説明

体腔圧力の評価システム、装置及び方法

カテーテルに取り付けられた1個以上のモニタリング気嚢を使って、目的とする体腔内圧力測定を達成するために使用可能なシステム、装置及び方法。前記モニタリング気嚢は、体腔内にある1個以上のモニタリング気嚢に作用する圧縮力を示すことになる目的とする圧力測定を提供できるシステムに接続するか、接続されるように形成してもよい。前記体腔は、例えば直腸、食道、胃、腸、結腸、生殖器官、尿道、口腔咽頭管などを含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
体腔圧力(例えば、肛門直腸圧力)を客観的に評価するためのシステム、装置及び方法を本明細書に記載する。
【背景技術】
【0002】
体腔の中にあって、肛門管は随意調節を維持するため、即ち通常環境下での大便の漏れ防止に関わるものである。直腸は排便に至るまで大便を留めるところである。肛門管は、通常は肛門管を閉じた状態に保持することに関わる筋肉からなる括約筋に囲まれている。通常、排便には肛門を緩めることに合せて直腸圧を高めることが必要である。括約筋は又、排便しない時には、さらに随意調節を維持するために収縮可能である。しかしながら患者によっては、疾病、傷等により肛門圧が低い場合もある。又、他の患者によっては、便秘を引き起こすほど肛門圧が高い場合もあり得る。加えて、肛門圧は通常、年齢と共に低下するが男性より女性が低い。
【0003】
肛門圧は、医師によって指や指幅を患者の肛門管に挿入することで主観的な評価がなされる場合がある。しかしながら、そのような主観的な評価法は、得てして診断内容がばらつくものであり、熟練した医師でない場合にはなおさらである。
【0004】
このため、肛門直腸圧力を客観的に計測するためのシステムが開発されてきている。そのシステムでは、肛門圧は肛門管に挿入されたカテーテルに取り付けられた固体センサや水かん流センサを使って測定される。その検査は一般的に取り扱いに厄介な機器を要し、普通は専門の研究所でトレーニングされた技術者によって行われるものであり、終わるまでには30〜45分を要し、例えば350ドル〜1000ドルなどと高価になる可能性がある。それらの理由は、数多くの状況にあってその検査を使うことを事実上、邪魔している。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で記載するシステム、装置および方法は、カテーテルに取り付けられた1個又は複数個のモニタリング気嚢を使って客観的な体腔内の圧力測定値を得るべく使用することができる。好ましいものとして、モニタリング気嚢は、体腔中の1個以上のモニタリング気嚢に作用する圧縮力を示すことになる客観的圧力測定値を提供できるシステムを接続するようになっていたり、或いは同システムに接続されるようになっているかもしれない。
【0006】
実施形態によっては、圧力測定装置は、体腔内の定常位置に圧力測定装置を潜在的に保持できる任意の膨張装置を備えるかもしれない。直腸圧を測定するために使うような場合、その膨張装置は排便衝動を誘発するために使用することも可能である。
【0007】
本明細書で記載する体腔圧力測定システムは、幾つかの実施形態において、圧力測定装置を備え、その前記圧力測定装置は、近位端と遠位端を有するカテーテルであって、長手軸線が前記近位端と前記遠位端を通って前記カテーテルに沿って延びるような前記カテーテル、前記カテーテルの遠位端近傍でカテーテルに取り付けられ、折り畳まれた形態と膨張した形態との間で膨張可能かつ折り畳み可能な膨張装置、前記膨張装置に近い位置でカテーテルに取り付けられ、前記カテーテルの近位端近くの第1位置と、該第1位置の近くに位置する第2位置との間で前記カテーテルに沿って移動可能なモニタリング気嚢、及び、 前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記モニタリング気嚢から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延びるモニタリング・ルーメン、を備え、前記モニタリング気嚢内の流体圧が前記モニタリング・ルーメンを通って伝わるように、モニタリング・ルーメンがモニタリング気嚢の内部と流体連通するようになっている。体腔圧力測定システムは又、前記モニタリング・ルーメンを通って前記圧力測定装置の前記モニタリング気嚢に作動連結される圧力モニタリング装置を備え、その圧力モニタリング装置は、モニタリング・ルーメンの近位端においてモニタリング・ルーメン内の流体圧を測定することで前記モニタリング気嚢内の流体圧を決定するように構成されている。
【0008】
実施形態によっては、前記膨張装置は前記カテーテル上の定位置に取り付けられる。
【0009】
実施形態によっては、膨張した形態において前記膨張装置は、前記モニタリング気嚢に占有される長さにわたって、前記圧力測定装置の最大横断寸法より大きい最大横断寸法を有し、前記最大横断寸法は前記長手軸線に横断するようにして測定される。
【0010】
実施形態によっては、前記膨張装置は、該膨張装置を膨張状態へと膨張させるべく拡張されるエアチャンバを有すると共に、そのエアチャンバは、膨張装置を前記折り畳まれた形態へと折り畳むように収縮される。膨張装置は又、前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記膨張装置から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延びる膨張ルーメンを備えるかもしれず、その場合、前記膨張ルーメンは前記エアチャンバと流体連通する。
【0011】
実施形態によっては、前記カテーテルは前記膨張装置の近くに位置する可動スリーブを備え、前記モニタリング気嚢は前記可動スリーブに取り付けられ、前記可動スリーブは、前記膨張装置近くの前記第1位置と前記カテーテルの前記第1位置の近くに位置する前記第2位置との間で前記モニタリング気嚢がカテーテルに沿って移動する時、カテーテルに沿って移動する。
【0012】
実施形態によっては、システムは、前記カテーテルの少なくとも一部分を通りかつ前記モニタリング気嚢から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延びる膨張ルーメンを備え、さらにその膨張ルーメンは、膨張ルーメンを通ってモニタリング気嚢へ流体を供給できるモニタリング気嚢の内部と流体連通する。実施形態によっては、前記膨張ルーメンと前記モニタリング・ルーメンは互いに異なるルーメンである。
【0013】
実施形態によっては、前記モニタリング・ルーメンは、着脱可能な連結器を介して前記圧力モニタリング装置に接続された近位端を有する。
【0014】
実施形態によっては、前記圧力測定装置は、2個以上のモニタリング気嚢と2個以上のモニタリング・ルーメンを備え、前記2個以上のモニタリング気嚢の各モニタリング気嚢は、前記膨張装置に近い位置で前記カテーテルに取り付けられ、各モニタリング気嚢は、前記膨張装置近くの第1位置と、該第1位置の近くに位置する第2位置との間で前記カテーテルに沿って移動可能であり、前記2個以上のモニタリング・ルーメンの各モニタリング・ルーメンは、前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記モニタリング気嚢から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延び、前記1個のモニタリング気嚢の中の流体圧が前記モニタリング・ルーメンを通って伝わるように、各モニタリング・ルーメンが1個のモニタリング気嚢の内部と流体連通する。また、実施形態によっては、前記2個以上のモニタリング気嚢は、同じ長手方向位置において前記カテーテルの外周周りに位置し、各モニタリング気嚢はカテーテル外周の一部分だけを占有する。
【0015】
実施形態によっては、前記システムは更に、前記モニタリング気嚢の近くで前記カテーテルに取り付けられる医療用電極、前記医療用電極に作動連結され、かつ前記カテーテルの少なくとも一部分を通って近接して延びる導線、及び前記導線を介して前記医療用電極に作動連結される電気モニタリング装置を備え、その電気モニタリング装置は前記医療用導線に接する組織の活性を検出するように構成される。実施形態によっては、前記医療用導線は、折り畳まれた形態と膨張した形態との間で膨張可能かつ折り畳み可能な、膨張可能サポートに取り付けられると共に、前記医療用電極は、前記膨張可能サポートが膨張状態にある時よりも、前記膨張可能サポートが折り畳まれた形態にある時の方が前記カテーテルにより近くなる。実施形態によっては前記膨張可能サポートは形状記憶材料、膨張可能な気球等からなる。
【0016】
本明細書で記載する体腔圧力測定装置は、実施形態によっては、近位端と遠位端を有するカテーテル、前記カテーテルの遠位端近傍でカテーテルに取り付けられ、折り畳まれた形態と膨張した形態との間で膨張可能かつ折り畳み可能な膨張装置、前記膨張装置に近い位置でカテーテルに取り付けられ、前記膨張装置の近位端近くの第1位置と、該第1位置の近くに位置する第2位置との間で前記カテーテルに沿って移動可能なモニタリング気嚢、及び、前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記モニタリング気嚢から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延びるモニタリング・ルーメンを備え、前記モニタリング気嚢内の流体圧が前記モニタリング・ルーメンを通って伝わるように、モニタリング・ルーメンがモニタリング気嚢の内部と流体連通するようになっている。
【0017】
本明細書で記載する体腔圧力測定装置の幾つかの実施形態において、前記膨張装置は前記カテーテル上の定位置に取り付けられる。
【0018】
本明細書で記載する体腔圧力測定装置の幾つかの実施形態において、前記膨張装置は、膨張状態において、前記モニタリング気嚢に占有される長さにわたって、前記圧力測定装置の最大横断寸法より大きい最大横断寸法を有すると共に、前記最大横断寸法は前記長手軸線に横断するようにして測定される。
【0019】
本明細書で記載する体腔圧力測定装置の幾つかの実施形態において、前記膨張装置は、膨張装置を膨張状態へと膨張させるべく拡張されるエアチャンバを有すると共に、そのエアチャンバは、膨張装置を前記折り畳まれた形態へと折り畳むように収縮される。実施形態によっては、その装置は更に、前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記膨張装置から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延びる膨張ルーメンを備え、その膨張ルーメンは、前記エアチャンバと流体連通する。
【0020】
本明細書で記載する体腔圧力測定装置の幾つかの実施形態において、前記カテーテルは前記膨張装置の近くに位置する可動スリーブを備え、前記モニタリング気嚢は前記可動スリーブに取り付けられ、前記膨張装置近くの前記第1位置と前記カテーテルの前記第1位置の近くに位置する前記第2位置との間で前記モニタリング気嚢がカテーテルに沿って移動する時、前記可動スリーブはカテーテルに沿って移動する。
【0021】
本明細書で記載する体腔圧力測定装置の幾つかの実施形態において、その装置は、前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記モニタリング気嚢から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延びる膨張ルーメンを備え、その膨張ルーメンは、膨張ルーメンを通ってモニタリング気嚢へ流体を供給できるモニタリング気嚢の内部と流体連通する。実施形態によっては、前記膨張ルーメンと前記モニタリング・ルーメンは、互いに異なるルーメンである。
【0022】
本明細書で記載する体腔圧力測定装置の幾つかの実施形態において、前記モニタリング・ルーメンは、着脱可能な連結器を有する近位端を有する。
【0023】
本明細書で記載する体腔圧力測定装置の幾つかの実施形態において、その装置は、2個以上のモニタリング気嚢と2個以上のモニタリング・ルーメンを備え、前記2個以上のモニタリング気嚢の各モニタリング気嚢は、前記膨張装置に近い位置で前記カテーテルに取り付けられ、各モニタリング気嚢は、前記膨張装置近くの第1位置と、該第1位置の近くに位置する第2位置との間で前記カテーテルに沿って移動可能であり、前記2個以上のモニタリング・ルーメンの各モニタリング・ルーメンは、前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記モニタリング気嚢から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延び、前記1個のモニタリング気嚢の中の流体圧が前記モニタリング・ルーメンを通って伝わるように、各モニタリング・ルーメンが1個のモニタリング気嚢の内部と流体連通する。実施形態によっては、前記2個以上のモニタリング気嚢は、同じ長手方向位置において前記カテーテルの外周周りに位置し、各モニタリング気嚢はカテーテル外周の一部分だけを占有する。
【0024】
本明細書で記載する体腔圧力測定装置の幾つかの実施形態において、その装置は、前記モニタリング気嚢の近くで前記カテーテルに取り付けられる医療用電極、及び、前記医療用電極に作動連結され、かつ前記カテーテルの少なくとも一部分を通って近接して延びる導線、を備える。実施形態によっては、前記医療用導線は、折り畳まれた形態と膨張した形態との間で膨張可能かつ折り畳み可能な、膨張可能サポートに取り付けられると共に、前記医療用電極は、前記膨張可能サポートが膨張状態にある時よりも、前記膨張可能サポートが折り畳まれた形態にある時の方が前記カテーテルにより近くなる。実施形態によっては、前記膨張可能サポートは形状記憶材料、膨張可能な気球等からなる。
【0025】
本明細書で記載する内部体腔圧力をモニタリングする方法は、幾つかの実施形態において、同様に本明細書で記載する体腔圧力測定装置、及び/又は圧力モニタリング装置を使用することを含んでいる。実施形態によっては、その方法は、体腔内に本明細書で記載する圧力測定装置を配置し、その圧力測定装置上で膨張装置を膨張させ、前記体腔により前記モニタリング気嚢にかかる圧力をモニタリングし、前記体腔に対する2つ以上の位置において前記モニタリング気嚢にかかる圧力をモニタリングするために、前記体腔に対して前記膨張装置を静止した状態に保持したまま、膨張装置に対して前記モニタリング気嚢を移動すること、を含むかもしれない。
【0026】
本明細書で記載するシステム及び装置の幾つかの実施形態は、骨盤底をバイオフィードバック療法で再トレ−ニングするのを容易にするために使用できるかもしれない。バイオフィードバック療法は、数ある状態の中で、特に排便障害や便失禁を伴う患者の骨盤底運動を改善するために用いられる。本明細書で記載するシステム及び方法は、その低コスト性、単純性により、例えばクリニック、長期ケア施設、手術室、家庭等の研究室外の場所において、骨盤底を再トレーニングするためのマノメトリーの適用を容易にするかもしれない。
【0027】
本発明のこれら、及びその他の特徴や利点については、発明の1つ又はそれ以上の模範的実施形態に関連し、以下に説明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本明細書で記載する体腔圧力測定システムにおいて使用可能な圧力測定装置の一実施形態の図である。
【図2】本明細書で記載する体腔圧力測定システムにおいて使用可能な圧力モニタリング装置の一実施形態のブロック図である。
【図3】図1の3−3線に沿った、の圧力測定装置の断面図である。
【図4A】図1の4A−4A線に沿った、図1の圧力測定装置の断面図である。
【図4B】図1の4B−4B線に沿った、図1の圧力測定装置の断面図である。
【図5】本明細書で記載する体腔圧力測定システムの一実施形態の使用を示した図である。
【図6】本明細書で記載する体腔圧力測定システムのユーザに対して圧力データを供給するディスプレイの一実施形態のブロック図である。
【図7】電極と、その電極に接続された電気モニタリング装置とを備える圧力測定装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書で記載する体腔圧力測定システムの幾つかの実施形態に関する以下の詳細な説明にでは、システムの一部を構成する添付図面であって、実例として本明細書で記載する体腔圧力測定システムを実施できる特定実施形態を示した添付図面を参照することとする。一実施形態からの要素は他の実施形態の要素と組合わせて使用しても良く、即ちここで述べた特徴の組合せを用いる潜在的な実施形態の数についても、図示され、かつ/又は本明細書で記載する特定実施形態に制限されない。さらに、本明細書で記載する実施形態は、一定の縮尺で示されない要素も含むかもしれない。
【0030】
本発明による圧力測定装置の一実施形態を図1に示す。図1に示された装置10は、圧力測定値が得られることになる内部体腔に配置されるように設計された細長い装置の形態をとる。装置10は、生来の開口部(例えば、肛門、膣、食道など)を経て体腔内に置かれる場合もあるだろうし、装置10を配置するために作られたアクセス部位(例えば、切開部など)を経て置かれる場合もある。
【0031】
簡素化の目的で、装置10の細長い本体部分12を“カテーテル”と呼ぶことにするが、そのような記載は、近位端14と遠位端16を通って延びる長手軸線11を規定するような、近位端14と遠位端16を有する細長い本体以外の如何なるものに対して装置10を限定するために使用されるべきではない。装置10は、例えば直腸、食道、胃、腸、結腸、生殖器官、尿道、口腔咽頭管等のような内部体腔中に配置されるようになっている。その結果、装置10は、種々の異なる体腔サイズおよび形状に順応するように、様々な異サイズで提供されるかもしれない。
【0032】
装置10に含まれ得る様々な構成部品の中に膨張装置20がある。好ましいこととして、膨張装置20は、カテーテル12の遠位端16近くでカテーテル12に据え付けられるかもしれない。膨張装置20は遠位端16に位置するものとして示されているが、膨張装置20は実施形態によってはカテーテル12の最も遠い部分に近接した位置に配置されるようにしても良い。
【0033】
膨張装置20は、折り畳まれた形と膨らんだ形の間で拡張可能・折り畳み可能であることが好ましい。図1では膨張装置20は膨らんだ形となっている。膨らんだ状態にある時、膨張装置は膨張装置20が折り畳まれた状態にある時より大きい。折り畳まれた状態にある時には、膨張装置は膨張装置20を配するカテーテル12の大きさ近く、より小さな形状を有する。折り畳まれた状態での膨張装置20は、体腔への装置の挿入及び/又は体腔からの装置10の除去を容易にするのに有効であるかもしれない。
【0034】
膨張装置20は、同装置20がカテーテル12の長さ(カテーテル12の長さ、すなわち、カテーテルの近位端14と遠位端16を通って延びる長手軸線に沿って決まる長さ)に沿って移動することができないように、固定された位置でカテーテル12に据え付けても良い。
【0035】
膨張装置20は、任意の適切な技術や技術同士の組合せによって拡張できるようにしても良い。実施形態によっては、膨張装置20は、膨張装置20内に置かれたエアチャンバが膨張することで膨らんだ形へと拡張されるかもしれない。そのような実施形態では、膨張装置20はエアチャンバから空気を抜くことにより折り畳まれるようにしても良い。折り畳みと膨張を容易にするため、膨張装置20は例えばポリマーフィルム、遮水繊維などのフレキシブルな流体不透水性材料を用いて構成されることが好ましいかもしれない。
【0036】
膨張装置20内のエアチャンバの膨張は、膨張装置20のエアチャンバに1種類以上の流体(例えば液体、ガス、スラリー、懸濁液、ゲル等)を供給することにより達成されるかもしれない。流体は、膨張装置20からカテーテル12の近位端14に向かって少なくともカテーテル12の一部を通って近くに延びる膨張ルーメン22により、膨張装置20のエアチャンバに供給されるかもしれない。膨張ルーメン22を通過する流体が膨張装置20のエアチャンバに流入可能なように、膨張ルーメン22は膨張装置20のエアチャンバと流体連通状態にある。好ましくは、膨張ルーメン22は、膨張装置のエアチャンバへの供給される流体の導入口となるポート23を備える。流体は、注射器或いは他の容認できる流体供給装置(例えば、ポンプ、加圧容器等)を用いてポート23に供給されるようにしても良い。
【0037】
図示した実施形態の膨張装置20は、折り畳まれた形と膨らんだ形の間で移動するエアチャンバを用いているが、他の実施形態では、膨張装置は他の拡張可能な構造を使用することで折り畳まれた形と膨らんだ形の間で移動するかもしれない。その他の折り畳み可能/拡張可能な構造としての潜在的に適当な例としては、例えば形状記憶材料、金属、ポリマーからなる構造や小型の変形制御可能構造などが含まれるかもしれない。
【0038】
図1に示す圧力測定装置10の実施形態は又、1個以上のモニタリング気嚢30を備える。図示された実施形態では、膨張装置20をカテーテル12の遠位端16と1個以上の前記モニタリング気嚢30との間に配し、空気袋は膨張装置20に近似して配置される。います。モニタリング気嚢30は又、図3に示した断面図(図1の3−3線に沿う)でも見られる。
【0039】
モニタリング気嚢30は、同モニタリング気嚢30に接する体腔の壁面から装置10にかかる圧縮力を検知するために設けられる。好ましくは、この気嚢30は、例えばポリマーフィルム、ポリマー繊維等のフレキシブルな流体・不透性材料から造られるかもしれない。図示された実施形態では、モニタリング気嚢30は1種以上の流体(例えば、液体、ガス、スラリー、懸濁液、ゲル等)を含むかもしれない。例えば図1に示したような幾つかの実施形態において、モニタリング気嚢30に含まれる流体の量は調整可能であっても良い。装置10の実施形態は、気嚢30に含まれる流体の量を調節するため、1個以上のモニタリング気嚢30との流体連通する膨張ルーメン32を備えている。図示実施形態の膨張ルーメン32はカテーテル12の近位端14近くに膨張ポート33を備える。膨張流体は、注射器や他の許容可能な流体供給装置(例えば、ポンプ、加圧タンク等)を用いてポート33に供給されるようにしても良い。
【0040】
他の実施形態では、1個以上のモニタリング気嚢30に含まれる流体の量は一定かもしれない。又、複数の気嚢30を備えた別の実施形態では、1個以上の気嚢30に含まれる流体の量を一定にし、1個以上の別の気嚢に含まれる流体の量を、例えば膨張ルーメン32を用いて調整できるようにしても良い。モニタリング気嚢30内の流体量を減らすことで装置10の形や大きさを減じ、装置10の設置及び/又は除去を容易にしても良く、又モニタリング気嚢30内の流体の量を増やすことで体腔圧力の測定を容易にしても良い。
【0041】
実施形態によっては、膨張装置20は、膨張時、モニタリング気嚢30によって占有される長さにおける圧力測定装置の最大横断寸法(長手軸線11に対し横断する形で測定される寸法)よりも大きい最大横断寸法を有するものとして特徴付けられるかもしれない。ここに使用されるように、“最大横断寸法”は、長手軸線11に対して横方向の断面内で測定されるような部品(例えば、膨張装置20等)の最大寸法である。一例として、膨張装置20が、長手軸線11に対して横断する平面内において円形の断面を有する装置の形態をなすような場合、前記最大横断寸法はその円形断面の直径となる。膨張装置20の最大横断寸法を決める横断面は、膨張装置20によって占有される長手軸線部分に沿う如何なる位置においても長手軸線11と交差するかもしれない。1つ又は複数のモニタリング気嚢30に占有される長さにおける圧力測定装置の最大横断寸法については、最大横断寸法を決める横断面は、気嚢30によって占有される長手軸線部分に沿う如何なる位置でも長手軸線11と交差するかもしれない(その最大横断寸法は、往々にして1つまたは複数の気嚢30の長さの中間点近傍に見られることになるかもしれないが)。
【0042】
1個以上のモニタリング気嚢30が設けられるような場合、実施形態によっては、膨張ルーメン32が全てのモニタリング気嚢30を均等に膨張/収縮させたり、特定のモニタリング気嚢30を選んで膨張/収縮させる場合があるかもしれない。
【0043】
図示された実施形態では、装置は、各気嚢30がカテーテル12外周の弓状部分にかかる圧力をモニタリングできるように、カテーテル12の外周周りに5個のモニタリング気嚢を備えている。別実施形態としては、僅か1個だけのモニタリング気嚢を備えるものであったり、適当な数(例えば2、3、4、6等)の気嚢を備えるものであっても良い。別実施形態として、モニタリング気嚢が、カテーテル12の長さに沿って互いから長手方向に変位されるかもしれないが、気嚢30は、(図1に示すように)カテーテル12の長さに沿って同じ場所に配置されることが好ましいことになるかもしれない。
【0044】
圧力測定装置10は又、カテーテル12の少なくとも一部を通って1個以上のモニタリング気嚢30からカテーテル12近位端14近傍へと延びる1個又はそれ以上のモニタリング・ルーメン36を備えている。1個以上の前記モニタリング・ルーメン36の各々は、モニタリング気嚢30中の液圧がモニタリング・ルーメン36を通って装置10の近位端に向けて逆に伝わるように、モニタリング気嚢30の内の1つの内部との流体連通状態にある。
【0045】
図示された実施形態に関し、図1、4A及び4Bの組合せからわかるように、モニタリング・ルーメン36は、カテーテル12から分岐して延びるブランチ38の端部に位置する連結器39で終端する。モニタリング・ルーメン36はブランチ38を通って連結器39まで延び、そこで圧力モニタリング装置50(その一実施形態を図2に示す)に接続することができる。ブランチ38の断面を図4Aに示し、そこから延びる様々なモニタリング・ルーメン36を示す。図4Bに示された連結器39の断面図は、連結器39のモニタリング・ルーメン36が圧力モニタリング装置50に対し選択的に結合できるように、例えばピン37のような合せ機構を連結器39が備え得ることを示している。
【0046】
更に、図1及び図3の実施形態に関係して示されるもう1つの特徴は、膨張装置20とモニタリング気嚢30が互いに相対移動可能なように、カテーテル12が可動スリーブ40を備えるかもしれないということである。スリーブ40を移動することで、膨張装置20と1個以上のモニタリング気嚢30の間の距離d(例えば、図1参照)を調整することができる。
【0047】
そのような移動は、圧力測定が必要な体腔の地域が変わり得るような場合、気嚢30の位置調節を可能にするため使うことができる。スリーブ40と付属のモニタリング気嚢30の移動も又、膨張装置20と付属のカテーテル12が体腔内に静止した状態のまま、体腔の長さに沿った測定値を得るために使うことができる。
【0048】
モニタリング気嚢30と膨張装置20が互いに対し長手方向に移動可能である限り、無数の代替構造が可能であるが、スリーブ40はカテーテルに沿い、かつカテーテル周囲で連続的なものになるかもしれない。
【0049】
実施形態によっては、カテーテル12及び/又は膨張装置20に対するスリーブ40の回転位置は固定であったり、或いは調整可能であるかもしれない。スリーブ40と気嚢30の調節は、カテーテル12周りでスリーブ40を回転することで達成されるかもしれない。
【0050】
図1には示されないが、実施形態によっては膨張装置20は、装置10の使用中に体腔から膨張装置20にかかる圧力を測定できるように、圧力測定装置を備えたり、或いは同装置に作動連結されるかもしれない。
【0051】
図2を参照するに、ここには圧力測定装置10と併せて使用可能な圧力モニタリング装置50の一実施形態がブロック図の形式で示されている。図2に示すような装置50は、ハウジング51と、圧力測定装置10の連結器39に接続するようになっている連結器52を備えている。モニタリング・ルーメン36内部、即ちモニタリング気嚢30の中の圧力が測定できるように圧力センサ56が連結器5に作動連結される。図示実施形態は、モニタリング気嚢30の各々に対応する個別の専用圧力センサ56を備えているが、実施形態によっては、様々なモニタリング気嚢に選択的に圧力センサを接続することで様々なモニタリング気嚢30内圧力を獲得できるように、1個以上のモニタリング気嚢30がスイッチング・アセンブリを介して同一圧力センサに接続されるかもしれない。
【0052】
好ましいものとして、圧力モニタリング装置50の圧力センサ56と圧力測定装置10上のモニタリング気嚢30との間の接続は、流体の接続(例えば空気の接続等)に制限されるかもしれない。そのような実施形態にあっては、連結器39、52は、モニタリング・ルーメン36と装置50上の連結器52との間に流体密封接続を成すことが好ましい。空気接続の潜在的利益としては、装置10自体、電子部品などを携える必要がないということかもしれない。
【0053】
ここで論じるように、実施形態によっては圧力モニタリング装置50も又、モニタリング気嚢30に加えて膨張装置20にかかる圧力、又は同装置内の圧力を測定するために膨張装置20に作動連結されるかもしれない。気嚢30と同様に、装置50は膨張装置20のための専用の圧力センサを備えても良く、また膨張装置20にかかる圧力、又は同装置内の圧力をモニタリングするために装置50内の圧力センサを選択的に膨張装置20につなげるようにしても良い。
【0054】
装置50は更に、コントローラー54とメモリ/データ転送部品55に加えて任意の電源53を備えている。電源53に関しては、装置50に内蔵されるもの(例えば、バッテリ、燃料電池、容量性電源等)でも良く、また装置50の外部から供給されるものでも良い。コントローラ54は、本明細書で記載する機能を提供できるハードウェア及び/又はソフトウェアを適当に組合わせることで具体化されるかもしれない。メモリ/データ転送部品55は、オンボードのデータ記憶媒体及び/又はデータ転送機器(例えば、ケーブル、無線周波数トランシーバのようなテレメトリ装置、ブルートゥース、赤外線通信機器等)の形で提供されるかもしれない。
【0055】
装置50に関係するメモリは、例えば、プロセッサが適用可能なプロセッサ実行可能ソフトウェアのインストラクションを格納する任意のコンピュー読取り可能媒体であっても良い。例えば適切なメモリとして、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)5、不揮発RAM(NVRAM)、電気的消去可能ROM、フラッシュメモリ等であるかもしれない。
【0056】
圧力センサ56を用いて集められたデータは、コントローラ54による処理のためオンボードの装置50に格納したり、或いは他の処理機器(例えば、パソコン等)にダウンロード又は転送したり、更に/或いは取得中に別の処理装置に伝送しても良い。オンボードでリアルタイムにデータを処理すること、及び/又はそのリアルタイムなデータ処理のため別のデータ処理装置(例えば、パソコン等)へとデータを転送することは、集められたデータに欠陥があったり、或いは更なるデータ収集の必要があるような場合(例えば、状態を正確に評価するために、更なるデータの収集が必要となり得る状態を示すような時)、実行者に追加のデータを獲得させることになるかもしれない。
【0057】
好ましいものとして、圧力モニタリング装置50は、例えばユーザの前腕部や他の部位に装着可能なポータブルハウジング51に設けられるかもしれない。図5は、ユーザの左前腕に付けられる圧力モニタリング装置50を示しており、片やユーザの右手は装置50に付けられた圧力モニタ装置10を操作している。ユーザに装置50を付けることで、潜在的に使用の柔軟性や使い易さが向上する可能性がある。例えば、仮に圧力モニタリング装置がユーザの非支配的な前腕/手首に付けられるならば、ユーザの利き手は自由に圧力測定装置を操作できるかもしれないし、更に/或いは例えば圧力モニタリング装置50それ自体や、装置50からの収集データ送信先としてのコンピュータ等、他の装置を自由に作動できるかもしれない。利き手は又、圧力測定装置10のポートへ付けられた注射器18の操作に使ってもよい。
【0058】
圧力モニタリング装置50と、それに関連する圧力測定装置10を用いて収集されたデータは如何なる適当なフォーマットで出力しても良い。可能な有用フォーマットの一実施形態を図6に示すが、ここではディスプレイ装置60(例えば、コンピュータ・モニタ等)は、データを得るために使用されるモニタリング気嚢30がカテーテル12の周囲に配置されるために、中央の出力部63(出力Fとしても図示)周りに同じ空間的関係をもって配置された圧力出力部62(更に出力A、B,D,Eとして図示)を備える。そのようなデータ出力は、病気か適正に機能していない可能性のある体腔の中に組織の部分を位置するのに有用かもしれない。
【0059】
実施形態によっては、全気嚢特定出力部62の平均や他の情報(例えば、膨張装置の圧力、基準軸に沿う位置等)を提供するために中央出力部62が使われるかもしれない。
【0060】
例えば、気嚢内圧力の経時的変化を示す圧力プロット、膨張装置内圧力等の情報をユーザに供給するため、その他の出力部64を設けるようにしても良い。
【0061】
更に、本明細書で記載する体腔圧力測定システムの別の任意的特徴を図7に示す。図7は、カテーテル112上の定位置にスリーブ140の一部分を備える圧力測定装置の別の実施形態の一部分を示している。本明細書で記載したように、体腔内の圧力のモニタリングするためモニタリング気嚢130はスリーブ140上に配置される。加えて、図7に示された装置は、圧力測定に加えて体腔周囲の筋活動を評価するために使用可能な筋電図検査(EMG)電極170を備えている。電極170は、図示された実施形態のように、モニタリング気嚢130の列の近位と遠位の双方に配置されるかもしれない。或いは又、EMG電極を、気嚢130の列の近位側のみ、或いは気嚢130の列の遠位側だけに配置しても良い。
【0062】
電極170に接する組織の活性を検知するために構成された電気モニタリング装置176に電極170を接続する導線174も又、図7に示されている。実施形態によっては、電気モニタリング装置176を圧力モニタリング装置と同じハウジングに組み込んでも良いし、異なる装置を個々のハウジングに設けるようにしても良い。
【0063】
体腔内の周囲の組織との接触を高めるため、オプションとして、電極170を膨張可能なサポート172に取り付け、電極をスリーブ140/カテーテル112から外側へと付勢できるようにしても良い。膨張可能なサポート172としては、例えば膨張可能な気球、形状記憶材料で構成された機構等、適した如何なる形態でも良い。好ましいものとして、膨張可能なサポート172は、折り畳まれた形態と膨張した形態との間で膨張可能で折り畳み可能であってもよい。折り畳まれた状態では電極170はスリーブ140/カテーテル112により接近し、膨張状態では電極はスリーブ140/カテーテル112からより離れる。
【0064】
本明細書で記載する体腔圧力測定システムを使用する方法は、一実施形態において、例えば圧力測定装置の遠位端を体腔の中に進めたり、更に/或いは体腔を通って進めることを備えるもしれない。直腸の測定値が対象である場合、装置は肛門を経て直腸に挿入されるかもしれない。モニタリング気嚢及び/又は膨張装置は、装置の設置を容易ならしめるため夫々折り畳まれた形態にあることが好ましい。
【0065】
装置を適当な位置に置き(適切な配置確認のために蛍光透視、超音波、及び他の画像/トラッキングシステムが使用可能)、装置の位置を固定するために膨張装置を膨張することが好ましい場合もあり、設置場所が直腸の場合には排便衝動を誘発するかもしれない。直腸内の圧力は装置上にある1個以上のモニタリング気嚢を用いてモニタリング/測定される。仮に、気嚢が可動スリーブ上に取り付けられたならば、モニタリング気嚢を段階的に近位に引き込んでも良く、その場合圧力は選択された位置で測定される。選択された位置は、例えばカテーテル上にある指標などを使って決定するようにしても良い。
【0066】
ここと添付された請求の範囲で使われているように、単数形“a”、“and”、及び“the”は、明確に単数形に限定されていない限り、或いは前後関係により明確に決定づけるものでなければ複数の指示対象を含んでいる。
【0067】
ここに引用された全ての引用文献や出版物は、この開示においてその全体を参照することによりここに明確に組み込まれる。本発明の実例となる実施形態が論じられ、また本発明の範囲内で可能な変形例が言及された。本発明の、これら及びその他の変形例や応用例は、発明の範囲から逸脱することなく当業者に明白になるであろうし、本発明がここに述べられた実施形態に制限されないことを理解すべきである。即ち、発明は以下に掲げる請求の範囲とその等価物によってのみ制限されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力測定装置と圧力モニタリング装置を有する体腔圧力測定システムであって、
前記圧力測定装置は、
近位端と遠位端を有するカテーテルであって、長手軸線が前記近位端と前記遠位端を通って前記カテーテルに沿って延びるような前記カテーテル、
前記カテーテルの遠位端近傍でカテーテルに取り付けられ、折り畳まれた形態と膨張した形態との間で膨張可能かつ折り畳み可能な膨張装置、
前記膨張装置に近い位置でカテーテルに取り付けられ、前記カテーテルの近位端近くの第1位置と、該第1位置の近くに位置する第2位置との間で前記カテーテルに沿って移動可能なモニタリング気嚢、及び
前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記モニタリング気嚢から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延びるモニタリング・ルーメンであって、前記モニタリング気嚢内の流体圧が前記モニタリング・ルーメンを通って伝わるように、モニタリング・ルーメンがモニタリング気嚢の内部と流体連通するような前記モニタリング・ルーメン、を有し、
前記圧力モニタリング装置は、前記モニタリング・ルーメンを通って前記圧力測定装置の前記モニタリング気嚢に作動連結されると共に、モニタリング・ルーメンの近位端においてモニタリング・ルーメン内の流体圧を測定することで前記モニタリング気嚢内の流体圧を決定するように構成されることを特徴とする体腔圧力測定システム。
【請求項2】
前記膨張装置は前記カテーテル上の定位置に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
膨張した形態において前記膨張装置は、前記モニタリング気嚢に占有される長さにわたって、前記圧力測定装置の最大横断寸法より大きい最大横断寸法を有すると共に、前記最大横断寸法は前記長手軸線に横断するようにして測定される特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記膨張装置は、該膨張装置を膨張状態へと膨張させるべく拡張されるエアチャンバを有すると共に、該エアチャンバは、膨張装置を前記折り畳まれた形態へと折り畳むように収縮されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
更に、前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記膨張装置から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延びる膨張ルーメンであって、前記エアチャンバと流体連通する前記膨張ルーメンを有することを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記カテーテルは前記膨張装置の近くに位置する可動スリーブを有し、前記モニタリング気嚢は前記可動スリーブに取り付けられ、前記膨張装置近くの前記第1位置と前記カテーテルの前記第1位置の近くに位置する前記第2位置との間で前記モニタリング気嚢がカテーテルに沿って移動する時、前記可動スリーブはカテーテルに沿って移動することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
更に、前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記モニタリング気嚢から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延びる膨張ルーメンを有し、該膨張ルーメンは、膨張ルーメンを通ってモニタリング気嚢へ流体を供給できるモニタリング気嚢の内部と流体連通することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記膨張ルーメンと前記モニタリング・ルーメンは、互いに異なるルーメンであることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記モニタリング・ルーメンは、着脱可能な連結器を介して前記圧力モニタリング装置に接続された近位端を有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記圧力測定装置は、2個以上のモニタリング気嚢と2個以上のモニタリング・ルーメンを有し、
前記2個以上のモニタリング気嚢の各モニタリング気嚢は、前記膨張装置に近い位置で前記カテーテルに取り付けられ、各モニタリング気嚢は、前記膨張装置近くの第1位置と、該第1位置の近くに位置する第2位置との間で前記カテーテルに沿って移動可能であり、
前記2個以上のモニタリング・ルーメンの各モニタリング・ルーメンは、前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記モニタリング気嚢から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延び、前記1個のモニタリング気嚢の中の流体圧が前記モニタリング・ルーメンを通って伝わるように、各モニタリング・ルーメンが1個のモニタリング気嚢の内部と流体連通することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記2個以上のモニタリング気嚢は、同じ長手方向位置において前記カテーテルの外周周りに位置し、各モニタリング気嚢はカテーテル外周の一部分だけを占有することを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは更に、
前記モニタリング気嚢の近くで前記カテーテルに取り付けられる医療用電極、
前記医療用電極に作動連結され、かつ前記カテーテルの少なくとも一部分を通って近接して延びる導線、及び
前記導線を介して前記医療用電極に作動連結される電気モニタリング装置であって、前記医療用導線に接する組織の活性を検出するように構成された前記電気モニタリング装置、を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記医療用導線は、折り畳まれた形態と膨張した形態との間で膨張可能かつ折り畳み可能な、膨張可能サポートに取り付けられると共に、前記医療用電極は、前記膨張可能サポートが膨張状態にある時よりも、前記膨張可能サポートが折り畳まれた形態にある時の方が前記カテーテルにより近いこと特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記膨張可能サポートは形状記憶材料からなることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記膨張可能サポートは膨張可能な気球からなることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
体腔圧力測定装置であって、
近位端と遠位端を有するカテーテル、
前記カテーテルの遠位端近傍でカテーテルに取り付けられ、折り畳まれた形態と膨張した形態との間で膨張可能かつ折り畳み可能な膨張装置、
前記膨張装置に近い位置でカテーテルに取り付けられ、前記膨張装置の近位端近くの第1位置と、該第1位置の近くに位置する第2位置との間で前記カテーテルに沿って移動可能なモニタリング気嚢、及び
前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記モニタリング気嚢から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延びるモニタリング・ルーメンであって、前記モニタリング気嚢内の流体圧が前記モニタリング・ルーメンを通って伝わるように、モニタリング・ルーメンがモニタリング気嚢の内部と流体連通するような前記モニタリング・ルーメン、を有することを特徴とする体腔圧力測定装置。
【請求項17】
前記膨張装置は前記カテーテル上の定位置に取り付けられることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
膨張状態において、前記膨張装置は、前記モニタリング気嚢に占有される長さにわたって、前記圧力測定装置の最大横断寸法より大きい最大横断寸法を有すると共に、前記最大横断寸法は前記長手軸線に横断するようにして測定される特徴とする請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
前記膨張装置は、該膨張装置を膨張状態へと膨張させるべく拡張されるエアチャンバを有すると共に、該エアチャンバは、膨張装置を前記折り畳まれた形態へと折り畳むように収縮されることを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
更に、前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記膨張装置から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延びる膨張ルーメンを有し、該膨張ルーメンは、前記エアチャンバと流体連通することを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記カテーテルは前記膨張装置の近くに位置する可動スリーブを有し、前記モニタリング気嚢は前記可動スリーブに取り付けられ、前記膨張装置近くの前記第1位置と前記カテーテルの前記第1位置の近くに位置する前記第2位置との間で前記モニタリング気嚢がカテーテルに沿って移動する時、前記可動スリーブはカテーテルに沿って移動することを特徴とする請求項16〜20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
更に、前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記モニタリング気嚢から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延びる膨張ルーメンを有し、該膨張ルーメンは、膨張ルーメンを通ってモニタリング気嚢へ流体を供給できるモニタリング気嚢の内部と流体連通することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項23】
前記膨張ルーメンと前記モニタリング・ルーメンは、互いに異なるルーメンであることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記モニタリング・ルーメンは、着脱可能な連結器を有する近位端を有することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項25】
前記装置は、2個以上のモニタリング気嚢と2個以上のモニタリング・ルーメンを有し、
前記2個以上のモニタリング気嚢の各モニタリング気嚢は、前記膨張装置に近い位置で前記カテーテルに取り付けられ、各モニタリング気嚢は、前記膨張装置近くの第1位置と、該第1位置の近くに位置する第2位置との間で前記カテーテルに沿って移動可能であり、
前記2個以上のモニタリング・ルーメンの各モニタリング・ルーメンは、前記カテーテルの少なくとも一部分を通り、前記モニタリング気嚢から前記カテーテルの近位端に向けて近接して延び、前記1個のモニタリング気嚢の中の流体圧が前記モニタリング・ルーメンを通って伝わるように、各モニタリング・ルーメンが1個のモニタリング気嚢の内部と流体連通することを特徴とする請求項16〜24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
前記2個以上のモニタリング気嚢は、同じ長手方向位置において前記カテーテルの外周周りに位置し、各モニタリング気嚢はカテーテル外周の一部分だけを占有することを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記装置は更に、
前記モニタリング気嚢の近くで前記カテーテルに取り付けられる医療用電極、及び
前記医療用電極に作動連結され、かつ前記カテーテルの少なくとも一部分を通って近接して延びる導線、を有することを特徴とする請求項16〜26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
前記医療用導線は、折り畳まれた形態と膨張した形態との間で膨張可能かつ折り畳み可能な、膨張可能サポートに取り付けられると共に、前記医療用電極は、前記膨張可能サポートが膨張状態にある時よりも、前記膨張可能サポートが折り畳まれた形態にある時の方が前記カテーテルにより近いこと特徴とする請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記膨張可能サポートは形状記憶材料からなることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記膨張可能サポートは膨張可能な気球からなることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項31】
内部体腔圧力をモニタリングする方法において、
体腔内に請求項1〜30のいずれか1項に記載の装置を配置し、
前記膨張装置を膨張させ、
前記体腔により前記モニタリング気嚢にかかる圧力をモニタリングし、
前記体腔に対する2つ以上の位置において前記モニタリング気嚢にかかる圧力をモニタリングするために、前記体腔に対して前記膨張装置を静止した状態に保持したまま、膨張装置に対して前記モニタリング気嚢を移動することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−500775(P2013−500775A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522988(P2012−522988)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/043474
【国際公開番号】WO2011/014530
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(501083115)メイヨ・ファウンデーション・フォー・メディカル・エデュケーション・アンド・リサーチ (27)
【Fターム(参考)】