説明

体部位を測定する装置及び方法

乳幼児の頭部のような体部位の特性を測定する装置は、可撓性基板、該基板に沿って設けられた複数のセンサ素子及び電子システムを有する。各センサ素子は、(i)コンポーネントを有し、該コンポーネントの電気的特性は、該コンポーネントが曲げられるのに応答して予測可能に変化し、(ii)前記電気的特性の現在の値を示す信号を提供する。電子システムは、各センサ素子の信号を受信し、該受信した信号に基づきセンサ素子の湾曲の程度の指標を決定する。前記電子システムは、前記指標に基づき、選択された1又は複数の前記センサ素子により定められる、ループのようなセグメントの湾曲の表示を決定するよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の頭部(例えば、幼児の頭部)のような体部位に関連する特徴の測定に関し、より詳細には、センサが曲がったときに予測可能に変化する電気的特性を有する複数のセンサを用い、人の頭部のような体部位又は体部位の一部の湾曲の程度又は表面形状のような特徴を測定する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新生児は、比較的弾性のある頭蓋骨構造を持って生まれてくる。また、新生児が早く生まれるほど、頭蓋骨構造は高い弾性を有する。新生児が長期間、1つの姿勢に置かれると、新生児の頭部にかかる重力の影響は、頭蓋骨構造に半永久的な変形を生じさせるのに十分である。早産児は当然に比較的動かないという事実、及び多くの看護の診療行為が早産児を更に動かないようにするという事実は、新生児の間で斜頭として知られる頭部変形の発生率を一層高くする。満期出産された新生児でも、特に乳幼児突然死症候群(SIDS)に対する予防策として、両親が新生児を仰向けに寝かせるよう助言されるので、長い間に頭部変形を経験するかも知れない。
【0003】
斜頭に伴う困難の1つは、損傷が視覚的に気付かれるまで検出することが非常に困難であり、その時点では損傷を取り消すことがもっと困難になっていることである。臨床医学者は、現在、巻き尺を用いて、新生児の頭囲を決定している。これは、成長率として一般的に用いられている。この測定は、体の他の部位に対して頭部の不均衡な大きさを生じうる状態の指標のために、他の生理学的測定と比較されることも多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
頭部の形状、特に頭部の曲率を簡単且つ正確に長期間監視でき、新生児を正常な位置に戻す又は衝撃を和らげるため若しくは頭部を位置付けるために設計された種々の製品を用いるような、斜頭を軽減及び/又は除去するのを助けるための看護における適応が、損傷が視覚的に気付かれる及び/又は永久的になる前に用いられるようにする、現在利用可能な装置は存在しない。現在の装置は、早産児に相当のストレスを与えてしまう頭部の位置の有意な操作なしには、頭部の形状を測定することもできない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、体部位の特性を測定する装置が提供される。当該装置は、細長い可撓性の不拡張性の基板、該基板に沿って設けられた複数のセンサ素子及び電子システムを有し、各センサ素子は前記電子システムに結合されている。各センサ素子は、(i)コンポーネントを有し、該コンポーネントの電気的特性(例えば、抵抗値、インダクタンス又はキャパシタンス)は、該コンポーネントが曲げられるのに応答して予測可能に変化し、(ii)前記電気的特性の現在の値を示す信号を提供する。電子システムは、各センサ素子の信号を受信し、センサ素子と関連する該受信した信号に基づきセンサ素子の湾曲の程度の指標(例えば、曲率半径)を決定する。前記電子システムは、選択された1又は複数の前記センサ素子の各々と関連する前記指標に基づき、該選択された1又は複数の前記センサ素子により定められるセグメントの湾曲の表示を決定するよう構成されることが望ましい。前記電子システムは、前記セグメントの曲線距離を決定するよう構成されてもよい。好適な実施形態では、前記基板、前記センサ素子及び前記電子システムは、ポータブル装置に一緒に設けられる。
【0006】
前記セグメントは閉ループであり、前記電子システムは、前記閉ループが形成されていると決定し、第2の複数のセンサ素子の各々について較正調整を実行するよう構成されてもよい。セグメントは、閉ループ以外のものであってもよく、例えば装置の湾曲した部分であってもよい。
【0007】
特定の実施形態では、装置は、前記閉ループが形成されていると決定し、前記閉ループ内に含まれるセンサ素子を識別する機構を有する。前記機構は、前記基板に沿って設けられた複数の導電性パッドと、前記基板の遠端に設けられた導電素子とを有してもよい。別の特定の実施形態では、前記装置は、前記基板に沿って設けられた複数の導電性パッドと、前記基板に沿ってスライド可能な導電素子とを有するセグメントのセンサ素子を識別する機構を有してもよい。
【0008】
前記電子システムは、選択された一組のセンサ素子の各々と関連する前記指標に基づき、湾曲変形指数を決定するよう構成され、該湾曲変形指数は、前記指標のうちの最小の指標を前記指標のうちの最大の指標と比較する比を計算することにより決定される。
【0009】
また、体部位の特性を測定する方法も提供される。当該方法は、複数のセンサ素を設けるステップであって、該センサ素子の各々は、(i)コンポーネントを有し、該コンポーネントの電気的特性は、該コンポーネントが曲げられるのに応答して予測可能に変化し、(ii)前記電気的特性の現在の値を示す信号を提供する、ステップ、前記センサ素子を前記体部位の少なくとも一部に巻くステップ、前記センサ素子が前記体部位の少なくとも一部に巻かれたとき、前記センサ素子の各々の前記信号を受信するステップ、前記受信した信号に基づき、前記センサ素子の各々の湾曲の程度の指標を決定するステップ、を有する。当該方法は、各指標に基づき、前記センサ素子が前記体部位の前記少なくとも一部に巻かれたときに、前記複数のセンサ素子により定められるセグメントの湾曲の表示を決定するステップ、を有してもよい。
【0010】
本発明の上述の及び他の目的、特性及び特徴は、動作方法、構造の関連要素及び部品の組合せの機能、製造の簡潔さと共に、本願明細書の一部を形成する添付の図面を参照して以下の説明及び請求の範囲を考慮することにより一層明らかになるだろう。図中の同様の参照符号は種々の図の対応する部分を示す。しかしながら、図面は、説明及び解説のみを目的としており、本発明の定義として見なされないことが明確に理解されるべきである。明細書及び請求の範囲で用いられるように、単数を表す語(「a」、「an」及び「the」)は、特に文脈上明示されない限り、複数への参照も含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の1つの特定の実施形態による測定装置の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の1つの特定の実施形態による測定装置の概略ブロック図である。
【0013】
例えば次の語に限定されないが、最上部、最下部、左、右、上、下、前、後及びこれらの派生語のような、本願明細書で用いられる方向を示す語は、図中に示された要素の方位に関連し、請求の範囲で明示的に記載されない限り、請求の範囲を制限しない。
【0014】
本願明細書で用いられるように、2以上の部分又は構成要素が共に「結合される」という記載は、直接に又は1若しくは複数の中間部分若しくは構成要素を通じて該部分が接合される又は一緒に動作することを意味する。
【0015】
本願明細書で用いられるように、2以上の部分又は構成要素が互いに「係合する」という記載は、直接に又は1若しくは複数の中間部分若しくは構成要素を通じて該部分が他方に対して力を及ぼすことを意味する。
【0016】
本願明細書で用いられるように、用語「数」は、1又は1より大きい整数(つまり、複数)を意味する。
【0017】
図1は、本発明の1つの特定の実施形態による測定装置2の概略ブロック図である。測定装置2は、電子システム6に結合されたセンサ片4を有する。センサ片4は、望ましくは、限定ではなく柔らかな金属又はプラスチック・フィルムのような、可撓性の、曲げられる、弾力のない、不拡張性の材料から成る細長い基板8を有する。複数のセンサ素子10が設けられ、センサ片4の全長に沿って端から端まで(接着剤のような適切な取り付け機構により)配置される。望ましくは、センサ片4は、形状、大きさ及び厚さが知られている巻き尺と同様である。
【0018】
各センサ素子10は、コンポーネント又は部分を有する。限定ではなく、抵抗、インダクタンス又はキャパシタンスのような該コンポーネント又は部分の電気的特性は、該コンポーネント又は部分及び関連するセンサ素子10が曲げられるのに応答して、予測可能に及び一貫して変化する。したがって、センサ素子10が曲げられた結果として生じる特定の電気的特性の異なる値は、測定され、偏位又は湾曲の特定の程度を計算するために相互に関連付けられ及び/又はそのために用いることができる。言い換えると、各センサ素子10について、特定の電気的特性の現在の値(例えば、抵抗値、インダクタンス又はキャパシタンス)は、センサ素子10の偏位又は湾曲の現在の程度の量(例えば、曲率半径)を決定するために用いることができる。
【0019】
各センサ素子10のために用いられるある適切な装置は、参照することにより開示内容が本願明細書に組み込まれる米国特許第7,248,142号明細書に記載されている。特に、この特許は、可変抵抗値の材料の層を有するセンサ装置であって、この層は、この層及びセンサ装置が平坦な(曲がっていない)とき有限の基準電気抵抗値を有し、この層の電気抵抗値は、層及びセンサ装置が歪められるか又は曲げられたときに予測可能に変化する、装置を記載している。この特許に記載された特定の実施形態では、偏位量が大きいほど、材料の層の抵抗値が大きい。結果として、センサ装置が曲げられることから生じる異なる抵抗値が測定され、センサ装置の偏位又は屈曲の特定の程度を決定するために用いることができる。この特許に記載されたセンサ装置は、単なる例であり限定ではない。そして、異なるデザインの他の適切なセンサ装置も本発明の範囲内で用いることができることが理解されるだろう。
【0020】
図1を参照すると、電子システム6は、センサ片4に結合され、特にセンサ片4の各センサ素子10に結合される。電子システム6は、例えば限定ではなくマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又は特定の他の適切な特注の制御回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))のようなプロセッサ12を有する。メモリ14はプロセッサ12に結合される。メモリ14は、限定ではなく、RAM、ROM,EPROM、EEPROM等のような、本願明細書に記載されるように測定装置2の動作を制御するためのデータ及びプロセッサ12により実行可能なソフトウェアに記憶媒体を提供する種々の内部及び/又は外部記憶媒体のうちのいずれであってもよい。また、プロセッサ12及びメモリ14は、図1では別個のブロックとして示されるが、単一のコンポーネント又は装置に結合されてもよい(つまり、メモリ14がプロセッサ12の内部にあってもよい)。電子システム6は、データ及び/又は命令を電子システム6に入力及び/又はそれから出力させるためにプロセッサ12に結合されたユーザ・インタフェース16を更に有する。1つの特定の実施形態では、ユーザ・インタフェース16は、データ及び制御命令を電子システム6に入力するキーボード等、LCDのような、本願明細書に記載されるように測定装置2により行われた測定に関する情報を表示するディスプレイを有する。
【0021】
電子システム6は、各センサ素子10に提供される電気的入力信号20を生成する入力ソース18も有する。本発明の一態様によると、各センサ素子10は、電気的入力信号20の受信に応答して、関連するセンサ素子10の特定の変化する電気的特性の現在の値(例えば、抵抗値、インダクタンス又キャパシタンス)を示す特定の出力信号22(図1で22A〜22Fと付されている)を生成する。出力信号22は、電子システム6のプロセッサ12に提供される。本発明の一態様によると、プロセッサ12は、センサ素子10に関連付けられた特定の受信した出力信号22に基づき、各センサ素子10の湾曲の程度の、曲率半径のような指標を決定するようプログラミングされる。
【0022】
さらに、プロセッサ12は、特定の選択された数のセンサ素子10により定められたセグメントの湾曲の表示を、該セグメント内の各センサ素子10に関連付けられた湾曲の程度の決定された指標に基づき、決定するようプログラミングされる。このセグメントは、閉ループに形成される特定の選択された数のセンサ素子10、又は円弧を形成する特定の選択された数のセンサ素子10を含んでもよい。したがって、好適な実施形態では、センサ片4が閉ループに形成されるとき、プロセッサ12は、該ループの湾曲の表示及び/又は外側の輪郭/形状を、該ループに含まれる特定のセンサ素子10の湾曲の程度の各測定値に基づき、決定するようプログラミングされる(以下の、関心のある特定のセンサ素子10がどのように特定されるかの説明を参照)。したがって、動作中、センサ片4は、新生児の頭部に完全に覆われるか部分的に囲み、適切な1つのセンサ素子10から受信した出力信号22に基づき、新生児の頭部(又はその部分)の湾曲の表示及び/又は外側の輪郭/形状が、プロセッサ12により決定される。データは、後の記憶、分析及び/又は使用のために、メモリ14に格納され及び/又は臨床医学者のコンピュータ・システムに出力されてもよい。
【0023】
さらに、プロセッサ12は、センサ片4が完全な閉ループに形成されたとき(例えば、以下に記載されるように検出される)、自己較正を実行するようプログラミングされてもよい。プロセッサ12は、このような状態では、それぞれの関与するセンサ素子10に関連付けられた個々の湾曲の指標が一緒に閉ループを形成すると期待しているからである。しかしながら、センサ素子10の精度に依存して、計算された曲線は閉ループを形成しないかもしれない。各センサ素子10の誤差は、そのセンサ素子10とループの端との間にある素子の数により基本的に乗算される。これらの誤差は複合されるので、全てのセンサ素子10の誤差の結合されたマージンは、閉ループを形成しない計算された円弧を生じうる。プロセッサ12が、内蔵のループ検出手段又はユーザによる指示の何れかを通じて、閉ループが測定中に形成されたことを検出した場合、プロセッサ12は、その計算したループを閉じるために、センサ較正に実時間で一様な調整を行うことができ、精度を向上させることができる。
【0024】
好適な実施形態では、測定装置2は、どの特定のセンサ素子10がセンサ片4のセグメントの湾曲の表示を決定するときに用いられるべきかを決定する機構を設けられる。言い換えると、どの特定のセンサ素子10が関心のあるセグメントに含まれるかを定め、それらの特定のセンサ素子10と関連付けられた湾曲の指標のみが、そのセグメントの湾曲の表示を決定するためにプロセッサ12により用いられるようにする機構が設けられる(他のセンサ素子10と関連付けられた湾曲の指標は本例では無視される)。この機構は、一実施形態では、基板8の長さに沿って設けられた複数の導電性パッド24、基板8の遠端に設けられた導電素子26を有してもよい。この構成では、回路は、導電素子26を特定のパッド24に接触させることにより、完成される。このような接触は、閉ループが形成されたことの指示として用いることができる。さらに、接触している特定のパッド24の識別は、関心のあるセンサ素子10はどれか(つまり、閉ループ内か)、及び関心のないセンサ素子10はどれか(つまり、閉ループの外か)を決定するために用いることができる。また、看護者にとって関心のある、セグメントの曲線距離(例えば、頭部の外周)は、(既知のパッド間隔及び/又はセンサ素子10の既知の長さに基づき)接触している特定のパッド24の識別から決定することができる。別の実施形態では、この機構は、基板8の長さに沿って設けられた複数の導電性パッド24、及び基板8の長さに沿って移動可能なスライド可能な導電性素子28を有し、スライド可能な導電性素子28がパッド24に接触する度に回路が完成するようにしてもよい。完成した回路に基づき、プロセッサ12は、どのパッド24が接触しているか、したがって関心のあるセンサ片4の長さ(したがって、関心のある特定のセンサ素子10)を決定できる。また、決定した長さは、上述のように看護者にとって関心のあるセグメントの曲線距離を決定するために、プロセッサ12により用いられる。
【0025】
特定の実施形態では、各センサ素子10は、’142特許に開示されたような素子であり、各センサ素子10の電気抵抗は、各センサ素子10が曲げられたときに予測可能に変化する。この実施形態では、各センサ素子10に供給される電気入力信号20は特定の電位を有する入力電圧である。また、各センサ素子10は、分圧回路を含むか又はそれに結合される。分圧回路は、各センサ素子10のために、関連付けられたセンサ素子10の現在の抵抗値を示すレベルを有する出力電圧である出力信号22を生成する。プロセッサ12は、次に、各出力電圧を受信すると、関連付けられたセンサ素子10の現在の抵抗値を決定し、その抵抗値から、センサ素子10の湾曲の程度の指標を決定する。他でも記載されるように、このように決定された湾曲の各指標は、次に、例えばセンサ片4が新生児の頭部の周りに輪にされたときに、湾曲の表示及び/又はセンサ片4により形成されたループの外側の輪郭/形状を決定するために用いられる。
【0026】
センサ片4(関連する回路を含む)は、特定の実施形態では、安全及び環境保護のため、鞘で囲まれ、積層材料の間に入れられ、又は弾性のある(compliant)構造内に形成されてもよい。
【0027】
本発明の一態様によると、本願明細書に記載される測定装置2は、既存の看護者のワークフローに組み込まれ、長期に渡る乳幼児の頭部の湾曲を計算、格納及び追跡するために用いられ、看護者に傾向を示し早期の診療行為を可能にしてもよい。特定の実施形態では、測定装置2は、乳幼児の頭部の湾曲の表示を定期的に決定し格納するために用いられてもよい。これらの表示は、次に、看護者のPCのようなコンピュータに(電子システム6をコンピュータに、コンピュータに結合されたUSBケーブル又はドッキング・ステーションを用いるような適切な接続を通じて結合することにより)ダウンロードされ、長期に渡り格納され、表示され及び分析することができる。例えば、測定された湾曲情報は、グラフィカルに又は数的に表示されてもよい。或いは、湾曲の重症度の全体的な指数が決定され表示されてもよい。指数は、実際に測定されたループがどれ位「真円といえないか」の迅速な指示になるだろう。完全に円のループでは、全てのセンサ素子10は正確に同一の曲率半径を測定するだろう。細長い湾曲した閉ループでは、幾つかのセンサ素子10は、他のセンサ素子10よりも小さい曲率半径を示すだろう。湾曲変形指数は、1又は複数のセンサ素子10から示された最小曲率半径を1又は複数のセンサ素子10から示された最大曲率半径と比較した比(湾曲変形指数比と表す)を計算することにより、決定される。一組のセンサ素子10が検討される場合、湾曲変形指数比は、変形が全体的な形状の範囲内か又は単に局所的な異常かを決定するために、「下限」又は「上限」閾を満たすセンサ素子10の数に基づき更に変更されるか重み付けされる。
【0028】
別の特定の実施形態では、表示は、記憶及び/又は分析のために、上述のコンピュータを通じて又は測定装置2から直接に、病院のコンピュータ・ネットワークのようなコンピュータ・ネットワークにアップロードされてもよい。或いは、これらの表示は、電子システム6から(ユーザ・インタフェース16を用いて)手動でアクセスされ、後の分析のために乳幼児のカルテに記録されてもよい。また、測定装置2は、複数の乳幼児についての表示を収集し格納し、これらの表示を上述のようにダウンロード及び/又はアップロードできる。例えば、看護師は、測定装置2を用いて、保育園にいる多数の乳幼児についてのデータを収集し、次に各乳幼児のカルテに関連付けて記憶するために、そのデータをダウンロード及び/又はアップロードできる。
【0029】
さらに、乳幼児の看護に責任のある医師は、測定装置2を用いて、(矯正器具を用いる治療又は処置のような)斜頭に対する特定の治療又は処置の進捗を監視するか、日常的な外来診療中に潜在的な斜頭を早期発見できる。測定装置2を適用可能な他の分野は、再建形成外科、及び体部位の湾曲の測定が適切な看護の提供にとって重要な同様の用途を含む。
【0030】
本発明は、現在最も実用的であると考えられる事項及び好適な実施形態に基づいて、説明を目的として詳細に記載されたが、このような詳細は単に説明を目的としていること、本発明は開示された実施形態に限定されないこと、むしろ本発明は添付の請求の範囲の精神及び範囲に含まれる変更及び等価な構成も包含することが理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な範囲で、任意の実施形態の1又は複数の特徴が任意の他の実施形態の1又は複数の特徴と結合できることを想定していることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体部位の特性を測定する装置であって:
細長い可撓性の不拡張性の基板;
前記基板に沿って設けられた複数のセンサ素子であって、該センサ素子の各々は、(i)コンポーネントを有し、該コンポーネントの電気的特性は、該コンポーネントが曲げられるのに応答して予測可能に変化し、(ii)前記電気的特性の現在の値を示す信号を提供する、複数のセンサ素子;
電子システムであって、前記センサ素子の各々は該電子システムに結合され、前記電子システムは、前記センサ素子の各々の信号を受信し、前記センサ素子と関連する該受信した信号に基づき、前記センサ素子の湾曲の程度の指標を決定するよう構成される、電子システム;
を有する装置。
【請求項2】
前記電子システムは、選択された1又は複数の前記センサ素子の各々と関連する前記指標に基づき、該選択された1又は複数の前記センサ素子により定められるセグメントの湾曲の表示を決定するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記セグメントは閉ループである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記電子システムは、前記閉ループが形成されていると決定し、前記選択された1又は複数の前記センサ素子の各々について較正調整を実行するよう構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記閉ループが形成されていると決定し、前記選択された1又は複数の前記センサ素子を識別する機構、を更に有する請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記機構は、前記基板に沿って設けられた複数の導電性パッドと、前記基板の遠端に設けられた導電素子とを有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記選択された1又は複数の前記センサ素子を成す前記センサ素子を識別する機構、を更に有する請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記機構は、前記基板に沿って設けられた複数の導電性パッドと、前記基板に沿ってスライド可能な導電素子とを有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記選択された1又は複数の前記センサ素子は、前記複数のセンサ素子の全部より少ない、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記センサ素子の湾曲の程度の前記指標は曲率半径である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記電子システムは、前記選択された一組のセンサ素子の各々と関連する前記指標に基づき、湾曲変形指数を決定するよう構成され、前記湾曲変形指数は、前記選択された一組のセンサ素子の各々に関連する前記指標のうちの最小の指標を前記選択された一組のセンサ素子の各々に関連する前記指標のうちの最大の指標と比較する比を計算することにより決定される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記湾曲変形指数は、前記最小の指標を有するセンサ素子の数及び前記最大の指標を有するセンサ素子の数に基づき、重み付けされる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記表示は曲率半径である、請求項2に記載の装置。
【請求項14】
前記電子システムは、前記セグメントの曲線距離を決定するよう構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項15】
前記電気的特性は抵抗値、インダクタンス及びキャパシタンスのうちの1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記基板、前記センサ素子及び前記電子システムは、ポータブル装置に一緒に設けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
体部位の特性を測定する方法であって:
複数のセンサ素子を設けるステップであって、該センサ素子の各々は、(i)コンポーネントを有し、該コンポーネントの電気的特性は、該コンポーネントが曲げられるのに応答して予測可能に変化し、(ii)前記電気的特性の現在の値を示す信号を提供する、ステップ;
前記センサ素子を前記体部位の少なくとも一部に巻くステップ;
前記センサ素子が前記体部位の少なくとも一部に巻かれたとき、前記センサ素子の各々の前記信号を受信するステップ;
前記受信した信号に基づき、前記センサ素子の各々の湾曲の程度の指標を決定するステップ;
を有する方法。
【請求項18】
各指標に基づき、前記センサ素子が前記体部位の前記少なくとも一部に巻かれたときに、前記複数のセンサ素子により定められるセグメントの湾曲の表示を決定するステップ、を更に有する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記体部位は頭部である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記セグメントは閉ループである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記閉ループが形成されていると決定し、前記複数のセンサ素子の各々について較正調整を実行するステップ、を更に有する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記センサ素子の各々と関連する前記指標に基づき、湾曲変形指数を決定するステップであって、該湾曲変形指数は、前記指標のうちの最小の指標を前記指標のうちの最大の指標と比較する比を計算することにより決定される、ステップ、を更に有する請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記湾曲変形指数は、前記最小の指標を有するセンサ素子の数及び前記最大の指標を有するセンサ素子の数に基づき、重み付けされる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記センサ素子の各々の湾曲の程度の前記指標は曲率半径である、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記表示は曲率半径である、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記セグメントの曲線距離を決定するステップ、を更に有する請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記電気的特性は抵抗値、インダクタンス及びキャパシタンスのうちの1つである、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記表示を格納し、次に前記表示をコンピュータ装置にダウンロードするステップ、を更に有する請求項18に記載の方法。
【請求項29】
多数の更なる湾曲の表示を生成するために、前記巻くステップ、前記受信するステップ及び前記決定するステップを多数回実行し、長期に渡って前記湾曲の表示及び前記複数の更なる湾曲の表示を格納し追跡するステップ、を更に有する請求項18に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2013−508002(P2013−508002A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533711(P2012−533711)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054142
【国際公開番号】WO2011/045689
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】