説明

住宅の施工管理システム

【課題】住宅の施工画像を用いて施工状況を簡単に一元管理することができると共に、住宅の施工画像を用いて非常に簡単に施工報告書の作成を行うことができるようにする。
【解決手段】管理サーバ3は、携帯電話2から送信された施工画像を受信した際に、施工画像を送信した携帯電話2に関連付けられているコンピュータ4に対して、施工画像を受信したことを示す受信情報を送信する通知手段15と、コンピュータ4からの要求に応じて施工画像を送信する施工画像送信手段16とを備え、コンピュータ4は、管理サーバ3に対して所定の住宅の施工画像を要求する施工画像要求手段25と、施工画像要求手段25によって要求された施工画像を用いて施工報告書Rを作成する施工報告書作成手段26と、施工報告書作成手段26で作成した施工報告書Rを管理サーバ3へ送信する施工報告書送信手段27とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、住宅の施工画像を用いた住宅の施工管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、通信機能を有さないデジタルカメラを用いて住宅の画像(写真)を撮像し、この画像を住宅関連(建築関連)に利用したシステムとして、特許文献1〜2に示すものがある。
特許文献1は、画像を用いて建築設備における改修診断書を作成する技術であって、当該システムは、デジタルカメラで設備の状況を撮影する手段と、撮影した画像データをパソコンに転送しファイルする手段と、各画像データに対応して撮影場所、室名、設備区分、設備システム、機器・部位、状況等のコメントを入力する手段と、画像データを分類整理しコメント付写真集を作成する手段と、該写真集を参照しながら設備システムの診断結果を作成する手段と、設備システムの診断結果を参照しながら設備区分の診断結果を作成する手段と、設備区分の診断結果を参照しながら総合所見を作成する手段と、上記のようにして作成した予備診断報告書をプリントアウトする手段とを備えている。
【0003】
特許文献2は、施工時の画像を用いて施主が工事の状況を確認する技術であって、当該システムは、工事業者端末及びサーバにより構成されている。そして、工事業者端末は、工事の工程毎の予定写真撮影枚数を合計し、その合計枚数と写真一枚当たりの画像サイズにより、当該工事の全工程で撮影される工事写真の画像を格納するのに必要な格納領域サイズを算出する格納領域サイズ算出手段と、算出された格納領域サイズ分の領域であって、前記工事の施主がアクセス可能な領域を前記画像記憶手段に確保する指示を前記サーバに送信する領域確保指示手段とを備え、サーバは、工事業者端末から送信された領域確保指示に応じて、工事の施主がアクセス可能な領域を前記画像記憶手段に確保する領域確保手段を備えている。
【特許文献1】特開平11−161324号
【特許文献1】特開2007−193594号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、住宅の画像を利用して改修工事を行うか否かの改修診断書を作成する技術や施主が工事の状況を確認する技術があるものの、画像を住宅毎に一元管理すると共に、一元管理されている状況下でその画像を用いて施工報告書を作成するという技術は、未だ開発いないのが実情である。
本発明は、住宅の施工画像を用いて施工状態を簡単に一元管理することができると共に、住宅の施工画像を用いて非常に簡単に施工報告書の作成を行うことができる住宅の施工管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明における課題解決のための技術的手段は、カメラ付き携帯電話と、この携帯電話のカメラで撮像した住宅の施工画像をネットワークを介して受信して住宅毎に管理する管理サーバと、この管理サーバとは別に設けられて前記管理サーバが管理している施工画像をネットワークを介して取り出し可能なコンピュータとを備え、前記携帯電話と前記コンピュータとは関連付けられており、前記管理サーバは、前記携帯電話から送信された施工画像を受信した際に、当該施工画像を送信した携帯電話に関連付けられている前記コンピュータに対して、当該施工画像を受信したことを通知する通知手段と、前記コンピュータからの要求に応じて施工画像を当該コンピュータに送信する施工画像送信手段とを備え、前記コンピュータは、前記管理サーバに対して所定の住宅の施工画像を要求する施工画像要求手段と、前記施工画像要求手段によって要求された施工画像を用いて施工報告書を作成する施工報告書作成手段と、前記施工報告書作成手段で作成した施工報告書を管理サーバに送信する施工報告書送信手段とを備えている点にある。
【0006】
前記施工報告書作成手段は、住宅毎に管理されている複数の施工画像のうち、選択された施工画像を施工報告書の電子データに貼り付ける画像貼り付け機能を備えていることが好ましい。
前記管理サーバは、前記携帯電話から送信された施工画像を予め定められたサイズに変換する画像変換手段を備えていることが好ましい。
前記管理サーバは、コンピュータから送信された施工報告書を、予め施工報告書の作成のために送信した施工画像が格納されている記憶部に、格納することが好ましい。
【0007】
前記コンピュータは、住宅の施工を行う施工業者に配置されるものであることが好ましい。
前記コンピュータは、住宅の供給を行う住宅供給メーカに配置されるものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、住宅の施工画像を用いて施工状況を簡単に一元管理することができると共に、住宅の施工画像を用いて非常に簡単に施工報告書の作成を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、住宅の施工管理システムの全体構成を示したものである。
住宅の施工管理システムは、主に、住宅の施工管理を画像(写真)を用いて行うためのシステムである。図1に示すように、この住宅の施工管理システム1は、カメラ付き携帯電話2と、管理サーバ3と、携帯電話2及び管理サーバ3とは別のコンピュータ4とを備えている。
カメラ付き携帯電話2は、住宅の建設を行う施工業者8の工事担当者(施工側担当者ということがある)が所持している。また、カメラ付き携帯電話2は、施工業者8に住宅建設の依頼を行った住宅供給メーカの本店6や支店7の工事担当者(メーカ側担当者ということがある)等が所持している。なお、後述するように、建設現場5には、複数の施工業者8が工事を行うため、施工業者毎、又は、施工業者の担当者毎に携帯電話2を持つことになる。
【0010】
施工側担当者やメーカ側担当者が所持している携帯電話2は、住宅(マンションや一戸建て等)を建設する建設現場5にて用いられ、建設現場5からネットワークNを介して住宅供給メーカが所有する管理サーバ3に接続することができるようになっている。
管理サーバ3は、住宅供給メーカの本店6等に配置されて、カメラ付き携帯電話2からネットワークNを介して送信された住宅の施工画像を記憶して管理することができるようになっている。なお、施工画像は、住宅の工事に関する画像であって、例えば、施工途中の状態や施工完了後の画像である。
【0011】
コンピュータ4は、施工側担当者が所属する施工業者8内に配置されたり、メーカ側担当者が所属する住宅供給メーカの支店7に配置されている。
以下、住宅の施工管理システムについて、詳しく説明する。
住宅供給メーカは、ユーザからの要望に応じて住宅を建設したり、ユーザに住宅を販売する目的により住宅を建設する企業である。施工業者8は、住宅供給メーカからの住宅工事の請負によって建設現場(工事現場)5にて住宅を建設(施工)する企業である。施工業者8は、基礎工事、足場工事、組立工事、衛生工事、電気工事、内装工事、外装工事等を行う業者であって、建設現場5には、複数の施工業者8が工事を行っている。
【0012】
カメラ付き携帯電話2は、住宅の施工状態をカメラにて撮像した施工画像をネットワークNを介して管理サーバ3に送信することができるものである。
図2に示すように、施工画像を管理サーバ3に送信するにあたっては、まず、携帯電話2に具備されているメール機能(e-mail)を起動して、当該メールに施工画像を添付すると共に、所定のメールアドレス(管理サーバ向けのメールアドレス)を入力する。また、メールの件名に管理番号を入力して、メールを送信する。管理番号とは、住宅毎に予め定められた番号である。当然の如く、施工画像を送信する際は、施工状況を撮像した住宅に対応する管理番号をメール画面に入力して、送信を行う。
【0013】
管理サーバ3は、住宅に関わるデータ(情報)を管理するものであって、コンピュータにより構成され、揮発性又は不揮発性のメモリから構成された記憶部10と、CPU等から構成された制御部11とを備えている。
図1に示すように、記憶部10は、住宅毎に当該住宅に関する住宅情報を記憶している。図1及び図3(a)に示すように、住宅情報とは、住宅を識別する顧客番号、住宅を所有するユーザの氏名、住所、電話番号、住宅の施工時の施工画像、施工報告書等である。
なお、施工報告書は、建設現場5にて建設している住宅の施工に関する書類であって、工事の完了を報告する書類であっても、工事の途中を報告する書類であっても、施工完了後状態を記載した書類であっても良く、施工に関するものであれば、特に限定されない。
【0014】
記憶部10には、顧客番号毎にフォルダが作成され、各フォルダに上述した住宅情報が格納(記憶)されている。この顧客番号とは、管理番号の上位の2桁に時期を示す番号で表した数値を加えたものである。この時期を示す番号によって、所定の住宅の施工時期などが分かるようになっている。
また、記憶部10は、上述した住宅情報以外に、システムの管理を行うための管理情報を記憶している。図1及び図3(b)に示すように、管理情報とは、メーカ側担当者や施工側担当者が所持している携帯電話2のメールアドレス、メーカ側担当者が所属する本店名又は支店名(支店コード又は本店コード)、メーカ側担当者のコンピュータ4aのIPアドレスやメールアドレスである。また、管理情報とは、施工側担当者が所属する施工業者名(施工店コード)、施工側担当者の職種コード、施工側担当者のコンピュータ4bのメールアドレスである。記憶部10には、住宅情報を記憶するフォルダとは別にフォルダが作成され、このフォルダに上述した管理情報が格納(記憶)されている。
【0015】
このように、記憶部10には、メーカ側担当者の携帯電話2のメールアドレスとメーカ側担当者のコンピュータ4aのメールアドレスとの両者が記憶さてれおり、又、施工側担当者の携帯電話2のメールアドレスと施工側担当者のコンピュータ4bのメールアドレスとの両者が記憶されている。そのため、携帯電話2のメールアドレスが認証できれば、当該携帯電話2に対応したコンピュータ4(4a,4b)に管理サーバ3から接続することができて、携帯電話2とコンピュータ4とは特定できるように関連付けられている。言い換えれば、所定の担当者(施工側担当者、メーカ側担当者)が所有する携帯電話2と当該担当者が使用しているコンピュータ4とは対応していて、ある担当者が所有する携帯電話2のメールアドレス等から当該担当者が使用しているコンピュータ4を特定することができるという関連付けが、携帯電話2とコンピュータ4との相互間でなされている。
【0016】
制御部11は、認証手段12と、画像変換手段13と、データ整理手段14と、通知手段15と、施工画像送信手段16とを備えている。
認証手段12は、携帯電話2から送信された施工画像を管理サーバ3に受け入れるか否かの認証(判断)を行うものである。この認証手段12は、少なくとも携帯電話2のメールアドレスに基づき判断を行う。具体的には、認証手段12は、携帯電話2から送信されたメールアドレスと、記憶部10に記憶されているメールアドレスとを照合し、これにより、携帯電話2からの送信者(メーカ側担当者、施工担当者)を特定する。そして、認証手段12は、送信者の特定を行った後、携帯電話2から送られた施工画像の管理サーバ3への受け入れを許可する。
【0017】
ここで、携帯電話2から送信されたメールアドレスが、記憶部10に記憶されいない場合(携帯電話2から送信されたメールアドレスと、記憶部10に記憶されているメールアドレスとが一致しない場合)は、送信者が特定できないため、携帯電話2から送られた施工画像の受信を許可しない(施工画像を受信しない、又は、受信を中止する)。
なお、上記の説明では、メールアドレスのみで認証を行っているが、次のように認証を行ってもよい。まず、管理サーバ3に、予めメーカ側担当者又は施工担当者が担当している建設現場5を登録しておく。そして、上述したように、メールアドレスから送信者を特定した後、認証手段12によって、特定した送信者が予め登録した建設現場5を担当しているか否かを携帯電話2から送信された管理番号から割り出す。認証手段12は、特定した送信者が建築現場を担当していれば、施工画像の受信を行い、そうでなければ、施工画像の受信を行わない又は受信を中止する。また、担当者が施工画像を携帯電話2を用いて送信する際に、間違った管理番号を入力して送信した場合、誤った施工画像(データ)が当該建設現場5の施工画像(データ)として保存されることを防止することができる。
【0018】
画像変換手段13は、認証手段12により施工画像の受け入れを許可した後、少なくとも施工画像を予め定められたサイズに変換するものである。具体的には、画像変換手段13は、施工画像の縦幅と横幅とを所定の大きさに変換する。また、画像変換手段13は、施工画像に対して圧縮等を行うことによって施工画像の容量を小さくする。
例えば、この画像変換手段13は、施工画像を640×480(ピクセル)に変換すると共に、当該施工画像を圧縮することによって、1枚の施工画像が100KB/枚となるように施工画像を変換する。
【0019】
この画像変換手段13によれば、携帯電話2からサイズの異なる様々な施工画像が送られてきても、一定の大きさ(物理的な大きさ)に当該施工画像をすることができると共に、1枚の施工画像の大きさ(メモリの大きさ)を所定以下に統一することができる。
データ整理手段14は、画像変換手段13によって変換された施工画像を管理番号毎に振り分けて記憶部10に格納する。具体的には、データ整理手段14は、まず、携帯電話2から送信された管理番号と、上位2桁を除く番号(時期に対応する番号を除く番号)と一致する顧客番号を抽出する。例えば、管理番号が「11−1234」である場合、この番号と下6桁(‐除く)が一致する顧客番号「49−11−1234」を抽出する。そして、データ整理手段14は、抽出した顧客番号に対応するフォルダに施工画像を格納する。
【0020】
データ整理手段14は、抽出した顧客番号に対応するフォルダに施工画像を格納する際、他の画像と区別するために、自動的に当該施工画像に名前を付ける。図4に示すように、例えば、データ整理手段14は、予め定められた業者コード又は職種コードと、写真を撮像した時刻や日付とを用いて格納する施工画像に名前を付ける。業者コードや職種コードは、予め管理サーバ3に格納されている施工側担当者のメールアドレスやメーカ側担当者のメールアドレスから割り出せるようにしておく。
なお、施工画像の名前の付け方はこれに限定されず、どのような方法であってもよい。ただし、撮像した時刻(日付)、撮像した施工側担当者の施工業者名や職種、又は、撮像したメーカ側担当者の担当した職種などが分かるように、これらの情報を、施工画像内に付与しておくことが好ましい。
【0021】
このように、データ整理手段14は、住宅毎(顧客番号毎、管理番号毎)に施工画像を格納する。
通知手段15は、住宅毎に施工画像を格納した後、施工画像を送信した携帯電話2に関連付けられているコンピュータ4に対して、施工画像を受信したことを示す受信情報を送信するものである。
具体的には、通知手段15は、メーカ側担当者から施工画像が送られた場合は、当該メーカ側担当者が所属している本店6又は支店7のコンピュータ4aに受信情報を送信する。また、通知手段15は、施工側担当者から施工画像が送られた場合は、当該施工側担当者が所属している施工業者8のコンピュータ4bに受信情報を送信する。
【0022】
さらに詳しくは、この通知手段15は、認証許可後、送られてきた携帯電話2のメールアドレスと、記憶部10に記憶されているメールアドレスとを照合し、これにより、携帯電話2からの送信者(メーカ側担当者、施工担当者)のコンピュータ4のメールアドレスやIPアドレスを特定する。そして、通知手段15は、コンピュータ4のメールアドレス又はIPアドレスを特定した後、特定したコンピュータ4に、携帯電話2から送られた施工画像が管理サーバ3にて受信されたことが分かる受信情報(受信メッセージ)を送信(通知)する。
【0023】
施工画像送信手段16は、コンピュータ4からの要求に応じて施工画像を送信するものである。なお、施工画像送信手段16における説明の便宜上、管理サーバ3には、Webサイトを介してコンピュータ4からのアクセスがあるものとする。ただし、このWebサイトは、Webサーバ兼用として管理サーバ3に格納されていても、管理サーバ3とは別のWebサーバに格納されていてもよい。
具体的には、施工画像送信手段16は、図5(a)に示すように、メーカ側担当者又は施工担当者のコンピュータ4からWebサイト等を介してアクセス(施工画像の要求)があると、管理サーバ3にアクセスしたコンピュータ4の画面に店コード[本店コード、支店コード、施工業者のコード]を入力するための入力画面を表示させて、店コードの要求をする。
【0024】
次に、図5(b)に示すように、施工画像送信手段16は、コンピュータ4から送信された店コード[本店コード、支店コード、施工業者のコード]が、予め記憶部10に記憶されたものであれば(コンピュータ4から送信された店コードと記憶部10に記憶された店コードに対応する番号が一致すれば)、管理サーバ3にアクセスしたコンピュータ4の画面に製番(住宅に対応する番号)を入力するための入力画面を表示させて、製番を要求する。
なお、この製番の一部に、施工画像を記憶部10に記憶させるために使用した顧客番号や管理番号を付加しておくことが好ましい。この製番から特定の住宅を割り出して、当該住宅に対応するフォルダを抽出できれば、この製番はどのようなものであってもよい。
【0025】
そして、施工画像送信手段16は、製番から所定の住宅に対応するフォルダを抽出して(例えば、製番と部分的に一致する顧客番号に対応したフォルダを抽出する)、抽出されたフォルダ内の施工画像をコンピュータ4に送信する。
ただし、製番に対応する住宅の施工画像に関して、製番に対応したフォルダの全ての施工画像を、コンピュータ4に送信する必要はなく、施工画像を要求してきたコンピュータ4毎に施工報告書の作成に必要な施工画像を送信することが好ましい。例えば、施工画像送信手段16に、施工画像の送信を制限する制限機能を設けておくことが好ましい。
【0026】
具体的には、施工画像を要求してきたコンピュータ4に対して、当該コンピュータ4と関連している施工側担当者又はメーカ側担当者を割り出し、この職種に対応した施工画像のみを、施工画像を要求するコンピュータ4に送信するという制限機能を設けても良い。
また、フォルダ内の複数の施工画像に対して、公開してよい施工画像と公開不要な施工画像を入力手段により選択できる制限機能を設けておき、コンピュータ4から施工画像の送信の要求があった場合には、公開可能となっている施工画像のみをコンピュータ4に送信するようにしてもよい。
【0027】
図1に示すように、コンピュータ4は、施工報告書を作成することができるものであって、携帯電話2とは別の端末装置ともいえ、例えば、パーソナルコンピュータで構成されている。このコンピュータ4は、揮発性又は不揮発性のメモリから構成された記憶部20と、CPU等から構成された制御部21と、モニタ等から構成された表示部22と、キーボードやマウス等から構成された入力部23と備えている。
このコンピュータ4は、メーカ側担当者の本店6や支店7に配置されると共に、施工側担当者の施工業者8に配置される。
【0028】
記憶部20は、自己のコンピュータ4に設定されたメールアドレス(携帯電話2のメールアドレスと関連したもの)、施工報告書等が記憶されている。
制御部21は、施工画像要求手段25と、施工報告書作成手段26と、施工報告送信手段27とを備えている。
施工画像要求手段25は、管理サーバ3に対して所定の住宅の施工画像を要求するものである。具体的には、この施工画像要求手段25は、Webサイト等を介して管理サーバ3にアクセスするためのソフトウェア(Web閲覧ソフト)から構成されている。即ち、施工画像要求手段25は、図5(a)に示すように、Webサーバ(管理サーバ3:施工画像送信手段16)からの要求に応じて、店コード[本店コード、支店コード、施工業者のコード]を入力するための入力画面を表示部22に表示させると共に、入力部23による店コードの入力が完了すると、店コードをWebサーバ(管理サーバ3)に送信する。
【0029】
また、施工画像要求手段25は、図5(b)に示すように、Webサーバ(管理サーバ3:施工画像送信手段)からの要求に応じて、製番(住宅に対応する番号)を入力する入力画面を表示部22に表示させると共に、入力部23による製番の入力が完了すると、製番をWebサーバ(管理サーバ3)に送信し、施工画像の要求を住宅毎に行う。
施工報告書作成手段26は、施工画像要求手段25によって要求された施工画像を用いて施工報告書Rを作成するものである。具体的には、この施工報告書作成手段26は、Webサイト等を介して管理サーバ3から送信された施工画像を用いて施工報告書Rを作成するためのソフトウェア(報告書作成ソフト)から構成されている。
【0030】
この施工報告書作成手段26は、図5(c)に示すように、まず、起動している初期状態では、施工報告書R(例えば、工事完了報告書)の複数のテンプレートを表示部22に表示させる。
そして、施工報告書作成手段26は、表示部22に表示された複数のテンプレートの中で、1つのテンプレートが入力部23によって選択されると、図5(d)に示すように、施工報告書Rの作成画面S1を表示部22に表示させる。また、施工報告書作成手段26は、施工報告書Rの作成画面S1を表示させる際に、施工画像要求手段25による施工画像の要求によって、管理サーバ3から送信された住宅の複数の施工画像を作成画面S1に表示する。なお、当然の如く、施工報告書作成手段26は、施工報告書Rを作成する住宅に対応する施工画像を作成画面S1に表示する。
【0031】
つまり、図5(d)に示すように、施工報告書作成手段26は、作成表示画面S1に関し、例えば、報告内容を記載するテキストエリアTと、施工画像を貼り付ける貼付エリアP1とを表示すると共に、管理サーバ3から送信された複数の画像を画像表示エリアP2に表示する。
そして、施工報告書作成手段26は、作成画面S1に表示されたアイコンIによって、画像表示エリアP2に表示された複数の施工画像から1つを選択し、選択した施工画像を貼付エリアP1にアイコンIを介してドラッグすると、当該施工画像をドラッグされた貼付エリアP1の所定位置に貼り付ける(画像貼り付け機能)。つまり、選択された施工画像を施工報告書Rの電子データに貼り付ける画像貼り付け機能によって、管理サーバ3から送信された施工画像が管理サーバ3とは異なる別のコンピュータ4により、施工報告書Rに利用することができるようになっている。
【0032】
施工報告書送信手段27は、施工報告書作成手段26で作成した施工報告書Rを管理サーバ3へ送信するものである。具体的には、この施工報告書送信手段27は、施工報告書Rを管理サーバ3に直接アクセスするためのソフトウェア(送信ソフト)から構成されている。即ち、施工報告書送信手段27は、図5(d)、図5(e)に示すように、施工報告書Rの作成が完了して作成画面S1に表示された送信ボタン28をアイコンIによりクリックすると、施工報告書Rの電子データをファイル又は当該電子データのファイルが入ったフォルダに変換する。
【0033】
そして、図5(e)に示すように、施工報告書Rを送信する送信画面S2を表示して、当該送信画面S2に表示された送信ボタン29をアイコンIによりクリックすると、施工報告書Rの電子データが格納されたファイル又は当該電子データのファイルが入ったフォルダを管理サーバ3に送信する。ここで、施工報告書送信手段27は、施工報告書Rがどの住宅に対応しているか分かるように、少なくとも製番、管理番号、顧客番号のいずれか1つを送信する。
このとき、管理サーバ3は、コンピュータ4から送信された施工報告書Rを、予め施工報告書Rの作成のために送信した施工画像が格納されている記憶部20に格納する。即ち、管理サーバ3は、施工報告書Rを受信すると、施工報告書Rを作成するために当該管理サーバ3から読み出した施工画像が格納されている同じフォルダに施工報告書Rを格納する。つまり、管理サーバ3は、施工画像要求手段25によって送信を指定された住宅の製番、管理番号、顧客番号のいずれか1つを一時的に記憶しておき、当該製番、管理番号、顧客番号(住宅特定番号ということがある)に対応する施工報告書Rを受信すると、これらに対応するフォルダに自動的に施工報告書Rを格納する。
【0034】
なお、上記の説明では、施工画像要求手段25、施工報告書作成手段26、施工報告書送信手段27を別々のソフトウェアで構成していると説明したが、これらの手段が1つのソフトウェア(統合ソフトウェア)で構成してもよい。つまり、統合ソフトウェアによって、図5(a)〜図5(e)に示した施工画像の要求、施工報告書Rの作成、施工報告書Rの送信を一括して動作させることができるようにしてもよい。
また、管理サーバ3に格納した施工画像は、施工報告書Rだけでなく、住宅の施工後も住宅のメンテナンスに役立てることができる。
【0035】
図6は、施工画像を利用した住宅のメンテナンスサービスの流れを示す図である。
住宅のメンテナンスサービスを受けるにあたっては、まず、住宅の購入者(ユーザ)は住宅を供給した住宅供給メーカが開設しているWebサイト(ホームページにアクセス)し、当該ホームページにて住宅管理を行うサイトに進み、ユーザの登録を行っておく。
このユーザの登録では、ユーザの住所、電話番号等を入力し、その後、Webサイトを管理するWebサーバによりユーザID、パスワード(Pass)を設定する。ここで、管理サーバ3側にて、ユーザID及びパスワードと、住宅特定番号(製番、管理番号、顧客番号)は、関連付けられており、ユーザID及びパスワードが分かるとユーザが所有している住宅の情報が管理サーバ3から取り出せることができるようにしておく。
【0036】
その上で、例えば、図6に示すように、ドア30のレバー31が故障した場合、ユーザは、住宅等のコンピュータ4cを用いてWebサイトにアクセスし(S10)、Webサイトにて予め登録しておいたユーザに関するユーザID及びパスワードを打ち込み(S11)、点検とメンテナンスのサイトに入る(S12)。その後、ユーザID及びパスワードに対応するユーザの住宅の施工画像を管理サーバ3から読み出して、ユーザのコンピュータ4cの表示画面に施工画像を表示する(S13)。
ユーザは、コンピュータ4の表示画面に表示された施工画像(画像)の中から、故障したレバー31と同じ画像を探し出し、住宅供給メーカが設置しているオーナーズセンター(サービスセンター)に連絡をして、画像を見ながらレバー31の故障状態等を連絡する(S14)。ここで、ユーザは、管理サーバ3にアクセスして取り出した施工画像(画像)を見ながらオーナーズセンターに連絡をするため、オーナーズセンターの担当者とユーザとの間で意思疎通が図りやすく、故障部品の伝え間違いを引き起こすことを防止することができる。また、オーナーズセンター側においても、コンピュータ4dを用いてユーザの住宅の施工画像を見ることができ、レバー31の形状や型式等を確認することができるため、レバー31の手配間違いを防止することができる。
【0037】
特に、予め住宅のぞれぞれの施工画像に番号(識別番号)を付しておき、ユーザやオーナーズセンターの担当者が各コンピュータ4dにて、識別番号が表示された施工画像を見ることができるようにしておけば、ユーザとオーナーズセンターの担当者間での故障部品の認識間違いを確実に防止することができる。
なお、ユーザのコンピュータ4cに住宅の施工画像を表示させる場合においては、管理サーバ3の記憶部10に記憶している施工画像を全て表示する必要はない。ユーザに対して公開できる施工画像のみを、ユーザのコンピュータ4cに表示させるようにすることが好ましい。
【0038】
以上、本発明によれば、管理サーバ3は、携帯電話2から送信された施工画像を受信した際に、当該施工画像を送信した携帯電話2に関連付けられているコンピュータ4に対して、施工画像を受信したことを示す受信情報を送信する通知手段15を備えているため、携帯電話2から管理サーバ3に施工画像を送信したことを、携帯電話2とは異なる担当者が使用しているコンピュータ4によって確認することができる。即ち、どのような施工画像をどのような時期に送信しているか否かを担当者のコンピュータ4に確実に確認できると共に、携帯電話2から送信した施工画像と管理サーバ3が受信した施工画像と整合性を確認することができる。
【0039】
管理サーバ3は、コンピュータ4からの要求に応じて施工画像を送信する施工画像送信手段16を備え、コンピュータ4は、管理サーバ3に対して所定の住宅の施工画像を要求する施工画像要求手段25を備えているため、管理サーバ3に一元管理された住宅の施工画像を簡単に住宅毎にコンピュータ4により取り出せることができる。
また、コンピュータ4は、施工画像要求手段25によって要求された施工画像を用いて施工報告書Rを作成する施工報告書作成手段26と、施工報告書作成手段26で作成した施工報告書Rを管理サーバ3へ送信する施工報告書送信手段27とを備えているため、施工側担当者やメーカ側担当者が、施工業者8又は支店7等のコンピュータ4を用いて、住宅毎に施工報告書Rの作成を簡単に行うことができ、また、作成した施工報告書Rを簡単に管理サーバ3を設置した本店6等に報告することができる。
【0040】
なお、施工報告書を作成する際には、施工報告書を作成する住宅に関する施工画像がコンピュータ4に送信されることから、その他の住宅に関する施工画像を使用して施工報告書の作成をしてしまうことを確実に防止することができると共に、施工報告書の作成に使用する住宅の施工画像を、複数の住宅の施工画像から探す手間が省け、施工報告書が非常に効率的である。
管理サーバ3は、コンピュータ4から送信された施工報告書Rを、予め施工報告書Rの作成のために送信した施工画像が格納されている記憶部20に、格納するため、住宅に対応する施工報告書Rを必要な時に検索することなく取り出すことができる。
【0041】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】住宅の施工管理システムの全体構成を示す全体構成図である。
【図2】施工画像を管理サーバに送信することを説明する説明図である。
【図3】記憶部に格納されているデータを説明する説明図である。
【図4】施工画像を整理する方法を説明する説明図である。
【図5】施工画像の要求から施工報告書を送信するまでの流れ図であって、a)店コードを入力する画面を示し、b)製番を入力する画面を示し、c)施工報告書のテンプレートが表示された画面を示し、d)施工報告書の作成画面を示し、e)施工報告書の送信画面を示している。
【図6】施工画像を利用した住宅のメンテナンスサービスの流れを示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1 住宅の施工管理システム
2 携帯電話
3 管理サーバ
4 コンピュータ
15 通知手段
16 施工画像送信手段
25 施工画像要求手段
26 施工報告書作成手段
27 施工報告書送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ付き携帯電話と、この携帯電話のカメラで撮像した住宅の施工画像をネットワークを介して受信して住宅毎に管理する管理サーバと、この管理サーバとは別に設けられて前記管理サーバが管理している施工画像をネットワークを介して取り出し可能なコンピュータとを備え、前記携帯電話と前記コンピュータとは関連付けられており、
前記管理サーバは、
前記携帯電話から送信された施工画像を受信した際に、当該施工画像を送信した携帯電話に関連付けられている前記コンピュータに対して、当該施工画像を受信したことを通知する通知手段と、
前記コンピュータからの要求に応じて施工画像を当該コンピュータに送信する施工画像送信手段とを備え、
前記コンピュータは、
前記管理サーバに対して所定の住宅の施工画像を要求する施工画像要求手段と、
前記施工画像要求手段によって要求された施工画像を用いて施工報告書を作成する施工報告書作成手段と、
前記施工報告書作成手段で作成した施工報告書を管理サーバに送信する施工報告書送信手段とを備えている、
ことを特徴とする住宅の施工管理システム。
【請求項2】
前記施工報告書作成手段は、住宅毎に管理されている複数の施工画像のうち、選択された施工画像を施工報告書の電子データに貼り付ける画像貼り付け機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載の住宅の施工管理システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、前記携帯電話から送信された施工画像を予め定められたサイズに変換する画像変換手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の住宅の施工管理システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、コンピュータから送信された施工報告書を、予め施工報告書の作成のために送信した施工画像が格納されている記憶部に、格納することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の住宅の施工管理システム。
【請求項5】
前記コンピュータは、住宅の施工を行う施工業者に配置されるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の住宅の施工管理システム。
【請求項6】
前記コンピュータは、住宅の供給を行う住宅供給メーカに配置されるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の住宅の施工管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−140103(P2010−140103A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−313640(P2008−313640)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(000104847)三洋ホームズ株式会社 (13)