説明

体積測定装置

【課題】短時間で効率良く測定できる上に精度の高い体積測定装置を提供する。
【解決手段】被測定物2を収納して密閉空間を形成する密閉空間形成手段3と、密閉空間の容積を変化させる容積変化手段4と、密閉空間内の気体の圧力を測定する圧力測定手段5と、容積変化手段4を動作させ、容積変化の前後に圧力測定手段5より得られる圧力測定値を基にして被測定物2の体積値を決定する制御部12とを備えた体積測定装置1であって、密閉空間形成手段3が開口部を形成された容器31と、開口部をシール部材33を介して閉止する閉止部材32とを具備し、制御部12が容積変化手段4によって密閉空間の容積を複数段階に分けて増加させ、第1段階の容積変化による密閉空間内の圧力低下後に行う第2段階以降の容積変化の前後で得られた圧力測定値を基にして被測定物2の体積値を決定するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物を入れた密閉容器の容積を変化させ、その際の内部の圧力変化を検出することで被測定物の体積を測定する体積測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、野菜や果物等の品質評価を行うための指標の一つとして密度が用いられている。こうした密度を測定するための方法として、被測定物を液体に浸けて浮力の程度を評価するアルキメデスの方法がある。
【0003】
しかしながら、この方法を用いる場合には、液体量の管理を行うため測定に時間がかかることや、測定後に被測定物の表面に付着した液体を拭き取るために手間がかかること、あるいは被測定物の種類によっては腐敗等の品質低下が生じやすくなること等が問題になる。
【0004】
そのため、液体を用いることなく密度を得るための手法として、被測定物の体積と質量を各々求めて密度を算出することが考えられる。例えば、下記特許文献1においては、液体を用いることなく、気体の圧力変化を利用して被測定物の体積を求める方法が開示されている。
【0005】
このものは、容積一定である測定容器内に存在する固体または液体の体積を測定するため、実質的に密閉状態で気体を測定容器内に挿入または除去することで生じる圧力変化に基づいて固体または液体の体積を測定する方法と、その方法を実現するための測定装置について述べたものである。この装置によれば、簡単な構成でありながら被測定物を液体に浸けることなく体積の測定が可能となり、別途重量を測定すれば密度を求めることができる。
【0006】
そして、この特許文献1において開示されている体積測定装置は、上述した密閉状態を形成するために、表面にシール材を設けたシール機構部をスプリングによる付勢力を利用して測定容器の開口部に対し当接させるように構成している。このような測定容器内の気体の圧力変化を利用した体積測定装置においては、測定容器の内部を確実に密閉状態として外部との間で気体が遮断された状態となっていることが必要とされ、この点が測定精度を向上させるために非常に重要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−26906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の体積測定装置は、測定容器の開口部を閉じるためのシール機構が上述したような簡単なものであって、実際に密閉状態が実現できているか否かが不確実なものになってしまう。例えば、測定容器の開口部とシール機構部との間にゴミを噛み込んでいた場合には、その分隙間が生じて外部に気体が流出または外部より流入可能になってしまう場合が考えられる。
【0009】
また、測定の開始前には密閉状態が形成できていたとしても、測定に際して測定容器の内部に気体を挿入しようとした場合には内部の圧力が上昇するため、スプリングによる付勢力が不十分であると、測定容器の開口部とシール機構部との間に隙間が生じて外部に気体が流出するおそれがある。
【0010】
上記のように、特許文献1にかかる体積測定装置は被測定物を収める測定容器の密閉を確実に行うことができない構成であるために、測定容器の内部の気体の圧力変化を正確に測定することができず測定精度が低くなるとの問題がある。
【0011】
また、上記の問題を避け正確な測定を実施しようとした場合には、測定者は装置準備の際に測定容器の開口部とシール機構部との間に隙間が生じないように、注意深く作業を進めることが必要になるとともに、測定中には測定容器内から外部に対する気体の流出あるいは外部から測定容器内への気体の流入の有無を絶えず注意していなければならない。そのため、準備および測定作業に時間を要することになり、作業効率が落ちるとの問題も生じる。
【0012】
本発明は、このような課題を有効に解決することを目的としており、具体的には、測定作業を短時間で効率良く進めることができる上に、測定精度の高い体積測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0014】
すなわち、本発明の体積測定装置は、被測定物を内部に収めた状態で密閉空間を形成することが可能な密閉空間形成手段と、前記密閉空間の容積を変化させる容積変化手段と、前記密閉空間内の気体の圧力を測定する圧力測定手段と、前記容積変化手段を動作させ、当該容積変化手段による容積変化の前後において前記圧力測定手段より得られる圧力測定値を基にして前記被測定物の体積値を決定する制御部とを備えたものであって、前記密閉空間形成手段が開口部を形成された容器と、前記開口部をシール部材を介して閉止する閉止部材とを具備しており、前記制御部が前記容積変化手段によって前記密閉空間の容積を複数段階に分けて増加させるとともに、第1段階の容積変化によって前記密閉空間内の圧力を低下させた後に行う第2段階以降の容積変化の前後で得られた圧力測定値を基にして前記被測定物の体積値を決定するように構成されていることを特徴とする。
【0015】
このように構成すると、容器の開口部とシール部材および閉止部材との間の密着性が不十分な状態であっても、第1段階の容積変化に伴う密閉空間内の圧力の低下によって、開口部とシール部材および閉止部材との密着性が高まり、密閉空間内部の気体を外部の気体との間でほぼ確実に遮断した状態とすることができる。そして、それ以後に行われる第2段階以降の容積変化の前後で測定された圧力測定値を基にして体積値を決定するようにしているため、体積測定の精度を向上させることができる。また、測定作業の準備段階において、特段、開口部とシール部材および閉止部材との間の密着状態に注意を払うことなく作業を行っても精度の高い測定を行うことができるため、測定に要する時間を短縮することが可能となる。
【0016】
また、測定作業の効率および測定精度を向上させるとの上記の効果をより高めるためには、密閉空間内部の気体と外部の気体との間で適切に遮断が行われているかどうかを判定し、遮断ができておらず適切に測定が行えない場合には操作者に再測定を促すようにすることが好ましく、前記第1段階の容積変化の後から第2段階の容積変化が開始されるまでの間に前記圧力測定手段によって得られる前記密閉空間内の気体の圧力測定値が所定値を越える場合、または各段階の容積変化から所定時間が経過するまでに前記圧力測定手段によって得られる前記密閉空間内の気体の圧力測定値の変化量が所定値を越える場合に測定エラー信号を出力する測定エラー判定部を前記制御部が備えるようにして構成することが好適である。
【0017】
また、体積測定値は内部の圧力変化に伴う容器や配管等の変形などの機器特性要因や、大気圧や気温、湿度等の外的要因によって影響を受けるために、それらの影響を排除すべくあらかじめ既知の条件で校正用データを取得しておくことが望ましいため、前記圧力測定手段による圧力測定値と被測定物の体積値との関係が機器特性や環境に応じた所定の関係となるように補正を行うための校正用データを得る校正モードを備えているとともに、前記制御部が前記密閉空間内に被測定物を収めていない状態、または既知の体積値を有する校正用部材を収めた状態における前記圧力測定手段による圧力測定値を基にして校正用データを作成する校正用データ作成部と、当該校正用データ作成部によって作成された校正用データを記憶する校正用データ記憶部とを備えており、前記体積決定部が前記圧力測定手段より得られる圧力測定値に加えて前記校正用データ記憶部に記憶された校正用データを基にして前記被測定物の体積値を決定するように構成することが好適である。
【0018】
さらに、より一層測定精度を高めるためには、校正用データを取得する際の圧力測定においても、実際の測定時と同一の動作で行わせるようにすることが好ましいため、前記校正用データ作成部が、前記容積変化手段を通じて前記密閉空間の容積を複数段階に分けて増加させた際に、第1段階の容積変化以降に行う容積変化の前後で得られた圧力測定値を基にして、前記体積決定部に前記校正用データを作成するように構成されていることがなお好適である。
【0019】
また、簡単かつ精度良く密閉空間内の容積を変化させることを可能とするためには、前記容積変化手段が、前記容器または前記閉止部材に取り付けられて前記密閉空間内と連通する配管に接続されたシリンダと、当該シリンダを構成するピストンを往復動させるためのモータとを備えているように構成することが好適である。
【発明の効果】
【0020】
以上説明した本発明によれば、測定作業を効率良く進めることができる上に、測定精度の高い体積測定装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る体積測定装置のシステム構成図。
【図2】同体積測定装置を構成する容器の内部に被測定物を収める際の模式図。
【図3】同体積測定装置を用いて測定を行う際の動作を示す模式図。
【図4】同体積測定装置を用いて測定を行う際の処理手順を示すフローチャート。
【図5】同体積測定装置を用いて測定を行う際の容器内の気体の圧力変化の例を示したグラフ。
【図6】本発明の体積測定装置の機器部を変形した例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
図1に示すように、この実施形態の体積測定装置1は、大きくは機器部11と、機器部11の動作を制御するとともに機器部11によって得られた測定データを基にして体積値の演算を行う制御部12から構成されている。また、制御部12には、測定者との間で情報を授受するための入力部70、表示部75および報知部77が接続されている。
【0024】
そして、機器部11は、被測定物2を収めた状態で密閉空間を形成する密閉空間形成手段3と、その密閉空間の内部の容積を変化させる容積変化手段4と、密閉空間内の気体である空気13の圧力を測定するための圧力測定手段5とから構成されている。
【0025】
さらに、密閉空間形成手段3は、プレート状に構成された閉止部材としてのベース32と、ベース32の上に設けられたシール部材33と、直方体状に構成され被測定物2に被せるようにして設けられた容器31とから構成される。
【0026】
図2に示したように、体積の測定のため被測定物2を機器部11の内部に収める際には、被測定物2をベース32の上面32aの上に載置させた状態で、下側に開口部31aを形成された容器31を上側より被せていき、シール部材33を介してベース32の上面32aに当接させた状態とする。容器31には容積変化手段4および圧力測定手段5が連結するようにして設けられているために、これらは一体化された状態となって移動できるように構成されている。
【0027】
また、シール部材33はシリコンゴム等の弾性体によって形成されるとともに、容器31の開口部31aの全周に渡って密着できる形状とされていることで、ベース32と合わせて容器31の開口部31a全体を閉止することができるように構成されている。そのため、上記のようにして容器31をベース32の上面32aに、シール部材33を介して当接させるようにすることで、ベース32はシール部材33を介して容器31の開口部31aを閉止するための閉止部材として機能して、内部に気体としての空気13を閉じ込めた密閉空間が形成される。
【0028】
図1にもどって、機器部11の構成要素としての容積変化手段4は、シリンダ41と、そのシリンダ41を構成するピストンを往復動させるためのモータ42と、シリンダ41の内部と容器31の内部とを連通するシリンダ用配管43とから構成されている。モータ42にはステッピングモータが用いられ、制御部12からの指令によって動作し、シリンダ41のピストンを動かして細かくシリンダ41の内容積を変更することができるようになっている。シリンダ41はシリンダ用配管43を通じて容器31の内部と連通された状態となっているため、シリンダ41を動かすことによって、容器31の内部に空気13を送り込んだり、容器31の内部より空気13を吸引したりすることが可能となっている。
【0029】
さらに、機器部11の構成要素としての圧力測定手段5は圧力計51と、その圧力計51と容器31の内部とを連通する圧力計用配管52とから構成されている。圧力計51は容器31の内部の空気13の圧力を測定することができるように構成されており、図示しない電源部より電源を供給されるとともに、アナログもしくはデジタルの電気信号で圧力の測定値を制御部12に向けて出力できるようにされている。
【0030】
上述したように、容器31の開口部31a(図2参照)が閉止部材としてのベース32によって閉止されている状態となった場合に密閉空間が形成されるが、詳細には、ここでいう密閉空間とは容器31とベース32との間で形成される空間に、シリンダ41、シリンダ用配管43、圧力計51および圧力計用配管52の内容積を加えたものになる。これらのうちシリンダ用配管43、圧力計51および圧力計用配管52の内容積は、ほぼ一定値とみることができるが、シリンダ41の内容積は上記の通りピストンの動作によって変更されるものであるため、その分密閉空間の内容積は変更されることになる。
【0031】
なお、本発明において述べる密閉空間とは、上記のようにして形成される空間そのものをいい、完全に外部との遮断がなされて真の意味での密閉が実現できているか否かを問題とするものではない。
【0032】
本体積測定装置1は、上述のように容器31等によって形成された密閉空間の容積を、容積変化手段を構成するシリンダ41の動作によって変化させ、その容積変化の前後における容器31内部の空気13の圧力を測定することによって、内部の被測定物2の体積を測定しようとするものである。
【0033】
そのため、入力部70から与えられる測定者からの命令に基づいて、上記の機器部11を動作させるとともに、測定値から適宜演算を行った結果を出力するため、制御部12は次のように構成されている。
【0034】
まず制御部12と接続されている入力部70を通じて、適宜動作モード変更にかかる指令や、測定や演算に必要な情報および具体的な動作命令が基本指令部71に与えられる。基本指令部71では、入力部70より与えられた指令に基づき、校正モードまたは測定モードのいずれかの動作モードで、各部に対して動作命令や、測定値に基づく演算、表示を行わせる命令を与えるように構成されている。校正モードと測定モードの選択は測定者によって行い、入力部70を通じて指定することができるように構成されており、基本指令部71ではモードに応じた動作指令を各部に与える。
【0035】
校正モードとは、実際の体積測定に先駆けて、室温、大気圧、湿度、機器部11の経時変化等の要因による影響分を把握して、測定誤差を排除するためのものであり、圧力測定値と被測定物の体積値との関係を機器特性や環境に応じた所定の関係となるように補正を行うための校正用データを得るための動作モードということができる。
【0036】
この校正モードを使用する場合には、容器31の内部に被測定物2を入れない状態、あるいは、被測定物2の代わりに既知の体積値を有するアルミブロックで形成した校正用部材を入れた状態で、体積測定時と同様の動作および測定を行わせることによって校正用データを作成する。測定者は、内部に収容させる対象物がない場合にはその旨、校正用部材を収容させる場合には、その体積値を入力部70より入力する。なお、使用する校正用部材が限定されている場合には、それらの体積値を内部メモリに保存しておき、その中から選択して呼び出すようにして構成しても良い。
【0037】
測定モードにおける体積測定にあたっては、基本指令部71からは密閉空間内の容積を変化させるためにモータ制御部72に命令を出力する。モータ制御部72はその命令に合致するように具体的な指令値を定めてモータ42の動作を制御する。
【0038】
また、基本指令部71からは、圧力測定が必要となるタイミングでもって圧力測定部73に対して命令を出力し、圧力測定部73においてはその際に得られた圧力計51による圧力測定値を体積決定部74に対して出力できるようになっている。
【0039】
体積決定部74は、圧力測定部73より入力された圧力測定値に加えて、基本指令部71から与えられる容積変化量のデータおよび校正用データ記憶部79に記憶された校正用データを与えられて、被測定物2の体積値を演算して決定し、出力できるように構成されている。なお、演算を行わせることなく、圧力測定値に応じてデータテーブルから選択するようにして被測定物2の体積値を決定するように構成することも可能である。
【0040】
また、基本指令部71から得られる容積変化の時間データと、圧力測定部73から得られる圧力測定値とから、適切に密閉状態が形成できているかを判別し、密閉状態が形成できていないと判断した際には、測定エラー信号を出力する測定エラー判定部76を備えており、測定エラー信号が出力された際には、制御部12に接続されている表示部75では測定エラー表示がなされるとともに、同様に制御部12に接続されている報知部77ではエラー音、エラーランプの点灯等の手段によって報知される。これらの手段によって、測定者に対してエラーの発生を通知することができるようになっている。
【0041】
なお、上記の表示部75は、エラー表示だけではなく、体積決定部74より得られる体積値や、基本指令部71からの得られる種々の動作状況を表示できるように構成されている。
【0042】
校正用データを取得する際には、入力部70より校正モード実行の命令が与えられ、基本指令部71よりそれに合致した命令が各部に出力されるとともに、校正用データ作成部78に対して必要なデータを取り込んで校正用データを作成するように命令される。この際にも、通常の体積測定と同様に、モータ制御部72によってモータ42を通じてシリンダ41が動作され、その時の圧力測定結果が圧力測定部73を通じて校正用データ作成部78に対して入力される。
【0043】
校正用データ作成部78は、基本指令部71から得られる校正用部材の体積データと、圧力測定部73を通じて得られた圧力測定値を基にして、校正用データを作成する。質量の異なる校正用部材を用いて同様の測定を繰り返すことによって、より精度の高い校正用データを作成する場合もある。
【0044】
上記のようにして作成された校正用データは校正用データ記憶部79に出力されて、ここで記憶される。校正用データは上述したように実際の体積測定の際に体積決定部74より呼び出されて使用されることで、より高精度に体積値を求めることができるようになっている。
【0045】
ここで、上記のように気体の圧力の変化を利用して、被測定物2の体積を測定する原理について説明する。
【0046】
まず、図1のように内容積がV0である密閉空間の中に、体積Vxの被測定物2を収容させた状態とする。このとき、密閉空間内に閉じ込められる空気13の体積は(V0−Vx)で表される。また、この際の密閉空間内の空気13の圧力はP0で表され、圧力計51によって測定される。
【0047】
この後、図3(a)のようにシリンダ41を動作させ密閉空間内の内容積をV1に増加させる。このとき、密閉空間内に閉じ込められる空気13の体積は(V1−Vx)で表される。また、この際の密閉空間内の空気13の圧力はP1で表される。
【0048】
このようにして、密閉空間内の容積が変化した際において、容器31の内部の密閉状態が完全に保たれて外部との空気の授受がないものであり、かつ、温度変化が無いとの条件では、一般によく知られているボイルの法則より次の関係が導かれる。
P0(V0−Vx)=P1(V1−Vx) ………………………………数式(1)
【0049】
さらに、密閉空間内の容積の増加量は、シリンダ41の内容積の増加量ΔVaとしてモータ42を駆動することで正確に与えることができるため、
V1=V0+ΔVa …………………………………………………………数式(2)
の関係がある。
【0050】
以上の数式(1)、数式(2)より、下記の関係式が得られる。
P0(V0−Vx)=P1(V0+ΔVa−Vx) ……………………数式(3)
【0051】
これを変形することで次のようにして、Vxが求められる。
Vx=V0−ΔVa・P1/(P0−P1) ……………………………数式(4)
【0052】
また、上記の関係は、図3(a)の状態を基準として、図3(b)のようにさらにシリンダ41の内容積をΔVb増加させて、密閉空間の内容積をV2に増加させた場合にも当てはまる。そのため、この時の内部の空気13の圧力をP2として測定すると、次式の関係が得られる。
Vx=V1−ΔVb・P2/(P1−P2) ……………………………数式(5)
【0053】
密閉空間内に閉じ込められる空気13が、外部との間でほぼ確実に遮断された状態であれば、数式(4)によっても数式(5)によっても同様に、被測定物2の体積Vxを求めることが可能である。また、この数式(4)や数式(5)と同じような容積変化の関係は、シリンダ41のストロークが許す限り、何段階においても得ることができ、容積の変化量および内部の圧力が分かれば、どの段階の容積変化の関係を用いても被測定物2の体積Vxを求めることが可能である。こうした性質を利用して、同一の被測定物2を容器31の内部にセットしたままの状態で、複数の段階に分けて同一の被測定物2に関して測定を繰り返して行い、それぞれの段階で得られた体積Vxを平均化するなどして、誤差を少なくすることも可能である。
【0054】
なお、被測定物2の体積Vxを求めるにあたり、密閉空間内の容積を増加させつつ、その際の圧力変化を利用する手法について述べたが、原理的には密閉空間内と外部との遮断が十分にできている限りボイルの法則による関係は成立するため、密閉空間内の容積を減小させながら、同様にして被測定物2の体積Vxを求めることが可能である。
【0055】
しかしながら、密閉空間内の容積を減小させながら測定を行う場合には、当該密閉空間内の圧力が上昇していくため、外部との間のシールが不十分になる傾向にある。本実施形態における体積測定装置1では、図1のように、容器31を利用してシール部材33を介してベース32に当接させることで密閉空間を形成しており、初期段階では容器31およびこれに連結された部材による自重によってシールされる構成となっている。
【0056】
そのため、装置準備を簡便に行うことはできるが、ボルト締めなどによって外圧を作用させて強力にシールを行わせる構成とはなっていないために、測定条件によってはシールが不十分となってしまう場合が想定される。例えば、上記のように密閉空間内の容積を減小させる方向で測定を行わせようとすると、容器31に対して上向きの力が作用してシール部材33との間で隙間が生じ、内部の空気13が漏れ出す可能性がある。
【0057】
そのため、本実施形態の圧力測定装置1は、測定開始前にはシリンダ41の内容積を小さくしておき、測定の開始とともに、シリンダ41の内容積をΔVa増加させる方向に動作させるようにしてある。こうすることで、容器31の内部の圧力が低下して容器31に対して下向きの力が作用するため、より容器31とシール部材33との密着力を高めて、強力にシールができるようになる。
【0058】
このように動作させることで、測定準備の段階で容器31とベース32との間のシールが不十分であった場合にも、自動的にシール力が増加してほぼ確実に外部との遮断がなされた密閉状態を形成することができる。例えば、初期段階でゴミの噛み込みや、部材間の位置ズレによって測定者が判別できないような隙間が生じていた場合にも、僅かな空気の流入はあるものの、内部の圧力の低下に伴ってほぼ確実に密閉状態が形成できるようになる。
【0059】
従って、本実施形態の体積測定装置1においては、測定にあたって、シリンダ41の内容積を増加させるように構成することで、密閉空間内の圧力を減少させるようにするとともに、シリンダ41の内容積の増加を複数段階で行えるようにして、第1段階の内容積の増加によって適切な密閉状態を形成し、第2段階以降の内容積の増加に伴う圧力の変化によって体積の測定を行うようにしてある。このようにしているために、測定者は特段、装置準備の段階で、密閉状態が適切に形成できているかについて注意を払うことなく作業を進めることができるため、作業効率が高くなる。
【0060】
具体的には、図4に示すフローチャートに従って、測定を進めるように構成してある。この際の、密閉空間内の気体の圧力の変化を図5に示す。
【0061】
以下、図4および図5を基にして具体的な測定動作について説明を行う。
【0062】
まず、測定者は装置内部に被測定物2(図1参照)を収めた状態とした上で動作命令を与える。
【0063】
そうすると、最初に、初期状態における密閉空間内の圧力(P0)を測定する(ST001)。この圧力(P0)はほぼ大気圧に等しいものである。
【0064】
測定完了後に、第1段階の体積変化としてシリンダ41(図1参照)を動作させて、密閉空間内の容積をΔVa増加させる(ST002)。このとき、密閉空間内の圧力は図5における図中の点Aから点Bのように減少していく。点Bにおいては、シリンダ41(図1参照)に与える動作命令は停止しているものの、各部材の変形および安定化のために圧力は若干上昇する。
【0065】
このとき、シールが不十分である場合には、内部の圧力は不安定な状態となり、大気圧とほぼ等しい初期の圧力P0に向けて増加するように変化している。そのため、当該圧力の変化量が、事前に所定値として定めてある閾値以内となっているかを判定し(ST003)、当該閾値を越えている場合には、エラー判定がなされてエラーの報知が行われる(ST012)。具体的には、図5における図中の点Bでの圧力値を基準として、刻々と変化する圧力値との間の圧力差を変化量として求めて、当該変化量が所定値以下となっているかを判定し、これを越えた場合にはエラー判定を行うようにしてある。
【0066】
圧力の変化量が所定値以内であるかの判定は、シリンダ41(図1参照)の動作完了から所定時間t1が経過するまで繰り返し行い(ST004)、所定時間t1が経過した時点の圧力をP1として測定し、記録する(ST005)。
【0067】
この時、初期の時点との圧力差(P0−P1)が、事前に所定値として定めてある閾値以上になっているかを判定する(ST006)。圧力差(P0−P1)が小さいということは、ほとんどシールができていない状態を意味するため、圧力差(P0−P1)が閾値より小さいときにもエラー判定がなされて、エラーの報知が行われる(ST012)。なお、P0は大気圧とほぼ等しいために、圧力差(P0−P1)が所定値以上であるかとの判定は、実際にはP1が所定値以下となっているかとの判定とほぼ等しいものといえる。そこで、これらは同義のものとして、総じて所定時間t1経過時点で測定された圧力P1が所定値を越える場合にはエラー判定を行うものとして扱う。
【0068】
ここでエラー判定がなされなければ、測定を継続するべく第2段階の体積変化として、シリンダ41(図1参照)を動作させて、密閉空間内の容積をΔVb増加させる(ST007)。この場合においても、第1段階の体積変化後の場合と同様に、圧力の変化量が所定値として事前に定めている閾値以内となっているかを判定し(ST008)、その閾値を越えている場合にはエラーを報知(ST012)するようになっている。また、このエラー判定も、シリンダ41(図1参照)の動作完了から所定時間t2が経過するまで繰り返し行い(ST009)、所定時間t2が経過した時点の圧力をP2として測定し、記録する(ST010)。
【0069】
このようにして、密閉状態が適切に形成できているかについて、装置の側で自動的に判別し、不適当な状態であれば測定エラー信号が発せられるために、装置準備に特段、注意を払うことなく作業を進めたとしても、測定に問題は生じずより作業効率が高くなる。
【0070】
このようにして得られたP1、P2のデータおよび、事前に入力されたV1、ΔVbのデータを基にして、数式(5)によって体積Vxを求める(ST011)。
【0071】
体積Vxの算出は、上記のようにして適切に密閉状態が形成できていると判断できた場合の圧力測定値を利用して行うために、測定精度を向上させることができる。
【0072】
なお、上述した校正モードによって校正用の計算式を事前に得ている場合には、V1、ΔVbのデータを入力することなく、さらに精度良く体積Vxを求めることが可能である。
【0073】
すなわち、理想状態の式である数式(5)を基にして、実際の気温、大気圧、湿度、密閉空間の内容積の誤差、シリンダ内容積の誤差、および各部の変形を考慮した現実の式として、次のように近似することができる。
Vx=a+b・P2/(P1−P2) ……………………………………数式(6)
ここで、aおよびbはそれぞれ、校正モードによって求めることが必要な係数である。
【0074】
上述したように、校正モードでは被測定物を挿入しない状態、あるいは、既知の体積値を有するアルミブロックで形成した校正用部材を被測定物のかわりに用いた状態で複数回測定動作を行わせて、数式(6)における係数a、bを求める。このようにして、事前にa、bの係数を求めておけば、同じ動作を再現させてP1、P2を測定するのみで、数式(6)により体積Vxを求めることが可能となる。
【0075】
また、数式(6)よりも、より精度が要求される際には、次のようにP1、P2に比例する項を増やした近似式を用いることも考えられる。
Vx=a+b・P2/(P1−P2)+c・P1+d・P2……………数式(7)
【0076】
ここで、a〜dは校正モードによって求めることが必要な係数である。
【0077】
この場合には、未知の係数が数式(6)の場合に比べて多いために、校正モードで要する時間が長くなるとの短所があるものの、係数a〜dが決定された後には、より精度の高い測定ができるとの長所がある。
【0078】
なお、上述の校正モードによる測定は、実際の測定と同じ動作とすることが高い精度を得るために必要である。そのため、実際の測定と同じ体積変化を行わせるためにシリンダ41への制御指令を同一にし、同じ回数の段階に分けた動作を行わせるとともに、圧力値の測定タイミングも同じようにすることが肝要である。
【0079】
上記のようにして、図1におけるシリンダ41の内容積を2段階で変化させて、その2段階目の体積変化の前後における密閉容器内の圧力をそれぞれ測定して、これを用いた演算を行うことで精度良く被測定物2の体積Vxを求めることができる。
【0080】
また、上述したように、シリンダ41(図1参照)の内容積を3段階以上に増加させることによって、2段階目の体積変化前後の圧力より体積Vxを求めるだけではなく、3段階目の体積変化前後、4段階目の体積変化前後等、各段階の体積変化における前後での圧力を測定することで、各々体積Vxを求めることが可能となる。さらに、これらを平均化することで、より精度良く体積Vxを求めることが可能となる。
【0081】
以上のように、本実施形態の体積測定装置1は、被測定物2を内部に収めた状態で密閉空間を形成することが可能な密閉空間形成手段3と、前記密閉空間の容積を変化させる容積変化手段4と、前記密閉空間内の気体の圧力を測定する圧力測定手段5と、前記容積変化手段4を動作させ、当該容積変化手段4による容積変化の前後において前記圧力測定手段5より得られる圧力測定値を基にして前記被測定物2の体積値を決定する制御部12とを備えたものであって、前記密閉空間形成手段3が開口部31aを形成された容器31と、前記開口部31aをシール部材33を介して閉止する閉止部材32とを具備しており、前記制御部12が前記容積変化手段4によって前記密閉空間の容積を複数段階に分けて増加させるとともに、第1段階の容積変化によって前記密閉空間内の圧力を低下させた後に行う第2段階以降の容積変化の前後で得られた圧力測定値を基にして前記被測定物2の体積値を決定するように構成されていることを特徴とするものである。
【0082】
このようにして構成されているため、装置の準備段階において容器31の開口部31aとシール部材33および閉止部材であるベース32との間の密着性が不十分な状態であっても、第1段階の容積変化に伴う密閉空間内の圧力の低下によって、開口部31aとシール部材33およびベース32との密着性が高まり、密閉空間内部の気体を外部の気体との間でほぼ確実に遮断した状態とすることができる。そして、それ以後に行われる第2段階以降の容積変化の前後で測定された圧力測定値を基にして体積値を出力することで、体積測定の精度を向上させることができる。また、特段、開口部31aとシール部材33およびベース32との間の密着状態に注意を払うことなく作業を行っても精度の良い測定を行うことができるため、測定に要する時間を短縮することが可能となる。
【0083】
さらに、前記第1段階の容積変化の後から第2段階の容積変化が開始されるまでの間に前記圧力測定手段5によって得られる前記密閉空間内の気体13の圧力測定値が所定値を越える場合、または各段階の容積変化から所定時間が経過するまでに前記圧力測定手段5によって得られる前記密閉空間内の気体13の圧力測定値の変化量が所定値を越える場合に測定エラー信号を出力する測定エラー判定部76を前記制御部12が備えているように構成してあるため、密閉空間内部の気体13と外部の気体との間でほぼ確実に遮断が行われているかどうかを判定し、遮断ができていないため適切に測定が行えない場合には操作者に再測定を促すことが可能となるため、結果として測定精度を向上させることが可能となる。
【0084】
また、前記圧力測定手段5による圧力測定値と被測定物2の体積値との関係が機器特性や環境に応じた所定の関係となるように補正を行うための校正用データを得る校正モードを備えているとともに、前記制御部12が前記密閉空間内に被測定物2を収めていない状態、または既知の体積値を有する校正用部材を収めた状態における前記圧力測定手段5による圧力測定値を基にして校正用データを作成する校正用データ作成部78と、当該校正用データ作成部78によって作成された校正用データを記憶する校正用データ記憶部79とを備えており、前記体積決定部74が前記圧力測定手段5より得られる圧力測定値に加えて前記校正用データ記憶部79に記憶された校正用データを基にして前記被測定物2の体積値を決定するように構成しているため、内部の圧力変化に伴う容器31や配管43、52等の変形などの機器特性要因や、大気圧や気温、湿度等の外的要因による影響を排除するための校正用データを事前に取得しておき、そのデータを用いることで圧力測定値の補正を行うことができ、より体積測定の精度を向上させることができる。
【0085】
また、前記校正用データ作成部78が、前記容積変化手段4を通じて前記密閉空間の容積を複数段階に分けて増加させた際に、第1段階の容積変化以降に行う容積変化の前後で得られた圧力測定値を基にして、前記体積決定部74に前記校正用データを作成するように構成されているため、校正用データを取得する際の圧力測定を実際の測定時と同様の動作で行わせることができ、より一層測定精度を高めることが可能となる。
【0086】
さらに、前記容積変化手段4が、前記容器31または前記閉止部材32に取り付けられて前記密閉空間内と連通する配管43に接続されたシリンダ41と、当該シリンダ41を構成するピストンを往復動させるためのモータ42とを備えるようにして構成してあるため、簡単かつ精度良く密閉空間内の容積を変化させることが可能となり、体積測定の精度を向上させることが可能となる。

なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0087】
例えば、密閉空間内に収められている気体である空気13の代わりとして、窒素等の不活性ガスなど別の気体を用いることも可能であり、被測定物の種類に応じて適宜選択して使用することができる。
【0088】
また、上述の実施形態においては、測定によって得られた圧力データを基に、その都度体積値を求めるための演算を行うように構成していたが、圧力値に対応する体積値が分かるようにデータテーブル化して記憶しておくようにすれば、圧力測定値に対応したデータを読み取ることで演算を行わせることなく素早く体積値を把握して表示させるようにすることもできる。
【0089】
また、上述の実施形態においては、容積変化手段4および圧力測定手段5を容器31の側に連結するようにして構成していたが、これらをベース32の側に設けるようにして構成することも可能である。また、シリンダ用配管43や圧力計用配管52を弾性のある長いタイプのものとして、容器31等の移動に伴ってシリンダ41や圧力計51を移動させないように構成することも可能である。
【0090】
さらには、図6に示す体積測定装置201のように、上向きに開口部231aを有する容器231と、その開口部231aシール部材233を介して閉止する閉止部材としての蓋232として構成することも可能である。この場合においても、上述の実施形態と同様に、容積変化手段204としてシリンダ241と、これを動作させるモータ242と、シリンダ用配管243とを設け、圧力測定手段205として圧力計251と、圧力計用配管252とを設ける。そして、シリンダ用配管243と、圧力用配管252とは、各々容器231の下側より容器内部に連通するように構成する。こうした構成であっても、上述した実施形態と同じ動作を行わせて、同じ作用効果を得ることが可能である。
【0091】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0092】
1…体積測定装置
2…被測定物
3…密閉空間形成手段
4…容積変化手段
5…圧力測定手段
11…機器部
12…制御部
31…容器
32…ベース(閉止部材)
33…シール部材
41…シリンダ
42…モータ
43…シリンダ用配管
51…圧力計
52…圧力計用配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物を内部に収めた状態で密閉空間を形成することが可能な密閉空間形成手段と、
前記密閉空間の容積を変化させる容積変化手段と、
前記密閉空間内の気体の圧力を測定する圧力測定手段と、
前記容積変化手段を動作させ、当該容積変化手段による容積変化の前後において前記圧力測定手段より得られる圧力測定値を基にして前記被測定物の体積値を決定する制御部と
を備えた体積測定装置であって、
前記密閉空間形成手段が開口部を形成された容器と、
前記開口部をシール部材を介して閉止する閉止部材とを具備しており、
前記制御部が前記容積変化手段によって前記密閉空間の容積を複数段階に分けて増加させるとともに、第1段階の容積変化によって前記密閉空間内の圧力を低下させた後に行う第2段階以降の容積変化の前後で得られた圧力測定値を基にして前記被測定物の体積値を決定するように構成されていることを特徴とする体積測定装置。
【請求項2】
前記第1段階の容積変化の後から第2段階の容積変化が開始されるまでの間に前記圧力測定手段によって得られる前記密閉空間内の気体の圧力測定値が所定値を越える場合、または各段階の容積変化から所定時間が経過するまでに前記圧力測定手段によって得られる前記密閉空間内の気体の圧力測定値の変化量が所定値を越える場合に測定エラー信号を出力する測定エラー判定部を前記制御部が備えていることを特徴とする請求項1に記載の体積測定装置。
【請求項3】
前記圧力測定手段による圧力測定値と被測定物の体積値との関係が機器特性や環境に応じた所定の関係となるように補正を行うための校正用データを得る校正モードを備えているとともに、
前記制御部が前記密閉空間内に被測定物を収めていない状態、または既知の体積値を有する校正用部材を収めた状態における前記圧力測定手段による圧力測定値を基にして校正用データを作成する校正用データ作成部と、
当該校正用データ作成部によって作成された校正用データを記憶する校正用データ記憶部とを備えており、
前記体積決定部が前記圧力測定手段より得られる圧力測定値に加えて前記校正用データ記憶部に記憶された校正用データを基にして前記被測定物の体積値を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の体積測定装置。
【請求項4】
前記校正用データ作成部が、前記容積変化手段を通じて前記密閉空間の容積を複数段階に分けて増加させた際に、第1段階の容積変化以降に行う容積変化の前後で得られた圧力測定値を基にして、前記体積決定部に前記校正用データを作成するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の体積測定装置。
【請求項5】
前記容積変化手段が、前記容器または前記閉止部材に取り付けられて前記密閉空間内と連通する配管に接続されたシリンダと、当該シリンダを構成するピストンを往復動させるためのモータとを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の体積測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−36751(P2013−36751A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170375(P2011−170375)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000002059)シンフォニアテクノロジー株式会社 (1,111)