説明

作業車両のアタッチメント装着装置

【課題】 異なる機種間で部品を共通化したアタッチメント装着装置を提供する。
【解決手段】 ロックピンモータ402の出力軸にはピニオン403が装着され、ピニオン403には一対の水平なラック404U、404Lが噛合されている。ラック404U.404Lは、ピニオン403の近傍に設けられたガイド405によって水平方向に円滑にガイドされ、ピニオン403のラジアル方向について支承されている。これによって、ピニオン403の駆動力は確実にラック404U,404Lに伝達される。ロックピン407Pは、プレート112R、113Rと112L,113Lをそれぞれ貫通し、ラック404U,404Lの先端に設けられている。ロックピン407Pは、ラック404U,404Lの水平方向摺動によってバケット連結部320に対して進退し、バケット112のアタッチメント装着装置300に対する装着、取り外しが行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設車両等の作業車両のアタッチメント装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホイールローダやショベルローダ等の作業車両は、フロント作業機(以下、単に作業機)の先端にアタッチメントを装着して、土砂や飼料の運搬・積込、道路や構内の除雪、材木などの運搬等の様々な作業を行う。アタッチメントは作業内容に合わせて、バケット、ブレード、フォーク、クランプといった各種アタッチメントから選択され、ロックピンにより作業機に装着される。アタッチメントは通常、アタッチメント背面の左右を上下2箇所、計4箇所をロックピンで連結するが、作業機側の装着孔とアタッチメント側の装着孔とを芯合わせして前記ロックピンを挿入するという作業を4回行うのはかなりの手間がかかる。
【0003】
特許文献1および2に記載の作業車両では、作業機の先端には左右1対のアームとリンクとに連結されたアタッチメント装着装置(特許文献2ではアタッチメントヒッチ)が装着されており、バケット等の各種アタッチメントが着脱自在となっている。
【0004】
特許文献1においては、図11の第4実施形態や図12の第5実施形態として、油圧シリンダを伸縮してアタッチメント装着装置にバケットやブレードなどの各種アタッチメントを装着し、取り外すものが開示されている。
【0005】
特許文献2においては、図3〜図5に示す実施例として、油圧シリンダを伸縮してアタッチメントヒッチにバケットやブレードなどの各種アタッチメントを装着し、取り外すものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−247245号公報
【特許文献2】特開2001−107382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1および2記載の作業車両のアタッチメント装着装置では、各種アタッチメントを作業機に連結したアタッチメント装着装置(アタッチメントヒッチ)に各種アタッチメントを連結するピンを油圧シリンダで駆動している。作業車両は各種アタッチメントを使用して種々の作業を行うが、機種によってその連結構造の大きさが異なり、機種毎にアタッチメント装着装置を設計する必要がある。この場合、機種によって連結ピンのスクロールが異なるので、ストロークの異なる油圧シリンダを使用する必要があり、油圧シリンダを共通化することができず、コストが増加する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本発明にかかるアタッチメント装着装置にいて図面を参照して説明する。なお、符号は発明を理解するために便宜上付したもので、これにより、本発明が実施形態に限定されるものではない。
(1)請求項1に係る発明は、作業車両100のフロント作業機111に装着され、各種アタッチメントを簡便に装着するためのアタッチメント装着装置300において、装置本体と、前記装置本体の背面側に設けられ、前記フロント作業機111と連結される第1連結部330R,330Lと、前記装置本体の前面側に設けられ、前記アタッチメントがロックピン407Pにより連結される第2連結部320と、前記装置本体に設けられ、前記ロックピン407Pを駆動するロックピン駆動装置400とを備え、前記ロックピン駆動装置400は、モータ402と、前記モータ402の出力軸に装着したピニオン403と、前記ピニオン403と噛合して逆位相で駆動され、前記第2連結部320に対して前記ロックピン407Pを進退させる第1および第2ラック404U,404Lとを備えたことを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1記載のアタッチメント装着装置300において、前記モータ402は前記装置本体の中央部に配設され、モータ出力軸は作業車両100の進行方向に突出し、前記第1および第2ラック404U,404Lは、前記ピニオン403を上下で挟むようにピニオン403と噛合され、前記装置本体の中央部から前記作業車両100の進行方向と直交する左右方向に延在し、前記第1および第2ラック404U,404Lの先端には前記ロックピン407Pが設けられ、前記ロックピン407Pは、前記第1および第2ラック404U,404Lの左右方向の移動により前記第2連結部320のロックピン保持用貫通孔に挿通されることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2記載のアタッチメント装着装置300において、前記第1および第2ラック404U,404Lは、前記ピニオン403と噛合する箇所において上下方向の移動を拘束するガイド405で支承されるとともに、先端に設けた前記ロックピン407Pの先端が前記ロックピン保持用貫通孔のライナ316に挿通して係止されることで左右方向の動作がガイドされるように構成されていることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項2記載のアタッチメント装着装置300において、前記第2連結部320には、その上部側に、前記アタッチメントの上部に設けられた左右のフック112fが係止される左右一対の連結軸315R,315Lが設けられ、前記第2連結部320の下部側には、前記ロックピン407Pを前記アタッチメントの貫通孔112hに挿入して保持するロックピン保持用貫通孔が設けられていることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項4記載のアタッチメント装着装置300において、前記第1および第2ラック404U,404Lは、前記ピニオン403と噛合する箇所において上下方向の移動を拘束するガイド405で支承されるとともに、先端に設けた前記ロックピン407Pの先端が前記ロックピン保持用貫通孔のライナ316に挿通して係止されることで左右方向の動作がガイドされるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、作業車両の異なる機種間において部品の共通化を図ることができ、コストを低減したアタッチメント装着装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明によるアタッチメント装着装置の実施形態を備えた作業車両を示す側面図。
【図2】図1の作業用油圧回路とアタッチメント装着用油圧回路を示す図。
【図3】図1の作業車両におけるアタッチメント装着装置をバケット側から見た斜視図。
【図4】図1の作業車両におけるアタッチメント装着装置を車両側から見た斜視図。
【図5】アタッチメント装着装置をバケット側から見た正面図であり、ロックピン407Pを連結部320に進出させた状態を示す図。
【図6】アタッチメント装着装置をバケット側から見た正面図であり、ロックピン407Pを連結部320から退避させた状態を示す図。
【図7】バケットをアタッチメント装着装置から取り外す手順を説明する図。
【図8】バケットをアタッチメント装着装置に取り付ける手順を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1〜図8を参照して本発明による作業車両の走行制御装置の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る走行制御装置が適用される作業車両の一例であるホイールローダの側面図である。ホイールローダ100は、アーム111,バケット112,アタッチメント装着装置300、タイヤ113等を有する前部車体110と、運転室121,エンジン室122,タイヤ123等を有する後部車体120とで構成される。アーム111はアームシリンダ114の駆動により上下方向に回動(俯仰動)し、バケット112はバケットシリンダ115の駆動により上下方向に回動(ダンプまたはクラウド)する。前部車体110と後部車体120はセンターピン101により互いに回動自在に連結され、ステアリングシリンダ(不図示)の伸縮により後部車体120に対し前部車体110が左右に屈折(転舵)する。
【0012】
図1に示すように、バケット112はアタッチメント装着装置300によってアーム111に連結され、さらにアタッチメント装着装置300は、リンク116、117を介してバケットシリンダ115に連結されている。
【0013】
この実施形態のホイールローダは、走行用油圧回路と、作業用油圧回路と、アタッチメント着脱用油圧回路とを有している。走行用油圧回路は、図示は省略するが、エンジンによって駆動される可変容量形油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油により駆動される可変容量形油圧モータとを有し、油圧ポンプと油圧モータを一対の主管路によって閉回路接続したHST回路により構成されている。アクセルペダルの踏み込み量に連動してエンジン回転数を制御して油圧ポンプの吐出流量を増減し、油圧モータの回転数を制御する。油圧モータの傾転は走行用油圧回路の圧力に依存して調整される。
【0014】
作業用油圧回路とアタッチメント着脱用油圧回路を図2に示す。エンジンにより駆動される作業用油圧ポンプ201からの圧油は、コントロールバルブ202、203を介してアームシリンダ114とバケットシリンダ115に供給される。コントロールバルブ202が「RAISE」位置に切換えられると、アームシリンダ114のボトム室に圧油が供給され、アームシリンダ114が伸張してアーム111が上昇する。コントロールバルブ202が「LOWER」位置に切換えられると、ロッド室に圧油が供給され、アームシリンダ114が縮退してアーム111が降下する。
【0015】
コントロールバルブ202が中立位置NPに切換えられると、アームシリンダ114と油圧ポンプ201とが遮断され、アーム111の姿勢が維持される。コントロールバルブ202が「FLOAT」位置に切換えられると、アームシリンダ114は、そのボトム室とロッド室とが連通されたフロート状態となり、バケット112が地面に接して走行する際に地面の凹凸に対してバケット112とアーム111が追従する。
【0016】
コントロールバルブ203が「DUMP」位置に切換えられると、バケットシリンダ115のボトム室に圧油が供給され、バケットシリンダ115が伸張してバケット112がダンプ動作する。コントロールバルブ203が「CLAWED」位置に切換えられると、バケットシリンダ115のロッド室に圧油が供給され、バケットシリンダ115が縮退してバケット112がクラウド動作する。コントロールバルブ203が中立位置NPに切換えられると、バケットシリンダ115と油圧ポンプ201とが遮断され、バケット112の姿勢が維持される。
【0017】
アタッチメント着脱用油圧回路は、コントロールバルブ401と、ロックピンモータ402とを有する。油圧ポンプ201からの圧油はコントロールバルブ401により制御され、この圧油によりロックピンモータ402が正転、逆転される。後述するように、ロックピンモータ402はラックアンドピニオンの駆動源であり、ラックアンドピニオンの駆動によりアタッチメント装着装置300にバケット112を装着し、アタッチメント装着装置300からバケット112を取り外す。アタッチメント装着装置300については後述する。
【0018】
図3〜図6によりアタッチメント装着装置300を説明する。図3はアタッチメント装着装置300を車両前方のバケット側から見た図であり、アタッチメント装着装置300のバケット側を前面と呼ぶ。図4はアタッチメント装着装置300を作業車両側から見た図であり、アタッチメント装着装置300の作業車両側を背面と呼ぶ。図5および図6は、アタッチメント装着装置300の前面から見た正面図である。図5は、バケット112をアタッチメント装着装置300に連結するロックピン407Pを連結部320に進出させた状態を示す。図6は、バケット112をアタッチメント装着装置300に連結するロックピン407Pを連結部320から退避させた状態を示す。
【0019】
アタッチメント装着装置300は、右側において左右方向に所定間隔で並設された3枚のプレート311R,312R,313Rと、左側において左右方向に所定間隔で並設された3枚のプレート311L,312L,313Lと、右側の2枚のプレート311R、312Rと左側の2枚のプレート311L、312Lを上下でそれぞれ連結する上側連結軸314Uおよび下側連結軸314Lと、プレート312Rの外方に所定間隔で右端プレート313Rを接続するフック連結軸315Rと、プレート312Lの外方に所定間隔で左端プレート313Lを接続するフック連結軸315Lとを備えている。これらの各部材が装着装置本体を構成する。フック連結軸315Rとフック連結軸315Lには、バケット112の背面の左右に設けたフック112fが係止される
【0020】
プレート312R、312Lには貫通孔が設けられ、貫通孔にはロックピン407Pを摺動可能に軸支するライナ316が設けられている。右端プレート313Rと左端プレート313Lにも貫通孔が設けられ、貫通孔にはロックピン407Pを摺動可能に軸支するライナ317が設けられている。ライナ316と317、すなわち、プレート312R、312Lの貫通孔と、左右端プレート313R、313Lの貫通孔とは同軸である。右側のロックピン407Pは、プレート312Rと313Rを貫通して両端が支持され、左側のロックピン407Pは、プレート312Lと313Lとを貫通して両端が支持される。これら各プレート312R、313R、312L、313Lの貫通孔はロックピン保持用貫通孔である。
【0021】
以上のように、プレート312Rと313Rとの間、およびプレート312Lと313Lとの間には、連結軸315R,315Lと、ロックピン407Pが配設され、これらがバケット112を連結するためのバケット連結部320として機能する。すなわち、アタッチメント装着装置300の前面の左右端には、バケット112を連結するバケット連結部320が設けられている。
【0022】
アタッチメント装着装置300の背面の左右端には、作業機のアーム111と連結されるアーム連結部330R、330Lが設けられ、背面中央部には、リンク117と連結されるリンク連結部340が設けられている。
【0023】
アーム連結部330R、330Lについて説明する。アタッチメント装着装置300の右側の2枚のプレート311Rと312Rの下部には、貫通孔がそれぞれ設けられたボス331R、332Rが設けられている。左側の2枚のプレート311Lと312の下部には、貫通孔がそれぞれ設けられたボス331L、332Lが設けられている。図4では、アーム111と連結部330R、330Lとを連結するためのピン333が装着された状態を示している。すなわち、アタッチメント装着装置300は、アーム連結部330R、330Lに挿入されたアーム111の先端に連結ピン333を挿通することにより、アーム111と連結される。
【0024】
また、アタッチメント装着装置300の背面中央部には、上下連結軸314Uと314Lとの間に一対のプレート341が架設されている。一対のプレート341の上部には、リンク117を連結するためのリンク連結部340が設けられている。リンク117は、一対のプレート341の間のリンク連結部340に挿入され、図4に示す連結ピン342が一対のプレート341間に装着されることにより、アタッチメント装着装置300に連結される。
【0025】
アタッチメント装着装置300の背面中央部にはロックピン駆動装置400が設けられている。ロックピン駆動装置400について詳述する。
一対のプレート341の下部には、ロックピンモータ402が設置されている。ロックピンモータ402の出力軸は車両進行方向に突出し、その先端にピニオンギア403が取り付けられ、ピニオンギア403には上下一対のラック404Uと404Lが噛合している。すなわち、上下一対のラック404Uと404Lはピニオン403を上下で挟むように噛合しており、ラック404U、404Lは逆位相で駆動される。ラック404Uと404Lは、下側連結軸314Lと平行に、プレート311R、311Lにあけた開口部を貫通してプレート312R、312Lの近傍まで延在している。上下一対のラック404U,404Lは、ピニオン403と噛合する箇所でガイド405により左右に摺動可能に支持されている。すなわち、ラック404U、404Lは、車両左右方向に水平に延在している。
【0026】
ラック404U,404Lの先端部には連結板406R,406Lを介してロックピン407Pが設けられている。右側のロックピン407Pは、右側プレート312Rの貫通孔を介して、プレート312Rと313Rとの間の空間のバケット連結部320に対して進退する。左側のロックピン407Pは、左側プレート312Lの貫通孔を介して、プレート312Lと313Lとの間の空間のバケット連結部320に対して進退する。
【0027】
ロックピン407Pの先端は、装着装置300の左右端面となるプレート313Rと313Lに設けられたロックピン保持用貫通孔に保持される。すなわち、ロックピン407Pは、プレート312Rと312Lに設けたライナ316と、プレート313Rと313Lに設けたライナ317により摺動可能に支承されている。
【0028】
以上説明した、ロックピンモータ402と、ピニオン403と、ラック404U,404Lがロックピン駆動装置である。
【0029】
図7および図8も参照して、アタッチメント装着装置300をアーム111に連結する手順について説明する。図7を参照してバケット取り外し手順を説明すると、以下の通りである。
【0030】
(1)図7(a)に示すように、バケット112を水平地面に載置されたパレット500の上方20cmの高さ位置で図示のような姿勢で配置される。
【0031】
(2)コントロールバルブ401を切換操作してロックピンモータ402を正転させる。これにより、ラック404U,404Lがアタッチメント装着装置300の内側に移動して、ロックピン407Pがバケット112の連結孔112hから外れる。バケット112が取り外されたときでも、ロックピン407Pの基端部は、プレート312R、312Lのライナ317に保持されている。
【0032】
(3)アーム111を降下させると、バケット112の爪がパレット500に接し、その後、図7(b)に示すように、アタッチメント装着装置300がバケット112から離脱する。
【0033】
図8を参照してバケット取付手順を説明すると、以下の通りである。
(1)図8(a)に示すように、バケット112を水平地面に載置されたパレット500に図示のような姿勢で載置する。
(2)アーム111を図8(a)に示す姿勢に制御して作業車両を前進させ、アタッチメント装着装置300のフック連結軸315R、315Lをバケット112のフック112fの下側に位置させる。
【0034】
(3)その後、アーム111を上昇させ、バケット112のフック112fをフック連結軸315R、315Lで引っ掛ける。さらに、アーム111を上昇させてバケット111を後傾させる。この操作により、バケット112の連結孔112hとアタッチメント装着装置300の貫通孔との位置合わせ行う。
【0035】
(4)バケット112の連結孔112hとアタッチメント装着装置300の貫通孔とを位置合わせした後、コントロールバルブ401を切換え、ロックピンモータ402を逆転させる。これによりラック404U,404Lをアタッチメント装着装置300の外側に移動させる。ラック404U,404Lの移動により、ロックピン407Pがバケット112の連結孔112hに挿入し、ロックピン407Pの先端がプレート313R,313Lのライナ317に挿入される。
【0036】
(5)コントロールバルブ401を中立位置に切り替え、ロックピン407Pの位置を油圧的に固定保持する。
以上により、バケット112がアタッチメント装着装置300に装着される。
【0037】
以上の実施形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)バケット112とアタッチメント装着装置300とを連結するロックピン407Pの駆動機構としてラックアンドピニオン機構を採用した。油圧シリンダによりロックピンを駆動する従来の機構では、ロックピンの要求移動量をXR、油圧シリンダのストローク量をXCとすると、XC=2XRとなり、機種によってロックピンの要求移動量XRが変更されると、油圧シリンダの仕様も変更する必要がある。
これに対して、実施形態の装置では、機種によってロックピンの要求移動量XRが異なっても、ロックピンモータ402,ピニオン403,ガイド405、ライナ316,317は変更せず、これらの部品を機種間で共通化することができる。したがって、構成部品の共通化が容易となり、コストを低減できる。
【0038】
以上の実施形態を以下のように変形して実施することができる。
(1)アタッチメントとしてホイールローダ100で使用するバケット112の例を示した。しかし、他のアタッチメントにも本発明を適用でき、ホイールローダ以外の作業車両におけるアタッチメントにも本発明を適用し得る。
【0039】
(2)ロックピンモータ402として油圧モータを採用したが、電動モータその他の回転駆動源を採用することも可能である。
【0040】
(3)バケット112の背面左右にはバケット連結部を設けられ、その上部にフック112fが、下部にロックピン407Pが挿通される貫通孔が設けられている。そして、フック112fをフック連結軸315R,315Lに係止し、アーム111の回動によりフック連結軸周りにバケット112を後傾させ、ロックピン407Pを貫通孔に挿通してアタッチメント装着装置300にバケット112を装着するようにした。しかし、バケット連結部320の構成は実施形態に限定されない。
【0041】
以上の実施形態は一例であり、本発明は実施形態や変形例になんら限定されない。したがって、モータの出力軸に装着したピニオンと噛合して逆位相で駆動される第1および第2のラックを有し、アタッチメントが連結されるロックピンを第1および第2のラックにより進退させるロックピン駆動装置を有する種々のアタッチメント装着装置に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
100 ホイールローダ
101 センターピン
110 前部車体
111 アーム
112 バケット
112f フック
112h 連結孔
113 タイヤ
114 アームシリンダ
115 バケットシリンダ
116、117 リンク
120 後部車体
121 運転席
122 エンジン室
123 タイヤ
202,203,401 コントロールバルブ
201 油圧ポンプ
300 アタッチメント装着装置
311R,311L,312R,312L,313R,313L プレート
315R,315L フック連結軸
316,317 ライナ
320 バケット連結部
340 リンク連結部
400 ロックピン駆動装置
402 ロックピンモータ
403 ピニオン
404U、404L ラック
405 ガイド
406R,406L 連結プレート
407P ロックピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両のフロント作業機に装着され、各種アタッチメントを簡便に装着するためのアタッチメント装着装置において、
装置本体と、
前記装置本体の背面側に設けられ、前記フロント作業機と連結される第1連結部と、
前記装置本体の前面側に設けられ、前記アタッチメントがロックピンにより連結される第2連結部と、
前記装置本体に設けられ、前記ロックピンを駆動するロックピン駆動装置とを備え、
前記ロックピン駆動装置は、
モータと、
前記モータの出力軸に装着したピニオンと、
前記ピニオンと噛合して逆位相で駆動され、前記第2連結部に対して前記ロックピンを進退させる第1および第2ラックとを備えたことを特徴とするアタッチメント装着装置。
【請求項2】
請求項1記載のアタッチメント装着装置において、
前記モータは前記装置本体の中央部に配設され、モータ出力軸は作業車両の進行方向に突出し、
前記第1および第2ラックは、前記ピニオンを上下で挟むようにピニオンと噛合され、前記装置本体の中央部から前記作業車両の進行方向と直交する左右方向に延在し、
前記第1および第2ラックの先端には前記ロックピンが設けられ、
前記ロックピンは、前記第1および第2ラックの左右方向の移動により前記第2連結部のロックピン保持用貫通孔に挿通されることを特徴とするアタッチメント装着装置。
【請求項3】
請求項2記載のアタッチメント装着装置において、
前記第1および第2ラックは、前記ピニオンと噛合する箇所において上下方向の移動を拘束するガイドで支承されるとともに、先端に設けた前記ロックピンの先端が前記ロックピン保持用貫通孔のライナに挿通して係止されることで左右方向の動作がガイドされるように構成されていることを特徴とするアタッチメント装着装置。
【請求項4】
請求項2記載のアタッチメント装着装置において、
前記第2連結部には、その上部側に、前記アタッチメントの上部に設けられた左右のフックが係止される左右一対の連結軸が設けられ、前記第2連結部の下部側には、前記ロックピンを前記アタッチメントの貫通孔に挿入して保持するロックピン保持用貫通孔が設けられていることを特徴とするアタッチメント装着装置。
【請求項5】
請求項4記載のアタッチメント装着装置において、
前記第1および第2ラックは、前記ピニオンと噛合する箇所において上下方向の移動を拘束するガイドで支承されるとともに、先端に設けた前記ロックピンの先端が前記ロックピン保持用貫通孔のライナに挿通して係止されることで左右方向の動作がガイドされるように構成されていることを特徴とするアタッチメント装着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−233332(P2012−233332A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101787(P2011−101787)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】