説明

体、及びコイル状搬送物の輸送方法

本発明は、輸送容器に対してコイル状搬送物を傷つけることなく容易かつ計画的に効率良く搬送できると共に、輸送コストを抑えてコイル状搬送物を輸送することができ、更に保管のためのスペース効率を向上させ得る多品種少量品の輸送に適したコイル状搬送物用のパレット等を提供することを目的とする。本パレットP1は、コイル状搬送物Cを積載した状態で輸送容器(コンテナA)内に収容されるコイル状搬送物用のパレットP1であって、パレット本体1と、パレット本体に設けられ且つ他のパレットP1を上下方向に段積み支持するための段積み支持手段5と、を備えると共に、パレット本体1が、搬送物の軸方向の端面側を載置可能な載置部3と、載置部の外周側に配設され且つ複数の搬送物を千鳥状配列させるための当接部2と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、コイル状搬送物用のパレット、パレットへのコイル状搬送物の積載構造体、搬送物積載パレットの段積構造体及び使用方法、輸送容器への搬送物積載段積パレットの収容構造体及び搬送方法、並びにコイル状搬送物の輸送方法に関する。本発明は、更に詳しくは、輸送容器に対してコイル状搬送物を傷つけることなく容易かつ計画的に効率良く搬送できると共に、輸送コストを抑えてコイル状搬送物を輸送することができ、更に保管のためのスペース効率を向上させ得る多品種少量品の輸送に適したコイル状搬送物用のパレット、パレットへのコイル状搬送物の積載構造体、搬送物積載パレットの段積構造体及び使用方法、輸送容器への搬送物積載段積パレットの収容構造体及び搬送方法、並びにコイル状搬送物の輸送方法に関する。
【背景技術】
コイル状に巻かれた状態で取扱われる線材(以下、コイル状線材と記載する。)としては、一般素材(例えば、快削鋼等)からなる2t程度の重量のもの(最大外径:約1200〜1400mm、軸方向長さ:約1300mm)と、高級素材(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム等)からなる1t程度の重量のもの(最大外径:約1200〜1400mm、軸方向長さ:約650mm)との2種類が一般的にある。そして、これらのコイル状線材は、通常、搬送手段としてフォークリフトやクレーン等を用いて搬送される。
上記コイル状線材の輸送方法としては、海上輸送を行う場合は在来船を用いたばら荷による方法が多い。この輸送方法では、傷や錆を防止するために防錆紙やビニールシート等を用いて一つ一つのコイル状線材を厳重に梱包し、それら梱包済みのコイル状線材を単位に荷役が行われている。
しかし、ばら荷を扱う貨物船による輸送方法では、一度に大量の荷を輸送するため、輸送された大量の荷を一時的に保管するための大きな空間(倉庫等)が必要であった。また、輸送手段が変わるたびに荷物の固定(ラッシングという)等の手間が必要であった。さらに、比較的厳重に梱包されていてもコイル状線材に傷がついてしまうこともあった。
そこで、少量のコイル状線材の輸送に適した方法としてコンテナ輸送が知られている(例えば、特開平11−227677号公報参照。)。このコンテナ輸送では、コンテナ単位で扱うことによる荷役時間及び輸送期間の短縮、輸送前後におけるコイル状線材の保管空間の省スペース化等の利点がある。
しかし、上述のコンテナ輸送では、コンテナ内へコイル状線材をフォークリフト等の搬送手段で搬送(いわゆるバンニング、又はデバンニング)する際、フォークリフトの爪部でコイル状線材を傷つけたり、また、コイル状線材をコンテナ内壁や床面にぶつけて傷つけたりすることがあった。また、コンテナへの搬入作業は現物合わせで行われ、搬送予定の全対象品がコンテナ内に入りきらない場合があった。
また、コンテナ内に収納されるコイル状線材は、その軸方向を横向きにした状態(いわゆる、Eye to wall)でコンテナ床面上に載置され、即ち、コイル状線材の周面側がコンテナ床面に載置されるため、上述の貨物船輸送と同様にして、傷や錆を防止するために防錆紙やビニールシート等を用いてコイル状線材の全体を厳重に梱包する必要があった。また、コンテナ内に収納されるコイル状線材は、転がりや移動を防止するために、コンテナの床面や内壁等に対してロープや木材等を用いて固定する必要があった。さらに、コンテナ内に収納されるコイル状線材は、横置きされると共に潰れや損傷を考慮して段積み積載されていないため、コンテナへの積載効率が極めて悪いものとなっていた。特に、高級素材からなるコイル状線材は、一般素材からなるものに比べ、コンテナに収容される収容個数が多くしかも傷つき易いため、上述の梱包作業及び固定作業が煩雑であり、かつ積載効率も悪いものであった。以上のような様々な要因によってコイル状線材のコンテナ輸送は輸送コストが高額なものとなっていた。
尚、上述のように、コンテナ輸送で生じる問題は、例えば、トラックや貨車等による陸上輸送においても同様に発生する。
さらに、コイル状搬送物の製造メーカ、物流センター、加工メーカ等においてコイル状搬送物を保管する場合であっても、上述のように、コイル状搬送物が軸方向を横向きにして床面等に直接的に載置され、更にコイル状搬送物同士が直接的に段積みされているので、保管時にコイル状搬送物に傷がつくこと、及び広大な保管空間を必要とする等の問題があった。特に、高級素材からなるコイル状搬送物では、横置きで3段以上の段積みが実質できないので、保管空間のスペース効率が極めて悪いものとなっていた。
また、従来のコンテナ輸送では、取扱い易さの異なる、一般素材からなるコイル状搬送物と高級素材からなるコイル状搬送物とを1つのコンテナ内に混載しておらず、多品種少量品の輸送に対応できていなかった。その結果、輸送先でのコイル状搬送物の在庫数が増え、また大きな保管スペースも必要であった。
また、コイル状線材の加工メーカでは、通常、巻ほぐし機構(サプライスタンド機構ともいう。)に支持されたコイル状線材から巻ほぐされる線材に所定の加工(例えば、引き抜き加工等)が施される。そして、軸方向を横向き状態で保管されるコイル状搬送物を、そのままの姿勢で搬送手段(例えば、フォークリフト等)によって専用パレット(専用冶具)に位置決めセットし、この専用パレットと共にコイル状搬送物を、その軸方向が縦向きとなるように起立させて、上記巻ほぐし機構を構成する垂直支持軸に装着させている。しかし、専用パレットと共にコイル状搬送物を起立させる際に、コイル状搬送物が損傷してしまうことがあった。
発明の概要
本発明は、上記問題を解決しようとするものであって、輸送容器に対してコイル状搬送物を傷つけることなく容易かつ計画的に効率良く搬送できると共に、輸送コストを抑えてコイル状搬送物を輸送することができ、更にコイル状搬送物の保管のためのスペース効率を向上させ得る多品種少量品の輸送に適したコイル状搬送物用のパレットを提供することを目的とする。また本発明は、上記目的に加え、コイル状搬送物を傷つけることなく巻ほぐし機構にセット支持することができるコイル状搬送物用のパレットを提供することを他の目的とする。
さらに本発明は、上記コイル状搬送物のパレットを用いる、パレットへのコイル状搬送物の積載構造体、搬送物積載パレットの段積構造体及び使用方法、輸送容器への搬送物積載段積パレットの収容構造体及び搬送方法、並びにコイル状搬送物の輸送方法を提供することを他の目的とする。
本発明は、以下に示される。
1.コイル状搬送物を積載した状態で輸送容器内に収容されるコイル状搬送物用のパレットであって、
パレット本体と、該パレット本体に設けられ且つ他のパレットを上下方向に段積み支持するための段積み支持手段と、を備えると共に、前記パレット本体が、前記コイル状搬送物の軸方向の端面側を載置可能な載置部と、該載置部の外周側に配設される当接部と、を有し、
前記輸送容器内に複数の前記パレットを収容した際、複数の前記パレットのうちの隣接するパレットの互いの前記当接部が当接することによって、複数の前記パレットに積載される複数の前記コイル状搬送物が千鳥状に配列されることを特徴とするコイル状搬送物用のパレット。
2.前記パレット本体の中央部に、前記コイル状搬送物を巻ほぐすための巻ほぐし機構を構成する垂直支持軸に挿入可能な中央部挿入空間が形成されている請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
3.前記パレット本体が、該パレット本体の下部に設けられ且つ床面に着地可能な脚体部を有する請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
4.前記パレット本体の下部に、該パレット本体を床面から浮上させて搬送するための搬送手段が挿入可能な下部挿入空間が形成されている請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
5.前記段積み支持手段が、前記載置部に載置された前記コイル状搬送物の横方向への飛出しを防止する飛出し防止部を有する請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
6.前記段積み支持手段が上端受け部及び下端係合部を有し、複数の前記パレットを段積みする際、複数の前記パレットのうちの上下対となる下側の前記パレットの前記上端受け部と、上側の前記パレットの前記下端係合部とが係合される請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
7.前記段積み支持手段が、前記パレット本体に取着される上下方向に延びる複数の段積基材よりなる請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
8.前記載置部が、水平面内に配設される複数の載置基材よりなる請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
9.前記当接部が、多角リング状に形成されている請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
10.前記輸送容器がコンテナである請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
11.前記コイル状搬送物が、線材又は板材をコイル状に巻回してなる請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
12.前記コイル状搬送物の直径が、前記輸送容器の横幅の1/2より大きな値に設定されていると共に、該コイル状搬送物の軸方向長さが、前記輸送容器の高さの1/2より小さな値に設定されている請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
13.請求項1記載のパレットと、該パレットに軸方向を縦向きにして積載される前記コイル状搬送物と、を備えることを特徴とするパレットへのコイル状搬送物の積載構造体。
14.複数の請求項13記載の積載構造体を上下に段積みしてなることを特徴とする搬送物積載パレットの段積構造体。
15.輸送容器と、該輸送容器内に収容される請求項14記載の段積構造体と、を備える輸送容器への搬送物積載段積パレットの収容構造体であって、
前記輸送容器内に収容される複数の前記コイル状搬送物が千鳥状に配列されていることを特徴とする輸送容器への搬送物積載段積パレットの収容構造体。
16.更に、前記輸送容器内に収容され且つ他のパレットが段積みされていない搬送物積載単段パレットを備える請求項15記載の輸送容器への搬送物積載段積パレットの収容構造体。
17.請求項14記載の段積構造体を、前記輸送容器内に対して搬送することを特徴とする輸送容器への搬送物積載段積パレットの搬送方法。
18.請求項14記載の段積構造体を前記輸送容器内へ搬入する搬入工程と、前記搬入工程により所定数の前記コイル状搬送物を収容した前記輸送容器を目的地へ輸送する輸送工程と、前記輸送工程により目的地まで輸送された前記輸送容器から前記段積構造体を搬出する搬出工程と、を備えることを特徴とするコイル状搬送物の輸送方法。
19.請求項13記載の積載構造体を、巻ほぐし機構を構成する垂直支持軸に上方より挿通して該巻ほぐし機構に支持させることを特徴とする搬送物積載パレットの使用方法。
本発明のコイル状搬送物用のパレットによると、載置部によって、コイル状搬送物が軸方向を縦向き状態(いわゆるEye to sky)としてパレットからはみ出すことなく積載される。また、段積み支持手段によって、複数の搬送物積載パレットが上下に段積み支持され、複数のコイル状搬送物が上下に段積みされる。さらに、輸送容器内に複数のパレットを収容した際、隣接するパレットの当接部同士が当接することによって、輸送容器を平面からみると複数のコイル状搬送物が千鳥状に配列される。
このようなパレットを介して輸送容器に対してコイル状搬送物を搬送できるので、搬送手段がコイル状搬送物に直接的に接触することがなく、更に、搬送中に目測を誤っても、輸送容器の内壁や床面等へは当接部が当接し、コイル状搬送物が直接的に接触しない。従って、輸送容器に対してコイル状搬送物を傷つけることなく容易かつ計画的に効率良く搬送することができる。また、コイル状線材の厳重な梱包を必要とせず、また輸送容器内でのコイル状搬送物の固定作業を必要最小限(基本的には必要としない。)とすることができ、さらに輸送容器へのコイル状搬送物の積載効率を向上させることができる。その結果、輸送コストを抑えてコイル状搬送物を輸送することができる。さらに、コイル状搬送物の保管のためのスペース効率を向上させることができる。
また、前記パレット本体の中央部に、前記コイル状搬送物を巻ほぐすための巻ほぐし機構を構成する垂直支持軸に挿入可能な中央部挿入空間が形成されている場合は、搬送物積載パレットを、その挿入空間を介して巻ほぐし機構の垂直支持軸に上方より挿入でき、パレットと共にコイル状搬送物を巻ほぐし機構にセット支持できる。その結果、コイル状搬送物を傷つけることなく巻きほぐし機構に支持でき、そのコイル状搬送物から巻ほぐされる線材又は板材等に所定の加工を施すことができる。
また、前記パレット本体が、該パレット本体の下部に設けられ且つ床面に着地可能な脚体部を有する場合は、搬送し易いパレットを提供できる。
さらに、前記パレット本体の下部に、該パレット本体を床面から浮上させて搬送するための搬送手段が挿入可能な下部挿入空間が形成されている場合は、その挿入空間に挿入される搬送手段によって、パレット本体を床面から浮上させた状態で容易に搬送することができる。
また、前記段積み支持手段が、前記載置部に載置された前記コイル状搬送物の横方向への飛出しを防止する飛出し防止部を有する場合は、コイル状搬送物の横方向への飛出しを確実に防止できる。
また、前記段積み支持手段が上端受け部及び下端係合部を有し、複数の前記パレットを段積みする際、複数の前記パレットのうちの上下対となる下側の前記パレットの前記上端受け部と、上側の前記パレットの前記下端係合部とが係合される場合は、複数用意されるパレットのうちの任意のパレットを任意の順序でもって上下に段積み支持できる。
また、前記段積み支持手段が、前記パレット本体に取着される上下方向に延びる複数の段積基材よりなる場合は、より軽量でかつ高強度を有するパレットを提供でき、輸送容器の積載効率をより向上させ得る。
また、前記載置部が、水平面内に配設される複数の載置基材よりなる場合は、より軽量でかつ高強度を有するパレットを提供でき、輸送容器の積載効率をより向上させ得る。
さらに、前記当接部が、多角リング状に形成されている場合は、より軽量でかつ高強度を有するパレットを提供でき、輸送容器の積載効率をより向上させ得る。
また、前記輸送容器がコンテナである場合は、コイル状搬送物をより好適に搬送・輸送できる。
また、前記コイル状搬送物が、線材又は板材をコイル状に巻回してなる場合は、このようなコイル状搬送物をより好適に搬送・輸送できる。
さらに、前記コイル状搬送物の直径が、前記輸送容器の横幅の1/2より大きな値に設定されていると共に、該コイル状搬送物の軸方向長さが、前記輸送容器の高さの1/2より小さな値に設定されている場合は、このコイル状搬送物を確実に段積みできると共に、輸送容器を平面からみると複数のコイル状搬送物を2列で千鳥状配列させることができる。
本発明のパレットへのコイル状搬送物の積載構造体によると、コイル状搬送物が軸方向を縦向き状態としてパレットに積載される。そして、このような積載構造体(搬送物積載パレット)を上下に複数段積み支持すれば、複数のコイル状搬送物が上下に段積みされる。さらに、このような段積構造体を輸送容器内に収容すれば、輸送容器を平面からみると複数のコイル状搬送物が千鳥状に配列される。その結果、輸送容器に対してコイル状搬送物を傷つけることなく容易かつ計画的に効率良く搬送することができると共に、輸送コストを抑えてコイル状搬送物を輸送することができる。さらに、コイル状搬送物の保管のためのスペース効率を向上させることができる。
本発明の搬送物積載パレットの段積構造体によると、複数の積載構造体が上下に段積み支持され、複数のコイル状搬送物が上下に段積みされる。また、このような段積構造体(搬送物積載段積パレット)を輸送容器内に収容すれば、輸送容器を平面からみると複数のコイル状搬送物が千鳥状に配列される。その結果、輸送容器に対してコイル状搬送物を傷つけることなく容易かつ計画的に効率良く搬送することができると共に、輸送コストを抑えてコイル状搬送物を輸送することができる。さらに、コイル状搬送物の保管のためのスペース効率を向上させることができる。
本発明の輸送容器への搬送物積載段積パレットの収容構造体によると、輸送容器内に段積構造体が収容され、輸送容器を平面からみると複数のコイル状搬送物が千鳥状に配列されている。その結果、輸送容器に対してコイル状搬送物を傷つけることなく容易かつ計画的に効率良く搬送することができると共に、輸送コストを抑えてコイル状搬送物を輸送することができる。さらに、コイル状搬送物の保管のためのスペース効率を向上させることができる。
また、前記輸送容器内に収容され且つ他のパレットが段積みされていない搬送物積載単段パレットを備える場合は、材質・大きさ等の異なる異種のコイル状搬送物を輸送容器内に混載でき、多品種少量品の輸送に対応できる。その結果、輸送先におけるコイル状搬送物の在庫数及び保管スペースを極力低減できる。
本発明の搬送物積載段積パレットの搬送方法によると、段積構造体が輸送容器内へ搬入、又は輸送容器内から搬出される。その結果、輸送容器に対してコイル状搬送物を傷つけることなく容易かつ計画的に効率良く搬送することができると共に、輸送コストを抑えてコイル状搬送物を輸送することができる。さらに、コイル状搬送物の保管のためのスペース効率を向上させることができる。
本発明のコイル状搬送物の輸送方法によると、段積構造体が輸送容器内へ搬入され、その後、所定数のコイル状搬送物が収容された輸送容器が目的地へ輸送され、次に、目的地まで輸送された輸送容器から段積構造体が搬出される。その結果、輸送容器に対してコイル状搬送物を傷つけることなく容易かつ計画的に効率良く搬送することができると共に、輸送コストを抑えてコイル状搬送物を輸送することができる。さらに、コイル状搬送物の保管のためのスペース効率を向上させることができる。
本発明の搬送物積載パレットの使用方法によると、積載構造体が、巻ほぐし機構を構成する垂直支持軸に上方より挿通され巻ほぐし機構にセットされる。従って、パレットと共にコイル状搬送物を巻ほぐし機構にセット支持させることができる。その結果、コイル状搬送物を傷つけることなく巻ほぐし機構に支持でき、そのコイル状搬送物から巻ほぐされる線材又は板材等に所定の加工を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本実施例に係るコイル状搬送物用のパレットの平面図である。
第2図は、第1図のII矢視図である。
第3図は、パレットの斜視図である。
第4図は、パレットを下方よりみた要部斜視図である。
第5図は、段積み支持手段の支持形態を説明するための斜視図である。
第6図は、パレットに補強部材を装着した状態を示す斜視図である。
第7図は、パレットを段積みした状態を示す斜視図である。
第8図は、パレットの段積作用を説明するための説明図である。
第9図は、コンテナへの搬送物の収容作用を説明するための説明図である。
第10図は、コンテナへの搬送物の収容作用を説明するための説明図である。
第11図は、コンテナへの搬送物の収納形態を説明するための説明図である。
第12図は、コンテナへの搬送物の収納形態を説明するための説明図である。
第13図は、コンテナへの搬送物のその他の収納形態を説明するための説明図であり、(a)は単段パレットを混載した形態を示し、(b)は4段積みパレットを混載した形態を示す。
第14図は、搬送物積載パレットの使用形態を説明するための説明図であり、(a)は垂直支持軸に上方より搬送物積載パレットを挿入する直前の状態を示し、(b)は巻ほぐし機構に搬送物積載パレットをセット支持した状態を示す。
第15図は、段積み支持手段のその他の形態を説明するための説明図である。
【発明の開示】
本発明について以下に詳しく説明する。
(パレット)
本実施形態に係るコイル状搬送物用のパレットは、以下に述べるパレット本体、及び段積み支持手段を備えて構成される。このパレットは、例えば、コイル状搬送物とは異なる搬送物(例えば、平板状搬送物等)を積載するための積載手段を有することができる。
上記「パレット本体」は、載置部及び当接部を有する限り、その構造、形状、材質等は特に問わない。このパレット本体は、通常、その下部に設けられ且つ床面に着地可能な脚体部を有している。この脚体部は、例えば、1つ又は2以上の脚体基材(例えば、パイプ材、棒材、ブロック材、板材等)により構成されることができる。
また、上記パレット本体の下部に、例えば、搬送手段が挿入可能な下部挿入空間が形成されていることができる。この下部挿入空間は、例えば、パレット本体の前後左右の4側方のうち少なくとも1方側が開放された空間であることができる。搬送手段の搬送自由度を向上させ得るといった観点から、下部挿入空間が、パレット本体の前後左右の4側方の全てを開放した空間であることが好ましい。
尚、上記搬送手段は、下部開放空間に挿入してパレット本体を床面から浮上させた状態で搬送し得る限り、その種類、構造等は特に問わない。この搬送手段としては、例えば、フォークリフト、空気浮上式搬送装置、滑動式搬送装置、吊下げ搬送装置等を挙げることができる。
また、上記パレット本体の中央部に、例えば、巻ほぐし機構を構成する垂直支持軸に挿入可能な中央部挿入空間が形成されていることができる。この中央部挿入空間は、通常、上下方向に貫通した空間である。また、この中央部挿入空間の形状は、特に限定しないが、例えば、垂直支持軸の直径より僅かに大きな直径を有する円形空間であることができる。
尚、上記下部挿入空間及び中央部挿入空間は、搬送手段を挿入するための空間である他に、コイル状搬送物をパレットに固定するための固定部材(バンド等)を挿入するための空間としたり、その他の任意の用途に用いる空間としたりできる。
また、上記パレット本体は、例えば、前記コイル状搬送物が積載されない場合に、上下に他のパレットのパレット本体を積重ね可能であることができる。これにより、多数の空のパレットを積み重ねて返却でき、また空のパレットの保管スペースを低減できる。
上記「巻ほぐし機構」は、軸方向を縦向き状態としてコイル状搬送物を巻ほぐし可能に支持し得る限り、その構造、用途等は特に問わない。この巻ほぐし機構は、通常、所定の加工ライン(例えば、引抜加工ライン等)の最上流側に配設される。また、この巻ほぐし機構を構成する支持軸は、例えば、水平位置と垂直位置との間で傾倒自在な可倒式であったり、傾倒不可な固定式であったりできる。
尚、上記加工ラインでは、例えば、コイル状搬送物から巻ほぐされる線材に所定の加工を施して、電子機器(例えば、プリンタ、コンピュータ等)の軸部品(例えば、駆動軸等)が製造される。このような電子機器の軸部品は、防錆性等の観点から、ステンレス鋼製であることが好ましい。
上記「載置部」は、軸方向を縦向き状態としてコイル状搬送物を載置し得る限り、その構造、形状、材質等は特に問わない。この載置部は、通常、上記パレット本体の上部に設けられている。また、この載置部は、例えば、コイル状搬送物の軸方向の端面形状と略同じ形状の1つの載置部材(例えば、板材等)により構成されることができる。より軽量でかつ強高度のパレットを提供し得るといった観点から、この載置部が、同じ高さの水平面内に配設される複数の載置基材(例えば、パイプ材、棒材、ブロック材、板材等)により構成されることが好ましい。また、この載置部は、例えば、コイル状搬送物の軸方向の端面側を支持する弾性部材を有することができる。これにより、コイル状搬送物をより確実に傷つけることなく載置支持できる。
上記「当接部」は、上記載置部の外周側に配設される限り、その構造、形状、材質等は特に問わない。この当接部は、通常、輸送容器の内壁及び他のパレットの当接部に当接可能である。そして、輸送容器内に収納される複数の上記パレットのうち隣接するパレットの当接部同士が当接することによって、複数のパレットに積載された複数のコイル状搬送物が輸送容器を平面からみて千鳥状に配列されるようになっている。また、この当接部は、例えば、1つ又は2以上の当接基材(例えば、パイプ材、棒材、ブロック材、板材等)により多角リング状(好ましくは、正8角リング状)に形成されていることができる。また、この当接部は、例えば、着脱自在に取着されるスペーサ部材を有することができる。これにより、輸送容器内に収容された隣接するコイル状搬送物のピッチ間隔を微調整することができる。
尚、上記「千鳥状に配列」とは、複数列で構成され、隣り合う列ごとのピッチが列方向に位相をずらして配列される状態を意味する。
ここで、上記パレット本体は、例えば、後述の実施例で示すように、複数の当接基材を枠組みしてなる正8角リング状の当接部と、この当接部に基端側が取着され且つ中心方向に向かって延びる複数の載置基材からなる載置部と、この当接部に基端側が取着され且つ下方に向かって延びる複数の脚体基材からなる脚体部と、を有することができる。これにより、さらに軽量でかつ高強度なパレットを提供することができる。
上記「段積み支持手段」は、パレット本体に設けられ且つ他のパレットを上下方向に段積み支持するためのものである限り、その構造、形状、材質等は特に問わない。この段積み支持手段は、例えば、パレット本体に取着される上下方向に延びる1又は2以上の段積基材(例えば、パイプ材、棒材、ブロック材、板材等)よりなることができる。この基材は、例えば、上記載置部の内周側及び/又は外周側に配設されることができる。また、この段積み支持手段は、例えば、上端受け部(例えば、凸部、凹部等)及び下端係合部(例えば、凹部、凸部等)を有し、段積み状態の複数のパレットのうちの上下対となる下側のパレットの上端受け部と上側のパレットの下端係合部とが係合(好ましくは、上下方向に挿脱自在に係合)されることができる。また、この段積み支持手段は、例えば、上記複数の段積基材の上端側を連結する連結部材(例えば、パイプ材、棒材、ブロック材、板材等)を有することができる。これにより、より軽量でかつ高強度のパレットを提供することができる。さらに、この段積み支持手段は、例えば、上記複数の段積基材の上端側に設けられ且つ吊下げ搬送手段(例えば、クレーン等)で吊下げ支持するためのフック部を有することができる。
また、上記段積み支持手段は、例えば、上記載置部に載置されたコイル状搬送物の横方向への飛出しを防止する飛出し防止部を有することができる。この飛出し防止部は、例えば、コイル状搬送物の内周側及び/又は外周側が当接可能であることができる。また、この飛出し防止部は、例えば、弾性材料よりなることができる。これにより、コイル状搬送物をより確実に傷つけることなく横方向への飛出しを防止できる。また、上記段積み支持手段は、例えば、上記パレット本体に対して着脱可能に取着される補強部材を有することができる。この補強部材は、例えば、パレット本体の載置部の外周側に配置される垂直補強基材と、この垂直補強基材の上端側から中心方向に延び且つ上記段積基材の上端側に着脱可能に取着される水平補強基材とを有することができる。これにより、段積み時の荷重を効率良く分散でき、より軽量でかつ高強度のパレットを提供できる。この垂直補強基材及び水平補強基材は、例えば、パイプ材、棒材、ブロック材、板材等よりなることができる。また、上記段積み支持手段は、例えば、高さ調整可能であることができる。これにより、積載されるコイル状搬送物の軸方向長さに応じて段積み支持手段の高さ位置を調整でき、輸送容器の積載効率をより向上させることができる。また、この段積み支持手段は、例えば、上述の脚体部、載置部、当接部等を兼用するものであることができる。
上記「コイル状搬送物」は、円筒状製品あるいは円柱状製品である限り、その材質、大きさ、用途等は特に問わない。このコイル状搬送物は、例えば、線材又は板材をコイル状に巻き回してなることができる。この線材又は板材の材質としては、例えば、快削鋼製、ステンレス鋼製、アルミニウム製、合成樹脂製、繊維製、紙製等を挙げることができる。また、このコイル状搬送物は、その直径が、輸送容器の横幅の1/2より大きな値に設定されていると共に、その軸方向長さが、輸送容器の高さの1/2より小さな値に設定されていることができる。
上記「輸送容器」は、複数のパレットを収容可能である限り、その構造、形状、材質等は特に問わない。この輸送容器としては、例えば、コンテナ、コンテナ様の収容容器を備えるトラック若しくは貨車(即ち、コンテナ様の収容容器がトラック若しくは貨車のシャシ上に固定されているもの)等が挙げられる。上記コンテナとしては、例えば、オープントップコンテナやフラットコンテナ等の特殊コンテナを挙げることができるが、この特殊コンテナに対して、保有数が高く、安価であり、確保も容易であり、さらに気密性に優れるドライコンテナ(より好ましくは、40フィートドライコンテナ。)であることが好ましい。
(搬送物積載パレット)
本実施形態に係るパレットへのコイル状搬送物の積載構造体(図8中に搬送物積載パレットP2として示す。)は、上記パレットに、軸方向を縦向き状態として上記コイル状搬送物を積載して構成される。この搬送物積載パレットは、例えば、コイル状搬送物の製造拠点、物流拠点、加工拠点等で取扱われることができる。
ここで、パレットへのコイル状搬送物の積載方法としては、例えば、(1)吊下げ搬送手段(例えば、クレーン等)により吊下げ搬送されるコイル状搬送物をパレット上に積載する方法、(2)軸方向を横向き状態として支持されるパレットに、上記搬送手段(例えば、フォークリフト等)により持ち上げ搬送されるコイル状搬送物を位置決めセットし、その状態より、反転機によって、コイル状搬送物と共にパレットが軸方向を縦向きとなるように反転させて、コイル状搬送物をパレット上に積載する方法等を挙げることができる。
(搬送物積載段積パレット)
本実施形態に係る搬送物積載パレットの段積構造体(図9中に搬送物積載段積パレットP3として示す。)は、上記搬送物積載パレットを上下に段積みしてなされる。この搬送物積載段積パレットの段積数等は特に問わない。また、この搬送物積載段積パレットは、例えば、コイル状搬送物の製造拠点、物流拠点、加工拠点等で取扱われることができる。
ここで、搬送物積載パレットの段積方法としては、例えば、(1)吊下げ搬送手段(例えば、クレーン等)による吊下げ搬送によって搬送物積載パレットを段積みする方法、(2)上記搬送手段(例えば、フォークリフト等)による持ち上げ搬送によって搬送物積載パレットを段積みする方法等を挙げることができる。
(収容構造体)
本実施形態に係る輸送容器への搬送物積載段積パレットの収容構造体は、上記輸送容器内に1又は2以上の上記搬送物積載段積パレットを収容して構成され、この輸送容器内に収容される複数のコイル状搬送物が輸送容器を平面からみて千鳥状に配列されている。この収容構造体におけるコイル状搬送物の収容個数、千鳥状配列の列数等は特に問わない。
また、この収容構造体は、例えば、輸送容器内に、上記搬送物積載段積パレットに加えて、他のパレットが段積みされていない1又は2以上の搬送物積載単段パレットP4{図13(a)参照}が収容されていることができる。これにより、1つの輸送容器内に異なる材料・大きさ等のコイル状搬送物を混載でき、従来のように、コンテナ単位で同じ材質・大きさ等のコイル状搬送物を収容する場合と比べ、多品種少量生産に適しているといえる。また、この収容構造体は、例えば、コイル状搬送物の製造拠点、物流拠点、加工拠点等の間で輸送手段(例えば、船舶、トラック、貨車等)によって輸送されることができる。
(輸送容器への搬送物積載パレットの搬送方法)
本実施形態に係る輸送容器への搬送物積載段積パレットの搬送方法は、上記搬送手段(例えば、フォークリフト等)によって上記搬送物積載段積パレットを上記輸送容器内へ搬入すること、又は搬送手段によって上記搬送物積載段積パレットを上記輸送容器内から搬出することを特徴とする。この搬送方法は、通常、コイル状搬送物の物流拠点で実施されるが、製造拠点、加工拠点等で実施されることもできる。
尚、その他の搬送方法として、例えば、輸送容器への上記搬送物積載パレットを順次搬入し、この輸送容器内で上記搬送物積載段積パレットをなすようにしてもよい。
(コイル状搬送物の輸送方法)
本実施形態に係るコイル状搬送物の輸送方法は、コイル状搬送物の物流拠点で上記搬送物積載段積パレットを上記輸送容器内へ搬入する搬入工程と、この搬入工程により所定数の上記コイル状搬送物を収容した輸送容器を他の物流拠点(目的地)へ輸送(例えば、海上輸送等)する輸送工程と、他の物流拠点で輸送容器から搬送物積載段積パレットを搬出する搬出工程と、を備える。このような輸送方法では、現地(発送先)の在庫を適切な量に保つための貨物流通管理システムやパレット管理システム(特願2002−281822号参照)等を好適に用いることができる。
(搬送物積載パレットの使用方法)
本実施形態に係る搬送物積載パレットの使用方法は、上記搬送物積載パレットを、上記巻ほぐし機構の垂直支持軸に上方より挿通して線材又は板材を巻ほぐし可能に支持させる。
尚、上記パレットの使用方法としては、例えば、上記パレットを、線材又は板材を巻き取るための巻取装置にセット支持し、このパレット上で線材又は板材を巻き取る方法を挙げることができる。これにより、コイル状搬送物の製造拠点(製造メーカ)で搬送物積載パレットを取扱うことができる。その結果、この製造拠点から加工拠点までの物流の際、コイル状搬送物の直接的なハンドリングをなくしてコイル状搬送物の損傷を極力防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、図面を用いて本発明を実施例により具体的に説明する。
尚、本実施例では輸送容器として、一般に40フィートドライコンテナと称されるコンテナA(図11参照)を例示する。このコンテナAは、内寸法として長さ約12000〜12100mm、横幅W約2300〜2400mm、高さ約2300〜2400mmに設定されている。また、本実施例ではコイル状搬送物として、ステンレス鋼製の線材を所定の巻き数で巻回して重量約1tとなるコイル状搬送物C(以下、単に搬送物Cとも略記する。)を使用する。この搬送物Cは、その直径D(約1200〜1300mm)がコンテナAの横幅Wの1/2以上の値とされ、さらにその軸方向長さ(約650mm)がコンテナの高さの1/2以下の値とされている。
(1)コイル状搬送物用のパレットの構成
本実施例に係るパレットP1は、上記コンテナA内に搬送物Cを収納して輸送するために用いられるものである。この鉄鋼製のパレットP1は、図1〜3に示すように、当接部2、載置部3及び脚体部4からなるパレット本体1と、このパレット本体1に設けられる段積み支持手段5とを備えて構成される。
上記当接部2は、外形寸法が同じ複数(図中8本)の当接基材7(例えば、角パイプ材)を溶着して正8角リング状に形成されている。この当接部2の内周側にはリング材8(例えば、板材)が配設され、この当接部2とリング材8の上面の間には円周方向に沿って所定のピッチ間隔で複数(図中8本)の載置基材9(例えば、角パイプ材)が溶着されている。これら載置部材9の上面にはゴム製の弾性部材10が敷設されて上記載置部3が構成されている。この載置部3は、搬送物Cの軸方向端面側を載置し得るように構成されている。また、当接部2は、コンテナA内に所定数(12個)のパレットP1を収納する際、隣接するパレットP1間で互いに当接し、所定のパレットP1及びそれらに積載される搬送物CがコンテナAを平面からみて千鳥状配列され得るように構成されている(図11参照)。
また、上記当接基材7の夫々の連結箇所には、下方に向かって延びる複数(図中8本)の脚体基材11(例えば、角パイプ材)が設けられている。これら脚体基材11の間には、1つおきの当接基材7に対応して、フォークリフトの爪部Nの挿入を規制する水平方向に延びる複数(図中4本)の規制基材12が溶着されている。そして、これら脚体基材11及び規制基材12が床面に着地する上記脚体部4を構成している。
上記パレット本体1の下部には、前後左右の4側方が開放され且つそれら4側からフォークリフトの爪部Nが挿入可能な下部挿入空間14が形成されている。また、パレット本体1の中央部には、後述の巻ほぐし機構を構成する支持軸より大きな直径を有する中央部挿入空間15が形成されている。
尚、上記下部挿入空間14が前後左右の4側方を開放した空間であるため、フォークリフトによる搬送自由度を向上させている。さらに、規制基材12によって、誤った方向からのフォークリフトの侵入を防止し得るようになっている。
上記段積み支持手段5は、上記リング材8の内週側に溶着され上下方向に延びる複数(図中4本)の段積基材17(例えば、丸パイプ材)を有している。これらの段積基材17の上端側は、連結リング材18(例えば、丸パイプ材)が溶着され互いに連結されている。また、各段積基材17の上端側には、吊下げ搬送手段(例えば、クレーン等)で吊下げ支持するためのフック部材19(例えば、丸棒材)が溶着されている。さらに、各段積基材17の外周には、上記載置部3に載置される搬送物Cの内周側が当接可能な合成樹脂製の弾性パイプ材20が装着されている。
各段積基材17には、図4及び5に示すように、その上端側に上方に向かって先細りして突出する段積用凸部21が設けられ、また、その下端側に下方に向かって拡径して開口する段積用凹部22が設けられている。そして、複数のパレットP1を段積みする際、下側のパレットP1の段積用凸部21と上側のパレットP1の段積用凹部22とが上下方向に挿脱自在に係合するようになっている(図7参照)。
尚、上記段積用凹部22の下端側は、上記脚体基材11及び規制基材12と共に床面に着地し得るように設定されている。
また、上記段積み支持手段5は、図2及び6に示すように、上記パレット本体1に対して係脱自在に取着される複数(図6中4つ)の補強部材24を有している。これら各補強部材24は、一端側が各段積基材17の上端側に挿脱自在に連結される水平補強基材25(例えば、丸パイプ材)を有している。この水平補強基材25の他端側には、上下方向に延びる垂直補強基材26(例えば、丸パイプ材)の上端側が溶着されている。さらに、この垂直補強基材26の外周には、上記載置部3に載置される搬送物Cの外周側が当接可能な合成樹脂製の弾性パイプ材27が装着されている。そして、パレットP1を段積みする際、下側のパレットP1の垂直補強基材26の上端面に、上側のパレットP1の脚体基材11の下端面が載置される。従って、各補強部材24によって、段積み時に下側のパレットP1にかかる荷重が好適に分散されるようになっている(図7参照)。
(2)コンテナへの搬送物積載段積パレットの搬送作用
次に、コンテナA内へコイル状搬送物Cを搬送する作用について説明する。
先ず、クレーン等によって搬送物Cを軸方向を縦向きにしてパレットP1の載置部3に載置して搬送物積載パレットP2とする(図8参照)。そして、複数の搬送物積載パレットP2を用意したら、クレーン等によって一対の搬送物積載パレットP2を上下2段に段積みして搬送物積載段積パレットP3とする(図9参照)。次に、所定数(例えば、12個)の搬送物積載段積パレットP3を用意したら、図10に示すように、スロープ28及びステージ29を介してフォークリフトFによって搬送物積載段積パレットP3をコンテナA内に奥方から順次搬入する。この搬送の際、搬送物積載段積パレットP3を構成する下側のパレットP1の下部挿入空間14には、フォークリフトFの爪部Nが挿入され、搬送物積載段積パレットP3が床面から浮上した状態で搬送されることとなる(図1及び2参照)。その後、最終的に12個の搬送物積載段積パレットP3が収容されたコンテナAは、コンテナトラックT等によって陸上輸送されたり、コンテナ船(図示せず)等によって海上輸送されたりする。
尚、上述の説明は、コンテナAへ搬送物Cを搬入する過程について詳述したが、コンテナAから搬送物Cを搬出する搬出作業は、上述の搬入作業と逆の手順を採用すれば対応することができる。また、上記実施例では、スロープ28及びステージ29を用いてトラックTに搭載されたコンテナ内に搬送物を搬送するようにしたが、これに限定されず、例えば、プラットフォームを介してトラックに搭載されたコンテナ内に搬送物を搬送したり、適宜移載手段(例えば、トラックのサイドリフター、天井クレーン、大型フォークリフト等)によってトラックの荷台から床面に移載されたコンテナ(床置き状のコンテナ)内に搬送物を搬送したりしてもよい。
ここで、所定数の搬送物積載段積パレットP3をコンテナA内に収納した状態において、図11及び12に示すように、各搬送物積載段積パレットP3では、搬送物Cが上下方向に所定の間隔でもって段積み支持されている。また、各搬送物積載段積パレットP3の当接部2がコンテナAの内壁(側壁或いは前後壁)に当接すると共に、隣接する搬送物積載段積パレットP3を構成する上下側のパレットP1の当接部3同士が当接し合うことによって、夫々の搬送物積載段積パレットP1に積載された搬送物Cが、コンテナAを平面からみて千鳥状配列されている。
次に、搬送物積載パレットP2の使用方法について説明する。図14(a)(b)に示すように、コイル状搬送物の加工拠点では、所定の加工ライン(例えば、プリンタの駆動軸の引抜き加工ライン)の最上流側に、搬送物Cを巻ほぐすための巻ほぐし機構30が設けられている。そして、この巻ほぐし機構30を構成する固定式の垂直支持軸31に上方より搬送物積載パレットP2の中央部挿入空間15を挿入して、この巻ほぐし機構30に搬送物積載パレットP2をセット支持する。この状態より、その搬送物Cから線材cを巻ほぐしてこの線材に所定の加工処理が施されることとなる。
(3)実施例の効果
以上のように、本実施例によると、パレットP1を用いたコイル状搬送物Cのコンテナ輸送を実現できる。その結果、コンテナAによって搬送物Cを保護でき、荷役時間及び輸送期間の短縮、輸送前後(現地及び目的地)の保管空間の省スペース化、在庫管理の容易化等が可能となる。そして、パレットP1を使用してコンテナAへ搬送物Cを搬送するようにしているので、搬送物Cにフォークリフトの爪部Nが直接触ることがなく、搬送物Cbの損傷を極力防止できる。また、パレット本体1を構成する載置部3の外周側に当接部2を配設したので、搬送物Cの搬送の際に作業者が運転操作を誤ったとしても、当接部3がコンテナAの内壁や床面に当接するため、搬送物CがコンテナAの内壁や床面に直接ぶつかることを防止でき、搬送物Cの損傷を極力防止できる。さらに、コンテナAへ搬送予定の全対象品を確実に搬送でき、コンテナAへの搬送物Cの搬送を計画的に実施できる。
ここで、パレットを用いない従来のコイル状搬送物の輸送では、搬送手段(フォークリフト、クレーン等)で搬送物を直接触って搬送する機会(ハンドリング回数)が8度程度あった。即ち、コイル状搬送物の製造拠点(製造メーカ等)での梱包▲1▼、トラック等への横持ちしての移載▲2▼、物流拠点(バンニングセンター等)でのバンニング▲3▼、輸送先の物流拠点でのデバンニング▲4▼、トラック等への横持ちしての移載▲5▼、加工拠点(加工メーカ等)でのデバンニング▲6▼、保管▲7▼、専用パレットへの積載▲8▼等の際に、搬送手段で搬送物を直接触って搬送していた。その結果、物流途中で搬送物が損傷してしまう危険性が高いものであった。これに対して、上記実施例では、搬送手段で搬送物を直接触って搬送する機会が、製造拠点でのトラック等への横持ちしての移載▲1▼、物流拠点でのパレットP1への積載▲2▼等の2度のみであり、物流途中での搬送物の損傷をほぼ無くすことができる。さらに、製造拠点において、パレットP1を用いて線材を巻き取るようにすれば、搬送手段が搬送物に直接接触する機会が一度もなく、物流途中でのコイル状搬送物の損傷を完全に無くすことができる。
また、本実施例では、パレット本体1の載置部3に、搬送物Cをその軸方向を縦向き状態で載置するようにしたので、搬送手段で搬送物を直接触ってコンテナAに対して搬送することがなく、更に、コンテナA内に収納された搬送物Cが、コンテナAの内壁や他のパレットP1の搬送物Cに直接接触して傷つくことがなく、これらの搬送物Cをビニールシート等によって厳重に梱包するといった煩雑な作業を省くことができる。
また、本実施例では、パレット本体1の当接部2及び載置部3によって、軸方向を縦向き状態としてコンテナに収容される複数の搬送物Cが互いに前後,左右方向にオーバーラップして千鳥状配列されるようにしたので、従来のように、コイル状搬送物の軸方向を横向きに収納するものに比べ、コンテナAへの積載効率を向上させることができる。さらに、千鳥状配列される複数の搬送物のうち隣接する搬送物の周面同士が接触して傷つきあうことがない。また、段積み支持手段5によってパレットP1が上下に段積み支持され、コンテナA内に収納される各搬送物積載段積パレットP3では、搬送物Cが上下に所定の間隔でもって段積みされるので、上下の搬送物の端面同士が接触して傷つきあうことがない。さらに、コンテナAへの搬送物Cの積載効率を極めて向上させることができる。さらに、上述と同様の理由により、コイル状搬送物の製造拠点、物流拠点、加工拠点等において、パレットP1を用いて搬送物Cの保管空間のスペース効率を極めて向上させることができる。
また、本実施例では、各段積み支持手段5が段積用凸部21及び段積用凹部22を有しているので、複数用意されるパレットP1のうち任意のパレットP1を任意の順序で上下に容易に段積み支持することができる。
また、本実施例では、コンテナA内部に収納される複数の搬送物積載段積パレットP3は、隣接するものの当接部3同士が当接して移動が規制され、荷ずれがない程度に位置決めされる。従って、コンテナAに対するパレットP3の固定作業や取外し作業を必要とせず、搬送物Cの搬送作業を簡易かつ短時間で行うことができる。なお、従来の上記固定作業では、通常、木材を用いて横置き状態の搬送物を固定しており、その木材に含まれる水分の影響で搬送物に結露が付着することを防止するため、搬送物と共に木材もビニールシート等で梱包していた。これに対して、本実施例では、煩雑な結露対策を含む上記固定作業をする必要がない。
また、本実施例では、段積み支持手段5を構成する段積基材17及び垂直補強基材26によって、搬送物Cの横方向への飛び出しを規制するようにしたので、固定バンド等を用いてパレットP1に対して搬送物Cを位置決め固定するといった煩雑な固定作業を必要としない。
また、本実施例では、段積基材17及び垂直補強基材26の外周側に弾性パイプ材20,27を設けると共に、載置部3の上面に弾性部材10を敷設するようにしたので、載置部3に載置される搬送物Cの端面側及び周面側の損傷を極力防止することができる。
また、本実施例では、コイル状搬送物の加工拠点において、搬送物積載パレットP2を巻ほぐし機構30にセット支持するようにしたので、従来のように、巻ほぐし機構に対して、専用冶具を用いて横置き状態の搬送物を縦向きに起こしてセット支持させるものに比べて、搬送物が傷つくことを極力防止できる。
尚、本発明においては、前記具体的な実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、本実施例では、コンテナA内に所定数(12個)の搬送物積載段積パレットP3のみを収容するようにしたが、これに限定されず、例えば、図13(a)に示すように、搬送物積載段積パレットP3に加えて、快削鋼製で重量約2tとなるコイル状搬送物C’(直径:1200mm、軸方向長さ:1300mm)のみを積載してなる搬送物積載単段パレットP4をコンテナA内に混載するようにしてもよい。さらに、例えば、図13(b)に示すように、2段積状の搬送物積載段積パレットP3に加えて、2を超える段積状(図中4段積状)の搬送物積載段積パレットP3’を混載するようにしてもよい。これらにより、多品種少量品に応じたコイル状搬送物の輸送を実現できる。その結果、輸送先での在庫数や保管スペースの低減化を図ることができる。
また、本実施例では、段積み支持手段5を、リング材に取着される所定長さを有する複数の段積基材17により構成したが、これに限定されず、例えば、図15に示すように、パレット本体1にパイプ部材36を取着し、このパイプ部材36内に昇降自在に段積基材37を支持し、この段積基材37をパイプ部材36に対して所望の軸方向位置に留め具で位置決め固定するようにしてもよい。これにより、積載予定のコイル状搬送物Cの大きさ(軸方向長さ)に応じて、段積基材37の高さ位置を調整でき、コンテナA内へのコイル状搬送物の積載効率をより一層向上させることができる。また、パレット本体に対して着脱可能で且つ長さの異なる複数の段積基材を用意し、これらの段積基材のうち、積載予定のコイル状搬送物Cの大きさ(軸方向長さ)に応じて適当な段積基材を選択して、その段積基材をパレット本体に取着してパレットを構成するようにしてもよい。
また、本実施例では、正8角リング状の当接部2を例示したが、これに限定されず、例えば、平板状や箱状の当接部としたり、正12角リング状としたり、辺長さが不均等な8角リング状としたり、更に円形リング状、楕円リング状、異形リング状としたりしてもよい。
さらに、本実施例では、載置部3を、1つのコイル状搬送物Cを載置可能なように構成したが、2以上のコイル状搬送物を載置可能に構成してもよい。
また、本実施例では、コイル状搬送物Cの直径DがコンテナAの横幅Wの1/2より僅かに大きな場合であって、この搬送物CをコンテナA内に効率よく収納させ得る収納形態(2列で千鳥状配列)を例示したが、これに限定されず、例えば、コイル状搬送物の直径がコンテナの横幅の1/3より僅かに大きな場合には、コイル状搬送物をコンテナ内に3列で千鳥状配列させるようにしてもよい。この場合、真中の列のパレットはコンテナの内壁に当接せず、他のパレットへの当接のみによって移動規制されることとなる。
また、本実施例では、同じ大きさ・形状のパレットP1(P2,P3)を使用する形態を例示したが、これに限定されず、異なる大きさ・形状の複数種のパレットP1を組合せて使用してもよい。この場合、細いコイル状搬送物はコンテナ内への積載数を増やすことができるし、太いコイル状搬送物の場合でもパレットからはみ出さないように積載でき、コイルの大きさに応じて適切なパレットを用いて無駄なくコンテナ内へ積載することができる。また、本パレットは実施例に示した40フィートドライコンテナだけではなく、大きさが異なる20フィートドライコンテナ等に対して用いることができるし、オープントップコンテナ等に対して用いることもできる。
尚、参考例としては、上記コイル状搬送物の代わりに非コイル形状、即ち単一成形物等からなる円筒状搬送物や円柱状搬送物等、さらには、一本の棒状搬送物又は棒状体を束ねて得られる集合搬送物等を用いることができる。これらの場合に用いられるパレットの積載部の形状は、使用される搬送物を積載できるものであれば特に問わない。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル状搬送物を積載した状態で輸送容器内に収容されるコイル状搬送物用のパレットであって、
パレット本体と、該パレット本体に設けられ且つ他のパレットを上下方向に段積み支持するための段積み支持手段と、を備えると共に、前記パレット本体が、前記コイル状搬送物の軸方向の端面側を載置可能な載置部と、該載置部の外周側に配設される当接部と、を有し、
前記輸送容器内に複数の前記パレットを収容した際、複数の前記パレットのうちの隣接するパレットの互いの前記当接部が当接することによって、複数の前記パレットに積載される複数の前記コイル状搬送物が千鳥状に配列されることを特徴とするコイル状搬送物用のパレット。
【請求項2】
前記パレット本体の中央部に、前記コイル状搬送物を巻ほぐすための巻ほぐし機構を構成する垂直支持軸に挿入可能な中央部挿入空間が形成されている請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
【請求項3】
前記パレット本体が、該パレット本体の下部に設けられ且つ床面に着地可能な脚体部を有する請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
【請求項4】
前記パレット本体の下部に、該パレット本体を床面から浮上させて搬送するための搬送手段が挿入可能な下部挿入空間が形成されている請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
【請求項5】
前記段積み支持手段が、前記載置部に載置された前記コイル状搬送物の横方向への飛出しを防止する飛出し防止部を有する請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
【請求項6】
前記段積み支持手段が上端受け部及び下端係合部を有し、複数の前記パレットを段積みする際、複数の前記パレットのうちの上下対となる下側の前記パレットの前記上端受け部と、上側の前記パレットの前記下端係合部とが係合される請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
【請求項7】
前記段積み支持手段が、前記パレット本体に取着される上下方向に延びる複数の段積基材よりなる請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
【請求項8】
前記載置部が、水平面内に配設される複数の載置基材よりなる請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
【請求項9】
前記当接部が、多角リング状に形成されている請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
【請求項10】
前記輸送容器がコンテナである請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
【請求項11】
前記コイル状搬送物が、線材又は板材をコイル状に巻回してなる請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
【請求項12】
前記コイル状搬送物の直径が、前記輸送容器の横幅の1/2より大きな値に設定されていると共に、該コイル状搬送物の軸方向長さが、前記輸送容器の高さの1/2より小さな値に設定されている請求項1記載のコイル状搬送物用のパレット。
【請求項13】
請求項1記載のパレットと、該パレットに軸方向を縦向きにして積載される前記コイル状搬送物と、を備えることを特徴とするパレットへのコイル状搬送物の積載構造体。
【請求項14】
複数の請求項13記載の積載構造体を上下に段積みしてなることを特徴とする搬送物積載パレットの段積構造体。
【請求項15】
輸送容器と、該輸送容器内に収容される請求項14記載の段積構造体と、を備える輸送容器への搬送物積載段積パレットの収容構造体であって、
前記輸送容器内に収容される複数の前記コイル状搬送物が千鳥状に配列されていることを特徴とする輸送容器への搬送物積載段積パレットの収容構造体。
【請求項16】
更に、前記輸送容器内に収容され且つ他のパレットが段積みされていない搬送物積載単段パレットを備える請求項15記載の輸送容器への搬送物積載段積パレットの収容構造体。
【請求項17】
請求項14記載の段積構造体を、前記輸送容器内に対して搬送することを特徴とする輸送容器への搬送物積載段積パレットの搬送方法。
【請求項18】
請求項14記載の段積構造体を前記輸送容器内へ搬入する搬入工程と、前記搬入工程により所定数の前記コイル状搬送物を収容した前記輸送容器を目的地へ輸送する輸送工程と、前記輸送工程により目的地まで輸送された前記輸送容器から前記段積構造体を搬出する搬出工程と、を備えることを特徴とするコイル状搬送物の輸送方法。
【請求項19】
請求項13記載の積載構造体を、巻ほぐし機構を構成する垂直支持軸に上方より挿通して該巻ほぐし機構に支持させることを特徴とする搬送物積載パレットの使用方法。

【国際公開番号】WO2004/069672
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【発行日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−567884(P2004−567884)
【国際出願番号】PCT/JP2003/001296
【国際出願日】平成15年2月7日(2003.2.7)
【出願人】(594052674)豊田スチールセンター株式会社 (14)
【Fターム(参考)】