフィンが挙げられる。しかし、好ましくは、本発明のポリアリルアミンは、重合化アリルアミンモノマー由来の繰り返し単位を単独で含む。より好ましくは、本発明のポリアリルアミンポリマーは、ホモポリマーである。さらにより好ましくは、本発明のポリアリルアミンポリマーは、構造式(I)により表される繰り返し単位のホモポリマーである。
【0019】
ポリアリルアミンは非架橋であり得るが、好ましくは架橋される。好適な架橋剤としては、エピクロロヒドリン、1,4 ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2 エタンジオールジグリシジルエーテル、1,3-ジクロロプロパン、1,2-ジクロロエタン、1,3-ジブロモプロパン、1,2-ジブロモエタン、スクシニルジクロリド、コハク酸ジメチル、トルエンジイソシアネート、アクリロイルクロリド、および無水ピロメリト酸が挙げられる。エピクロロヒドリンは好ましい架橋剤である。典型的には、約9%〜約30%、好ましくは15%〜約21%のアリル窒素原子が架橋基に結合される。好ましくは、エピクロロヒドリンは架橋剤であり、2-ヒドロキシプロピル架橋基を生じる。
【0020】
ポリアリルアミンは、生理的に許容され得るアニオンを含む有機または無機酸でプロトン化され得る。該アニオンは、種々の手段(架橋前にポリマーを陰イオン交換樹脂に通すことが挙げられる)により、他の生理的に許容され得るアニオンで部分的にまたは完全に置換され得る。ポリアリルアミンポリマーは、1つより多くの型のアニオンを含み得る。好適な無機アニオンの例としては、ハロゲン化物(特に塩化物)、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、硫酸水素塩、水酸化物、硝酸塩、過硫酸塩および亜硫酸塩が挙げられる。好適な有機アニオン(ion )としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、二水素クエン酸塩、クエン酸水素塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、タウロコール酸塩、グリココール酸塩、およびコール酸塩が挙げられる。塩化物は、好ましくはアニオンである。
【0021】
好ましい態様において、ポリアリルアミンポリマーはエピクロロヒドリンで架橋され、約9%〜約30%(好ましくは約15%〜約21%)のアリル窒素原子が架橋基に結合され、アニオンは塩化物である。より好ましくは、ポリアリルアミンポリマーはホモポリマーである。さらにより好ましくは、ポリアリルアミンポリマーは、構造式(I)によって表される繰り返し単位を含むホモポリマーである。
【0022】
最も好ましい態様において、ポリアリルアミンポリマーは、約9.0〜9.8%、好ましくは9.3〜9.5%のエピクロロヒドリンで架橋されたホモポリアリルアミンであり、セベラマー HClとして公知の薬物の活性化学成分である。
【0023】
本明細書に記載されるポリアリルアミンポリマーは、種々の状態(リン酸塩過剰血症(例えば、末期腎疾患を有する患者などの高血清リン酸塩レベル、副甲状腺機能低下症、末端肥大症、およびリン酸塩の過剰投薬を有する患者)が挙げられる)を処置するのに有用である。本明細書に記載されるポリマーはまた、患者の尿酸レベルを低下させるウィルソン病の処置において、および腎臓透析と共に使用され得るシャントの血栓症の予防において、胆汁酸金属イオン封鎖剤としても好適である。約0.5グラム/日〜約10グラム/日の投薬が典型的であり、約3グラム/日〜約6グラム/日が好ましい。
【0024】
ポリマーは、単独、またはポリマー、薬学的に許容され得るキャリアもしくは希釈剤、および任意に1つ以上のさらなる薬剤を含む医薬組成物中で投与され得る。ポリマーは、好ましくは経口で投与され、さらにより好ましくは食事と共に経口で投与される。好適なキャリアおよび希釈剤は、当業者にとって直ちに理解できる。これらのキャリアおよび希釈剤物質(天然の無機または有機のいずれか)としては、例えば、酸化ケイ素、ステアリン酸、ゼラチン、アルブミン、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム保存薬(安定薬)、溶融剤、乳化剤、塩および緩衝剤が挙げられる。治療有効量は、適切な時間間隔(例えば、分または時間)に分けて一連の用量で投与され得る。
【0025】
好適な投薬、投薬形態および投与経路のさらなる記載は、米国特許第5,496,545 号、同第5,667,775 号、同第6,083,495 号、同第5,702,696 号および同第5,487,999 号に提供される。これらの特許の全教示は、参考として本明細書に援用される。
【0026】
本発明は、以下の実施例によって例示されるが、いかなる限定も意図されない。
【実施例】
【0027】
実施例
実施例1−低塩化物セベラマー塩酸塩(ポリアリルアミンホモポリマー)の調製
種々の塩化物レベル(約1重量%、約5重量%、約9重量%)のセベラマーHCl を、Dow Chemicals (Midland, Michigan )製造の市販バルクセベラマー(約18重量%の塩化物)から調製した。バルクセベラマーを水中でスラリーにし、さらに50%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液で中和した。種々の量のNaOHを添加して、ポリマーの塩化物重量のレベルにおいて所望の減少を達成した。例えば、Renagel 中の総塩化物(約18%)に関して0.5当量のNaOHを添加し、塩化物において約50%の減少を生じ、ポリマーの約9重量%塩化物を有するセベラマーをもたらし、0.75当量のNaOHは塩化物において約75%の減少を生じ、約5重量%の塩化物を有するセベラマーをもたらし、0.95以上の当量は約1重量%の塩化物を有するセベラマーをもたらす。
【0028】
中和されたセベラマーを濾過し、伝導性スラリーが1mS/cm未満であるように適切な量の水に再懸濁した。懸濁液を濾過し、乾燥するまで70℃の強制空気オーブン中で乾燥させた。次いで、乾燥したセベラマーをすりつぶし、ふるい分けた。
【0029】
あるいは、エピクロロヒドリンで架橋したポリアリルアミンポリマーを、米国特許第5,496,545 号、同第5,667,775 号、同第6,083,495 号、同第5,702,696 号および同第5,487,999 号に記載のように合成し、上記のように中和して、ポリマーの所望の重量パーセントの塩化物を得ることもできる。
【0030】
実施例2−低塩化物セベラマー HClを用いた安定性研究
それぞれポリマーの約9重量%、5重量%、および1重量%の塩化物を有する実施例1に記載する低塩化物セベラマー塩酸塩ポリマー(ポリアリルアミンホモポリマー)を、調和国際会議(ICH )のガイドラインに従って安定性について試験した。加速安定性試験は、各低塩化物ポリマー試料のそれぞれを40℃75%相対湿度で1、2、3および6ヶ月間オーブンに置く工程を含む。各時点で、各ポリマー試料それぞれの一部を取り出し、2つのアッセイ(リン酸塩結合アッセイおよび可溶性オリゴマーアッセイ)を使用して分析した。両アッセイは、ポリアリルアミンポリマーに対する安定性を示すアッセイとして示されている。
【0031】
リン酸塩結合アッセイは、セベラマー塩酸塩のリン酸塩結合能力を測定し、これがその治療効果の指標である。該アッセイを、セベラマー塩酸塩試料を公知のリン酸塩濃度の溶液と混合し、ポリマー−リン酸塩複合体を濾過除去し、イオンクロマトグラフィーにより非結合リン酸塩濃度を定量することにより実施する。
【0032】
可溶性オリゴマーアッセイは、各セベラマー塩酸塩サンプルにおける可溶性オリゴマーの量を決定する。滴定可能なアミンおよび可溶性オリゴマー含有量が、各時点でのポリマー安定性を示している。該アッセイを、各時点でセベラマー塩酸塩の試料から抽出されているオリゴマーとニンヒドリンとを反応させることにより実施する。残存する可溶性オリゴマーの量を測定する分光測光定量を、誘導された試料抽出物の吸光度を公知の標準の吸光度と比較することにより実施した。
【0033】
安定性試験の結果は、9重量%および5重量%の塩化物組成物試料が非常に良好な安定性プロフィールを有している(これらはリン酸塩を結合する能力を保有し、残存可溶性オリゴマーレベルは各試料の許容され得る限界の範囲内である)ことを示している。本研究の結果は、それぞれ9重量%および5重量%の塩化物組成物を有する低塩化物バージョンのセベラマー塩酸塩が約18%塩化物含有量(現今販売されているセベラマー薬物製品に見出される塩化物含有量)を有するセベラマー塩酸塩と同様の安定性プロフィールを有することを示す。加速安定性結果はさらに、低塩化物セベラマー塩酸塩薬物製品の貯蔵寿命は少なくとも2年に相当することを示す。
【0034】
本発明は、その好ましい態様を参考に詳細に示され、記載されたが、形式および詳細において種々の変更が、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱せず本明細書においてなされ得ることを当業者により理解される。
【0035】
本発明の態様として、以下のものが挙げられる。
[1]薬学的に許容されうるキャリアまたは希釈剤、および安定なポリアリルアミン塩酸塩ポリマー、ここでポリマーの約 4重量%〜約12重量%が塩化物アニオンである、を含有してなる医薬組成物。
[2]ポリマーの約 5重量%〜約 9重量%が塩化物アニオンである[1]記載の医薬組成物。
[3]ポリマーがホモポリマーである[2]記載の医薬組成物。
[4]ポリマーが構造式(I) :
【化5】


で表される繰り返し単位を含有してなる[3]記載の医薬組成物。
[5]ポリマーが架橋されている[4]記載の医薬組成物。
[6]ポリマーが2-ヒドロキシプロピル架橋基で架橋されている[5]記載の医薬組成物。
[7]薬学的に許容されうるキャリアまたは希釈剤、および構造式(I) :
【化6】


で表される繰り返し単位を含有してなる安定なポリアリルアミンホモポリマー、ここで、ホモポリマーは2-ヒドロキシプロピル基で架橋され、ホモポリマー中のアミン基の約 9%〜約30%が2-ヒドロキシプロピル架橋基の1つに結合されており、かつホモポリマーの約 5重量%〜約 9重量%が塩化物アニオンである、を含有してなる医薬組成物。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸塩過剰血症を治療するための医薬の製造における安定なポリアリルアミン塩酸塩ポリマーの使用であって、ここで該ポリマーの4重量%〜12重量%が塩化物アニオンであり、該ポリアリルアミンポリマー中のアミン基の9.0%〜27.0%がプロトン化されている、使用。
【請求項2】
ポリマーの5重量%〜9重量%が塩化物アニオンである請求項1記載の使用。
【請求項3】
ポリマーがホモポリマーである請求項2記載の使用。
【請求項4】
ポリアリルアミン塩酸塩ポリマーが構造式(I) :
【化1】


で表される繰り返し単位を含有してなる請求項3記載の使用。
【請求項5】
ポリマーが架橋されている請求項4記載の使用。
【請求項6】
ポリマーが2-ヒドロキシプロピル架橋基で架橋されている請求項5記載の使用。
【請求項7】
リン酸塩過剰血症を治療するための医薬の製造における安定なポリアリルアミンホモポリマーの使用であって、ここで、該ポリアリルアミンホモポリマーは、構造式(I) :
【化2】


で表される繰り返し単位を含み、該ホモポリマーは2-ヒドロキシプロピル基で架橋され、該ホモポリマー中のアミン基の9%〜30%が2-ヒドロキシプロピル架橋基の1つに結合されており、かつ該ホモポリマーの5重量%〜9重量%が塩化物アニオンであり、該ポリアリルアミンポリマー中のアミン基の9.0%〜27.0%がプロトン化されている、使用。


【公開番号】特開2010−111704(P2010−111704A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20592(P2010−20592)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【分割の表示】特願2002−582951(P2002−582951)の分割
【原出願日】平成14年4月10日(2002.4.10)
【出願人】(591042816)ジェンザイム コーポレーション (20)
【Fターム(参考)】