説明

低炭素フェロクロムの製造方法

【課題】低炭素フェロクロムの溶湯中の酸素をアルミ脱酸することができる新たな低炭素フェロクロムの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の低炭素フェロクロムの製造方法は、電気炉又は取鍋内の溶融したクロム酸化物及び鉄酸化物をシリコクロム中の珪素で還元してフェロクロムの溶湯とスラグを生成する工程(S1)と、前記フェロクロムの溶湯から前記スラグを分離する工程(S4)と、前記フェロクロムの溶湯中の珪素濃度を検出する工程と、検出した珪素濃度に基づいてアルミニウム又はアルミニウム合金の投入量を求め、アルミニウム又はアルミニウム合金を前記フェロクロムの溶湯に投入して当該溶湯中の酸素を除去する工程(S20)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低炭素フェロクロムの製造方法し、特に低炭素フェロクロムの酸素含有量を低くすることができる低炭素フェロクロムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低炭素フェロクロムは、鉄とクロムのフェロアロイ(合金鉄)であり、Cr60質量%以上、C0.10質量%以下のFe−Cr合金と定義される。この低炭素フェロクロムは、耐食性又は強度向上に必要不可欠なものとして、スーパーアロイや各種鉄鋼製品等に添加される。低炭素フェロクロムは、一般的にクロム鉱石を珪素で還元するシリサイド法により製造される。シリサイド法には、クロム鉱石の還元精練を電気炉内部で行うスェーデン法と取鍋で行うペラン法とがあり、最近ではペラン法若しくはその改良法が用いられている。
【0003】
出願人はペラン法を改良した低炭素フェロクロムの製造方法を提案している(特許文献1参照)。図3に示すように、酸化クロム、酸化鉄を含むクロム鉱石と媒溶剤である焼石灰を電気炉内で溶解し、溶製された一次スラグを取鍋に出湯し、この取鍋内に還元剤としてシリコクロムを添加し、還元反応を行わせる。そして、取鍋内の二次スラグを分離して低炭素フェロクロムを得る。二次スラグには残留クロムが含まれるので、二次スラグにフェロシリコンを添加し、残留クロムをシリコクロムとして回収する。
【0004】
ところで、近年、スーパーアロイ中の微量成分V,Mn,Oの含有量を低減するという要請から、低炭素フェロクロム中の微量成分V,Mn,Oの含有量を低くする必要が生じてきている。しかし、低炭素フェロクロムからこのような微量成分を除去する技術は知られておらず、せいぜいクロム鉱石等の原料からの微量成分の持ち込み量を低減する対策しか採られていなかった。
【0005】
フェロアロイの分野から広く鉄鋼精練の分野まで目を向ければ、転炉で脱炭精練した後の溶鋼に脱酸剤としてのアルミニウムを添加し、溶鋼中の酸素を取り除くアルミキルド鋼の溶製方法が知られている(特許文献2参照)。脱炭精練後の溶鋼には酸素が多量に含まれている。溶鋼にアルミニウムを投入することによって、溶鋼中の酸素をアルミニウムと反応させることができ、反応生成物であるアルミナをスラグとして除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−51690号公報
【特許文献2】特開2006−183103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
フェロアロイ中の酸素を低減するために、鉄鋼精練で知られているアルミ脱酸をフェロアロイの分野に応用し、フェロアロイをアルミ脱酸することも考えられる。しかし、鉄鋼精練に比べてフェロアロイの扱い量は極めて少なく(例えば鉄鋼精練の扱い量が数百トンであるのに対し、フェロアロイの扱い量はメタル4〜6t程度であり、取鍋で精練を行っているのに近い)、かつフェロアロイには高融点のものが多い。フェロアロイの溶湯中にアルミニウムを投入・攪拌すると、ハンドリング中にメタルが熱を失い、取鍋の底や側壁に付着する(メタルロスを起こす)という問題が発生する。
【0008】
メタル中の酸素の量を正確に知ることができれば、酸素の量に見合った量のアルミニウムを投入することができる。このため、溶湯の熱損失やメタルロスを緩和することができる。しかし、溶湯中の酸素濃度を測定するためには、過酷な作業環境下での作業が伴い、測定時には高価な酸素濃度測定用のプローブが必要になるので、鉄鋼精練に比べて著しく扱い量が小さいフェロアロイ精練ではトン当たりのコスト負担が大きく実現できない。
【0009】
そこで、本発明は、低炭素フェロクロムの溶湯中の酸素をアルミ脱酸することができる新たな低炭素フェロクロムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、電気炉又は取鍋内の溶融したクロム酸化物及び鉄酸化物をシリコクロム中の珪素で還元してフェロクロムの溶湯とスラグを生成する工程と、前記フェロクロムの溶湯から前記スラグを分離する工程と、前記フェロクロムの溶湯中の珪素濃度を検出する工程と、前記フェロクロムの溶湯中の珪素濃度と酸素濃度の相関関係に基づいてアルミニウム又はアルミニウム合金の投入量を求め、アルミニウム又はアルミニウム合金を前記フェロクロムの溶湯に投入して溶湯中の酸素を除去する工程と、を備える低炭素フェロクロムの製造方法である。
【0011】
本発明の他の態様は、電気炉又は取鍋内の溶融したクロム酸化物及び鉄酸化物をシリコクロム中の珪素で還元してフェロクロムの溶湯とスラグを生成する工程と、前記フェロクロムの溶湯から前記スラグを分離する工程と、前記フェロクロムの溶湯にアルミニウム又はアルミニウム合金を投入して前記フェロクロムの溶湯中の酸素を除去する工程と、を備え、脱酸後のスラグに含まれる酸化カルシウム(CaO)とアルミナ(Al)と酸化マグネシウム(MgO)の質量が、0.5≦CaO/Al≦1.5であり、かつ5質量%≦MgO≦15質量%である低炭素フェロクロムの製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、フェロクロムの溶湯中の珪素濃度を検出することで、溶湯中の珪素濃度と酸素濃度との相関関係に基づいて、メタル中の酸素濃度を推定することができる。酸素濃度に見合った量のアルミニウムを安定的に投入することができるので、溶湯の熱損失やメタルロスを緩和することができる。また、メタル中のアルミニウム濃度も低位安定制御できる。
【0013】
本発明の他の態様によれば、アルミ脱酸後に生成するスラグ成分を調整することで、融点が低くかつ流動性の良いスラグを生成することができるので、スラグが未滓化(固体又は半溶融状態)となるのを防止できる。低炭素フェロクロムのアルミ脱酸におけるアルミニウム効率は、脱酸後に生成するスラグの成分によって大きく差が出る。スラグが未滓化の状態になると、投入したアルミニウム又はアルミニウム合金がスラグ上に載ったり、スラグに団子状に覆われたりして溶湯中に溶解しなくなるからである。流動性のよいスラグを生成することで、余分なアルミニウム又はアルミニウム合金の投入を避けることができ、これにより、アルミニウム効率を安定化させ、溶湯中の残留アルミニウム濃度を低位安定制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態の低炭素フェロクロムの製造方法のフローチャート
【図2】還元剤比とメタル中[Mn],[V],[O]の挙動との関係を示すグラフ
【図3】従来の低炭素フェロクロムの製造方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態の低炭素フェロクロムの製造方法を説明する。本実施形態の低炭素フェロクロムの製造方法は、原料を電気炉で溶解し、取鍋内で低炭素フェロクロムを生成するメタル生成工程(S1)と、スラグに残留する例えば4〜7%のクロム分をシリコクロムとして再生するシリコクロム再生工程(S10)と、低炭素フェロクロムのメタル中の酸素をアルミニウム脱酸する脱酸素工程(S20)と、から構成される。
【0016】
メタル生成工程(S1)では、まず、クロム鉱石と媒溶剤である焼石灰の混合物を電気炉1に装入し、電気炉1で混合物を溶解して一次スラグを生成する(S2)。この工程では、クロム鉱石を溶かすだけであり、クロム鉱石中の酸化物(酸化クロム及び酸化鉄)を還元しない。金属クロムは炭素との親和力が非常に強い物質であり、金属クロムと炭素が結合した場合、後から炭素を除去することはできない。電気炉でクロム鉱石の酸化物を還元すると、電極の炭素がメタル中に加炭するおそれがある。金属クロムと炭素とが反応するのを防止するために、電気炉1ではクロム鉱石を溶かすだけとする。
【0017】
次に、溶解した一次スラグを取鍋2に出湯し、この一次スラグに還元剤としてシリコクロムを添加し、Arガス等で底吹攪拌し、クロム鉱石中の酸化物(クロム酸化物及び鉄酸化物)を珪素で還元してフェロクロムの溶湯と二次スラグを生成する(S3)。
【0018】
クロム鉱石中の酸化クロム及び酸化鉄とシリコクロム中の珪素との反応式は以下のとおりである。
2Cr+3Si→4Cr+3SiO…(1)
2FeO+Si→2Fe+SiO…(2)
【0019】
ここで生成したSiOは、次の式で生石灰(CaO)と反応し、スラグを生成する。
CaO+SiO=CaO・SiO…(3)
2CaO+SiO=2CaO・SiO…(4)
【0020】
前記(3)式、(4)式のようにスラグが生成されると、(1)及び(2)式における遊離のSiOがなくなるため、(1)及び(2)の反応は左から右に進行する。
【0021】
前記(1)式、(2)式は、発熱反応であるため、取鍋2が高温になり過ぎ、取鍋2の耐火物を損傷する等の問題を発生する。これを防止するために、冷材としてクロム鉱石を追加装入し、クロム鉱石を取鍋2内で溶解させる。還元反応により生成した低炭素フェロクロムの溶湯は、二次スラグから分離され(S4)、脱酸素工程(S20)に送られる。
【0022】
低炭素フェロクロムから分離された二次スラグには、クロムが例えば4〜7%含まれる。残留スラグ中のクロムをシリコクロムとして回収するためにシリコクロム再生工程(S10)が設けられる。シリコクロム再生工程(S10)では、低炭素フェロクロムから分離された二次スラグを取鍋3に受け、この二次スラグにフェロシリコンを添加してArガス等で上吹攪拌し、二次スラグ中に残留しているクロムと反応させてシリコクロムを生成する(S11)。その後、シリコクロムの溶湯を三次スラグから分離し、シリコクロムを回収する(S12)。三次スラグ中のクロム含有量は1質量%未満である。回収されたシリコクロムは、低炭素フェロクロム製練工程の還元剤として利用される。シリコクロムの一部が回収されたシリコクロムによって代替されるので、購入すべきシリコクロムを節減することができる。
【0023】
以上が、メタル生成工程(S1)、シリコクロム再生工程(S10)である。メタル中の酸素をアルミニウム脱酸する脱酸素工程(S20)は以下のとおりである。
【0024】
まず、二次スラグが分離された取鍋の溶湯中の珪素濃度を検出する。珪素濃度の検出は例えばエネルギ分散型の蛍光X線分析装置等の測定器を用いてもよいし、火花判定により行ってもよい。火花判定では、溶湯中のメタルをサンプリングし、メタルをグラインダーで擦ってそのときに発生する火花を見ることで珪素濃度を知る。珪素濃度が高かったら白くて明るい火花が発生するし、珪素濃度が低かったら赤くて暗い火花しか発生しない。慣れてくると、発生する火花を目視する火花判定でも精度よく珪素濃度を知ることができる。火花判定を用いれば、迅速測定が可能になるという利点がある。メタル中の珪素濃度はチャージ毎に異なるので、チャージ毎に珪素濃度を測定する必要がある。
【0025】
図2のグラフは、還元剤比とメタル中[Mn],[V],[O]の挙動との関係を示す。この図2に示すように、メタル中の珪素濃度とメタル中のMn,V,O濃度とは相関関係がある。すなわち、メタル中の珪素濃度が低くなると、メタル中のMn,V濃度は下がる傾向にある。その一方、メタル中の珪素濃度が低くなると、スラグ中のO濃度は高くなる傾向になる。もちろん、メタル中の珪素濃度が低くなると、弱還元になるので、スラグ中の残留クロムも増える傾向になる。
【0026】
図2から、メタル中のMn濃度を目標値の0.13%以下にするには、メタル中の珪素濃度を0.25%以下にする必要があり、メタル中のV濃度の濃度を目標値の0.1%以下にするには、メタル中の珪素濃度が0.3%以下にする必要があることがわかる。両者を両立させるためには、メタル中の珪素濃度を0.25%以下の還元比で還元する必要がある。しかし、そうなると、反面メタル中の酸素濃度が高くなる。酸素濃度を目標値の0.10%以下に低減するために、メタル中にアルミニウム又はフェロアルミニウムを投入し、アルミ脱酸を行う(図1のS21)。
【0027】
アルミニウム又はフェロアルミニウムの投入量は以下のように決定される。まず、測定した珪素濃度及び図2のグラフに基づいて、測定した珪素濃度からメタル中の酸素濃度を求める。次に、メタル中の酸素濃度と目標の酸素濃度との差分を求め、差分の酸素分を除去できるようにアルミニウム又はフェロアルミニウムの投入量を決定する。具体的には、アルミ効率を考慮した下記の式から投入量を算出する。
【0028】
(式1)
アルミニウム効率=((脱酸前の酸素値―脱酸後の酸素値)質量%×脱酸後の金属重量kg×54/48)/(アルミニウム投入量kg×アルミニウム純分質量%)
48:Al中、3・Oの分子量
54:Al中、2・Alの分子量
【0029】
アルミニウムは珪素よりも酸素親和力が強いので、メタルの上部にスラグが存在すると、アルミニウムがスラグ中の酸化珪素を還元し、メタル中に珪素を復珪してしまう。このため、スラグを除滓した後のメタル中にアルミニウム又はフェロアルミニウムを投入する必要がある。
【0030】
アルミニウム又はフェロアルミニウムを投入する際、脱酸後のスラグに含まれる酸化カルシウム(CaO)とアルミナ(Al)と酸化マグネシウム(MgO)の質量が、0.5≦CaO/Al≦1.5であり、かつ5質量%≦MgO≦15質量%になるように調整する。酸化カルシウム(CaO)が不足する場合は、酸化カルシウム(CaO)も投入する必要がある。
【0031】
取鍋の内張りされる耐火物には、塩基性又は中性の煉瓦(例えばMgO:90%以上のスタンプ、MgO−Cr煉瓦(MgO:22−80%,Cr:7−35%等))を使用する。シリカ等の酸化物を含有する耐火物だと、メタル中のアルミニウムが酸化物と反応することにより、耐火物の溶損やメタル中のアルミニウムの濃度の低減を招く。
【0032】
次に、図1に示すように、メタルから脱酸後のスラグを分離し(S22,S23)、メタルを鋳型に鋳込むことにより(S24)、低炭素フェロクロムの製品が得られる。製品の低炭素フェロクロム中のマンガン含有量0.13質量%以下、バナジウム含有量0.10質量%以下、酸素含有量0.10質量%以下になる。
【0033】
なお、本発明は上記実施形態に限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲でさまざまに変更可能である。例えば、クロム鉱石(クロム酸化物及び鉄酸化物)の還元は、取鍋でなく、電気炉で行ってもよい。この場合、脱酸素工程は電気炉にて行われる。
【実施例】
【0034】
クロム鉱石7860kg、焼石灰4060kgを6MVAエルー式電気炉に装入し、溶解して一次スラグを溶製した。この一次スラグを取鍋に出湯し、その中に2950kgのシリコクロムを添加した。そして、生成した二次スラグを分離し、得られた低炭素フェロクロムの溶湯中にアルミニウム16kgを投入し、溶湯をバブリングにより攪拌し、アルミ脱酸を行った。アルミ脱酸後の低炭素フェロクロムを鋳型に鋳込んで製品にした。また、分離された二次スラグにフェロシリコン525kgを添加し、残留クロムをシリコクロムとして回収した。
【0035】
原料の使用量及び成分は以下の表1のとおりであった。
【表1】

【0036】
一次スラグ、二次スラグ、脱酸スラグ、回収シリコクロム、低炭素フェロクロムの使用量及び成分は以下の表2のとおりであった。
【表2】

【0037】
アルミ脱酸前の低炭素フェロクロム中の成分は表3のとおりであった。
【表3】

【0038】
アルミ脱酸後の酸素成分は、表4に示すように、0.21%から0.10%に低減した。
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気炉又は取鍋内の溶融したクロム酸化物及び鉄酸化物をシリコクロム中の珪素で還元してフェロクロムの溶湯とスラグを生成する工程と、
前記フェロクロムの溶湯から前記スラグを分離する工程と、
前記フェロクロムの溶湯中の珪素濃度を検出する工程と、
前記フェロクロムの溶湯中の珪素濃度と酸素濃度の相関関係に基づいてアルミニウム又はアルミニウム合金の投入量を求め、アルミニウム又はアルミニウム合金を前記フェロクロムの溶湯に投入して溶湯中の酸素を除去する工程と、を備える低炭素フェロクロムの製造方法。
【請求項2】
前記フェロクロムの溶湯中の酸素を前記アルミニウム又は前記アルミニウム合金により除去する工程において、
脱酸後のスラグに含まれる酸化カルシウム(CaO),アルミナ(Al),及び酸化マグネシウム(MgO)の質量が、0.5≦CaO/Al≦1.5であり、かつ5質量%≦MgO≦15質量%であることを特徴とする請求項1に記載の低炭素フェロクロムの製造方法。
【請求項3】
電気炉又は取鍋内の溶融したクロム酸化物及び鉄酸化物をシリコクロム中の珪素で還元してフェロクロムの溶湯とスラグを生成する工程と、
前記フェロクロムの溶湯から前記スラグを分離する工程と、
前記フェロクロムの溶湯にアルミニウム又はアルミニウム合金を投入して前記フェロクロムの溶湯中の酸素を除去する工程と、を備え、
脱酸後のスラグに含まれる酸化カルシウム(CaO),アルミナ(Al),及び酸化マグネシウム(MgO)の質量が、0.5≦CaO/Al≦1.5であり、かつ5質量%≦MgO≦15質量%である低炭素フェロクロムの製造方法。
【請求項4】
前記クロム酸化物及び前記鉄酸化物を前記珪素で還元する工程において、前記フェロクロムの溶湯中の珪素濃度を0.25質量%以下にし、
アルミ脱酸後の低炭素フェロクロムのマンガン含有量0.13質量%以下、バナジウム含有量0.10質量%以下、酸素含有量0.10質量%以下にすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の低炭素フェロクロムの製造方法。
【請求項5】
前記電気炉又は前記取鍋の内張り耐火物が、塩基性又は中性であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の低炭素フェロクロムの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−94209(P2011−94209A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250977(P2009−250977)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(500103236)JFEマテリアル株式会社 (5)