説明

低濃度の燃焼性有機物質含有の液体の熱利用方法およびその熱利用システム

【課題】超音波霧化装置から排出される排液(霧化残液)の排水処理をなくし、かつシステム全体のエネルギー利用効率を高めた、低濃度の燃焼性有機物質含有の液体の熱利用方法を提供する。
【解決手段】超音波霧化装置3で霧化した霧化体をボイラ4の燃料に用いる低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法であって、超音波霧化装置3で霧化処理された被処理液である霧化残液を蒸留装置1に送り蒸留し、この蒸留した液体を超音波霧化装置3で霧化処理可能にする構成と、ボイラ4から得られる蒸気の一部を蒸留装置1の加熱に利用する構成とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低濃度の燃焼性有機物質含有の液体の熱利用方法およびその熱利用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
低濃度の燃焼性有機物質(アルコール類)含有の液体を超音波で霧化して、燃焼装置(バーナ)の燃料に利用することが知られている(特許文献1)。図5に示すように超音波霧化装置で霧化する場合、霧化効率を高めるため、処理タンク内の液位を一定することが必要であり、そのため、霧化で減少した量の処理液を連続的に供給できるように供給用タンクを設け、この供給用タンクから超音波霧化装置へ供給している。
【0003】
また、溶液を蒸留し、蒸留後の溶液を超音波分離してミストを得て、このミストを搬送気体と共に回収部に送り、回収部で冷却し吸着させてミストを回収する方法が知られている(特許文献2)。蒸留工程で発生したガスの凝縮熱を用いて、溶液を加温(15から40℃)したり搬送気体を加温したりすることが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2008−309359
【特許文献2】特開2009−142727
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1の場合、霧化装置でのアルコール濃縮は、原液のアルコール濃度が低くなるとアルコール濃縮率が低下する。そのため、アルコール濃縮ミストを燃料として利用する場合、エネルギー利用できる濃度としての濃縮率を考慮すれば、原液のアルコール濃度を6〜8%以上とする必要があった。そして、アルコール濃度が6〜8%未満の原液は、このシステムでは利用できず廃棄処分にされ、また、霧化装置内の被処理液(霧化残液)のアルコール濃度が6〜8%以下になった場合も同様に廃棄処分される(図5参照)。
【0006】
また、環境の観点から、上記の廃棄される原液または霧化残液のアルコール濃度(6〜8%未満)を1%以下に低減してから排出する必要があり、そのため、アルコール濃度低下のために大量の水を添加したり、他の方法(アルコール分離、アルコール分解)が必要となり、これは、膨大な規模の排水処理装置や莫大なエネルギーを消費することになり、この点の改善が望まれる。この点において、特許文献2は、処理残液を霧化室の外部に排出することを記載しているのみで解決方法を提示するものではない。
【0007】
また、日本酒等の糖分を含むアルコール発酵液を超音波霧化する場合、糖分の一部は霧化され、それを燃焼すると、バーナに付着して成長し安定燃焼を阻害して、燃焼不良の原因となるため、改善が望まれる。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来技術の現状に鑑みてなされたものであって、超音波霧化装置から排出される排液(霧化残液)の排水処理をなくし、かつシステム全体のエネルギー利用効率を高めた、低濃度の燃焼性有機物質含有の液体の熱利用方法およびその熱利用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、超音波霧化装置で霧化した霧化体をボイラの燃料に用いる低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法であって、
前記超音波霧化装置で霧化処理された被処理液である霧化残液を蒸留装置に送り蒸留し、この蒸留した液体を前記超音波霧化装置で霧化処理可能にする構成と、
前記ボイラから得られる蒸気の一部を前記蒸留装置の加熱に利用する構成とを有することを特徴とする。
【0010】
この構成により、霧化残液を蒸留装置で蒸留し、蒸留した液体を超音波霧化装置で霧化処理可能にでき、かつ、ボイラから得られる蒸気の一部をこの蒸留装置の加熱に利用できる。超音波霧化処理によって被処理液中の燃焼性有機物質(例えばアルコール)濃度は次第に低下していくため、それに従って霧化体中のその濃度も低下する。このような場合に、超音波霧化装置内の霧化残液(低アルコール濃度)を入れ替える必要があり、従来であれば装置外部に排液として排出し排水処理後に廃棄していたが、本発明においては、この霧化残液を蒸留してアルコール濃度を高くして超音波霧化装置で再処理することができる。また、超音波霧化装置で非常に細かい平均粒径(10μm以下)のミストを霧状のまま燃料として利用するため、不完全燃焼や失火の恐れが低減され、クリーン燃焼を可能とする。
【0011】
「燃焼性有機物」は、例えば、アルコール類であり、メタノール、エタノール、ブタノール等が例示される。
【0012】
また、上記発明の第1の実施形態として、
前記低濃度の燃焼性有機物質含有液体を前記蒸留装置で蒸留して、蒸留前より高濃度の燃焼性有機物質含有液体である蒸留液体を得る蒸留工程と、
前記蒸留工程で得られた蒸留液体を超音波霧化装置で霧化して、当該蒸留液体より燃焼性有機物が高濃度である霧化体を得る霧化工程と、
前記霧化工程で得られた霧化体をボイラの燃焼燃料に用いる燃焼工程と、を有し、
前記蒸留工程において、前記低濃度の燃焼性有機物質含有液体と共に前記霧化残液をも蒸留し蒸留液体を得る構成としたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、低濃度の燃焼性有機物質含有液体を蒸留装置で蒸留して蒸留液体(蒸留前より燃焼性有機物質が高濃度)を得て、この蒸留液体を超音波霧化装置で霧化して霧化体(蒸留液体より燃焼性有機物質が高濃度)を得て、この霧化体をバーナの燃料に用いることができ、さらに、霧化残液を蒸留工程で同様に蒸留することができるため、蒸留装置を兼用でき、ボイラから得られる蒸気の一部をこの蒸留装置の加熱に利用できる。よって、二段階の濃縮工程(蒸留、霧化)を経て、価値の高いエネルギーを得てボイラを燃焼できると共に、ボイラから得られる蒸気の一部を蒸留装置の加熱に利用でき、システム全体の熱利用効率を非常に高くできる。
【0014】
蒸留前の液体中の燃焼性有機物の濃度は、室温(例えば、平均温度6〜28℃)において、4%〜16%(V/V)の範囲が例示され、好ましくは6%〜15%(V/V)の範囲、より好ましくは10%〜15%(V/V)の範囲である。蒸留工程後の蒸留液体中の燃焼性有機物の濃度は、室温において、25%〜40%(V/V)の範囲が例示され、好ましくは25%〜35%(V/V)の範囲、より好ましくは27%〜35%(V/V)の範囲である。霧化後の霧化体中の燃焼性有機物の濃度は、室温において、45%〜65%(V/V)の範囲が例示され、好ましくは47%〜65%(V/V)の範囲、より好ましくは50%〜65%(V/V)の範囲である。
【0015】
また、上記液体にアルコール以外の不純物が含まれ、蒸留工程で当該不純物を分離することができる。これによって、糖類等の不純物を好適に分離できるため、糖類等の不純物を霧化させる心配がなく、バーナの燃焼不良を改善できる。
【0016】
「不純物」は、液体中に含まれる糖類が例示される。液体は、バイオエタノール、日本酒、ワイン、焼酎等のアルコール発酵液が例示され、これ液体に含まれるアルコール以外の物質も「不純物」に含まれる。
【0017】
また、上記構成において、蒸留装置から排出される排液中の燃焼性有機物質濃度が、1%(V/V)未満に構成することが好ましい。よって、蒸留工程から排出される排液のアルコール濃度は0〜1%(V/V)であり、非常に低いアルコール濃度であり、排水処理等の後処理をする必要がない。特に、超音波霧化装置内の霧化残液(濃度低下している液)を蒸留工程に帰還させることで、システム全体から排出される排液を蒸留工程からの排液に統一でき、しかも排液中のアルコール濃度を0〜1%(V/V)にできるためシステム全体の排水処理がなくなり、排液処理効率も良くなる。
【0018】
また、上記構成において、蒸留液体を超音波霧化装置へ連続的に供給可能とする工程と、超音波霧化装置内の被処理液が一定量となるべく管理される工程とを有する構成が好ましい。これによって、超音波霧化装置内の被処理液(霧化処理対象の液)が一定量を保つことができ、霧化処理効率を維持でき、発生する霧化量を一定範囲に維持できる。
【0019】
また、上記構成において、前記蒸留工程の蒸留装置に投入される液体中の燃焼性有機物質濃度が、10%〜15%(V/V)の範囲であり、前記蒸留工程で得られた蒸留液体中の燃焼性有機物質濃度が、25%〜35%(V/V)の範囲であり、前記霧化工程で得られた霧化体中の燃焼性有機物質濃度が、45%〜60%(V/V)の範囲であり、前記霧化残液中の燃焼性有機物質濃度が、10%〜15%(V/V)の範囲であることが好ましい。この構成によって、システム全体の熱利用効率が特に好ましいものとなる。
【0020】
また、上記発明の第2の実施形態として、
前記低濃度の燃焼性有機物質含有液体の投入用タンクから送られた前記液体を超音波霧化装置で霧化して、当該液体より燃焼性有機物が高濃度である霧化体を得る霧化工程と、
前記霧化工程で得られた霧化体をボイラの燃焼燃料に用いる燃焼工程と、
前記超音波霧化装置で霧化処理された被処理液である霧化残液を蒸留装置に送り蒸留して蒸留前より高濃度の燃焼性有機物質含有液体である蒸留液体を得る蒸留工程と、を有し、
前記蒸留工程で得られた蒸留液体を前記投入用タンクに送り、前記超音波霧化装置で霧化処理可能に構成する。
【0021】
この構成によれば、超音波霧化装置から排出される霧化残液を、蒸留装置でアルコール濃度を高めて、投入用タンクの原液と混合し、超音波霧化装置に再び霧化処理させることができ、従来の霧化残液の排水処理をなくし、また、ボイラから得られる蒸気の一部を蒸留装置の加熱に利用できるので、システム全体の熱利用効率を非常に高くできる。
【0022】
また、上記構成において、前記投入用タンクから送られる液体を前記超音波霧化装置へ連続的に供給可能とする工程と、前記超音波霧化装置内の被処理液が一定量となるべく管理される工程とを有することが好ましい。
【0023】
また、上記構成において、前記超音波霧化装置の被処理液中の燃焼性有機物質濃度が、10%〜15%(V/V)の範囲であり、前記霧化工程で得られた霧化体中の燃焼性有機物質濃度が、30%〜50%(V/V)の範囲であり、前記霧化残液中の燃焼性有機物質濃度が、3%〜8%(V/V)の範囲である構成が好ましい。
【0024】
また、上記第1および第2の実施形態として、
前記超音波霧化装置内の被処理液の温度を40℃〜60℃の範囲に管理する工程を有することが好ましい。この温度範囲で被処理液を霧化処理すると、それ以外の温度よりも霧化量を増加できるため好ましい。
【0025】
また、上記第1および第2の実施形態として、
前記霧化残液中の燃焼性有機物濃度が所定値未満に低下した場合に、当該霧化残液を前記蒸留装置に送液して蒸留する構成が好ましい。霧化処理の濃縮率およびバーナ燃焼効率を考慮して、音波霧化装置内の被処理液中の燃焼性有機物濃度が所定値未満に低下したら、被処理液(霧化残液)を蒸留装置に送液して蒸留して濃縮させることができる。
【0026】
被処理液を蒸留装置に送液する場合に、霧化処理を停止させて、被処理液(霧化残液)を音波霧化装置内から排出するように構成でき、または、この排出と同時に霧化処理を行えるように構成することもできる。この送液する量は予め設定しておき、例えば、被処理液全体の半分量または2/3の量等に設定できる。また、新たな被処理液(霧化残液よりもアルコール濃度が高い液)を供給して、超音波霧化装置内の例えば、アルコール濃度が所定範囲に達するように供給制御するように構成できる。
【0027】
上記「所定値」は、3%〜25%(V/V)の範囲のいずれかの数値が例示される。上記第1の実施形態の場合における「所定値」は、例えば、8%〜15%(V/V)の範囲のいずれかの数値が挙げられ、また、例えば、超音波霧化装置に投入された被処理液の初期のアルコール濃度の35%〜45%の値が挙げられ、また、例えば、蒸留液体のアルコール濃度の±10%の範囲の値等が挙げられる。上記第2の実施形態の場合における「所定値」は、例えば、3%〜10%(V/V)の範囲のいずれかの数値が挙げられ、また、例えば、超音波霧化装置に投入された被処理液の初期のアルコール濃度の30%〜60%の範囲の値が挙げられる。
【0028】
超音波霧化装置内に設置された濃度測定器で濃度を測定することができる。被処理液(霧化残液)は、この超音波霧化装置から直接に蒸留装置に送るように構成でき、後述するタンクを介して送られてもよい。また、このタンク内の液中の燃焼性有機物濃度を測定する濃度測定器が設置され、この測定値が所定値未満に低下したら、タンク内の液を蒸留装置に送液し蒸留して濃縮させるように構成することもできる。
【0029】
また、別実施形態として、超音波霧化装置の霧化処理時間が所定時間に達した場合に、被処理液(霧化残液)を蒸留装置に送液して蒸留する工程を有する構成がある。「所定時間」は、霧化残液の濃度低下から予め設定することができる。
【0030】
また、蒸留装置で蒸留される液体中の燃焼性有機物質濃度の濃縮率が低い場合または投入液体のそれが低濃度(6%未満)である場合には、蒸留装置を多段に構成することが可能である。
【0031】
また、上記第1の実施形態である低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法に用いられる熱利用システムは、
前記液体を蒸留して蒸留前より高濃度の燃焼性有機物質含有液体である蒸留液体を得る蒸留装置と、
前記蒸留装置で得られた蒸留液体を霧化して、当該蒸留液体より燃焼性有機物が高濃度である霧化体を得る超音波霧化装置と、
前記超音波霧化装置で得られた霧化体を燃焼燃料に用いるボイラと、
前記ボイラから得られる蒸気の一部を前記蒸留装置の加熱に利用するための蒸気送り込み手段とを有する構成である。
【0032】
また、上記構成において、前記蒸留液体を前記超音波霧化装置へ連続的に供給可能とするクッションタンク装置と、前記超音波霧化装置内の被処理液が一定量を越えると、その越えた液を前記クッションタンクに返送するオーバーフロー手段とを有する構成が好ましい。
【0033】
また、上記第2の実施形態である低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法に用いられる熱利用システムは、
前記液体の投入用タンクと、
前記投入用タンクから送られた前記液体を霧化して、当該液体より燃焼性有機物が高濃度である霧化体を得る超音波霧化装置と、
前記超音波霧化装置で得られた霧化体を燃焼燃料に用いるボイラと、
前記超音波霧化装置で霧化処理された被処理液である霧化残液を蒸留して蒸留前より高濃度の燃焼性有機物質含有液体である蒸留液体を得る蒸留装置と、
前記蒸留装置で得られた蒸留液体を前記投入用タンクに送る蒸留液体送液装置と、
前記ボイラから得られる蒸気の一部を前記蒸留装置の加熱に利用するための蒸気送り込み手段とを有する構成である。
【0034】
上記構成において、前記投入用タンクから送られる液体を前記超音波霧化装置へ連続的に供給可能とする連続送液手段と、前記超音波霧化装置内の被処理液が一定量を越えると、その越えた液を前記投入用タンクに返送するオーバーフロー手段とを有する構成である。
【0035】
また、上記構成において、超音波霧化装置内の霧化残液中の燃焼性有機物濃度が所定値未満に低下した場合に、当該霧化残液を前記蒸留装置に送液する送液装置を有する構成が好ましい。
【0036】
また、上記構成において、超音波霧化装置へ供給される液体および/または超音波霧化装置の霧化処理対象の被処理液の温度を40℃〜60℃の範囲にする温度管理装置を有する構成が好ましい。温度管理装置は、加温装置と温度計を有し、例えば、投入用タンクまたはクッションタンク中の液体を加温して40℃〜60℃の範囲に構成でき、配管途中の熱交換装置で液体を加温するように構成でき、超音波霧化装置内の被処理液を40℃〜60℃の範囲にするように加温または保温するように構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施形態1に係るシステムを説明するための図である。
【図2】実施形態1のシステムの収支結果を示す図である。
【図3】実施形態2に係るシステムを説明するための図である。
【図4】実施形態2のシステムの収支結果を示す図である。
【図5】従来のシステムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
(実施形態1)
本発明に係る実施形態1のシステム構成を図面を参照して詳細に説明する。図1は、低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用システムの全体構成を説明するための図である。
【0039】
蒸留装置1は、公知の蒸留装置を用いることができる。蒸留装置1に、アルコール発酵液が投入されて蒸留され、蒸留前よりアルコール濃度が高い蒸留液体を得る。具体的には蒸留ガスが冷却されて蒸留液体となり後段のクッションタンク2に送られる。蒸留装置1の加熱には、後述するボイラ4から得られた蒸気の一部が利用される。なお、蒸留装置1は、ここでは1段であるが、目的に応じて、多段階蒸留を行えるように多段に設置したり、複数個を並列に設置することもできる。
【0040】
クッションタンク2は、蒸留装置1から送られた蒸留液体を所定量ストックし、ポンプPにより超音波霧化装置3の液体容器内に連続的に蒸留液体を送液するために設置される。また、連続的に蒸留液体が送液されるため、超音波霧化装置3の液体容器で所定量が溜まると、それを越える量の液は自動的にオーバーフローしてクッションタンク2に返送される機構となっている。図1でオーバーフローをライン31で示す。例えば、所定の液面位置にオーバーフロー用の配管を設け、この配管をクッションタンク2に導くように構成できる。クッションタンク2には、加温装置が備えてあり、これにより蒸留液体を40℃〜60℃の範囲の温度に調整している。また、超音波霧化装置3までの液送中の温度低下を考慮し、上記温度より高めに温度調整することもできる。
【0041】
超音波霧化装置3は、クッションタンク2から液送された蒸留液体を霧化する機能である。超音波霧化装置3は、超音波振動子(不図示)、液体容器(不図示)を有する。超音波振動子は、公知の超音波振動子を用いることができる。また、超音波振動子は、液体容器の底部に設置されるが、底部と平行に設置してもよく、斜めに設置してもよい。斜めに設置したほうが、霧化体を良好に生成できる。超音波振動子は、複数設置してもよい。超音波振動力は、不図示の制御部によって制御されている。超音波振動子を斜めに複数設置する場合、お互いの液柱が干渉しないように設置するほうが好ましい。
【0042】
液体容器は、低濃度の燃焼性有機物含有の液体を供給するための供給口を設けている。この供給口は、所定の液面より下方側に設置した方が、液体の流動を少なくでき好ましい。また、液体容器は、搬送気体をその内部に導入するための供給口を設けている。また、生成された霧化体をボイラ4側に提供するための出口を設けている。液体容器には、加温装置が備えてあり、これにより被処理液を40℃〜60℃の範囲の温度に調整している。
【0043】
また、超音波霧化装置3での霧化体発生機能およびバーナ4への搬送機能となる、搬送体気を供給する気体搬送装置がある。気体搬送装置は、搬送気体を貯留するボンベ、搬送圧力源のコンプレッサー、搬送気体の流量制御機構(オリフィス、流量制御弁等)、温度調節機構(熱交換器等)等を備えている。搬送気体としては、例えば燃焼用空気、気体燃料、酸素等が例示できる。また、この気体供給装置は、超音波霧化装置3に気体燃料または燃焼用空気を供給するように構成できる。また、気体搬送装置は、搬送気体の温度を所定温度範囲(例えば10〜20℃の範囲、または20℃以上)に制御して供給する構成がある。搬送気体の温度に比例して濃度の高い霧化体を生成でき、また、搬送気体の温度に比例して霧化体の生成量を増加できる。さらに、霧化処理の被処理液の温度を40℃〜60℃にし、搬送気体の温度を40℃以上、好ましくは40℃〜60℃にして、それらの相乗効果により、霧化体の生成量を増加することができる。
【0044】
送液装置11は、超音波霧化装置3内の被処理液(霧化残液)中のアルコール濃度が所定値未満に低下した場合に、当該被処理液を蒸留装置1に送液する。この被処理液(霧化残液)は蒸留装置1で蒸留され濃縮される。よって、従来であれば、被処理液(霧化残液)を排水処理した後に廃棄していたところ、この排水処理の必要がなくなり、さらに、蒸留装置1から排出される排液のアルコール濃度は1%以下のため、これも排水処理する必要がなく、システム全体として排水処理を不要にできる。
【0045】
送液装置11の構成の場合、液体容器には被処理液(霧化残液)を蒸留装置1に送るための排水口、バルブ(例えばボールバルブ)、配管が設置される。送液装置11は、液体容器内部のアルコール濃度を測定する測定器(不図示)で測定されたアルコール濃度値が所定値(例えば15%)未満であれば、バルブを開き、霧化残液をポンプPで当該配管を介して蒸留装置1に送る構成が例示される。また、この液送の間、霧化処理を停止させ、かつクッションタンク2からの蒸留液体の送り込みも停止させるように構成できる。または、クッションタンク2からの蒸留液体の送り込みを停止させず、連続的に超音波霧化装置3へ蒸留液体を送り込む場合、液体容器内部のアルコール濃度が所定値(例えば15%)を越え、さらに、アルコール濃度がクッションタンク2内のアルコール濃度と同じ程度になれば、蒸留装置1への液送を停止するように構成できる。また、送液装置11の別実施形態として、図1とは異なり、送液装置11は、オーバーフローの配管から分岐させた配管(不図示)を用いて、オーバーフローさせた液を蒸留装置1に直接送り、その間、オーバーフローの液はクッションタンク2に送られないよう構成できる。
【0046】
また、送液装置12は、クッションタンク2内の液(蒸留液体+オーバーフローの被処理液)中のアルコール濃度を測定する濃度測定器(不図示)を備え、この測定値が所定値未満(例えば15%)に低下したら、クッションタンク2内の液をポンプPで蒸留装置1に送液する構成ができる。図1において、送液装置12はクッションタンク2から超音波霧化装置3へ蒸留液体を送る配管の一部とポンプPを共用し、ポンプPの後段の配管から分岐して蒸留装置1へ配管が接続される。この場合、蒸留装置1へ液送する場合にはクッションタンク2から超音波霧化装置3へ蒸留液体は液送されない構成である。また、送液装置12の別実施形態として、図1とは異なり、送液装置12は、クッションタンク2に直接に接続された配管を用いてポンプ(不図示)で蒸留装置1に送液する構成ができる。なお、送液装置11(別実施形態も含む)と送液装置12(別実施形態も含む)は、両方設けてあってもよく、少なくとも送液装置12が設けてあることが好ましい。
【0047】
ボイラ4は、超音波霧化装置で得られた霧化体を燃焼する機能であり、蒸気を発生して、後段の場内への熱利用に提供し、かつ、蒸気の一部を蒸留装置1へ送り加熱に利用する構成である。蒸気送り込み手段は、蒸気用本管から一部蒸気を取り出し、蒸留装置1へ送る分岐部、弁および蒸気用支管5を有して構成できる。
【0048】
また、上記のボイラ4では、燃料として霧化体のみを利用するように構成できるが、補助燃料としてこの霧化体を用いるように構成でき、また、霧化体とその他燃料との混合物を用いるように構成でき、また、霧化体とその他燃料とを交互に利用するように構成することもできる。
【0049】
(実施形態1の収支)
図1に示すシステムを稼動させた場合の収支について説明する。蒸留装置1への投入原液としてアルコール発酵液を用いた。そのアルコール濃度(エタノール濃度を測定)は、13%V/Vとし、収支計算においては霧化残液のアルコール濃度と投入原液のアルコール濃度が略等しいものとして計算を行った。霧化する被処理液の温度を40℃から60℃の範囲になるように調整し、搬送気体の温度を40℃以上、望ましくは40℃から60℃の範囲になるように調整した。各工程の収支を図2に示す。投入原液1000kgあたり、蒸留に必要な熱量は、200Mcalであり、得られる熱量として、霧化体(霧化濃縮ミスト)の低位発熱量を換算した結果、710Mcalであった。蒸留原液のアルコール濃度が13%V/Vであったが、蒸留液体のそれは38%V/Vに濃縮され、霧化体(霧化濃縮ミスト)のそれは、56.8%V/Vに濃縮された。霧化残液のアルコール濃度が14.4%V/Vであり、この霧化残液を蒸留装置に送り、濃縮を繰り返すことができた。また、蒸留装置1からの排液のアルコール濃度が0.7%V/Vであり、これはそのまま放流することができるレベルである。
【0050】
(別実施例)
上記条件のうち、投入原液のアルコール濃度(エタノール濃度を測定)を6%V/V、8%V/V、10%V/V、15%V/Vの条件に変更して行ったところ、蒸留液体のアルコール濃度はそれぞれ、17%V/V、23%V/V、30%V/V、40%V/Vに濃縮され、霧化体(霧化濃縮ミスト)のそれは、25.5%V/V、34.5%V/V、45%V/V、65%V/Vに濃縮された。
【0051】
また、霧化される被処理液の温度を40℃未満および60℃を越えると、得られる霧化体の量が低くなり、収支結果が40℃〜60℃の結果よりも悪くなった。
【0052】
(実施形態2)
実施形態2のシステムを図3を用いて説明する。このシステムは、前記液体の投入用タンク22から送られた前記液体を超音波霧化装置3で霧化して、当該液体より燃焼性有機物が高濃度である霧化体を得る霧化工程と、前記霧化工程で得られた霧化体をボイラ4の燃焼燃料に用いる燃焼工程と、前記霧化工程で使用された被処理液を蒸留装置1で蒸留して蒸留前より高濃度の燃焼性有機物質含有液体である蒸留液体を得る蒸留工程とを有し、前記蒸留工程で得られた蒸留液体を前記超音波霧化装置3の被処理液に利用可能に構成し、前記ボイラ4から得られる蒸気の一部を前記蒸留装置1の加熱に利用することを特徴とする。
【0053】
蒸留工程で得られた蒸留液体は、直接、超音波霧化装置3に送られるように構成でき、また、前記投入用タンク22に送られるように構成でき、また、前記投入用タンク22へ送液可能に配置されるストックタンク21に送られるように構成できる。
【0054】
蒸留装置1は、公知の蒸留装置を用いることができる。蒸留装置1に、超音波霧化装置3から霧化残液が送られて、蒸留され、蒸留前よりアルコール濃度が高い蒸留液体が得られる。図3で示すように、蒸留ガスが冷却手段14で冷却されて蒸留液体となり、ストックタンク21に送られる。蒸留装置1の加熱には、ボイラ4から得られた蒸気の一部が利用される。蒸気送り込み手段は、蒸気用本管から一部蒸気を取り出し、蒸留装置1へ送る分岐部、弁および蒸気用支管を有して構成できる。なお、蒸留装置1は、ここでは1段であるが、目的に応じて、多段階蒸留を行えるように多段に設置したり、複数個を並列に設置することもできる。
【0055】
ストックタンク21は、所定量の蒸留液体が溜まれば、自動的にポンプPによって後述の投入用タンク22に送られる。
【0056】
投入用タンク22は、投入原液(低濃度の燃焼性有機物質含有液体)が所定量ストックされている。投入用タンク22は、上述のクッションタンク2の機能を有しており、投入原液(蒸留液体を含む)を所定量ストックし、ポンプPにより超音波霧化装置3の液体容器内に連続的に送液するために設置される(連続送液手段に相当する)。また、連続的に投入原液が送液されるため、超音波霧化装置3の液体容器で所定量が溜まると、それを越える量の液は自動的にオーバーフローして投入用タンク22に返送される機構となっている。図3でオーバーフローをライン31で示す。例えば、所定の液面位置にオーバーフロー用の配管を設け、この配管を投入用タンク22に導くように構成できる。投入用タンク22には、加温装置が備えてあり、これにより蒸留液体を40℃〜60℃の範囲の温度に調整している。また、超音波霧化装置3までの液送中の温度低下を考慮し、上記温度より高めに温度調整することもできる。
【0057】
超音波霧化装置3は、投入用タンク22から液送された投入原液を霧化する機能である。超音波霧化装置3の基本構成は上述と同様である。
【0058】
液体容器には、霧化残液を蒸留装置1に送るための排水口、バルブ(例えばボールバルブ)、配管が設置される。送液装置15は、液体容器内部のアルコール濃度を測定する測定器(不図示)で測定されたアルコール濃度が所定値(例えば7%)未満でバルブを開き、霧化残液を当該配管を介して蒸留装置1に送る構成が例示される。図3にはポンプを記載していないが、ポンプによる送液も可能である。また、この霧化残液の液送の間、霧化処理を停止させ、かつ投入用タンク22からの投入原液の送り込みも停止させるように構成できる。または、投入用タンク22からの投入原液の送り込みを停止させず行わせることもできる。
【0059】
また、投入用タンク22とストックタンク21を別々に構成しているが、これを一つのタンクで構成することができる。
【0060】
ボイラ4は、超音波霧化装置で得られた霧化体を燃焼する機能であり、上述した構成である。
【0061】
(実施形態2の収支)
図3に示すシステムを稼動させた場合の霧化残液の収支について説明する。投入用タンク22への投入原液としてアルコール発酵液を用いた。霧化する被処理液の温度を40℃から60℃の範囲になるように調整し、搬送気体の温度を40℃以上、望ましくは40℃から60℃の範囲になるように調整した。各工程の収支を図4に示す。投入原液100kgにおいて、蒸留消費熱量は、125.28kcal/kgであり、霧化濃縮ミストの熱量(低位発熱量を換算)は、2201.56kcal/kgであった。投入原液のアルコール濃度(エタノール濃度を測定)が13%V/Vであり、霧化処理によって、霧化濃縮ミスト(霧化体)のそれを40%V/Vに濃縮できた。また、霧化残液(蒸留前)のアルコール濃度が5.9%V/Vであり、蒸留凝縮後によりそれを19.1%V/Vに濃縮して再度霧化処理に使用でき、また、蒸留装置1からの排液のアルコール濃度が0.16%であり、これはそのまま放流することができるレベルである。
【符号の説明】
【0062】
1 蒸留装置
2 クッションタンク
3 超音波霧化装置
4 ボイラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波霧化装置で霧化した霧化体をボイラの燃料に用いる低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法であって、
前記超音波霧化装置で霧化処理された被処理液である霧化残液を蒸留装置に送り蒸留し、この蒸留した液体を前記超音波霧化装置で霧化処理可能にする構成と、
前記ボイラから得られる蒸気の一部を前記蒸留装置の加熱に利用する構成と、を有する低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法。
【請求項2】
前記低濃度の燃焼性有機物質含有液体を前記蒸留装置で蒸留して、蒸留前より高濃度の燃焼性有機物質含有液体である蒸留液体を得る蒸留工程と、
前記蒸留工程で得られた蒸留液体を超音波霧化装置で霧化して、当該蒸留液体より燃焼性有機物が高濃度である霧化体を得る霧化工程と、
前記霧化工程で得られた霧化体をボイラの燃焼燃料に用いる燃焼工程と、を有し、
前記蒸留工程において、前記低濃度の燃焼性有機物質含有液体と共に前記霧化残液をも蒸留し蒸留液体を得る構成としたことを特徴とする請求項1に記載の低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法。
【請求項3】
前記蒸留液体を前記超音波霧化装置へ連続的に供給可能とする工程と、
前記超音波霧化装置内の被処理液が一定量となるべく管理される工程と、を有する請求項2に記載の低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法。
【請求項4】
前記蒸留工程の蒸留装置に投入される液体中の燃焼性有機物質濃度が、10%〜15%(V/V)の範囲であり、
前記蒸留工程で得られた蒸留液体中の燃焼性有機物質濃度が、25%〜35%(V/V)の範囲であり、
前記霧化工程で得られた霧化体中の燃焼性有機物質濃度が、45%〜60%(V/V)の範囲であり、
前記霧化残液中の燃焼性有機物質濃度が、10%〜15%(V/V)の範囲である請求項2または3に記載の低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法。
【請求項5】
前記低濃度の燃焼性有機物質含有液体の投入用タンクから送られた前記液体を超音波霧化装置で霧化して、当該液体より燃焼性有機物が高濃度である霧化体を得る霧化工程と、
前記霧化工程で得られた霧化体をボイラの燃焼燃料に用いる燃焼工程と、
前記超音波霧化装置で霧化処理された被処理液である霧化残液を蒸留装置に送り蒸留して蒸留前より高濃度の燃焼性有機物質含有液体である蒸留液体を得る蒸留工程と、を有し、
前記蒸留工程で得られた蒸留液体を前記投入用タンクに送り、前記超音波霧化装置で霧化処理可能に構成する請求項1に記載の低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法。
【請求項6】
前記投入用タンクから送られる液体を前記超音波霧化装置へ連続的に供給可能とする工程と、
前記超音波霧化装置内の被処理液が一定量となるべく管理される工程と、を有する請求項5に記載の低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法。
【請求項7】
前記超音波霧化装置の被処理液中の燃焼性有機物質濃度が、10%〜15%(V/V)の範囲であり、
前記霧化工程で得られた霧化体中の燃焼性有機物質濃度が、30%〜50%(V/V)の範囲であり、
前記霧化残液中の燃焼性有機物質濃度が、3%〜8%(V/V)の範囲である請求項5または6に記載の低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法。
【請求項8】
前記超音波霧化装置内の被処理液の温度を40℃〜60℃の範囲に管理する工程を有する請求項1から7のいずれか1項に記載の低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法。
【請求項9】
前記霧化残液中の燃焼性有機物濃度が所定値未満に低下した場合に、当該霧化残液を前記蒸留装置に送液して蒸留する構成である請求項1から8のいずれか1項に記載の低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法。
【請求項10】
前記蒸留装置から排出される排液中の燃焼性有機物質濃度が、1%(V/V)未満である請求項1から9のいずれか1項に記載の低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法。
【請求項11】
請求項1に記載の低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法に用いられる熱利用システムであって、
前記液体を蒸留して蒸留前より高濃度の燃焼性有機物質含有液体である蒸留液体を得る蒸留装置と、
前記蒸留装置で得られた蒸留液体を霧化して、当該蒸留液体より燃焼性有機物が高濃度である霧化体を得る超音波霧化装置と、
前記超音波霧化装置で得られた霧化体を燃焼燃料に用いるボイラと、
前記ボイラから得られる蒸気の一部を前記蒸留装置の加熱に利用するための蒸気送り込み手段と、を有する熱利用システム。
【請求項12】
前記蒸留液体を前記超音波霧化装置へ連続的に供給可能とするクッションタンク装置と、
前記超音波霧化装置内の被処理液が一定量を越えると、その越えた液を前記クッションタンクに返送するオーバーフロー手段と、を有する請求項11に記載の熱利用システム。
【請求項13】
請求項1に記載の低濃度の燃焼性有機物質含有液体の熱利用方法に用いられる熱利用システムであって、
前記液体の投入用タンクと、
前記投入用タンクから送られた前記液体を霧化して、当該液体より燃焼性有機物が高濃度である霧化体を得る超音波霧化装置と、
前記超音波霧化装置で得られた霧化体を燃焼燃料に用いるボイラと、
前記超音波霧化装置で霧化処理された被処理液である霧化残液を蒸留して蒸留前より高濃度の燃焼性有機物質含有液体である蒸留液体を得る蒸留装置と、
前記蒸留装置で得られた蒸留液体を前記投入用タンクに送る蒸留液体送液装置と、
前記ボイラから得られる蒸気の一部を前記蒸留装置の加熱に利用するための蒸気送り込み手段と、を有する熱利用システム。
【請求項14】
前記投入用タンクから送られる液体を前記超音波霧化装置へ連続的に供給可能とする連続送液手段と、
前記超音波霧化装置内の被処理液が一定量を越えると、その越えた液を前記投入用タンクに返送するオーバーフロー手段と、を有する請求項13に記載の熱利用システム。
【請求項15】
前記超音波霧化装置へ供給される液体および/または前記超音波霧化装置の霧化処理対象の被処理液の温度を40℃〜60℃の範囲にする温度管理装置を有する請求項11から14のいずれか1項に記載の熱利用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−220634(P2011−220634A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91706(P2010−91706)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000133032)株式会社タクマ (308)
【Fターム(参考)】