作業用足場台及び足場台用手掛り棒保持金具
【課題】足場板上での作業領域を狭めることなく、安全性をより向上させた手掛り棒を備える作業台を提供する。
【解決手段】矩形形状の足場板と、この足場板の対向する短辺部に取付けられて一対をなす脚部と、少なくとも一方の脚部の両側部に上下方向に引き出し自在に取付けられた左右一組の手掛り棒からなる手掛部と、前記少なくとも一方の脚部の両側部にそれぞれ取付けられ、前記手掛り棒を取付姿勢調整自在に保持可能とした棒保持部と、を具備する構成とした。また、前記棒保持部は、前記脚部の左右一対の脚柱の外側面に固着されるベース金具と、このベース金具の表面上部に、枢軸を中心に回動自在に取付けられた棒受金具とを備え、前記棒受金具は、前記手掛り棒を摺動自在に保持可能な鞘部と、当該棒受金具を所定回動位置で固定する位置決め部とを備える構成とした。
【解決手段】矩形形状の足場板と、この足場板の対向する短辺部に取付けられて一対をなす脚部と、少なくとも一方の脚部の両側部に上下方向に引き出し自在に取付けられた左右一組の手掛り棒からなる手掛部と、前記少なくとも一方の脚部の両側部にそれぞれ取付けられ、前記手掛り棒を取付姿勢調整自在に保持可能とした棒保持部と、を具備する構成とした。また、前記棒保持部は、前記脚部の左右一対の脚柱の外側面に固着されるベース金具と、このベース金具の表面上部に、枢軸を中心に回動自在に取付けられた棒受金具とを備え、前記棒受金具は、前記手掛り棒を摺動自在に保持可能な鞘部と、当該棒受金具を所定回動位置で固定する位置決め部とを備える構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手掛り棒付の作業用足場台及び足場台用手掛り棒保持金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、矩形形状の足場板の対向する左右の短辺部それぞれに、脚部を所定角度で開脚自在及び折り畳み自在に設けた作業用足場台があった。
【0003】
かかる作業用足場台として、前記脚部の両側部に、脚部の脚柱に沿って上下方向に引き出し自在に取付けられた左右一組の手掛り棒からなる手掛部と、前記手掛り棒を突出した状態で保持するロック手段と、前記脚柱の外側に設けられ、前記手掛り棒を摺動自在に保持するガイド金具と、を具備する作業用足場台が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
上記構成によれば、手掛り棒は脚柱に沿って上下するため、手掛り棒の一端に設けられた枢軸を中心に回動させるようなタイプに比べて、作業台の周りに広い空間が必要となることもなく、また、足場板に乗らなくとも手掛り棒のセットが容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−336987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した作業用足場台では、足場板の短辺部を挟んで対向する左右の手掛り棒間に、踏み外し防止用の横架バーを配設することができる。
【0007】
しかし、上述したように、手掛り棒が脚部の脚柱に沿って上方へ突出していく構成の場合、脚部は所定の開脚角度で正面視略ハ字状に開脚しているため、手掛り棒の上端は、足場板の短辺部の直上方位置よりも、長辺部の中心側へずれることになる。そのため、足場板の作業領域を狭めてしまうおそれがあった。
【0008】
他方、手掛り棒が足場板の四隅から略直上方に突出するような構成とすることも考えられるが、そのような構成とした場合、当然ながら横架バーの位置も足場板の短辺部の直上方位置となるため、作業中に横架バーに身体が接触したときには、すでに足を足場板から踏み外しているということも懸念される。
【0009】
本発明は上記問題を解決することのできる作業用足場台を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明では、矩形形状の足場板と、この足場板の対向する短辺部にそれぞれ取付けられて一対をなす脚部と、少なくとも一方の脚部の両側部に上下方向に引き出し自在に取付けられた左右一組の手掛り棒からなる手掛部と、前記少なくとも一方の脚部の両側部にそれぞれ取付けられ、前記手掛り棒を取付姿勢調整自在に保持可能とした棒保持部と、を具備する作業用足場台とした。
【0011】
(2)本発明は、上記(1)の作業用足場台において、前記左右一組の手掛り棒間に、踏み外し防止用の横架バーを配設したことを特徴とする。
【0012】
(3)本発明は、上記(1)又は(2)の作業用足場台において、前記棒保持部は、前記脚部の左右一対の脚柱の外側面に固着されるベース金具と、このベース金具の表面上部に、枢軸を中心に回動自在に取付けられた棒受金具と、を備え、前記棒受金具は、前記手掛り棒を、摺動自在に保持可能であり、かつ所定位置で固定する固定具を備えた鞘部と、この鞘部の下方に位置し、当該棒受金具を所定回動位置で固定する位置決め部と、当該棒受金具の回動動作を案内する回動ガイド部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
(4)本発明は、上記(1)〜(3)のいずれかの作業用足場台において、前記手掛部を、前記一対の脚部にそれぞれ取付け、前記足場板の長辺部を挟んで対向する手掛り棒間に手摺を架設するとともに、前記手摺を、スライド自在に嵌装される内装部材と外装部材とから構成し、前記手掛り棒の引き出し動作に応じて伸縮可能に構成したことを特徴とする。
【0014】
(5)本発明は、上記(1)〜(4)のいずれかの作業用足場台において、前記一対の脚部を、それぞれ折畳・開脚自在に構成するとともに、少なくとも前記手掛部を配設した側の脚部を、踏桟を備える梯子状脚体としたことを特徴とする。
【0015】
(6)本発明では、足場板に取付けられた脚部の両側脚柱に取付けられ、手掛り棒を摺動自在に保持するとともに、所定位置で固定可能とした足場台用手掛り棒保持金具であって、前記脚柱の外側面に固着されるベース金具と、このベース金具の表面上部に、枢軸を中心に回動自在に取付けられた棒受金具と、を備え、前記棒受金具は、前記手掛り棒を、摺動自在に保持可能であり、かつ所定位置で固定する固定具を備えた鞘部と、この鞘部の下方に位置し、当該棒受金具を所定回動位置で固定する位置決め部と、当該棒受金具の回動動作を案内する回動ガイド部と、を備えることとした。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、手掛り棒の取付姿勢が調整自在となるため、踏み外し防止用の横架バーを取付ける際に、作業領域が狭くならないことを優先したり、あるいは足場台からの踏み外しを可及的に防止することを優先したりするなど、使用者が選択できるため、使い勝手が向上する。また、作業領域が著しく狭くならず、かつ足場台からの踏み外しも防止可能な位置に踏み外し防止用の横架バーを位置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態に係る作業用足場台の基本構成を示す正面図である。
【図2】同作業用足場台の一側面図である。
【図3】同作業用足場台の他側面図である。
【図4】一実施形態に係る作業用足場台の使用状態の一例を示す正面図である。
【図5】同作業用足場台の一側面図である。
【図6】同作業用足場台の使用状態の他の例を示す正面図である。
【図7】棒保持部の正面視による説明図である。
【図8】棒保持部の側面視による説明図である。
【図9】棒保持部である足場台用手掛り棒保持金具の正面図である。
【図10】同棒保持部である足場台用手掛り棒保持金具の平面図である。
【図11】同棒保持部である足場台用手掛り棒保持金具の一側面図である。
【図12】同棒保持部である足場台用手掛り棒保持金具の他側面図である。
【図13】変形例に係る棒保持部の正面視による説明図である。
【図14】他の実施形態に係る作業用足場台の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る作業用足場台の一実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。先ず、図1〜図3を参照しながら、作業用足場台の基本構成について説明する。
【0019】
(足場台の基本構成)
本実施形態に係る作業用足場台(以下、単に「足場台」という場合がある)は、基本構成として、短辺側縁部10と長辺側縁部11とを有する矩形形状の足場板1と、この足場板1の対向する短辺部をなす短辺側縁部10,10に、それぞれ折畳・開脚自在に取付けられた脚部2,2と、これら脚部2,2の両側部に、上下方向に引き出し自在に取付けられた左右一組の手掛り棒41,41からなる手掛部4とを具備している。
【0020】
すなわち、本実施形態に係る作業用足場台は、足場板1の短辺側縁部10が昇降口となるもので、作業者(足場台の使用者)は、脚部2,2を開脚した状態で脚部2を上り、地上から足場板1に移動して所望する作業を行うことができる。脚部2を上る際や降りる際には、作業者はいずれか一方、あるいは両方の手掛り棒41を把持することによって、その昇降を容易に行うことができる。なお、手掛部4を、本実施形態では足場板1の短辺側縁部10,10の両方に設けているが、少なくともいずれか一方に設けられていればよい。
【0021】
本実施形態に係る足場板1は、短辺側縁部10と長辺側縁部11との長さの比を略1:3としている。また、足場板1の表面には、図示しないが多数の滑り止め孔がバーリング加工により形成されている。なお、当然ではあるが、複数の作業者が同時に乗っても耐えうる十分な強度を有するものである。
【0022】
左右の脚部2は、左右一対の脚柱21,21により略ハ字状となるように裾広がりの形状に形成されるとともに、それぞれ最大に開脚させたときに、足場板1から所定の角度で下り傾斜となって立脚するように構成されている。
【0023】
また、本実施形態では、脚部2,2の開脚角度を、左右それぞれで異ならせた足場台としている。すなわち、図1において右側の脚部2については、開脚角度を107.5度(床面からの角度は72.5度)に設定する一方、左側の脚部2の開脚角度は100度(床面からの角度は80度)に設定して、より起立した状態としている。なお、この開脚角度については適宜設定することができる。
【0024】
また、図2に示すように、右側の脚部2については、脚柱21,21間に複数の踏桟22を所定間隔をあけて取付けて梯子状に構成して昇降可能とする一方、図1において左側の脚部2については、ステップとして機能する踏桟22は設けずに、脚柱21,21間には交差状の補強桟24を取り付けている(図3参照)。
【0025】
例えば、壁塗り作業などを行う場合であって、壁と壁とで挟まれたコーナー近傍で作業する際には、より起立した状態の脚部(例えば左側の脚部2)を壁際に可及的に近接させれば、作業領域を壁の隅側にシフトさせることができ、作業効率を向上させることができる。
【0026】
また、脚柱21は、下端部分が入れ子構造となっており、図示するように、所定長さLだけ伸長自在に構成されている。図中、符号GLは接地面を示している。また、符号40で示したものは、足場板1の両端側と左右の各脚柱21の最上段の踏桟22との間に所定間隔をあけて配設した左右一組の開き止め金具であり、この開き止め金具40,40により、足場板1を安定した状態で保持することができる。
【0027】
上述した基本構造を有する足場台において、本実施形態の特徴をなす構成は、脚部2の両側部にそれぞれ取付けられて、手掛り棒41を取付姿勢調整自在に保持可能とした棒保持部8にある。
【0028】
すなわち、棒保持部8により保持された手掛り棒41の姿勢を、脚部2の脚柱21に沿って足場板1に対して斜め方向に突出する傾斜姿勢(図1における仮想線を参照)と、足場板1に対して略垂直方向に突出する直立姿勢(図1における実線を参照)とに選択的に切り替えることができるようにしている。なお、ここでは、取付姿勢を調整可能とした棒保持部8は一方の脚部2にのみ取付けており、他方の脚部2には、手掛り棒41を脚柱21に沿ってのみ摺動自在とした固定式のガイド体9を設けている。
【0029】
また、ここでは、傾斜姿勢と直立姿勢とのいずれかからの2者択一としているが、複数段の姿勢を選択可能とすることもできるし、起立姿勢から任意の傾斜姿勢まで無段階に姿勢調整することも可能である。
【0030】
このように、手掛り棒41の取付姿勢を、傾斜角度(ここでは、0度又は17.5度)を変えることで調整可能としたため、脚部2を昇降する使用者(作業者)は、手掛り棒41を、自分の昇降し易い好みに合った位置(姿勢)となるように調整することができる。
【0031】
特に、左右一組の手掛り棒41,41間に、足場板1の短辺側縁部10からの踏み外しを防止する横架バー5を配設することができ、かかる横架バー5を取付ける際に、作業領域が狭くならないことを優先したり、あるいは足場板1からの踏み外しを可及的に防止することを優先したりするなど、使用者が選択することができる。
【0032】
すなわち、手掛り棒41,41が傾斜姿勢にある場合は、横架バー5の位置が足場板1の長辺端部(短辺側縁部10)よりも長辺中心方向へシフトするため作業領域は狭くなるが、足場板1からの踏み外し防止機能としては高まる。他方、手掛り棒41,41が直立姿勢にある場合は、横架バー5の位置は足場板1の長辺端部(短辺側縁部10)の直上方位置にあるため、十分な作業領域を確保することができる。
【0033】
以下、図4〜図14を参照しながら、棒保持部8を備える足場台について、手掛部4を構成する一対の手掛り棒41,41間に横架バー5が設けられた足場台を例にして詳細に説明する。また、以下で説明する足場台は、図4及び図5に示すように、足場板1の長辺側縁部11を挟んで対向する手掛り棒41,41の各上端間には手摺3を配設している。
【0034】
(横架バーと手摺とを備えた足場台)
手摺3は、足場板1の対向する長辺側縁部11,11に沿って、互いに対向状態に2本1組で設けられるとともに、スライド自在に嵌装される内装部材3aと外装部材3bとからなる二重構造となっている。したがって、図4に示す手掛り棒41が傾斜姿勢をとる場合と、図6に示すように手掛り棒41が直立姿勢をとる場合とでは、手摺3を横架している手掛り棒4,4間の水平距離が変化するが、手摺3は手掛り棒41の上下スライド動作に追従して伸縮する。
【0035】
ここで、図6〜図13を参照して棒保持部8について説明する。足場台の棒保持部8としては、実質的には、足場板1に取付けられた脚部2の両側の脚柱21に取付けられ、手掛り棒41を摺動自在に保持するとともに、所定位置で固定可能とした足場台用手掛り棒保持金具(以下、「保持金具」ともいう)80からなる。
【0036】
図7〜図12に示すように、保持金具80は、脚部2の左右一対の脚柱21,21の外側面に固着されるベース金具81と、このベース金具81の表面上部に、枢軸82を中心に回動自在に取付けられた棒受金具83とを備えている。
【0037】
棒受金具83は、手掛り棒41を摺動自在に保持可能であり、かつ所定位置(少なくとも1個所の突出位置と収納位置)で固定可能とした固定具84を設けた鞘部85と、この鞘部85の下方に位置し、棒受金具83を所定回動位置で固定する位置決め部91と、当該棒受金具83の回動動作を案内する回動ガイド部92とを備えている。
【0038】
固定具84は、つまみ部84aに突設した係合ピン84bと、この係合ピン84bを手掛り棒41側に付勢するバネ84cとから構成されており、手掛り棒41の上端及び下端近傍に形成した係止孔(不図示)に係合ピン84bを係合することで手掛り棒41の位置を固定することができる。
【0039】
本実施形態における位置決め部91は、手掛り棒41を傾斜姿勢に位置決めする(図4参照)第1の位置決め孔91aと、起立姿勢に位置決めする(図6参照)第2の位置決め孔91bとからなる構成としている。また、第1の位置決め孔91aと第2の位置決め孔91bは枢軸82を中心とする仮想円弧上に配置されている。また、回動ガイド部92は弧状長孔により形成されており、これも実質的には枢軸82を中心とする仮想円弧上に形成されている。
【0040】
この回動ガイド部92内からボルト93を挿通してベース金具81に形成したボルト孔93aに挿通してナット94で螺合することにより、棒受金具83を枢軸82周りに回動させたときに、棒受金具83はベース金具81から浮くことなく円滑に回動する。
【0041】
ベース金具81は、脚柱21を抱持可能となるように、一側の上下と他側の略上半部に折曲部81a,81b,81cを形成するともに、折曲部81c一側下部に形成した折曲部81bと対向する他側の略下半部を外方に張り出してロック具取付部81dを形成している。
【0042】
ベース金具81の上端中央近傍には枢軸82となる軸体を挿入するベース側枢支孔82aが形成されており(図12参照)、この枢支孔82aと後述する受金具側枢支孔82bに枢軸82を挿通し、棒受金具83がこの枢軸82を中心として回動自在に連結されている。
【0043】
また、ベース金具81のロック具取付部81dには、位置決め部91の第1の位置決め孔91aと第2の位置決め孔91bとのいずれかに選択的に挿通されるロックピン87aを備えるロック具87が取付けられている。このロック具87は、ロックピン87aと、このロックピン87aを位置決め部91側に付勢するバネ87bとを収容するケース体87cとから構成されている。なお、符号87dは、ロックピン87aの基端に形成された摘みリングを示している。また、このロック具87の下方位置に前述のボルト93を挿通するボルト孔93aが形成されている。
【0044】
棒受金具83は、下部に形成された広幅部83aから上方へ細幅部83bを伸延形成するとともに、細幅部83bの上端に金具側枢支孔82bを形成している。また、細幅部83bには、下端側一部を広幅部83aと重なるように鞘部85を設けている。
【0045】
この鞘部85は矩形筒状に形成されており、手掛り棒41を摺動自在に挿通可能としている。また、図11及び図12に示すように、鞘部85の側面下端には湾状の切欠部85c,85cが形成され、手掛り棒41の下端部に突設した係合ピン44と係合可能としている(図8参照)。なお、図9及び図10において、符号86は鞘部85内に形成される手掛り棒挿通空間を脚柱21寄りの位置で貫通するピン体を示している。したがって、脚柱21とピン体86との間には所定幅の間隙が形成される。そのため、ピン体86で仕切られた外側の空間内に挿通された手掛り棒41は、上下摺動したときに脚柱21と干渉することが防止される。
【0046】
一方、棒受金具83の広幅部83aには、その下端近傍に前述の弧状長孔からなる回動ガイド部92と、この回動ガイド部92よりも上側に所定間隔をあけて第1の位置決め孔91aと第2の位置決め孔91bとが形成されている。
【0047】
ところで、図7に示すように、左右の脚部2,2は、連結金具23,23を介して足場板1と開脚自在及び折畳自在に連結されている。なお、連結金具23,23は、足場板1の側面に取付けられた固定板23aと、脚柱21の上端部に固着されている可動板23bと、両者を回転自在に連結する枢軸23cと、固定板23a及び可動板23bに形成された連結孔23d,23dに挿通される連結ピン23eとから構成される周知構造のものを使用している。
【0048】
本実施形態に係る足場台は、上述してきた構成により、使用者(作業者)は、左右一対の手掛り棒41からなる手掛部4の姿勢を、図4に示す傾斜姿勢、若しくは図6に示す直立姿勢のいずれかを選択することができることになる。
【0049】
したがって、足場板1上の作業領域が狭くならないことを優先したり、足場板1からの踏み外しを可及的に防止することを優先したりすることができる。
【0050】
ところで、上述してきた例では、位置決め部91としては、手掛り棒41を傾斜姿勢に位置決めする(図4参照)第1の位置決め孔91aと、起立姿勢に位置決めする(図6参照)第2の位置決め孔91bとの二個所に限定したが、必ずしも二個所に限定されるものではない。
【0051】
例えば、図13に示すように、複数の位置決め孔91cを設けることにより、手掛部4の傾斜姿勢を3個所以上異ならせるようにすることもできる。
【0052】
また、例えば、回動ガイド部92のように位置決め孔を長孔状に形成して、手掛部4を起立姿勢から任意の傾斜姿勢まで無段階に姿勢調整可能とすることもできる。
【0053】
また、上述してきた実施形態では、取付姿勢を調整可能とした棒保持部8は、一方の脚部2にのみ取付け、他方の脚部2には手掛り棒41を脚柱21に沿ってのみ摺動自在とした固定式のガイド体9を設けた構造としたが、図14に示すように、両方の脚部2,2それぞれに棒保持部8を設けることもできる。
【0054】
このように、左右の脚部2,2に棒保持部8を設けた場合、図示するように、左右の手掛部4を直立させることができ、足場板1上の作業領域を最大限に広げることもできる。
【0055】
ところで、足場台用手掛り棒保持金具80は、足場台に予め組付けた状態ではなく、別体として流通させることもできる。すなわち、足場台用手掛り棒保持金具80のみを購入して既設の足場台に取付けることも可能である。
【0056】
上述してきた実施形態より、以下の作業用足場台及び棒保持金具が実現される。
【0057】
すなわち、矩形形状の足場板1と、この足場板1の対向する短辺側縁部10,10(短辺部)にそれぞれ取付けられて一対をなす脚部2と、少なくとも一方の脚部2の両側部に上下方向に引き出し自在に取付けられた左右一組の手掛り棒41,41からなる手掛部4と、少なくとも一方の脚部2の両側部にそれぞれ取付けられ、手掛り棒41,41を取付姿勢調整自在に保持可能とした棒保持部8とを具備する作業用足場台が実現される。
【0058】
かかる足場台によれば、これを利用するために脚部2を昇降する使用者(作業者)は、手掛り棒41を自分の昇降し易い好みに合った位置(姿勢)となるように調整することができ、足場台としての使い勝手が向上する。
【0059】
また、上記構成において、前記左右一組の手掛り棒41,41間に、踏み外し防止用の横架バー5を配設した作業用足場台が実現される。
【0060】
かかる足場台によれば、使用者(作業者)は、作業領域が狭くならないことを優先したり、あるいは足場台からの踏み外しを可及的に防止することを優先したりするなど、自らの意思で選択できるため使い勝手が向上する。また、作業領域が著しく狭くならず、かつ足場台からの踏み外しも防止可能な位置に踏み外し防止用の横架バー5を位置させることができる。
【0061】
また、上記構成において、前記棒保持部8は、前記脚部2の左右一対の脚柱21,21の外側面に固着されるベース金具81と、このベース金具81の表面上部に、枢軸82を中心に回動自在に取付けられた棒受金具83とを備え、棒受金具83は、手掛り棒41を摺動自在に保持可能であり、かつ所定位置(上方突出位置又は下方収納位置)で固定する固定具84を備えた鞘部85と、この鞘部85の下方に位置し、当該棒受金具83を所定回動位置で固定する位置決め部91と、当該棒受金具83の回動動作を案内する回動ガイド部92とを備える足場台が実現される。
【0062】
かかる足場台によれば、簡単な構造で手掛部4の姿勢変更を容易かつ確実に行うことができる。
【0063】
また、上記構成において、前記手掛部4を、前記一対の脚部2,2にそれぞれ取付け、前記足場板1の長辺側縁部11(長辺部)を挟んで対向する手掛り棒41,41間に手摺3を架設するとともに、前記手摺3を、スライド自在に嵌装される内装部材3aと外装部材3bとから構成し、前記手掛り棒41の引き出し動作に応じて伸縮可能に構成した足場台が実現される。
【0064】
かかる構成とすれば、手摺3の長さなどを気にすることなく、手掛部4の姿勢を自由に変更することができる。また、手掛部4の手掛り棒41,41を上方へスライドさせるだけで手摺3が簡便に組み上がることになり、手摺3の組立作業性が著しく向上する。
【0065】
また、上記構成において、前記一対の脚部2,2を、それぞれ折畳・開脚自在に構成するとともに、少なくとも前記手掛部4を配設した側の脚部2を、踏桟22を備える梯子状脚体とした足場台が実現される。
【0066】
かかる構成によれば、足場板1上への昇降が容易となり、使い勝手が向上する。
【0067】
また、かかる構成において、脚部2,2の開脚角度を、左右それぞれで異ならせた足場台とすることもできる。
【0068】
例えば、一方の脚部2の開脚角度を90度に近づけた場合、この90度に近づけた脚部2を例えば壁側一杯に寄せて足場台を使用するなど、用途の自由度を高めることができる。
【0069】
さらに、足場板1に取付けられた脚部2の両側の脚柱21,21に取付けられ、手掛り棒41を摺動自在に保持するとともに、所定位置(上方突出位置又は下方収納位置)で固定可能としており、前記脚柱21の外側面に固着されるベース金具81と、このベース金具81の表面上部に、枢軸82を中心に回動自在に取付けられた棒受金具83とを備え、前記棒受金具83は、前記手掛り棒41を摺動自在に保持可能であり、かつ所定位置(上方突出位置又は下方収納位置)で固定する固定具84を備えた鞘部85と、この鞘部85の下方に位置し、当該棒受金具83を所定回動位置で固定する位置決め部91と、当該棒受金具83の回動動作を案内する回動ガイド部92と、を備える足場台用手掛り棒保持金具80が実現される。
【0070】
かかる構成とすれば、既存の足場台などにも後付けすることができる。したがって、本保持金具80を既存の足場台に取り付けることによって、手掛部4や手摺3を備え、かつ手掛部4の姿勢変更を行うことのできる安全性及び利便性の高い足場台とすることができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。本実施形態では、主要材料をアルミニウムやアルミ合金としているが、適宜材料を変更しても構わない。
【符号の説明】
【0072】
1 足場板
2 脚部
3 手摺
3a 内装部材
3b 外装部材
4 手掛部
5 横架バー
8 棒保持部
21 脚柱
22 踏桟
41 手掛り棒
81 ベース金具
82 枢軸
83 棒受金具
84 固定具
85 鞘部
91 位置決め部
92 回動ガイド部
【技術分野】
【0001】
本発明は、手掛り棒付の作業用足場台及び足場台用手掛り棒保持金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、矩形形状の足場板の対向する左右の短辺部それぞれに、脚部を所定角度で開脚自在及び折り畳み自在に設けた作業用足場台があった。
【0003】
かかる作業用足場台として、前記脚部の両側部に、脚部の脚柱に沿って上下方向に引き出し自在に取付けられた左右一組の手掛り棒からなる手掛部と、前記手掛り棒を突出した状態で保持するロック手段と、前記脚柱の外側に設けられ、前記手掛り棒を摺動自在に保持するガイド金具と、を具備する作業用足場台が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
上記構成によれば、手掛り棒は脚柱に沿って上下するため、手掛り棒の一端に設けられた枢軸を中心に回動させるようなタイプに比べて、作業台の周りに広い空間が必要となることもなく、また、足場板に乗らなくとも手掛り棒のセットが容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−336987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した作業用足場台では、足場板の短辺部を挟んで対向する左右の手掛り棒間に、踏み外し防止用の横架バーを配設することができる。
【0007】
しかし、上述したように、手掛り棒が脚部の脚柱に沿って上方へ突出していく構成の場合、脚部は所定の開脚角度で正面視略ハ字状に開脚しているため、手掛り棒の上端は、足場板の短辺部の直上方位置よりも、長辺部の中心側へずれることになる。そのため、足場板の作業領域を狭めてしまうおそれがあった。
【0008】
他方、手掛り棒が足場板の四隅から略直上方に突出するような構成とすることも考えられるが、そのような構成とした場合、当然ながら横架バーの位置も足場板の短辺部の直上方位置となるため、作業中に横架バーに身体が接触したときには、すでに足を足場板から踏み外しているということも懸念される。
【0009】
本発明は上記問題を解決することのできる作業用足場台を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明では、矩形形状の足場板と、この足場板の対向する短辺部にそれぞれ取付けられて一対をなす脚部と、少なくとも一方の脚部の両側部に上下方向に引き出し自在に取付けられた左右一組の手掛り棒からなる手掛部と、前記少なくとも一方の脚部の両側部にそれぞれ取付けられ、前記手掛り棒を取付姿勢調整自在に保持可能とした棒保持部と、を具備する作業用足場台とした。
【0011】
(2)本発明は、上記(1)の作業用足場台において、前記左右一組の手掛り棒間に、踏み外し防止用の横架バーを配設したことを特徴とする。
【0012】
(3)本発明は、上記(1)又は(2)の作業用足場台において、前記棒保持部は、前記脚部の左右一対の脚柱の外側面に固着されるベース金具と、このベース金具の表面上部に、枢軸を中心に回動自在に取付けられた棒受金具と、を備え、前記棒受金具は、前記手掛り棒を、摺動自在に保持可能であり、かつ所定位置で固定する固定具を備えた鞘部と、この鞘部の下方に位置し、当該棒受金具を所定回動位置で固定する位置決め部と、当該棒受金具の回動動作を案内する回動ガイド部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
(4)本発明は、上記(1)〜(3)のいずれかの作業用足場台において、前記手掛部を、前記一対の脚部にそれぞれ取付け、前記足場板の長辺部を挟んで対向する手掛り棒間に手摺を架設するとともに、前記手摺を、スライド自在に嵌装される内装部材と外装部材とから構成し、前記手掛り棒の引き出し動作に応じて伸縮可能に構成したことを特徴とする。
【0014】
(5)本発明は、上記(1)〜(4)のいずれかの作業用足場台において、前記一対の脚部を、それぞれ折畳・開脚自在に構成するとともに、少なくとも前記手掛部を配設した側の脚部を、踏桟を備える梯子状脚体としたことを特徴とする。
【0015】
(6)本発明では、足場板に取付けられた脚部の両側脚柱に取付けられ、手掛り棒を摺動自在に保持するとともに、所定位置で固定可能とした足場台用手掛り棒保持金具であって、前記脚柱の外側面に固着されるベース金具と、このベース金具の表面上部に、枢軸を中心に回動自在に取付けられた棒受金具と、を備え、前記棒受金具は、前記手掛り棒を、摺動自在に保持可能であり、かつ所定位置で固定する固定具を備えた鞘部と、この鞘部の下方に位置し、当該棒受金具を所定回動位置で固定する位置決め部と、当該棒受金具の回動動作を案内する回動ガイド部と、を備えることとした。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、手掛り棒の取付姿勢が調整自在となるため、踏み外し防止用の横架バーを取付ける際に、作業領域が狭くならないことを優先したり、あるいは足場台からの踏み外しを可及的に防止することを優先したりするなど、使用者が選択できるため、使い勝手が向上する。また、作業領域が著しく狭くならず、かつ足場台からの踏み外しも防止可能な位置に踏み外し防止用の横架バーを位置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態に係る作業用足場台の基本構成を示す正面図である。
【図2】同作業用足場台の一側面図である。
【図3】同作業用足場台の他側面図である。
【図4】一実施形態に係る作業用足場台の使用状態の一例を示す正面図である。
【図5】同作業用足場台の一側面図である。
【図6】同作業用足場台の使用状態の他の例を示す正面図である。
【図7】棒保持部の正面視による説明図である。
【図8】棒保持部の側面視による説明図である。
【図9】棒保持部である足場台用手掛り棒保持金具の正面図である。
【図10】同棒保持部である足場台用手掛り棒保持金具の平面図である。
【図11】同棒保持部である足場台用手掛り棒保持金具の一側面図である。
【図12】同棒保持部である足場台用手掛り棒保持金具の他側面図である。
【図13】変形例に係る棒保持部の正面視による説明図である。
【図14】他の実施形態に係る作業用足場台の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る作業用足場台の一実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。先ず、図1〜図3を参照しながら、作業用足場台の基本構成について説明する。
【0019】
(足場台の基本構成)
本実施形態に係る作業用足場台(以下、単に「足場台」という場合がある)は、基本構成として、短辺側縁部10と長辺側縁部11とを有する矩形形状の足場板1と、この足場板1の対向する短辺部をなす短辺側縁部10,10に、それぞれ折畳・開脚自在に取付けられた脚部2,2と、これら脚部2,2の両側部に、上下方向に引き出し自在に取付けられた左右一組の手掛り棒41,41からなる手掛部4とを具備している。
【0020】
すなわち、本実施形態に係る作業用足場台は、足場板1の短辺側縁部10が昇降口となるもので、作業者(足場台の使用者)は、脚部2,2を開脚した状態で脚部2を上り、地上から足場板1に移動して所望する作業を行うことができる。脚部2を上る際や降りる際には、作業者はいずれか一方、あるいは両方の手掛り棒41を把持することによって、その昇降を容易に行うことができる。なお、手掛部4を、本実施形態では足場板1の短辺側縁部10,10の両方に設けているが、少なくともいずれか一方に設けられていればよい。
【0021】
本実施形態に係る足場板1は、短辺側縁部10と長辺側縁部11との長さの比を略1:3としている。また、足場板1の表面には、図示しないが多数の滑り止め孔がバーリング加工により形成されている。なお、当然ではあるが、複数の作業者が同時に乗っても耐えうる十分な強度を有するものである。
【0022】
左右の脚部2は、左右一対の脚柱21,21により略ハ字状となるように裾広がりの形状に形成されるとともに、それぞれ最大に開脚させたときに、足場板1から所定の角度で下り傾斜となって立脚するように構成されている。
【0023】
また、本実施形態では、脚部2,2の開脚角度を、左右それぞれで異ならせた足場台としている。すなわち、図1において右側の脚部2については、開脚角度を107.5度(床面からの角度は72.5度)に設定する一方、左側の脚部2の開脚角度は100度(床面からの角度は80度)に設定して、より起立した状態としている。なお、この開脚角度については適宜設定することができる。
【0024】
また、図2に示すように、右側の脚部2については、脚柱21,21間に複数の踏桟22を所定間隔をあけて取付けて梯子状に構成して昇降可能とする一方、図1において左側の脚部2については、ステップとして機能する踏桟22は設けずに、脚柱21,21間には交差状の補強桟24を取り付けている(図3参照)。
【0025】
例えば、壁塗り作業などを行う場合であって、壁と壁とで挟まれたコーナー近傍で作業する際には、より起立した状態の脚部(例えば左側の脚部2)を壁際に可及的に近接させれば、作業領域を壁の隅側にシフトさせることができ、作業効率を向上させることができる。
【0026】
また、脚柱21は、下端部分が入れ子構造となっており、図示するように、所定長さLだけ伸長自在に構成されている。図中、符号GLは接地面を示している。また、符号40で示したものは、足場板1の両端側と左右の各脚柱21の最上段の踏桟22との間に所定間隔をあけて配設した左右一組の開き止め金具であり、この開き止め金具40,40により、足場板1を安定した状態で保持することができる。
【0027】
上述した基本構造を有する足場台において、本実施形態の特徴をなす構成は、脚部2の両側部にそれぞれ取付けられて、手掛り棒41を取付姿勢調整自在に保持可能とした棒保持部8にある。
【0028】
すなわち、棒保持部8により保持された手掛り棒41の姿勢を、脚部2の脚柱21に沿って足場板1に対して斜め方向に突出する傾斜姿勢(図1における仮想線を参照)と、足場板1に対して略垂直方向に突出する直立姿勢(図1における実線を参照)とに選択的に切り替えることができるようにしている。なお、ここでは、取付姿勢を調整可能とした棒保持部8は一方の脚部2にのみ取付けており、他方の脚部2には、手掛り棒41を脚柱21に沿ってのみ摺動自在とした固定式のガイド体9を設けている。
【0029】
また、ここでは、傾斜姿勢と直立姿勢とのいずれかからの2者択一としているが、複数段の姿勢を選択可能とすることもできるし、起立姿勢から任意の傾斜姿勢まで無段階に姿勢調整することも可能である。
【0030】
このように、手掛り棒41の取付姿勢を、傾斜角度(ここでは、0度又は17.5度)を変えることで調整可能としたため、脚部2を昇降する使用者(作業者)は、手掛り棒41を、自分の昇降し易い好みに合った位置(姿勢)となるように調整することができる。
【0031】
特に、左右一組の手掛り棒41,41間に、足場板1の短辺側縁部10からの踏み外しを防止する横架バー5を配設することができ、かかる横架バー5を取付ける際に、作業領域が狭くならないことを優先したり、あるいは足場板1からの踏み外しを可及的に防止することを優先したりするなど、使用者が選択することができる。
【0032】
すなわち、手掛り棒41,41が傾斜姿勢にある場合は、横架バー5の位置が足場板1の長辺端部(短辺側縁部10)よりも長辺中心方向へシフトするため作業領域は狭くなるが、足場板1からの踏み外し防止機能としては高まる。他方、手掛り棒41,41が直立姿勢にある場合は、横架バー5の位置は足場板1の長辺端部(短辺側縁部10)の直上方位置にあるため、十分な作業領域を確保することができる。
【0033】
以下、図4〜図14を参照しながら、棒保持部8を備える足場台について、手掛部4を構成する一対の手掛り棒41,41間に横架バー5が設けられた足場台を例にして詳細に説明する。また、以下で説明する足場台は、図4及び図5に示すように、足場板1の長辺側縁部11を挟んで対向する手掛り棒41,41の各上端間には手摺3を配設している。
【0034】
(横架バーと手摺とを備えた足場台)
手摺3は、足場板1の対向する長辺側縁部11,11に沿って、互いに対向状態に2本1組で設けられるとともに、スライド自在に嵌装される内装部材3aと外装部材3bとからなる二重構造となっている。したがって、図4に示す手掛り棒41が傾斜姿勢をとる場合と、図6に示すように手掛り棒41が直立姿勢をとる場合とでは、手摺3を横架している手掛り棒4,4間の水平距離が変化するが、手摺3は手掛り棒41の上下スライド動作に追従して伸縮する。
【0035】
ここで、図6〜図13を参照して棒保持部8について説明する。足場台の棒保持部8としては、実質的には、足場板1に取付けられた脚部2の両側の脚柱21に取付けられ、手掛り棒41を摺動自在に保持するとともに、所定位置で固定可能とした足場台用手掛り棒保持金具(以下、「保持金具」ともいう)80からなる。
【0036】
図7〜図12に示すように、保持金具80は、脚部2の左右一対の脚柱21,21の外側面に固着されるベース金具81と、このベース金具81の表面上部に、枢軸82を中心に回動自在に取付けられた棒受金具83とを備えている。
【0037】
棒受金具83は、手掛り棒41を摺動自在に保持可能であり、かつ所定位置(少なくとも1個所の突出位置と収納位置)で固定可能とした固定具84を設けた鞘部85と、この鞘部85の下方に位置し、棒受金具83を所定回動位置で固定する位置決め部91と、当該棒受金具83の回動動作を案内する回動ガイド部92とを備えている。
【0038】
固定具84は、つまみ部84aに突設した係合ピン84bと、この係合ピン84bを手掛り棒41側に付勢するバネ84cとから構成されており、手掛り棒41の上端及び下端近傍に形成した係止孔(不図示)に係合ピン84bを係合することで手掛り棒41の位置を固定することができる。
【0039】
本実施形態における位置決め部91は、手掛り棒41を傾斜姿勢に位置決めする(図4参照)第1の位置決め孔91aと、起立姿勢に位置決めする(図6参照)第2の位置決め孔91bとからなる構成としている。また、第1の位置決め孔91aと第2の位置決め孔91bは枢軸82を中心とする仮想円弧上に配置されている。また、回動ガイド部92は弧状長孔により形成されており、これも実質的には枢軸82を中心とする仮想円弧上に形成されている。
【0040】
この回動ガイド部92内からボルト93を挿通してベース金具81に形成したボルト孔93aに挿通してナット94で螺合することにより、棒受金具83を枢軸82周りに回動させたときに、棒受金具83はベース金具81から浮くことなく円滑に回動する。
【0041】
ベース金具81は、脚柱21を抱持可能となるように、一側の上下と他側の略上半部に折曲部81a,81b,81cを形成するともに、折曲部81c一側下部に形成した折曲部81bと対向する他側の略下半部を外方に張り出してロック具取付部81dを形成している。
【0042】
ベース金具81の上端中央近傍には枢軸82となる軸体を挿入するベース側枢支孔82aが形成されており(図12参照)、この枢支孔82aと後述する受金具側枢支孔82bに枢軸82を挿通し、棒受金具83がこの枢軸82を中心として回動自在に連結されている。
【0043】
また、ベース金具81のロック具取付部81dには、位置決め部91の第1の位置決め孔91aと第2の位置決め孔91bとのいずれかに選択的に挿通されるロックピン87aを備えるロック具87が取付けられている。このロック具87は、ロックピン87aと、このロックピン87aを位置決め部91側に付勢するバネ87bとを収容するケース体87cとから構成されている。なお、符号87dは、ロックピン87aの基端に形成された摘みリングを示している。また、このロック具87の下方位置に前述のボルト93を挿通するボルト孔93aが形成されている。
【0044】
棒受金具83は、下部に形成された広幅部83aから上方へ細幅部83bを伸延形成するとともに、細幅部83bの上端に金具側枢支孔82bを形成している。また、細幅部83bには、下端側一部を広幅部83aと重なるように鞘部85を設けている。
【0045】
この鞘部85は矩形筒状に形成されており、手掛り棒41を摺動自在に挿通可能としている。また、図11及び図12に示すように、鞘部85の側面下端には湾状の切欠部85c,85cが形成され、手掛り棒41の下端部に突設した係合ピン44と係合可能としている(図8参照)。なお、図9及び図10において、符号86は鞘部85内に形成される手掛り棒挿通空間を脚柱21寄りの位置で貫通するピン体を示している。したがって、脚柱21とピン体86との間には所定幅の間隙が形成される。そのため、ピン体86で仕切られた外側の空間内に挿通された手掛り棒41は、上下摺動したときに脚柱21と干渉することが防止される。
【0046】
一方、棒受金具83の広幅部83aには、その下端近傍に前述の弧状長孔からなる回動ガイド部92と、この回動ガイド部92よりも上側に所定間隔をあけて第1の位置決め孔91aと第2の位置決め孔91bとが形成されている。
【0047】
ところで、図7に示すように、左右の脚部2,2は、連結金具23,23を介して足場板1と開脚自在及び折畳自在に連結されている。なお、連結金具23,23は、足場板1の側面に取付けられた固定板23aと、脚柱21の上端部に固着されている可動板23bと、両者を回転自在に連結する枢軸23cと、固定板23a及び可動板23bに形成された連結孔23d,23dに挿通される連結ピン23eとから構成される周知構造のものを使用している。
【0048】
本実施形態に係る足場台は、上述してきた構成により、使用者(作業者)は、左右一対の手掛り棒41からなる手掛部4の姿勢を、図4に示す傾斜姿勢、若しくは図6に示す直立姿勢のいずれかを選択することができることになる。
【0049】
したがって、足場板1上の作業領域が狭くならないことを優先したり、足場板1からの踏み外しを可及的に防止することを優先したりすることができる。
【0050】
ところで、上述してきた例では、位置決め部91としては、手掛り棒41を傾斜姿勢に位置決めする(図4参照)第1の位置決め孔91aと、起立姿勢に位置決めする(図6参照)第2の位置決め孔91bとの二個所に限定したが、必ずしも二個所に限定されるものではない。
【0051】
例えば、図13に示すように、複数の位置決め孔91cを設けることにより、手掛部4の傾斜姿勢を3個所以上異ならせるようにすることもできる。
【0052】
また、例えば、回動ガイド部92のように位置決め孔を長孔状に形成して、手掛部4を起立姿勢から任意の傾斜姿勢まで無段階に姿勢調整可能とすることもできる。
【0053】
また、上述してきた実施形態では、取付姿勢を調整可能とした棒保持部8は、一方の脚部2にのみ取付け、他方の脚部2には手掛り棒41を脚柱21に沿ってのみ摺動自在とした固定式のガイド体9を設けた構造としたが、図14に示すように、両方の脚部2,2それぞれに棒保持部8を設けることもできる。
【0054】
このように、左右の脚部2,2に棒保持部8を設けた場合、図示するように、左右の手掛部4を直立させることができ、足場板1上の作業領域を最大限に広げることもできる。
【0055】
ところで、足場台用手掛り棒保持金具80は、足場台に予め組付けた状態ではなく、別体として流通させることもできる。すなわち、足場台用手掛り棒保持金具80のみを購入して既設の足場台に取付けることも可能である。
【0056】
上述してきた実施形態より、以下の作業用足場台及び棒保持金具が実現される。
【0057】
すなわち、矩形形状の足場板1と、この足場板1の対向する短辺側縁部10,10(短辺部)にそれぞれ取付けられて一対をなす脚部2と、少なくとも一方の脚部2の両側部に上下方向に引き出し自在に取付けられた左右一組の手掛り棒41,41からなる手掛部4と、少なくとも一方の脚部2の両側部にそれぞれ取付けられ、手掛り棒41,41を取付姿勢調整自在に保持可能とした棒保持部8とを具備する作業用足場台が実現される。
【0058】
かかる足場台によれば、これを利用するために脚部2を昇降する使用者(作業者)は、手掛り棒41を自分の昇降し易い好みに合った位置(姿勢)となるように調整することができ、足場台としての使い勝手が向上する。
【0059】
また、上記構成において、前記左右一組の手掛り棒41,41間に、踏み外し防止用の横架バー5を配設した作業用足場台が実現される。
【0060】
かかる足場台によれば、使用者(作業者)は、作業領域が狭くならないことを優先したり、あるいは足場台からの踏み外しを可及的に防止することを優先したりするなど、自らの意思で選択できるため使い勝手が向上する。また、作業領域が著しく狭くならず、かつ足場台からの踏み外しも防止可能な位置に踏み外し防止用の横架バー5を位置させることができる。
【0061】
また、上記構成において、前記棒保持部8は、前記脚部2の左右一対の脚柱21,21の外側面に固着されるベース金具81と、このベース金具81の表面上部に、枢軸82を中心に回動自在に取付けられた棒受金具83とを備え、棒受金具83は、手掛り棒41を摺動自在に保持可能であり、かつ所定位置(上方突出位置又は下方収納位置)で固定する固定具84を備えた鞘部85と、この鞘部85の下方に位置し、当該棒受金具83を所定回動位置で固定する位置決め部91と、当該棒受金具83の回動動作を案内する回動ガイド部92とを備える足場台が実現される。
【0062】
かかる足場台によれば、簡単な構造で手掛部4の姿勢変更を容易かつ確実に行うことができる。
【0063】
また、上記構成において、前記手掛部4を、前記一対の脚部2,2にそれぞれ取付け、前記足場板1の長辺側縁部11(長辺部)を挟んで対向する手掛り棒41,41間に手摺3を架設するとともに、前記手摺3を、スライド自在に嵌装される内装部材3aと外装部材3bとから構成し、前記手掛り棒41の引き出し動作に応じて伸縮可能に構成した足場台が実現される。
【0064】
かかる構成とすれば、手摺3の長さなどを気にすることなく、手掛部4の姿勢を自由に変更することができる。また、手掛部4の手掛り棒41,41を上方へスライドさせるだけで手摺3が簡便に組み上がることになり、手摺3の組立作業性が著しく向上する。
【0065】
また、上記構成において、前記一対の脚部2,2を、それぞれ折畳・開脚自在に構成するとともに、少なくとも前記手掛部4を配設した側の脚部2を、踏桟22を備える梯子状脚体とした足場台が実現される。
【0066】
かかる構成によれば、足場板1上への昇降が容易となり、使い勝手が向上する。
【0067】
また、かかる構成において、脚部2,2の開脚角度を、左右それぞれで異ならせた足場台とすることもできる。
【0068】
例えば、一方の脚部2の開脚角度を90度に近づけた場合、この90度に近づけた脚部2を例えば壁側一杯に寄せて足場台を使用するなど、用途の自由度を高めることができる。
【0069】
さらに、足場板1に取付けられた脚部2の両側の脚柱21,21に取付けられ、手掛り棒41を摺動自在に保持するとともに、所定位置(上方突出位置又は下方収納位置)で固定可能としており、前記脚柱21の外側面に固着されるベース金具81と、このベース金具81の表面上部に、枢軸82を中心に回動自在に取付けられた棒受金具83とを備え、前記棒受金具83は、前記手掛り棒41を摺動自在に保持可能であり、かつ所定位置(上方突出位置又は下方収納位置)で固定する固定具84を備えた鞘部85と、この鞘部85の下方に位置し、当該棒受金具83を所定回動位置で固定する位置決め部91と、当該棒受金具83の回動動作を案内する回動ガイド部92と、を備える足場台用手掛り棒保持金具80が実現される。
【0070】
かかる構成とすれば、既存の足場台などにも後付けすることができる。したがって、本保持金具80を既存の足場台に取り付けることによって、手掛部4や手摺3を備え、かつ手掛部4の姿勢変更を行うことのできる安全性及び利便性の高い足場台とすることができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。本実施形態では、主要材料をアルミニウムやアルミ合金としているが、適宜材料を変更しても構わない。
【符号の説明】
【0072】
1 足場板
2 脚部
3 手摺
3a 内装部材
3b 外装部材
4 手掛部
5 横架バー
8 棒保持部
21 脚柱
22 踏桟
41 手掛り棒
81 ベース金具
82 枢軸
83 棒受金具
84 固定具
85 鞘部
91 位置決め部
92 回動ガイド部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形形状の足場板と、
この足場板の対向する短辺部にそれぞれ取付けられて一対をなす脚部と、
少なくとも一方の脚部の両側部に上下方向に引き出し自在に取付けられた左右一組の手掛り棒からなる手掛部と、
前記少なくとも一方の脚部の両側部にそれぞれ取付けられ、前記手掛り棒を取付姿勢調整自在に保持可能とした棒保持部と、
を具備することを特徴とする作業用足場台。
【請求項2】
前記左右一組の手掛り棒間に、踏み外し防止用の横架バーを配設したことを特徴とする請求項1記載の作業用足場台。
【請求項3】
前記棒保持部は、
前記脚部の左右一対の脚柱の外側面に固着されるベース金具と、
このベース金具の表面上部に、枢軸を中心に回動自在に取付けられた棒受金具と、
を備え、
前記棒受金具は、
前記手掛り棒を、摺動自在に保持可能であり、かつ所定位置で固定する固定具を備えた鞘部と、
この鞘部の下方に位置し、当該棒受金具を所定回動位置で固定する位置決め部と、
当該棒受金具の回動動作を案内する回動ガイド部と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業用足場台。
【請求項4】
前記手掛部を、前記一対の脚部にそれぞれ取付け、前記足場板の長辺部を挟んで対向する手掛り棒間に手摺を架設するとともに、前記手摺を、スライド自在に嵌装される内装部材と外装部材とから構成し、前記手掛り棒の引き出し動作に応じて伸縮可能に構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業用足場台。
【請求項5】
前記一対の脚部を、それぞれ折畳・開脚自在に構成するとともに、少なくとも前記手掛部を配設した側の脚部を、踏桟を備える梯子状脚体としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業用足場台。
【請求項6】
足場板に取付けられた脚部の両側脚柱に取付けられ、手掛り棒を摺動自在に保持するとともに、所定位置で固定可能とした足場台用手掛り棒保持金具であって、
前記脚柱の外側面に固着されるベース金具と、
このベース金具の表面上部に、枢軸を中心に回動自在に取付けられた棒受金具と、
を備え、
前記棒受金具は、
前記手掛り棒を、摺動自在に保持可能であり、かつ所定位置で固定する固定具を備えた鞘部と、
この鞘部の下方に位置し、当該棒受金具を所定回動位置で固定する位置決め部と、
当該棒受金具の回動動作を案内する回動ガイド部と、
を備える手掛り棒保持金具。
【請求項1】
矩形形状の足場板と、
この足場板の対向する短辺部にそれぞれ取付けられて一対をなす脚部と、
少なくとも一方の脚部の両側部に上下方向に引き出し自在に取付けられた左右一組の手掛り棒からなる手掛部と、
前記少なくとも一方の脚部の両側部にそれぞれ取付けられ、前記手掛り棒を取付姿勢調整自在に保持可能とした棒保持部と、
を具備することを特徴とする作業用足場台。
【請求項2】
前記左右一組の手掛り棒間に、踏み外し防止用の横架バーを配設したことを特徴とする請求項1記載の作業用足場台。
【請求項3】
前記棒保持部は、
前記脚部の左右一対の脚柱の外側面に固着されるベース金具と、
このベース金具の表面上部に、枢軸を中心に回動自在に取付けられた棒受金具と、
を備え、
前記棒受金具は、
前記手掛り棒を、摺動自在に保持可能であり、かつ所定位置で固定する固定具を備えた鞘部と、
この鞘部の下方に位置し、当該棒受金具を所定回動位置で固定する位置決め部と、
当該棒受金具の回動動作を案内する回動ガイド部と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業用足場台。
【請求項4】
前記手掛部を、前記一対の脚部にそれぞれ取付け、前記足場板の長辺部を挟んで対向する手掛り棒間に手摺を架設するとともに、前記手摺を、スライド自在に嵌装される内装部材と外装部材とから構成し、前記手掛り棒の引き出し動作に応じて伸縮可能に構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業用足場台。
【請求項5】
前記一対の脚部を、それぞれ折畳・開脚自在に構成するとともに、少なくとも前記手掛部を配設した側の脚部を、踏桟を備える梯子状脚体としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業用足場台。
【請求項6】
足場板に取付けられた脚部の両側脚柱に取付けられ、手掛り棒を摺動自在に保持するとともに、所定位置で固定可能とした足場台用手掛り棒保持金具であって、
前記脚柱の外側面に固着されるベース金具と、
このベース金具の表面上部に、枢軸を中心に回動自在に取付けられた棒受金具と、
を備え、
前記棒受金具は、
前記手掛り棒を、摺動自在に保持可能であり、かつ所定位置で固定する固定具を備えた鞘部と、
この鞘部の下方に位置し、当該棒受金具を所定回動位置で固定する位置決め部と、
当該棒受金具の回動動作を案内する回動ガイド部と、
を備える手掛り棒保持金具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−102461(P2012−102461A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249238(P2010−249238)
【出願日】平成22年11月6日(2010.11.6)
【出願人】(000134659)株式会社ナカオ (8)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月6日(2010.11.6)
【出願人】(000134659)株式会社ナカオ (8)
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