説明

住宅設計キューブ及び住宅の設計方法

【課題】住宅の設計を行うに際し、平面的な間取りの設計と同時に立体的な形状を実現する。
【解決手段】設計キューブは、住宅を構成する単位空間を縮小して形成され所定位置に連結手段が設けられた立体模型と、立体模型の対象となる単位空間のレイアウトが表示された複数のレイアウト板と、を有し、複数のレイアウト板の中から目的の単位空間の機能に応じたレイアウト板を選択して立体模型の底面に取り付ける。設計方法は、目的の住宅を構成するのに必要な形状と機能を持った複数の設計キューブを選択し、これらの設計キューブを連結手段を介して連結することで、間取りの設計と同時に立体的な形状を認識する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的の住宅を設計する際に、平面的な間取りの設計と住宅の立体形状の設計を同時に行うことを実現した住宅設計キューブと、この住宅設計キューブを利用した設計方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅を設計する場合、居住者の家族構成や嗜好に合わせて必要とされる機能と形状を持った複数の平面空間を選択し、平面空間相互のつながりを検討しながら配置することで間取りを設計し、間取りが決定した後、改めて住宅の立体的な形状を設計するという手順で行われている。このように、住宅の設計では、住宅が立体構造であるにも関わらず、平面の設計が優先され立体方向の設計が後回しになるのが一般的である。
【0003】
住宅は町並みの景観に対する影響が大きく、且つ住宅の長寿命化に伴って長期にわたって居住することとなり、外観デザインが長期間にわたる鑑賞に耐え得る優れたものであることが要求されている。このため、平面的な間取りの設計や立面的な外形の設計が終了したとき、住宅の外観デザインを確認するための方法の一つとして住宅の立体的な模型を作ることが行われており、作られた模型に対して満足のいかない場合には、再度、間取りの設計からやり直すことが行われている。
【0004】
設計結果に基づく住宅の模型を住宅を設計する毎に繰り返し製作すると、材料費や手間がかかりコストが高くなるという問題がある。このため、目的の模型を容易に製作することを実現した技術が提案されている。
【0005】
例えば特許文献1に開示された技術は、建築の設計資料に基づいて、建物立体模型の組立セットを容易に且つ安価に提供しようとするものである。この技術では、複数のボード片を建物の設計情報から製作する組立模型用ボード片セット製作手段を有しており、建物の設計情報に基づいて建物立体模型を簡易に組立できるボード片セットを提供し得るようにしたものである。
【0006】
また特許文献2に開示された技術は、建物の模型用の造作物シートに関するものであり、建物の模型を製作する場合に用いる造作物を透明なアクリルシートに印刷したものである。この技術では、模型を製作する際に造作物と模様を重ねて表示することができ、仕上がりの良好な模型を製作することができる。
【0007】
また特許文献3に開示された技術は、コンピュータによる住宅設計支援システムに関するものであり、間取り図を作成し、立体図の作成指示に応じて、ユニットの寸法と間取り図とから立体図を作成するものである。この技術では、設計された間取りや家具の配置に基づいて、ディスプレイ上に1階層分の立体図を描くことができる。
【0008】
【特許文献1】特開2002−312419号公報
【特許文献2】実開平07−008867号公報
【特許文献3】特開2002−245114号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述した特許文献1の技術は、目的の住宅の間取りの設計が終了した後、設計された住宅の間取りに基づいて立体模型を作成するためのボード片を製作するものであり、平面を設計した後、立面の設計を行うという手順で外観形状を含めた住宅を設計するものである。このため、ボード片によって立体模型を製作して建物の外観形状を確認したとき、この外観形状を満足しない場合には、間取りの設計に戻ってやり直しすることになる。
【0010】
また特許文献2の技術は建物の立体模型を製作する際に、造作物を表現する作業を支援するものであるものの、立体模型そのものを製作し得るものではない。
【0011】
また特許文献3の技術は、立体模型を製作するものではなく、設計結果に基づいてディスプレイ上で立体的な図を描くというものである。従って、目的の住宅の外観形状を立体的に認識し得るようなものではない。
【0012】
本発明の目的は、住宅の設計を行うに際し、平面的な間取りの配置作業をすると同時に立体的な形状の確認作業を容易且つ繰り返し行うことができる設計方法と、この方法を実施する際に有利な住宅設計キューブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために本発明に係る住宅設計キューブは、複数の単位空間からなる住宅を設計するための住宅設計キューブであって、住宅を構成する単位空間を縮小した立体型に形成され且つ所定位置に他の部材に着脱可能に連結するための連結手段が設けられた立体模型と、前記立体模型の対象となる単位空間のレイアウトが表示された複数のレイアウト板と、を有し、前記立体模型又はレイアウト板に住宅に設定されたモジュールに対応させた位置にモジュールマークを形成すると共に、前記複数のレイアウト板の中から目的の単位空間の機能に応じたレイアウトを有するレイアウト板を選択して前記立体模型の底面に取り付けるものである。
【0014】
上記住宅設計キューブに於いて、透明樹脂板を立体的に接着して構成することが好ましい。
【0015】
また上記住宅設計キューブに於いて、連結手段が、面ファスナーであることが好ましい。
【0016】
また上記住宅設計キューブに於いて、レイアウト板が透明フィルムからなることが好ましい。
【0017】
また本発明に係る住宅の設計方法は、目的の住宅を構成するのに必要な形状で用途に応じたレイアウト板を取り付けた複数の住宅設計キューブを選択し、選択された複数の住宅設計キューブを連結手段を介して連結することで間取りの配置を行うと共に外観形状を認識する作業を行い、必要に応じて、前記連結された複数の住宅設計キューブを解体して再度連結することで間取りの再配置を行うと共に外観形状を認識する作業を行うことを特徴とするものである。
【0018】
また他の住宅の設計方法は、予め住宅に設定されたモジュールを請求項1に記載した立体模型の縮小率と同じ縮小率で縮小したグリッドを記載したグリッド図と、目的の住宅を建築する敷地を記載した敷地図と、を有し、前記グリッド図と敷地図とを重ね合わせると共に敷地図の内部に、目的の住宅を構成するのに必要な形状で用途に応じたレイアウト板を取り付けた複数の住宅設計キューブを選択して選択された複数の住宅設計キューブを連結手段を介して連結して配置することで、間取りの設計を行うと共に外観形状を認識する作業を行い、必要に応じて、前記連結された複数の住宅設計キューブを解体して再度連結することで間取りの再配置を行うと共に外観形状を認識する作業を行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る住宅設計キューブ(以下「設計キューブ」という)では、住宅を構成する単位空間(例えば、平面形状が約3.6m×約2.7mの約6畳の長方形で、高さが住宅の1層分である約3mの直方体空間形状)を縮小し、且つ所定位置に連結手段を設けた立体模型と、単位空間の内部のレイアウト(例えば、主寝室という単位空間に一般的に配置されるベッド、ナイトテーブル、箪笥、ドレッサー等の備品のレイアウト)が平面的に表示されたレイアウト板と、を製作し、各種のレイアウト板の中から選択されたレイアウト板を目的の単位空間に対応する立体模型の底面に取り付ける(例えば、正方形の2畳に相当する立体模型に同じく正方形の2畳の形状に洗面化粧台等の住設機器(住宅建設時にビルドインされる設備機器)や洗濯機等の備品がレイアウトされた洗面所のレイアウト板を選択して取り付ける)ことで、立体的な機能空間を表現した設計キューブとすることができる。
【0020】
立体模型は連結手段を有しているため、複数の立体模型の位置関係を維持することが可能であり、例えば、完成した住宅模型を手にとって持ち上げて現実的な低い視線位置から外観形状を確認したり、回転させながら複数の方向から外観形状を確認したりすることを、無理な姿勢をとることなく、容易に行うことができる。
【0021】
住宅を構成する単位空間の形状に対応して該空間そのものの概略コストを把握することができ、且つ住宅の建設コストに大きな影響を与える住設機器の概略コストを把握することもできる。従って、異なる形状の立体模型毎の概略コストと各レイアウト毎の概略コストを把握することが可能となり、立体模型にレイアウト板を取り付けた設計キューブの概略コストも把握することができる。このため、住宅の概略見積りを行う際に有利である。
【0022】
特に、立体模型又はレイアウト板に、モジュール寸法に対応させたモジュールマークを形成しておくことで、複数の設計キューブを連結する際の基準とすることができる。
【0023】
設計キューブを、透明樹脂板を立体的に接着して構成した場合には、底面に取り付けたレイアウト板を外部から容易に視認することができるため、個々の設計キューブに対してレイアウト板によって定義付けられた空間の用途を容易に認識することができ、且つ1階に対応する設計キューブの上に2階に対応する設計キューブを積み上げた場合でも、1階の間取りを確認することができる。
【0024】
また設計キューブに設けた連結手段が、面ファスナーである場合には、間取りの設計を行う際に隣接して配置された設計キューブの連結や解体を繰り返し容易に行うことができる。
【0025】
設計キューブに取り付けたレイアウト板が透明フィルムによって形成された場合には、設計キューブを高さ方向に積み上げた場合にも下層の間取りを確認することができる。
【0026】
上記の如く構成された設計キューブでは、目的の住宅の設計が終了した後、連結された設計キューブを解体すると共に、立体模型とレイアウト板とを分離させておくことで、再使用することができる。
【0027】
また本発明に係る第1の設計方法では、目的の住宅を構成するのに必要な機能を持った複数の設計キューブを選択して連結しながら間取りの配置を行うことができ、設計キューブの連結に伴って住宅の外観形状を確認することができる。そして外観形状を確認した結果満足しない場合には、連結された複数の設計キューブを解体して再度連結することで間取りの再配置を行うと共に外観形状を確認することで、間取りの設計と同時に住宅の外観形状の設計を行うことができる。
【0028】
上記の如く、間取りの設計と同時に住宅全体の形状を実体的に把握しながら設計することができるため、間取りを設計した後、改めて全体形状の図面を作成したり、模型を作成する必要がなく、住宅の設計を容易に且つ円滑に行うことができる。特に、間取りを設計すると同時に全体形状を確認できるため、住宅に外観上の問題やバランス上の問題が生じた場合は直ちにこの問題を把握することが可能となり、設計キューブを再配置することによって把握された問題に対処することができる。
【0029】
また、コンピュータ等の支援装置を用いることなく、住宅の平面間取りと、住宅の立体的な形状とを容易に且つ迅速に設計することができる。また目的の住宅に配置された設計キューブの機能や形状、数を確認して積算することで、該住宅の概略コストを把握することができる。
【0030】
設計キューブの縮率を適宜設定することで小さいキューブとすることができるため、持ち運びが容易となる。このため、顧客と面接しながら必要な設計キューブを連結させて間取りを配置してゆくことで、同時に立体的な形状を認識してもらうことが可能となり、プランニングを容易に理解してもらうことができ、且つ変更の相談にも容易に応じることができる。
【0031】
設計キューブは単位空間の形状とレイアウト板による機能が明確にされ、且つ連結手段によって所定部位に連結されるため、複数の単位空間の接続状態や、機能の接続状態が明確となり、最適な間取りを設計することができる。
【0032】
また1階を構成する設計キューブ群の上に2階を構成する設計キューブを積み上げることで間取りの設計を行うと同時に立体的な設計を行うため、単位空間の上下の関係が明確となり、1階と2階との間に於ける機能部分の配置不良等が生じることを防止することができる。
【0033】
また第2の設計方法では、住宅に設定されたモジュールを縮小したグリッドを記載したグリッド図と住宅を建築する敷地を記載した敷地図とを重ね合わせることで、敷地の形状や面積等の条件を認識することができる。この敷地図の内部に、複数の設計キューブを選択して配置することで、間取りの設計を行うと共に外観形状を認識する作業を行うことができる。
【0034】
敷地図の内部で設計キューブによる平面的な間取りの設計と同時に住宅の立体的な設計を行うことで、目的の敷地に於ける住宅の位置や高さを把握することが可能であり、建蔽率や容積率、北側斜線、道路斜線、日照、採光状況等を視認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明に係る設計キューブの好ましい形態について説明する。本発明の設計キューブは住宅を構成する単位空間を所定の縮率で縮小され且つ所定位置に連結手段が設けられた立体模型に、単位空間の形状(形状の概念も含む)に対応させて設定したレイアウトを表すレイアウト板を取り付けることで、該レイアウトに対応した機能と形状を持った空間を代表するようにしたものである。
【0036】
設計キューブを構成する立体模型は、住宅の基本的な単位空間の形状(形状の概念も含む)に対応したものが複数作成される。立体模型に於ける平面的な寸法は特に限定するものではないが、住宅に設定されたモジュールの整数倍に設定されたものであることが好ましい。また立体模型の高さは通常の住宅に於ける1層分の寸法に設定されることが好ましい。
【0037】
住宅の基本的な単位空間の形状としては、例えば畳1畳分、2畳分、3畳分、4.5畳分、6畳分、8畳分、10畳分、12畳分、等があり、更に、前記以外の特殊な形状を持つものがある。
【0038】
立体模型は全ての単位空間のパターンを網羅する必要はなく、代表的なパターンを選択して製作すれば良い。例えば、予め作成されていない単位空間を有する立体模型が必要になった場合には、複数の立体模型を組み合わせたり、所望の単位空間よりも小さい立体模型を用意して隣接する立体模型の間に隙間を設けて連結することで対応することが可能である。
【0039】
上記の如き住宅の基本的な単位空間の形状に対応した立体模型は、夫々の形状毎に採用の頻度に応じて単数或いは複数用意される。形状が同じ立体模型を複数用意しておくことで、機能の異なる同じ形状の空間(例えば、6畳の和室と、6畳のキッチン等)を構成する際に有利である。従って、立体模型に代表される単位空間の形状や、製作すべき立体模型の数等は限定するものではない。
【0040】
立体模型の縮率は特に限定するものではなく、例えば1/50、1/100、或いは前記縮率の以外で適宜設定することが可能である。縮率を小さくした場合には個々の立体模型が大きくなり、該立体模型にレイアウト板を取り付けたときにレイアウトが見易くなる。、また縮率を大きくした場合には個々の立体模型が小さくなり、持ち運びに有利で顧客に対する説明等で有利になる。
【0041】
立体模型の底面にレイアウト板が取り付けられるため、立体模型は上方からレイアウト板を確認し得ることが必要である。この場合、立体模型の底面及び4側面を木材や不透明な板によって形成し、上面を開放した形状に形成することが可能である。しかし、底面に取り付けたレイアウト板を斜め上方からも確認し得るように、少なくとも4側面が透明であることが好ましい。
【0042】
透明な立体模型を構成する場合、適度な強度と厚さを持った透明な合成樹脂板を用い、これらの合成樹脂板を接着することが好ましい。このように構成された立体模型では、周囲の何れの方向からであっても、底面に取り付けられたレイアウト板を確認することが可能である。また立体模型の上面にも合成樹脂板を接着することで、6面全てが透明であっても良く、このように6面全てを合成樹脂板によって構成することで、2階層或いは3階層の住宅を設計する場合でも上方への積み上げが容易となり有利である。
【0043】
立体模型の所定位置には他の部材に着脱可能に連結するための連結手段が設けられる。連結手段の構成は特に限定するものではなく、例えばクリップや両面粘着テープのようなものであって良い。
【0044】
立体模型が充分な強度を持って形成されていることから、住宅の設計に際し繰り返し使用し得ることが好ましく、立体模型に設ける連結手段も繰り返し使用し得ることが好ましい。特に、住宅の設計に際し、複数の設計キューブを水平方向に連結する場合、必ずしも個々の設計キューブの側面が同じ面となるように配置されるものではなく、モジュールの整数倍の間隔でズレることがある。このため、連結手段は少なくともモジュールの間隔で、或いは全く任意に連結し得るようなものであることが好ましい。
【0045】
上記条件を満足し得るものとして、例えば多数のキノコ状の突起を設けた面ファスナーがあり、この面ファスナーでは、連結面の構造が同一であることから、連結の適否を生じることがなく好ましい。
【0046】
立体模型に対する連結手段の配置部位は特に限定するものではなく、連結の仕方に応じて、各側面に、或いは上下両面に、更に6面全体に、配置することが可能である。例えば隣接して配置された設計キューブを側面どうしで連結する場合、連結手段を立体模型の4側面の同一高さの位置に設けることが好ましく、また1階に対応させて透明な基板を設け、この基板に設計キューブの底面を連結するような場合、連結手段を立体模型の下面に設けることが好ましく、更に、連結手段を立体模型の6面全面に設けることによって如何なる連結方式にも対応することが可能となる。
【0047】
設計キューブを構成するレイアウト板は、住宅を構成する単位空間の機能を表現したものであり、立体模型の縮率と同じ縮率を持って縮小されており、夫々対応する形状の立体模型の底面に取り付けられる。このため、例えば、キッチンのレイアウト板は、キッチンに配置されるキッチンセットや食器棚、冷蔵庫等の備品の配置が平面的に表示されている。同様に居間や寝室、洗面所等の目的の住宅を構成する高い頻度で採用される代表的なレイアウトが、単位空間の形状に対応して一般的に付属する備品と共に表現されている。
【0048】
例えばキッチンを表示するレイアウト板は必ずしも1種類のレイアウトである必要はなく、且つ単位空間の形状も1種類である必要はない。即ち、6畳の形状を持つ立体模型を対象としてキッチンをレイアウトしたレイアウト板や、4.5畳の形状を持つ立体模型を対象とするキッチン、更に、他の形状を持つ立体模型を対象とするキッチン等の複数のレイアウトが表示されたレイアウト板を用意しておくことが好ましい。
【0049】
レイアウト板の生地は特に限定するものではなく、立体模型の底面に取り付けられるものであれば良い。また、レイアウト板は立体模型の底面に着脱し得るように取り付けられることが好ましい。このように、レイアウト板が立体模型に対し着脱し得るように構成された場合、目的の住宅の設計が終了した後、レイアウト板を立体模型から取り外しておくことで、他の住宅を設計する際に、立体模型を機能に限定されることなく再利用することが可能となる。
【0050】
レイアウト板を立体模型に取り付ける機構は特に限定するものではない。即ち、立体模型が透明な合成樹脂板を接着して構成されているような場合、剥離可能な接着剤を利用して底面に接着することが可能である。またレイアウト板をPET(ポリエチレンテレフタレート)等のフィルム状のものとし、その表面にシリコン膜を形成することによって、合成樹脂等の平滑面を有する素材で構成された立体模型に対して繰り返し直脱可能に構成することが可能である。また立体模型の底面の内面側に対応する側面にスリットを形成しておき、このスリットを利用してレイアウト板を挿入することで取り付けるようにすることも可能である。何れにしても、レイアウト板の立体模型に対する取付方法については限定するものではない。
【0051】
立体模型やレイアウト板に対しては、予め夫々の形状や、夫々の用途に応じた内装仕上材や付帯住設機器に対応して概算コストを計算して保有しておくと、住宅の設計に使用した立体模型やレイアウト板の種類と数とを計上して積算することで住宅建設の費用の概算金額を容易に算出することが可能である。また前記した概算コストを夫々の立体模型やレイアウト板の視認可能な位置に表示しておくと、別に概算コストのデータを用意することなく、住宅建設の費用の概算金額を算出することが可能である。
【0052】
レイアウト板は透明なフィルムによって形成されることが好ましい。特に、目的の住宅が2階層以上の住宅である場合、1階部分に対応する設計キューブの上方に2階部分に対応する設計キューブを積み上げたとき、レイアウト板が透明であることによって、1階及び2階の間取りを立体的に確認することが可能となる。
【0053】
本発明に係る住宅の設計方法は、目的の住宅を構成するのに必要なレイアウトを持った複数の設計キューブを集めて連結することで、平面的な間取りと立体的な形状を持った住宅を設計するものである。
【0054】
このように、間取りの設計と同時に住宅の外観形状を確認することによって、外観的な形状の確認を行い、美観上の問題やバランス上の問題が生じた場合、直ちに設計キューブの連結を解除して再配置(新たな間取りの設計)を行い、この再配置と同時に再度住宅の外観形状を確認することが可能である。
【0055】
特に、住宅を建築すべき敷地と、目的の住宅に設定されたモジュールを設計キューブの縮率と同じ縮率で縮小したグリッドを記載したグリッド図を重ね合わせた状態で、目的の住宅を構成するのに必要なレイアウトを持った複数の設計キューブを集めて連結することで、平面的な間取りと立体的な形状を持った住宅を設計すると共に、敷地に於ける住宅の設置位置を設定し、且つ近隣住宅との関係位置を設定することが可能である。
【実施例1】
【0056】
次に、本発明に係る設計キューブの実施例について図を用いて説明する。図1は代表的な設計キューブの例を説明する図である。図に示す設計キューブA〜Eは、住宅を構成する単位空間の形状に対応した、即ち、単位空間の寸法を予め設定された縮率(本実施例では1/100)で縮小した寸法を持った立体模型1〜4と、立体模型1〜4の底面1a〜4aに取り付けたレイアウト板11〜15とによって構成されている。
【0057】
本実施例に於いて、モジュール寸法は305mmに設定されている。このため、住宅を構成する単位空間の形状は、例えば915mm×1830mm(1畳分)、1830mm×1830mm(2畳分)、1830mm×2745mm(3畳分)、2745mm×2745mm(4.5畳分)、2745mm×3660mm(6畳分)、3660mm×3660mm(8畳分)、3660mm×4525mm(10畳分)、3660mm×5430mm(12畳分)、等があり、更に、前記以外の特殊な平面形状や形状を持つものがある。従って、本発明では、前記形状を持つ個々の単位空間毎に対応させて夫々複数の立体模型が形成される。
【0058】
各設計キューブA〜Eを構成する立体模型1〜4は、底面1a〜4a、上面1b〜4b、側面1c〜1f〜4c〜4fに対応する6枚の透明なアクリル板を接着して形成されている。また各立体模型1〜4の各側面1c〜1f〜4c〜4fに於ける底面1a〜4a側、又はレイアウト板11〜15の表面にはモジュールマーク20(例えば同図(b)参照)が形成されている。このモジュールマーク20は、住宅に設定されたモジュール寸法を立体模型と同じ縮率で縮小したものであり、複数の設計キューブA〜Eを連結させる際の基準となるものである。
【0059】
レイアウト板11〜15は透明なスチレンペーパーに目的の機能部を印刷して形成されている。また本実施例では、レイアウト板11〜15は、立体模型1〜4の底面1a〜4aの下面に剥離可能に接着されている。そして、立体模型1〜4にレイアウト板11〜15を接着することによって、夫々異なる機能を持った設計キューブA〜Eが構成されている。
【0060】
立体模型の各面(上下面及び各側面)に連結手段となる面ファスナーが設けられている。例えば同図(c)に示すように、この面ファスナー21は各面3a〜3fの略中央に配置されると共に接着剤によって接着されている。この面ファスナー21は、合成樹脂からなるキノコ状の多数の突起が植えつけられたシート状に形成されており、所謂雄雌がなく、面ファスナー21どうしを互いに押圧することによって連結することが可能である。
【0061】
尚、住宅を構成する単位空間を代表する立体模型はモジュールを305とした場合であっても平面形状だけで多くの種類が存在し、同様に住宅に必要となる機能を表すレイアウト板も多くの種類が存在する。従って、機能と立体模型とを組み合わせた設計キューブの種類は、膨大なものとなる。このため、以下の説明では、全ての立体模型及びレイアウト板、これらを組み合わせた設計キューブの構成を説明することなく、代表的な立体模型と、レイアウト板、設計キューブの構成を説明するものとする。
【0062】
同図(a)に示す設計キューブAは、平面寸法が1830mm×1830mmで高さが3mの単位空間を構成する立体模型1の底面1aに、玄関の平面的なレイアウトが表示されたレイアウト板11を取り付けることによって、玄関としての機能を表現したものである。
【0063】
同図(b)に示す設計キューブBは、平面寸法が3660mm×3660mmで高さが3mの単位空間を構成する立体模型2の底面2aに、寝室の平面的なレイアウトが表示されたレイアウト板12を取り付けることによって、寝室としての機能を表現したものである。
【0064】
同図(c)に示す設計キューブCは、平面寸法が2135mm×3660mmで高さが3mの単位空間を構成する立体模型3の底面3aに、キッチンの平面的なレイアウトが表示されたレイアウト板13を取り付けることによって、キッチンとしての機能を表現したものである。
【0065】
同図(d)に示す設計キューブDは、平面寸法が1830mm×1830mmで高さが3mの単位空間を構成する立体模型1の底面1aに、洗面所の平面的なレイアウトが表示されたレイアウト板14を取り付けることによって、玄関としての機能を表現したものである。即ち、設計キューブDは、設計キューブAと同一の立体模型1を使用しながら、異なる機能を表現したものである。
【0066】
同図(e)に示す設計キューブEは、平面寸法が1830mm×1830mmで高さが6mの単位空間を構成する立体模型4の底面4aに、階段の平面的なレイアウトが表示されたレイアウト板15を取り付けることによって、階段としての機能を表現したものである。この設計キューブEでは、高さが1階から2階にわたる単位空間を構成する立体模型4を使用することによって、階段の上方に他の機能を持った設計キューブを配置する虞をなくし、確実に階段としての空間を確保し得るようにしたものである。
【0067】
尚、立体模型の平面形状は、モジュール寸法の整数倍の寸法を適宜採用することによって如何様にも設定することが可能である。また住宅を構成する機能部としては、前述の玄関、寝室、キッチン、洗面所、階段の他に、例えば風呂場、便所、ダイニング、リビング、和室、納戸、廊下等がある。
【0068】
またレイアウト板11〜15に表現される内容としては、目的の機能を発揮するのに必要なものが記載されていれば良く、例えば出入口の位置や窓の位置は表現される必要はない。
【実施例2】
【0069】
次に本発明に係る設計方法の実施例について説明する。図2〜図5は目的の住宅の設計を進める手順を説明する図である。住宅の設計を進めるに当たって、先ず、目的の住宅を構成する単位空間の形状と数に対応する立体模型を選択して抽出すると共に、夫々の単位空間の機能を表現するレイアウト板を選択して抽出し、抽出された立体模型にレイアウト板を取り付けることで、目的の住宅を構成するための設計キューブを構成する。
【0070】
次に、抽出された設計キューブから1階に配置すべきものと、2階に配置すべきもの、或いはそれ以上の階に配置すべきものを分ける。本実施例では、2階建ての住宅を設計するものとし、抽出された設計キューブを1階,2階に配置するものに分ける。
【0071】
上記結果、例えば、立体模型1を利用して玄関のレイアウト板11が取り付けられた設計キューブA、立体模型1を利用して洗面所のレイアウト14が取り付けられた設計キューブD、立体模型1を利用して階段のレイアウト板15が取り付けられた設計キューブE、立体模型1を利用して風呂場のレイアウト板が取り付けられた設計キューブ、平面寸法が915mm×1830mmの単位空間を構成する立体模型を利用して便所のレイアウト板が取り付けられた設計キューブを2個、立体模型3を利用してキッチンのレイアウト板13が取り付けられた設計キューブC、平面寸法が2440mm×3660mmの単位空間を構成する立体模型を利用してダイニングのレイアウト板が取り付けられた設計キューブ、立体模型2を利用してリビングのレイアウト板が取り付けられた設計キューブ、平面寸法が2745mm×3660mmの立体模型を利用して和室のレイアウト板が取り付けられた設計キューブ、立体模型2を利用して寝室のレイアウト板12が取り付けられた設計キューブB、平面寸法が2745mm×3660mmの立体模型を利用して洋間のレイアウト板が取り付けられた設計キューブを2個、平面寸法が1830mm×3660mmの立体模型を利用して納戸のレイアウト板が取り付けられた設計キューブ、平面寸法が915mm×2745mmの立体模型を利用してクロゼットのレイアウト板が取り付けられた設計キューブを2個抽出する。
【0072】
そして抽出された設計キューブの機能を考慮すると共に建蔽率等を考慮して、1階に配置するものと、2階に配置するものとを分ける。この後、1階に配置すべき設計キューブから順に組み合わせて行く。
【0073】
図2に於いて、25はグリッド図であり、グリッド25aが記載されている。前記グリッド25aは、予め住宅に設定されたモジュールを、設計キューブを構成する立体模型の縮率と同じ縮率で縮小して記載したものであり、モジュール寸法と同一の間隔、或いはモジュールの整数倍の間隔を有している。本実施例では、グリッド25aの間隔をモジュールの3倍(915mm)に対応させている。
【0074】
また26は敷地図であり、目的の住宅を建築する敷地の平面形状を、設計キューブを構成する立体模型の縮率と同じ縮率で縮小した形状を有している。しかし、敷地図26は必ずしも目的の敷地の相似形に形成されている必要はなく、敷地の形状が明確に判別し得るようなものであれば良い。即ち、定形のシートに目的の敷地と相似する形状の輪郭を明確に線描きしたものであっても良い。
【0075】
グリッド図25と敷地図26は、互いに重ね合わせて用いられる。グリッド図25と敷地図26の何れを上にするかは限定するものではなく、少なくとも一方が透明であれば良い。
【0076】
グリッド図25と敷地図26を重ね合わせることによって、目的の敷地にモジュールの3倍の寸法を持つグリッドが形成された図が用意されることとなる。このため、図2に示すように、これらの図25,26の上部に、前述したように目的の住宅を設計するに当たって抽出した1階に配置する設計キューブ(同図には設計キューブA及び設計キューブDが配置された状態が示されている)を配置し、互いに連結することで設計を進行させることが可能である。
【0077】
そして、1階に対応させた設計キューブを配置すると共に互いに連結させた後、図3に示すように、2階に配置する設計キューブを、既に配置されている1階に対応する設計キューブの上部に配置すると共に互いに連結させることで、目的の住宅の間取りを設計すると同時に立体的な形状の設計を行うことが可能となる。
【0078】
図3に示すように、目的の住宅を構成するために抽出した全ての設計キューブを連結したとき、連結された設計キューブの群を外部から観察することによって、間取りの妥当性を検討することが可能であり、且つ外観形状の美観やバランスを観察することが可能となる。従って、この観察過程で不具合が見つかり、或いは外観形状の美観上の問題点やバランスの問題点が見つかった場合、互いに連結されている設計キューブを剥離して配置し直すことで、前記問題点を解決した間取りと外観形状の設計を実現することが可能である。
【0079】
上記の如く、目的の住宅に必要な機能と形状とを持った複数の設計キューブを配置すると共に連結することで間取りの設計と同時に立体的な設計を行うことが可能であり、且つ設計キューブを配置してゆく過程で、或いは全ての設計キューブを連結した後、間取りの確認や立体形状の確認を行うことが可能となり、完成した住宅の外観上の問題点の有無を確認して問題が生じるような場合には、短時間で再配置を行うことが可能となる。
【0080】
予め抽出した設計キューブを連結して目的の住宅の間取りと外観形状の設計が終了して住宅模型30が設定された後、図4に示すように、斜線定規31を用いて、北側斜線,道路斜線の確認による法規チェックを行う。これにより、住宅模型30の敷地図26に於ける位置を確定することが可能となる。
【0081】
また上記斜線定規31と同様な形状を持ち斜線部分の角度が冬至に於ける太陽の高さに対応させた採光定規(図示せず)を形成しておき、更に、住宅模型30と隣家の立体模型を並列させておき、隣家の屋根部分に採光定規をあてることで、隣家の影響を受ける採光状態の確認を行うことも可能である。
【0082】
上記手順を経ることで、目的の住宅の間取りと外観形状を持った住宅模型30を形成すると共に、住宅模型30の敷地図26に於ける建築位置の設計を行うことが可能である。従って、図5に示すように、敷地図26と住宅模型30との位置関係や、住宅の外観形状を確認し、建築される住宅の間取りや形状を立体的に把握することが可能となる。
【0083】
従って、図5に示すように、設計キューブを配置することによって間取りの設計と同時に外観形状の設計を行った後、目的の住宅の設計図面を作成することが可能であり、この設計図面では、手直しのない、且つ模型やパース(透視図)を作成する必要がない。
【実施例3】
【0084】
上記住宅模型30は、陸屋根を持つ住宅として形成されている。しかし、実際に建築される住宅は必ずしも陸屋根に限定されるものではない。このため、図6に示すように、寄棟屋根を構成するの各部分に対応する下り棟模型41,棟模型42,谷棟模型43を作成しておき、これらの各模型41〜43を選択して住宅模型30の上部に配置すると共に互いに連結することで、図7(a)に示す寄棟屋根45、同図(b)に示す寄棟屋根46を持った住宅模型を形成することが可能である。
【0085】
各模型41〜43は、住宅に設定されたモジュールを設計キューブを構成する立体模型と同じ縮率で縮小した寸法に基づいてモジュールの整数倍の寸法を有して形成されている。例えば下り棟模型41は両流れ方向の寸法が2135mm〜9150mmの間でモジュール寸法の整数倍のものが用意され、且つ片流れ方向は予め設定された屋根勾配に対応する寸法を持って形成されている。また棟模型42は両流れ方向の寸法が2135mm〜9150mmの間でモジュール寸法の整数倍で、棟方向の寸法が915mm〜18300mmの間でモジュール寸法の整数倍の寸法を持って形成されている。また谷棟模型43は両流れ方向の寸法が2135mm〜9150mmの間でモジュール寸法の整数倍で、棟方向は予め設定された屋根勾配に対応する寸法を持って形成されている。
【0086】
各模型41〜43は、木製であっても良く、またアクリル樹脂板のように透明な合成樹脂板を接着して構成されていても良い。また各模型41〜43の互いに対向する面、或いは住宅模型30を構成する設計キューブと対向する下面には、該設計キューブに設けた連結手段と同じ連結手段が設けられており、該連結手段を利用して互いに連結し得るように構成されていることが好ましい。更に、各模型41〜43の所定位置、例えば庇に対応する部分或いは連結手段が設けられた面には住宅に設定されたモジュールに対応させてモジュールマークを形成しておくことが好ましい。
【0087】
上記の如き寸法を持った各模型41〜43を用いることで、図7に示す寄棟屋根45,46及び図示しない他の形状を持った寄棟屋根を構成することが可能である。
【0088】
即ち、同図(a)に示すように単純な形状を持った寄棟屋根45を構成する場合、予め庇の出寸法を想定しておき、住宅模型30の平面寸法と庇の出寸法とを加えた寸法を持った二つの下り棟模型41と、一又は複数の棟模型42を選択し、棟模型42を挟んで二つの下り棟模型41を配置すると共に連結することで良い。
【0089】
上記の如くして構成された寄棟模型45を、例えば対象となる住宅模型30の上部に載置することによって、図5に示す陸屋根の住宅模型30を寄棟屋根45を持つ住宅として構成することが可能である。
【0090】
同図(b)に示すようにL字状の寄棟屋根46であって直交する各方向の棟に於ける流れ方向の寸法が異なる寄棟屋根を構成する場合、図に於ける縦方向の寄棟屋根に対応させて二つの下り棟模型41と一又は複数の棟模型42を選択すると共に、横方向の寄棟に対応させた一つの下り棟模型41,棟模型42,谷模型43を選択し、縦方向の寄棟屋根に対応させた棟模型42を挟んで下り棟模型41を配置すると共に連結して縦方向の寄棟屋根を形成し、該寄棟屋根の一方の端部側に横方向の寄棟屋根に対応させた谷模型43を連結すると共に、該谷模型43に棟模型42,下り棟模型41を連結することで可能である。
【0091】
上記の如く、下り棟模型41,棟模型42,谷模型43を利用することで、直線状の、或いはL字状の、更に、異なる平面形状の寄棟屋根の立体的な模型を形成することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の設計キューブは、住宅を構成する単位空間が縮小されると共に必要な機能がレイアウトされているので、積み木感覚で住宅を設計することが可能である。この設計キューブを利用した設計方法では、設計キューブを組み合わせることで間取りと住宅の外観形状を設計しつつ確認することが可能となり、顧客に提示して認識を深めるために利用したり、住宅設計の経験の少ない技術者のための教育ツールとして利用することが可能となり、有利である。
【0093】
また本発明の設計キューブは、特に同一のモジュールや階高を有する住宅を量産する工業化住宅に於いて、全ての住宅の設計を単一の立体模型で行うことが可能であり、好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】代表的な設計キューブの例を説明する図である。
【図2】目的の住宅の設計を進める手順を説明する図である。
【図3】目的の住宅の設計を進める手順を説明する図である。
【図4】目的の住宅の設計を進める手順を説明する図である。
【図5】目的の住宅の設計を進める手順を説明する図である。
【図6】寄棟屋根を構成する各部分に対応する模型の形状を説明する図である。
【図7】寄棟屋根の例を説明する図である。
【符号の説明】
【0095】
A〜E 設計キューブ
1〜4 立体模型
1a〜4a 底面
1b〜4b 上面
1c〜1f〜4c〜4f 側面
11〜15 レイアウト板
20 モジュールマーク
21 面ファスナー
25 グリッド図
25a グリッド
26 敷地図
30 住宅模型
31 斜線定規
41 下り棟模型
42 棟模型
43 谷棟模型
45,46 寄棟屋根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位空間からなる住宅を設計するための住宅設計キューブであって、住宅を構成する単位空間を縮小した立体型に形成され且つ所定位置に他の部材に着脱可能に連結するための連結手段が設けられた立体模型と、前記立体模型の対象となる単位空間のレイアウトが表示された複数のレイアウト板と、を有し、前記立体模型又はレイアウト板に住宅に設定されたモジュールに対応させた位置にモジュールマークを形成すると共に、前記複数のレイアウト板の中から目的の単位空間の機能に応じたレイアウトを有するレイアウト板を選択して前記立体模型の底面に取り付けることを特徴とする住宅設計キューブ。
【請求項2】
透明樹脂板を立体的に接着して構成することを特徴とする請求項1に記載した住宅設計キューブ。
【請求項3】
前記連結手段が、面ファスナーであることを特徴とする請求項1又は2に記載した住宅設計キューブ。
【請求項4】
前記レイアウト板が透明フィルムからなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載した住宅設計キューブ。
【請求項5】
目的の住宅を構成するのに必要な形状で用途に応じたレイアウト板を取り付けた複数の住宅設計キューブを選択し、選択された複数の住宅設計キューブを連結手段を介して連結することで間取りの配置を行うと共に外観形状を認識する作業を行い、必要に応じて、前記連結された複数の住宅設計キューブを解体して再度連結することで間取りの再配置を行うと共に外観形状を認識する作業を行うことを特徴とする住宅の設計方法。
【請求項6】
予め住宅に設定されたモジュールを請求項1に記載した立体模型の縮小率と同じ縮小率で縮小したグリッドを記載したグリッド図と、目的の住宅を建築する敷地を記載した敷地図と、を有し、前記グリッド図と敷地図とを重ね合わせると共に敷地図の内部に、目的の住宅を構成するのに必要な形状で用途に応じたレイアウト板を取り付けた複数の住宅設計キューブを選択して選択された複数の住宅設計キューブを連結手段を介して連結して配置することで、間取りの設計を行うと共に外観形状を認識する作業を行い、必要に応じて、前記連結された複数の住宅設計キューブを解体して再度連結することで間取りの再配置を行うと共に外観形状を認識する作業を行うことを特徴とする住宅の設計方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−293059(P2006−293059A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−114396(P2005−114396)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(303046244)旭化成ホームズ株式会社 (703)
【Fターム(参考)】