説明

作業車の走行装置

【課題】 車輪に対するサスペンション機能、及び、ローリング機能を維持しながら、一対の車輪ケースの設置間隔を維持できる作業車の走行装置を提供する。
【解決手段】 一対の後車輪ケース8、8と横フレーム21にローリング作動自在に支持された受けフレーム24とに亘って、後車輪ケース8、8を独立して上下動可能に構成する一対のサスペンション機構25、25を設ける。一対の後車輪ケース8、8に渡って、後車輪2、2同士の高さ位置が異なることに対して抵抗を与えて同一高さ位置となる方向に付勢するとともに車輪ケース8、8同士の設置間隔の広がりを阻止する板バネ部材42を掛け渡してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪を支持する部分にサスペンション機構を備えている田植機等で代表される作業車の走行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車輪を備えた車輪ケースと走行機体に備えられた受けフレームとの間にサスペンション機構を配置するとともに、受けフレームを前後向き軸芯回りで揺動可能に支持し、サスペンション機構だけでなく、受けフレームのローリング作動によっても、車輪の上下動を吸収する構成を採っていた(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−275059号公報(段落番号〔0053〕〔0054〕、及び、図11,12)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成においては、車輪を備えた車輪ケースの基端部をミッションケースの横側部に上下揺動自在に軸支し、車輪ケースの車輪を軸支した先端部を片持ち状に延出していた。そうすると、旋回する際に車輪に作用する横向き力に対して、ミッションケースに支持された基端部のみで対抗するために、車輪ケースの先端部までその横向き力に対抗する力を及ぼすことが十分でないこともあり、一対の車輪ケースの先端部同士の間隔が広がる虞が考えられた。
【0005】
本発明の目的は、車輪に対するサスペンション機能、及び、ローリング機能を維持しながら、一対の車輪ケースの設置間隔を維持できる作業車の走行装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、車輪を夫々備えた一対の車輪ケースと機体フレームに支持された受けフレームとに亘って、前記車輪ケースを独立して上下動可能に構成する一対のサスペンション機構を設けるとともに、前記受けフレームを前記機体フレームに対してローリング作動自在に支持し、前記一対の車輪ケースに渡って、前記車輪同士の高さ位置が異なることに対して抵抗を与えて同一高さ位置となる方向に付勢するとともに前記車輪ケース同士の設置間隔の広がりを阻止する開き防止機構を掛け渡してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0007】
〔作用〕
つまり、一対の車輪ケースは、受フレームのローリング作動及びサスペンション機構によって、車輪の走行凹凸面に接地追従することによる走行車体への振動伝達を抑制するとともに、独立して上下動可能であるので、固定車軸式のものに比べて、上下動する部分の重量が軽く、凹凸面に対する接地追従性が良好で、乗り心地がよい。
車輪ケースは例えば基端部をミッションケースに連結し先端側を前記基端部より片持ち状に延出するように構成されたものがあるが、車輪ケース同士の先端側において開き防止機構が掛け渡されているので、車輪ケース同士の間隔の変動を抑制できる。
しかも、この開き防止機構は、車輪同士の高さ位置が異なることに対して抵抗を与えて同一高さ位置となる方向に付勢するスタビライザ機能を備えているので、走行機体がローリングすることを抑制できる。
【0008】
〔効果〕
したがって、サスペンション機構による凹凸走行面への良好な追従性を維持しながら、車輪ケース同士の間隔の変動を抑制できて、車輪ケースの基端部付近の耐久性を向上させることができた。
【0009】
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記受けフレームに、その受けフレームを前記機体フレームに対してローリング作動していない中立姿勢に復帰させる中立付勢手段を作用させてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0010】
〔作用効果〕
中立付勢手段を作用させることによって、受けフレームがローリング作動することに対して抵抗を付与して、細かい凹凸に追従することを抑制でき、走行機体の走行状態を安定したものにできる。
【0011】
請求項3に係る発明の特徴構成は、前記サスペンション機構の下向き付勢力を前記中立付勢手段の中立付勢力より大きくしてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0012】
〔作用効果〕
サスペンション機構の下向き付勢力を前記中立付勢手段の付勢力より大きくしてある。これによって、サスペンション機構を硬く作動し難いものとすることによって、例えば乗用型田植機において苗のせ台に十分な量の苗を載置した場合にも、走行機体が後下がり状態となりにくい。
サスペンション機構の上下作動に比べて受フレームがローリング作動し易いので、通常の凹凸では主に受けフレームがローリング作動して対処することができる。大きな凹凸では、受けフレームのローリング作動と、サスペンション機構の上下作動との協働で対処することができる。
左右ともに略同一高さの凹凸が有る場合には受フレームのローリング作動では対処できないので、サスペンション機構の上下作動によって、その高さ変動を吸収することができる。
【0013】
請求項4に係る発明の特徴構成は、前記サスペンション機構の上端部を受け止める前記受フレームと前記上端部に、前記サスペンション機構の前記受けフレームに対する基準姿勢から傾斜する姿勢への変化を許容する受止融通機構を設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0014】
〔作用効果〕
受止融通機構を設けることによって、受けフレームがローリング作動等しても、サスペンション機構はその受けフレームに対して基準姿勢から傾斜する姿勢に切り換わり、サスペンション機構は接地面に対する垂直姿勢を維持することができ、車輪の接地安定性を確保できる。
しかも、受止融通機構を設けることによって、受フレームとサスペンション機構との取り付け形態が固定されないので、サスペンション機構に傾斜する方向への荷重が掛かった場合であっても、その荷重方向にサスペンション機構が変位して、サスペンション機構に作用する荷重を吸収することができ、サスペンション機構自体の保護及び、受フレームとの取り付け構造を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[1]
図1及び図2に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体の後部に単一のトップリンク3及び左右一対のロアリンク4からなる昇降リンク機構が上下に揺動自在に支持され、トップリンク3及びロアリンク4を昇降駆動する油圧シリンダ5が備えられており、トップリンク3及びロアリンク4の後部に苗植付装置6が支持されて、水田作業機の一例である乗用型田植機が構成されている。
【0016】
図1及び図2に示すように、苗植付装置6は4条植型式に構成されており、2個の植付伝動ケース9、植付伝動ケース9の後部の右及び左の横側部に回転駆動自在に支持された回転植付ケース10、回転植付ケース10の両端に備えられた一対の植付アーム11、接地フロート12及び苗のせ台13等を備えて構成されている。これにより、苗のせ台13が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、回転植付ケース10が回転駆動され、苗のせ台13の下部から植付アーム11が交互に苗を取り出して田面Gに植え付ける。
【0017】
図1及び図2に示すように、機体に備えられた運転座席14の後側に、肥料を貯留するホッパー15、繰り出し部16及びブロア17が備えられている。接地フロート12に作溝器18が備えられ、繰り出し部16と作溝器18とに亘ってホース19が接続されている。これにより、前述のような苗の植え付けに伴って、ホッパー15から肥料が所定量ずつ繰り出し部16によって繰り出され、ブロア17の送風により肥料がホース19を通って作溝器18に供給されるのであり、作溝器18を介して肥料が田面Gに供給される。
【0018】
昇降リンク機構と油圧シリンダとの取り付け構造について説明する。図3及び図4に示すように、機体の後部に右及び左の支持フレーム20が上下向きに固定され、右及び左の支持フレーム20の上部に亘って機体フレームとしての角パイプ状の横フレーム21が連結されている。横フレーム21の下方で右及び左の支持フレーム20に亘って支持軸22が架設されて、油圧シリンダ5のシリンダ側のブラケット5aが支持軸22の機体左右方向の横軸芯P3周りに上下に揺動自在に支持されている。油圧シリンダ5のシリンダ側のブラケット5aの外側において、トップリンク3の機体側端部が横軸芯P3周りに上下に揺動自在に支持されている。
【0019】
図3及び図4に示すように、右及び左の支持フレーム20の下部の機体左右方向の横軸芯P2周りに、ロアリンク4の機体側端部が上下に揺動自在に支持されるとともに、油圧シリンダ5のピストンロッド5Aがロアリンク4の後端に接続されている。
これにより、油圧シリンダ5が収縮作動すると、トップリンク3及びロアリンク4が上方に揺動駆動されて、苗植付装置6が上昇駆動される。油圧シリンダ5が伸長作動すると、トップリンク3及びロアリンク4が下方に揺動駆動されて、苗植付装置6が下降駆動される。
【0020】
図6に示すように、ミッションケース40の前部に静油圧式無段変速装置43が連結され、機体の前部に支持されたエンジン44の動力が伝動ベルト45を介して静油圧式無段変速装置43に伝達されている。静油圧式無段変速装置43の動力が、ミッションケース40の内部に備えられたギヤ変速式の副変速装置(図示せず)、前輪デフ装置(図示せず)、右及び左の前車軸ケース41に内装された伝動軸(図示せず)を介して、右及び左の前輪1に伝達されている。
【0021】
図6に示すように、ミッションケース40の後部、右及び左の後車輪ケース8に亘って右及び左の伝動軸46が同芯状で相対回転自在に備えられ、右及び左の伝動軸46の間にスプロケット47が備えられて、副変速装置の動力が伝動チェーン48を介してスプロケット47に伝達されており、スプロケット47と右及び左の伝動軸46との間に右及び左のサイドクラッチ49が備えられている。右及び左のサイドクラッチ49は多板摩擦式に構成されており、バネ(図示せず)によって伝動状態に付勢されている。これにより、副変速装置の動力が伝動チェーン48、スプロケット47、右及び左のサイドクラッチ49(伝動状態)、右及び左の伝動軸46、右及び左の後車輪ケース8に内装された伝動軸50を介して、右及び左の後輪2に伝達されている。
【0022】
図6に示すように、ミッションケース40の前部の下部に、ラックギヤ51が右及び左の前車軸ケース41と平行に配置されて、ラックギヤ51と前輪支持ケース7とに亘ってタイロッド52が接続されている。ステアリングハンドル38によりラックギヤ51が右及び左の前車軸ケース41と平行にスライド操作されるように、ステアリングハンドル38とラックギヤ51とが連係されており、ステアリングハンドル38により右及び左の前輪1を操向操作することができる。
【0023】
図6に示すように、右及び左のサイドクラッチ49を遮断状態に操作する操作部53と前輪支持ケース7とに亘って、連係ロッド54が接続されている。これにより、右及び左の前輪1が直進位置、直進位置から右の設定角度及び直進位置から左の設定角度の範囲内に操向操作されていると、右及び左のサイドクラッチ49が伝動状態に操作されて、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2に動力が伝達されている。右及び左の前輪1が右又は左の設定角度を越えて右又は左に操向操作されると、連係ロッド54に引き操作によって旋回中心側のサイドクラッチ49が遮断状態に操作され、旋回中心側の後輪2が自由回転する状態となる(右及び左の前輪1、旋回外側の後輪2には動力が伝達されている)。
【0024】
[2]
次に、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2の支持構造について説明する。
図1及び図6に示すように、機体の左右中央に幅狭のミッションケース40が機体前後方向に備えられ、ミッションケース40の前部から右及び左の前車軸ケース41が延出されて、右及び左の前輪1を支持する前輪支持ケース7が、右及び左の前車軸ケース41の端部に操向自在に支持されている。ミッションケース40の後部の機体左右方向の横軸芯P1周りに、右及び左の後車輪ケース(車輪ケースの一例)8が独立に上下に揺動自在に支持され、右及び左の後車輪ケース8が後方に延出されて、右及び左の後車輪ケース8の後部に右及び左の後輪2が支持されている。
【0025】
後輪2,2に対する左右独立に作動するサスペンション機構25について説明する。前記したように、機体フレームの左右部から左右支持フレーム20、20を立設し、左右支持フレーム20、20の上端近くに亘って横フレーム21を取り付け固定してある。図3及び4に示すように、横フレーム21にローリング軸となる前後向き姿勢の単一の支持軸23を貫通する状態で固定するとともに、支持軸23の横フレーム21から張出した片持ち部分に、左右後車輪ケース8、8の間隔に対応する横向き長さでチャンネル状断面の受けフレーム24を装着し、その受けフレーム24を前記支持軸23の軸芯回りにローリング作動自在に構成してある。
【0026】
図3及び図4に示すように、揺動フレーム24の左右両端位置と後車輪ケース8、8との間に左右夫々のサスペンション機構25、25が装着してある。一方のサスペンション機構25は、後車輪ケース8に立設された支持ブラケット8aと、支持ブラケット8aに横向き軸芯P5回りで揺動自在に取り付けられた受部材26と、受部材26より立設され付勢用のゴムリング材28を支持する芯ロッド材27と、芯ロッド材27の上端部に外嵌されかつ揺動フレーム24の内部空間内に下方から入り込む円筒状の硬質樹脂製のアジャスタ部材29と、アジャスタ部材29の下端と受部材26の上端とに亘って架設されるジャバラ部材30と、芯ロッド材27の上端部に螺合してアジャスタ部材29を揺動フレーム24に連結するアジャスタボルト31とを、備えて構成してある。
【0027】
図4に示すように、ジャバラ部材30の内部には、複数個の付勢用の8個の軟質のゴムブロック28が芯ロッド材27に外嵌された状態でかつ上下に密接する状態で設けてあり、ゴムリング材28で後車輪ケース8を下向き付勢してある。
図3及び図4に示すように、アジャスタ部材29における芯ロッド材27の上端部を外嵌する部分には挿通孔29aを形成してあり、アジャスタ部材29に対する芯ロッド材27の相対上下動を許容するように構成してある。アジャスタ部材29を貫通して芯ロッド材27に螺合しているアジャスタボルト31は、アジャスタ部材29に対する芯ロッド材27の相対上下動に伴って一体で上下動し、揺動フレーム24に対して相対上下動可能に構成してある。
以上のような構成によって、水田での作業走行や路上走行等において、凹凸に応じて右及び左の後車輪ケース8(右及び左の後輪2)が独立に上下に揺動し、右及び左のサスペンション機構25、25によりショックが吸収される
【0028】
図3及び図4に示すように、アジャスタ部材29の上端面は半球状に形成されており、このアジャスタ部材29の上端面を支持する受けフレーム24にも、上向きに膨出する半球状受け面24bが形成されており、半球状受け面24bにアジャスタボルト31を貫通させる貫通孔24cが設けてある。
ここに、半球状のアジャスタ部材29の上端面と受フレーム24の半球状受け面24bとで受止融通機構を構成する。
このような構成によって、アジャスタ部材29の傾きに対しても、受けフレーム24での保持を安定して行えるように構成してある。
【0029】
以上のように、受けフレーム24の半球状受面24bとアジャスタ部材29の半球状上端面との組み合わせによって、一方の後輪2が凹凸部の影響を受けて昇降作動する場合に、図5に示すように、それを受けて受けフレーム24がローリング作動した場合にも、サスペンション機構25は垂直方向に伸縮作動することになり、後輪2が接地面に対して傾斜することはない。ここに、受フレーム24に対して直交する姿勢がサスペンション機構25の基準姿勢である。
【0030】
このことによって、例えば、受けフレーム24に連動してサスペンション機構25が接地面に対して傾斜を生じた場合に、昇降作動していない反対側の後輪2をも接地面に対して傾斜を生じることによって、走行が不安定になるといったことを抑制できる。
【0031】
次ぎに、受けフレーム24を水平姿勢(中立姿勢)に復帰させる中立復帰用付勢手段について説明する。図3及び図4に示すように、受けフレーム24の上方で左右支持フレーム20の上端に受止フレーム33が取付け固定してあり、受止フレーム33に中立復帰バネ34の上端部を受け止める受止座33aが形成してある。
【0032】
一方、前記した受止フレーム33の下方に位置する受けフレーム24の対応する部位には、上向きに縁部が突出するバーリング加工孔24aが設けてあり、このバーリング加工孔24aによって中立復帰バネ34の下端を受け止める載置座を構成してある。そして、上記した受けフレーム24のバーリング加工孔24aとその上方に位置する受止フレーム33の受止座33aとの間に中立復帰バネ34を装着してある。
中立復帰バネ34は左右一対配置されて、受けフレーム24を水平状態に中立復帰させるべく作動している。
【0033】
以上のように、サスペンション機構25の復帰付勢力とローリング作動する受けフレーム24に対する中立復帰付勢力との大きさ力関係は、サスペンション機構25の復帰付勢力を大きくしてあり、この大小関係によって夫々の作動形態は次ぎのようになる。
【0034】
つまり、受けフレーム24をローリング作動自在に構成してあるので、サスペンション機構25との協働によって、凹凸面に対する後車輪2の昇降量を大きく採ることができるとともに、サスペンション機構25として硬いものを採用できる。これによって、苗のせ台13での載置苗量が増大しても、後輪2等の沈み込みや苗植付装置6等が後下がりとなることを抑制できる。
一方、左右の凹凸が同じものである場合には、サスペンション機構25、25が作動して、接地追従性を確保している。
【0035】
図3及び図4に示すように、受けフレーム24のローリング軸芯を挟んで左右両側方上方位置に、受けフレーム24に当接作用して、ローリング作動を規制するローリング規制板(図示せず)を設けてある。これによって、ローリング作動を適正なものに抑えてある。
【0036】
開き防止機構としてスタビライザとして機能するものについて説明する。図4〜図6に示すように、右及び左の後車輪ケース8の内側部にブラケット8bが固定されており、右及び左の後車輪ケース8のブラケット8bに亘って、薄くて細長い板バネ部材(開き防止機構の一例)42が連結されている。これにより、右及び左の後車輪ケース8(右及び左の後輪2)に高さの差が発生すると、板バネ部材42の付勢力が右及び左の後車輪ケース8(右及び左の後輪2)の高さの差を無くす方向に作用する。右及び左の後車輪ケース8が右及び左の横外方に互いに離れようとしても、この状態が板バネ部材42によって抑えられる。
【0037】
[発明の実施の別形態]
(1)開き防止機構としては、板バネ部材42だけでなく、コイルスプリングを両ブラケット8b、8bに架設したものでもよい。
(2)前輪1に対して前記したサスペンション機構25、開き防止機構等を施してもよい。
(3)サスペンション機構25としては、複数個のゴムリング材28を重ねて使用しているが、コイルスプリングを使用してもよい。
(4)受けフレーム24を、機体フレームとしての横フレーム21に対するローリングをしていない中立姿勢に保持するものとして中立復帰バネ34を一対配置しているが、単一のコイルバネで中立復帰バネ34を採用してもよい。
(5)本発明は乗用型田植機ばかりではなく、機体の後部に直播装置を上下動自在に支持した水田作業機や、機体の後部に代掻きロータリを上下動自在に支持した水田作業機にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】乗用型田植機の全体平面図
【図3】左後車輪ケースと機体フレームとに亘って架け渡されたサスペンション機構を示す側面図
【図4】左右後車輪ケースと機体フレームとに亘って架け渡されたサスペンション機構、及び、開き防止機構を示す縦断背面図
【図5】左右サスペンション機構による後車輪ケースと後車輪との上下動状態を示す背面図
【図6】走行伝動構造を示す平面図
【符号の説明】
【0039】
2 後輪(車輪)
8 後車輪ケース
21 横フレーム(機体フレーム)
24 受けフレーム
25 サスペンション機構
34 中立復帰バネ(中立付勢手段)
42 板バネ部材(開き防止機構)
G 田面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を夫々備えた一対の車輪ケースと機体フレームに支持された受けフレームとに亘って、前記車輪ケースを独立して上下動可能に構成する一対のサスペンション機構を設けるとともに、受けフレームを前記機体フレームに対してローリング作動自在に支持し、前記一対の車輪ケースに渡って、前記車輪同士の高さ位置が異なることに対して抵抗を与えて同一高さ位置となる方向に付勢するとともに前記車輪ケース同士の設置間隔の広がりを阻止する開き防止機構を掛け渡してある作業車の走行装置。
【請求項2】
前記受けフレームに、その受けフレームを前記機体フレームに対してローリング作動していない中立姿勢に復帰させる中立付勢手段を作用させてある請求項1記載の作業車の走行装置。
【請求項3】
前記サスペンション機構の下向き付勢力を前記中立付勢手段の中立付勢力より大きくしてある請求項2記載の作業車の走行装置。
【請求項4】
前記サスペンション機構の上端部を受け止める前記受フレームと前記上端部に、前記サスペンション機構の前記受けフレームに対する基準姿勢から傾斜する姿勢への変化を許容する受止融通機構を設けてある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の作業車の走行装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−283916(P2008−283916A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132977(P2007−132977)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】