作業管理システムおよび作業管理方法
【課題】 サービスマンが機械修理等の作業を行った後、顧客に対し確実かつ迅速に作業報告をするためのシステムを提供する。
【解決手段】 作業管理サーバ1が設けられる。このサーバ1は、オペレータからの入力に応答して作業指示書を作成し、これを即座かつ自動的に担当サービスマンの携帯電話機2へ電子メールで送信する。この電子メールには、作業指示の他、作業報告を簡単に作成するためのメニューが含まれている。サービスマンは作業を実施した後、その電子メールのメニューを用いて簡単に作業報告を作成し、それを電子メール返信機能を用いて作業管理サーバ1に返信する。作業管理サーバ1は、電子メールの作業報告を受信すると、即座かつ自動的に、顧客向けの作業報告書を作成し、これをファクシミリ又は電子メールで顧客に送信する。
【解決手段】 作業管理サーバ1が設けられる。このサーバ1は、オペレータからの入力に応答して作業指示書を作成し、これを即座かつ自動的に担当サービスマンの携帯電話機2へ電子メールで送信する。この電子メールには、作業指示の他、作業報告を簡単に作成するためのメニューが含まれている。サービスマンは作業を実施した後、その電子メールのメニューを用いて簡単に作業報告を作成し、それを電子メール返信機能を用いて作業管理サーバ1に返信する。作業管理サーバ1は、電子メールの作業報告を受信すると、即座かつ自動的に、顧客向けの作業報告書を作成し、これをファクシミリ又は電子メールで顧客に送信する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば機械の保守点検などの作業を管理をするシステムにかかり、特にユーザに対して、作業報告を自動的に行うシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】保守業者のサービスマンが機器の保守、点検を行う保守サービスがある。保守サービスは、企業ユーザが使用している機器で広く普及している。この保守サービスでは、サービスマンがユーザのオフィス等を訪れて定期的に点検を行ったり、ユーザから依頼を受けて修理や検査等を行う。
【0003】保守対象の機器が、その機器を管理するユーザのオフィスから離れた場所にある場合がある。たとえば、建設機械の保守では、保守対象の建設機械は工事現場にあり、それを管理する建設会社のオフィスは工事現場からと遠く離れた場所にあることが多い。また、リースでは、リース会社のオフィスと、そのリース会社が所有、管理するリース物件を借り受けて使用するユーザのオフィスとは、通常離れている。
【0004】このような場合、ユーザは保守作業を行う業者から報告を受けないと、自ら業者に問い合わせでもしない限り、作業が行われたかどうか、及びその作業結果がどうなっているのかについて、知ることができない。従って、作業完了後、遅滞無く、保守業者が作業結果をファクシミリや電話などを通じてユーザに報告することが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、業者側では、ユーザへの作業報告が忘れられてしまったり、大幅に遅れてしまったりすることがある。また、作業報告をファクシミリや電話で必ずユーザにするのも、業者にとって手間である。
【0006】また、作業中に部品交換が必要になったとき、サービスマンは電話などで自分のオフィスに連絡して新しい部品の供給を要求することがある。その場合、オフィス側では、電話を通じての口頭説明だけから、要求された部品の品番を正しく割り出すのに苦労する。
【0007】そこで、本発明は、ユーザに対して確実に作業報告をするためのシステムを提供することを目的とする。
【0008】本発明の別の目的は、作業後速やかにユーザに作業報告をするためのシステムを提供することにある。
【0009】本発明のまた別の目的は、作業に関わる業者側の手間を軽減することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの態様に従う作業管理システムは、作業指示の電子情報を作成する作業指示作成手段と、前記作業指示の電子情報を、作業者の利用する携帯通信装置へ送信する作業指示送信手段と、前記作業指示に対応する作業結果の電子情報を、前記携帯通信装置から受信する作業結果受信手段と、前記受信した作業結果の電子情報に基づいて、前記顧客に対する作業報告の電子情報を生成し、前記作業報告の電子情報を前記顧客が利用する通信装置に送信する作業報告手段とを備える。
【0011】好適な実施形態では、作業管理システムから作業者の携帯通信装置に送信される作業指示の電子情報には、前記作業結果の電子情報を作るための諸事項の電子情報が関連付けられている。それにより、作業者が、携帯通信装置上で、前記作業指示の電子情報に関連付けられた諸事項の電子情報を用いて、少ない手間で、前記作業結果の電子情報を作成することができる。
【0012】好適な実施形態では、作業者の識別情報と、その作業者の利用する携帯通信装置の通信アドレスとを関連付けて記憶する記憶部がさらに設けられ、かつ、前記作業指示の電子情報には、その作業者の識別情報が関係付けられている。そして、前記作業指示手段は、前記作業者の識別情報に関連付けられて記憶されている通信アドレスを用いて、その作業者の利用する携帯通信装置に対して、作業指示の電子情報を自動送信するようになっている。
【0013】好適な実施形態では、顧客の識別情報と、その顧客の利用する通信装置の通信アドレスとを関連付けて記憶する記憶部がさらに設けられ、かつ、前記作業指示の電子情報には、前記顧客の識別情報が関係付けられている。そして、前記作業報告手段は、前記顧客の識別情報に関連付けられて記憶されている通信アドレスを用いて、その顧客の利用する前記通信装置に対して、作業報告の電子情報を自動送信するようになっている。
【0014】好適な実施形態では、作業者の携帯通信装置からアクセス可能な品物サーバがさら設けられている。この品物サーバは、作業で入用となる可能性のある様々な品物のカタログの電子情報を備え、前記携帯通信装置から電子的な要求に応答して、所望の品物のカタログの電子情報を検索してその携帯通信装置に送信することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0016】図1は、本発明を適用した第1の実施形態に係る作業管理システムの構成を示す。本システムは、機器の保守サービスでの作業工程管理に用いることができる。たとえば、建設会社等が使用する建設機械の保守サービス、あるいはリース物件の保守サービスのように、保守対象の機器の所在地と、その機器を管理するユーザまたはリース会社のオフィスの所在地とが一致しないような場合に適用すると好適である。
【0017】図1に示された作業管理システムは、機器の保守サービスを行う会社によって運用される作業管理サーバ1を有する。作業管理サーバ1は、その会社のオペレータからの作業指示を受け付けてから、その会社の顧客(以下、ユーザという)へ作業報告をするまでの一連の工程を管理する作業管理サーバ1を有する。作業管理サーバ1は、遠隔の現場に行って作業を行うサービスマンが所持している携帯電話機2と、インターネット及び携帯電話用無線通信網を介して、電子メールで通信することができ、電子メールを用いてサービスマンに対して作業指示を出したり、サービスマンから作業結果の報告を受けたりする。作業管理サーバ1は、公衆電話回線網を介してファクシミリ通信により、ユーザのオフィス等に設置されているファクシミリ装置3へ、サービスマンから受けた作業報告の内容を送信する。
【0018】また、部品サーバ4がインターネット上に存在する。部品サーバ4は、インターネットを通じてWWW(ワールドワイドウェブ)の方法で、作業対象となる各種機器のあらゆる部品のイメージ、品番、詳細仕様及び価格などを示した電子的な部品カタログを提供したり、部品の購入の注文を受けたりすることができる。サービスマンの携帯電話機2は、携帯電話用無線電話網及びインターネットを通じて、部品サーバ4にアクセスして、部品カタログを参照したり、部品の購入注文を発したりすることができる。
【0019】作業管理サーバ1および部品サーバ4は、いずれも例えば汎用的なコンピュータシステムにより構成され、以下に説明するサーバ1、4内の個々の構成要素または機能は、例えば、コンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、作業管理サーバ1及び部品サーバ4は、それぞれが1つのコンピュータマシンである必要は必ずしも無く、例えば、それら2つを纏めて一つのコンピュータマシンで集中的に実現することもできるし、或るいは、それぞれが複数のコンピュータマシンで分散的に実現することもできる。
【0020】また、携帯電話機2は、必ずしも現在実用されているタイプの携帯電話機でなければならないわけではなく、例えば電子メールやWWWによるインターネット通信機能を有する携帯型パーソナルコンピュータやPDA(パーソナルデータアシスタント)や現在のものから将来的に進化した携帯電話機等の他のタイプの携帯通信機器で置き換えられてもよい。ファクシミリ装置3は、例えばファクシミリ受信機能又は電子メール受信機能などを有するパーソナルコンピュータや複写機等の他のタイプの電子機器で置き換えられてもよい。ユーザへの作業報告は、ファクシミリ通信に代えて電子メール等の他のタイプの通信方法で通知してもよい。
【0021】図1に示すように、作業管理サーバ1は、作業指示書作成処理部11と、電子メーラ12と、ファクシミリ転送処理部13と、記憶部10とを有する。
【0022】記憶部10には、サービスマン(通常、複数人いる)の個人情報を記録したサービスマンテーブル16と、ユーザ(通常、多数いる)の属性情報を記録したユーザテーブル19とが予め記憶されている。サービスマンテーブル16には、各サービスマンの個人情報として、たとえば、各サービスマンの携帯電話機2と電子メール通信をするために必要となるその携帯電話機2の識別情報である携帯電話番号または電子メールアドレス等が、各サービスマンの識別情報であるサービスマンIDや氏名と対応づけて記憶されている。ユーザテーブル19には、各ユーザの属性情報として、たとえば、ユーザの識別情報であるユーザIDやユーザ名、および各ユーザのオフィスの作業報告を受けるためのファクシミリ装置のファクシミリ番号(又は、作業報告を電子メールで受けるユーザについては、その電子メールアドレス)が、それぞれ対応づけて記憶されている。
【0023】次に、作業管理サーバ1の各部の機能とそれが行うサービスマンの作業工程管理の手順および処理内容について、図1に加えて図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0024】図2に示すように、まず、保守サービス会社のフロントオペレータが電話等でユーザから或る機械に対する修理、保守又は点検等の作業依頼を受け付ける(S11)。
【0025】そのオペレ―タは、ユーザから受けた作業依頼の内容に基づいて、作業管理サーバ1に対して情報入力を行うことで、サービスマンへの作業指示書の作成処理を行う。この処理では、作業管理サーバ1の作業指示書作成処理部11が、オペレータが入力した情報を受け付けて、作業指示書15を作成する(S12)。オペレータから入力される情報は、たとえば、ユーザID、保守対象の機械を識別する機械ID、保守対象の機械で生じている不具合の内容、保守対象の機械の存在場所(つまり、作業現場)を特定する情報(地名地番又はその場所を示す地図画像が見れるURLなど)、および保守作業を行うサービスマンのIDなどである。作業指示書作成処理部11は、これらの入力情報を作業指示書に記述する。作業指示書作成処理部11は、作業指示書を作成する際に、ユニークなシリアルナンバーを作業番号として自動採番する。作成された作業指示書15は、記憶部10へ記憶される。そして、作業指示書作成処理部11は、電子メーラ12へ、今作成し終わった作業指示書の作業番号を自動通知する。
【0026】上記作業番号の通知に応答して、電子メーラ12は、担当のサービスマンへの作業内容を指示するための電子メールメッセージを自動生成し、その作業指示用電子メールメッセージをそのサービスマンの所持する携帯電話機2へ宛てて自動発信する(S13)。具体的にその手順を説明すると、まず、電子メーラ12は、作業指示書作成処理部11から通知された作業番号に対応する作業指示書15を記憶部10から取得し、取得した作業指示書15の内容を用いて、作業指示用電子メールメッセージを作成する。続いて、電子メーラ12は、取得した作業指示書15に記載されている担当サービスマンのIDをキーにしてサービスマンテーブルから、担当サービスマンの携帯電話機2の電子メールアドレス(又は、その電子メールアドレスが携帯電話番号にドメイン名を付けて作られている場合には、その携帯電話番号)を取得する(又は、その電子メールアドレスが携帯電話番号にドメイン名を付けて作られている場合には、その携帯電話番号をサービスマンテーブルから取得して、それを用いて携帯電話電子メールアドレスを作成する)。そして、電子メーラ12は、その取得又は作成した携帯電話電子メールアドレスへ、今作成した作業指示用電子メールメッセージ20を発信する。
【0027】図3は、作業指示用電子メールメッセージ20の例を示す。
【0028】作業指示用電子メールメッセージ20は、異なる事項がそれぞれ記述された複数の行(例えば、図3R>3の例では16行)から構成されており、各行には、後述するファクシミリ転送処理部13が解析を行うときに使用する行番号が付されている。
【0029】作業指示用電子メールメッセージ20は、サービスマンへの複数の指示事項が記述された指示事項領域21と、サービスマンが報告するべき作業結果に関する複数の事項のメニューが予め記載された報告事項領域22とを有する。指示事項領域21には、作業報告書に記載された諸事項のうちサービスマンへ通知すべきもの、例えば、「作業番号」と、「受付日時」と、「ユーザID」および「ユーザ名」と、保守対象の機械の「機械ID」と、「作業現場」の特定情報と、「不具合の内容」とが表示される。ここで、作業現場の特定情報は、地名地番でもよいし、あるいは図3の例のように、作業現場を示した地図画像を提供するインターネット上のURL(Uniform Resource Locator)でもよい。電子メールを受信したサービスマンはこのURLにアクセスして、地図画像を参照することができる。
【0030】報告事項領域22には、「作業結果」、「作業内容」、および「その他」等の各種報告項目の各々について、複数の選択肢からなるメニュー(12、14、16行目)が示されており、また、「作業日時」を入力する行(10行目)も用意されている。作業完了後のサービスマンからの作業報告は、この報告事項領域22内のメニューにて、不要な選択肢を消去して所望の選択肢のみを残す、或いは所望の選択肢に所定のマーク付けるなどの方法で、所望の選択肢を選択した上で、この作業指示用電子メールメッセージ20を、携帯電話機2の電子メール返信機能を用いて、その発信元(つまり、作業管理サーバ1が使っている電子メールアドレス)に返信することで、簡単に行うことができる。さらに、この報告事項領域22には、メニューの選択肢を消して、代わりに任意のメッセージをタイプ入力することもできる。
【0031】再び図2を参照して、作業管理サーバ1から自動発信された上記のような作業指示用電子メールメッセージ20は、(通常、携帯電話機は自動受信モードになっているから)担当のサービスマンが所持する携帯電話機2に遅滞無く受け取られる(S21)。このサービスマンは、現在どの場所に居たとしても、自分の携帯電話機2が受信した作業指示用電子メールメッセージ20を見て、作業指示内容を知り、指示された現場へ行くことができる。なお、緊急の場合、図2のステップS12でオペレータが作業指示書を作成するより前に、サービスマンが現場急行することが多々あるが、その場合でも、サービスマンは現場へ向かっている途中などに、作業指示用電子メールメッセージ20を受信することになるであろう。
【0032】サービスマンは、作業指示用電子メールメッセージ20の指示に基づいて作業を実施する(S22)。作業終了後、サービスマンは、携帯電話機2内に保存されている作業指示用電子メールメッセージ20を開き、その中の報告事項領域22のメニューから所望の選択肢を選ぶという簡単な方法で、作業報告用電子メールメッセージ23を作成する。そして、サービスマンは、その作業報告用電子メールメッセージ23を、携帯電話機2の電子メール返信機能を利用して、作業管理サーバ1へ返信する(S23)。
【0033】図4は、作業報告用電子メールメッセージ23の例を示す。
【0034】図4に示すように、作業報告用電子メールメッセージ23は、図3に示した作業指示用電子メールメッセージ20の報告事項領域22に、作業日時を入力したり、メニューから所望の選択肢を選択したりしたものである。なお、作業日時の入力方法としては、サービスマンによるタイプ入力でも、或いは、携帯電話機2が返信時の日時を自動入力するという方法でもよい。
【0035】再び図2を参照して、作業管理サーバ1の電子メーラ12は、自己が使う電子メールサーバ(図示せず)に頻繁にアクセスする(又は、電子メールサーバに電子メールメッセージが到着すると直ちにそれを受け取る)ことで、サービスマンの携帯電話機2から返信された上記のような作業報告用電子メールメッセージ23を速やかに受信する(S14)。そして、電子メーラ12は、受信した作業報告用電子メールメッセージ23の内容を、作業内容報告書18というテキストファイルにして記憶部10へ記憶する。そして、電子メーラ12は、その作業内容報告書18のファイル名をファクシミリ転送処理部13へ通知する。
【0036】ファクシミリ転送処理部13は、電子メーラ12から通知を受けたファイル名の作業内容報告書18を記憶部10から読み出し、そこからユーザに報告すべき事項を抽出して作業報告書を作成する(S15)。たとえば、図4に例示した作業報告用電子メールメッセージ23の内容の作業内容報告書18では、どの行番号の行にどのような項目が記載されているかは予め定められている。この行番号と記載項目との対応関係に基づいて、ファクシミリ転送処理部13は、作業内容報告書18(つまり、作業報告用電子メールメッセージ23の内容)から、例えば、作業番号(1行目)、受付日時(2行目)、担当サービスマン(5行目)、機械ID(6行目)、作業現場(7行目)、不具合の内容(8行目)、作業日時(10行目)、作業結果(12行目)は、作業内容(14行目)、その他の報告事項(16行目)を抽出して、抽出した情報を、予め保持している作業報告書フォームの対応欄に記入することで、図5に例示するような作業報告書50を作成する。
【0037】また、ファクシミリ転送処理部13は、作業内容報告書18(つまり、図4に例示した作業報告用電子メールメッセージ23の内容)の3行目から、ユーザIDを抽出し、このユーザIDをキーにしてユーザテーブル19からユーザの作業報告受信用のファクシミリ装置3のファクシミリ番号を取得し、そして、作業報告書50のイメージをユーザのファクシミリ装置3へ自動送信する(S16)。なお、このファクシミリでの作業報告と共に又はそれに代えて、電子メーラ12から、作業報告書50を記載した電子メールメッセージを、ユーザの電子メールアドレスへ自動送信するようにしてもよい。
【0038】これにより、サービスマンに対する作業指示及びユーザへの作業結果の報告を、従来よりも少ない手間で、確実かつ迅速に行うことができる。
【0039】さて、作業現場において部品交換が必要になった場合、サービスマンは、自分の携帯電話機2から部品サーバ4にアクセスすることによって、自ら部品の品番を割り出したり、さらには、その部品の注文を発することが可能である。この点について、以下に説明する。
【0040】部品サーバ4は、部品等のカタログ情報を記憶した商品データベース41を備えている。携帯電話機2から部品サーバ4にアクセスしたサービスマンは、部品サーバ4が提供するWebページ42を介して、商品データベース41から所望の部品のカタログ情報(例えば、品名、部品ID(品番)、イメージ、詳細仕様、価格、在庫状況など)を検索して参照することができる。これにより、サービスマンは、わざわざ自分の会社のオフィスに電話連絡して部品カタログを調べてもらわなくても、現場で自ら、所望部品の部品ID(品番)を割り出すことができる。サービスマンは、その部品ID(品番)を電話などで自分の会社のオフィスに伝えることで、所望部品の手配を自分の会社に要求することができる。もし、その保守サービス会社にその部品の在庫が無ければ、サービスマンは自分の携帯電話機2から部品サーバ4にアクセスして、部品サーバ4にオンラインで所望部品を注文することもできる。部品注文を行う場合には、サービスマンは、携帯電話機2から部品サーバ4のWebページ上に発注フォーム43を呼び出して(又は、その発注フォーム43を携帯電話機2にダウンロードして)、その発注フォーム43を用いて部品注文書を作成する。作成された部品注文書は、携帯電話機2から作業管理サーバ1へ返信される作業報告用電子メールメッセージなどに添付して作業管理サーバ1へ送ることができる。
【0041】作業管理サーバ1の電子メーラ12は、サービスマンの携帯電話機2から受信した部品注文書を記憶部10に格納する。記憶部10に格納された注文書17は、オペレータが図示しない表示装置に表示させて参照したり、図示しない印刷装置から出力して、そのプリトアウトを用いて部品メーカへ注文を発したりする。
【0042】なお、部品サーバ4の発注フォーム43を用いて、携帯電話機2から部品サーバ4にオンラインで部品の発注を行うこともできる。
【0043】次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態に係るシステム構成図を図6に示す。本実施形態では、作業管理サーバ1は、作業管理補助用のWebサーバ5を備えている。携帯電話機2での作業指示書の閲覧、および作業内容報告書の作成は、Webサーバ5が提供するWebページを用いて行われる。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0044】作業管理補助用のWebサーバ5は、作業管理サーバ1及びインターネットと接続されており、作業管理サーバ1によって作成された作業指示書の閲覧および作業内容報告書の作成を行うためのWebページ51を備える。
【0045】一方、作業管理サーバ1では、作業指示書作成処理部11が、第1の実施形態と同様の手順で、作業指示書15を作成し記憶装置10保存する。そして、作業管理サーバ1の電子メーラ12は、今保存された作業指示書15の内容に基づいて、作業通知用電子メールメッセージを作成して、それを担当サービスマンの携帯電話機2へ自動発信する。その作業通知メールには、作業指示書15を閲覧するためのWebサーバ5内のWebページのURLが記載されている。その作業通知メールを受けたサービスマンは、携帯電話機2から、その作業通知メールに記載されているURLへアクセスし、Webページ51に表示された作業指示書15の内容を閲覧する。
【0046】なお、作業管理サーバ1、補助用Webサーバ5及び部品サーバ4は、それぞれが1つのコンピュータマシンである必要は必ずしも無く、例えば、それら3つを纏めて一つのコンピュータマシンで集中的に実現することもできるし、或るいは、それぞれが複数のコンピュータマシンで分散的に実現することもできる。
【0047】図7は、Webページ51に表示される作業指示書画面60の例を示す。この閲覧画面60には、作業指示事項を表示した領域61と、作業内容報告書作成ボタン62とがある。
【0048】作業内容報告書作成ボタン62が押されると、携帯電話機2に表示されているWebページ51が、図7に例示した作業指示書画面60から、図8に例示するような作業内容報告書画面70に切り替わる。この作業内容報告書作成画面70には、報告すべき項目である「機械ID」、「作業現場」、「作業日時」、「作業結果」、「作業内容」、および「その他」などの入力ボックスが表示されている。このうち、「機械ID」と「作業現場」の入力ボックスには、作業指示書に記載されていた内容が予め自動的にセットされているが、サービスマンがこれを修正することもできる。「作業結果」および「作業内容」の入力ボックスは、コンボボックスとなっていて、右の三角マークを操作すると現れる複数選択肢のプルダウンメニューの中から、所望の選択肢を選択して入力することができる。作業報告書作成画面70の送信ボタン72が押されると、作業報告書作成画面70に入力された機械ID」、「作業現場」、「作業日時」、「作業結果」、「作業内容」、および「その他」などの諸項目の入力事項のセットが携帯電話機2からWebサーバ5へ送信される。これを受け付けたWebサーバは、作業管理サーバ1の記憶部10に、それら諸項目の入力事項のセットを作業内容報告書18として格納する。ここで、作業内容報告書18では、各項目の入力事項は、たとえば、データベースを用いるか、またはカンマ区切り(CSV)形式のファイルを用いて、各項目ごとに個別にハンドリングできるような態様で記憶される。
【0049】一方、作業管理サーバ1では、作業内容報告書18が記憶部10へ格納されると、ファクシミリ転送処理部13が、その作業内容報告書18に対応する作業番号の通知を受け、その作業番号をキーにして該当の作業内容報告書18から、ユーザに報告すべき項目の事項を取り出して、ユーザへの作業報告書を作成する。ここで、本実施形態では、記憶部10に記憶されている作業内容報告書18は、前述のように各項目ごとに個別にハンドリングできように区別されているので、第1の実施形態の場合ように必要な項目を作業内容報告書18のテキスト列の中切り出す必要はない。ファクシミリ転送処理部52は、こうしてユーザに対する作業報告書50を作成し、その作業報告書50のイメージを、第1の実施形態と同様に、ユーザのファクシミリ装置3へ送信する。なお、ファクシミリでの作業報告と共に又はそれに代えて、電子メールで作業報告書50の内容をユーザに送るようにしてもよい。
【0050】本実施形態により、サービスマンに対する作業指示、及びユーザに対する作業報告を、少ない手間で、確実かつ迅速に行うことができる。
【0051】本発明に従う作業管理システムは、フィールド作業だけでなくフロント業務やその他の様々な業務を統括してサポートするよりグローバルな業務システムの中に組み入れられることもできる。
【0052】図9〜図11は、例えば建設機械の保守サービス会社等において、フロント業務の集中化やフィールド作業の効率化などを図るために、本発明に従う作業管理システムを組み入れたグローバルな業務システムの一実施形態の構成と機能と業務流れを示す。なお、図9〜図11は、それらを繋ぎ合わせることで、このグローバルなシステムの全体像を示す。
【0053】図9〜図11に示すように、このグローバルシステムは、顧客からの問合せや修理依頼の受付、作業案件の抽出、作業案件の登録、サービスマンへの作業指示及び実施作業結果報告などの当該保守サービス会社での一連の作業をサポートするものである。このグローバルシステムは、顧客に関連する情報を集中管理するための顧客関連情報管理システム(図中、「CRMS」で示す)、その会社の基幹業務を担う基幹業務システム(図中、「基幹業務S」で示す)、遠隔にいる建設機械の状態を実質的に実時間で自動監視する遠隔機械監視システム(図中、「機械監視S」で示す)、サービスマンや営業マンの現状を把握してフィールド派遣のスケジューリングを自動的に行う人員配備システム(図中、「人員配備S」で示す)、建設機械の品質に関する情報(不具合や苦情の履歴など)を集中管理する機械品質情報システム(図中、「品質情報S」で示す)、建設機械の部品に関する情報を集中管理する部品検索システム(図中、「部品検索S」で示す)、及び、サービスマンや営業マンが携帯するPDAや携帯型パーソナルコンピュータなどの携帯端末などから構成され、これらはコンピュータ間通信ネットワークを介して相互間で通信可能である。
【0054】以下、業務の流れに沿って、各部の機能や動作を説明する。
【0055】まず、図9を参照して、その上段及び中段に示すように、当該会社のサポート部門等で行われる顧客からの問合せ・修理依頼等を受付ける仕事や、作業案件を管理する仕事などを援助するために、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、顧客から問合せや修理依頼などの電話等による着信があると、電話自動応答システム(CTI)を用いて自動応答してその発信電話番号などからその顧客が誰であるかを特定し、そして、その顧客から問合せや修理依頼などを受付け、また、対象の建設機械はどれであるかを特定し、特定した顧客や建設機械の情報と共に問合せ内容や修理依頼内容を問合せ案件や修理依頼案件として登録することができる。その際、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、必要に応じて、遠隔機械監視システムと通信することにより、その建設機械の現在位置や現在状態を把握して表示したり、人員配備システムと通信することにより、サービス員や営業員の負荷を把握して表示したりすることができる。また、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、営業マンやサービスマンからの電話着信にも、同様に自動応答することができる。
【0056】図9の下段に示すように、当該会社のフロントマンやマネージャなどが行う受注等の案件を抽出する仕事を援助するために、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、基幹業務システムと通信することで、既に登録されている様々な種類の受注等の案件の中から所望のもの、(例えば、契約更新案件、巡回作業案件、受注案件、修理依頼案件など)を検索し、検索された作業案件のリストを表示することができる。また、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、行うべき作業のリストを作成したり、点検や見積やメンテナンスや修理などの作業の電子的依頼を発したりすることができる。また、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、作業実施日の折衝や、ダイレクトメール案件の受注折衝や、契約更新折衝や、問合せ・修理依頼内容などのサポート端末への転送なども行うことができる。
【0057】次に、図10を参照して、その上段に示すように、フロントマンなどが行う問合せ・修理依頼等の内容を確認する仕事を援助するために、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、問合せ案件や修理依頼案件の内容を表示したり、各顧客や機械に対する過去のサービス履歴を表示したり、顧客のコールバック履歴を表示したり、登録案件のリストを表示したりすることができる。また、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、必要に応じて、遠隔機械監視システムと通信することにより、その建設機械の現在位置やサービスメータ値やエラー有無などを把握して表示したり、機械品質情報システムと通信することにより、その建設機械について類似不具合の発生履歴を検索して表示したり、修理方法を検索して表示したりすることができる。
【0058】図10の下段に示すように、フロントマンなどが行う作業内容を登録する仕事を援助するために、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、基幹業務システムと通信して、作業番号を取得したり、作業内容を登録したり、作業の開始予定を登録したりする。また、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、必要に応じて、部品検索システムと通信して、作業に必要な部品を手配したり、基幹業務システムと通信して、作業対象の建設機械の整備履歴を検索して取得したりする。さらに、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、登録された作業について、作業指示書を作成して、これをプリトアウトしたり、その電子データを人員配備システムへ送信したりすることができる。
【0059】次に、図11を参照して、その下段左側に示すように、フロントでの作業指示の仕事を援助するために、人員配備システムは、サービスマン・営業マンの現在位置を調べて表示したり、サービスマン・営業マンの現在のスケジュールを調べて表示したり、サービスマン・営業マンの資格やスキルを調べて表示したりすることができる。また、人員配備システムは、遠隔機械監視システムと通信して、作業対象の機械の現在位置や現在状態を把握し表示することができる。そして、人員配備システムは、上述のサービスマン・営業マンや機械の情報に基づいて、顧客関連情報管理システム(CRMS)から受け取った作業指示に従ってフィールドへ赴き作業を行うべきサービスマン・営業マンを自動的に選任し、その選任されたサービスマン・営業マンが持つ携帯端末へ作業指示の電子データを送信することができる。
【0060】図11の上段に示すように、サービスマン・営業マンによる作業指示受信、作業実施、作業結果報告などの仕事を援助するため、サービスマン・営業マンが持つ携帯端末は、人員配備システムから受信した作業指示を表示したり、作業リストを表示したり、作業対象機械のステータスや作業の進捗状況や追加作業項目や作業完了報告などの入力をサービスマン・営業マンから受けて顧客関連情報管理システム(CRMS)や人員配備システムに送信したりすることができる。また、その携帯端末は、部品検索システムと通信して、作業に必要な部品を検索して注文を発したり、また、品質情報システムと通信して、対象機械の品質情報を検索して表示したりすることができる。更に、その携帯端末は、作業対象の建設機械に搭載された制御コンピュータと通信して、制御定数の設定を変更したり、テストモードを設定したり、制御プログラムを書き換えたり、負荷データを読み出して記憶したりすることができる。
【0061】図11の下段右側に示すように、フロントでの作業進捗を管理する仕事を援助するために、人員配備システムは、サービスマン・営業マンの携帯端末から受信した追加作業項目を表示し、作業項目修正を基幹業務システムに登録することができる。また、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、サービスマン・営業マンの携帯端末から受信した作業の情報に基づいて、その作業案件の進捗情報を更新したり、作業項目を更新したり、顧客に対して追加作業項目を電子的に報告して必要な折衝を行ったり、サービスマン・営業マンの携帯端末から受信した作業結果報告に基づいて作業完了報告を作成してその電子データを顧客に送信したりする。
【0062】以上、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、上述した実施形態はいずれも、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態に係る作業管理システムの構成を示す図である。
【図2】本システムおよびサービスマンの処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】サービスマンの携帯電話機へ送られる作業指示用の電子メールメッセージの例を示す。
【図4】サービスマンの携帯電話機から返信される作業報告用の電子メールメッセージの例を示す。
【図5】顧客(ユーザ)に送られる作業報告書の例を示す。
【図6】本発明を適用した第2の実施形態に係る作業管理システムの構成を示す図である。
【図7】作業指示書をWebページで表示したときの表示例である。
【図8】作業内容報告書をWebページで作成するときの表示例である。
【図9】本発明に従う作業管理システムを組み入れたグローバルな業務システムの一実施形態の構成と機能と業務流れを示す図。
【図10】本発明に従う作業管理システムを組み入れたグローバルな業務システムの一実施形態の構成と機能と業務流れを示す図。
【図11】本発明に従う作業管理システムを組み入れたグローバルな業務システムの一実施形態の構成と機能と業務流れを示す図。
【符号の説明】
1 作業管理サーバ
5 作業管理補助用のWebサーバ
2 携帯電話機
3 ユーザのファクシミリ装置
4 部品サーバ
10 記憶部
11 作業指示書作成処理部
12 電子メーラ
13 ファクシミリ転送処理部
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば機械の保守点検などの作業を管理をするシステムにかかり、特にユーザに対して、作業報告を自動的に行うシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】保守業者のサービスマンが機器の保守、点検を行う保守サービスがある。保守サービスは、企業ユーザが使用している機器で広く普及している。この保守サービスでは、サービスマンがユーザのオフィス等を訪れて定期的に点検を行ったり、ユーザから依頼を受けて修理や検査等を行う。
【0003】保守対象の機器が、その機器を管理するユーザのオフィスから離れた場所にある場合がある。たとえば、建設機械の保守では、保守対象の建設機械は工事現場にあり、それを管理する建設会社のオフィスは工事現場からと遠く離れた場所にあることが多い。また、リースでは、リース会社のオフィスと、そのリース会社が所有、管理するリース物件を借り受けて使用するユーザのオフィスとは、通常離れている。
【0004】このような場合、ユーザは保守作業を行う業者から報告を受けないと、自ら業者に問い合わせでもしない限り、作業が行われたかどうか、及びその作業結果がどうなっているのかについて、知ることができない。従って、作業完了後、遅滞無く、保守業者が作業結果をファクシミリや電話などを通じてユーザに報告することが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、業者側では、ユーザへの作業報告が忘れられてしまったり、大幅に遅れてしまったりすることがある。また、作業報告をファクシミリや電話で必ずユーザにするのも、業者にとって手間である。
【0006】また、作業中に部品交換が必要になったとき、サービスマンは電話などで自分のオフィスに連絡して新しい部品の供給を要求することがある。その場合、オフィス側では、電話を通じての口頭説明だけから、要求された部品の品番を正しく割り出すのに苦労する。
【0007】そこで、本発明は、ユーザに対して確実に作業報告をするためのシステムを提供することを目的とする。
【0008】本発明の別の目的は、作業後速やかにユーザに作業報告をするためのシステムを提供することにある。
【0009】本発明のまた別の目的は、作業に関わる業者側の手間を軽減することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの態様に従う作業管理システムは、作業指示の電子情報を作成する作業指示作成手段と、前記作業指示の電子情報を、作業者の利用する携帯通信装置へ送信する作業指示送信手段と、前記作業指示に対応する作業結果の電子情報を、前記携帯通信装置から受信する作業結果受信手段と、前記受信した作業結果の電子情報に基づいて、前記顧客に対する作業報告の電子情報を生成し、前記作業報告の電子情報を前記顧客が利用する通信装置に送信する作業報告手段とを備える。
【0011】好適な実施形態では、作業管理システムから作業者の携帯通信装置に送信される作業指示の電子情報には、前記作業結果の電子情報を作るための諸事項の電子情報が関連付けられている。それにより、作業者が、携帯通信装置上で、前記作業指示の電子情報に関連付けられた諸事項の電子情報を用いて、少ない手間で、前記作業結果の電子情報を作成することができる。
【0012】好適な実施形態では、作業者の識別情報と、その作業者の利用する携帯通信装置の通信アドレスとを関連付けて記憶する記憶部がさらに設けられ、かつ、前記作業指示の電子情報には、その作業者の識別情報が関係付けられている。そして、前記作業指示手段は、前記作業者の識別情報に関連付けられて記憶されている通信アドレスを用いて、その作業者の利用する携帯通信装置に対して、作業指示の電子情報を自動送信するようになっている。
【0013】好適な実施形態では、顧客の識別情報と、その顧客の利用する通信装置の通信アドレスとを関連付けて記憶する記憶部がさらに設けられ、かつ、前記作業指示の電子情報には、前記顧客の識別情報が関係付けられている。そして、前記作業報告手段は、前記顧客の識別情報に関連付けられて記憶されている通信アドレスを用いて、その顧客の利用する前記通信装置に対して、作業報告の電子情報を自動送信するようになっている。
【0014】好適な実施形態では、作業者の携帯通信装置からアクセス可能な品物サーバがさら設けられている。この品物サーバは、作業で入用となる可能性のある様々な品物のカタログの電子情報を備え、前記携帯通信装置から電子的な要求に応答して、所望の品物のカタログの電子情報を検索してその携帯通信装置に送信することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0016】図1は、本発明を適用した第1の実施形態に係る作業管理システムの構成を示す。本システムは、機器の保守サービスでの作業工程管理に用いることができる。たとえば、建設会社等が使用する建設機械の保守サービス、あるいはリース物件の保守サービスのように、保守対象の機器の所在地と、その機器を管理するユーザまたはリース会社のオフィスの所在地とが一致しないような場合に適用すると好適である。
【0017】図1に示された作業管理システムは、機器の保守サービスを行う会社によって運用される作業管理サーバ1を有する。作業管理サーバ1は、その会社のオペレータからの作業指示を受け付けてから、その会社の顧客(以下、ユーザという)へ作業報告をするまでの一連の工程を管理する作業管理サーバ1を有する。作業管理サーバ1は、遠隔の現場に行って作業を行うサービスマンが所持している携帯電話機2と、インターネット及び携帯電話用無線通信網を介して、電子メールで通信することができ、電子メールを用いてサービスマンに対して作業指示を出したり、サービスマンから作業結果の報告を受けたりする。作業管理サーバ1は、公衆電話回線網を介してファクシミリ通信により、ユーザのオフィス等に設置されているファクシミリ装置3へ、サービスマンから受けた作業報告の内容を送信する。
【0018】また、部品サーバ4がインターネット上に存在する。部品サーバ4は、インターネットを通じてWWW(ワールドワイドウェブ)の方法で、作業対象となる各種機器のあらゆる部品のイメージ、品番、詳細仕様及び価格などを示した電子的な部品カタログを提供したり、部品の購入の注文を受けたりすることができる。サービスマンの携帯電話機2は、携帯電話用無線電話網及びインターネットを通じて、部品サーバ4にアクセスして、部品カタログを参照したり、部品の購入注文を発したりすることができる。
【0019】作業管理サーバ1および部品サーバ4は、いずれも例えば汎用的なコンピュータシステムにより構成され、以下に説明するサーバ1、4内の個々の構成要素または機能は、例えば、コンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、作業管理サーバ1及び部品サーバ4は、それぞれが1つのコンピュータマシンである必要は必ずしも無く、例えば、それら2つを纏めて一つのコンピュータマシンで集中的に実現することもできるし、或るいは、それぞれが複数のコンピュータマシンで分散的に実現することもできる。
【0020】また、携帯電話機2は、必ずしも現在実用されているタイプの携帯電話機でなければならないわけではなく、例えば電子メールやWWWによるインターネット通信機能を有する携帯型パーソナルコンピュータやPDA(パーソナルデータアシスタント)や現在のものから将来的に進化した携帯電話機等の他のタイプの携帯通信機器で置き換えられてもよい。ファクシミリ装置3は、例えばファクシミリ受信機能又は電子メール受信機能などを有するパーソナルコンピュータや複写機等の他のタイプの電子機器で置き換えられてもよい。ユーザへの作業報告は、ファクシミリ通信に代えて電子メール等の他のタイプの通信方法で通知してもよい。
【0021】図1に示すように、作業管理サーバ1は、作業指示書作成処理部11と、電子メーラ12と、ファクシミリ転送処理部13と、記憶部10とを有する。
【0022】記憶部10には、サービスマン(通常、複数人いる)の個人情報を記録したサービスマンテーブル16と、ユーザ(通常、多数いる)の属性情報を記録したユーザテーブル19とが予め記憶されている。サービスマンテーブル16には、各サービスマンの個人情報として、たとえば、各サービスマンの携帯電話機2と電子メール通信をするために必要となるその携帯電話機2の識別情報である携帯電話番号または電子メールアドレス等が、各サービスマンの識別情報であるサービスマンIDや氏名と対応づけて記憶されている。ユーザテーブル19には、各ユーザの属性情報として、たとえば、ユーザの識別情報であるユーザIDやユーザ名、および各ユーザのオフィスの作業報告を受けるためのファクシミリ装置のファクシミリ番号(又は、作業報告を電子メールで受けるユーザについては、その電子メールアドレス)が、それぞれ対応づけて記憶されている。
【0023】次に、作業管理サーバ1の各部の機能とそれが行うサービスマンの作業工程管理の手順および処理内容について、図1に加えて図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0024】図2に示すように、まず、保守サービス会社のフロントオペレータが電話等でユーザから或る機械に対する修理、保守又は点検等の作業依頼を受け付ける(S11)。
【0025】そのオペレ―タは、ユーザから受けた作業依頼の内容に基づいて、作業管理サーバ1に対して情報入力を行うことで、サービスマンへの作業指示書の作成処理を行う。この処理では、作業管理サーバ1の作業指示書作成処理部11が、オペレータが入力した情報を受け付けて、作業指示書15を作成する(S12)。オペレータから入力される情報は、たとえば、ユーザID、保守対象の機械を識別する機械ID、保守対象の機械で生じている不具合の内容、保守対象の機械の存在場所(つまり、作業現場)を特定する情報(地名地番又はその場所を示す地図画像が見れるURLなど)、および保守作業を行うサービスマンのIDなどである。作業指示書作成処理部11は、これらの入力情報を作業指示書に記述する。作業指示書作成処理部11は、作業指示書を作成する際に、ユニークなシリアルナンバーを作業番号として自動採番する。作成された作業指示書15は、記憶部10へ記憶される。そして、作業指示書作成処理部11は、電子メーラ12へ、今作成し終わった作業指示書の作業番号を自動通知する。
【0026】上記作業番号の通知に応答して、電子メーラ12は、担当のサービスマンへの作業内容を指示するための電子メールメッセージを自動生成し、その作業指示用電子メールメッセージをそのサービスマンの所持する携帯電話機2へ宛てて自動発信する(S13)。具体的にその手順を説明すると、まず、電子メーラ12は、作業指示書作成処理部11から通知された作業番号に対応する作業指示書15を記憶部10から取得し、取得した作業指示書15の内容を用いて、作業指示用電子メールメッセージを作成する。続いて、電子メーラ12は、取得した作業指示書15に記載されている担当サービスマンのIDをキーにしてサービスマンテーブルから、担当サービスマンの携帯電話機2の電子メールアドレス(又は、その電子メールアドレスが携帯電話番号にドメイン名を付けて作られている場合には、その携帯電話番号)を取得する(又は、その電子メールアドレスが携帯電話番号にドメイン名を付けて作られている場合には、その携帯電話番号をサービスマンテーブルから取得して、それを用いて携帯電話電子メールアドレスを作成する)。そして、電子メーラ12は、その取得又は作成した携帯電話電子メールアドレスへ、今作成した作業指示用電子メールメッセージ20を発信する。
【0027】図3は、作業指示用電子メールメッセージ20の例を示す。
【0028】作業指示用電子メールメッセージ20は、異なる事項がそれぞれ記述された複数の行(例えば、図3R>3の例では16行)から構成されており、各行には、後述するファクシミリ転送処理部13が解析を行うときに使用する行番号が付されている。
【0029】作業指示用電子メールメッセージ20は、サービスマンへの複数の指示事項が記述された指示事項領域21と、サービスマンが報告するべき作業結果に関する複数の事項のメニューが予め記載された報告事項領域22とを有する。指示事項領域21には、作業報告書に記載された諸事項のうちサービスマンへ通知すべきもの、例えば、「作業番号」と、「受付日時」と、「ユーザID」および「ユーザ名」と、保守対象の機械の「機械ID」と、「作業現場」の特定情報と、「不具合の内容」とが表示される。ここで、作業現場の特定情報は、地名地番でもよいし、あるいは図3の例のように、作業現場を示した地図画像を提供するインターネット上のURL(Uniform Resource Locator)でもよい。電子メールを受信したサービスマンはこのURLにアクセスして、地図画像を参照することができる。
【0030】報告事項領域22には、「作業結果」、「作業内容」、および「その他」等の各種報告項目の各々について、複数の選択肢からなるメニュー(12、14、16行目)が示されており、また、「作業日時」を入力する行(10行目)も用意されている。作業完了後のサービスマンからの作業報告は、この報告事項領域22内のメニューにて、不要な選択肢を消去して所望の選択肢のみを残す、或いは所望の選択肢に所定のマーク付けるなどの方法で、所望の選択肢を選択した上で、この作業指示用電子メールメッセージ20を、携帯電話機2の電子メール返信機能を用いて、その発信元(つまり、作業管理サーバ1が使っている電子メールアドレス)に返信することで、簡単に行うことができる。さらに、この報告事項領域22には、メニューの選択肢を消して、代わりに任意のメッセージをタイプ入力することもできる。
【0031】再び図2を参照して、作業管理サーバ1から自動発信された上記のような作業指示用電子メールメッセージ20は、(通常、携帯電話機は自動受信モードになっているから)担当のサービスマンが所持する携帯電話機2に遅滞無く受け取られる(S21)。このサービスマンは、現在どの場所に居たとしても、自分の携帯電話機2が受信した作業指示用電子メールメッセージ20を見て、作業指示内容を知り、指示された現場へ行くことができる。なお、緊急の場合、図2のステップS12でオペレータが作業指示書を作成するより前に、サービスマンが現場急行することが多々あるが、その場合でも、サービスマンは現場へ向かっている途中などに、作業指示用電子メールメッセージ20を受信することになるであろう。
【0032】サービスマンは、作業指示用電子メールメッセージ20の指示に基づいて作業を実施する(S22)。作業終了後、サービスマンは、携帯電話機2内に保存されている作業指示用電子メールメッセージ20を開き、その中の報告事項領域22のメニューから所望の選択肢を選ぶという簡単な方法で、作業報告用電子メールメッセージ23を作成する。そして、サービスマンは、その作業報告用電子メールメッセージ23を、携帯電話機2の電子メール返信機能を利用して、作業管理サーバ1へ返信する(S23)。
【0033】図4は、作業報告用電子メールメッセージ23の例を示す。
【0034】図4に示すように、作業報告用電子メールメッセージ23は、図3に示した作業指示用電子メールメッセージ20の報告事項領域22に、作業日時を入力したり、メニューから所望の選択肢を選択したりしたものである。なお、作業日時の入力方法としては、サービスマンによるタイプ入力でも、或いは、携帯電話機2が返信時の日時を自動入力するという方法でもよい。
【0035】再び図2を参照して、作業管理サーバ1の電子メーラ12は、自己が使う電子メールサーバ(図示せず)に頻繁にアクセスする(又は、電子メールサーバに電子メールメッセージが到着すると直ちにそれを受け取る)ことで、サービスマンの携帯電話機2から返信された上記のような作業報告用電子メールメッセージ23を速やかに受信する(S14)。そして、電子メーラ12は、受信した作業報告用電子メールメッセージ23の内容を、作業内容報告書18というテキストファイルにして記憶部10へ記憶する。そして、電子メーラ12は、その作業内容報告書18のファイル名をファクシミリ転送処理部13へ通知する。
【0036】ファクシミリ転送処理部13は、電子メーラ12から通知を受けたファイル名の作業内容報告書18を記憶部10から読み出し、そこからユーザに報告すべき事項を抽出して作業報告書を作成する(S15)。たとえば、図4に例示した作業報告用電子メールメッセージ23の内容の作業内容報告書18では、どの行番号の行にどのような項目が記載されているかは予め定められている。この行番号と記載項目との対応関係に基づいて、ファクシミリ転送処理部13は、作業内容報告書18(つまり、作業報告用電子メールメッセージ23の内容)から、例えば、作業番号(1行目)、受付日時(2行目)、担当サービスマン(5行目)、機械ID(6行目)、作業現場(7行目)、不具合の内容(8行目)、作業日時(10行目)、作業結果(12行目)は、作業内容(14行目)、その他の報告事項(16行目)を抽出して、抽出した情報を、予め保持している作業報告書フォームの対応欄に記入することで、図5に例示するような作業報告書50を作成する。
【0037】また、ファクシミリ転送処理部13は、作業内容報告書18(つまり、図4に例示した作業報告用電子メールメッセージ23の内容)の3行目から、ユーザIDを抽出し、このユーザIDをキーにしてユーザテーブル19からユーザの作業報告受信用のファクシミリ装置3のファクシミリ番号を取得し、そして、作業報告書50のイメージをユーザのファクシミリ装置3へ自動送信する(S16)。なお、このファクシミリでの作業報告と共に又はそれに代えて、電子メーラ12から、作業報告書50を記載した電子メールメッセージを、ユーザの電子メールアドレスへ自動送信するようにしてもよい。
【0038】これにより、サービスマンに対する作業指示及びユーザへの作業結果の報告を、従来よりも少ない手間で、確実かつ迅速に行うことができる。
【0039】さて、作業現場において部品交換が必要になった場合、サービスマンは、自分の携帯電話機2から部品サーバ4にアクセスすることによって、自ら部品の品番を割り出したり、さらには、その部品の注文を発することが可能である。この点について、以下に説明する。
【0040】部品サーバ4は、部品等のカタログ情報を記憶した商品データベース41を備えている。携帯電話機2から部品サーバ4にアクセスしたサービスマンは、部品サーバ4が提供するWebページ42を介して、商品データベース41から所望の部品のカタログ情報(例えば、品名、部品ID(品番)、イメージ、詳細仕様、価格、在庫状況など)を検索して参照することができる。これにより、サービスマンは、わざわざ自分の会社のオフィスに電話連絡して部品カタログを調べてもらわなくても、現場で自ら、所望部品の部品ID(品番)を割り出すことができる。サービスマンは、その部品ID(品番)を電話などで自分の会社のオフィスに伝えることで、所望部品の手配を自分の会社に要求することができる。もし、その保守サービス会社にその部品の在庫が無ければ、サービスマンは自分の携帯電話機2から部品サーバ4にアクセスして、部品サーバ4にオンラインで所望部品を注文することもできる。部品注文を行う場合には、サービスマンは、携帯電話機2から部品サーバ4のWebページ上に発注フォーム43を呼び出して(又は、その発注フォーム43を携帯電話機2にダウンロードして)、その発注フォーム43を用いて部品注文書を作成する。作成された部品注文書は、携帯電話機2から作業管理サーバ1へ返信される作業報告用電子メールメッセージなどに添付して作業管理サーバ1へ送ることができる。
【0041】作業管理サーバ1の電子メーラ12は、サービスマンの携帯電話機2から受信した部品注文書を記憶部10に格納する。記憶部10に格納された注文書17は、オペレータが図示しない表示装置に表示させて参照したり、図示しない印刷装置から出力して、そのプリトアウトを用いて部品メーカへ注文を発したりする。
【0042】なお、部品サーバ4の発注フォーム43を用いて、携帯電話機2から部品サーバ4にオンラインで部品の発注を行うこともできる。
【0043】次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態に係るシステム構成図を図6に示す。本実施形態では、作業管理サーバ1は、作業管理補助用のWebサーバ5を備えている。携帯電話機2での作業指示書の閲覧、および作業内容報告書の作成は、Webサーバ5が提供するWebページを用いて行われる。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0044】作業管理補助用のWebサーバ5は、作業管理サーバ1及びインターネットと接続されており、作業管理サーバ1によって作成された作業指示書の閲覧および作業内容報告書の作成を行うためのWebページ51を備える。
【0045】一方、作業管理サーバ1では、作業指示書作成処理部11が、第1の実施形態と同様の手順で、作業指示書15を作成し記憶装置10保存する。そして、作業管理サーバ1の電子メーラ12は、今保存された作業指示書15の内容に基づいて、作業通知用電子メールメッセージを作成して、それを担当サービスマンの携帯電話機2へ自動発信する。その作業通知メールには、作業指示書15を閲覧するためのWebサーバ5内のWebページのURLが記載されている。その作業通知メールを受けたサービスマンは、携帯電話機2から、その作業通知メールに記載されているURLへアクセスし、Webページ51に表示された作業指示書15の内容を閲覧する。
【0046】なお、作業管理サーバ1、補助用Webサーバ5及び部品サーバ4は、それぞれが1つのコンピュータマシンである必要は必ずしも無く、例えば、それら3つを纏めて一つのコンピュータマシンで集中的に実現することもできるし、或るいは、それぞれが複数のコンピュータマシンで分散的に実現することもできる。
【0047】図7は、Webページ51に表示される作業指示書画面60の例を示す。この閲覧画面60には、作業指示事項を表示した領域61と、作業内容報告書作成ボタン62とがある。
【0048】作業内容報告書作成ボタン62が押されると、携帯電話機2に表示されているWebページ51が、図7に例示した作業指示書画面60から、図8に例示するような作業内容報告書画面70に切り替わる。この作業内容報告書作成画面70には、報告すべき項目である「機械ID」、「作業現場」、「作業日時」、「作業結果」、「作業内容」、および「その他」などの入力ボックスが表示されている。このうち、「機械ID」と「作業現場」の入力ボックスには、作業指示書に記載されていた内容が予め自動的にセットされているが、サービスマンがこれを修正することもできる。「作業結果」および「作業内容」の入力ボックスは、コンボボックスとなっていて、右の三角マークを操作すると現れる複数選択肢のプルダウンメニューの中から、所望の選択肢を選択して入力することができる。作業報告書作成画面70の送信ボタン72が押されると、作業報告書作成画面70に入力された機械ID」、「作業現場」、「作業日時」、「作業結果」、「作業内容」、および「その他」などの諸項目の入力事項のセットが携帯電話機2からWebサーバ5へ送信される。これを受け付けたWebサーバは、作業管理サーバ1の記憶部10に、それら諸項目の入力事項のセットを作業内容報告書18として格納する。ここで、作業内容報告書18では、各項目の入力事項は、たとえば、データベースを用いるか、またはカンマ区切り(CSV)形式のファイルを用いて、各項目ごとに個別にハンドリングできるような態様で記憶される。
【0049】一方、作業管理サーバ1では、作業内容報告書18が記憶部10へ格納されると、ファクシミリ転送処理部13が、その作業内容報告書18に対応する作業番号の通知を受け、その作業番号をキーにして該当の作業内容報告書18から、ユーザに報告すべき項目の事項を取り出して、ユーザへの作業報告書を作成する。ここで、本実施形態では、記憶部10に記憶されている作業内容報告書18は、前述のように各項目ごとに個別にハンドリングできように区別されているので、第1の実施形態の場合ように必要な項目を作業内容報告書18のテキスト列の中切り出す必要はない。ファクシミリ転送処理部52は、こうしてユーザに対する作業報告書50を作成し、その作業報告書50のイメージを、第1の実施形態と同様に、ユーザのファクシミリ装置3へ送信する。なお、ファクシミリでの作業報告と共に又はそれに代えて、電子メールで作業報告書50の内容をユーザに送るようにしてもよい。
【0050】本実施形態により、サービスマンに対する作業指示、及びユーザに対する作業報告を、少ない手間で、確実かつ迅速に行うことができる。
【0051】本発明に従う作業管理システムは、フィールド作業だけでなくフロント業務やその他の様々な業務を統括してサポートするよりグローバルな業務システムの中に組み入れられることもできる。
【0052】図9〜図11は、例えば建設機械の保守サービス会社等において、フロント業務の集中化やフィールド作業の効率化などを図るために、本発明に従う作業管理システムを組み入れたグローバルな業務システムの一実施形態の構成と機能と業務流れを示す。なお、図9〜図11は、それらを繋ぎ合わせることで、このグローバルなシステムの全体像を示す。
【0053】図9〜図11に示すように、このグローバルシステムは、顧客からの問合せや修理依頼の受付、作業案件の抽出、作業案件の登録、サービスマンへの作業指示及び実施作業結果報告などの当該保守サービス会社での一連の作業をサポートするものである。このグローバルシステムは、顧客に関連する情報を集中管理するための顧客関連情報管理システム(図中、「CRMS」で示す)、その会社の基幹業務を担う基幹業務システム(図中、「基幹業務S」で示す)、遠隔にいる建設機械の状態を実質的に実時間で自動監視する遠隔機械監視システム(図中、「機械監視S」で示す)、サービスマンや営業マンの現状を把握してフィールド派遣のスケジューリングを自動的に行う人員配備システム(図中、「人員配備S」で示す)、建設機械の品質に関する情報(不具合や苦情の履歴など)を集中管理する機械品質情報システム(図中、「品質情報S」で示す)、建設機械の部品に関する情報を集中管理する部品検索システム(図中、「部品検索S」で示す)、及び、サービスマンや営業マンが携帯するPDAや携帯型パーソナルコンピュータなどの携帯端末などから構成され、これらはコンピュータ間通信ネットワークを介して相互間で通信可能である。
【0054】以下、業務の流れに沿って、各部の機能や動作を説明する。
【0055】まず、図9を参照して、その上段及び中段に示すように、当該会社のサポート部門等で行われる顧客からの問合せ・修理依頼等を受付ける仕事や、作業案件を管理する仕事などを援助するために、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、顧客から問合せや修理依頼などの電話等による着信があると、電話自動応答システム(CTI)を用いて自動応答してその発信電話番号などからその顧客が誰であるかを特定し、そして、その顧客から問合せや修理依頼などを受付け、また、対象の建設機械はどれであるかを特定し、特定した顧客や建設機械の情報と共に問合せ内容や修理依頼内容を問合せ案件や修理依頼案件として登録することができる。その際、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、必要に応じて、遠隔機械監視システムと通信することにより、その建設機械の現在位置や現在状態を把握して表示したり、人員配備システムと通信することにより、サービス員や営業員の負荷を把握して表示したりすることができる。また、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、営業マンやサービスマンからの電話着信にも、同様に自動応答することができる。
【0056】図9の下段に示すように、当該会社のフロントマンやマネージャなどが行う受注等の案件を抽出する仕事を援助するために、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、基幹業務システムと通信することで、既に登録されている様々な種類の受注等の案件の中から所望のもの、(例えば、契約更新案件、巡回作業案件、受注案件、修理依頼案件など)を検索し、検索された作業案件のリストを表示することができる。また、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、行うべき作業のリストを作成したり、点検や見積やメンテナンスや修理などの作業の電子的依頼を発したりすることができる。また、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、作業実施日の折衝や、ダイレクトメール案件の受注折衝や、契約更新折衝や、問合せ・修理依頼内容などのサポート端末への転送なども行うことができる。
【0057】次に、図10を参照して、その上段に示すように、フロントマンなどが行う問合せ・修理依頼等の内容を確認する仕事を援助するために、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、問合せ案件や修理依頼案件の内容を表示したり、各顧客や機械に対する過去のサービス履歴を表示したり、顧客のコールバック履歴を表示したり、登録案件のリストを表示したりすることができる。また、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、必要に応じて、遠隔機械監視システムと通信することにより、その建設機械の現在位置やサービスメータ値やエラー有無などを把握して表示したり、機械品質情報システムと通信することにより、その建設機械について類似不具合の発生履歴を検索して表示したり、修理方法を検索して表示したりすることができる。
【0058】図10の下段に示すように、フロントマンなどが行う作業内容を登録する仕事を援助するために、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、基幹業務システムと通信して、作業番号を取得したり、作業内容を登録したり、作業の開始予定を登録したりする。また、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、必要に応じて、部品検索システムと通信して、作業に必要な部品を手配したり、基幹業務システムと通信して、作業対象の建設機械の整備履歴を検索して取得したりする。さらに、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、登録された作業について、作業指示書を作成して、これをプリトアウトしたり、その電子データを人員配備システムへ送信したりすることができる。
【0059】次に、図11を参照して、その下段左側に示すように、フロントでの作業指示の仕事を援助するために、人員配備システムは、サービスマン・営業マンの現在位置を調べて表示したり、サービスマン・営業マンの現在のスケジュールを調べて表示したり、サービスマン・営業マンの資格やスキルを調べて表示したりすることができる。また、人員配備システムは、遠隔機械監視システムと通信して、作業対象の機械の現在位置や現在状態を把握し表示することができる。そして、人員配備システムは、上述のサービスマン・営業マンや機械の情報に基づいて、顧客関連情報管理システム(CRMS)から受け取った作業指示に従ってフィールドへ赴き作業を行うべきサービスマン・営業マンを自動的に選任し、その選任されたサービスマン・営業マンが持つ携帯端末へ作業指示の電子データを送信することができる。
【0060】図11の上段に示すように、サービスマン・営業マンによる作業指示受信、作業実施、作業結果報告などの仕事を援助するため、サービスマン・営業マンが持つ携帯端末は、人員配備システムから受信した作業指示を表示したり、作業リストを表示したり、作業対象機械のステータスや作業の進捗状況や追加作業項目や作業完了報告などの入力をサービスマン・営業マンから受けて顧客関連情報管理システム(CRMS)や人員配備システムに送信したりすることができる。また、その携帯端末は、部品検索システムと通信して、作業に必要な部品を検索して注文を発したり、また、品質情報システムと通信して、対象機械の品質情報を検索して表示したりすることができる。更に、その携帯端末は、作業対象の建設機械に搭載された制御コンピュータと通信して、制御定数の設定を変更したり、テストモードを設定したり、制御プログラムを書き換えたり、負荷データを読み出して記憶したりすることができる。
【0061】図11の下段右側に示すように、フロントでの作業進捗を管理する仕事を援助するために、人員配備システムは、サービスマン・営業マンの携帯端末から受信した追加作業項目を表示し、作業項目修正を基幹業務システムに登録することができる。また、顧客関連情報管理システム(CRMS)は、サービスマン・営業マンの携帯端末から受信した作業の情報に基づいて、その作業案件の進捗情報を更新したり、作業項目を更新したり、顧客に対して追加作業項目を電子的に報告して必要な折衝を行ったり、サービスマン・営業マンの携帯端末から受信した作業結果報告に基づいて作業完了報告を作成してその電子データを顧客に送信したりする。
【0062】以上、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、上述した実施形態はいずれも、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態に係る作業管理システムの構成を示す図である。
【図2】本システムおよびサービスマンの処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】サービスマンの携帯電話機へ送られる作業指示用の電子メールメッセージの例を示す。
【図4】サービスマンの携帯電話機から返信される作業報告用の電子メールメッセージの例を示す。
【図5】顧客(ユーザ)に送られる作業報告書の例を示す。
【図6】本発明を適用した第2の実施形態に係る作業管理システムの構成を示す図である。
【図7】作業指示書をWebページで表示したときの表示例である。
【図8】作業内容報告書をWebページで作成するときの表示例である。
【図9】本発明に従う作業管理システムを組み入れたグローバルな業務システムの一実施形態の構成と機能と業務流れを示す図。
【図10】本発明に従う作業管理システムを組み入れたグローバルな業務システムの一実施形態の構成と機能と業務流れを示す図。
【図11】本発明に従う作業管理システムを組み入れたグローバルな業務システムの一実施形態の構成と機能と業務流れを示す図。
【符号の説明】
1 作業管理サーバ
5 作業管理補助用のWebサーバ
2 携帯電話機
3 ユーザのファクシミリ装置
4 部品サーバ
10 記憶部
11 作業指示書作成処理部
12 電子メーラ
13 ファクシミリ転送処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業指示の電子情報(20、60)を作成する作業指示作成手段(11、12、5)と、前記作業指示の電子情報(20、60)を、作業者の利用する携帯通信装置(2)へ送信する作業指示送信手段(12、5)と、前記作業指示に対応する作業結果の電子情報(23、70)を、前記携帯通信装置(2)から受信する作業結果受信手段(12、5)と、前記受信した作業結果の電子情報(23、70)に基づいて、前記顧客に対する作業報告の電子情報(50)を生成し、前記作業報告の電子情報(50)を前記顧客が利用する通信装置(3)に送信する作業報告手段(13)とを備える作業管理システム。
【請求項2】 前記作業指示の電子情報(20、60)には、前記作業結果の電子情報を作るための諸事項の電子情報(22、70)が関連付けられており、それにより、前記作業者が、前記携帯通信装置上で、前記作業指示の電子情報(20、60)に関連付けられた前記諸事項の電子情報(22、70)を用いて、前記作業結果の電子情報(23、70)を作成することができるようになっている請求項1記載の作業管理システム。
【請求項3】 前記作業者の識別情報と、前記作業者の利用する携帯通信装置(2)の通信アドレスとを関連付けて記憶する記憶部(16)をさらに備え、前記作業指示の電子情報(20、60)には、前記作業者の識別情報が関係付けられており、前記作業指示手段(11、12、5)は、前記作業者の識別情報に関連付けられて記憶されている前記通信アドレスを用いて、前記作業者の利用する前記携帯通信装置(2)に対して、前記作業指示の電子情報(20、60)を送信する請求項1記載の作業管理システム。
【請求項4】 前記顧客の識別情報と、前記顧客の利用する通信装置(3)の通信アドレスとを関連付けて記憶する記憶部(19)をさらに備え、前記作業指示の電子情報(20、60)には、前記顧客の識別情報が関係付けられており、前記作業報告手段(13)は、前記顧客の識別情報に関連付けられて記憶されている前記通信アドレスを用いて、前記顧客の利用する前記通信装置(3)に対して、前記作業報告の電子情報(50)を送信する請求項1記載の作業管理システム。
【請求項5】 作業で入用となる可能性のある様々な品物のカタログの電子情報を備え、前記携帯通信装置(2)からの電子的な要求に応答して、所望の品物のカタログの電子情報を検索して前記携帯通信装置に送信する品物サーバ(4)をさらに備える請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項6】 作業管理システムの動作のための方法であって、作業指示の電子情報を作成するステップと、前記作業指示の電子情報を、作業者の利用する携帯通信装置へ送信するステップと、前記作業指示に対応する作業結果の電子情報を、前記携帯通信装置から受信するステップと、前記受信した作業結果の電子情報に基づいて、前記顧客に対する作業報告の電子情報を生成し、前記作業報告の電子情報を前記顧客が利用する通信装置に送信するステップとを備える作業管理方法。
【請求項7】 コンピュータに実行されたとき、作業指示の電子情報を作成するステップと、前記作業指示の電子情報を、作業者の利用する携帯通信装置へ送信するステップと、前記作業指示に対応する作業結果の電子情報を、前記携帯通信装置から受信するステップと、前記受信した作業結果の電子情報に基づいて、前記顧客に対する作業報告の電子情報を生成し、前記作業報告の電子情報を前記顧客が利用する通信装置に送信するステップとを行う作業管理のためのコンピュータプログラム。
【請求項1】 作業指示の電子情報(20、60)を作成する作業指示作成手段(11、12、5)と、前記作業指示の電子情報(20、60)を、作業者の利用する携帯通信装置(2)へ送信する作業指示送信手段(12、5)と、前記作業指示に対応する作業結果の電子情報(23、70)を、前記携帯通信装置(2)から受信する作業結果受信手段(12、5)と、前記受信した作業結果の電子情報(23、70)に基づいて、前記顧客に対する作業報告の電子情報(50)を生成し、前記作業報告の電子情報(50)を前記顧客が利用する通信装置(3)に送信する作業報告手段(13)とを備える作業管理システム。
【請求項2】 前記作業指示の電子情報(20、60)には、前記作業結果の電子情報を作るための諸事項の電子情報(22、70)が関連付けられており、それにより、前記作業者が、前記携帯通信装置上で、前記作業指示の電子情報(20、60)に関連付けられた前記諸事項の電子情報(22、70)を用いて、前記作業結果の電子情報(23、70)を作成することができるようになっている請求項1記載の作業管理システム。
【請求項3】 前記作業者の識別情報と、前記作業者の利用する携帯通信装置(2)の通信アドレスとを関連付けて記憶する記憶部(16)をさらに備え、前記作業指示の電子情報(20、60)には、前記作業者の識別情報が関係付けられており、前記作業指示手段(11、12、5)は、前記作業者の識別情報に関連付けられて記憶されている前記通信アドレスを用いて、前記作業者の利用する前記携帯通信装置(2)に対して、前記作業指示の電子情報(20、60)を送信する請求項1記載の作業管理システム。
【請求項4】 前記顧客の識別情報と、前記顧客の利用する通信装置(3)の通信アドレスとを関連付けて記憶する記憶部(19)をさらに備え、前記作業指示の電子情報(20、60)には、前記顧客の識別情報が関係付けられており、前記作業報告手段(13)は、前記顧客の識別情報に関連付けられて記憶されている前記通信アドレスを用いて、前記顧客の利用する前記通信装置(3)に対して、前記作業報告の電子情報(50)を送信する請求項1記載の作業管理システム。
【請求項5】 作業で入用となる可能性のある様々な品物のカタログの電子情報を備え、前記携帯通信装置(2)からの電子的な要求に応答して、所望の品物のカタログの電子情報を検索して前記携帯通信装置に送信する品物サーバ(4)をさらに備える請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項6】 作業管理システムの動作のための方法であって、作業指示の電子情報を作成するステップと、前記作業指示の電子情報を、作業者の利用する携帯通信装置へ送信するステップと、前記作業指示に対応する作業結果の電子情報を、前記携帯通信装置から受信するステップと、前記受信した作業結果の電子情報に基づいて、前記顧客に対する作業報告の電子情報を生成し、前記作業報告の電子情報を前記顧客が利用する通信装置に送信するステップとを備える作業管理方法。
【請求項7】 コンピュータに実行されたとき、作業指示の電子情報を作成するステップと、前記作業指示の電子情報を、作業者の利用する携帯通信装置へ送信するステップと、前記作業指示に対応する作業結果の電子情報を、前記携帯通信装置から受信するステップと、前記受信した作業結果の電子情報に基づいて、前記顧客に対する作業報告の電子情報を生成し、前記作業報告の電子情報を前記顧客が利用する通信装置に送信するステップとを行う作業管理のためのコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2003−122889(P2003−122889A)
【公開日】平成15年4月25日(2003.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−314395(P2001−314395)
【出願日】平成13年10月11日(2001.10.11)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【出願人】(501397975)コマツ新潟株式会社 (1)
【出願人】(500238549)コマツ福井株式会社 (3)
【出願人】(593051917)コマツ東京株式会社 (1)
【公開日】平成15年4月25日(2003.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成13年10月11日(2001.10.11)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【出願人】(501397975)コマツ新潟株式会社 (1)
【出願人】(500238549)コマツ福井株式会社 (3)
【出願人】(593051917)コマツ東京株式会社 (1)
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