説明

低減された電力消費状態においてコンピュータタスクを行う方法およびシステム

【課題】無駄な電力を生じないように、低電力状態でタスクを実行する。
【解決手段】動作環境およびサービス環境に関して物理リソースを仮想化し、節電モードにすると、動作環境を抜けて、サービス環境に入り、1以上の物理リソースから形成される第1のセットを低電力消費状態とし、プロセッサと、1以上の物理リソースから形成される第2のセットとを利用して、サービス環境でタスクを実行する。物理リソースは、動作環境が初期化されると動作環境に割り当てられてよく、他の物理リソースが低電力消費状態とされている間、サービス環境が利用するサービス環境へ再度割り当てられてよい。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
コンピュータシステムは、電力を消費する複数の物理リソースを含む。
【0002】
コンピュータシステムは、システム全般に亘る節電特徴を含み、命令プロセッサを含む全てのまたは実質的に全ての物理リソースを、低減された電力状態としうる、またはスリープ状態としうる。
【0003】
通常動作において、コンピュータシステムが1以上の物理リソースを利用してタスクを行う間、1以上の他の物理リソースが利用されないことがある。例えば、記憶デバイスとネットワークとの間のデータ転送では、記憶デバイスおよびネットワークインタフェースカードは利用されても、ディスプレイ、プリンタ、キーボード、および他の物理リソースは利用されないであろう。
【0004】
コンピュータタスクが、比較的大量のデータ転送等により完了まで比較的長時間かかる場合、または、コンピュータが他の目的に不要なときにタスクを行う場合、利用されていない物理リソースをアクティブな状態に維持すると、無駄な電力消費が生じる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】低電力消費モードまたは状態において、コンピュータシステムの1以上の物理リソースを利用してコンピュータシステムでタスクを行う例示的な方法のプロセスフローチャートである。
【0006】
【図2】動作環境およびサービス環境に関してコンピュータシステムの物理リソースを仮想化し、低電力消費モードでコンピュータシステムの1以上の物理リソースを利用してサービス環境でサービスタスクを行う例示的な方法のプロセスフローチャートである。
【0007】
【図3】サービス環境タスクを行うのにコンピュータシステムの物理リソースのサブセットを選択的に低電力消費状態にする例示的な方法のプロセスフローチャートである。
【0008】
【図4】例示的なコンピュータシステム400のブロック図である。
【0009】
【図5】コンピュータシステム400の例示的な環境をグラフィックに示す。
【0010】
【図6】コンピュータシステム400の別の例示的な環境をグラフィックに示す。
【0011】
【図7】コンピュータシステム400の別の例示的な環境をグラフィックに示す。
【0012】
【図8】コンピュータシステム400の別の例示的な環境をグラフィックに示す。
【0013】
図面の参照番号の一番左の桁は、その参照番号が最初に登場する図面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、低電力消費モードまたは状態において、コンピュータシステム100の1以上の物理リソースを利用してコンピュータシステムでタスクを行う例示的な方法のプロセスフローチャートである。
【0015】
102で、コンピュータシステムの動作環境下で1以上のタスクまたは機能を行う。1以上の機能は、動作環境内で実行される1以上のアプリケーションに呼応して行われてよい。
【0016】
104で、節電モードでタスクを行う決定がなされうる。
【0017】
106で、節電モードでタスクを行う決定がなされると、コンピュータシステムの1以上の物理リソースから形成される第1のセットが低電力消費モードまたは状態とされ、プロセッサおよび1以上の物理リソースから形成される第2のセットがアクティブモードまたは状態に維持される。
【0018】
物理リソースは、入出力(I/O)デバイスを含みえて、これは、ディスプレイまたはモニタ、プリンタ、キーボード、およびポインタデバイス等のヒューマンインタフェースデバイス(HID);ハードディスクドライブ記憶デバイス、光学記憶デバイス、および取り外し可能な記憶デバイス等の記憶デバイス;ネットワークインタフェースカード(NIC)デバイス、のなかから、1以上を含みうる。
【0019】
低電力消費状態は、低性能状態および休止状態の少なくとも一方を含みうる。低性能状態は、動作速度が遅い状態を含みうる。休止状態は、対応するデバイスが通信バスに対して呼応しないことがある、D1またはD2状態といった中間電力状態、およびD3状態といった電源オフ状態を含みうる。
【0020】
プロセッサは、通常性能状態、または、低速度状態といった低性能状態に維持されうる。
【0021】
コンピュータシステムが多数のプロセッサ、またはコアを含む場合、プロセッサまたはコアの少なくとも1つがアクティブ状態に維持される。残りのプロセッサまたはコアは、低電力消費状態にされえて、これには、低性能状態および休止状態の少なくとも一方が含まれうる。休止状態は、C1状態といった1以上の停止状態、C2状態といったクロック停止状態、および、C3状態といったスリープ状態、および電力オフ状態を含みうる。
【0022】
108で、タスクは、アクティブなプロセッサおよび1以上のアクティブな物理リソースから形成される第2のセットを利用して実行される。
【0023】
1以上の物理リソースから形成される第2のセットは、ネットワークインタフェースデバイスおよび記憶デバイスを含みえて、タスクは、ネットワークインタフェースデバイスを制御してネットワークと記憶デバイスとの間で情報を転送することを含みうる。タスクは、1以上のコンピュータシステムからネットワークへの情報のアップロード(コンピュータシステムからネットワークへの情報のバックアップの目的から行われうる)、および、ネットワークからコンピュータシステムへの情報のダウンロードを含みうる。ここで利用される情報は、1以上のデータおよび命令を含みうる。
【0024】
コンピュータシステムは、多数の動作環境をサポートし、本質的に他の動作環境がスリープ状態にある場合にサービス環境からのタスクを行うよう構成されうるが、その例を以下に示す。
【0025】
図2は、動作環境およびサービス環境に関してコンピュータシステムの物理リソースを仮想化し、低電力消費モードでコンピュータシステムの1以上の物理リソースを利用してサービス環境でサービスタスクを行う例示的な方法200のプロセスフローチャートである。
【0026】
202で、コンピュータシステムの物理リソースは、1以上の動作環境および1つのサービス環境に関して仮想化される。1以上の動作環境は、1以上の従来の動作環境を含みうる。物理リソースの仮想化には、コンピュータシステムで仮想マシン管理(VMM)ロジックを開始することが含まれてよい。
【0027】
204で、動作環境下で1以上のタスクまたは機能を行う。1以上の機能は、動作環境内で実行される1以上のアプリケーションに呼応して行われてよい。
【0028】
206で、節電モードまたは状態でサービス環境タスクまたはサービスタスクを行う決定がなされうる。この決定は、1以上のスケジューリングされたサービスタスクに呼応して、サービスタスクが進行中またはスケジューリングされているときにコンピュータシステムを低電力消費モードとする旨の動作環境からの要請に呼応して、および、ネットワーク経由で受信した命令に呼応して、なされてよい。
【0029】
208で、節電モードでサービスタスクを行う決定がなされると、動作環境を抜けて、サービス環境に入る。
【0030】
動作環境を抜けることは、仮想マシン(VM)を抜けることを含む、またはこれに類似していてよく、動作環境の状態(動作環境で実行されている任意のアプリケーション、および、任意の関連するオープンデータファイルの状態を含む)を保存して、後に再起動することなく動作環境に再度入ることを可能とすることを含みうる。状態情報は、スリープ状態(S3状態)におけるようなランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ、および、休止状態(S4状態)におけるようなハードディスクドライブ等の不揮発性メモリの1以上に保存されてよい。
【0031】
動作環境を抜けることは、G2またはS5状態等のソフトオフ状態(soft-off state)、または、G3状態等の機械的なオフ状態(mechanical-off state)に類似した、状態情報を保存せずに、アプリケーションを抜けること、および、関連するデータファイルを閉じることを含みうる。
【0032】
210で、コンピュータシステムの1以上の物理リソースから形成される第1のセットが、低電力消費状態にされ、この間、プロセッサおよび1以上の物理リソースから形成される第2のセットは、アクティブ状態に維持されるが、これは図1の106に関して実質的に上述されている。
【0033】
212で、アクティブなプロセッサおよび1以上のアクティブな物理リソースから形成される第2のセットを利用して、サービスタスクがサービス環境で実行される。
【0034】
214で、サービスタスクが完了すると、サービス環境を抜けてよい。サービス環境を抜けると、1以上の物理リソースから形成される第2のセットが、低電力消費状態にされうる。または、動作環境に再度入り、動作環境が再起動され、1以上の物理リソースから形成される第1のセットをアクティブ状態に戻すこともできる。
【0035】
サービス環境は、多数のサービスタスクを行うよう構成されうるが、このうち1以上は対応するアクティブな物理リソースのセットを有する。コンピュータシステムは、各々が1以上の対応するサービス環境タスクと対応するアクティブな物理リソースとを有する多数のサービス環境をサポートするよう構成されうる。
【0036】
1以上の物理リソースから形成される第1のセットを低電力消費状態にすることは、例えば図3に関して以下に記載するように、選択的に行われてよい。例えば、サービスタスクが比較的迅速に完了するような場合には、1以上の物理リソースから形成される第1のセットをアクティブ状態に維持しておいて、サービスタスクが完了すると、動作環境に再度入ってよい。逆にサービスタスクが比較的長時間かかる場合には、図2に関して上述したように、1以上の物理リソースから形成される第1のセットを低電力消費状態にすることができる。
【0037】
図3は、サービス環境タスクを行うのにコンピュータシステムの1以上の物理リソースから形成されるセットを選択的に低電力消費状態にする例示的な方法300のプロセスフローチャートである。
【0038】
302で、コンピュータシステムの物理リソースは、1以上の動作環境および1つのサービス環境に関して仮想化されるが、これには、第1の物理リソースを動作環境に割り当て、第2の物理リソースをサービス環境に割り当てることが含まれる。
【0039】
304で、コンピュータシステムの動作を、動作環境とサービス環境との間で切り替えて、対応する割り当てられた物理リソースを利用してタスクを行う。
【0040】
例えば、第1の物理リソースは、ハードディスクドライブ等の記憶デバイスを含みえて、第2の物理リソースは、ここではネットワークインタフェースカード(NIC)と称されるネットワークインタフェースデバイスを含みうる。サービスタスクは、NICおよび記憶デバイスを制御して、記憶デバイスとネットワークとの間でデータを転送することを含みうる。304で動作環境とサービス環境との間を切り替えることは、サービス環境に入ってコンピュータシステムとネットワークとの間で通信を行い、動作環境に入って記憶デバイスにアクセスすることを含みうる。304の切り替えは、対応する仮想マシン(VM)を抜けることと、VMに入ることとを含みうる。サービスタスクが比較的迅速に完了する場合には、サービスタスク中にコンピュータシステムの物理リソースをアクティブ状態に維持してよい。
【0041】
306で、節電モードでサービスタスクを行う、または継続するという決定が、図2の206に関して実質的に上述したように、なされてよい。
【0042】
308で、節電モードでサービスタスクを行うという決定がなされると、図2の208に関して実質的に上述したように、動作環境を抜ける。
【0043】
310で、図2の210に関して実質的に上述したように、コンピュータシステムの1以上の物理リソースから形成される第1のセットを、低電力消費状態にし、プロセッサおよび物理リソースから形成される第2のセットをアクティブ状態に維持する。
【0044】
図3の例において、物理リソースから形成される第2のセットは、動作環境およびサービス環境にそれぞれ当初割り当てられた第1および第2の物理リソースを含む。
【0045】
312で、第1の物理リソースがサービス環境に再度割り当てられて、第1の物理リソースをサービス環境から制御する。再度割り当てることには、第1の物理リソースに関連付けられたドライバへの直接アクセスを提供すること、または、サービス環境内で、またはそれに関してドライバを再開することが含まれうる。第1の物理リソースのサービス環境への割り当てには、システム管理コントローラの更新が含まれてよく、システム管理コントローラ、または、SMC IRPの中断処理特徴の更新が含まれてよい。
【0046】
314で、アクティブなプロセッサ、および、第1および第2の物理リソースを含む1以上のアクティブな物理リソースから形成される第2のセットを利用して、サービスタスクをサービス環境で行う。
【0047】
316で、サービスタスクが完了すると、サービス環境を抜けてよい。サービス環境を抜けると、プロセッサおよび物理リソースから形成される第2のセットが、低電力消費状態にされうるが、これは、コンピュータシステムをシステム全般に亘るスリープモードにすることに類似していてよい。または、動作環境に再度入ってよく、物理リソースから形成される第1のセットをアクティブ状態にしてよく、第1の物理リソースを動作環境に再度割り当ててよい。
【0048】
システム全般に亘るスリープモードを実行すること、および、動作環境に再度入ることの間で決定を行ってよい。この決定は、306で動作環境から受信する入力に呼応してなされてよい。
【0049】
ここで方法100、200、および300に関して記載される1以上の特徴は、単独で実装されても、互いを様々に組み合わせて実装されてもよい。
【0050】
方法100、200、および300の少なくとも1つ、およびその部分は、ロジックに実装されてもよく、これは、集積回路ロジックおよびコンピュータプログラムプロダクトロジックの少なくとも一方を含みうる。
【0051】
図4は、プロセッサ402として示される1以上のコンピュータ命令処理部またはコアを含み、命令、コード、およびソフトウェアとしても知られているコンピュータプログラムプロダクトロジックを実行する例示的なコンピュータシステム400のブロック図である。
【0052】
コンピュータシステム400は、コンピュータプログラムプロダクトロジックまたは命令406が記憶されたコンピュータ可読媒体を含むメモリ/記憶装置404を含み、それに呼応してプロセッサ402に1以上の機能を行わせる。
【0053】
コンピュータシステム400は、1以上のネットワークインタフェースデバイスまたはカード(NIC)410、ハードディスク記憶デバイス(HD)412、ディスプレイまたはモニタ414、プリンタデバイス416、オーディオスピーカ418、および取り外し可能なデバイス420を含みうる物理リソース408を含む。
【0054】
コンピュータシステム400は、通信インフラストラクチャ422を含み、プロセッサ402、メモリ/記憶装置404、および物理リソース408のなかで、データおよび命令を通信する。通信インフラストラクチャ422は、1以上の物理リソース408へのユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェースを含みうる。
【0055】
図4の例においては、ロジック406は、起動ロジック424を含み、システムリセットされたら、プロセッサ402にコンピュータシステム400を初期化させる。起動ロジック424は、1以上の物理リソース408に対応するロジックを含み、プロセッサ402に、システムリセットに続いて対応する物理リソース408を初期化させてよい。起動ロジック424は、ファームウェアインタフェース(EFI)ロジックを含みうる。
【0056】
ロジック406はさらに、仮想マシン管理(VMM)ロジック426を含み、1以上の動作環境への1以上の物理リソース408を、プロセッサ402に仮想化させる。
【0057】
ロジック406は、プロセッサ402にサービス環境をホストさせるサービスオペレーティングシステム(SOS)ロジック430、サービス環境内の1以上のサービスタスクをプロセッサ402に行わせるサービスタスクロジック432を含むサービス環境ロジック428をさらに含む。
【0058】
ロジック406は、さらに、プロセッサ402に動作環境をホストさせるオペレーティングシステムロジック436を含む動作環境ロジック434を含む。動作環境ロジック434は、1以上のアプリケーションプログラムに対応するアプリケーションロジック438を含み、プロセッサ402に動作環境内で1以上のタスクを行わせる。動作環境ロジック434は、プロセッサ402に、サービス環境内で行われるサービスタスクを開始および/またはスケジューリングさせるサービスタスク管理コンソールロジック440を含みうる。サービスタスク管理コンソールロジック440は、プロセッサ402にコンソールまたはウィンドウを表示させ、ユーザ入力を受信させるロジックを含みうる。
【0059】
ロジック406は、さらに、電力管理ロジック442を含み、プロセッサ402に、1以上の物理リソース408を低電力消費状態にさせる。
【0060】
ロジック406は、サービスタスクロジック432および電力管理ロジック442を呼び出す決定ロジック444を含みうるが、これは図3に関して実質的に上述されている。
【0061】
コンピュータシステム400の例示的動作を図5−8に関して以下に記載する。コンピュータシステム400は、以下の例示に限定はされない。
【0062】
図5は、図4のVMMロジック426に対応するVMM層502を含む、コンピュータシステム400の例示的環境500をグラフィックに示し、図4のオペレーティングシステムロジック436に対応する動作環境504、および、図4のSOSロジック430に対応するサービス環境506をホストする。
【0063】
サービス環境506は、サービスタスクロジック432に対応する1以上のサービスタスクエージェント512を含み、サービス環境506で1以上のサービスタスクを実行しうる。
【0064】
動作環境504は、図4のサービスタスク管理コンソールロジック440に対応するサービスタスク管理コンソール508を含みえて、これは、サービスタスクエージェント512に対応する選択可能な特徴を提示するディスプレイウィンドウを含みうる。
【0065】
動作環境504は、図4のアプリケーションロジック438に対応する1以上のアプリケーション510を含みうる。
【0066】
図5の例においては、物理リソース408がアクティブ状態として示されているので、1以上の動作環境502およびサービス環境504にアクセス可能である。
【0067】
図6は、コンピュータシステム400の例示的な環境600をグラフィックに示し、ここで動作環境504は休止状態として描かれており、サービス環境506はアクティブ状態として描かれている。加えて、物理リソース408から形成される第1のセット602は休止状態として描かれており、物理リソース408から形成される第2のセット604はアクティブ状態として描かれている。
【0068】
図6の例では、物理リソース408から形成されるアクティブな第2のセット604は、NIC410およびHD412を含む。サービスタスクエージェント512は、NIC410およびHD412を制御して、ネットワークからHD412へ、データおよび/または命令をダウンロードして、および/または、HD412からネットワークへ、データおよび/または命令をアップロードするよう構成されてよい。
【0069】
図3に関して上述したように、1以上の物理リソース408が、動作環境504に割り当てられてよい。同様に、物理リソース408のうち1以上の他の物理リソースが、サービス環境506に割り当てられてよい。
【0070】
図7は、コンピュータシステム400の例示的な環境700をグラフィックに示しており、ここで、NIC410がサービス環境に割り当てられ、HD412が動作環境に割り当てられている。
【0071】
環境700は、図4のVMMロジック426に対応するVMM層702を含み、図4のオペレーティングシステムロジック436に対応する動作環境704、および、図4のSOSロジック430に対応するサービス環境706をホストする。
【0072】
サービス環境706は、サービスタスクロジック432に対応するダウンロードエージェント712を含み、物理リソースから形成される第1のセットが低電力消費状態にされたときにNIC410とHD412との間のデータ転送を制御する。
【0073】
動作環境704は、図4のサービスタスク管理コンソールロジック440に対応するダウンロード管理コンソール708を含みえて、これは、ダウンロードエージェント712に対応する選択可能な特徴を提示するコンソールまたはディスプレイウィンドウを含みうる。
【0074】
動作環境704は、図4のアプリケーションロジック438に対応する1以上のアプリケーション710を含みうる。
【0075】
動作環境704は、HD412にアクセスするHDネーティブドライバ714を含みうる(715参照)。動作環境704は、さらに、サービス環境706からのHDアクセス要求719を処理するHDローカルドライバ716を含みうる。サービス環境706は、HDアクセス要求719を送信するHDローカルドライバ718を含みうる。
【0076】
同様に、サービス環境706は、NIC410にアクセスするNICネーティブドライバ720を含みうる(721参照)。サービス環境706は、さらに、動作環境704からのNICアクセス要求725を処理するNICローカルドライバ722を含みうる。動作環境704は、NICアクセス要求725を送信するNICローカルドライバ724を含みうる。
【0077】
ドライバ714、716、718、720、722、および724の少なくとも1つは、コンピュータシステム400の起動処理中に初期化されてよい。
【0078】
通常のVMM動作において、動作環境704がNICアクセス要求725を送信するとき、プロセッサ402は動作環境704を抜け、サービス環境706に入り、NICローカルドライバ722およびNICネーティブドライバ720を介してNICアクセス要求725を処理してよい。これは、電力管理ロジック442を呼び出さずに行うことができ、ダウンロードエージェント712を呼び出さずに行うことができる。
【0079】
NICアクセス要求725の処理がHD412へのアクセスを必要とする場合、サービス環境706は、HDアクセス要求719を送ってよい。これに呼応して、プロセッサ402はサービス環境706を抜け、サービス環境704に入り、HDローカルドライバ716およびHDネーティブドライバ714を介してHDアクセス要求719を処理してよい。プロセッサ402は、その後、動作環境704およびサービス環境706の間を1以上のさらなる回数切り替えて、NICアクセス要求725を処理してよい。
【0080】
ネットワークアクセスが低電力消費モードで行われる場合、プロセッサ402は、図8に関して以下に記載するように、サービスタスクロジック432および電力管理ロジック442を呼び出してよい。
【0081】
図8は、コンピュータシステム400の例示的な環境800をグラフィックに示すが、ここで、動作環境704は休止状態として描かれており、サービス環境706はアクティブ状態として描かれている。加えて、物理リソース408から形成される第1のセット802(物理リソース414、416、418、および420を含む)は休止状態として描かれており、物理リソース408から形成される第2のセット804(NIC410およびHD412を含む)はアクティブ状態として描かれている。
【0082】
加えて、HDネーティブドライバ714は、サービス環境706に関連付けているものとして、または、これに割り当てられているものとして描かれており、サービス環境706を抜けることなくサービス環境706のHD412へのアクセスを可能とする。サービス環境706はこのようにしてNIC410にアクセスし(806参照)、HD412にアクセスする(808参照)。
【0083】
ダウンロードエージェント712は、HD412およびネットワークの間でデータを転送するようNIC410を制御するが、これには、1以上のHD412からネットワークへのデータのアップロード、および、ネットワークからHD412へのデータのダウンロードが含まれてよい。
【0084】
ダウンロード管理コンソール708は、動作環境704を抜ける前に、命令および/またはデータをダウンロードエージェント712に提供するよう構成されてよい。ダウンロード管理コンソール708は、通常動作中にユーザおよびネットワークの少なくとも一方から命令および/またはデータを受信するよう構成されてよい。
【0085】
ダウンロードエージェント712および電力管理ロジック442は、コンピュータシステム400をスリープ状態または電源オフ状態にする旨の動作環境704からの要求に続いて呼び出されてよい。この要求に呼応して、低電力消費モードで、ダウンロードまたはアップロード動作等の既存のネットワークインタフェース動作を行う、または継続する旨の決定がなされてよい。このような場合、スリープモードまたは電力オフモードによって動作環境704を抜けることができる。
【0086】
ここでは、機能、特徴、およびそれらの関係性を示す機能ブロックを利用して方法およびシステムが開示されている。これら機能ブロックの少なくとも幾らかの範囲は、ここでは記載の便宜上任意の定義が成されている。特定された機能およびそれらの関係性を適切に実行できるのであれば他の範囲も可能である。当業者であれば、これら機能ブロックが離散コンポーネント、特定用途向けIC、適切なソフトウェアを実行するプロセッサ、およびそれらの組み合わせにより実装可能であることを理解する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作環境およびサービス環境に関してコンピュータシステムの物理リソースを仮想化する段階と、
前記動作環境を抜けて、前記サービス環境に入る段階と、
前記動作環境を抜けると、前記物理リソースの少なくとも1つから形成される第1のセットを、アクティブ状態から低電力消費状態へ切り替える段階と、
プロセッサと、前記物理リソースの少なくとも1つから形成される第2のセットとを、前記サービス環境でアクティブ状態に維持する段階と、
前記サービス環境でサービス環境タスクを実行する段階と、
前記サービス環境タスクが完了すると前記サービス環境を抜ける段階と
を備え、
前記サービス環境でサービス環境タスクを実行する段階は、
少なくとも1つの物理リソースから形成される前記第1のセットが前記低電力消費状態にある間、前記プロセッサと、少なくとも1つの物理リソースから形成される前記第2のセットとを利用する段階を有する方法。
【請求項2】
前記動作環境からの要求に呼応して、前記サービス環境タスクを前記低電力消費状態で行う段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
サービスタスクが進行中である場合、および、サービスタスクがスケジューリングされている場合の少なくとも一方の場合に、前記コンピュータシステムを低電力消費状態にする旨の前記動作環境からの要求に呼応して、前記サービス環境タスクを前記低電力消費状態で行う段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
スケジュールに呼応して、前記サービス環境タスクを前記低電力消費状態で行う段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ネットワークインタフェースデバイスを介して受信した命令に呼応して、前記サービス環境タスクの前記低電力消費状態での実行をスケジューリングする段階をさらに備える請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記動作環境が初期化されると、前記物理リソースのうち第1の物理リソースを前記動作環境に割り当てる段階と、
前記サービス環境タスクを前記低電力消費状態で行う前に、前記第1の物理リソースを前記サービス環境に再度割り当てる段階と
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記動作環境が初期化されると、前記物理リソースのうち第1の物理リソースを前記動作環境に割り当てる段階と、
前記サービス環境が初期化されると、前記物理リソースのうち第2の物理リソースを前記サービス環境に割り当てる段階と、
前記第1の物理リソースへのアクセス要求を前記動作環境で処理する段階と、
前記第2の物理リソースへのアクセス要求を前記サービス環境で処理する段階と、
前記サービス環境タスクを前記低電力消費状態で行う前に、前記第1の物理リソースを前記サービス環境へ再度割り当てる段階と
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記サービス環境タスクを実行する段階は、
ネットワークインタフェースデバイスと記憶デバイスとの間で情報を転送する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記情報を転送する段階は、
前記記憶デバイスからネットワークへの情報のアップロードおよび前記ネットワークから前記記憶デバイスへの情報のダウンロードの少なくとも一方を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記物理リソースの少なくとも1つから形成される第1のセットを低電力消費状態にする段階は、
1以上のプロセッサを前記低電力消費状態にする段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータ命令プロセッサと、
複数の物理リソースと、
前記プロセッサおよび前記複数の物理リソースとの間に連結された通信インフラストラクチャと、
コンピュータプログラムロジックが記憶されたコンピュータ可読媒体を有するコンピュータプログラムプロダクトと
を備え、
前記コンピュータプログラムロジックは、
前記プロセッサに、動作環境およびサービス環境に関してコンピュータシステムの物理リソースを仮想化させる仮想マシン管理ロジックと、
前記プロセッサに、1以上の前記物理リソースから形成される第1のセットを低電力消費状態にさせる電力管理ロジックと、
前記電力管理ロジックを呼び出すときに、前記プロセッサに、1以上の前記物理リソースから形成される第2のセットに関して前記サービス環境でサービスタスクを行わせるサービスタスクロジックと
を含むシステム。
【請求項12】
前記コンピュータプログラムロジックは、
前記サービスタスクを低電力消費状態で行わせる旨の前記動作環境からの要求に呼応して、前記プロセッサに、前記電力管理ロジックおよび前記サービスタスクロジックを呼び出させるロジックをさらに含む請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コンピュータプログラムロジックは、
サービスタスクが進行中である場合、および、サービスタスクがスケジューリングされている場合の少なくとも一方の場合に、前記コンピュータシステムを低電力消費状態にする旨の前記動作環境からの要求に呼応して、前記電力管理ロジックおよび前記サービスタスクロジックを前記プロセッサに呼び出させるロジックをさらに含む請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記コンピュータプログラムロジックは、
スケジュールに呼応して、前記電力管理ロジックおよび前記サービスタスクロジックを前記プロセッサに呼び出させるロジックをさらに含む請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記コンピュータプログラムロジックは、
前記プロセッサに、ネットワークインタフェースデバイスを介して命令を受信させ、前記プロセッサに、前記命令に呼応して、前記電力管理ロジックおよび前記サービスタスクロジックを呼び出す時間をスケジューリングさせるロジックをさらに含む請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コンピュータプログラムロジックは、
前記動作環境が初期化されると、前記プロセッサに、前記物理リソースのうち第1の物理リソースを前記動作環境に割り当てさせるロジックと、
前記電力管理ロジックおよび前記サービスタスクロジックを呼び出すときに、前記プロセッサに、前記第1の物理リソースを前記サービス環境に再度割り当てさせるロジックと
をさらに含む請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記仮想マシン管理ロジックは、
前記プロセッサに、前記動作環境が初期化されると、前記物理リソースのうち第1の物理リソースを前記動作環境に割り当てさせ、前記サービス環境が初期化されると、前記物理リソースのうち第2の物理リソースを前記サービス環境に割り当てさせるロジックと、
前記プロセッサに、前記動作環境および前記サービス環境の間を切り替えさせ、前記動作環境で前記第1の物理リソースへのアクセス要求を処理させ、前記サービス環境で前記第2の物理リソースへのアクセス要求を処理させるロジックと、
前記電力管理ロジックおよび前記サービスタスクロジックを呼び出すときに、前記プロセッサに、前記第1の物理リソースを前記サービス環境に再度割り当てさせるロジックと
を含む請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記サービスタスクロジックは、
前記プロセッサに、ネットワークインタフェースデバイスおよび記憶デバイスの間で情報を転送させるロジックを含む請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記サービスタスクロジックは、
前記プロセッサに、前記記憶デバイスからネットワークへのアップロードおよび前記ネットワークから前記記憶デバイスへのダウンロードの少なくとも一方を行わせるロジックをさらに含む請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記電力管理ロジックは、
1以上の他のプロセッサを低電力消費状態に入らせるロジックを含む請求項11に記載のシステム。
【請求項21】
コンピュータプログラムロジックが記憶されたコンピュータ可読媒体を有するコンピュータプログラムプロダクトであって、
前記コンピュータプログラムロジックは、
プロセッサに、動作環境およびサービス環境に関してコンピュータシステムの物理リソースを仮想化させる仮想マシン管理ロジックと、
前記プロセッサに、1以上の前記物理リソースから形成される第1のセットを低電力消費状態にさせる電力管理ロジックと、
前記電力管理ロジックを呼び出すときに、前記プロセッサに、1以上の前記物理リソースから形成される第2のセットに関して前記サービス環境でサービスタスクを行わせるサービスタスクロジックと
を含むコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項22】
前記コンピュータプログラムロジックは、
前記サービスタスクを低電力消費状態で行わせる旨の前記動作環境からの要求に呼応して、前記プロセッサに、前記電力管理ロジックおよび前記サービスタスクロジックを呼び出させるロジックをさらに含む請求項21に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項23】
前記コンピュータプログラムロジックは、
サービスタスクが進行中である場合、および、サービスタスクがスケジューリングされている場合の少なくとも一方の場合に、前記コンピュータシステムを低電力消費状態にする旨の前記動作環境からの要求に呼応して、前記電力管理ロジックおよび前記サービスタスクロジックを前記プロセッサに呼び出させるロジックをさらに含む請求項21に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項24】
前記コンピュータプログラムロジックは、
スケジュールに呼応して、前記電力管理ロジックおよび前記サービスタスクロジックを前記プロセッサに呼び出させるロジックをさらに含む請求項21に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項25】
前記コンピュータプログラムロジックは、
前記プロセッサに、ネットワークインタフェースデバイスを介して命令を受信させ、前記プロセッサに、前記命令に呼応して、前記電力管理ロジックおよび前記サービスタスクロジックを呼び出す時間をスケジューリングさせるロジックをさらに含む請求項24に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項26】
前記コンピュータプログラムロジックは、
前記動作環境が初期化されると、前記プロセッサに、前記物理リソースのうち第1の物理リソースを前記動作環境に割り当てさせるロジックと、
前記電力管理ロジックおよび前記サービスタスクロジックを呼び出すときに、前記プロセッサに、前記第1の物理リソースを前記サービス環境に再度割り当てさせるロジックと
をさらに含む請求項21に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項27】
前記仮想マシン管理ロジックは、
前記プロセッサに、前記動作環境が初期化されると、前記物理リソースのうち第1の物理リソースを前記動作環境に割り当てさせ、前記サービス環境が初期化されると、前記物理リソースのうち第2の物理リソースを前記サービス環境に割り当てさせるロジックと、
前記プロセッサに、前記動作環境および前記サービス環境の間を切り替えさせ、前記動作環境で前記第1の物理リソースへのアクセス要求を処理させ、前記サービス環境で前記第2の物理リソースへのアクセス要求を処理させるロジックと、
前記電力管理ロジックおよび前記サービスタスクロジックを呼び出すときに、前記プロセッサに、前記第1の物理リソースを前記サービス環境に再度割り当てさせるロジックと
を含む請求項21に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項28】
前記サービスタスクロジックは、
前記プロセッサに、ネットワークインタフェースデバイスおよび記憶デバイスの間で情報を転送させるロジックを含む請求項21に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項29】
前記サービスタスクロジックは、
前記プロセッサに、前記記憶デバイスからネットワークへのアップロードおよび前記ネットワークから前記記憶デバイスへのダウンロードの少なくとも一方を行わせるロジックをさらに含む請求項28に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項30】
前記電力管理ロジックは、
1以上の他のプロセッサを低電力消費状態に入らせるロジックを含む請求項21に記載のコンピュータプログラムプロダクト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−164337(P2012−164337A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−91070(P2012−91070)
【出願日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【分割の表示】特願2009−226717(P2009−226717)の分割
【原出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)