説明

作業場区画ネット

【課題】特殊な網地のネットを使用しなくてもネット収納作業を容易に行うことができる作業場区画ネットを提供する。
【解決手段】作業場区画ネット10は、紅白ネット11の右側辺の上端および下端に取り付けられた上側および下側フック12a,12bと、紅白ネット11の左側辺が固定されたネット付支持杭20と、上側および下側フック12a,12bを引っ掛けて紅白ネット11をネット付支持杭20との間で張るための支持杭30とを具備する。ネット付支持杭20は、ネット付支持杭20を手動で転がして紅白ネット11を巻けるように上側および下側円板22,23を備える。上側および下側円板22,23は、紅白ネット11を収納した際に上側および下側フック12a,12bを引っ掛けるための第1および第2の上側および下側フック引掛ピン22c1,22c2,23c1,23c2を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全作業のためネットを張って作業場(作業対象範囲)を区画するのに好適な作業場区画ネットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力会社では、安全作業を行うために、紅白ネット(上半分が赤色で下半分が白色の矩形状の樹脂性ネットなど)を張って作業場を区画する作業場区画ネットが使用されている。
しかし、このような作業場区画ネットは、収納(折畳み)時に紅白ネットが絡まり易くなって展開(敷設)時に手間がかかり、ネット張設作業が煩雑になって作業性が悪いことが問題になっていた。
【0003】
このような問題の解決手法として、下記の特許文献1には、収納・展開作業が極めて容易でコンパクトに収納できるとともに軽量化を図り取扱性を向上させるように、網地を無結節網で編成するとともに、網地が張設状態から取り外した際に太径ロープ状に復元する剛性を備えた作業場区画ネットが開示されている。
【0004】
また、下記の特許文献2には、任意の位置に短時間で設置できるとともにコンパクトに小さく収納できるように、立入禁止区画を設置するための2本の支柱間にガードを張設するバリケードにおいて、合成繊維または合成樹脂製のネットからなるガードを一方の支柱内に巻き取って収納し得るようにした巻き取り式バリケードが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−096402号公報
【特許文献2】実用新案登録第3073391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1に開示された作業場区画ネットでは、結節のない貫通式の無結節網で編成されるとともに張設状態から取り外した際に太径ロープ状に復元する剛性を備えた網地とする必要があるため、既存の樹脂性ネットなどを使用する作業場区画ネットには適用できないという問題がある。
また、上記の特許文献2に開示された巻き取り式バリケードでは、2本の支柱のうちの一方の支柱にネットを収納するため、ネット収納時には、一方の支柱に設けた欠切部内に他方の支柱を収納させたのちにバンドで締結する必要があり、ネット収納作業に手間がかかるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、特殊な網地のネットを使用しなくてもネット収納作業を容易に行うことができる作業場区画ネットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の作業場区画ネットは、安全作業のため矩形状のネット(11)を張って作業場を区画するための作業場区画ネット(10)であって、前記ネットの一方の側辺の上端および下端にそれぞれ取り付けられた上側および下側フック(12a,12b)と、前記ネットの他方の側辺が固定されたネット付支持杭(20)と、前記上側および下側フックをそれぞれ引っ掛けて前記ネットを前記ネット付支持杭との間で張るための支持杭(30)とを具備し、前記ネット付支持杭が、前記ネットを収納する際に該ネット付支持杭を手動で転がしていくための手動回転手段を備え、前記手動回転手段に、前記ネットを収納した際に前記上側および下側フックをそれぞれ引っ掛けるための上側および下側フック引掛手段が備えられていることを特徴とする。
ここで、前記ネット付支持杭が、円柱状の杭(21)と、該杭の上端部に取り付けられた、かつ、該杭を貫通させるための上側貫通孔(22b)が中央部に形成された上側円板(22)と、前記杭の下端部に取り付けられた、かつ、該杭を貫通させるための下側貫通孔(23b)が中央部に形成された、かつ、前記上側円板と同じ径の下側円板(23)とを備え、前記ネットの前記他方の側辺が、前記杭の外周面の前記上側円板と前記下側円板との間に固定されており、前記上側円板に、前記上側フックを引っ掛けるための少なくとも2個の上側引掛手段(22c1,22c2)が取り付けられており、前記下側円板に、前記下側フックを引っ掛けるための少なくとも2個の下側フック引掛手段(23c1,23c2)が取り付けられていてもよい。
前記上側円板が、中央部に前記上側貫通孔が形成された円板状の上側本体(22a)と、該上側本体の下面の外周面近傍に該上側本体の中心を中心とする同心円上に一定の間隔をもって形成された少なくとも2個の上側穴の中央部に、長手方向が該上側本体の径方向となるようにそれぞれ取り付けられた少なくとも2個の上側引掛ピン(22c1,22c2)とを備え、前記下側円板が、中央部に前記下側貫通孔(23b)が形成された円板状の下側本体(23a)と、該下側本体の上面の外周面近傍に該下側本体の中心を中心とする同心円上に一定の間隔をもって形成された少なくとも2個の下側穴の中央部に、長手方向が該下側本体の径方向となるようにそれぞれ取り付けられた少なくとも2個の下側引掛ピン(23c1,232)とを備えてもよい。
前記支持杭が、円柱状の他の杭(31)と、該他の杭の上端部に取り付けられた、かつ、該他の杭を貫通させるための他の上側貫通孔(32b)が中央部に形成された他の上側円板(32)と、前記他の杭の下端部に取り付けられた、かつ、該他の杭を貫通させるための第2の下側貫通孔(33b)が中央部に形成された、かつ、前記他の上側円板と同じ径の他の下側円板(33)とを備え、前記他の上側円板に、前記上側フックを引っ掛けるための少なくとも2個の他の上側引掛手段(32c1,32c2)が取り付けられており、
前記他の下側円板に、前記下側フックを引っ掛けるための少なくとも2個の他の下側フック引掛手段(33c1,33c2)が取り付けられていてもよい。
前記他の上側円板が、中央部に前記他の上側貫通孔(32b)が形成された円板状の他の上側本体(32a)と、該他の上側本体の下面の外周面近傍に該他の上側本体の中心を中心とする同心円上に一定の間隔をもって形成された少なくとも2個の他の上側穴の中央部に、長手方向が該他の上側本体の径方向となるようにそれぞれ取り付けられた少なくとも2個の他の上側引掛ピン(32c1,32c2)とを備え、前記他の下側円板が、中央部に前記他の下側貫通孔が形成された円板状の他の下側本体(33a)と、該他の下側本体の上面の外周面近傍に該他の下側本体の中心を中心とする同心円上に一定の間隔をもって形成された少なくとも2個の他の下側穴の中央部に、長手方向が該他の下側本体の径方向となるようにそれぞれ取り付けられた少なくとも2個の他の下側引掛ピン(33c1,332)とを備えてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の作業場区画ネットは、以下に示す効果を奏する。
(1)ネット付支持杭を手動で転がしていってネットをネット付支持杭に巻き取ったのちに上側および下側フックを上側および下側フック引掛手段にそれぞれ引っ掛けるだけでネットを収納することができるため、特殊な網地のネットを使用しなくてもネット収納作業を容易に行うことができる。
(2)ネット収納作業を容易に行うことができるため、撤去時間の短縮化を図ることができる。
(3)ネットの絡み防止やネット敷設時間の短縮を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例による作業場区画ネット10の構成を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は上側円板22の底面図であり、(c)は下側円板23の上面図である。
【図2】図1に示した作業場区画ネット10を1つ用いて作業場を区画する際の紅白ネット11の展開時の作業手順について説明するための正面図である。
【図3】図1に示した作業場区画ネット10を2つ用いて作業場を区画する際の紅白ネット11の展開時の作業手順について説明するための正面図である。
【図4】図1に示した作業場区画ネット10の収納時の作業手順について説明するための上側円板22の方から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記の目的を、ネットを収納する際にネット付支持杭を手動で転がしていくための手動回転手段をネット付支持杭に備えるとともに、ネットを収納した際に上側および下側フックをそれぞれ引っ掛けるための上側および下側フック引掛手段を手動回転手段に備えることにより実現した。
【実施例1】
【0012】
以下、本発明の作業場区画ネットの実施例について図面を参照して説明する。
本発明の一実施例による作業場区画ネット10は、図1(a)に示すように、紅白ネット11と、上側および下側フック12a,12b(スナップフックなど)と、ネット付支持杭20と、支持杭30とを具備する。
【0013】
ここで、紅白ネット11は、縦1m×横10〜20mの矩形状のものである。
上側および下側フック12a,12bは、紅白ネット11の図1(a)図示右側の側辺(以下、「右側辺」と称する。)の上端および下端にそれぞれ取り付けられている。
【0014】
ネット付支持杭20は、円柱状の杭21と、杭21の上端部に取り付けられた上側円板22と、杭21の下端部に取り付けられた、かつ、上側円板22と同じ径の下側円板23とを備える。
杭21の下端部(下側円板23よりも下側の部分)の先端は、ネット付支持杭20を地面や受皿に立て易くするために尖っている。
【0015】
紅白ネット11の図1(a)図示左側の側辺(以下、「左側辺」と称する。)は、ネット付支持杭20の杭21の外周面の上側円板22と下側円板23との間に固定されている。
【0016】
ネット付支持杭20の上側円板22は、図1(b)に示すように、中央部に杭21を貫通させるための上側貫通孔22bが形成された円板状の上側本体22aと、上側本体22aの下面の外周面近傍に形成された矩形状の上側穴の中央部に長手方向が上側本体22aの径方向となるように取り付けられた第1の上側引掛ピン22c1と、上側本体22aの下面の第1の上側引掛ピン22c1と上側本体22aの中心を挟んで点対象の位置に(すなわち、上側本体22aの中心を中心とする同心円上に180°の間隔をもって)第1の上側引掛ピン22c1と同様に形成された第2の上側引掛ピン22c2とを備える。
【0017】
ネット付支持杭20の下側円板23は、図1(c)に示すように、中央部に杭21を貫通させるための下側貫通孔23bが形成された円板状の下側本体23aと、下側本体23aの上面の外周面近傍に形成された矩形状の下側穴の中央部に長手方向が下側本体23aの径方向となるように取り付けられた第1の下側引掛ピン23c1と、下側本体23aの下面の第1の下側引掛ピン23c1と下側本体23aの中心を挟んで点対象の位置に(すなわち、下側本体23aの中心を中心とする同心円上に180°の間隔をもって)第1の下側引掛ピン23c1と同様に形成された第2の下側引掛ピン23c2とを備える。
【0018】
支持杭30は、円柱状の杭31と、杭31の上端部に取り付けられた上側円板32と、杭31の下端部に取り付けられた、かつ、上側円板32と同じ径の下側円板33とを備える。
杭31の下端部(下側円板33よりも下側の部分)の先端は、支持杭30を地面や受皿に立て易くするために尖っている。
【0019】
支持杭30の上側円板32および下側円板33は、ネット付支持杭20の上側円板22および下側円板23と同様にそれぞれ構成されている。
すなわち、図示はしていないが、上側円板32は、中央部に杭31を貫通させるための上側貫通孔32bが形成された円板状の上側本体32aと、上側本体32aの下面の外周面近傍に形成された矩形状の上側穴の中央部に長手方向が上側本体32aの径方向となるように取り付けられた第1の上側引掛ピン32c1と、上側本体32aの下面の第1の上側引掛ピン32c1と上側本体32aの中心を挟んで点対象の位置に(すなわち、上側本体32aの中心を中心とする同心円上に180°の間隔をもって)第1の上側引掛ピン32c1と同様に形成された第2の上側引掛ピン32c2とを備える。
また、下側円板33は、中央部に杭31を貫通させるための下側貫通孔33bが形成された円板状の下側本体33aと、下側本体33aの上面の外周面近傍に形成された矩形状の下側穴の中央部に長手方向が下側本体33aの径方向となるように取り付けられた第1の下側引掛ピン33c1と、下側本体33aの下面の第1の下側引掛ピン33c1と下側本体33aの中心を挟んで点対象の位置に(すなわち、下側本体33aの中心を中心とする同心円上に180°の間隔をもって)第1の下側引掛ピン33c1と同様に形成された第2の下側引掛ピン33c2とを備える。
【0020】
次に、以上のように構成された作業場区画ネット10の使用方法について、図2乃至図4を参照して説明する。
まず、作業場区画ネット10を1つ用いて作業場を区画する際の紅白ネット11の展開時の作業手順について、図2を参照して説明する。
作業員は、図2に示すように、ネット付支持杭20の杭21と支持杭30の杭31とを作業場の両端にそれぞれ立てたのち、ネット付支持杭20の杭21を回転させながら紅白ネット11を引っ張り出して、紅白ネット11を支持杭30まで展開(敷設)する。
【0021】
その後、作業員は、上側フック12aを支持杭30の上側円板32に取り付けられた第1および第2の上側引掛ピン32c1,32c2のうち引っ掛け易い方に引っ掛けるとともに、下側フック12bを支持杭30の下側円板33に取り付けられた第1および第2の下側引掛ピン33c1,33c2のうち引っ掛け易い方に引っ掛ける。
このとき、支持杭30の上側円板32に第1および第2の上側引掛ピン32c1,32c2を点対象の位置に設けることにより、上側引掛ピンが1個の場合では上側フック12aを引っ掛け易い位置に上側引掛ピンが来るように支持杭30の杭31を立てる必要がある点に比べて、作業が行い易くなる。支持杭30の下側円板33についても同様である。
【0022】
次に、作業場区画ネット10を2つ用いて作業場を区画する際の紅白ネット11の展開時の作業手順について、図3を参照して説明する。
2つの作業場区画ネット10を用いて作業場を区画する場合には、作業員は、図3に示すように、1個のネット付支持杭20(以下、「第1のネット付支持杭20」と称する。)の杭21を作業場の一方の端に立て、他の1個のネット付支持杭20(以下、「第2のネット付支持杭20」と称する。)の杭21を作業場の中央部に立てるとともに、支持杭30の杭31を作業場の他方の端に立てる。
【0023】
その後、作業員は、第1のネット付支持杭20の杭21を回転させながら第1のネット付支持杭20から紅白ネット11(以下、「第1の紅白ネット11」と称する。)を引っ張り出して、第1の紅白ネット11を第2のネット付支持杭20まで展開する。
【0024】
その後、作業員は、第1の紅白ネット11の右側辺の上端に取り付けられた上側フック12aを第2のネット付支持杭20の上側円板22に取り付けられた第1および第2の上側引掛ピン22c1,22c2のうち引っ掛け易い方に引っ掛けるとともに、第1の紅白ネット11の右側辺の下端に取り付けられた下側フック12bを第2のネット付支持杭20の下側円板23に取り付けられた第1および第2の下側引掛ピン23c1,23c2のうち引っ掛け易い方に引っ掛ける。
このとき、第2のネット付支持杭20の上側円板22に第1および第2の上側引掛ピン22c1,22c2を点対象の位置に設けることにより、上側引掛ピンが1個の場合では上側フック12aを引っ掛け易い位置に上側引掛ピンが来るように第2のネット付支持杭20の杭21を立てる必要がある点に比べて、作業が行い易くなる。第2のネット付支持杭20の下側円板23についても同様である
【0025】
その後、作業員は、第2のネット付支持杭20の杭21を回転させながら第2のネット付支持杭20から紅白ネット11(以下、「第2の紅白ネット11」と称する。)を引っ張り出して、第2の紅白ネット11を支持杭30まで展開する。
【0026】
その後、作業員は、第2の紅白ネット11の右側辺の上端に取り付けられた上側フック12aを支持杭30の上側円板32に取り付けられた第1および第2の上側引掛ピン32c1,32c2のうち引っ掛け易い方に引っ掛けるとともに、第2の紅白ネット11の右側辺の下端に取り付けられた下側フック12bを支持杭30の下側円板33に取り付けられた第1および第2の下側引掛ピン33c1,33c2のうち引っ掛け易い方に引っ掛ける。
【0027】
次に、紅白ネット11の収納時の作業点順について、図2に示したように作業場区画ネット10を1つ用いて作業場を区画する場合を例として、図4(a)〜(c)を参照して説明する。
作業員は、上側フック12aを支持杭30の上側円板32に取り付けられた第1または第2の上側引掛ピン32c1,32c2から取り外すとともに、下側フック12bを支持杭30の下側円板33に取り付けられた第1または第2の下側引掛ピン33c1,33c2から取り外したのち、図4(a)に示すように、ネット付支持杭20の杭21を抜いて紅白ネット11を広げたまま地面に寝かせる。
【0028】
その後、作業員は、図4(b),(c)に示すように、ネット付支持杭20の上側円板22および下側円板23を車輪として機能させることにより、ネット付支持杭20を支持杭30に向かって転がしていく。
これにより、地面に広げられた紅白ネット11がネット付支持杭20の杭21に巻かれていく。
【0029】
その後、作業員は、上側フック12aをネット付支持杭20の上側円板22に取り付けられた第1および第2の上側引掛ピン22c1,22c2のうち引っ掛け易い方に引っ掛けるとともに、下側フック12bをネット付支持杭20の下側円板23に取り付けられた第1および第2の下側引掛ピン23c1,23c2のうち引っ掛け易い方に引っ掛ける。
これにより、たとえば上記の特許文献2に開示された巻き取り式バリケードのようにバンド(ネット固縛用紐)などを用いて紅白ネット11を締結する必要なく、紅白ネット11をネット付支持杭20に収納することができる。
また、ネット付支持杭20の上側円板22に第1および第2の上側引掛ピン22c1,22c2を点対象の位置に設けることにより、上側引掛ピンが1個の場合では上側フック12aを引っ掛け易い位置に上側引掛ピンが来るように調整しながらネット付支持杭20を転がし終える必要がある点に比べて、作業が行い易くなる。ネット付支持杭20の下側円板23についても同様である。
【0030】
以上の説明では、ネット付支持杭20の上側円板22に2個の上側引掛ピン(第1および第2の上側引掛ピン22c1,22c2)を取り付けたが、3個以上の上側引掛ピンを上側本体22の下面の外周面近傍に上側本体22の中心を中心とする同心円上に一定の間隔をもって形成された3個以上の上側穴の中央部に、長手方向が上側本体22の径方向となるようにそれぞれ取り付けてもよい。
ネット付支持杭20の下側円板23、支持杭30の上側円板32および支持杭30の下側円板33についても同様である。
【0031】
また、ネット付支持杭20の杭21および支持杭30の杭31を地面に立てたが、たとえばアスファルトの場所に立てる必要がある場合には、杭21,31を立脚させるための受皿などを用いればよい。
【0032】
さらに、支持杭30は紅白ネット11をネット付支持杭20との間に張設する機能しか有しないため、支持杭30の代わりに、円柱状の杭の上端部および下端部に上側引掛ピンおよび下側引掛ピンを1個ずつ取り付けた支持杭を用いてもよい。
【0033】
さらにまた、ネット付支持杭20の上側および下側フック引掛手段として第1および第2の上側引掛ピン22c1,22c2と第1および第2の下側引掛ピン23c1,23c2とを用いたが、たとえばU字金物を上側円板22の下面の第1および第2の上側引掛ピン22c1,22c2の取付位置と下側円板23の下面の第1および第2の上側引掛ピン23c1,23c2の取付位置に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10 作業場区画ネット
11 紅白ネット
12a 上側フック
12b 下側フック
20 ネット付支持杭
21,31 杭
22,32 上側円板
22a,32a 上側本体
22b,32b 上側貫通孔
22c1,22c2,32c1,32c2 第1および第2の上側引掛ピン
23,33 下側円板
23a,33a 下側本体
23b,33b 下側貫通孔
23c1,23c2,33c1,33c2 第1および第2の下側引掛ピン
30 支持杭

【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全作業のため矩形状のネット(11)を張って作業場を区画するための作業場区画ネット(10)であって、
前記ネットの一方の側辺の上端および下端にそれぞれ取り付けられた上側および下側フック(12a,12b)と、
前記ネットの他方の側辺が固定されたネット付支持杭(20)と、
前記上側および下側フックをそれぞれ引っ掛けて前記ネットを前記ネット付支持杭との間で張るための支持杭(30)とを具備し、
前記ネット付支持杭が、前記ネットを収納する際に該ネット付支持杭を手動で転がしていくための手動回転手段を備え、
前記手動回転手段に、前記ネットを収納した際に前記上側および下側フックをそれぞれ引っ掛けるための上側および下側フック引掛手段が備えられている、
ことを特徴とする、作業場区画ネット。
【請求項2】
前記ネット付支持杭が、
円柱状の杭(21)と、
該杭の上端部に取り付けられた、かつ、該杭を貫通させるための上側貫通孔(22b)が中央部に形成された上側円板(22)と、
前記杭の下端部に取り付けられた、かつ、該杭を貫通させるための下側貫通孔(23b)が中央部に形成された、かつ、前記上側円板と同じ径の下側円板(23)とを備え、
前記ネットの前記他方の側辺が、前記杭の外周面の前記上側円板と前記下側円板との間に固定されており、
前記上側円板に、前記上側フックを引っ掛けるための少なくとも2個の上側引掛手段(22c1,22c2)が取り付けられており、
前記下側円板に、前記下側フックを引っ掛けるための少なくとも2個の下側フック引掛手段(23c1,23c2)が取り付けられている、
ことを特徴とする、請求項1記載の作業場区画ネット。
【請求項3】
前記上側円板が、
中央部に前記上側貫通孔が形成された円板状の上側本体(22a)と、
該上側本体の下面の外周面近傍に該上側本体の中心を中心とする同心円上に一定の間隔をもって形成された少なくとも2個の上側穴の中央部に、長手方向が該上側本体の径方向となるようにそれぞれ取り付けられた少なくとも2個の上側引掛ピン(22c1,22c2)とを備え、
前記下側円板が、
中央部に前記下側貫通孔(23b)が形成された円板状の下側本体(23a)と、
該下側本体の上面の外周面近傍に該下側本体の中心を中心とする同心円上に一定の間隔をもって形成された少なくとも2個の下側穴の中央部に、長手方向が該下側本体の径方向となるようにそれぞれ取り付けられた少なくとも2個の下側引掛ピン(23c1,232)とを備える、
ことを特徴とする、請求項2記載の作業場区画ネット。
【請求項4】
前記支持杭が、
円柱状の他の杭(31)と、
該他の杭の上端部に取り付けられた、かつ、該他の杭を貫通させるための他の上側貫通孔(32b)が中央部に形成された他の上側円板(32)と、
前記他の杭の下端部に取り付けられた、かつ、該他の杭を貫通させるための第2の下側貫通孔(33b)が中央部に形成された、かつ、前記他の上側円板と同じ径の他の下側円板(33)とを備え、
前記他の上側円板に、前記上側フックを引っ掛けるための少なくとも2個の他の上側引掛手段(32c1,32c2)が取り付けられており、
前記他の下側円板に、前記下側フックを引っ掛けるための少なくとも2個の他の下側フック引掛手段(33c1,33c2)が取り付けられている、
ことを特徴とする、請求項2または3記載の作業場区画ネット。
【請求項5】
前記他の上側円板が、
中央部に前記他の上側貫通孔(32b)が形成された円板状の他の上側本体(32a)と、
該他の上側本体の下面の外周面近傍に該他の上側本体の中心を中心とする同心円上に一定の間隔をもって形成された少なくとも2個の他の上側穴の中央部に、長手方向が該他の上側本体の径方向となるようにそれぞれ取り付けられた少なくとも2個の他の上側引掛ピン(32c1,32c2)とを備え、
前記他の下側円板が、
中央部に前記他の下側貫通孔が形成された円板状の他の下側本体(33a)と、
該他の下側本体の上面の外周面近傍に該他の下側本体の中心を中心とする同心円上に一定の間隔をもって形成された少なくとも2個の他の下側穴の中央部に、長手方向が該他の下側本体の径方向となるようにそれぞれ取り付けられた少なくとも2個の他の下側引掛ピン(33c1,332)とを備える、
ことを特徴とする、請求項4記載の作業場区画ネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−64284(P2013−64284A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204187(P2011−204187)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)