体重計及び体重情報表示方法
【課題】体重を測定した対象者の体重情報が他人等の知られない体重計等を提供すること。
【解決手段】測定対象者の体重を測定する体重情報測定部11と、体重情報測定部が測定した測定体重情報を報知対象者に報知する測定体重報知部13と、を有し、測定体重報知部が、測定体重情報を報知対象者の皮膚感覚として再現する触覚情報として出力する触覚情報報知部13である体重計1。
【解決手段】測定対象者の体重を測定する体重情報測定部11と、体重情報測定部が測定した測定体重情報を報知対象者に報知する測定体重報知部13と、を有し、測定体重報知部が、測定体重情報を報知対象者の皮膚感覚として再現する触覚情報として出力する触覚情報報知部13である体重計1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、対象者の体重情報等を表示する体重計及び体重情報表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、対象者の体重を測定し、ディスプレイ等に、その数値を表示する体重計が用いられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−78504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、対象者が体重計で体重を測る際に、近くに他の人が居る場合などは、その他人に体重計に表示される体重値を知られるおそれがある。特に対象者が女性等の場合は、かかる事態が生じることは、体重測定の忌避につながり、健康維持のための体重測定が促進されないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、体重を測定した対象者の体重情報が他人等の知られない体重計及び体重情報表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、本発明にあっては、測定対象者の体重を測定する体重情報測定部と、前記体重情報測定部が測定した測定体重情報を報知対象者に報知する測定体重報知部とを有し、前記測定体重報知部が、前記測定体重情報を前記報知対象者の皮膚感覚として再現する触覚情報として出力する触覚情報報知部であることを特徴とする体重計により達成される。
【0007】
前記構成によれば、体重情報測定部が測定した測定体重情報を報知対象者に報知する測定体重報知部が、測定体重情報を報知対象者の皮膚感覚として再現する触覚情報として出力する触覚情報報知部であるので、測定対象者の体重は報知対象者の触覚情報として、報知対象者にのみ報知される。
したがって、測定体重情報を他人に知られることがなく、測定対象者は、安心して体重測定をすることができる。
【0008】
好ましくは、前記触覚情報報知部は、前記報知対象者の皮膚へ向かう方向である突出方向に沿って進退可能な突出部を有し、前記突出部が前記報知対象者の皮膚に当接することで、前記測定体重情報を前記触覚情報として出力する構成となっていることを特徴とする。
【0009】
前記構成によれば、触覚情報報知部は、報知対象者の皮膚へ向かう方向である突出方向に沿って進退可能な突出部を有し、突出部が報知対象者の皮膚に当接することで、測定体重情報を触覚情報として出力する構成となっている。
すなわち、突出部の突出及び皮膚への当接によって測定体重情報を報知できるので、簡易かつ確実に情報を報知できる構成となっている。
【0010】
好ましくは、前記報知対象者は、前記測定対象者であって、前記触覚情報報知部は、前記測定対象者の足裏側に対向するように配置され、前記測定体重情報を前記触覚情報として、前記測定対象者の足裏の皮膚感覚として再現する構成となっていることを特徴とする。
【0011】
前記構成によれば、触覚情報報知部は、測定対象者の足裏側に対向するように配置され、測定体重情報を触覚情報として、測定対象者の足裏の皮膚感覚として再現する構成となっている。
このため、測定後に測定対象者が新たな動作をすることなく、すなわち、動くことなく、測定状態のままその体勢を維持することで、直ちに体重情報を取得できるので、使用者にとって、使い易い体重計となっている。
【0012】
好ましくは、前記触覚情報報知部は、前記測定対象者の右足側及び左足側にそれぞれ配置されていることを特徴とする。
【0013】
前記構成によれば、触覚情報報知部は、測定対象者の右足側及び左足側にそれぞれ配置されている。
このため、右足側及び左足側の触覚情報報知部で、同じ測定体重情報を報知し、または、測定体重情報の異なる部分をそれぞれに報知させることができる。例えば、体重情報のうち、同じ十の位の数字と一の位の数字を、左右の両側の触覚情報報知部で示すことができると共に、左足側の触覚情報報知部で十の位、右足側の触覚情報報知部で一の位が表示させる構成とすることもできる。
したがって、測定体重情報をより確実に報知することができる。
【0014】
好ましくは、前記測定体重情報の一部の数値情報を色彩情報として出力する色彩情報表示部を有することを特徴とする。
【0015】
前記構成によれば、測定体重情報の一部の数値情報を色彩情報として出力する色彩情報表示部を有するので、この色彩情報表示部で表示される情報と、例えば、左足側の触覚情報報知部及び右足側の触覚情報報知部で表示される情報を、測定体重情報のうちの、それぞれ異なる情報とすることができる。
例えば、測定体重情報の「十の位の数値」を色彩情報表示部、「一の位の数値」を左足側の触覚情報報知部、「小数点第1位の位の数値」を右足側の触覚情報報知部に、それぞれ表示させることができ、このように表示させることで、より詳細な測定体重情報を報知することができる。
【0016】
好ましくは、前記測定体重情報の少なくとも一部を光の点滅情報として表示する点滅情報表示部を備えることを特徴とする。
【0017】
前記構成によれば、測定体重情報の少なくとも一部を光の点滅情報として表示する点滅情報表示部を備えるので、触覚情報として報知する測定体重情報の少なくとも一部を点滅情報としても報知できるので、利用者は、測定体重情報をより確実に取得することができる。
【0018】
上記目的は、本発明にあっては、測定対象者の体重を測定する体重情報測定部が測定した測定体重情報を報知対象者に報知する触覚情報報知部が、前記測定体重情報を前記報知対象者の皮膚感覚として再現する触覚情報として出力することを特徴とする体重情報表示方法により達成される。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、体重を測定した対象者の体重情報が他人等の知られない体重計及び体重情報表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の体重計である例えば、体重計を示す概略図である。
【図2】(a)は、図1の体重計に測定対象者が乗ったときの測定対象者の両足と、それぞれの足に対応する左足配置領域と右足配置領域の状態を示す概略平面説明図であり、(b)は、(a)の測定対象者の左足と左足配置領域の状態を示す概略側面図である。
【図3】図1の左足側触覚ディスプレイを示す概略平面図である。
【図4】図3のA−A‘線概略断面図である。
【図5】図4の突出部の動作例を示す概略説明図である。
【図6】第1の実施の形態の第1の変形例を示す概略説明図である。
【図7】第1の実施の形態の第2の変形例を示す概略説明図である。
【図8】本変形例の突出部の動作例を示す概略説明図である。
【図9】第1の実施の形態の第3の変形例を示す概略説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る体重計を示す概略者斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る体重計を示す概略者斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の体重計である例えば、体重計1を示す概略図である。図1に示す体重計1は、測定対象者が、その上に乗ることで、当該測定対象者の体重を計測する構成となっている。ただし、後述するように本実施の形態の体重計1は、その計測した数値を数字でディスプレイに表示するのではなく、後述する触覚ディスプレイで表示する構成となっている。
【0023】
図1に示す体重計1は、図示するように、その表面側に測定対象者の左足の足裏を配置する左足配置領域11と、右足の足裏を配置する右足配置領域12を有している。
具体的には、左足配置領域11は、足の指の付け根部分等の前方部分を配置する左足前方部分配置領域11aと、足の踵側部分等の後方部分を配置する左足後方部分配置領域11bとを有し、これら左足前方部分配置領域11aと左足後方部分配置領域11bは、相互に連続せず、別個に配置されている。
また、右足配置領域12には、図1に示すように、左足配置領域11と同様に右足前方部分配置領域11aと右足後方部分配置領域11bが、相互に連続せず、別個に配置されている。
【0024】
図2(a)は、図1の体重計1に測定対象者が乗ったときの測定対象者の両足と、それぞれの足に対応する左足配置領域11と右足配置領域12の状態を示す概略平面説明図であり、(b)は、(a)の測定対象者の左足と左足配置領域11の状態を示す概略側面図である。
本実施の形態では、上述の左足配置領域11及び右足配置領域12と、図示しない体重測定装置本体を有するため、図2(a)及び(b)に示すように、測定対象者が体重計1上の左足配置領域11及び右足配置領域12に、自己の両足の足裏を乗せると、その体重が数値として測定される構成となっている。
したがって、左足配置領域11、右足配置領域12及び体重測定装置本体等が体重情報測定部の一例となっている。
【0025】
また、図1に示すように、体重計1の表面側には、測定体重報知部及び触覚情報報知部である例えば、触覚ディスプレイ13が配置されている。
具体的には、図1に示すように、触覚ディスプレイ13は、測定対象者の足の左足側に配置される左足側触覚ディスプレイ13aと、右足側に配置される右足側触覚ディスプレイ13bを有している。
また、左足側触覚ディスプレイ13aは、図1及び図2に示すように、左足前方部分配置領域11aと左足後方部分配置領域11bとの間、すなわち、測定対象者の足裏の土踏まず等の部分に対応する領域に配置されている。
また、右足側触覚ディスプレイ13bも、左足側触覚ディスプレイ13aと同様に、右足前方部分配置領域12aと右足後方部分配置領域12bとの間の測定対象者の足裏の土踏まず等の部分に対応する領域に配置されている。
【0026】
図3は、図1の左足側触覚ディスプレイ13aを示す概略平面図であり、図4は、図3のA−A’概略略断面図である。なお、右足側触覚ディスプレイ13bにも同様の構成が形成されているが、左足側触覚ディスプレイ13aと同様の構成であるため、以下、左足側触覚ディスプレイ13aについて説明し、右足側触覚ディスプレイ13bの説明を省略する。
【0027】
図3に示すように、左足側触覚ディスプレイ13aには、測定対象者の足裏の皮膚へ向かう方向である突出方向に沿って進退可能な構成となっている突出部130a等が例えば、14個形成されている。
また、これらの突出部130a等は、図3に示すように、2つの突出部グループに分けられ、左右方向(測定対象者の足裏の左右方向)に配置されている。
すなわち、図3に示すように、左側の突出部グループは、突出部130a乃至130gの7個で形成され、右側の突出部グループは、突出部130h乃至130nの7個で形成されている。
【0028】
そして、それぞれの突出部グループは、突出部130a等を1以上用いることで、数字の0ないし9を、それぞれ表現することができる構成となっている。
すなわち、例えば、数字の「65」を表現する場合は、左側の突出部グループの突出部130a、130b、130d、130e、130f、130gのみを突出させ、他の突出部130cを突出させないことで、数字の「6」を表現する。
また、右側の突出部グループの突出部130h、130i、130k、130n、130mを突出され、突出部130j、突出部130lを突出させないことで、数字の「5」を表現する構成となっている。
したがって、上述の例では、左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bの各々に、数字「65」をそれぞれ表現することができる構成となっている。
【0029】
次いで、この突出部130a等の突出する構成について以下説明する。
図4は、図3のA−A‘線概略断面図である。図4に示すように、突出部130d、130kは、その内部にカム機構132d、132kを収容すると共に、表面側には、弾性部材である例えば、ゴム膜131dが配置されている。
【0030】
図5は、図4の突出部130dの動作例を示す概略説明図である。
図5の突出部130d内のカム機構132dが動作し、図5(a)から(b)へ変化することで、突出部130dの表面を覆っているゴム膜131dが上方(測定対象者の足裏側)に突出するように変化する構成となっている。
【0031】
すなわち、測定対象者が体重測定のため図2(a)及び(b)に示すように、両足の足裏側を左足配置領域11及び右足配置領域12に載置すると、体重測定装置本体等が動作し、当該測定対象者の体重が測定され、その結果が算出される。そして、この算出結果に基づいて突出部130d等のカム機構132d等が動作する。
例えば、当該測定対象者の体重が上述の例の「65kg」であるときは、図3の左側の突出部グループの突出部130a、130b、130d、130e、130f、130g内のカム機構132d等のみが動作し、これらの突出部130d等のゴム膜131d等が、測定対象者の足裏側を押すように当接される。
これにより、測定対象者の足裏の土踏まず等の部分に数字の「6」の形が皮膚感覚として再現される。すなわち、数字の「6」が触覚情報として、測定対象者の足裏側に再現されることになる。したがって、測定対象者は、数字の「6」を触角情報として取得することになる。
【0032】
一方、図3の右側の突出部グループでは、突出部130h、130i、130k、130n、130m内のカム機構132k等のみが動作し、これらの突出部130k等のゴム膜131k等が測定対象者の足裏側を押すように当接され、測定対象者の足裏側に、数字の「5」が再現されることになる。
したがって、測定対象者は、数字の「5」を触角情報として取得することになる。
また、測定対象者は、これら左側の突出部グループの数字「6」と。右側の突出部グループの数字「5」を足裏側から触覚情報として取得することで、測定した体重情報(測定体重情報の一例)が「65」すなわち、「65kg」であることを知ることができる。
また、この体重情報は報知対象者である測定対象者にのみ報知される情報であり、他人に知られることがない。
このため、測定対象者は、自己の体重を他人に知られることなく、安心して計測することができるので、特に女性等にとって体重を計測し易い体重計となっている。
【0033】
また、本実施の形態では、測定対象者は、体重計1に乗り、両足の足裏側を左足配置領域11及び右足配置領域12に載置するだけで、足を動かす等の他の動作をすることなく、体重の測定と、その結果を触覚情報として取得することができるので、使いやすい体重計1となっている。
【0034】
また、本実施の形態では、左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bの各々に、それぞれ左側及び右側の突出部グループを形成したが、本発明はこれに限らず、左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bのそれぞれに一つの突出部グループを配置し、上述の例では左足側触覚ディスプレイ13aで数字「6」を表現し、右足側触覚ディスプレイ13bでは、数字「5」を示すように構成しても構わない。
この場合は、左右それぞれの足裏に一つの数字を触角情報として伝えるため、測定対象者が、測定体重情報を把握し易いというメリットがある。
【0035】
また、本実施の形態では、突出部130d等内にカム機構132d等を配置し、ゴム膜131d等を突出させたが、本発明はこれに限らず、カム機構132d等の代わりにコンプレッサ等を用いて空気圧力で、ゴム膜131d等を突出させてもよい。
【0036】
(第1の実施の形態の第1の変形例)
図6は、第1の実施の形態の第1の変形例を示す概略説明図である。
本変形例の多くの構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるため、同一の構成は同一符号等として説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本変形例では、上述の第1の実施の形態の触覚ディスプレイ13と同様に突出部130a等が配置されているが、これら突出部130a等を用いて測定対象者の測定体重情報の値を表現する動作が相違する。
すなわち、第1の実施の形態では、例えば、数字の「65」を触覚ディスプレイ13で表示するときは、図3の左側の突出部グループの7個の突出部130a等のうち6個の突出部130a等を同時に、測定対象者の足裏側に突出させて「6」を表現し、同様に右側の突出グループが「5」を表現した。
【0037】
これに対し、本変形例では、例えば、数字「6」を表現する5個の突出部130a等を同時に突出させるのではなく、図6に示すように、左側の突出部グループの突出部130aのみを最初に突出させ、その次に、突出部130b、突出部130e、突出部130f、突出130gそして、突出部130dの順に、それぞれ順番に突出部130a等を突出させる構成となっている。
換言すれば、数字の「6」を測定対象者の足裏にペン等で書くように表現する構成となっている。
そして、右側の突出部グループでは、例えば、数字の「5」をペン等で書くように、順番に図3の突出部130i等を表現する。
これにより、測定対象者は、自己の測定体重が例えば、「65」kgであることを確認することができる。
【0038】
本変形例でも、第1の実施の形態と同様に、左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bの各々に、それぞれ左側及び右側の突出部グループを形成せず、左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bのそれぞれに一つの突出部グループを配置し、左足側触覚ディスプレイ13aで、例えば、数字「6」を表現し、右足側触覚ディスプレイ13bでは、数字「5」を表現するように構成しても構わない。
【0039】
(第1の実施の形態の第2の変形例)
図7は、第1の実施の形態の第2の変形例を示す概略説明図である。
本変形例の多くの構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるため、同一の構成は同一符号等として説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本変形例では、上述の第1の実施の形態の触覚ディスプレイ13の突出部130a等の配置が相違する。すなわち、本変形例では、図7に示すように、左足側触覚ディスプレイ53aの突出部530a等は、左右に2つのグループで6個ずつ突出部530a等が配置されている。
なお、図示しない右足側触覚ディスプレイにも同様の突出部が形成されているため、以下、左足側触覚ディスプレイ53aのみ説明し、右足側触覚ディスプレイの説明は省略する。
ところで、左足側触覚ディスプレイ53aの左側の突出部グループは、突出部130a等が縦に3個ずつ2列配置されている。また、右側の突出部グループは、突出部130g等が同様に6個配置されている。
【0040】
図8は、本変形例の突出部530a等の動作例を示す概略説明図である。図8に示すように、本変形例では、突出部530a等は、点字で数字を表現することができるようになっている。
図8の例では、左側の突出部グループの突出部530a、突出部530b及び突出部530cのみが突出されることで、点字で数字の「6」を表現する構成となっている。
また、右側の突出部グループの突出部530g及び突出部530jが突出することにより、点字で数字の「5」を表現する構成となっている。
【0041】
このように、本変形例では、測定対象者の測定体重情報を、測定対象者の足裏側に点字で、その数値を表現し、触角情報として伝えることができる構成となっている。
【0042】
なお、本変形例でも、第1の実施の形態と同様に、左足側触覚ディスプレイ53a及び右足側触覚ディスプレイの各々に、それぞれ左側及び右側の突出部グループを形成せず、左足側触覚ディスプレイ53a及び右足側触覚ディスプレイのそれぞれに一つの突出部グループを配置し、左足側触覚ディスプレイ53aで、例えば、数字「6」を表現し、右足側触覚ディスプレイでは、数字「5」を表現するように構成しても構わない。
【0043】
(第1の実施の形態の第3の変形例)
図9は、第1の実施の形態の第3の変形例を示す概略説明図である。
本変形例の多くの構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるため、同一の構成は同一符号等として説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本変形例では、上述の第1の実施の形態の触覚ディスプレイ13の突出部130a等の配置が相違する。すなわち、本変形例では、図9に示すように、左足側触角ディスプレイ63aの突出部630a等は、1個のみ配置され、右足側触覚ディスプレイ630aにも同様に1個の突出部630bが配置されている。
【0044】
そして、これら突出部630a、630bは、以下のように動作する。
すなわち、測定対象者の測定体重情報が、例えば、「65kg」と計測されると、左足側触覚ディスプレイ63aの突出部630aが、6回連続して突出動作を繰り返し、その後、または同時に右足側触覚ディスプレイ63bの突出部630bが、突出動作を5回繰り返す。
このように、突出部630a、630bが測定対象者の足裏側をノックするように所定回数突出動作を繰り返すことで、測定対象者は、自己の体重値を認識することができる。
上述の例では、左足側に「6」回、突出部630aによりノックされることで、測定対象者は、「十の位」が「6」であることがわかり、また、右足側に「5」回、突出部630bによりノックされることで、「一の位」が「5」であることがわかる構成となっている。
【0045】
(第2の実施の形態)
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る体重計100を示す概略者斜視図である。
本実施の形態に係る体重計100の多くの構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるため、同一の構成は同一符号等として説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本実施の形態の体重計100は、上述の第1の実施の形態の体重計1と異なり、その表面側にLED等の発光素子等から成る色彩情報表示部110を有している。
この色彩情報表示部110は、例えば、虹色である7種類の赤、橙、黄、緑、青、藍及び紫の色彩を表示することができる構成となっている。
【0046】
具体的には、測定対象者の測定体重情報の「十の位」が「3」の場合は「赤」、「4」の場合は「橙」、「5」の場合は「黄」、「6」の場合は「緑」、「7」の場合は「青」、「8」の場合は「藍」、「9」の場合は「紫」と設定されている。
このように、本実施の形態では、色彩情報表示部110が、測定体重情報の「十の位」の情報を表示することができるため、図10の左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bで、残りの2つの情報を表示することができる。
すなわち、本実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、例えば、測定体重情報の「小数点(第1位)」の情報を含む3つのデータを表示することができる。
【0047】
例えば、測定対象者の測定体重情報が「65.5kg」の場合、色彩情報表示部110が「緑色」の色彩を表示することで、「十の位」が「6」であることを示し、また、左足側触覚ディスプレイ13aで、図3の突出部130a等が突出して、「一の位」の「5」を示し、さらに、右足側触覚ディスプレイ13bの突出部130h等が突出して、「小数点」の「5」を示すことができる。
このように、構成することで、測定対象者は、他人に知られることなく、自己の正確な測定体重情報を取得することができる。
【0048】
(第3の実施の形態)
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る体重計200を示す概略者斜視図である。
本実施の形態に係る体重計200の多くの構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるため、同一の構成は同一符号等として説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本実施の形態の体重計200は、上述の第1の実施の形態の体重計1と異なり、その表面側に、測定体重情報を示す点滅情報表示部である光の点滅部210を有している。
この点滅部210は、図11に示すように、左右方向に例えば、2個の点滅部210a210bが並んで配置されている。
そして、図11の左側の点滅部210aは、測定対象者の測定体重情報の「十の位」を表示し、右側の点滅部210bは、測定体重情報の「一の位」を表示する構成となっている。
【0049】
すなわち、例えば、測定体重情報が「56kg」の場合、左側の点滅部210aが「5回」点滅し、右側の点滅部210bが「6回」点滅するため、測定対象者は、点滅部210を視認することで、自己の測定体重情報が「56kg」であることを他人に知られることなく把握することができる。
また、この点滅部210の動作は、図11の左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bの動作と共に実行されるので、測定対象者は、左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bの動作で認識した測定体重情報を、点滅部210の動作で確認することができる。
したがって、測定対象者は、より正確に自己の測定体重情報を取得することができる。
【0050】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。例えば、さらに体重を表示するために液晶などで形成された表示部を設け、この表示部で体重を表示させるモード/体重を表示させない非表示のモードを選択できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1・・・体重計、11・・・左足配置領域、11a・・・左足前方部分配置領域、11b・・・右足後方部分配置領域、12・・・右足配置領域、12a・・・右足前方部分配置領域、12b・・・右足後方部分配置領域、13・・・触覚ディスプレイ、13a、53a、63a・・・左足側触覚ディスプレイ、13b、63b・・・右足側触覚ディスプレイ、130a乃至130n、530a乃至530l、630a、630b・・・突出部、131d、131k・・・ゴム膜、132d、132k・・・カム機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、対象者の体重情報等を表示する体重計及び体重情報表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、対象者の体重を測定し、ディスプレイ等に、その数値を表示する体重計が用いられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−78504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、対象者が体重計で体重を測る際に、近くに他の人が居る場合などは、その他人に体重計に表示される体重値を知られるおそれがある。特に対象者が女性等の場合は、かかる事態が生じることは、体重測定の忌避につながり、健康維持のための体重測定が促進されないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、体重を測定した対象者の体重情報が他人等の知られない体重計及び体重情報表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、本発明にあっては、測定対象者の体重を測定する体重情報測定部と、前記体重情報測定部が測定した測定体重情報を報知対象者に報知する測定体重報知部とを有し、前記測定体重報知部が、前記測定体重情報を前記報知対象者の皮膚感覚として再現する触覚情報として出力する触覚情報報知部であることを特徴とする体重計により達成される。
【0007】
前記構成によれば、体重情報測定部が測定した測定体重情報を報知対象者に報知する測定体重報知部が、測定体重情報を報知対象者の皮膚感覚として再現する触覚情報として出力する触覚情報報知部であるので、測定対象者の体重は報知対象者の触覚情報として、報知対象者にのみ報知される。
したがって、測定体重情報を他人に知られることがなく、測定対象者は、安心して体重測定をすることができる。
【0008】
好ましくは、前記触覚情報報知部は、前記報知対象者の皮膚へ向かう方向である突出方向に沿って進退可能な突出部を有し、前記突出部が前記報知対象者の皮膚に当接することで、前記測定体重情報を前記触覚情報として出力する構成となっていることを特徴とする。
【0009】
前記構成によれば、触覚情報報知部は、報知対象者の皮膚へ向かう方向である突出方向に沿って進退可能な突出部を有し、突出部が報知対象者の皮膚に当接することで、測定体重情報を触覚情報として出力する構成となっている。
すなわち、突出部の突出及び皮膚への当接によって測定体重情報を報知できるので、簡易かつ確実に情報を報知できる構成となっている。
【0010】
好ましくは、前記報知対象者は、前記測定対象者であって、前記触覚情報報知部は、前記測定対象者の足裏側に対向するように配置され、前記測定体重情報を前記触覚情報として、前記測定対象者の足裏の皮膚感覚として再現する構成となっていることを特徴とする。
【0011】
前記構成によれば、触覚情報報知部は、測定対象者の足裏側に対向するように配置され、測定体重情報を触覚情報として、測定対象者の足裏の皮膚感覚として再現する構成となっている。
このため、測定後に測定対象者が新たな動作をすることなく、すなわち、動くことなく、測定状態のままその体勢を維持することで、直ちに体重情報を取得できるので、使用者にとって、使い易い体重計となっている。
【0012】
好ましくは、前記触覚情報報知部は、前記測定対象者の右足側及び左足側にそれぞれ配置されていることを特徴とする。
【0013】
前記構成によれば、触覚情報報知部は、測定対象者の右足側及び左足側にそれぞれ配置されている。
このため、右足側及び左足側の触覚情報報知部で、同じ測定体重情報を報知し、または、測定体重情報の異なる部分をそれぞれに報知させることができる。例えば、体重情報のうち、同じ十の位の数字と一の位の数字を、左右の両側の触覚情報報知部で示すことができると共に、左足側の触覚情報報知部で十の位、右足側の触覚情報報知部で一の位が表示させる構成とすることもできる。
したがって、測定体重情報をより確実に報知することができる。
【0014】
好ましくは、前記測定体重情報の一部の数値情報を色彩情報として出力する色彩情報表示部を有することを特徴とする。
【0015】
前記構成によれば、測定体重情報の一部の数値情報を色彩情報として出力する色彩情報表示部を有するので、この色彩情報表示部で表示される情報と、例えば、左足側の触覚情報報知部及び右足側の触覚情報報知部で表示される情報を、測定体重情報のうちの、それぞれ異なる情報とすることができる。
例えば、測定体重情報の「十の位の数値」を色彩情報表示部、「一の位の数値」を左足側の触覚情報報知部、「小数点第1位の位の数値」を右足側の触覚情報報知部に、それぞれ表示させることができ、このように表示させることで、より詳細な測定体重情報を報知することができる。
【0016】
好ましくは、前記測定体重情報の少なくとも一部を光の点滅情報として表示する点滅情報表示部を備えることを特徴とする。
【0017】
前記構成によれば、測定体重情報の少なくとも一部を光の点滅情報として表示する点滅情報表示部を備えるので、触覚情報として報知する測定体重情報の少なくとも一部を点滅情報としても報知できるので、利用者は、測定体重情報をより確実に取得することができる。
【0018】
上記目的は、本発明にあっては、測定対象者の体重を測定する体重情報測定部が測定した測定体重情報を報知対象者に報知する触覚情報報知部が、前記測定体重情報を前記報知対象者の皮膚感覚として再現する触覚情報として出力することを特徴とする体重情報表示方法により達成される。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、体重を測定した対象者の体重情報が他人等の知られない体重計及び体重情報表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の体重計である例えば、体重計を示す概略図である。
【図2】(a)は、図1の体重計に測定対象者が乗ったときの測定対象者の両足と、それぞれの足に対応する左足配置領域と右足配置領域の状態を示す概略平面説明図であり、(b)は、(a)の測定対象者の左足と左足配置領域の状態を示す概略側面図である。
【図3】図1の左足側触覚ディスプレイを示す概略平面図である。
【図4】図3のA−A‘線概略断面図である。
【図5】図4の突出部の動作例を示す概略説明図である。
【図6】第1の実施の形態の第1の変形例を示す概略説明図である。
【図7】第1の実施の形態の第2の変形例を示す概略説明図である。
【図8】本変形例の突出部の動作例を示す概略説明図である。
【図9】第1の実施の形態の第3の変形例を示す概略説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る体重計を示す概略者斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る体重計を示す概略者斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の体重計である例えば、体重計1を示す概略図である。図1に示す体重計1は、測定対象者が、その上に乗ることで、当該測定対象者の体重を計測する構成となっている。ただし、後述するように本実施の形態の体重計1は、その計測した数値を数字でディスプレイに表示するのではなく、後述する触覚ディスプレイで表示する構成となっている。
【0023】
図1に示す体重計1は、図示するように、その表面側に測定対象者の左足の足裏を配置する左足配置領域11と、右足の足裏を配置する右足配置領域12を有している。
具体的には、左足配置領域11は、足の指の付け根部分等の前方部分を配置する左足前方部分配置領域11aと、足の踵側部分等の後方部分を配置する左足後方部分配置領域11bとを有し、これら左足前方部分配置領域11aと左足後方部分配置領域11bは、相互に連続せず、別個に配置されている。
また、右足配置領域12には、図1に示すように、左足配置領域11と同様に右足前方部分配置領域11aと右足後方部分配置領域11bが、相互に連続せず、別個に配置されている。
【0024】
図2(a)は、図1の体重計1に測定対象者が乗ったときの測定対象者の両足と、それぞれの足に対応する左足配置領域11と右足配置領域12の状態を示す概略平面説明図であり、(b)は、(a)の測定対象者の左足と左足配置領域11の状態を示す概略側面図である。
本実施の形態では、上述の左足配置領域11及び右足配置領域12と、図示しない体重測定装置本体を有するため、図2(a)及び(b)に示すように、測定対象者が体重計1上の左足配置領域11及び右足配置領域12に、自己の両足の足裏を乗せると、その体重が数値として測定される構成となっている。
したがって、左足配置領域11、右足配置領域12及び体重測定装置本体等が体重情報測定部の一例となっている。
【0025】
また、図1に示すように、体重計1の表面側には、測定体重報知部及び触覚情報報知部である例えば、触覚ディスプレイ13が配置されている。
具体的には、図1に示すように、触覚ディスプレイ13は、測定対象者の足の左足側に配置される左足側触覚ディスプレイ13aと、右足側に配置される右足側触覚ディスプレイ13bを有している。
また、左足側触覚ディスプレイ13aは、図1及び図2に示すように、左足前方部分配置領域11aと左足後方部分配置領域11bとの間、すなわち、測定対象者の足裏の土踏まず等の部分に対応する領域に配置されている。
また、右足側触覚ディスプレイ13bも、左足側触覚ディスプレイ13aと同様に、右足前方部分配置領域12aと右足後方部分配置領域12bとの間の測定対象者の足裏の土踏まず等の部分に対応する領域に配置されている。
【0026】
図3は、図1の左足側触覚ディスプレイ13aを示す概略平面図であり、図4は、図3のA−A’概略略断面図である。なお、右足側触覚ディスプレイ13bにも同様の構成が形成されているが、左足側触覚ディスプレイ13aと同様の構成であるため、以下、左足側触覚ディスプレイ13aについて説明し、右足側触覚ディスプレイ13bの説明を省略する。
【0027】
図3に示すように、左足側触覚ディスプレイ13aには、測定対象者の足裏の皮膚へ向かう方向である突出方向に沿って進退可能な構成となっている突出部130a等が例えば、14個形成されている。
また、これらの突出部130a等は、図3に示すように、2つの突出部グループに分けられ、左右方向(測定対象者の足裏の左右方向)に配置されている。
すなわち、図3に示すように、左側の突出部グループは、突出部130a乃至130gの7個で形成され、右側の突出部グループは、突出部130h乃至130nの7個で形成されている。
【0028】
そして、それぞれの突出部グループは、突出部130a等を1以上用いることで、数字の0ないし9を、それぞれ表現することができる構成となっている。
すなわち、例えば、数字の「65」を表現する場合は、左側の突出部グループの突出部130a、130b、130d、130e、130f、130gのみを突出させ、他の突出部130cを突出させないことで、数字の「6」を表現する。
また、右側の突出部グループの突出部130h、130i、130k、130n、130mを突出され、突出部130j、突出部130lを突出させないことで、数字の「5」を表現する構成となっている。
したがって、上述の例では、左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bの各々に、数字「65」をそれぞれ表現することができる構成となっている。
【0029】
次いで、この突出部130a等の突出する構成について以下説明する。
図4は、図3のA−A‘線概略断面図である。図4に示すように、突出部130d、130kは、その内部にカム機構132d、132kを収容すると共に、表面側には、弾性部材である例えば、ゴム膜131dが配置されている。
【0030】
図5は、図4の突出部130dの動作例を示す概略説明図である。
図5の突出部130d内のカム機構132dが動作し、図5(a)から(b)へ変化することで、突出部130dの表面を覆っているゴム膜131dが上方(測定対象者の足裏側)に突出するように変化する構成となっている。
【0031】
すなわち、測定対象者が体重測定のため図2(a)及び(b)に示すように、両足の足裏側を左足配置領域11及び右足配置領域12に載置すると、体重測定装置本体等が動作し、当該測定対象者の体重が測定され、その結果が算出される。そして、この算出結果に基づいて突出部130d等のカム機構132d等が動作する。
例えば、当該測定対象者の体重が上述の例の「65kg」であるときは、図3の左側の突出部グループの突出部130a、130b、130d、130e、130f、130g内のカム機構132d等のみが動作し、これらの突出部130d等のゴム膜131d等が、測定対象者の足裏側を押すように当接される。
これにより、測定対象者の足裏の土踏まず等の部分に数字の「6」の形が皮膚感覚として再現される。すなわち、数字の「6」が触覚情報として、測定対象者の足裏側に再現されることになる。したがって、測定対象者は、数字の「6」を触角情報として取得することになる。
【0032】
一方、図3の右側の突出部グループでは、突出部130h、130i、130k、130n、130m内のカム機構132k等のみが動作し、これらの突出部130k等のゴム膜131k等が測定対象者の足裏側を押すように当接され、測定対象者の足裏側に、数字の「5」が再現されることになる。
したがって、測定対象者は、数字の「5」を触角情報として取得することになる。
また、測定対象者は、これら左側の突出部グループの数字「6」と。右側の突出部グループの数字「5」を足裏側から触覚情報として取得することで、測定した体重情報(測定体重情報の一例)が「65」すなわち、「65kg」であることを知ることができる。
また、この体重情報は報知対象者である測定対象者にのみ報知される情報であり、他人に知られることがない。
このため、測定対象者は、自己の体重を他人に知られることなく、安心して計測することができるので、特に女性等にとって体重を計測し易い体重計となっている。
【0033】
また、本実施の形態では、測定対象者は、体重計1に乗り、両足の足裏側を左足配置領域11及び右足配置領域12に載置するだけで、足を動かす等の他の動作をすることなく、体重の測定と、その結果を触覚情報として取得することができるので、使いやすい体重計1となっている。
【0034】
また、本実施の形態では、左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bの各々に、それぞれ左側及び右側の突出部グループを形成したが、本発明はこれに限らず、左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bのそれぞれに一つの突出部グループを配置し、上述の例では左足側触覚ディスプレイ13aで数字「6」を表現し、右足側触覚ディスプレイ13bでは、数字「5」を示すように構成しても構わない。
この場合は、左右それぞれの足裏に一つの数字を触角情報として伝えるため、測定対象者が、測定体重情報を把握し易いというメリットがある。
【0035】
また、本実施の形態では、突出部130d等内にカム機構132d等を配置し、ゴム膜131d等を突出させたが、本発明はこれに限らず、カム機構132d等の代わりにコンプレッサ等を用いて空気圧力で、ゴム膜131d等を突出させてもよい。
【0036】
(第1の実施の形態の第1の変形例)
図6は、第1の実施の形態の第1の変形例を示す概略説明図である。
本変形例の多くの構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるため、同一の構成は同一符号等として説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本変形例では、上述の第1の実施の形態の触覚ディスプレイ13と同様に突出部130a等が配置されているが、これら突出部130a等を用いて測定対象者の測定体重情報の値を表現する動作が相違する。
すなわち、第1の実施の形態では、例えば、数字の「65」を触覚ディスプレイ13で表示するときは、図3の左側の突出部グループの7個の突出部130a等のうち6個の突出部130a等を同時に、測定対象者の足裏側に突出させて「6」を表現し、同様に右側の突出グループが「5」を表現した。
【0037】
これに対し、本変形例では、例えば、数字「6」を表現する5個の突出部130a等を同時に突出させるのではなく、図6に示すように、左側の突出部グループの突出部130aのみを最初に突出させ、その次に、突出部130b、突出部130e、突出部130f、突出130gそして、突出部130dの順に、それぞれ順番に突出部130a等を突出させる構成となっている。
換言すれば、数字の「6」を測定対象者の足裏にペン等で書くように表現する構成となっている。
そして、右側の突出部グループでは、例えば、数字の「5」をペン等で書くように、順番に図3の突出部130i等を表現する。
これにより、測定対象者は、自己の測定体重が例えば、「65」kgであることを確認することができる。
【0038】
本変形例でも、第1の実施の形態と同様に、左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bの各々に、それぞれ左側及び右側の突出部グループを形成せず、左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bのそれぞれに一つの突出部グループを配置し、左足側触覚ディスプレイ13aで、例えば、数字「6」を表現し、右足側触覚ディスプレイ13bでは、数字「5」を表現するように構成しても構わない。
【0039】
(第1の実施の形態の第2の変形例)
図7は、第1の実施の形態の第2の変形例を示す概略説明図である。
本変形例の多くの構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるため、同一の構成は同一符号等として説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本変形例では、上述の第1の実施の形態の触覚ディスプレイ13の突出部130a等の配置が相違する。すなわち、本変形例では、図7に示すように、左足側触覚ディスプレイ53aの突出部530a等は、左右に2つのグループで6個ずつ突出部530a等が配置されている。
なお、図示しない右足側触覚ディスプレイにも同様の突出部が形成されているため、以下、左足側触覚ディスプレイ53aのみ説明し、右足側触覚ディスプレイの説明は省略する。
ところで、左足側触覚ディスプレイ53aの左側の突出部グループは、突出部130a等が縦に3個ずつ2列配置されている。また、右側の突出部グループは、突出部130g等が同様に6個配置されている。
【0040】
図8は、本変形例の突出部530a等の動作例を示す概略説明図である。図8に示すように、本変形例では、突出部530a等は、点字で数字を表現することができるようになっている。
図8の例では、左側の突出部グループの突出部530a、突出部530b及び突出部530cのみが突出されることで、点字で数字の「6」を表現する構成となっている。
また、右側の突出部グループの突出部530g及び突出部530jが突出することにより、点字で数字の「5」を表現する構成となっている。
【0041】
このように、本変形例では、測定対象者の測定体重情報を、測定対象者の足裏側に点字で、その数値を表現し、触角情報として伝えることができる構成となっている。
【0042】
なお、本変形例でも、第1の実施の形態と同様に、左足側触覚ディスプレイ53a及び右足側触覚ディスプレイの各々に、それぞれ左側及び右側の突出部グループを形成せず、左足側触覚ディスプレイ53a及び右足側触覚ディスプレイのそれぞれに一つの突出部グループを配置し、左足側触覚ディスプレイ53aで、例えば、数字「6」を表現し、右足側触覚ディスプレイでは、数字「5」を表現するように構成しても構わない。
【0043】
(第1の実施の形態の第3の変形例)
図9は、第1の実施の形態の第3の変形例を示す概略説明図である。
本変形例の多くの構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるため、同一の構成は同一符号等として説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本変形例では、上述の第1の実施の形態の触覚ディスプレイ13の突出部130a等の配置が相違する。すなわち、本変形例では、図9に示すように、左足側触角ディスプレイ63aの突出部630a等は、1個のみ配置され、右足側触覚ディスプレイ630aにも同様に1個の突出部630bが配置されている。
【0044】
そして、これら突出部630a、630bは、以下のように動作する。
すなわち、測定対象者の測定体重情報が、例えば、「65kg」と計測されると、左足側触覚ディスプレイ63aの突出部630aが、6回連続して突出動作を繰り返し、その後、または同時に右足側触覚ディスプレイ63bの突出部630bが、突出動作を5回繰り返す。
このように、突出部630a、630bが測定対象者の足裏側をノックするように所定回数突出動作を繰り返すことで、測定対象者は、自己の体重値を認識することができる。
上述の例では、左足側に「6」回、突出部630aによりノックされることで、測定対象者は、「十の位」が「6」であることがわかり、また、右足側に「5」回、突出部630bによりノックされることで、「一の位」が「5」であることがわかる構成となっている。
【0045】
(第2の実施の形態)
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る体重計100を示す概略者斜視図である。
本実施の形態に係る体重計100の多くの構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるため、同一の構成は同一符号等として説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本実施の形態の体重計100は、上述の第1の実施の形態の体重計1と異なり、その表面側にLED等の発光素子等から成る色彩情報表示部110を有している。
この色彩情報表示部110は、例えば、虹色である7種類の赤、橙、黄、緑、青、藍及び紫の色彩を表示することができる構成となっている。
【0046】
具体的には、測定対象者の測定体重情報の「十の位」が「3」の場合は「赤」、「4」の場合は「橙」、「5」の場合は「黄」、「6」の場合は「緑」、「7」の場合は「青」、「8」の場合は「藍」、「9」の場合は「紫」と設定されている。
このように、本実施の形態では、色彩情報表示部110が、測定体重情報の「十の位」の情報を表示することができるため、図10の左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bで、残りの2つの情報を表示することができる。
すなわち、本実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、例えば、測定体重情報の「小数点(第1位)」の情報を含む3つのデータを表示することができる。
【0047】
例えば、測定対象者の測定体重情報が「65.5kg」の場合、色彩情報表示部110が「緑色」の色彩を表示することで、「十の位」が「6」であることを示し、また、左足側触覚ディスプレイ13aで、図3の突出部130a等が突出して、「一の位」の「5」を示し、さらに、右足側触覚ディスプレイ13bの突出部130h等が突出して、「小数点」の「5」を示すことができる。
このように、構成することで、測定対象者は、他人に知られることなく、自己の正確な測定体重情報を取得することができる。
【0048】
(第3の実施の形態)
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る体重計200を示す概略者斜視図である。
本実施の形態に係る体重計200の多くの構成は、上述の第1の実施の形態と同様であるため、同一の構成は同一符号等として説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
本実施の形態の体重計200は、上述の第1の実施の形態の体重計1と異なり、その表面側に、測定体重情報を示す点滅情報表示部である光の点滅部210を有している。
この点滅部210は、図11に示すように、左右方向に例えば、2個の点滅部210a210bが並んで配置されている。
そして、図11の左側の点滅部210aは、測定対象者の測定体重情報の「十の位」を表示し、右側の点滅部210bは、測定体重情報の「一の位」を表示する構成となっている。
【0049】
すなわち、例えば、測定体重情報が「56kg」の場合、左側の点滅部210aが「5回」点滅し、右側の点滅部210bが「6回」点滅するため、測定対象者は、点滅部210を視認することで、自己の測定体重情報が「56kg」であることを他人に知られることなく把握することができる。
また、この点滅部210の動作は、図11の左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bの動作と共に実行されるので、測定対象者は、左足側触覚ディスプレイ13a及び右足側触覚ディスプレイ13bの動作で認識した測定体重情報を、点滅部210の動作で確認することができる。
したがって、測定対象者は、より正確に自己の測定体重情報を取得することができる。
【0050】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。例えば、さらに体重を表示するために液晶などで形成された表示部を設け、この表示部で体重を表示させるモード/体重を表示させない非表示のモードを選択できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1・・・体重計、11・・・左足配置領域、11a・・・左足前方部分配置領域、11b・・・右足後方部分配置領域、12・・・右足配置領域、12a・・・右足前方部分配置領域、12b・・・右足後方部分配置領域、13・・・触覚ディスプレイ、13a、53a、63a・・・左足側触覚ディスプレイ、13b、63b・・・右足側触覚ディスプレイ、130a乃至130n、530a乃至530l、630a、630b・・・突出部、131d、131k・・・ゴム膜、132d、132k・・・カム機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象者の体重を測定する体重情報測定部と、
前記体重情報測定部が測定した測定体重情報を報知対象者に報知する測定体重報知部とを有し、
前記測定体重報知部が、前記測定体重情報を前記報知対象者の皮膚感覚として再現する触覚情報として出力する触覚情報報知部であることを特徴とする体重計。
【請求項2】
前記触覚情報報知部は、前記報知対象者の皮膚へ向かう方向である突出方向に沿って進退可能な突出部を有し、前記突出部が前記報知対象者の皮膚に当接することで、前記測定体重情報を前記触覚情報として出力する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の体重計。
【請求項3】
前記報知対象者は、前記測定対象者であって、
前記触覚情報報知部は、前記測定対象者の足裏側に対向するように配置され、前記測定体重情報を前記触覚情報として、前記測定対象者の足裏の皮膚感覚として再現する構成となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の体重計。
【請求項4】
前記触覚情報報知部は、前記測定対象者の右足側及び左足側にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項3に記載の体重計。
【請求項5】
前記測定体重情報の一部の数値情報を色彩情報として出力する色彩情報表示部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の体重計。
【請求項6】
前記測定体重情報の少なくとも一部を光の点滅情報として表示する点滅情報表示部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の体重計。
【請求項7】
測定対象者の体重を測定する体重情報測定部が測定した測定体重情報を報知対象者に報知する触覚情報報知部が、前記測定体重情報を前記報知対象者の皮膚感覚として再現する触覚情報として出力することを特徴とする体重情報表示方法。
【請求項1】
測定対象者の体重を測定する体重情報測定部と、
前記体重情報測定部が測定した測定体重情報を報知対象者に報知する測定体重報知部とを有し、
前記測定体重報知部が、前記測定体重情報を前記報知対象者の皮膚感覚として再現する触覚情報として出力する触覚情報報知部であることを特徴とする体重計。
【請求項2】
前記触覚情報報知部は、前記報知対象者の皮膚へ向かう方向である突出方向に沿って進退可能な突出部を有し、前記突出部が前記報知対象者の皮膚に当接することで、前記測定体重情報を前記触覚情報として出力する構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の体重計。
【請求項3】
前記報知対象者は、前記測定対象者であって、
前記触覚情報報知部は、前記測定対象者の足裏側に対向するように配置され、前記測定体重情報を前記触覚情報として、前記測定対象者の足裏の皮膚感覚として再現する構成となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の体重計。
【請求項4】
前記触覚情報報知部は、前記測定対象者の右足側及び左足側にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項3に記載の体重計。
【請求項5】
前記測定体重情報の一部の数値情報を色彩情報として出力する色彩情報表示部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の体重計。
【請求項6】
前記測定体重情報の少なくとも一部を光の点滅情報として表示する点滅情報表示部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の体重計。
【請求項7】
測定対象者の体重を測定する体重情報測定部が測定した測定体重情報を報知対象者に報知する触覚情報報知部が、前記測定体重情報を前記報知対象者の皮膚感覚として再現する触覚情報として出力することを特徴とする体重情報表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−72696(P2013−72696A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210939(P2011−210939)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
[ Back to top ]