説明

住宅地

【課題】複数個の住宅用敷地に区画される住宅地において、関係のない車の通り抜けを防止することで、住宅地全体の住環境を向上させることが可能となるとともに、住宅地内の道路に対する個々の住宅用敷地の接道距離を大きくすることで、自由度の高い住宅用敷地の区画が可能な住宅地を提供する。
【解決手段】複数個の住宅用敷地2,2aに区画され、かつ少なくとも2ヶ所の出入口6を有する住宅地1であって、一の出入口6から他の出入口6への住宅地内道路5を、一の出入口6から他の出入口6を見た際に一の出入口6から他の出入口6が見えないように屈曲部を設けて配置するとともに、その屈曲部の外側を膨らませた拡幅部8に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅地に関し、更に詳しくは、住宅地の中に、屈曲部を設けた道路を配置するとともに、その屈曲部の外側を膨らませた拡幅部に形成した住宅地に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、一定の広さの土地を複数個の住宅用敷地に区画するにあたっては、複数個の住宅用敷地の区画を、道路の配置に従って決定するのが普通である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−297544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような複数個の住宅用敷地に区画される住宅地においては、一の出入口から他の出入口が見通せるような道路、たとえば直線状の道路を設けると、通り抜けをする車が多数台増えて、住宅地全体がうるさくなる等住環境が悪化するものであった(図6参照)。そこで、住宅地内の道路については、屈曲部を設けて、一の出入口から他の出入口が見通せないような道路とすることが望ましいものの、このように道路を配置してしまうと、住宅用敷地の接道距離の関係で、住宅地における住宅用敷地の区画が制限されるものであった。
また、上記住宅地内の道路を、一の出入口から他の出入口へ一本道に形成するとともに、対向車がすれ違えるような道幅に形成した場合には、通常、一の出入口から入った車は、他の出入口へ抜けるしか移動方法がなかった。したがって、所定の位置まで到達した後、引き返すということが非常に困難となっており、道路の利便性は、悪いものであった。
【0005】
また、上記住宅地内の道路を1台の車しか通れない道幅に形成した場合には、一の出入口から入って来た車と他の出入口から入って来た車とが対面したとき、一方の車は、他方の車が入って来た出入口まで戻らなければ、通行することができず、道路の利便性は、悪いものであった。また、上記住宅地内の道路を1台の車しか通れない道幅に形成した場合には、道路を、一方通行に規制する場合もあり、この場合においても、道路の利便性は、悪いものであった。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
すなわち、請求項1記載の発明は、複数個の住宅用敷地に区画される住宅地において、関係のない車の通り抜けを防止することで、住宅地全体の住環境を向上させることが可能となるとともに、住宅地内の道路に対する個々の住宅用敷地の接道距離を大きくすることで、自由度の高い住宅用敷地の区画が可能な住宅地を提供することを目的とする。
(請求項2)
すなわち、請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の目的に加え、住宅地内の道路を車がUターンできるように形成することで、住宅地内の道路の利便性を向上させることが可能となるとともに、住宅地全体の利便性を向上させることも可能な住宅地を提供することを目的とする。
(請求項3)
すなわち、請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明の目的に加え、住宅地内の道路を車が1台しか通れない道幅に形成する場合であっても、所定の位置で対向車がすれ違うことが可能に形成することで、住宅地内の道路の利便性を向上させることが可能となるとともに、住宅地全体の利便性を向上させることも可能な住宅地を提供することを目的とする。
(請求項4)
すなわち、請求項4記載の発明は、上記請求項1、2又は3記載の発明の目的に加え、住宅地内の道路の所定の箇所をコミュニティー広場等としても利用できるようにする場合において、車の運転者に注意を促すことで、住宅地内の道路の安全性を向上させることが可能となるとともに、住宅地全体の安全性を向上させることも可能な住宅地を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項に記載された発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、複数個の住宅用敷地2,2aに区画され、かつ少なくとも2ヶ所の出入口6を有する住宅地1であって、一の出入口6から他の出入口6への住宅地内道路5を、一の出入口6から他の出入口6を見た際に一の出入口6から他の出入口6が見えないように屈曲部を設けて配置するとともに、その屈曲部の外側を膨らませた拡幅部8に形成したことを特徴とする。
【0007】
ここで、「住宅地」とは、複数個の住宅用敷地2,2aに区画され、かつ少なくとも2ヶ所の出入口6を有する土地である。
また、「住宅地内道路」とは、一の出入口6から他の出入口6への道路であって、一の出入口6から他の出入口6を見た際に一の出入口6から他の出入口6が見えないように屈曲部を設けて住宅地1内に配置される道路である。
なお、住宅地内道路5における屈曲部を除いた部分の形状は、特に限定されるものではなく、直線状等いずれの形状であっても良いものである。すなわち、住宅地内道路5における屈曲部を除いた部分の形状は、住宅地内道路5を配置する住宅地1全体の形状や、住宅地1における住宅用敷地2,2aの区画等により、種々設定可能なものである。
【0008】
また、「屈曲部」とは、住宅地内道路5の一部分であって、一の出入口6から他の出入口6を見た際に、一の出入口6から他の出入口6が見えないようにするためのものである。具体的には、屈曲部は、住宅地内道路5の一部分を、平面視において、所定の角度で屈曲させて形成されるものである。たとえば、平面視直角状に形成することができる。
なお、屈曲部は、平面視直角状に形成されるものに限定されるものではなく、たとえば、平面視鋭角状、平面視鈍角状または平面視においてなめらかに湾曲するように形成されるものであっても良く、一の出入口6から他の出入口6を見た際に、一の出入口6から他の出入口6が見えないように形成されるものであれば良いものである。
【0009】
また、「拡幅部」とは、屈曲部の外側を膨らませて形成したものである。たとえば、拡幅部8は、屈曲部の外側を角外方向に平面視湾曲状に膨らませて形成することができる。
ここで、「屈曲部の外側」とは、屈曲部の角外側を意味するものである。
また、「屈曲部の外側を膨らませて形成し」とは、住宅地内道路5における屈曲部の周辺部分を含む屈曲部全体の外側を膨らませて形成する、屈曲部の一部分の外側を膨らませて形成するまたは屈曲部の周辺部分を含む屈曲部の一部分の外側を膨らませて形成するのいずれをも含むものである。
なお、拡幅部8の形状は、特に限定されるものではなく、平面視多角形状等いずれの形状であっても良いものである。
【0010】
本発明の住宅地1において、一の出入口6から他の出入口6への住宅地内道路5は、一の出入口6から他の出入口6を見た際に一の出入口6から他の出入口6が見えないように屈曲部を設けて配置されている。これにより、一の出入口6から他の出入口6が見通せなくなるので、関係のない車の通り抜けを防止することが可能となり、住宅地1全体の住環境を向上させることが可能となる。
また、本発明の住宅地1において、住宅地内道路5の屈曲部は、その外側を膨らませた拡幅部8に形成されている。これにより、住宅地内道路5に対する個々の住宅用敷地2,2aの接道距離を大きくすることが可能となり、住宅地内道路5の屈曲部を拡幅部8に形成しない場合に比較して、自由度の高い住宅用敷地2,2aの区画が可能となる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の特徴に加え、前記住宅地内道路5は、車が1台通れる道幅または対向車がすれ違える道幅に形成され、前記拡幅部8は、車がUターンできるように形成されていることを特徴とする。
【0011】
ここで、「車が1台通れる道幅に形成され」とは、道幅が約4メートルの1車線道路等に形成されることを意味するものである。
また、「対向車がすれ違える道幅に形成され」とは、片側1車線道路や、道幅が約6メートル以上の1車線道路等に形成されることを意味するものである。
また、「車がUターンできるように形成され」とは、一の出入口6から入って来た車が一の出入口6から出て行くことができるように、車の進行方向を変えることができるような大きさのスペースに形成されることを意味するものである。たとえば、ロータリー9等に形成することができる。
【0012】
なお、拡幅部8の形状は、車がUターンできるように形成されるのであれば、特に限定されるものではない。
本発明の住宅地1において、住宅地内道路5は、車が1台通れる道幅または対向車がすれ違える道幅に形成されている。また、拡幅部8は、車がUターンできるように形成されている。これにより、一の出入口6から入って来た車が一の出入口6から出て行くことが可能となり、住宅地内道路5の利便性が向上することとなる。また、住宅地内道路5の利便性が向上することで、住宅地1全体の利便性も向上することとなる。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明の特徴に加え、前記住宅地内道路5のうち屈曲部を除いた部分は、車が1台通れる道幅に形成され、前記拡幅部8は、対向車がすれ違えるように形成されていることを特徴とする。
【0013】
ここで、「対向車がすれ違えるように形成され」とは、少なくとも乗用車がすれ違えるような大きさのスペースに形成されることを意味するものである。たとえば、車が待避するための車待避所10等に形成することができる。
なお、拡幅部8の形状は、対向車がすれ違えるように形成されるのであれば、特に限定されるものではない。
本発明の住宅地1において、住宅地内道路5のうち屈曲部を除いた部分は、車が1台通れる道幅に形成されている。また、拡幅部8は、対向車がすれ違えるように形成されている。これにより、住宅地内道路5において、一の出入口6から入って来た車と他の出入口6から入って来た車とが対面したとき、各車は、拡幅部8ですれ違うことが可能となり、住宅地内道路5の利便性が向上することとなる。また、住宅地内道路5の利便性が向上することで、住宅地1全体の利便性も向上することとなる。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、上記請求項1、2又は3記載の発明の特徴に加え、前記拡幅部8の路面は、車の運転者に注意を促すために、前記住宅地内道路5の他の部分の路面と異なるように形成されていることを特徴とする。
【0014】
ここで、「路面が異なる」とは、拡幅部8における道路の安全性が、住宅地内道路5の他の部分とは異なることを車の運転者に認識させることができれば良いものである。たとえば、以下のようにすることができる。
(1)拡幅部8の表面を覆う舗装材を、住宅地内道路5の他の部分の表面を覆う舗装材と異なるように形成する。
(2)拡幅部8の路面の色を、住宅地内道路5の他の部分の路面の色と異なるように形成する。
(3)拡幅部8の路面を凹凸に形成する。
(4)拡幅部8の路面に「注意」等の文字を描く。
【0015】
本発明の住宅地1において、拡幅部8の路面は、住宅地内道路5の他の部分の路面と異なるように形成されている。これにより、たとえば、拡幅部8をコミュニティー広場等としても利用できるようにする場合において、車の運転者に注意を促すことが可能となり、住宅地内道路5の安全性が向上することとなる。また、住宅地内道路5の安全性が向上することで、住宅地1全体の安全性も向上することとなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
すなわち、請求項1記載の発明は、複数個の住宅用敷地に区画される住宅地において、関係のない車の通り抜けを防止することで、住宅地全体の住環境を向上させることが可能となるとともに、住宅地内道路の屈曲部を拡幅部に形成することで、住宅地内道路の屈曲部を拡幅部に形成しない場合に比較して、住宅用敷地の区画を自由度の高いものとすることが可能な住宅地を提供することができる。
(請求項2)
すなわち、請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の効果に加え、住宅地内の道路を車がUターンできるように形成することで、住宅地内の道路の利便性を向上させることが可能となるとともに、住宅地全体の利便性を向上させることも可能な住宅地を提供することができる。
(請求項3)
すなわち、請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明の効果に加え、住宅地内の道路を車が1台しか通れない道幅に形成する場合であっても、所定の位置で対向車がすれ違うことが可能に形成することで、住宅地内の道路の利便性を向上させることが可能となるとともに、住宅地全体の利便性を向上させることも可能な住宅地を提供することができる。
(請求項4)
すなわち、請求項4記載の発明は、上記請求項1、2又は3記載の発明の効果に加え、住宅地内の道路の所定の箇所をコミュニティー広場等としても利用できるようにする場合において、車の運転者に注意を促すことで、住宅地内の道路の安全性を向上させることが可能となるとともに、住宅地全体の安全性を向上させることも可能な住宅地を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態であって、住宅地を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態であって、屈曲部を拡幅部に形成しない場合の住宅地を示す模式図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態であって、住宅地を示す模式図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態であって、住宅地を示す平面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態であって、住宅地を示す模式図である。
【図6】従来の住宅地を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(1)第1の実施の形態
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
(図面の説明)
図1および図2は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1は、住宅地1を示す模式図である。図2は、屈曲部を拡幅部8に形成しない場合の住宅地1を示す模式図である。
また、図6は、従来の住宅地1を示す模式図である。
なお、以下の説明において、上下および左右の関係は、図1を基準とする。
(住宅地1)
図1に示すように、本実施の形態の住宅地1は、平面視矩形状の土地である。また、住宅地1の四辺は、道路7に面している。また、住宅地1の下辺および右辺には、それぞれ1ヶ所ずつ出入口6が設けられている。
【0019】
また、住宅地1の中には、一の出入口6から他の出入口6への住宅地内道路5が屈曲部を設けて配置されている。そして、住宅地1は、住宅地内道路5の配置に合わせて、住宅用敷地2,2aに区画されている。
(住宅地内道路5)
住宅地内道路5は、上述の如く、一の出入口6から他の出入口6への道路であって、屈曲部を設けて住宅地1内に配置される道路である。本実施の形態において、住宅地内道路5は、図1に示すように、道幅が4メートルの1車線道路に形成されている。なお、住宅地内道路5は、道幅が4メートル以上の道路であれば、特に限定されるものではなく、たとえば片側1車線道路や、道幅が約6メートル以上の1車線道路等に形成されても良いものである。
【0020】
また、住宅地内道路5の屈曲部は、一の出入口6から他の出入口6を見た際に、一の出入口6から他の出入口6が見えないようにするためのものであり、具体的には、平面視直角状に形成されている。なお、この住宅地内道路5の屈曲部は、これに限定されるものではなく、たとえば、平面視鋭角状や平面視鈍角状に形成されるものであっても良く、一の出入口6から他の出入口6を見た際に、一の出入口6から他の出入口6が見えないように形成されるものであれば良いものである。
そして、この住宅地内道路5の屈曲部は、住宅地内道路5における屈曲部の周辺部分を含む屈曲部の一部分の外側を角外方向に平面視湾曲状に膨らませた拡幅部8に形成されている。
(住宅用敷地2,2a)
住宅用敷地2,2aは、上述の如く、住宅地内道路5の配置に合わせて区画されている。
【0021】
また、住宅用敷地2aは、図1および図2に示すように、住宅地内道路5の屈曲部を拡幅部8に形成することで、住宅地内道路5の屈曲部を拡幅部8に形成しない場合に比較して、住宅地内道路5に対する接道距離が大きくなっている。
(作用・効果)
本実施の形態の住宅地1において、一の出入口6から他の出入口6への住宅地内道路5は、一の出入口6から他の出入口6を見た際に一の出入口6から他の出入口6が見えないように平面視直角状の屈曲部を設けて配置されている。これにより、一の出入口6から他の出入口6が見通せなくなるので、関係のない車の通り抜けを防止することが可能となり、住宅地1全体の住環境を向上させることが可能となる。
【0022】
具体的に説明すると、図6に示すように、従来の住宅地1においては、一の出入口6から他の出入口6への住宅地内道路5は、直線状に配置されるものであった。したがって、通り抜けをする車が多数台増えて、住宅地全体がうるさくなる等住環境が悪化するものであった。
これに対し、本実施の形態の住宅地1においては、住宅地内道路5を平面視直角状の屈曲部を設けて配置することで、関係のない車の通り抜けを防止することが可能となり、住宅地1全体の住環境を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態の住宅地1において、住宅地内道路5の平面視直角状の屈曲部は、住宅地内道路5における屈曲部の周辺部分を含む屈曲部の一部分の外側を角外方向に平面視湾曲状に膨らませた拡幅部8に形成されている。これにより、住宅地内道路5に対する住宅用敷地2aの接道距離を大きくすることが可能となり、住宅地内道路5の屈曲部を拡幅部8に形成しない場合に比較して、自由度の高い住宅用敷地2,2aの区画が可能となる。
【0023】
具体的に説明すると、図2に示すように、住宅地内道路5の屈曲部を拡幅部8に形成しない場合には、境界線4で区画される住宅地用敷地2aは、住宅地内道路5に対する接道距離が小さく、使い勝手が悪いものとなる。したがって、住宅用敷地2aの使い勝手を良くするためには、住宅用敷地2aを、境界線4aまたは境界線4bで区画しなければならない。すなわち、住宅地内道路5の屈曲部を拡幅部8に形成しない場合には、住宅地1における住宅用敷地2,2aの区画が制限されるものとなる。
これに対し、図1に示すように、住宅地内道路5の屈曲部を拡幅部8に形成することで、境界線4で区画される住宅地用敷地2aは、住宅地内道路5に対する接道距離が大きくなり、使い勝手が良いものとなる。すなわち、住宅地内道路5の屈曲部を拡幅部8に形成することで、住宅地内道路5の屈曲部を拡幅部8に形成しない場合に比較して、住宅地1における住宅用敷地2,2aの区画が自由度の高いものとなる。
(2)第2の実施の形態
以下、本発明の第2の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
(図面の説明)
図3および図4は、本実施の形態を示すものである。
【0024】
図3は、住宅地1を示す模式図である。図4は、住宅地1を示す平面図である。
(本実施の形態の概略)
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態とは、住宅地内道路5および拡幅部8が相違し、他については、第1の実施の形態と同様である。以下、相違点を中心に第2の実施の形態を説明する。
(住宅地内道路5)
本実施の形態において、住宅地内道路5は、図3に示すように、片側1車線道路に形成されている。なお、住宅地内道路5は、たとえば道幅が4メートルの1車線道路等に形成されても良く、道幅が4メートル以上の道路であれば、特に限定さえるものではない。
【0025】
また、住宅地内道路5の屈曲部は、一の出入口6から他の出入口6を見た際に、一の出入口6から他の出入口6が見えないようにするためのものであり、具体的には、平面視直角状に形成されている。なお、この住宅地内道路5の屈曲部は、これに限定されるものではなく、たとえば、平面視鋭角状や平面視鈍角状に形成されるものであっても良く、一の出入口6から他の出入口6を見た際に、一の出入口6から他の出入口6が見えないように形成されるものであれば良いものである。
そして、この住宅地内道路5の屈曲部は、住宅地内道路5における屈曲部の周辺部分を含む屈曲部の一部分の外側を角外方向に平面視湾曲状に膨らませた拡幅部8に形成されている。また、本実施の形態において、拡幅部8は、ロータリー9に形成されている。
(作用・効果)
以上より、上述のような構成としても、本発明の第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0026】
また、本実施の形態の住宅地1において、住宅地内道路5は、片側1車線道路に形成されている。また、拡幅部8は、ロータリー9に形成されている。これにより、一の出入口6から入って来た車が一の出入口6から出て行くことが可能となり、住宅地内道路5の利便性が向上することとなる。また、住宅地内道路5の利便性が向上することで、住宅地1全体の利便性も向上することとなる。
また、本実施の形態の住宅地1を具体的に適用すると、図4に示す住宅地1とすることができる。図4に示す住宅地1において、住宅地内道路5のうち、住宅地1の右辺に設けられた出入口6から屈曲部までの部分は、湾曲状に形成されている。すなわち、図4に示す住宅地1における、住宅地内道路5には、屈曲部が2ヶ所設けられている。これにより、一の出入口6から他の出入口6がより見通せなくなるので、関係のない車の通り抜けを確実に防止することが可能となり、住宅地1全体の住環境を確実に向上させることが可能となる。
(3)第3の実施の形態
以下、本発明の第3の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
(図面の説明)
図5は、本発明の実施の形態であって、住宅地1を示す模式図である。
(本実施の形態の概略)
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態とは、住宅地内道路5および拡幅部8が相違し、他については、第1の実施の形態と同様である。以下、相違点を中心に第3の実施の形態を説明する。
(住宅地内道路5)
本実施の形態において、住宅地内道路5は、図5に示すように、道幅が4メートルの1車線道路に形成されている。
【0027】
また、住宅地内道路5の屈曲部は、一の出入口6から他の出入口6を見た際に、一の出入口6から他の出入口6が見えないようにするためのものであり、具体的には、平面視直角状に形成されている。なお、この住宅地内道路5の屈曲部は、これに限定されるものではなく、たとえば、平面視鋭角状や平面視鈍角状に形成されるものであっても良く、一の出入口6から他の出入口6を見た際に、一の出入口6から他の出入口6が見えないように形成されるものであれば良いものである。
そして、この住宅地内道路5の屈曲部は、住宅地内道路5における屈曲部の周辺部分を含む屈曲部の一部分の外側を角外方向に平面視湾曲状に膨らませた拡幅部8に形成されている。また、本実施の形態において、拡幅部8は、車が待避するための車待避所10に形成されている。
(作用・効果)
以上より、上述のような構成としても、本発明の第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0028】
また、本実施の形態の住宅地1において、住宅地内道路5のうち屈曲部を除いた部分は、道幅が4メートルの1車線道路に形成されている。また、拡幅部8は、車が待避するための車待避所10に形成されている。これにより、住宅地内道路5において、一の出入口6から入って来た車と他の出入口6から入って来た車とが対面したとき、各車は、車待避所10ですれ違うことが可能となり、住宅地内道路5の利便性が向上することとなる。また、住宅地内道路5の利便性が向上することで、住宅地1全体の利便性も向上することとなる。
(4)他の実施の形態
本発明は、第1の実施の形態、第2の実施の形態および第3の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形および改良等も含むものである。
【0029】
また、第1の実施の形態、第2の実施の形態および第3の実施の形態において、拡幅部8は、コミュニティー広場等としても利用できるものである。
また、第1の実施の形態、第2の実施の形態および第3の実施の形態において、拡幅部8の路面を、車の運転者に注意を促すために、住宅地内道路5の他の部分の路面と異なるように形成することができる。具体的には、たとえば、拡幅部8の表面を覆う舗装材をレンガ材あるいはブロック状のコンクリート材とし、住宅地内道路5の他の部分の表面を覆う舗装材であるアスファルトと異なるように形成する(図4参照)、また、たとえば拡幅部8の路面の色を住宅地内道路5の他の部分の路面の色と異なるように形成する、また、たとえば拡幅部8の路面を凹凸に形成する、また、たとえば拡幅部8の路面に「注意」等の文字を描く等とすることができる。
【0030】
このような構成とすることで、本発明の第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏するとともに、たとえば、拡幅部8をコミュニティー広場等としても利用できるようにする場合において、車の運転者に注意を促すことが可能となり、住宅地内道路5の安全性が向上することとなる。また、住宅地内道路5の安全性が向上することで、住宅地1全体の安全性も向上することとなる。
また、第1の実施の形態、第2の実施の形態および第3の実施の形態において、住宅地1には、出入口6が2ヵ所設けられているが、これに限定されるものではなく、住宅地1全体の形状や、住宅地1における住宅用敷地2,2aの区画等により、3ヵ所以上設けても良いものである。
【符号の説明】
【0031】
1 住宅地 2,2a 住宅用敷地
4,4a,4b 境界線 5 住宅地内道路
6 出入口 7 道路
8 拡幅部 9 ロータリー
10 車待避所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の住宅用敷地に区画され、かつ少なくとも2ヶ所の出入口を有する住宅地であって、一の出入口から他の出入口への住宅地内道路を、一の出入口から他の出入口を見た際に一の出入口から他の出入口が見えないように屈曲部を設けて配置するとともに、その屈曲部の外側を膨らませた拡幅部に形成したことを特徴とする住宅地。
【請求項2】
前記住宅地内道路は、車が1台通れる道幅または対向車がすれ違える道幅に形成され、
前記拡幅部は、車がUターンできるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の住宅地。
【請求項3】
前記住宅地内道路のうち屈曲部を除いた部分は、車が1台通れる道幅に形成され、
前記拡幅部は、対向車がすれ違えるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の住宅地。
【請求項4】
前記拡幅部の路面は、車の運転者に注意を促すために、前記住宅地内道路の他の部分の路面と異なるように形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の住宅地。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−180607(P2010−180607A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24701(P2009−24701)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)