説明

住宅基礎用コンクリートブロック及びこのコンクリートブロックを使用した住宅基礎の形成方法

【課題】
住宅基礎の外周にコンクリートブロックを用いて基礎の強化を図り、加えて断熱材を一体施工することにより施工の省力化を図ると共に、基礎断熱により、寒冷期においてコンクリート打設後の養生時の保湿効果を得ることを目的とする。
【解決手段】
対向する一方の側壁の高さを高く、一方の側壁の高さを低くした異形U字形コンクリートブロックの高い方の側壁の内面に断熱材を貼設し、この側壁の頂面に笠木を冠設して、断熱材とコンクリートブロックの一体化を図り、断熱材の剥離を防ぎ、基礎外周の美化を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅基礎の外周枠に用いる工場製品であるU字形コンクリートブロック、及びこのU字形コンクリートブロックを使用する住宅基礎の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に住宅基礎にあっては、基礎面の周囲を掘削して作業者が木型枠を組立て、この型枠内にコンクリートを流し込み固化を待って木型枠を取外して基礎を形成している。このため熟練の作業員とコンクリートを養生して固化するまでに相当の日時を要していた。そして脱型後にコンクリート面をコテ塗りをして滑面とするなどの手間を加えていた。しかし近年この住宅基礎に工場製品であるコンクリートブロックを使用することが開発されて来ている。
【特許文献1】特開2006−283449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
住宅基礎にコンクリートブロックを使用することによって、型枠の組立、解型及び側面のコテ塗りなどの作業が省けるため熟練作業員を要することなく、しかも強度もあり、また基礎の断熱工法としてコンクリートブロックと断熱材を一体施工することにより省力化すること、そして、このような基礎断熱工法を行うことによって、寒冷期においての住宅基礎部分のコンクリートの打設後の養生時の保温効果を得ることができる。
【0004】
このように住宅基礎外周部のコンクリートブロック及び断熱材が基礎部を構成するため、基礎内部のコンクリートを中性化から保護し、内部に埋入されている鉄筋の防錆効果をもたらし、長期的な基礎強度の低下を抑制する。またコンクリートブロックと断熱材を組合せることにより断熱材の劣化を保護して断熱材の断熱性能を維持させるが、この断熱材の配置する位置や剥離してしまうという問題点も生じている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者は、この点に鑑み鋭意試作研究の結果本発明に到達したものであって、本発明は、添付図面中図1及び図2に示すコンクリートブロックBと断熱材(3)を組合せるもので本発明を説明すると、本発明は、対向する一方の側壁(1)の高さを高く、一方の側壁(2)の高さを低く形成した異形U字形コンクリートブロックBを用い、このコンクリートブロックBの高い方の側壁(1)の側壁(1)の内面全面に断熱材(3)を貼設する。
【0006】
そしてこの断熱材(3)を貼設した頂面に笠木(5)を冠設して、コンクリート側壁と断熱材(3)との剥離を防ぎ、しかも住宅基礎周面の水平面を保つと共に、住宅基礎と住宅との接続部の美化を図ることとする。
【0007】
そして住宅基礎面の形成に当っては、前記の笠木(5)を冠設したコンクリートブロックBを用い、このコンクリートブロックBの両側壁(1),(2)の間及び基礎内に図示するように鉄筋(6)を配して、高い方の側壁(1)の頂面を基準としてコンクリートブロックBの側壁間内を含めて基礎内方向に図3に示すようにコンクリートを流し込み水平
面を形成して住宅基礎を形成するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の住宅基礎用コンクリートブロックは、前述のように、断熱材固定用の笠木を設けることによって、コンクリート打設時の断熱材の剥離を防止して断熱効果を高めると共に、施工仕上げの水平レベルの精度を高めることによって、基礎部分の外観の美化が図られるという顕著な作用効果を奏する。
【実施例】
【0009】
添付図面により本発明を説明すると、図1及び図2は、本発明の異形U字形コンクリートブロックを示すもので、図1は未完のブロックで、一方の側壁(1)の高さを高くし、他方の側壁(2)の高さを低く形成した異形U字形コンクリートブロックBの高い方の側壁(1)の内面全面に断熱材(3)を貼設したブロックBであって、本発明は、この図1
に示してあるブロックBの高い方の側壁(1)の頂面に、断熱材(3)を含めて包むように笠木(5)を冠設して一体とした異形U字形コンクリートブロックB(図2参照)である。
【0010】
ここに示したブロックBは高い方の側壁の高さを、70cm、低い方の側壁の高さを55cm、幅を25cmとし成形した。また貼設する断熱材(3)としては発泡樹脂系断熱材を使用する。そしてこの側壁(1)の頂面には笠木(5)を冠設して断熱材(3)を包むように装着する。また図示していないが、このU字形コンクリートブロックBの底面は窓のような開口部を設けて、後述する施工に際して、コンクリートを流し込んだ際のブロックBの安定感を図ることが望ましい。
【0011】
図3は、図2の異形U字形コンクリートブロックBを使用した住宅基礎の構成図であって、高い方の側壁(1)を外側として基礎地形の外方に向けて配列設置し、U字形コンクリートブロックB内及び低い方の側壁(2)を越えて基礎内側に鉄筋(10)を配して、この上にコンクリートを流し込み、水平面を形成した住宅基礎が形成される。図中の符号
(12)は防湿シートを示している。
【産業上の利用可能性】
【0012】
上述のように本発明は住宅基礎の形成に際して、工場製品であるコンクリートブロックを使用するため、基礎の強度が安定し、しかも型組や解体等の作業が省けるため工期の短縮が図れる。またブロックの頂面に笠木を冠設することにより断熱材の剥離を防止し、外観を美しく仕上るため、今後の住宅基礎の形成に応用でき、この期待は大きく利用の可能
性も大である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】断熱材を貼設したU字形コンクリートブロックの正面図
【図2】笠木を冠設した本発明の異形U字形コンクリートブロックの正面図
【図3】本発明の異形U字形コンクリートブロックを使用した基礎の実施例図
【符号の説明】
【0014】
1 高い方の側壁
2 低い方の側壁
3 断熱材
5 笠木
10 鉄筋
B 異形U字形コンクリートブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する一方の側壁(1)の高さを高く、一方の側壁(2)の高さを低くして形成した異形U字形コンクリートブロックBであって、高い方の側壁内面全体に断熱材(3)を貼設し、該高い方の側壁(1)の頂面に笠木(5)を冠設したことを特徴とした住宅基礎用コンクリートブロック。
【請求項2】
対向する一方の側壁(1)を高く形成し、この側壁(1)の内面に断熱材(3)を貼設し、該側壁(1)の頂面に笠木(5)を冠設した請求項1に記載の異形コンクリートブロックBを用い、高い方の側壁を外側にして基礎地形の外方に向けて設置し、該コンクリートブロックBの両側壁(1),(2)間及び基礎内に鉄筋(6)を配筋し、高い方の側壁(1)の頂面を基準として、U字形コンクリートブロックBの両側壁間内を含めて基礎内方向にコンクリートを流し込み、水平面を形成する住宅基礎の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−31572(P2010−31572A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−195929(P2008−195929)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(597140637)株式会社ウンノハウス (1)
【Fターム(参考)】