説明

低重量超薄型可撓性放射線減衰組成物

放射線減衰衣類の製造に有用である薄型軽量可撓性シート製品。シート製品は、ポリマー材料であり、高原子量金属粒子が高装填率で含まれる。シート製品は、高原子量金属粒子が分散されているポリマーラテックスディスパージョンから形成され、ラテックスは、注ぎ込み可能な程度に十分に低い粘度を保持し、シート製品のキャスティングを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「低重量超薄型可撓性放射線減衰組成物」という名称で2003年12月5日に出願された米国仮出願第60/527,326号明細書に基づく優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
X線装置は、病院、歯科医および医師の診療所、獣医施設、工業試験およびQCの実験室などに一般に見いだされる。医療関係者、技術者、および患者は、放射線への直接被爆および二次被爆の両方から身を守るためにX線遮蔽衣類を着用する。
【0003】
さらに、最近では、科学的および医療的に重要な種々の手順は、放射性化合物の使用および取扱いを必要としている。放射性化合物の使用は、現在では、実験室、病院、および医師の診療所においてごく普通に見られる。これらの化合物の取扱いおよび使用により、使用者および被験者は、有害量の電離放射線に被爆する可能性がある。
【0004】
現在まで、X線および電離放射線への被爆に伴う危険を減少させる取組みの中で、多くの組成物が利用されてきた。典型的には、これらの組成物は、個人防護を提供するように設計された衣類中に組み込まれる金属鉛粉末を装填したポリマーまたはエラストマーのシート物品であった。たとえば、鉛を装填した前掛け、甲状腺遮蔽具、生殖腺遮蔽具、および手袋は、それらの防護性を提供すべく販売されてきた。減衰衣類は、指定レベルの放射線から使用者を防護するために必要とされる。
【0005】
このほか、これらの衣類は、軽量でなければならず、しかも引張り強度、耐引裂性や耐穿刺性、耐折目性や耐皺性などのような好適な機械的特性を呈するものでなければならない。さらに、衣類は、洗剤、アルコール、および医療環境で一般に使用される他の薬剤による洗浄に対して耐性をもつ必要がある。最後に、衣類は、好ましくは放射線を受けたときに即時劣化や長期劣化を起こすことなくそれらの性質を保持しなければならない。多くのポリマー材料(とくに、天然ゴムのように不飽和結合を含有する材料)は、放射線により劣化して脆くなったり亀裂を生じたりしやすいので、放射線を透過する可能性がある。
【0006】
鉛充填ポリマーは、防護衣類の製造に最もよく使用される。これらのポリマー組成物では、ポリマーは、粉末状鉛または他の高原子量金属もしくは化合物を組み込むためのマトリックスとしての役割を担う。広く利用されているポリマーとしては、高可塑化ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンおよび他のオレフィン、エラストマー、ならびに多くの他の可撓性ポリマーが挙げられる。充填ポリマー組成物の形成方法は、通常、二本ロールミルのような標準的な熱可塑性プラスチック配合装置を用いてプラスチック中に金属を混合することを含む。PVCの場合、標準的なプラスチゾル製造装置および方法が利用される。
【0007】
完成品は、普通は、0.5mmの厚さの鉛シートに相当する防護を提供するように設計されるが、放射線減衰度は、最終用途に合わせて調整可能であり、通常は、0.1mm〜1.5mmの鉛当量の範囲内である。
【0008】
商業的には、鉛充填ポリマー組成物よりなる単一層のキャストシートが入手可能であり、シート厚さおよび鉛装填率に依存して、さまざまなレベルの防護が提供される。最も広く入手可能な防護シートは、可塑化PVCで作製されている。プラスチゾルは、分散グレードのPVCをジオクチルフタレート(DOP)のような可塑剤と混合することにより調製される。次に、金属粉末が添加され、粘性混合物が脱気される。混合物は、ナイフオーバーロール法のように標準的なキャスティング装置を用いて剥離紙上にコーティングされ、樹脂を硬化させるべくオーブン中で約400°Fに加熱される。ポリエチレン−鉛配合物のような他の充填ポリマーは、バンバリーミキサーのような強力ミキサーまたは二本ロールミルを用いてブレンドされ、カレンダーまたはエクストルーダーを用いてポリマー配合技術分野で公知の手順によりシートの形態に成形される。
【0009】
可塑化PVCのシートは、ほとんどの場合、0.125mm鉛当量、0.167mm鉛当量、0.175mm鉛当量、0.25mm鉛当量などの防護を提供する厚さで市販されている。シートは、所望の放射線減衰を達成するように組み合わせることが可能である。たとえば、0.167mm定格の3枚のキャストシートを組み合わせると、0.50mmの防護が提供される。
【0010】
PVC系シートの製造上の欠点の1つは、ほとんどの場合に金属の湿潤不良や可塑剤中への金属の分散不良を引き起こす非常に高い粘度を有する混合物を必然的にプロセスが必要とする点である。金属の分散不良が起こると、最終製品の放射線減衰性能が減少したり不均一になったりするであろう。
【0011】
PVCシートの使用上の他の欠点は、0.5mmの鉛当量を提供するのに必要とされる最終製品の過剰重量である。厚さ0.0167の鉛装填PVCの3層の重量は、1平方フィートあたり約1.35ポンドである。3枚のシートおよび関連するナイロン製覆い、留め具などで作製された前掛けは、20ポンド以上の重量になる可能性がある。X線技術者などが防護衣類をときどき着用しなければならない際の重量および時間が原因となって、0.5mmの鉛の標準的減衰を保持しつつ製品の軽量化を図ることが、長い間、放射線減衰材料の設計者および製造業者の目標となっていた。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、放射線減衰に有用である超薄型軽量可撓性シート製品を提供することである。本発明は、1種以上の高原子量金属が高重量装填率かつ高体積装填率で組み込まれたシートを作製することが可能でありかつ硬化シートがラテックスディスパージョンおよび最終シート製品のいずれにおいても所望のレベルの放射線減衰および構造特性を保持しつつ現在入手可能な組成物よりも薄型かつ軽量であることを特徴とするポリマーラテックス組成物を提供する。
【0013】
特定的には、シートは、高原子番号の元素またはそれらの関連化合物および合金を、単独でまたは好ましくは組み合わせて、望ましくは室温で、ポリマーラテックス中に混合して流動性混合物を形成することにより、作製可能である。全装填ポリマーの89重量パーセントを超える固体装填率であるにもかかわらず、ラテックスをベースとする配合物は、注ぐことのできる程度に十分に低い粘度である。この低粘度のおかげで、減衰製品の製造にこれまで利用できなかった液体キャスティングのような加工手順が使用可能になる。粘度を変化させたり、分散を促進したり、閉じ込められた空気を除去したりするための当技術分野で公知の添加剤を、ラテックスに添加することが可能である。より高いpH、たとえば約8.5超、好ましくは約8超のpHを有するラテックスを扱う場合、そのような添加剤はとくに有用である。
【0014】
一実施形態では、5ミクロン超、好ましくは少なくとも約8ミクロン、最も好ましくは少なくとも約10ミクロンの平均粒子サイズを有する金属充填剤を用いることにより、所望の最終ポリマー特性を保持しつつ、高金属装填率を達成することが可能である。金属化合物を使用する場合、それは実質的に水に不溶でなければならない。平均粒子サイズを決定するのに好適な方法は公知であり、たとえば、走査型電子顕微鏡による分析が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0015】
一実施形態では、得られた流動性混合物を、約0.010インチ程度の薄い厚さ、好ましくは少なくとも約0.015インチの厚さで剥離紙のような非接着性表面上に容易にキャストし、可撓性シートの形態に乾燥させ、そして紙から除去することが可能である。これらの得られた可撓性シートは、放射線減衰特性をもたせることが有利である任意の製品、たとえば、前掛け、甲状腺遮蔽具、生殖腺遮蔽具、および手袋の製造に使用することが可能である。しかしながら、本発明は、これらの目的に限定されるものではなく、広範な業界にわたり多数の用途を有する。
【0016】
さらなる実施形態では、最終製品の一部分になる接着性基材上に金属充填ブレンドをシートとしてキャストすると、さらに高い引張特性および強度特性を有する製品が得られる。最終構造体の一部分になりうるそのような基材としては、たとえば、ビニルまたはポリオレフィンから作製されるようなポリマーシート;綿、リネン、ポリマー繊維、炭素繊維など、さらにはさまざまなタイプの天然および合成の繊維のブレンドから作製されるような織布;ならびに天然材料、ポリマー材料、または炭素繊維材料で作製される不織布が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
本発明に基づいて作製される製品は、標準的な鉛充填ビニルから作製される対応する製品よりも40%程度軽いことが判明した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の特定の実施形態を本明細書中に開示するが;当然のことながら、開示された実施形態は、種々の形態で具現化されうる本発明を単に例示したものにすぎない。さらに、本発明の種々の実施形態に関連して与えられた各実施例は、例示を意図したものであって限定を意図したものではない。さらに、図は、必ずしも寸法どおりであるとは限らず、いくつかの特徴部分は、特定の要素の詳細を示すために誇張されていることもある。したがって、本明細書中に開示されている特定の構造的および機能的な詳細は、限定として解釈されるべきものではなく、本発明をさまざまに利用すべく当業者に教示することを目的にした単なる代表的基本形態として解釈されるべきものである。
【0019】
本発明は、ポリマーラテックス中に高原子量金属を多量に装填させることにより形成される低重量超薄型可撓性シートの放射線減衰組成物に関する。たとえば、高原子量金属の装填率は、組み合わされた最終シート製品の約89重量パーセント超、より特定的には約90重量パーセント超であり、より好ましくはシート製品全体の少なくとも約92重量%である。
【0020】
本発明では、効果のあることが見いだされた金属として、45超、好ましくは約50超の原子番号を有する金属元素、たとえば、アンチモン、スズ、バリウム、ビスマス、セシウム、カドミウム、インジウム、ロジウム、タングステン、およびウラン、ならびに鉛(さらにはそれらの化合物および/または合金)、たとえば、スズ/鉛、硫酸バリウム、酸化ガドリニウム、および非放射性同位体を有する他の重金属が挙げられ、他の高原子番号の元素またはそれらの化合物として、セリウムやガドリニウムも挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに他の実施形態では、好適な金属として、タンタル、銀、金、および他の貴金属が挙げられる。特定の実施形態では、金属粒子は、寸法の1つが他の2つの寸法よりも1桁小さくかつ他の2つの寸法が4倍以下、より特定的には3倍以下の差である板状外観を有する。
【0021】
最終シート製品の好適な厚さとしては、少なくとも約0.010インチの範囲内、より特定的には少なくとも約0.015インチの範囲内、より特定的には約0.030〜約0.070インチの範囲内が挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに他の実施形態では、所望の減衰に応じて厚さを変化させることが可能である。
【0022】
とくに指示がないかぎり、「ラテックス」という用語は、水性液体中へのポリマーのディスパージョンを包含する。そのような液状ディスパージョンは当技術分野で周知であり、市販品として入手可能である。それらは、水性液体中に分散された天然ポリマーおよび合成ポリマーの両方を包含しうる。好適なポリマーラテックスとしては、アクリル、スチレン/ブタジエン、ビニルアセテート/アクリル酸コポリマー、ビニルアセテート、エチレンビニルアセテート、ポリブテン、およびウレタンが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ラテックスは、水性媒体中でモノマーを重合させることにより調製される。典型的には、アクリル、スチレン/ブタジエン、およびアセテートのポリマーラテックスは、このように調製される。
【0023】
他の実施形態では、乾燥された充填ポリマー組成物の表面に非充填ラテックスのコーティングを施す。他の特定の実施例では、ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)社製のアクリル(商品名「TR 38HS」)をコーティングとして使用した。他の実施例では、ファイアストーン(Firestone)社製の天然ゴムラテックス(商品名「ハーテックス101(HARTEX 101)」)をコーティングとして使用した。コーティング厚さとして、さまざまな値を用いることが可能である。コーティングの厚さの例は、約0.25ミル〜約4ミルの範囲内である。追加のコーティング層により、最終製品全体の強度、伸縮性、およびまたは耐引裂性を改良することが可能である。
【0024】
一実施形態では、5ミクロン超、好ましくは少なくとも約8ミクロン、最も好ましくは少なくとも約10ミクロンの平均粒子サイズを有する金属充填剤を用いることにより、所望の最終ポリマー特性を保持しつつ、高金属装填率を達成することが可能である。金属化合物を使用する場合、それは実質的に水に不溶でなければならない。平均粒子サイズを決定するのに好適な方法は公知であり、たとえば、走査型電子顕微鏡による分析が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0025】
さらなる実施形態では、スズを混合物中の金属として利用する場合、さまざまなpH範囲内(たとえば、約10未満)のラテックスを利用することが可能である。さらに他の実施形態では、とくに、約8超のpHを有するラテックスを扱う場合、成分(たとえば、ラテックスおよび金属)の添加順序により、成分の分散を助長することが可能である。たとえば、すべての分散添加剤の添加を含めてラテックス混合物を調製し生成させた後でタングステンを添加すると、タングステンの全体的分散が助長されるであろう。また、タングステンを分散させた後でスズを添加すると、改良された減衰が達成されるであろう。
【0026】
このほかのさらなる実施形態では、異なる粒子サイズの金属充填剤の組合せ(たとえば、スズとタングステン)をラテックスに添加する場合、さまざまなpH範囲内(たとえば、約10以下のpH)を利用することが可能である。さらに他の実施形態では、いくつかの金属充填剤成分の添加順序により、好ましくは、より微細な粒子充填剤を最初に添加することにより、金属充填剤成分の分散を改良することが可能である。さらなる改良として、組み合わせた粒子サイズの平均は、好ましくは、少なくとも約8でなければならない。
【0027】
たとえば、スズ/タングステン組成物では、タングステンが非常に小さい粒子サイズ(たとえば、1ミクロン以下)で入手可能である場合、使用される添加剤とポリマーラテックスを十分に混合した後、最初にタングステンを単独で分散し、その後、混合物にスズ粒子を添加すると、より高いpH値においてさえも、ラテックスディスパージョンおよび最終乾燥ポリマー生成品の好適な特性を保持しつつ、本発明に係る組成を有する組み合わされたスズ−タングステンの全ディスパージョンが形成されるであろう。特定的には、天然ゴムラテックスを含む好適なキャスティングディスパージョンは、この添加順序に従った方法によりスズ/タングステン充填剤を用いて形成可能である。
【0028】
特定的には、インディアナ州フォートウェイン(Fort Wayne,Indiana)のシャー・システムズ・インコーポレーテッド(Shar Systems,Inc.)社製の真空分散ミキサーを用いて、キャスティング混合物を調製することが可能である。最初に、ラテックスディスパージョンおよび任意の所望の添加剤を含めてすべての液体をミキサータンクに添加し;少なくとも26インチの真空に吸引し、400rpmのブレード速度で液体を1分間混合する。真空を解除し、タングステン粒子(1ミクロン未満の粒子サイズを有する)を添加し、その後、真空にして約1分間混合する。ミキサーを再び開放し、金属粒子(約20ミクロンの粒子サイズ)を混合物に添加し、その後、1000rpmで3分間の混合サイクルを行い、適切であれば、続けて第2の金属粒子の添加を行って真空下でさらに混合する。混合サイクルおよびブレード回転速度は、ラテックス、金属、固体装填率、およびラテックスの剪断感受性に依存して変化させうる。混合はすべて周囲温度で行われ、熱はほとんど発生しない。
【0029】
さらに他の実施形態では、混合物の調製を支援しかつ最終生成品の最終的な物理特性および構造を調整すべく、添加剤を利用することが可能である。とくに興味深いのは、金属の均一な分散、空気の取込みの防止、および必要であれば脱泡に役立つそれらの材料である。好適な添加剤としては、界面活性剤、脱泡剤、消泡剤、分散助剤、安定剤(たとえば、ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)社製の商品名「アキュマー(Accumer)」(アルコキシル化アルキルフェノール)およびローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)社製のタモール(Tamol)(スルホネートナフタレン))、可塑剤(たとえば、ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)社製の可塑剤「パラプレックスWP−1(Paraplex WP−1)(専売高分子可塑剤)」(アンモニア水))が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
さまざまな配合物の製造に使用しうる他の添加剤としては、コグニス・コーポレーション(Cognis Corporation)社製のフォーマスターVF(Foamaster VF)(登録商標)(専売脱泡剤);ハンプシャー・ケミカル(Hampshire Chemical)社製のダキサド30(Daxad 30)TM(ナトリウムポリメタクリレート);サイテック・インダストリーズ(Cytec Industries)社製のアエアソル(Aersol)(登録商標)LF−4(専売界面活性剤);エア・プロダクツ(Air Products)社製のスルフィノールDF−210(Surfynol DF−210)(脱泡剤);トロイ・ケミカル(Troy Chemical)社製のトロイキドTM D729(TroykydTM D729)(シリコーン系消泡剤);サイテック・インダストリーズ(Cytec Industries)社製のアエアソル(Aersol)(登録商標)OT−75%(ナトリウムジオクチルスルホスクシネート);およびアヴェシア・リミテッド(Avecia Limited)社製のソルスパース27000(Solsperse 27000)(芳香族ポリマーアルコキシレート)が挙げられる。
【0031】
他の実施形態では、ラテックスのブレンドを利用することが可能である。ラテックスの好適なブレンドとしては、エチレンビニルアセテートポリマーとアクリルポリマー、アクリルポリマーとスチレンアクリルポリマー、ポリブテンポリマーと天然ゴムポリマー、ポリブテンポリマーとアクリルポリマー、スチレン−ブタジエンポリマーとスチレンアクリルポリマー、イソプレンポリマーとアクリルポリマー、および類似のブレンドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの各ブレンドは、最高性能を得るべく適切な添加剤で改質しなければならない。特定の実施例では、所望により、ラテックス混合物を加硫しうるように天然ゴムラテックスおよび他のラテックスを利用することが可能である。
【0032】
さらなる実施形態では、元素や化合物の使用に加えて、重金属の合金を利用することも可能である。減衰金属の好適な合金としては、スズ/鉛、アンチモン/鉛、スズ/アンチモン、スズ/銀、さらにはビスマス/スズ、鉛/ビスマス、スズ/ビスマス、およびビスマス/鉛/スズ/カドミウム/インジウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
0.5mmの純鉛シート厚さ(すなわち、鉛当量)に相当する放射線減衰を決定するための標準試験の一実施例では、X線減衰シート材料は、所望の厚さ(たとえば、0.0167インチ)を有するシートの形態にキャストすることにより装填ポリマーから作製される。次に、4.5インチの大きさの試験スクエアの形態にシートをカットする。カットされたスクエアを以下のプロトコルに従って試験する。標準的な医療用X線発生器からの出力ビームと検出器と間に試験サンプルを配置して、既知の特性のX線をサンプルに照射する。特定的には、X線管から23インチ下かつ検出器から13インチ上に位置する鉛製の試験棚上にサンプルを配置する。棚は、直径2.0インチの開口を有する。非鉛減衰性材料では、一層試験の場合、ビームエネルギーを100ミリアンペアで100Kvpに設定し、照射時間を1秒間に設定する。
【0034】
サンプルにX線を照射して、非吸収エネルギー(すなわち、サンプルを透過したX線エネルギー)を測定する。X線照射線量計を用いて非吸収ビームエネルギーを測定する。これと同一の手順により、既知の減衰効率を有する純鉛対照サンプルの性能を測定する。試験片の減衰よりもわずかに上、それよりもわずかに下、およびそれとほぼ同一の減衰を有するように、鉛対照を選択する。サンプルの性能を既知の鉛対照と比較し、サンプルの正確な減衰を補間により計算する。
【実施例】
【0035】
以下の実施例ではスズまたはタングステンの粒子を使用し、使用したスズ製品は、アキュパウダー・インターナショナルLLC(Accupowder International,LLC)社製のグレード140(Grade 140)(約20ミクロンの平均粒子サイズを有する)であり、使用したタングステン粉末は、バッファロー・タングステン・インコーポレーテッド(Buffalo Tungsten,Inc.)社製のタングステン・パウダー・グレード(Tungsten Powder Grade)(1ミクロン未満の平均粒子サイズを有する)であった点に留意されたい。
【0036】
実施例1
以下の処方の混合物を調製した:
ローム・アンド・ハースTR38HS(Rohm & Haas TR38 HS)(pH7〜8) 25グラム
スズ粉末 150グラム
タングステン粉末 60グラム
【0037】
最終生成品を形成すべく、ポリマーラテックスと金属を別々のカップに秤量した。金属をラテックス中に注ぎ、小型のスパチュラを用いて混合した。滑らかで注ぎ込み可能な混合物が得られるまで、流動性混合物を攪拌した。混合物を剥離紙上に注ぎ、既知の厚さのシム上でナイフを移動させた。次に、160°Fの対流式オーブン中でシートを10分間乾燥させた。
【0038】
実施例1の生成品は、0.50mmの鉛当量において57.1グラムの重量であり、1平方フィートあたり0.89ポンドに相当するものであった。金属装填率は、93.8重量%または65体積%であった。生成品は、軟質で柔軟性があり、きわめて効果的な減衰特性を有する衣類の製造に使用可能であった。
【0039】
実施例2
上記の手順を用いて、以下の配合物を調製した。
エア・プロダクツ・エア・フレックス400(Air Products Air Flex 400)エチレンビニルアセテートコポリマーラテックス(4.5のpH、52%の固形分含有率を有する) 25グラム
スズ粉末 150グラム
タングステン粉末 60グラム
水 7グラム
【0040】
0.50mmの鉛当量における実施例2の生成品は、54.2グラムの重量になり、1平方フィートあたり0.85ポンドに相当することになる。金属装填率は、93.8重量%または65体積%であった。生成品は、軟質で柔軟性があり、上表面および下表面はいずれも、優れた滑らかな外観を有していた。この生成品は、減衰衣類の製造に使用可能であった。
【0041】
実施例3
上記の手順を用いて、以下の配合物を調製した。
エア・プロダクツ・エア・フレックス400(Air Products Air Flex 400)エチレンビニルアセテートコポリマーラテックス 25グラム
スズ粉末 120グラム
タングステン粉末 40グラム
ビスマス粉末 40グラム
水 3.8グラム
【0042】
実施例3の生成品は、0.50mmの純鉛当量において55グラムの重量になり、1平方フィートあたり0.86ポンドに相当することになる。金属装填率は、94.1重量%または65.5体積%である。シート製品は、軟質で柔軟性があった。上表面および下表面はいずれも、優れた滑らかな外観を有していた。得られた生成品は、減衰衣類の製造に使用可能であった。
【0043】
実施例4
異なるラテックスをブレンドすることにより、最終生成品の全体的外観および強度を改良した。一つのそのようなブレンド処方は、以下のとおりであった:
ローム・アンド・ハースTR38HS(Rohm & Haas TR38 HS)アクリルポリマーラテックス(pH7〜8;固形分含有率50%〜52%) 0.175ポンド
エア・プロダクツ・エア・フレックス920(Air Products Air Flex 920)アクリルポリマーラテックス(pH4、固形分含有率55%) 0.0925ポンド
スズ粉末 3.3ポンド
タングステン粉末 1.1ポンド
【0044】
このブレンドを5クォートのホバート(Hobart)ミキサーで混合した。製造用ナイフオーバーロールコーティングシステムを用いて、混合物を剥離紙上にキャストした。材料を160°Fで乾燥させた。
【0045】
実施例4の生成品は、0.50mmの鉛当量において50.4グラムの重量を有することが判明した。この重量は、1平方フィートあたり0.79ポンドの重量に相当する。金属装填率は、94.3重量%および67.7体積%であった。生成品は、軟質で柔軟性があり、上表面および下表面はいずれも、優れた滑らかな外観を有していた。この生成品は、減衰衣類に使用しうる程度に十分な強度を有していた。
【0046】
実施例5
好ましいことに、引裂強度を改良すべく基材上に流動性混合物をコーティングすることにより、優れた結果を得た。
【0047】
約0.007インチの厚さのビニルフィルム(PVC)を剥離紙上にキャストした。以上に概説したようにラテックスブレンドを調製し、ビニルフィルム(依然として剥離紙上に存在する)上にコーティングした。次に、キャスト物を対流式オーブン中で乾燥させた。
【0048】
調製したラテックス配合物は、以下のとおりであった:
ローム・アンド・ハース1845(Rohm & Haas 1845)スチレンアクリルコポリマーラテックス(pH6.7、固形分含有率56%) 32グラム
スズ粉末 150グラム
タングステン粉末 60グラム
【0049】
実施例5の生成品は、0.50mmの鉛減衰当量において56.3グラムの重量を有することが判明した。この重量は、1平方フィートあたり0.88ポンドに相当する。金属装填率は、92重量%および59体積%であった。ナイロン、モスリン、ラグクロス、およびいくつかのタイプの不織布を代替物として使用して、同様に有用な生成品を得ることが可能である。
【0050】
実施例6
この実施例では、グリセリンおよび水(それぞれ50部)を流動性ラテックス混合物に添加して、可撓性の増大された最終生成品を得た。以下の配合物を調製し、クレーン・ペーパー(Crane Paper)社により供給されたポリオレフィン不織基材(製品番号BC−9)上にナイフコーティングした。
【0051】
処方は次のとおりであった:
ローム・アンド・ハース1845(Rohm & Haas 1845)スチレンアクリルコポリマーラテックス(pH6.7、固形分含有率56%) 18グラム
エア・プロダクツ・エア・フレックス920(Air Products Air Flex 920)アクリルポリマーラテックス(pH4、固形分含有率55%) 7グラム
スズ 160グラム
タングステン 40グラム
グリセリンUSP 0.75グラム
【0052】
実施例6の生成品は、基材の重量を含めて、0.50mmの鉛減衰当量において55グラムの重量を有することが判明した。比較目的のために基材を除外すると、この重量は、1平方フィートあたり0.86ポンドの重量に相当する。金属装填率は、93.9重量%および67体積%であった。
【0053】
実施例7
以下の配合物を調製し、クレーン・ペーパー(Crane Paper)社により供給されたポリエステル不織カレンダー基材(製品番号RS−21)上にナイフコーティングした。
【0054】
処方:
ローム・アンド・ハース1845(Rohm & Haas 1845)スチレンアクリルコポリマーラテックス(pH6.7、固形分含有率56%) 18グラム
エア・プロダクツ・エア・フレックス920(Air Products Air Flex 920)アクリルポリマーラテックス(pH4、固形分含有率55%) 7グラム
スズ粉末 160グラム
タングステン粉末 40グラム
グリセリンUSP 0.75グラム
【0055】
実施例7の生成品は、基材の重量を含めて、0.50mmの鉛減衰当量において54グラムの重量を有することが判明した。比較目的のために基材を除外すると、この重量は、1平方フィートあたり0.84ポンドの重量に相当する。金属装填率は、93.9重量%および67体積%であった。
【0056】
実施例8
他の実施例では、最終生成品の最終的な物理特性および構造を調整すべく、添加剤を利用することが可能である。この実施例では、ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)社製の分散助剤(商品名「アキュマー(Accumer)(アルコキシル化アルキルフェノール)」)を混合物に添加し、同様にローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)社製の可塑剤(パラプレックスWP−1(Paraplex WP−1))を添加して、より可撓性のある最終生成品になるようにした。X線減衰生成品を鉛当量と比較する。
【0057】
これらの添加剤を用いる処方は、次のとおりであった:
ローム・アンド・ハース1845(Rohm & Haas 1845) 20グラム
エア・プロダクツ・エア・フレックス920(Air Products Air Flex 920) 4グラム
スズ 150グラム
タングステン 55グラム
アキュマー(Accumer) 0.3グラム
WPI 0.3グラム
【0058】
この処方のサンプルは、平均で、0.5mmの鉛当量において57グラムの重量または1平方フィートあたり約0.88ポンドであった。
【0059】
実施例9
さらなる実施例では、天然ゴムラテックスと他のラテックスとのブレンドを用いて、優れた生成品を調製することが可能である。天然ラテックスの利点は、生成品を加硫させて物理特性を改良しうる点である。一つのそのような処方では、9.78のpHおよび62%の固形分含有率を有するファイアストーン(Firestone)社製のハーテックス101(Hartex 101)を使用し、ヴァンダービルト(Vanderbilt)社製の分散助剤(「ダーヴァン7(Darvan 7)」(ナトリウムポリメタクリレート))、アクロケム(Akrochem)社製の硫黄組成物(グレードW−9944)、およびアクロケム(Akrochem)社製の酸化亜鉛促進剤(グレードw−9989)が含まれ、内容は以下のとおりである:
ローム・アンド・ハース1845(Rohm & Haas 1845) 0.6ポンド
ハーテックス101(Hartex 101) 0.4ポンド
スズ 9.2ポンド
ダーヴァン7(Darvan 7) 35グラム
硫黄(添加剤) 1.6グラム
促進剤(酸化亜鉛) 2.2グラム
【0060】
0.5mmの鉛当量を有する試験片は、約59グラムの重量であり、望ましい物理特性(すなわち、引張強度および弾性)を有する。
【0061】
実施例10
他の実施例では、元素や化合物の使用に加えて、減衰材料の合金を利用することも可能である。40重量%のスズおよび60重量%の鉛を有するクックソン・インダストリーズ(Cookson Industries)社製のスズ/鉛合金(グレード113918)を以下の処方で使用した:
ローム・アンド・ハース1845(Rohm & Haas 1845) 0.6ポンド
ハーテックス101(Hartex 101) 0.4ポンド
合金 9.13ポンド
ダーヴァン7(Darvan 7) 35グラム
【0062】
0.5mmの鉛当量を達成する標準的試験片の重量は、71グラムであった。
【0063】
本発明の特定の実施形態を実施例として以上で説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく細部の変更を行いうることはわかるであろう。当業者であれば、開示された実施形態(それらはすべて、例示を目的として本明細書中に提示されたものであり、限定を目的とするものではない)以外の実施形態により本発明を実施しうることはわかるであろう。本明細書中に論述されている特定の実施形態の等価形態によっても同様に本発明を実施しうることに留意すべきである。したがって、排他的権利が請求される本発明の範囲を評価する場合、参照すべきは、実施例についての以上の論述ではなく、添付の特許請求の範囲である。
【0064】
実施例11
本発明に係る充填ラテックスディスパージョンを混合する場合、当技術分野で周知の低剪断高ポンピング作用分散ブレードを使用することが好ましい。この実施例では、3ガロン容量のミキシングボウルを備えたシャー(Shar)真空分散ミキサーを使用する。
【0065】
以下の処方に従ってラテックスプレミックスを調製する:
ローム・アンド・ハースTR−38HS(Rohm & Haas TR−38HS) 10ポンド
ハーテックス101(Hartex 101) 10ポンド
ダーヴァン7(Darvan 7) 1.6ポンド
3%アンモニア 0.7ポンド
グリセリン 80グラム
【0066】
アンモニア溶液は、最終混合物を安定化させる役割を担う添加剤である。
【0067】
最初に、ハーテックス101(Hartex 101)ラテックスを、ダーヴァン7(Darvan 7)、アンモニア、およびグリセリンと混合する。スパチュラを用いて、この組合せ物を手で攪拌した。次に、ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)ラテックスを添加してラテックスプレミックスを形成する。
【0068】
キャスティング配合物は、以下のものを含む:
ラテックスプレミックス 8.8ポンド
スズ 56ポンド
タングステン 16ポンド
【0069】
プレミックスをシャー(Shar)ミキサーのミキシングボウルに添加し、続いてタングステン粉末を添加する。ミキシングボウルを少なくとも26インチHgの真空に吸引し、1分間かけてタングステンをラテックスプレミックス中に混合導入する。次に、真空を解除し、スズを添加する。真空に吸引した後、材料をさらに3分間混合して金属を分散させる。
【0070】
混合物を剥離紙上にキャストして、オーブン乾燥させる。最終生成品の標準的試験片は、0.022インチの単一層の厚さで58グラムの重量すなわち1平方フィートあたり0.88ポンドを有する。乾燥させたシートに約0.5ミルのラテックスコーティングを施した後、得られる生成品は強靭であり、良好な引張強度および弾性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防護衣類を形成するのに有用な高原子量金属を装填した装填ポリマーシートであって、該高原子量金属が装填ポリマーシート全体の約89重量パーセントを超え、かつ0.5mmの純鉛シートに相当する放射線減衰当量を達成するのに必要な厚さの装填シートが約1.0ポンド/平方フィート未満の重量を有する、装填ポリマーシート。
【請求項2】
前記高原子量金属が45超の原子番号を有する、請求項1に記載の装填ポリマーシート。
【請求項3】
前記金属が、アンチモン、スズ、ビスマス、タングステン、鉛、カドミウム、インジウム、セシウム、セリウム、およびガドリニウム、ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項2に記載の装填ポリマーシート。
【請求項4】
前記金属が、アンチモン、スズ、ビスマス、タングステン、および鉛、ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項2に記載の装填ポリマーシート。
【請求項5】
少なくとも約0.010のインチの厚さを有する、請求項2に記載の装填ポリマーシート。
【請求項6】
約0.015インチ〜約0.05インチの範囲内の厚さを有する、請求項2に記載の装填ポリマーシート。
【請求項7】
前記ポリマーが、天然および合成のポリマーからなる群から選択される、請求項2に記載の装填ポリマーシート。
【請求項8】
前記ポリマーが、アクリルポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー、ビニルアセテート/アクリル酸コポリマー、ビニルアセテート、エチレンビニルアセテート、ポリブテン、およびウレタンポリマー、ならびに天然ゴム、さらにはそれらの組合せからなる群から選択される、請求項7に記載の装填ポリマーシート。
【請求項9】
前記ポリマーシートが、約10以下のpH値を有する流動性ポリマーラテックスと、その中にポリマーと金属粒子との組合せの少なくとも89重量%の量で微粒子形態で分散された少なくとも1種の高原子量金属と、から形成され、該ラテックスが、フラットな基材上にシートをキャストすべく注ぎうる程度に十分に流動性である、請求項2に記載の装填ポリマーシート。
【請求項10】
前記ラテックスが約10以下のpHを有し、かつ前記金属が、少なくとも約8ミクロンの平均粒子サイズを有する金属粒子を含む、請求項9に記載の装填ポリマーシート。
【請求項11】
前記ポリマーがエラストマーであり、かつ前記金属粒子が少なくとも約10ミクロンの平均粒子サイズを有する、請求項10に記載の装填ポリマーシート。
【請求項12】
前記シートが衣類の形態にされる、請求項2に記載の装填ポリマーシート。
【請求項13】
前記衣類が、前掛け、甲状腺遮蔽具、生殖腺遮蔽具、および手袋からなる群から選択される、請求項12に記載の装填ポリマーシート。
【請求項14】
ポリマーラテックス中に微粒子形態で高原子量金属を混合する工程と、ここで、該高原子量金属は、該ラテックス中のポリマーと金属との全体の約89重量パーセントを超える、
該ラテックスをフラット表面上にキャストする工程と、
このキャストされたラテックスを乾燥させて、0.5mmの厚さを有する純鉛シートと等価な放射線減衰を達成するのに必要な厚さにおいて約1.0ポンド/平方フィート未満の重量を有する有用な装填ポリマーシートを形成する工程と、
を含む、装填ポリマーシートの製造方法。
【請求項15】
前記高原子量金属が45超の原子番号を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記金属が、アンチモン、スズ、ビスマス、タングステン、鉛、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記金属が、カドミウム、インジウム、セシウム、セリウム、およびガドリニウム、ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記シートの厚さが少なくとも約0.010インチである、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記シートの厚さが約0.015インチ〜約0.07インチの範囲内である、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記ポリマーラテックスが、天然および合成のポリマーからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記ポリマーラテックスが、アクリルポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー、ビニルアセテート/アクリル酸コポリマー、ビニルアセテートポリマー、エチレンビニルアセテートポリマー、ポリブテンポリマー、ウレタンポリマー、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
添加剤が前記ラテックス中に組み込まれる、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
前記添加剤が、界面活性剤、脱泡剤、消泡剤、分散助剤、および可塑剤からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ポリマーラテックスが、エチレンビニルアセテートポリマーとアクリルポリマー、アクリルポリマーとスチレンアクリルポリマー、ポリブテンポリマーと天然ゴムポリマー、ポリブテンポリマーとアクリルポリマー、スチレン−ブタジエンポリマーとスチレンアクリルポリマー、およびイソプレンポリマーとアクリルポリマーからなる混合ポリマーの群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
前記混合物を乾燥させた後、乾燥された装填ポリマーシートの表面に非充填ラテックスのコーティングを施す追加の工程
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項26】
前記コーティングの厚さが約0.25ミル〜約4ミルの範囲内である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ポリマーラテックス中に粒子状タングステンを混合する工程と;
スズとタングステンとの組合せの全量がポリマーと金属との全重量の約89重量パーセントを超えるように、該混合物にスズを添加する工程と;
該混合物を乾燥させて、0.5mmの厚さの純鉛シートと等価な減衰を達成するのに必要な厚さの装填ポリマーシートにおいて約1.0ポンド/平方フィート未満の重量を有する装填ポリマーシートを形成する工程と;
を含む、装填ポリマーシートの製造方法。
【請求項28】
前記ポリマーラテックスが天然ゴムラテックスを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
分散ポリマーと粒子形態の高原子量金属とを含み、ここで、該高原子量金属は、ラテックス中のポリマーと金属との全体の約89重量パーセントを超える、フラット表面上にラテックスをキャストしうる程度に十分に低い粘度を有する、ポリマーラテックス。

【公表番号】特表2007−513251(P2007−513251A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542812(P2006−542812)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/040608
【国際公開番号】WO2005/055938
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(506190773)バー−レイ・プロダクツ・インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】