作業車両の制御装置
【課題】作業車両のモニタ表示器において、作業走行状態のモニタ表示からメンテナンス表示、モニタ表示器のコントラスト調整に迅速に移行させ、操作性の向上によって作業能率を高める。
【解決手段】表示切換スイッチ(SW1)の入り操作により、モニタ表示器(12)の表示画面を順次切り換え、スイッチ(SW2)の入り操作でメンテナンスモードを選択し、表示切換スイッチ(SW1)の入り操作でメンテナンスモードの表示画面を順次切り換え、スイッチ(SW2)の入り操作でコントラスト調整モードを選択し、表示切換スイッチ(SW1)の入り操作でコントラスト調整モードの表示画面を順次切り換えるように前記モニタ表示制御コントローラ(C1)を構成する。
【解決手段】表示切換スイッチ(SW1)の入り操作により、モニタ表示器(12)の表示画面を順次切り換え、スイッチ(SW2)の入り操作でメンテナンスモードを選択し、表示切換スイッチ(SW1)の入り操作でメンテナンスモードの表示画面を順次切り換え、スイッチ(SW2)の入り操作でコントラスト調整モードを選択し、表示切換スイッチ(SW1)の入り操作でコントラスト調整モードの表示画面を順次切り換えるように前記モニタ表示制御コントローラ(C1)を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバイン等の作業車両の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインの制御装置において、脱穀部、刈取部、運転席を備え、収穫作業動作状況を表示する総合表示器を運転席近傍の操作部に設け、総合表示器のモニタ表示部を、車速の表示と、コントローラの情報表示に、切換スイッチの操作により切り換えるものは、公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−251939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来の作業車両の制御装置は、モニタ表示器の作業走行状態のモニタ表示からメンテナンスモード及びモニタ表示器のコントラスト調整モードへ迅速に移行することができず、作業能率を高めることができないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、上述の如き課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、操縦部(3)と作業部(5)を具備する作業車両であって、前記操縦部(3)にモニタ表示器(12)を設け、該モニタ表示器(12)の表示状態を制御するモニタ表示制御コントローラ(C1)と作業走行制御用の作業走行制御コントローラ(C2)を通信手段を介して接続し、表示切換スイッチ(SW1)の入り操作に基づいて前記モニタ表示器(12)の複数の表示画面を順次切り換える構成とし、この複数の表示画面の中にメンテナンスモードを設け、設定スイッチ(SW2)の入り操作によってこのメンテナンスモードを選択した後、前記表示切換スイッチ(SW1)の入り操作によってメンテナンスモードの中に設定された複数の表示画面を順次切り換える構成とし、該メンテナンスモードには前記モニタ表示器(12)のコントラスト調整モードを設け、前記設定スイッチ(SW2)の入り操作によってこのコントラスト調整モードを選択した後、表示切換スイッチ(SW1)の入り操作によりコントラスト調整モードの中に設定された複数の表示画面を順次切り換えるように前記モニタ表示制御コントローラ(C1)を構成したことを特徴とする作業車両とする。
【0005】
この構成によると、作業部5を具備する作業車両の操縦部3にはモニタ表示器12が設けられていて、表示切換スイッチSW1の入り操作により、モニタ表示器12の表示画面が順次切り換えられ、作業車両の作業状態や走行状態が順次表示される。この表示画面の中にはメンテナンスモードが設けられていて、設定スイッチSW2の入り操作によりメンテナンスモードが択され、表示切換スイッチSW1の入り操作により、メンテナンスモードの表示画面が順次切り換えられ、必要なメンテナンス情報を得ることができる。そして、メンテナンスモードにはモニタ表示器12のコントラスト調整モードが設けられていて、設定スイッチSW2の入り操作によりコントラスト調整モードが選択され、表示切換スイッチSW1の入り操作により表示画面が順次切り換えられ、コントラストの調整がなされる。
【発明の効果】
【0006】
この発明によると、モニタ表示器12の作業走行状態の表示画面から表示切換スイッチSW1及び設定スイッチSW2の操作だけで、メンテナンスモードへの移行及びメンテナンスモードの画面選択をすることができて、作業中のメンテナンスが容易になり、また、メンテナンスモードの中にモニタ表示器12のコントラスト調整モードが設けられていて、表示切換スイッチSW1及び設定スイッチSW2の操作だけで、作業中に迅速にモニタ表示器12のコントラストを調整することができ、操作性の向上によって作業能率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に示すこの発明の実施の形態について説明する。
まず、図1により本発明を備えたコンバインの全体構成について説明する。図1にはコンバインの全体側面図が図示されている。コンバインの走行車体1の下方には左右走行クローラ2,2を配設し、走行車体1上には、右側前部に座席付きの操縦部3を、その後方にはエンジン(図示省略)及び穀粒収納用のグレンタンク4を配設し、走行車体1の左側部に脱穀部5を搭載し、脱穀部5の下方には選別部6を設け、走行車体1の前側部には刈取搬送部7を昇降自在に設けている。また、脱穀部5及びグレンタンク4の後方に排稾処理装置8を設け、脱穀部5で脱穀された排稾を排稾搬送装置9により排稾処理装置8に送り、細断処理をして機外に排出するように構成している。
【0008】
次に、図2に基づき操縦部3について説明する。
操縦部3の座席3aの前側部には、フロント操作ボックス3bを、左側部にはサイド操作ボックス3cを設けている。フロント操作ボックス3bの右側端部にパワステアリングレバー11を、正面部にモニタ表示器12を設け、サイド操作ボックス3cには、前側から後側にかけてスイッチの入切を表示するスイッチパネル13、エンジンの燃料噴射量を調節するアクセルレバー14、エンジンからの走行動力及び作業動力を無段変速する無段変速装置(図示省略)変速用の主変速レバー15、副変速装置(図示省略)変速用の副変速レバー16、刈取搬送部7及び脱穀部6への動力入切用の刈取脱穀クラッチレバー17を配設している。なお、図3はモニタ表示器12の拡大正面図で中央部に液晶表示部12aを設けている。
【0009】
なお、前記パワステアリングレバー11は、機体の進行方向を変更し、あるいは、刈取搬送部7を昇降するもので、パワステアリングレバー11を左側に操作すると、倒し操作量に応じて機体の走行方向が左側に方向修正され、右側に操作すると右側に方向修正され、また、パワステアリングレバー11を前方に操作すると、刈取搬送部7が下降され、後方に操作すると上昇される構成である。
【0010】
次に、図4に基づきコンバインのモニタ表示装置のブロック構成について説明する。
モニタ表示制御用のモニタ表示制御コントローラC1、刈取走行制御用の刈取走行制御コントローラC2及び車体の水平制御用の車体水平制御コントローラC3を近接配置し、これらコントローラC2,C3をCAN通信等のコントローラ間通信手段C1aを経由してモニタ表示制御コントローラC1のモニタ表示項目選択手段C1bに接続し、モニタ表示項目選択手段C1bからモニタ表示制御手段C1c、液晶出力回路C1dを経て、モニタ表示器12の液晶本体12aにモニタ表示をするように構成している。また、表示切換スイッチSW1、ホーン停止スイッチSW2をデジタル信号入力処理回路を経由して、モニタ表示制御コントローラC1のモニタ表示項目選択手段C1bに入力している。
【0011】
前記モニタ表示器12には表示切換スイッチSW1、ホーン停止スイッチSW2を設け、この表示切換スイッチSW1のON操作毎に、所定の順番によりモニタ表示内容を変更するように構成している。そして、表示切換スイッチSW1のON操作にもかかわらず、前記刈取走行制御コントローラC2、車体水平制御コントローラC3からのモニタ情報が得られないと判断した場合には、当該コントローラのモニタ情報を表示せずに、次の表示切換スイッチSW1のON操作により次の順位のモニタ情報を表示するようにしている。
【0012】
図5(A)はモニタ表示の切換状態を示すもので、例えば、モニタ表示制御コントローラC1に刈取走行制御コントローラC2及び車体水平制御コントローラC3が接続されている場合には、表示切換スイッチSW1の第1のON操作により、標準画面の「エンジンの負荷表示、走行速度及びグレンタンク4の穀粒収納量、燃料の残量」が表示される。次いで、表示切換スイッチSW1の第2のON操作により、左右傾斜状態表示画面の「車体水平制御による車体傾斜状態」が表示され、表示切換スイッチSW1の第3のON操作により、車高状態表示画面の「車体水平制御による車高状態」が表示される。
【0013】
また、モニタ表示制御コントローラC1に車体水平制御コントローラC3が接続されていない場合(あるいは、通信回線の故障の場合)には、図5(B)に示すように、表示切換スイッチSW1の第1のON操作により、標準画面の「エンジンの負荷表示、走行速度及びグレンタンク4の穀粒収納量、燃料の残量」が図5(A)と同様に表示される。次いで、表示切換スイッチSW1の第2のON操作をしても、左右傾斜状態表示画面の「車体水平制御による車体傾斜状態」のモニタ情報が受信されていない場合には、モニタ表示がされない。また次いで、表示切換スイッチSW1の第3のON操作をしても、車高状態表示画面の「車体水平制御による車高状態」のモニタ情報が受信されてないときには、モニタ表示はされない。
【0014】
次に、図6に基づきモニタ表示の他の実施形態について説明する。
この実施形態は、コンバインのエンジン、作業部の稼動状況及び稼動情報の表示の中にメンテナンスモードの表示を加えて、作業中にメンテナンスを容易に実行しようとするものである。
【0015】
前記表示切換スイッチSW1の第1の押し操作により、6aに示すように、通常画面に移行し、「エンジンの負荷状態、グレンタンク4の貯溜量、車速、燃料タンクの燃料残量、ライトの照明状態」が表示される。次いで、第2の押し操作により、6bに示すように、車体表示に移行し、「車高状態」が表示される。次いで、第3の押し操作により、6cに示すように、メンテナンスモードに移行する。
【0016】
そして、例えばホーン停止スイッチSW2をオンする毎に、6dに示すように、メンテナンス項目が所定の順序で順次切り換えられた後に、6eに示すように、モニタ表示器12の液晶本体12aの「コントラスト調整モード」に移行する。次いで、ホーン停止スイッチSW2を押すと、6fに示すように、ウインカのコントラスト調整画面に移行し、調整ボタン「薄」の矢印あるいは「濃」の矢印を押してコントラストを調整をする。次いで、表示切換スイッチSW1を押すと、6gに示すように、「液晶コントラスト調整画面」に移行し、調整ボタン「薄」の矢印あるいは「濃」の矢印を押すと、コントラストが調整される。
【0017】
次いで、表示切換スイッチSW1を押すと、6hに示すように、コントラスト調整モードの終了画面に移行し、表示切換スイッチSW1を押すとモードが終了し、ホーン停止スイッチSW2を押すと、前記コントラストの調整モード画面(6f)に戻り、前記調整画面が繰り返し表示される。
【0018】
前記構成によると、モニタ表示器12の表示画面の作業走行状態の切り換え表示から表示切換スイッチSW1の操作だけでメンテナンスモードに移行するので、作業中のメンテナンスが容易になりる。また、メンテナンスモードの中に液晶コントラスト調整が組み込まれているので、作業中に迅速に液晶表示のコントラスト調整を行なうことができる。
【0019】
次に、図7に基づき排出オーガー25の操作スイッチ構成について説明する。
グレンタンク4に収納した穀粒を排出オーガー25により排出するように構成している。排出オーガー25は、図1に示すように、縦排出オーガー25aと、基部横排出オーガー25bと、基部横排出オーガー25bに伸縮自在の先端横排出オーガー25cと、先端横排出オーガー25cの先端に設けた排出口25dにより構成されていている。そして、アクチュエータにより縦排出オーガー25aの軸芯回りに基部横排出オーガー25b及び先端横排出オーガー25cを旋回させることができ、また、基部横排出オーガー25bに対して先端横排出オーガー25cを伸縮調節することができ、また、基部横排出オーガー25b及び先端横排出オーガー25cを軸心回りに回動して、排出口25dを左右に回動調節できるように構成している。
【0020】
次に、図7に基づき排出オーガー25のスイッチ構成について説明する。
オーガスイッチパネル26を上下方向に長い箱体に構成し、平面視で上側部26a及び下側部26bを左右幅広に構成し、上下中間部26cを幅狭にし凹ませた構成としている。そして、幅広の上側部26aの上部には、排出オーガー25を作動状態にする排出オーガーオンスイッチSW11、切り状態とする排出オーガー停止スイッチSW12、及び、排出オーガーオンスイッチSW11がオンすると点灯する排出表示燈30を設けている。その下方のには、張出し自動スイッチSW13、収納自動スイッチSW14を左右に並設している。
【0021】
また、その下方には、基部横排出オーガー25b、先端横排出オーガー25cの左右旋回用の左旋回スイッチSW15、右旋回スイッチSW16を左右に並設し、基部横排出オーガー25b、先端横排出オーガー25cの上下回動用の上回動スイッチSW17、下回動スイッチSW18を上下に配設している。また、これらスイッチの中心部に平面視変形+形の隆起部26dを設け、これらスイッチの境界部としている。
【0022】
また、下側部26bの上側部には、先端排出オーガー25c伸縮用の伸長調節スイッチSW19、短縮調節スイッチSW20を上下に並設し、また、排出口25dの左右調節用の左回動スイッチSW21、右排出スイッチSW22を左右に並設している。そして、これらスイッチの中心部に平面視変形+形の隆起部26eを設け、これらスイッチの境界部としている。また、その下方には、基部横排出オーガー25b、先端横排出オーガー25cを旋回させて左右張り出し位置調整用の左張出し調節スイッチSW23、右張出し調節スイッチSW24を設けている。また、オーガスイッチパネル26の表面の周辺部に、前記各スイッチSW15〜SW22の押し面よりも高い周辺隆起部28を設けている。
【0023】
前記構成によると、上下方向に長いオーガスイッチパネル26を、平面視で上側部26a及び下側部26bを左右幅広に、中間部26cを幅狭にし凹ませて構成したので、中間部26cを握ることで、滑り止めとなりスイッチの誤操作を防止することができる。また、隆起部26c,26d及び周辺隆起部28を基準にすることにより、スイッチの位置を容易に判別でき誤操作を防止することができる。
【0024】
また、次のように構成してもよい。前記左右旋回用の左旋回スイッチSW15、右旋回スイッチSW16を寒色で着色し、また、前記上回動スイッチSW17、下回動スイッチSW18を暖色に着色する。このように構成することにより、スイッチを見ただけで作動方向のイメージができ、操作が容易となる。
【0025】
また、次のように構成してもよい。前記左旋回スイッチSW15、右旋回スイッチSW16、上回動スイッチSW17及び下回動スイッチSW18を、例えば暖色により着色し、前記伸長調節スイッチSW19、短縮調節スイッチSW20、左回動スイッチSW21及び右排出スイッチSW22を、例えば寒色により着色する。すると、スイッチ位置の把握が容易となり、誤操作を少なくすることができる。
【0026】
また、次のように構成してもよい。前記左右旋回用の左旋回スイッチSW15、右旋回スイッチSW16を、薄い暖色で左右に並設し、前記上回動スイッチSW17、下回動スイッチSW18を、濃い暖色で上下に並設し、前記伸長調節スイッチSW19、短縮調節スイッチSW20を、濃い寒色で上下に並設し、前記左回動スイッチSW21、右排出スイッチSW22を、薄い寒色により左右に並設する。前記構成によると、色彩によりスイッチ位置の把握が容易となり、誤操作を少なくすることができる。
【0027】
また、オーガスイッチパネル26を上下方向に長く構成し、平面視で上側部26a及び下側部26bを左右幅広に構成し、上下中間部26cを左右幅狭にして凹ませた構成とし、裏面における左右中央部に上下方向に沿わせて凹ませた縦溝部26fを構成している。
【0028】
前記構成によると、オーガスイッチパネル26を左右両側から両手で握ると、小指の先端を縦溝部26fに引っ掛けることができて、確実に握ることができ、スイッチの誤操作を防止することができる。
【0029】
また、図8に示すように構成してもよい。オーガスイッチパネル26の裏面の左右中央部には、上下方向の縦溝部26fを構成し、裏面の凹んだ左右中央の縦溝部26f、その左右両側の左右平面部26g,26hには、多数の横溝26i,…を所定間隔毎に多数形成している。なお、これらの縦溝部26f及び横溝26i,…をインジェクションにより一体成形する。記構成によると、オーガスイッチパネル26が滑りにくスイッチの誤操作を防止し、軽量にすることができる。
【0030】
また、図9に示すように、オーガスイッチパネル26の裏面左右中央部には、上下方向の縦溝部26fを形成し、縦溝部26fの左右側方の左右平面部26g,26hに、所定間隔毎に無数の小さな凹部26j,…を形成しても、前記と同様の効果が期待できる。
【0031】
次に、図10に基づき排稾搬送装置の他の実施形態について説明する。
脱穀部5は、図10に示すように、扱室5a、扱室5a内に軸架している扱胴5b、扱胴5bの左側方に設けたフィードチエン5c、扱胴5bの側方に軸架している二番処理胴5d、排塵処理胴5e等で構成されている。フィードチエン5cの終端側に排稾搬送装置9の始端側を連設している。この排稾搬送装置9は、始端側を機体左側に、終端側を機体右側に配置し、平面視で機体内側に向けて排藁を傾斜搬送しながら後続の排稾処理装置8(図1に示す)に供給するようにしている。
【0032】
排稾搬送装置9は、排稾根元搬送チエン9a、この下側に対向する挟持棒(図示省略)と、排稾穂先搬送チエン9b、この下側に対向する挟持棒(図示省略)と、排稾根元搬送チエン9aと排稾穂先搬送チエン8bの間に搬送始端側にだけ設けている引継ぎ搬送チエン9c、この下側に対向する挟持棒(図示省略)により構成されていて、引継ぎ搬送チエン9cの始端側を平面視でフィードチエン5cの終端側右側部に接近させて設けている。そして、扱胴軸31からベルト伝動装置32を介して排藁駆動軸33に動力を伝達し、排稾根元搬送チエン9a、排藁穂先搬送チエン8b及び引継ぎ搬送チエン9cを駆動する構成である。
【0033】
前記構成によると、フィードチエン5cの終端側に搬送された排藁は、フィードチエン5cの挟持位置よりもやや穂先側を引継ぎ搬送チエン9cにより挟持されながら引き継がれて終端側に搬送され、次いで、引継ぎ搬送チエン9cの挟持位置の根元側を排藁根元搬送チエン9aに、穂先側を排藁穂先搬送チエン9bに挟持されながら引き継がれ終端側に搬送される。
【0034】
従って、排藁の刺さり粒の多い引継ぎ搬送チエン9cの挟持位置よりも、排藁の長手方向にずれた部分を、排藁根元搬送チエン9a及び穂先側を排藁穂先搬送チエン9bにより持ち変えて搬送するので、刺さり粒の回収率を高めながら排藁を搬送することができる。
【0035】
また、図11のように構成してもよい。排藁駆動軸33の中間部には引継ぎ搬送チエン9cを、排藁駆動軸33の左側端部には排藁根元搬送チエン9aの始端側を、それぞれスプロケットにより支架している。また、排藁従動軸34bの左側端部に排藁根元搬送チエン9aの終端側を、中間部に排藁中間部搬送チエン9dの終端側を、右側端部に排藁穂先搬送チエン9cの終端側を、それぞれスプロケットにより支架し、これらチエン9a,9b,9c,9dを駆動し、引継ぎ搬送チエン9cの終端側と排藁中間部搬送チエン9dの始端側との間に空間部を設けている。
【0036】
そして、排藁中間部搬送チエン9dの駆動用スプロケットを排藁穂先搬送チエン9cの駆動用スプロケットよりも大径にして、排藁中間部搬送チエン9dの搬送速度を排藁穂先搬送チエン9cの搬送速度よりも速くし、排藁の中間部及び穂先側を前後にさばきながら搬送するように構成している。
【0037】
なお、前記排藁中間部搬送チエン9d及び排藁穂先搬送チエン9cにはラグを所定間隔毎に取り付け、排藁の穂先側をラグで支持しながら搬送するように構成してもよい。
前記構成によると、排藁の刺さり粒の多い引継ぎ搬送チエン9cの挟持位置よりも、排藁の長手方向にずれた部分を、排藁根元搬送チエン9a及び穂先側を排藁穂先搬送チエン9bにより持ち変えて搬送するので、刺さり粒の回収率を高めながら排藁を搬送することができる。また、排藁の中間部及び穂先側を前後にさばきながら搬送するので、刺さり粒の落下回収を促進することができる。
【0038】
また、図12に示すように構成してもよい。排稾搬送装置9を、排稾根元搬送チエン9aと、排稾穂先搬送チエン9bとにより構成し、排藁根元搬送チエン9aの始端側を平面視でフィードチエン5cの終端側右側部に接近させ、排藁根元搬送チエン9aと排藁穂先搬送チエン9bとの間隔を、始端側よりも終端側ほど順次広くなるように構成する。そして、排藁穂先搬送チエン9bには所定間隔毎にラグ36,…を取り付け、排藁をラグ36,…で支持しながら搬送するように構成する。
【0039】
前記構成によると、排藁根元搬送チエン9aと排藁穂先搬送チエン9bにより、排藁が搬送中に引き延ばされ、刺さり粒の落下を促進することができる。また、排藁の穂先側が排藁穂先搬送チエン9bのラグ36,…により支持されているので、支持位置の穂先側への移動が円滑になり、刺さり粒の落下を促進することができる。
【0040】
また、所定間隔毎にラグ36,…を取り付けた排藁穂先搬送チエン9bの搬送速度を、排藁根元搬送チエン9aの搬送速度よりも速くすると、搬送中の排藁の長手方向及び搬送方向へのさばきが良くなり、刺さり粒の落下を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバイン操縦部の平面図
【図3】モニタ表示器の拡大正面図
【図4】制御ブロック図
【図5】モニタ表示器の表示内容を示す図
【図6】モニタ表示器の表示内容を示す図
【図7】オーガスイッチパネルの正面図、側面図、底面図、背面図
【図8】オーガスイッチパネルの正面図、側面図、底面図、背面図、拡大断面図
【図9】オーガスイッチパネルの正面図、側面図、底面図、背面図、拡大断面図
【図10】排藁搬送装置の平面図
【図11】排藁搬送装置の平面図
【図12】(A)脱穀部、排藁搬送装置の平面図 (B)排藁搬送装置の平面図 (C)排藁搬送装置の側面図
【符号の説明】
【0042】
3 操縦部
7 作業部(刈取搬送部)
12 モニタ表示器
C1 モニタ表示制御コントローラ
C2 作業走行制御コントローラ
SW1 表示切換スイッチ
SW2 設定スイッチ(ホーン停止スイッチ)
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバイン等の作業車両の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンバインの制御装置において、脱穀部、刈取部、運転席を備え、収穫作業動作状況を表示する総合表示器を運転席近傍の操作部に設け、総合表示器のモニタ表示部を、車速の表示と、コントローラの情報表示に、切換スイッチの操作により切り換えるものは、公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−251939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来の作業車両の制御装置は、モニタ表示器の作業走行状態のモニタ表示からメンテナンスモード及びモニタ表示器のコントラスト調整モードへ迅速に移行することができず、作業能率を高めることができないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、上述の如き課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、操縦部(3)と作業部(5)を具備する作業車両であって、前記操縦部(3)にモニタ表示器(12)を設け、該モニタ表示器(12)の表示状態を制御するモニタ表示制御コントローラ(C1)と作業走行制御用の作業走行制御コントローラ(C2)を通信手段を介して接続し、表示切換スイッチ(SW1)の入り操作に基づいて前記モニタ表示器(12)の複数の表示画面を順次切り換える構成とし、この複数の表示画面の中にメンテナンスモードを設け、設定スイッチ(SW2)の入り操作によってこのメンテナンスモードを選択した後、前記表示切換スイッチ(SW1)の入り操作によってメンテナンスモードの中に設定された複数の表示画面を順次切り換える構成とし、該メンテナンスモードには前記モニタ表示器(12)のコントラスト調整モードを設け、前記設定スイッチ(SW2)の入り操作によってこのコントラスト調整モードを選択した後、表示切換スイッチ(SW1)の入り操作によりコントラスト調整モードの中に設定された複数の表示画面を順次切り換えるように前記モニタ表示制御コントローラ(C1)を構成したことを特徴とする作業車両とする。
【0005】
この構成によると、作業部5を具備する作業車両の操縦部3にはモニタ表示器12が設けられていて、表示切換スイッチSW1の入り操作により、モニタ表示器12の表示画面が順次切り換えられ、作業車両の作業状態や走行状態が順次表示される。この表示画面の中にはメンテナンスモードが設けられていて、設定スイッチSW2の入り操作によりメンテナンスモードが択され、表示切換スイッチSW1の入り操作により、メンテナンスモードの表示画面が順次切り換えられ、必要なメンテナンス情報を得ることができる。そして、メンテナンスモードにはモニタ表示器12のコントラスト調整モードが設けられていて、設定スイッチSW2の入り操作によりコントラスト調整モードが選択され、表示切換スイッチSW1の入り操作により表示画面が順次切り換えられ、コントラストの調整がなされる。
【発明の効果】
【0006】
この発明によると、モニタ表示器12の作業走行状態の表示画面から表示切換スイッチSW1及び設定スイッチSW2の操作だけで、メンテナンスモードへの移行及びメンテナンスモードの画面選択をすることができて、作業中のメンテナンスが容易になり、また、メンテナンスモードの中にモニタ表示器12のコントラスト調整モードが設けられていて、表示切換スイッチSW1及び設定スイッチSW2の操作だけで、作業中に迅速にモニタ表示器12のコントラストを調整することができ、操作性の向上によって作業能率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に示すこの発明の実施の形態について説明する。
まず、図1により本発明を備えたコンバインの全体構成について説明する。図1にはコンバインの全体側面図が図示されている。コンバインの走行車体1の下方には左右走行クローラ2,2を配設し、走行車体1上には、右側前部に座席付きの操縦部3を、その後方にはエンジン(図示省略)及び穀粒収納用のグレンタンク4を配設し、走行車体1の左側部に脱穀部5を搭載し、脱穀部5の下方には選別部6を設け、走行車体1の前側部には刈取搬送部7を昇降自在に設けている。また、脱穀部5及びグレンタンク4の後方に排稾処理装置8を設け、脱穀部5で脱穀された排稾を排稾搬送装置9により排稾処理装置8に送り、細断処理をして機外に排出するように構成している。
【0008】
次に、図2に基づき操縦部3について説明する。
操縦部3の座席3aの前側部には、フロント操作ボックス3bを、左側部にはサイド操作ボックス3cを設けている。フロント操作ボックス3bの右側端部にパワステアリングレバー11を、正面部にモニタ表示器12を設け、サイド操作ボックス3cには、前側から後側にかけてスイッチの入切を表示するスイッチパネル13、エンジンの燃料噴射量を調節するアクセルレバー14、エンジンからの走行動力及び作業動力を無段変速する無段変速装置(図示省略)変速用の主変速レバー15、副変速装置(図示省略)変速用の副変速レバー16、刈取搬送部7及び脱穀部6への動力入切用の刈取脱穀クラッチレバー17を配設している。なお、図3はモニタ表示器12の拡大正面図で中央部に液晶表示部12aを設けている。
【0009】
なお、前記パワステアリングレバー11は、機体の進行方向を変更し、あるいは、刈取搬送部7を昇降するもので、パワステアリングレバー11を左側に操作すると、倒し操作量に応じて機体の走行方向が左側に方向修正され、右側に操作すると右側に方向修正され、また、パワステアリングレバー11を前方に操作すると、刈取搬送部7が下降され、後方に操作すると上昇される構成である。
【0010】
次に、図4に基づきコンバインのモニタ表示装置のブロック構成について説明する。
モニタ表示制御用のモニタ表示制御コントローラC1、刈取走行制御用の刈取走行制御コントローラC2及び車体の水平制御用の車体水平制御コントローラC3を近接配置し、これらコントローラC2,C3をCAN通信等のコントローラ間通信手段C1aを経由してモニタ表示制御コントローラC1のモニタ表示項目選択手段C1bに接続し、モニタ表示項目選択手段C1bからモニタ表示制御手段C1c、液晶出力回路C1dを経て、モニタ表示器12の液晶本体12aにモニタ表示をするように構成している。また、表示切換スイッチSW1、ホーン停止スイッチSW2をデジタル信号入力処理回路を経由して、モニタ表示制御コントローラC1のモニタ表示項目選択手段C1bに入力している。
【0011】
前記モニタ表示器12には表示切換スイッチSW1、ホーン停止スイッチSW2を設け、この表示切換スイッチSW1のON操作毎に、所定の順番によりモニタ表示内容を変更するように構成している。そして、表示切換スイッチSW1のON操作にもかかわらず、前記刈取走行制御コントローラC2、車体水平制御コントローラC3からのモニタ情報が得られないと判断した場合には、当該コントローラのモニタ情報を表示せずに、次の表示切換スイッチSW1のON操作により次の順位のモニタ情報を表示するようにしている。
【0012】
図5(A)はモニタ表示の切換状態を示すもので、例えば、モニタ表示制御コントローラC1に刈取走行制御コントローラC2及び車体水平制御コントローラC3が接続されている場合には、表示切換スイッチSW1の第1のON操作により、標準画面の「エンジンの負荷表示、走行速度及びグレンタンク4の穀粒収納量、燃料の残量」が表示される。次いで、表示切換スイッチSW1の第2のON操作により、左右傾斜状態表示画面の「車体水平制御による車体傾斜状態」が表示され、表示切換スイッチSW1の第3のON操作により、車高状態表示画面の「車体水平制御による車高状態」が表示される。
【0013】
また、モニタ表示制御コントローラC1に車体水平制御コントローラC3が接続されていない場合(あるいは、通信回線の故障の場合)には、図5(B)に示すように、表示切換スイッチSW1の第1のON操作により、標準画面の「エンジンの負荷表示、走行速度及びグレンタンク4の穀粒収納量、燃料の残量」が図5(A)と同様に表示される。次いで、表示切換スイッチSW1の第2のON操作をしても、左右傾斜状態表示画面の「車体水平制御による車体傾斜状態」のモニタ情報が受信されていない場合には、モニタ表示がされない。また次いで、表示切換スイッチSW1の第3のON操作をしても、車高状態表示画面の「車体水平制御による車高状態」のモニタ情報が受信されてないときには、モニタ表示はされない。
【0014】
次に、図6に基づきモニタ表示の他の実施形態について説明する。
この実施形態は、コンバインのエンジン、作業部の稼動状況及び稼動情報の表示の中にメンテナンスモードの表示を加えて、作業中にメンテナンスを容易に実行しようとするものである。
【0015】
前記表示切換スイッチSW1の第1の押し操作により、6aに示すように、通常画面に移行し、「エンジンの負荷状態、グレンタンク4の貯溜量、車速、燃料タンクの燃料残量、ライトの照明状態」が表示される。次いで、第2の押し操作により、6bに示すように、車体表示に移行し、「車高状態」が表示される。次いで、第3の押し操作により、6cに示すように、メンテナンスモードに移行する。
【0016】
そして、例えばホーン停止スイッチSW2をオンする毎に、6dに示すように、メンテナンス項目が所定の順序で順次切り換えられた後に、6eに示すように、モニタ表示器12の液晶本体12aの「コントラスト調整モード」に移行する。次いで、ホーン停止スイッチSW2を押すと、6fに示すように、ウインカのコントラスト調整画面に移行し、調整ボタン「薄」の矢印あるいは「濃」の矢印を押してコントラストを調整をする。次いで、表示切換スイッチSW1を押すと、6gに示すように、「液晶コントラスト調整画面」に移行し、調整ボタン「薄」の矢印あるいは「濃」の矢印を押すと、コントラストが調整される。
【0017】
次いで、表示切換スイッチSW1を押すと、6hに示すように、コントラスト調整モードの終了画面に移行し、表示切換スイッチSW1を押すとモードが終了し、ホーン停止スイッチSW2を押すと、前記コントラストの調整モード画面(6f)に戻り、前記調整画面が繰り返し表示される。
【0018】
前記構成によると、モニタ表示器12の表示画面の作業走行状態の切り換え表示から表示切換スイッチSW1の操作だけでメンテナンスモードに移行するので、作業中のメンテナンスが容易になりる。また、メンテナンスモードの中に液晶コントラスト調整が組み込まれているので、作業中に迅速に液晶表示のコントラスト調整を行なうことができる。
【0019】
次に、図7に基づき排出オーガー25の操作スイッチ構成について説明する。
グレンタンク4に収納した穀粒を排出オーガー25により排出するように構成している。排出オーガー25は、図1に示すように、縦排出オーガー25aと、基部横排出オーガー25bと、基部横排出オーガー25bに伸縮自在の先端横排出オーガー25cと、先端横排出オーガー25cの先端に設けた排出口25dにより構成されていている。そして、アクチュエータにより縦排出オーガー25aの軸芯回りに基部横排出オーガー25b及び先端横排出オーガー25cを旋回させることができ、また、基部横排出オーガー25bに対して先端横排出オーガー25cを伸縮調節することができ、また、基部横排出オーガー25b及び先端横排出オーガー25cを軸心回りに回動して、排出口25dを左右に回動調節できるように構成している。
【0020】
次に、図7に基づき排出オーガー25のスイッチ構成について説明する。
オーガスイッチパネル26を上下方向に長い箱体に構成し、平面視で上側部26a及び下側部26bを左右幅広に構成し、上下中間部26cを幅狭にし凹ませた構成としている。そして、幅広の上側部26aの上部には、排出オーガー25を作動状態にする排出オーガーオンスイッチSW11、切り状態とする排出オーガー停止スイッチSW12、及び、排出オーガーオンスイッチSW11がオンすると点灯する排出表示燈30を設けている。その下方のには、張出し自動スイッチSW13、収納自動スイッチSW14を左右に並設している。
【0021】
また、その下方には、基部横排出オーガー25b、先端横排出オーガー25cの左右旋回用の左旋回スイッチSW15、右旋回スイッチSW16を左右に並設し、基部横排出オーガー25b、先端横排出オーガー25cの上下回動用の上回動スイッチSW17、下回動スイッチSW18を上下に配設している。また、これらスイッチの中心部に平面視変形+形の隆起部26dを設け、これらスイッチの境界部としている。
【0022】
また、下側部26bの上側部には、先端排出オーガー25c伸縮用の伸長調節スイッチSW19、短縮調節スイッチSW20を上下に並設し、また、排出口25dの左右調節用の左回動スイッチSW21、右排出スイッチSW22を左右に並設している。そして、これらスイッチの中心部に平面視変形+形の隆起部26eを設け、これらスイッチの境界部としている。また、その下方には、基部横排出オーガー25b、先端横排出オーガー25cを旋回させて左右張り出し位置調整用の左張出し調節スイッチSW23、右張出し調節スイッチSW24を設けている。また、オーガスイッチパネル26の表面の周辺部に、前記各スイッチSW15〜SW22の押し面よりも高い周辺隆起部28を設けている。
【0023】
前記構成によると、上下方向に長いオーガスイッチパネル26を、平面視で上側部26a及び下側部26bを左右幅広に、中間部26cを幅狭にし凹ませて構成したので、中間部26cを握ることで、滑り止めとなりスイッチの誤操作を防止することができる。また、隆起部26c,26d及び周辺隆起部28を基準にすることにより、スイッチの位置を容易に判別でき誤操作を防止することができる。
【0024】
また、次のように構成してもよい。前記左右旋回用の左旋回スイッチSW15、右旋回スイッチSW16を寒色で着色し、また、前記上回動スイッチSW17、下回動スイッチSW18を暖色に着色する。このように構成することにより、スイッチを見ただけで作動方向のイメージができ、操作が容易となる。
【0025】
また、次のように構成してもよい。前記左旋回スイッチSW15、右旋回スイッチSW16、上回動スイッチSW17及び下回動スイッチSW18を、例えば暖色により着色し、前記伸長調節スイッチSW19、短縮調節スイッチSW20、左回動スイッチSW21及び右排出スイッチSW22を、例えば寒色により着色する。すると、スイッチ位置の把握が容易となり、誤操作を少なくすることができる。
【0026】
また、次のように構成してもよい。前記左右旋回用の左旋回スイッチSW15、右旋回スイッチSW16を、薄い暖色で左右に並設し、前記上回動スイッチSW17、下回動スイッチSW18を、濃い暖色で上下に並設し、前記伸長調節スイッチSW19、短縮調節スイッチSW20を、濃い寒色で上下に並設し、前記左回動スイッチSW21、右排出スイッチSW22を、薄い寒色により左右に並設する。前記構成によると、色彩によりスイッチ位置の把握が容易となり、誤操作を少なくすることができる。
【0027】
また、オーガスイッチパネル26を上下方向に長く構成し、平面視で上側部26a及び下側部26bを左右幅広に構成し、上下中間部26cを左右幅狭にして凹ませた構成とし、裏面における左右中央部に上下方向に沿わせて凹ませた縦溝部26fを構成している。
【0028】
前記構成によると、オーガスイッチパネル26を左右両側から両手で握ると、小指の先端を縦溝部26fに引っ掛けることができて、確実に握ることができ、スイッチの誤操作を防止することができる。
【0029】
また、図8に示すように構成してもよい。オーガスイッチパネル26の裏面の左右中央部には、上下方向の縦溝部26fを構成し、裏面の凹んだ左右中央の縦溝部26f、その左右両側の左右平面部26g,26hには、多数の横溝26i,…を所定間隔毎に多数形成している。なお、これらの縦溝部26f及び横溝26i,…をインジェクションにより一体成形する。記構成によると、オーガスイッチパネル26が滑りにくスイッチの誤操作を防止し、軽量にすることができる。
【0030】
また、図9に示すように、オーガスイッチパネル26の裏面左右中央部には、上下方向の縦溝部26fを形成し、縦溝部26fの左右側方の左右平面部26g,26hに、所定間隔毎に無数の小さな凹部26j,…を形成しても、前記と同様の効果が期待できる。
【0031】
次に、図10に基づき排稾搬送装置の他の実施形態について説明する。
脱穀部5は、図10に示すように、扱室5a、扱室5a内に軸架している扱胴5b、扱胴5bの左側方に設けたフィードチエン5c、扱胴5bの側方に軸架している二番処理胴5d、排塵処理胴5e等で構成されている。フィードチエン5cの終端側に排稾搬送装置9の始端側を連設している。この排稾搬送装置9は、始端側を機体左側に、終端側を機体右側に配置し、平面視で機体内側に向けて排藁を傾斜搬送しながら後続の排稾処理装置8(図1に示す)に供給するようにしている。
【0032】
排稾搬送装置9は、排稾根元搬送チエン9a、この下側に対向する挟持棒(図示省略)と、排稾穂先搬送チエン9b、この下側に対向する挟持棒(図示省略)と、排稾根元搬送チエン9aと排稾穂先搬送チエン8bの間に搬送始端側にだけ設けている引継ぎ搬送チエン9c、この下側に対向する挟持棒(図示省略)により構成されていて、引継ぎ搬送チエン9cの始端側を平面視でフィードチエン5cの終端側右側部に接近させて設けている。そして、扱胴軸31からベルト伝動装置32を介して排藁駆動軸33に動力を伝達し、排稾根元搬送チエン9a、排藁穂先搬送チエン8b及び引継ぎ搬送チエン9cを駆動する構成である。
【0033】
前記構成によると、フィードチエン5cの終端側に搬送された排藁は、フィードチエン5cの挟持位置よりもやや穂先側を引継ぎ搬送チエン9cにより挟持されながら引き継がれて終端側に搬送され、次いで、引継ぎ搬送チエン9cの挟持位置の根元側を排藁根元搬送チエン9aに、穂先側を排藁穂先搬送チエン9bに挟持されながら引き継がれ終端側に搬送される。
【0034】
従って、排藁の刺さり粒の多い引継ぎ搬送チエン9cの挟持位置よりも、排藁の長手方向にずれた部分を、排藁根元搬送チエン9a及び穂先側を排藁穂先搬送チエン9bにより持ち変えて搬送するので、刺さり粒の回収率を高めながら排藁を搬送することができる。
【0035】
また、図11のように構成してもよい。排藁駆動軸33の中間部には引継ぎ搬送チエン9cを、排藁駆動軸33の左側端部には排藁根元搬送チエン9aの始端側を、それぞれスプロケットにより支架している。また、排藁従動軸34bの左側端部に排藁根元搬送チエン9aの終端側を、中間部に排藁中間部搬送チエン9dの終端側を、右側端部に排藁穂先搬送チエン9cの終端側を、それぞれスプロケットにより支架し、これらチエン9a,9b,9c,9dを駆動し、引継ぎ搬送チエン9cの終端側と排藁中間部搬送チエン9dの始端側との間に空間部を設けている。
【0036】
そして、排藁中間部搬送チエン9dの駆動用スプロケットを排藁穂先搬送チエン9cの駆動用スプロケットよりも大径にして、排藁中間部搬送チエン9dの搬送速度を排藁穂先搬送チエン9cの搬送速度よりも速くし、排藁の中間部及び穂先側を前後にさばきながら搬送するように構成している。
【0037】
なお、前記排藁中間部搬送チエン9d及び排藁穂先搬送チエン9cにはラグを所定間隔毎に取り付け、排藁の穂先側をラグで支持しながら搬送するように構成してもよい。
前記構成によると、排藁の刺さり粒の多い引継ぎ搬送チエン9cの挟持位置よりも、排藁の長手方向にずれた部分を、排藁根元搬送チエン9a及び穂先側を排藁穂先搬送チエン9bにより持ち変えて搬送するので、刺さり粒の回収率を高めながら排藁を搬送することができる。また、排藁の中間部及び穂先側を前後にさばきながら搬送するので、刺さり粒の落下回収を促進することができる。
【0038】
また、図12に示すように構成してもよい。排稾搬送装置9を、排稾根元搬送チエン9aと、排稾穂先搬送チエン9bとにより構成し、排藁根元搬送チエン9aの始端側を平面視でフィードチエン5cの終端側右側部に接近させ、排藁根元搬送チエン9aと排藁穂先搬送チエン9bとの間隔を、始端側よりも終端側ほど順次広くなるように構成する。そして、排藁穂先搬送チエン9bには所定間隔毎にラグ36,…を取り付け、排藁をラグ36,…で支持しながら搬送するように構成する。
【0039】
前記構成によると、排藁根元搬送チエン9aと排藁穂先搬送チエン9bにより、排藁が搬送中に引き延ばされ、刺さり粒の落下を促進することができる。また、排藁の穂先側が排藁穂先搬送チエン9bのラグ36,…により支持されているので、支持位置の穂先側への移動が円滑になり、刺さり粒の落下を促進することができる。
【0040】
また、所定間隔毎にラグ36,…を取り付けた排藁穂先搬送チエン9bの搬送速度を、排藁根元搬送チエン9aの搬送速度よりも速くすると、搬送中の排藁の長手方向及び搬送方向へのさばきが良くなり、刺さり粒の落下を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバイン操縦部の平面図
【図3】モニタ表示器の拡大正面図
【図4】制御ブロック図
【図5】モニタ表示器の表示内容を示す図
【図6】モニタ表示器の表示内容を示す図
【図7】オーガスイッチパネルの正面図、側面図、底面図、背面図
【図8】オーガスイッチパネルの正面図、側面図、底面図、背面図、拡大断面図
【図9】オーガスイッチパネルの正面図、側面図、底面図、背面図、拡大断面図
【図10】排藁搬送装置の平面図
【図11】排藁搬送装置の平面図
【図12】(A)脱穀部、排藁搬送装置の平面図 (B)排藁搬送装置の平面図 (C)排藁搬送装置の側面図
【符号の説明】
【0042】
3 操縦部
7 作業部(刈取搬送部)
12 モニタ表示器
C1 モニタ表示制御コントローラ
C2 作業走行制御コントローラ
SW1 表示切換スイッチ
SW2 設定スイッチ(ホーン停止スイッチ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操縦部(3)と作業部(5)を具備する作業車両であって、前記操縦部(3)にモニタ表示器(12)を設け、該モニタ表示器(12)の表示状態を制御するモニタ表示制御コントローラ(C1)と作業走行制御用の作業走行制御コントローラ(C2)を通信手段を介して接続し、表示切換スイッチ(SW1)の入り操作に基づいて前記モニタ表示器(12)の複数の表示画面を順次切り換える構成とし、この複数の表示画面の中にメンテナンスモードを設け、設定スイッチ(SW2)の入り操作によってこのメンテナンスモードを選択した後、前記表示切換スイッチ(SW1)の入り操作によってメンテナンスモードの中に設定された複数の表示画面を順次切り換える構成とし、該メンテナンスモードには前記モニタ表示器(12)のコントラスト調整モードを設け、前記設定スイッチ(SW2)の入り操作によってこのコントラスト調整モードを選択した後、表示切換スイッチ(SW1)の入り操作によりコントラスト調整モードの中に設定された複数の表示画面を順次切り換えるように前記モニタ表示制御コントローラ(C1)を構成したことを特徴とする作業車両。
【請求項1】
操縦部(3)と作業部(5)を具備する作業車両であって、前記操縦部(3)にモニタ表示器(12)を設け、該モニタ表示器(12)の表示状態を制御するモニタ表示制御コントローラ(C1)と作業走行制御用の作業走行制御コントローラ(C2)を通信手段を介して接続し、表示切換スイッチ(SW1)の入り操作に基づいて前記モニタ表示器(12)の複数の表示画面を順次切り換える構成とし、この複数の表示画面の中にメンテナンスモードを設け、設定スイッチ(SW2)の入り操作によってこのメンテナンスモードを選択した後、前記表示切換スイッチ(SW1)の入り操作によってメンテナンスモードの中に設定された複数の表示画面を順次切り換える構成とし、該メンテナンスモードには前記モニタ表示器(12)のコントラスト調整モードを設け、前記設定スイッチ(SW2)の入り操作によってこのコントラスト調整モードを選択した後、表示切換スイッチ(SW1)の入り操作によりコントラスト調整モードの中に設定された複数の表示画面を順次切り換えるように前記モニタ表示制御コントローラ(C1)を構成したことを特徴とする作業車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−271846(P2008−271846A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118789(P2007−118789)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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